JP4985386B2 - 受信装置 - Google Patents

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本発明は、受信信号をオーバーサンプリングして軟判定復号する受信装置に関する。
通信システムの長距離化、大容量化を低コストで実現するための技術として、誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)が大きな役割を担っている。
従来は、リードソロモン(Read Solomon)その他の硬判定誤り訂正技術を用いて受信感度の向上が図られていたが、近年、さらに受信感度の向上が可能である軟判定誤り訂正が標準仕様として組み込まれ使用されている(例えば、広帯域無線アクセスであるIEEE802.16e、デジタル放送規格のDVB-S2、10G Base-T 規格のIEEE802.3an)。
この軟判定誤り訂正符号の代表的なものとしては、ターボ(Turbo)符号や低密度パリティ検査(LDPC:Low-Density Parity-Check)符号が知られているが、これらの軟判定誤り訂正符号では、受信したデータを「0」と「1」の2値のビット列として確定的に表現(硬判定)するのではなく、受信したデータの確からしさを用いて表現(軟判定)することで訂正能力を向上させている。
例えば、非特許文献1にも記載されている通り、送信シンボル(0,1)を(+1,−1)に変調して送信するシステムに対して、加法性白色ガウス雑音が印加されると仮定した場合には、受信した第nシンボルの受信値ynの確からしさは、送信データxnが元々「0」であってynとして受信した確率と、送信データxnが元々「1」であってynとして受信した確率の比の自然体数をとって、次式のように表すことができる。
Figure 0004985386
上式において、λnは対数尤度比と呼ばれ、σ2は伝送路で印加される雑音の分散値である。
一方、非特許文献2には、受信データを2値でサンプリングするのではなく、受信データから複数ビットの出力値を出力できるADコンバータを用いて、2値以上の多値でサンプリングすることで、受信データを軟判定する方法が開示されている。
和田山正 「低密度パリティ検査符号とその復号法について」 信学技報、MR2001−83、2001年12月 大内−英他、「WDMシステム用軟判定FECにおける閾値間隔制御に関する検討」、電子情報通信学会総合大会、2004年、469頁
非特許文献1では、通信路(伝送路ともいう。)を加法性白色ガウス通信路であると仮定しているが、受信ジッタの影響を考慮していないので、通常の通信システムでは当該仮定が成立しないことがある。例えば、無線通信でビルからの遅延波(反射波)がある場合や、マルチモードファイバを用いた光通信の場合は上記仮定が成立しないことが多い。
このため、受信器側において、等化器を用いて白色雑音以外の影響を低減し、あたかもその影響が無視できるような状態に変換することによって、通信路全体が加法性白色ガウス通信路とみなし得ると仮定し、上記の対数尤度比の式を使用するのが通常である。従って、この場合、等化器と対数尤度比算出器の2つが独立して必要になる。
これに対して、非特許文献2の場合には、通信路を加法性白色ガウス通信路であると仮定していないので、上記の問題は生じないが、ADコンバータが複数ビットを出力するために、伝送速度が高速化するにつれてADコンバータの処理が追いつかなくなるという問題がある。
例えば、1Gbpsを超える高速データ伝送のような場合には、複数ビットを出力するADコンバータの実現性自体が困難な状況であり、最新の技術動向においても3GHzのサンプリング周波数に対応したものが上限であるとされている。
また、例えば、通信システムが光通信路を共有するPON(Passive Optical Network)方式の場合、局側装置から各宅側装置までの光ファイバの距離や分岐数等が相違するため、局側装置は、どの宅側装置から送信されたかによって、受信する光レベルが相違する。そのため、局側装置は、受信する光レベルに応じてADコンバータの閾値を設定する処理が必要となり、処理が複雑化する。
本発明は、このような実情に鑑み、通信路を仮定しなくても、かつ、複数ビットを出力するADコンバータを用いなくても、受信信号を軟判定復号することができる受信装置を提供することを目的とする。
本発明の受信装置(請求項1)は、受信信号をオーバーサンプリングして得た各サンプリング点のデータを2値で判定して2値データ列を順次出力するオーバーサンプリング部と、前記2値データ列を前記受信信号に対応して分割したサンプリングデータと、送信信号に対する前記受信信号の対数尤度比との関係を規定した参照テーブルと、前記参照テーブルを用いて前記対数尤度比を決定する尤度決定部と、決定された前記対数尤度比に基づいて前記受信信号に対して誤り訂正復号を行う復号部とを備えていることを特徴とする。
本発明の受信装置によれば、オーバーサンプリング部が、受信信号をオーバーサンプリングして得た各サンプリング点における2値データ列を順次出力し、尤度決定部が、その2値データ列を受信信号に対応して分割したサンプリングデータと当該受信信号の対数尤度比との関係を規定した参照テーブルを用いて対数尤度比を決定し、復号部が、その決定された対数尤度比に基づいて受信信号に対して誤り訂正復号を行うので、通信路を仮定することなく、かつ、複数ビットを出力するADコンバータを用いなくても、受信信号を軟判定復号することができる。
また、本発明の受信装置によれば、尤度決定部が、サンプリングデータと対数尤度比との関係を予め規定した参照テーブルを用いて対数尤度比を決定するので、短時間でかつ正確に当該対数尤度比を決定することができる。
ところで、後の実施形態で詳述するが、オーバーサンプリング部におけるサンプリングタイミングを適切に設定すれば、各サンプリングデータに対応する対数尤度比の結果に対称性が表れることが明らかになった。
そこで、かかる対数尤度比の結果に対称性が表れるようにオーバーサンプリング部におけるサンプリングタイミングを設定しておけば(請求項2)、参照テーブルで必要なテーブルサイズを低減することができ、受信装置のメモリを有効利用することができるし、当該参照テーブルを作成するための観測時間を短縮することができる。
また、本発明の受信装置において、1つの前記参照テーブルで複数の信号対雑音比の前記受信信号を復号するために、前記尤度決定部で決定された前記対数尤度比をスケーリングするスケーリング部が設けられていることが好ましい(請求項3)。
この場合、1つの参照テーブルを用いて決定される対数尤度比をスケーリングすることによって、他の信号対雑音比の受信信号も復号できるようになるので、受信装置による復号性能をより向上することができる。
もっとも、後の実施形態で詳述するが、前記復号部が、LDPC符号よりなる符号化データに対してサムプロダクト復号法を簡略化した復号方式(例えば、ミニサム復号法)に基づく誤り訂正復号を行うものである場合には、対数尤度比をスケーリングしても復号結果が変動しないので、前記尤度決定部として、複数の信号対雑音比の前記受信信号に対しても1つの前記参照テーブルに基づいて前記対数尤度比を決定するものを採用すればよい(請求項4)。
更に、本発明の受信装置において、伝送路の状態を監視する伝送路監視部と、前記伝送路の状態に対応して前記オーバーサンプリング部におけるサンプリング数を変更するサンプリングレート制御部が設けられていることが好ましい(請求項5)。
この場合、サンプリングレート制御部が、伝送路の状態に対応してオーバーサンプリング部におけるサンプリング数を変更するので、伝送路の状態変化に伴って受信信号の軌道がより複雑に変化しても、サンプリング数を変更することで受信信号を適切に復号することができる。
本発明によれば、通信路を仮定しなくても、かつ、複数ビットを出力するADコンバータを用いなくても、受信信号を軟判定復号することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
〔通信システムの構成〕
図1は、本発明の実施に適した通信システムの構成例を示すトポロジー図である。
図1に示すように、この通信システムは、PON(Passive Optical Network)システムと呼ばれるものであって、1つの局側装置1と、この局側装置1と双方向通信する複数個の宅側装置2a,2b,・・・,2i,2jとが光ファイバ5で接続されている。かかるPONシステムでは、光スプリッタ3,4を用いて光ファイバ5を分岐させることで、1本の光ファイバ5を複数の宅側装置で共有できるようにしている。
図1のPONシステムは、局側装置1と宅側装置2a,2b,・・・,2i,2jまでの光ファイバ5の距離および光ファイバ5の分岐数が、各宅側装置2によって相違している。具体的には、局側装置1に接続された光ファイバ5aは、1×4スプリッタ3によって4分岐されている。
この1×4スプリッタ3で4分岐する光ファイバ5bは、1×4スプリッタ4aによって更に分岐されて宅側装置2a,2bに接続され、1×8スプリッタ4dによって更に分岐されて宅側装置2i,2jに接続されている。
従って、図1のPONシステムでは、局側装置1から宅側装置2a,2bまでの光ファイバ5の分岐数は、4×4=16分岐であり、局側装置1から宅伽装置2i,2jまでの光ファイバ5の分岐数は、4×8=32分岐である。
また、局側装置から1×4スプリッタ3までの距離は1kmであり、1×4スプリッタ3から1×4スプリッタ4aまでの距離が5kmである。1×4スプリッタ4aから宅側装置2aまでの距離が6kmであり、1×4スプリッタ4aから宅側装置2bまでの距離が7kmである。
更に、1×4スプリッタ3から1×4スプリッタ4dまでの距離が9kmである。1×4スプリッタ4dから宅側装置2iまでの距離が8kmであり、1×4スプリッタ4dから宅側装置2jまでの距離が7kmである。
このような局側装置1から宅側装置2a,2b,・・・,2i,2jまでの光ファイバ5の距離および光ファイバ5の分岐数の相違によって、どの宅側装置2から送信された光信号かによって局側装置1で受信する光信号のパワーが相違する。
例えば、宅側装置2aで送信された光信号を局側装置1で受信するときには、送信された光信号は、16分岐によってパワーが1/16倍となり、かつ12km(=1km+5km+6km)分の伝送距離によってパワーがさらに低下する。
また、宅側装置2iから送信された光信号を局側装置1で受信するときには、送信された光信号は、32分岐によってパワーが1/32倍となり、かつ18km(=1km+9km+8km)分の伝送距離によってパワーがさらに低下する。
このように局側装置1で受信する光信号のパワーが相違するので、局側装置1が非特許文献2のようにADコンバータで受信信号を軟判定する場合、宅側装置2ごとにADコンバータの閾値を用意する必要があり、処理が複雑化することがある。
かかるPONシステムにおいては、局側装置1と宅側装置2a,2b,・・・,2i,2jの間で双方向通信が可能であるが、本発明は、光信号のパワーが宅側装置2a,2b,・・・,2i,2jによって相違する局側装置1への上り送信の場合に特に効果があることから、以下においては、宅側装置2a,2b,・・・,2i,2jを送信側(送信装置)とし、局側装置1を受信側(受信装置)として、本発明の実施形態を説明する。
〔宅側装置(送信装置)の構成〕
図2は、図1の通信システムの送信側である宅側装置(送信装置)2aの構成図である。他の宅側装置2b,・・・,2i,2jもこれと同様である。
図2に示すように、この宅側装置2aは、誤り訂正符号化部11と電気光変換部12とを備えている。このうち、誤り訂正符号化部11は、送信データをKビットごとに分割する。
この誤り訂正符号化部11は、自身が分割したKビットの情報ビットに対して、Kビットの情報ビットから計算されたMビットの冗長ビットと、Sビットの同期用ビットとを付加し、L(=K+M+S)ビットのLDPC符号(低密度パリティ検査符号)データを生成する。なお、情報ビットのビット数Kと、冗長ビットのビット数Mとの和をNとする。
一方、電気光変換部12は、誤り訂正符号化部11から出力されるLDPC符号データ(0又は1の時系列列データ)を、光信号に変換して通信路である光ファイバ5に出力する。
〔局側装置(受信装置)の構成〕
図3は、図1の通信システムの受信側である局側装置(受信装置)1の構成図である。
図3に示すように、本実施形態の局側装置1は、光電気変換器21と、TIA(Trans-Impedance Amplifier)22と、LA(Limiting Amplifier)23と、対数尤度比算出部24と、誤り訂正復号部25とを備えている。
このうち、光電気変換器21は、光ファイバ5から受信した受信信号の光レベルに応じた電流を出力するものであり、TIA22は、光電気変換器21から出力される電流をアナログ電圧に変換するものである。また、LA23は、TIA22から出力されるアナログ電圧を増幅するものである。
また、対数尤度比算出部24は、LA23から出力される電圧から対数尤度比λを算出するものであり、誤り訂正復号化部25は、算出された対数尤度比λを用いて、符号長Nの単位でサムプロダクト(sum-product)復号法やこれを簡略化した復号方式(例えば、ミニサム(min-sum)復号法)によって誤り訂正復号を行う。
〔誤り訂正復号部の構成〕
図4は、誤り訂正復号部25の構成図である。
図4に示すように、誤り訂正復号部25は、パリティ検査行列の行処理を行う行処理部27と、パリティ検査行列の列処理を行う列処理部28と、対数尤度比算出部24からの対数尤度比λnと行処理部27の出力ビット(外部値対数比)αmnとに従って復号語を生成するループ判定部26とを含む。
〔サムプロダクト復号法〕
復号方式がサムプロダクト復号法である場合には、行処理部27及び列処理部28は、それぞれ、次の式(1)及び(2)に従って演算処理を行い、パリティ検査行列の行の各要素についての処理(行処理)及び列の各要素についての処理(列処理)を実行する。
具体的には、行処理部27は、列処理部28から与えられる事前値対数比βmnと対数尤度比λnとに従って外部値対数比αmnを更新する。列処理部28は、行処理部27から与えられる外部値対数比αmnに従って、事前値対数比βmnを算出する。
Figure 0004985386
ここで、上記式(1)及び(2)において、n′∈A(m)\nとm′∈B(n)\mは、自身を除く要素を意味する。外部値対数比αmnについては、n′≠nであり、事前値対数比βmnについては、m′≠mである。
また、α及びβの行列内の位置を示す添え字“mn”は、通常は下付文字で示されるが、本明細書においては、読みやすさのために、「横並びの文字」で示す。
式(1)中の関数f(β)は、ギャラガ(Gallager)のf関数であり、上記式(1)の下の式で定義される。また、式(1)中の関数sign(x)は、次の式(3)で定義される。
Figure 0004985386
また、集合A(m)及びB(n)は、2元M・N行列のH=[Hmn]を復号対象のLDPC符号の検査行列とした場合における、集合[1,N]={1,2,…,N}の部分集合である。
A(m)={n:Hmn=1} ……(4)
B(n)={m:Hmn=1} ……(5)
すなわち、部分集合A(m)は、検査行列Hの第m行目において1が立っている列インデックスの集合を意味し、部分集合B(n)は、検査行列Hの第n列目において1が立っている行インデックスの集合を示す。
〔ミニサム復号法〕
一方、復号方式がミニサム復号法である場合には、行処理部27及び列処理部28は、次の式(6)及び(7)に従って演算処理を行う。
Figure 0004985386
式(1)と式(6)を比較すれば明らかな通り、ミニサム復号法は、外部値対数比αmnの演算において、ギャラガのf関数に関する項を近似値に置き換えたものであり、これによって演算負荷が軽減される。従って、ミニサム復号法は、サムプロダクト復号法の簡易な実装形式の1つである。
なお、式(6)において、関数minは最小値を求める演算子である。また、サムプロダクト復号法の式(2)とミニサム復号法の式(7)とは同じものである。
〔ループ判定部によるパリティ検査〕
ループ判定部26は、行処理部27及び列処理部28における演算処理結果に基づいて一次推定語を生成し、これらの一次推定語が符号語を構成しているかを検査する。
このパリティ検査時において、シンドロームが“0”とならない場合には、再び処理を繰返し実行する。この処理の繰返し回数が所定値に到達すると、そのときの一次推定語を復号語として出力する。
図5は、上記ループ判定部26の処理動作を示すフローチャートである。以下、この図5を参照して、ループ判定部26の処理換作について説明する。
まず、初期動作として、ループ回数及び事前値対数比βmnの初期設定が行われる。このループ回数は、列処理部28で生成された事前値対数比βmnを用いて再び行処理部27で外部値対数比αmnを生成するループにおける演算回数を示す。このループ回数においては、最大値が予め定められる。事前値対数比βmnは、“0”に初期設定されている(ステップSP1)。
次に、受信シンボル系列に従って、近似対数尤度比λn及び外部値対数比αmnが、それぞれ、対数尤度比算出部24及び行処理部27により生成され、ループ判定部26へ供給される(ステップSP2)。
ループ判定部26は、これらの供給された近似対数尤度比λn及び外部値対数比αmnに従って、演算Qn=λn+Σαmnを行って推定受信語Qnを算出する(ステップSP3)。ここで、総和Σは、部分集合B(n)の要素mについて実行される。
このステップSP3において算出された値Qnの正負の符号を判定し(ステップSP4)、一次推定符号Cnを生成する(ステップSP5)。
この符号の正/負判定においては、例えば、推定受信語Qnが2の補数表示されているときには、最上位ビット(符号ビット)のビット値を見ることにより、正及び負の判定を行なうことができる。
推定符号Cnが全て生成され、符号語(C1,……,CN)が生成されると、次いでパリティ検査が実行される(ステップSP6)。
このパリティ検査においては、先の検査行列Hの転置行列を用いて、(C1,……,CN)・Ht=0が計算される。この計算によって生成されるシンドロームが0であれば、Kビットの一次推定語(C1,……,CK)を推定語として出力する(ステップSP9)。
一方、この生成されたシンドロームが0と異なる場合には、ループ回数が最大値であるかの判定が行なわれる(ステップSP7)。
すなわち、この一次推定語の生成回数をカウントし、その生成回数が所定の最大回数に到達すると、その符号についての算出をそれ以上は止め、現在生成されている一次推定語を復号語として出力する(ステップSP9)。これにより、収束性の悪いノイジーな符号に対して、不必要に演算処理時間が費やされるのを防止する。
ステップSP7において、ループ回数が最大値に到達していないと判定されると、このル一プ回数を1つインクリメントして(ステップSP8)、更に行処理部27及び列処理部28における処理を開始させ、再びステップSP2からの処理を実行する。
誤り訂正復号化部25によるこれら一連の処理が、LDPCのサムプロダクト復号法(簡略形式であるミニサム復号法を含む。)の動作である。
〔対数尤度算出部の構成〕
図6は、第1実施形態に係る対数尤度比算出部24の構成図である。
図6に示すように、本実施形態の対数尤度比算出部24は、オーバーサンプリング部42と、位相特定部44と、参照テーブル45と、ビット分割部46と、同期制御部47と、尤度決定部48と、通信路監視部49と、スケーリング部50とを含む。
このうち、オーバーサンプリング部42は、宅側装置2から送信される送信信号の送信周波数(1/T)のP倍(Pは2以上の自然数)の周波数で、LA23から出力される信号(電圧)をサンプリングする、例えば複数の比較器で構成されたサンプリング回路よりなる。ここで、Tは、送信信号の送信周期を表わす。
なお、送信信号の信号周波数のP倍でオーバーサンプリングする場合には、受信時点を含めたサンプリング点は(P+1)個存在し、これを周期で見ると、送信信号の送信周期TをPで除したサンプリング周期で値がサンプリングされることになる。
このため、以下において、送信周波数(1/T)をP倍(Pは2以上の自然数)でオーバーサンプリングすることを、送信周期TのP倍のオーバーサンプリングと呼ぶこととする。
なお、オーバーサンプリング部42でのサンプリング間隔は、通常、一定間隔で設定されるが、各サンプリング間の間隔が異なる不均一な間隔としてもよい。
オーバーサンプリング部42は、上記所定のサンプリング周波数でサンプリングした値が所定の閾値(例えば、「0」)以上のときに「1」を出力し、サンプリングした値が所定の閾値未満のときに「0」を出力する。従って、オーバーサンプリング部42は、宅側装置から送信された送信データの1ビットに対して、(P+1)ビットのデータを出力する。
位相特定部44は、オーバーサンプリング部42から順次出力される2値データ列の値(0又は1のバイナリデータ)が変化する点を検出する回路よりなる。この検出結果に従って2値データ列の位相変化点が特定され、この位相変化点はビット分割部46に通知される。
ビット分割部46は、位相特定部44から通知される位相変化点に従って、オーバーサンプリング部42から出力される連続した2値データ列の中のP個のビットを1単位として、グループ分けを行う。
従って、このグループ分けされたデータは、オーバーサンプリング部42から順次出力される連続した2値データ列を、受信信号の周期Tに対応して分割してなるサンプリングデータとなる。
尤度決定部48は、ビット分割部46から出力されるグループ分けされたPビットのサンプリングデータynに基づき、このサンプリングデータynと、送信信号xnに対する受信信号の確からしさを示す対数尤度比λnとの関係を規定した参照テーブル45を用いて、当該各サンプリングデータynについての対数尤度比λnを決定する。
ここで、図10(a)は、送信周期Tの4倍でオーバーサンプリングした場合(P=5の場合)の受信信号のアイパターンを示している。この場合、グループ分けされた各サンプリングデータynの値は、時系列順にyn=(a,b,c,d,e)となり、a〜eはそれぞれ「0」か「1」の値を取る。
そこで、本実施形態では、参照テーブル45を作成するに当たって、送信信号xn(=0又は1)に対して各サンプリングデータynが出現する確率P0,P1を、特定の通信路について予め実験等によって観測する。なお、P0は、xn=0である場合にynとなる確率であり、P1はxn=1である場合にynとなる確率である。
そして、図10(b)に示すように、観測した確率P0,P1に基づき、λn(yn)=ln(P0/P1)として、サンプリングデータynごとの対数尤度比λnを算出し、このynとλnとの対応関係を予め参照テーブル45にしてメモリに記憶させる。
このため、例えば図11(a)に示すように、P=5の場合には、サンプリングデータynは2の5乗で合計32通りになり、通常、この32個のynに対してそれぞれ対数尤度比λn(yn)を割り当てるための参照テーブル45が必要になる。
しかし、本実施形態では、対数尤度比λnの値に対称性が表れるようにオーバーサンプリング部42におけるサンプリングタイミングを設定することで、図11(b)に示すように参照テーブル45のテーブルサイズを半減させている。
すなわち、本実施形態の参照テーブル45には、2の4乗で合計16通りのサンプリングデータyn(=(00000)〜(01111))に対応する対数尤度比λnが記載されているが、残りのサンプリングデータyn(=(10000)〜(11111))に対応する対数尤度比λnは記載されていない。
従って、尤度決定部48は、参照テーブル45に記載されている記載データynについては、そのまま参照テーブル45を用いて対数尤度比λnを決定するとともに、当該参照テーブル45に記載されていないサンプリングデータyn(=(10000)〜(11111))については、その不記載のデータynに対応する記載データynを特定して、この記載データynに対応する対数尤度比λnを、参照テーブル45から引き出すようになっている。
なお、対数尤度比λnが対称性を帯びる理由については後述する。
また、尤度決定部48は、参照テーブル45を用いて決定した対数尤度比λnを、更にRビットの値に量子化して出力する。
図6に戻り、同期制御部47は、ビット分割部46から出力される各グループ内の中央ビット(例えば、グループ内に5つの値があるときは3番目のデータ)のデータを用いて、Lビットの符号化データのうちのSビットの同期用ビットの位置を検出し、Lビットの符号化データの開始ビットの位置を誤り訂正復号部25に通知する。
誤り訂正復号部25は、同期制御回路47から通知されるLビットの符号化データの開始位置を受けて、尤度決定部48からスケーリング部50を経て送られて来る対数尤度比λnをL個ずつに分割し、同期用ビットに対応するS個の対数尤度比λnを除いた、N(=L−S)個の対数尤度比λnを用いて、誤り訂正復号を行う。
通信路監視部49は、誤り訂正復号部25が行った訂正結果に基づいてビット誤り率(BER)を常時算出しており、これによって通信路の状態を常時監視している。また、通信路監視部49は、ビット誤り率に基づいて通信路の信号対雑音比(SNR)を求め、この信号対雑音比をスケーリング部50に出力する。
スケーリング部50は、通信路監視部49から受けた信号対雑音比に基づいて、尤度決定部48からの対数尤度比λnに所定倍率を乗算するか否かを判定し、乗算すべき場合は対数尤度比λnに当該所定倍率を乗算して誤り訂正復号部25に出力する。
なお、信号対雑音比と対数尤度比λnとの関係については後述する。
もっとも、誤り訂正復号部25が、LDPC符号よりなる符号化データに対して、サムプロダクト復号法を簡略化した例えば前記ミニサム復号法に基づいて誤り訂正復号を行う場合は、対数尤度比λnをスケーリングしても復号結果に影響しない。
従って、この場合には、スケーリング部50において対数尤度比λnに対するスケーリングは行われず、信号対雑音比の変動に拘わらず、対尤度決定部48で決定された対数尤度比λnがそのまま誤り訂正復号部25に入力される。
〔ビット分割の具体例1〕
図7は、オーバーサンプリングとビット分割の関係の一例を示す時系列図である。
図7に示すように、P=4の場合、オーバーサンプリング部42は、LA23から出力される信号(電圧)を送信信号の送信周波数の4倍の周波数でサンプリングし、サンプリング値が0以上のときに「1」を出力し、サンプリング値が0未満のときに「0」を出力する。
位相特定部44は、オーバーサンプリング部42から順次出力されるビット列の値(0又は1のバイナリデータ)が変化する点を検出する。図7の例では、それぞれ、e2とa3の間、e3とa4の間、及び、e4とa5の間でビット列の値が変化する。
従って、この場合、位相特定部44は、eXとeY(Xは任意の数で、Y=X+1)の間を位相変化点として、ビット分割部46に通知する。
そして、ビット分割部46は、オーバーサンプリング部42から出力される連続したビット列をaXとeXの間で分割して、5個のビットを1単位としてグループ分けする。
〔ビット分割の具体例2〕
図8は、オーバーサンプリングとビット分割の関係の他の例を示す時系列図である。
図8の場合は、a3とb3の間、e3とa4の間、及び、e4とa5の間でビット列の値が変化する。この場合、位相特定部44は、最も確からしい点を位相変化点とする。
すなわち、位相特定部44は、aXとbX(Xは任意の数)の間を位相変化点とするか、eXとaY(Xは任意の数で、Y=X+1)の間を位相変化点とするかを、多数決によって決定する。その結果、eXとaYの間が位相変化点として決定されて、ビット分割部46に通知される。
上記構成に係る第1実施形態の局側装置(受信装置)1によれば、受信信号をオーバーサンプリングして各サンプリング点のデータをバイナリ判定し、この判定で得られた2値データ列を受信信号に対応して分割したサンプリングデータynに基づいて、このデータynと対数尤度比λnとの関係を規定した参照テーブル45を利用して対数尤度比λnを決定し、かつ、このように決定された対数尤度比λnに基づいて受信信号に対して誤り訂正復号を行うので、通信路を仮定することなく、かつ、複数ビットを出力するADコンバータを用いなくても、受信信号を軟判定復号することができる。
また、第1実施形態の局側装置(受信装置)1によれば、尤度決定部48が、サンプリングデータynと対数尤度比λnとの関係を予め規定した参照テーブル45を用いて対数尤度比λnを決定するので、短時間でかつ正確に当該対数尤度比λnを決定でき、復号速度を向上することができる。
更に、第1実施形態の局側装置(受信装置)1によれば、対数尤度比λnの結果に対称性が表れるようにオーバーサンプリング部42におけるサンプリングタイミングを設定することにより、参照テーブル45で必要なテーブルサイズを低減しているので、受信装置1のメモリを有効利用できるとともに、当該参照テーブル45を作成するための観測時間を短縮することができる。
また、第1実施形態の局側装置(受信装置)1によれば、誤り訂正復号部25がサムプロダクト復号法に基づく復号を行う場合において、尤度決定部48で決定された対数尤度比λnをスケーリング部50でスケーリングするようになっているので、1つの参照テーブル45で複数の信号対雑音比の受信信号を復号することができ、受信装置1による復号性能をより向上することができる。
〔第2実施形態〕
図9は、第2実施形態に係る対数尤度比算出部24の構成図である。
図9に示すように、本実施形態の対数尤度比算出部24は、オーバーサンプリング部42と、位相特定部44と、参照テーブル45と、ビット分割部46と、同期制御部47と、尤度決定部48と、通信路監視部49と、スケーリング部50とを含む点では、第1実施形態(図6)と同じである。
本実施形態(図9)の対数尤度比算出部24が第1実施形態(図6)のそれと異なる点は、更に、出現頻度計測部51とサンプリングレート制御部52を有する点にある。
出現頻度計測部51は、ビット分割部46が出力するサンプリングデータyn(=(00000)〜(11111))の出現頻度を常時監視しており、これによって受信信号に生じる分布傾向を計測している。
この受信信号の分布傾向は、前記通信路監視部49に入力される。通信路監視部49は、自身が求めたビット誤り率や信号対雑音比と、出現頻度計測部51からの受信信号の分布傾向に基づき、受信信号の分布傾向の変化が伝送路の状態変化に基づくものか否かを判定し、伝送路の状態変化が原因であると判定した場合には、サンプリングレート制御部52にレート変更信号を出力する。
サンプリングレート制御部52は、通信路監視部49から上記レート変更信号を受けた場合、オーバーサンプリング部42におけるサンプリングレートを変更する。
例えば、サンプリングレート制御部52は、局側装置1での受信レベルが低くなって伝送路の状態が悪化した場合には、オーバーサンプリング部42でのサンプリング数を増大させ、逆に、局側装置1での受信レベルが高くなって伝送路の状態が良好化した場合には、オーバーサンプリング部42でのサンプリング数を減少させる。
このように、第2実施形態の局側装置(受信装置)1によれば、サンプリングレート制御部52が、伝送路の状態に対応してオーバーサンプリング部42におけるサンプリング数を変更するので、伝送路の状態変化に伴って受信信号の軌道がより複雑に変化しても、サンプリング数を変更することで受信信号を適切に復号できるようになる。
このため、受信信号をオーバーサンプリングして決定した対数尤度比λを用いて復号を行う受信装置1に対して、言わば等化器としての機能、すなわち、適応型尤度ブロックとしての機能を実現することができる。
〔対数尤度比の対称性〕
図12(a)は、加法性白色ガウス通信路を仮定した受信信号に、図10(a)に示すオーバーサンプリングを行った場合における、サンプリングデータyn(横軸)と対数尤度比λn(縦軸)との関係を数値計算で試行実験した結果を示すグラフである。
この図12(a)のグラフに示すように、相当量の観測回数のサンプリングデータynに基づいて対数尤度比λnを特定した場合には、対数尤度比λnのグラフは、その中央点Cに対して点対称となる。
かかる対数尤度比λnの対称性は、図10(a)に示すように、送信周期Tの範囲内で上に凸の曲線S1と、これに対応する曲線として下に凸の曲線S2との出現頻度が等しくなるような場合(縦軸の値が0となる水平軸線に対して線対称の場合)に起きるようになっている。更に、この対数尤度比λnの対称性は、ynのビットパターンで詳しく観察して見ると、実測結果によるばらつきがある場合には,完全な点対称にはならないことが判明した。すなわち、相当量の観測回数を用いてはじめて、対数尤度比λnのグラフが点対称となる。
従って、必ずしも統計的に相当数とは言えない観測回数でynをサンプリングし、これに基づいて参照テーブル45を作成しても、そのテーブル45から点対称となるようにλnの値を補正することにより、観測時間を短縮することができる。
また、観測時間が短縮されることにより、通信路が変動するような場合でも、その変動に対する追従性を向上することができる。更に、この対数尤度値λnの対称性を利用すれば、前記した通り、参照テーブル45のテーブルサイズを削減することが可能となる。
〔信号対雑音比と対数尤度比との関係〕
図12(b)は、サンプリングデータyn(横軸)と対数尤度比λn(縦軸)との関係を数値計算で試行実験した結果の図12(a)のグラフを、更に、複数の信号対雑音比(SNR)について行った得た結果を示す、3次元グラフである。
この図12(b)に示すように、ある信号対雑音比(例えば、SNR=6dB)での尤度値は、他の信号対雑音比(例えば、SNR=3dB)の尤度値の倍数になっていることが試行実験によって判明した。
従って、ある特定のSNRの尤度値のみを前記参照テーブル45に記録しておき、その尤度値をSNRに応じて数倍(スケーリング)することにより、複数のSNRに対して1つのテーブル値で対応することができる。
なお、このスケーリングの倍数は固定倍率を用いても良く、この場合には,対数尤度比λnの参照テーブル45にこの倍数値を記録しておくことにより、あらゆるSNRに対して共通に使用することができる.
〔訂正効果〕
図13は、オーバーサンプリングによる硬判定で対数尤度比を求めて誤り訂正復号を行った場合の訂正効果を示すグラフである。
この場合の復号方式はサムプロダクト復号法である。また、従来法では、従前の多値出力のADコンバータを用いて算出した対数尤度比で復号し、オーバーサンプリング法では、送信周期Tの4倍で受信信号をオーバーサンプリング(図10(a))して算出した対数尤度比で復号した。
図13に示すように、本発明のオーバーサンプリング法に基づく対数尤度比を用いてサムプロダクト復号法による復号処理を行っても、従来法に比べて訂正効果が2dB程度劣化するだけであり、実用に耐えることが分かる。
従って、ADコンバータの実装が困難な高速データ伝送の場合であっても、その代替法として本発明のオーバーサンプリング法に基づいて対数尤度比を判定することで、LDPC符号の軟判定復号が可能となる。
〔ミニサム復号法の場合〕
ところで、誤り訂正復号部25による復号処理がミニサム復号法の場合には、図14に示すように、尤度に関するスケーリング処理が復号結果に影響を与えないことが知られている。このため、本来のサムプロダクト復号法であれば、SNRに応じた雑音情報による正規化が必要となるが、ミニサム復号法においてはかかる正規化が不要である。
換言すると、ミニサム復号法の場合には、特定のSNRに対する尤度値を参照テーブル45として使用することで、すべてのSNRに対して使用することができることを意味している。このため上述した固定倍率の参照テーブル45と非常に相性がよいことになる。
図15は、SNRの相違が訂正効果に及ぼす影響を実証する実験結果のグラフである。
図15においては、4倍オーバーサンプリング(図10(a))と硬判定の組み合わせによって求めたSNR=3dBの時の対数尤度比を基に尤度のテーブルを作成し、その値をそれぞれ0.5倍、1.0倍、2.0倍した場合について、訂正能力の振る舞いを図示してある。なお、SNRに応じて変化はさせていない。
この図15からも明らかなように、ミニサム復号法の場合はスケーリングの影響を一切受けておらず、逆にサムプロダクト復号法の場合は、2倍程度のスケーリング値を使用した場合に、ADコンバータを用いた場合の特性に漸近することが分かる。
〔サンプリングレートの変更について〕
図16(a)は、ナイキストのサンプリング点から故意にサンプリングタイミングをずらした場合の、受信信号のアイパターンを示している。また、図17は、その場合の訂正能力を検証した結果を示すグラフである。
この図17から分かるように、受信信号をオーバーサンプリングする場合のサンプリング点として、ナイキストのサンプリング点を含まなくても、LDPCによる軟判定復号が可能になることがある。
これは、例えば、図16(b)に示すように、実線矢印に沿ったアイパターンの場合には送信信号xnが「0」であり、破線矢印に沿ったアイパターンの場合には送信信号xnが「1」と推定できることに起因している。
すなわち、アイパターンの軌道に沿って複数のサンプリング点を定めておけば、送信信号xnの値を概ね確定的に推定でき、オーバーサンプリングによる尤度を求めることができる。このようなサンプリングタイミングで尤度テーブルを作成し、誤り訂正を行った結果が図17のグラフである。
図16(a)に示す受信状況は、受信信号が前後データから干渉を受けており、本来的には等化器が必要な状況である。このようなずれたタイミングでも受信可能となる理由は、受信信号が取り得る軌道とその出現頻度を基に尤度を計算している点にある。
このため、伝送路がより複雑になれば、受信信号が取りうる軌道もより複雑になることが予想されるが、その変動状況に応じてオーバーサンプリング数を伝送路と共に変化させることにより、伝送路の状態変動に復号能力を追従させることが可能となる。
つまり、サンプリングレートの適応制御を受信装置1に組み込むことにより、伝送路に対してより柔軟に対応できる適応型尤度ブロックの機能を実現することができる。
前記した第2実施形態の対数尤度比算出部24(図9)において、伝送路の状態に対応してオーバーサンプリング部42におけるサンプリング数を変更するサンプリングレート制御部52を設けているのは、かかる観点に基づくものである。
上記実施形態は本発明の例示であって、本発明を制限するものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって特定され、この範囲と構成が均等であるすべての変更が含まれるものである。すなわち、本発明は、例えば以下に示す変形例を含むものである。
〔本発明の変形例〕
(1) オーバーサンプリング部での同期
前記実施形態では、オーバーサンプリング部42の各サンプリングは同期がとれていることを前提として説明したが、同期用ビットを用いて同期を確立してから、サンプリングすることにしてもよい。
(2) 尤度について
前記実施形態では、対数尤度比λnによって受信信号の尤度を表わしているが、本発明にいう尤度は、かかる対数表現のものに限定されるものではない。
(3) 誤り訂正復号の方式
前記実施形態では、送信側において送信データをLDPC符号化し、受信側において受信データをサムプロダクト復号法又はミニサム復号法で復号しているが、これに限定されるものではない。例えば、サムプロダクト復号法を簡略化した他の復号方式としては、Normalized-BP、Offset-BP、δ-Min、FUMP-APPなどの復号方式をも採用することができる。
また、本発明は、LDPCに限らず、送信側においてターボ符号で符号化し、受信側において、そのターボ符号を復号するための誤り訂正復号を用いてもよい。
(4) 通信システム
前記実施形態では、通信システムとしてPONシステムを例示したが、本発明は、携帯通信システムやWiMAXその他の無線通信システムにも採用することができる。
本発明の実施に適した通信システムの構成例を示すトポロジー図である。 宅側装置(送信装置)の構成図である。 局側装置(受信装置)の構成図である。 誤り訂正復号部の構成図である。 ループ判定部の処理動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る対数尤度比算出部の構成図である。 オーバーサンプリングとビット分割の関係の一例を示す時系列図である。 オーバーサンプリングとビット分割の関係の他の例を示す時系列図である。 第2実施形態に係る対数尤度比算出部の構成図である。 (a)は送信周期の4倍でオーバーサンプリングした場合(P=5の場合)の受信信号のアイパターンであり、(b)は対数尤度比の算出法を示す計算式である。 (a)は参照テーブルの一例を示す図であり、(b)は参照テーブルの他の例を示す図である。 (a)はサンプリングデータ(横軸)と対数尤度比(縦軸)との関係を数値計算で試行実験した結果を示すグラフであり、(b)は(a)のグラフを、更に、複数の信号対雑音比(SNR)について行った得た結果を示す3次元グラフである。 オーバーサンプリングによる硬判定で対数尤度比を求めて誤り訂正復号を行った場合の訂正効果を示すグラフである。 復号処理で用いる各変数に定数を除算又は乗算した場合の、一時推定語に与える影響を示す図である。 SNRの相違が訂正効果に及ぼす影響を実証する実験結果のグラフである。 (a)はナイキストのサンプリング点から故意にサンプリングタイミングをずらした場合の受信信号のアイパターンであり、(b)はそのアイパターンと送信信号の関係を示す図である。 図16(a)のタイミングでサンプリングした場合の、訂正能力を検証した結果を示すグラフである。
符号の説明
1:局側装置 2(2a〜2j):宅側装置 3:スプリッタ
4(4a〜4d):スプリッタ 5(5a,5b):光ファイバ
11:誤り訂正符号化部 12:電気光変換器
21:光電気変換器 22:TIA 23:LA 24:対数尤度比算出部
25:誤り訂正復号部 26:ループ判定部 27:行処理部 28:列処理部
42:オーバーサンプリング部 44:位相特定部 45:ビット分割部
47:同期制御部 48:尤度決定部 49:伝送路監視部
50:スケーリング部 51:出現頻度計測部 52:サンプリングレート制御部

Claims (5)

  1. 受信信号をオーバーサンプリングして得た各サンプリング点のデータを2値で判定して2値データ列を順次出力するオーバーサンプリング部と、
    前記2値データ列を前記受信信号に対応して分割したサンプリングデータと、送信信号に対する前記受信信号の対数尤度比との関係を規定した参照テーブルと、
    前記参照テーブルを用いて前記対数尤度比を決定する尤度決定部と、
    決定された前記対数尤度比に基づいて前記受信信号に対して誤り訂正復号を行う復号部とを備えていることを特徴とする受信装置。
  2. 前記各サンプリングデータに対応する前記対数尤度比の結果に対称性が表れるように、前記オーバーサンプリング部におけるサンプリングタイミングが設定されている請求項1に記載の受信装置。
  3. 1つの前記参照テーブルで複数の信号対雑音比の前記受信信号を復号するために、前記尤度決定部で決定された前記対数尤度比をスケーリングするスケーリング部が設けられている請求項1又は2に記載の受信装置。
  4. 前記復号部は、LDPC符号よりなる符号化データに対してサムプロダクト復号法を簡略化した復号方式に基づく誤り訂正復号を行うものであり、
    前記尤度決定部は、複数の信号対雑音比の前記受信信号に対しても1つの前記参照テーブルに基づいて前記対数尤度比を決定する請求項1又は2に記載の受信装置。
  5. 伝送路の状態を監視する伝送路監視部と、前記伝送路の状態に対応して前記オーバーサンプリング部におけるサンプリング数を変更するサンプリングレート制御部が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の受信装置。
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