JP4984854B2 - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、液滴吐出装置に係り、特に、液滴供給路が共通する複数のイジェクタから液滴を吐出する液滴吐出装置に関する。
従来、より高速な印字のために、より多くのイジェクタを搭載する記録ヘッドが求められている。一方、小型化のために、記録ヘッドのサイズを小さくすることが求められており、小さい面積に、より多くのイジェクタを配置したマトリクス型のインクジェット記録ヘッドが知られている。
このマトリクス型のインクジェット記録ヘッドでは、できるだけ小さい面積に複数のイジェクタを配置するために、各イジェクタにインクを供給する共通のインク供給路である支流の幅を狭くする必要がある。
しかし、この支流の幅は、イジェクタからのインクの吐出時に発生するクロストークを低減させるためのダンパー能力に大きく寄与しており、小型化のために支流の幅を狭くすると、クロストークが発生し、画質が劣化してしまう。
クロストークの発生を防ぐため、圧電素子を複数のブロックに分けて、時分割駆動を行なうインクジェット式印字ヘッドの駆動方法が知られている(特許文献1)。この方法では、電気回路上のクロストークとして同時駆動する圧電素子数に依存する電圧降下を防いでいる。
特開平5−84902号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、1パス印字で時分割駆動を行う場合、クロストークの発生を防ぐには数ドット分のずらしが必要で、隙間やスジの画質欠陥を起こしてしまう、という問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、液体供給流路が共通する複数のイジェクタから液滴を吐出する場合であっても、クロストークの発生を抑制し、画質の劣化を抑制することができる液滴吐出装置を提供することを目的とする。
ここで、クロストークとは、液体供給流路が共通する複数のイジェクタから吐出される液滴の大きさがほぼ同時に切り替えられて液滴を吐出したときに、イジェクタ同士が流体的に干渉し合い、吐出される液滴の滴速や滴量に影響を及ぼす現象をいう。なお、切り替わる液滴の大きさの差が大きいほど、クロストークは大きくなる。また、記録ヘッドの設計によっては、無吐出から吐出、吐出から無吐出の切り替わりにも発生するので、1種類の液滴しか吐出しない記録ヘッドでも起こる可能性がある。
の発明に係る液滴吐出装置は、吐出液体が充填される圧力室と、前記圧力室に設けられ、かつ、液滴が吐出されるノズルと、及び前記圧力室の圧力を変化させて液滴を前記ノズルから吐出させる圧電素子とを備えた複数のイジェクタ、及び前記複数のイジェクタの各々に吐出液体を共通に供給する液体供給流路を有する液滴吐出ヘッドと、吐出液体を冷却するための冷却手段と、画像データに基づいて、前記複数のイジェクタから液滴を吐出させるように前記液滴吐出ヘッドを制御する液滴吐出制御手段と、前記液滴吐出制御手段によって前記複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、前記イジェクタ同士が干渉し合うクロストークが発生するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記クロストークが発生すると判定された場合、前記液滴吐出制御手段によって前記画像データに基づいて前記複数のイジェクタから液滴を吐出させる時に、前記吐出液体の温度が、前記クロストークが発生するときの温度より低下するように、前記冷却手段によって前記吐出液体を冷却させる冷却制御手段とを含んで構成されている。
の発明に係る液滴吐出装置によれば、判定手段によって、液滴吐出制御手段によって複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、イジェクタ同士が干渉し合うクロストークが発生するか否かを判定する。
そして、判定手段によってクロストークが発生すると判定された場合、液滴吐出制御手段によって画像データに基づいて複数のイジェクタから液滴を吐出させる時に、冷却制御手段によって、吐出液体の温度が、クロストークが発生するときの温度より低下するように、冷却手段によって吐出液体を冷却させる。
従って、クロストークが発生すると判定された場合に、吐出液体の温度が低下するように、吐出液体を冷却させることにより、液体供給流路が共通する複数のイジェクタから液滴を吐出する場合であっても、クロストークの発生を抑制し、画質の劣化を抑制することができる。
の発明に係る液滴吐出装置は、クロストークが発生する位置を検出する検出手段を更に有し、冷却制御手段は、判定手段によってクロストークが発生すると判定された場合、液滴吐出制御手段によって、画像データに基づいて、検出手段によって検出された位置に複数のイジェクタから液滴を吐出させる時に、吐出液体の温度が、クロストークが発生するときの温度より低下するように、冷却手段によって吐出液体を冷却させることができる。これにより、クロストークが発生する位置に液滴を吐出させる時に、吐出液体の温度が低下するように、吐出液体を冷却させるため、クロストークの発生を確実に抑制することができる。
また、第の発明に係る液滴吐出装置は、クロストークが発生する程度を予測する予測手段を更に有し、冷却制御手段は、判定手段によってクロストークが発生すると判定された場合、液滴吐出制御手段によって、画像データに基づいて、複数のイジェクタから液滴を吐出させる時に、吐出液体の温度が、クロストークが発生するときの温度より低下するように、予測手段によって予測されたクロストークが発生する程度に応じて、冷却手段によって吐出液体を冷却させることができる。これにより、複数のイジェクタから液滴を吐出させる時に、吐出液体の温度が低下するように、クロストークが発生する程度に応じて、吐出液体を冷却させるため、クロストークの発生を確実に抑制することができる。
の発明に係る液滴吐出装置は、吐出液体が充填される圧力室と、前記圧力室に設けられ、かつ、液滴が吐出されるノズルと、及び前記圧力室の圧力を変化させて液滴を前記ノズルから吐出させる圧電素子とを備えた複数のイジェクタ、及び前記複数のイジェクタの各々に吐出液体を共通に供給する液体供給流路を有する液滴吐出ヘッドと、画像データに基づいて、前記複数のイジェクタから液滴を吐出させるように前記液滴吐出ヘッドを制御する液滴吐出制御手段と、前記液滴吐出制御手段によって前記複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、前記イジェクタ同士が干渉し合うクロストークが発生するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記クロストークが発生すると判定された場合、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わる前記イジェクタの数が所定数以下となるように、前記画像データを補正し、前記液滴吐出制御手段によって前記補正された画像データに基づいて前記複数のイジェクタから液滴を吐出させる画像補正手段とを含んで構成されている。
の発明に係る液滴吐出装置によれば、判定手段によって、液滴吐出制御手段によって複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、イジェクタ同士が干渉し合うクロストークが発生するか否かを判定する。
そして、判定手段によってクロストークが発生すると判定された場合、画像補正手段によって、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わるイジェクタの数が所定数以下となるように、画像データを補正し、液滴吐出制御手段によって、補正された画像データに基づいて複数のイジェクタから液滴を吐出させる。
従って、クロストークが発生すると判定された場合に、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わるイジェクタの数が所定数以下となるように、画像データを補正することにより、液体供給流路が共通する複数のイジェクタから液滴を吐出する場合であっても、クロストークの発生を抑制し、画質の劣化を抑制することができる。
の発明に係る画像補正手段は、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わるイジェクタの数が所定数以下となるように、画像データが示す画像を伸張又は伸縮させて補正することができる。これにより、画像データが示す各画素に対応するイジェクタが変わり、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わるイジェクタの数が所定数以下となるため、クロストークの発生を抑制することができる。
また、第の発明に係る画像補正手段は、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わるイジェクタの数が所定数以下となるように、画像データが示す画像をずらして補正することができる。これにより、画像データが示す各画素に対応するイジェクタが変わり、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わるイジェクタの数が所定数以下となるため、クロストークの発生を抑制することができる。
また、第の発明に係る画像補正手段は、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わるイジェクタの数が所定数以下となるように、画像データが示す画像において、液滴の大きさが切り替わる位置の画素又は切り替わる直前の位置の画素の画素値を補正することができる。これにより、液滴の大きさが切り替わる位置が変わり、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わるイジェクタの数が所定数以下となるため、クロストークの発生を抑制することができる。
上記の判定手段は、画像データに基づいて、液体供給流路から吐出液体が共通に供給される複数のイジェクタにおいて、所定時間内に吐出する液滴の大きさが切り替えられるイジェクタの数を計測する計測手段を備え、計測手段によって計測された数に基づいて、液滴吐出制御手段によって複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、クロストークが発生するか否かを判定することができる。
また、上記の液滴吐出装置は、記録用紙に印字された画像を読み取る読取手段を更に有し、判定手段は、液滴吐出制御手段によって画像データに基づいて複数のイジェクタから液滴を吐出させて、記録用紙を印字し、記録用紙に印字された画像を読取手段に読み取らせて、読取手段によって読み取られた画像に基づいて、液滴吐出制御手段によって複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、クロストークが発生するか否かを判定することができる。
また、上記の液滴吐出装置は、液滴吐出制御手段によって、画像データに基づいて、複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、複数のイジェクタの何れか一つのノズルのメニスカスの変位を計測するメニスカス計測手段を更に有し、判定手段は、メニスカス計測手段よって計測されたメニスカスの変位に基づいて、液滴吐出制御手段によって複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、クロストークが発生するか否かを判定することができる。
上記の液滴吐出ヘッドを、記録用紙幅とすることができる。これにより、液滴吐出ヘッドがマルチスキャンできない場合においても、クロストークの発生を抑制することができる。
以上説明したように、本発明の液滴吐出装置によれば、クロストークが発生すると判定された場合に、吐出液体の冷却、及び画像データの補正の何れかを行うことにより、液体供給流路が共通する複数のイジェクタから液滴を吐出する場合であっても、クロストークの発生を抑制し、画質の劣化を抑制することができる、という効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態では、インクジェット記録装置に本発明を適用した場合について説明する。
図1に示すように、第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置10は、記録用紙Pにインク滴を吐出するインクジェットヘッドアレイ14を備えている。インクジェットヘッドアレイ14内には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の4色の夫々に対応した4つの長尺型のインクジェット記録ヘッド12が搬送方向に沿って配置されており、フルカラーの画像を記録可能になっている。また、インクジェット記録ヘッド12は、有効な記録領域が記録用紙Pの幅(搬送方向に直交する方向の長さ)以上とされた長尺上で、所謂FWA(Full Width Array)となっている。
インクジェット記録装置10の最下部には、給紙トレイ76が挿抜可能に設けられており、給紙トレイ76には、記録用紙Pが積載されており、最上位の記録用紙Pにはピックアップロール78が当接している。記録用紙Pは、ピックアップロール78によって1枚ずつ給紙トレイ76から搬送方向下流側へ給紙され、搬送経路に沿って順に配設された搬送ロール80、82によってインクジェットヘッドアレイ14の下方へ給紙される。
また、インクジェットヘッドアレイ14の下方には、無端状の搬送ベルト84が配設されており、搬送ベルト84は、駆動ロール86及び従動ロール88に張架されている。また、従動ロール88は接地されている。
また、記録用紙Pが搬送ベルト84に接触する位置の上流側に、直流電源を供給する直流電源装置90が接続された帯電ロール92が配置されている。帯電ロール92は、従動ロール88との間で搬送ベルト84を挟みつつ従動し、搬送ベルト84に接触する接触位置と、搬送ベルト84から離間した離間位置との間を移動可能とされている。接触位置では、接地された従動ロール88との間に所定の電位差が生じるため、搬送ベルト84に対して放電し、電荷を与えるようになっている。
また、帯電ロール92より上流側には、搬送ベルト84に帯電された電荷を除電するための除電ロール94が設けられている。
また、インクジェットヘッドアレイ14の下流側には、記録用紙Pの排出経路を構成する複数の排出ロール対96が設けられ、排出ロール対96で構成された排出経路の先には、排紙トレイ98が設けられている。
また、インクジェット記録装置10には、CPU、ROM、及びRAMから構成される液滴吐出制御手段としての制御部62が設けられており、制御部62によって、インクジェットヘッドアレイ14、各種ロールを駆動する複数のモータ(図示省略)を含むインクジェット記録装置10の全体を制御している。
図2に示すように、インクジェット記録ヘッド12は、矢印aに示す用紙搬送方向に対して直交する方向に沿って配設された本流26と、本流26から分岐した液体供給流路としての支流24と、支流24に接続されたイジェクタ22とを備える。支流4の方向は、用紙搬送方向aにほぼ平行である。支流24には、共通してインクが供給されるように複数のイジェクタ22が接続されている。なお、イジェクタ22は、図3に示すように、圧力室56、ノズル58、圧力室56と支流24とを連通するインク供給口52、及び圧電素子60を有している。
圧力室56の壁面の一部は振動板56Aからなり、振動板56Aには圧電素子60が設けられ、圧電素子60によって振動板56Aを変形させて振動させることで、圧力室56内に圧力変化が発生する。すなわち、圧電素子60の振動によって発生する圧力変化によって、圧力室56内に充填されたインクがインク滴としてノズル58から吐出される。また、圧力変化に応じた複数種類の大きさのインク滴(大滴、小滴)がノズル58から吐出される。
次に、本実施の形態に係るインクジェット記録装置10の作用について説明する。
まず、インクジェット記録装置10の一般的な動作について説明する。インクジェット記録装置10によって印字処理が行われる場合には、入力された画像データに基づいて、インクジェット記録ヘッド12のイジェクタ22において、該当するドットに吐出するインク滴の大きさに対応する駆動波形を、各イジェクタ22の圧電素子60に印加させて、圧力室56内に圧力変化を発生させて、イジェクタ22のノズル58から圧力変化に応じた大きさのインク滴を吐出させる。
このとき、図4に示すように、同じ支流24の隣接するイジェクタ22のノズル58の位置を紙送り方向と直交する方向に投影した位置の距離が、水平方向の最大解像度となり、同じ支流24の隣接するノズル58の位置を紙送り方向に投影した位置の距離が、例えば、紙送り方向の最大解像度10ドット分の距離となる。
また、図5に示すように、同じ支流24に設けられた複数のイジェクタ22で、ほぼ同時に吐出するインク滴を大滴から小滴に切り替えると、小滴に切り替えた位置で、クロストークが発生し、白抜けや、着弾ズレ、滴径変動などが生じる。ここで、ほぼ同時とは、所定時間内としてのインクジェット記録ヘッド12の最高駆動周波数の1/2の時間の範囲内にあることをいう。なお、インクジェット記録ヘッドの設計によっては、ほぼ同時の時間の範囲が変わってくるため、最高駆動周波数の1/2の時間の範囲に限定されるものではない。
次に、インクジェット記録装置10の制御部62で実行される印字処理ルーチンの内容について図6を用いて説明する。まず、ステップ100において、画像データを展開して、同じ支流24に配置される複数のイジェクタ22で、ほぼ同時に滴種が切り替えられる位置を抽出する。例えば、図7に示すように、画像データにおける、イジェクタ22のノズル58位置に相当するA〜O・・・のアルファベットの番地と紙送り方向のドット位置に対応する1、2、3・・・の数字の番地とから、同じ支流24に配置されるイジェクタ22のノズル58から吐出されるインク滴の滴種がほぼ同時に切り替わる位置を抽出することができる。
そして、ステップ102において、近接のイジェクタ22の同時駆動数が多いほどクロストークの発生の程度が大きくなることから、同じ支流24内でほぼ同時に大滴から小滴に吐出するインク滴が切り替えられるイジェクタ22の数が、しきい値より大きいか否かを判定する。ここで、しきい値は、インクジェット記録ヘッド12の設計値や出荷検査結果により定めればよく、クロストークが許容できない条件として、許容同時切替イジェクタ数を予め求めておき、この値をしきい値とすればよい。
上記のステップ102で、しきい値以下であれば、クロストークが発生しないと判断し、ステップ106へ移行して、画像データに基づいて印字処理を行うが、一方、しきい値より大きい場合には、クロストークが発生すると判断し、ステップ103において、同じ支流24内でほぼ同時に大滴から小滴に吐出する滴種を切り替えるイジェクタ22の数に基づいて、クロストークが発生する程度を示すクロストーク量を予測する。
そして、ステップ104において、予測したクロストーク量に応じて、画像データが示す画像を紙送り方向に伸縮するように補正する。
例えば、図8に示すように、各イジェクタ22によってインク滴が吐出されるタイミングTを数字で表すと、T=31で、全てのイジェクタ22から吐出されるインク滴が同時に大滴から小滴に切り替わるような画像データでは、T=31〜34あたりでクロストークの影響が出るため、図9に示すように、画像データが示す画像を紙送り方向に伸縮させるように補正して、大滴から小滴に切り替わるタイミングがほぼ同時となるイジェクタ22の数を、しきい値以下にする。
そして、ステップ106で、ステップ104で補正された画像データに基づいて、印字処理を行って、印字処理ルーチンを終了する。
以上説明したように、第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置によれば、クロストークが発生すると判定された場合に、吐出されるインク滴の大きさがほぼ同時に切り替わるイジェクタの数がしきい値以下となるように、画像データを補正することにより、支流が共通する複数のイジェクタからインク滴を吐出する場合であっても、クロストークの発生を抑制し、画質の劣化を抑制することができる。
また、画像データを伸縮させることにより、画像データが示す各画素に対応するイジェクタが変わり、吐出されるインク滴の大きさがほぼ同時に切り替わるイジェクタの数がしきい値以下となるため、クロストークの発生を抑制することができる。
また、本発明は、FWAで1パス印字する構成のインクジェット記録ヘッドに有効であり、マルチスキャンできない場合においても、クロストークの発生を抑制することができる。
また、小型化のために支流の幅を狭くし、クロストークが発生するレベルのダンパー性能になっても、画像データを補正することにより、クロストークの発生を抑制し、画質の劣化を抑制することができる。
なお、上記の実施の形態では、画像データが示す画像を伸縮するように補正する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、画像データが示す画像が伸張するように補正して、大滴から小滴に切り替わるタイミングがほぼ同時となるイジェクタの数を、しきい値以下にするようにしてもよい。
また、共通する支流内において、大滴から小滴に切り替わるタイミングがほぼ同時となるイジェクタの数を計測し、クロストークの発生の有無を判定する場合を例に説明したが、小滴から大滴に切り替わるタイミングがほぼ同時となるイジェクタの数に基づいて、クロストークの発生の有無を判定してもよい。
次に第2の実施の形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第2の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、画像データが示す画像を所定画素分ずらして補正する点が第1の実施の形態と異なっている。
第2の実施の形態に係るインクジェット記録装置では、印字処理ルーチンを実行して、同じ支流24内でほぼ同時に大滴から小滴に滴種を切り替えるイジェクタ22の数が、しきい値より大きい場合には、クロストークが発生すると判断し、クロストーク量を予測して、予測されたクロストーク量に応じて、画像データが示す画像を紙送り方向に直交する方向に所定画素分ずらして補正する。
例えば、上述した図8に示す画像データでは、T=31〜34あたりでクロストークの影響が出るため、図10に示すように、画像データを紙送り方向に直交する方向に1画素分ずらすように補正して、大滴から小滴に切り替わるタイミングがほぼ同時となるイジェクタ22の数を、しきい値以下にする。
このように、画像データが示す画像をずらして補正することにより、画像データが示す各画素に対応するイジェクタが変わり、吐出されるインク滴の大きさがほぼ同時に切り替わるイジェクタの数がしきい値以下となるため、クロストークの発生を抑制することができ、画質の劣化を抑制することができる。特に、本実施の形態に係る発明は、線画もしくは一支流分のベタ印字の場合に有効である。
次に第3の実施の形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第3の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態では、画像データが示す画像の所定位置の画素の画素値を補正して、所定画素の滴種を補正する点が第1の実施の形態と異なっている。
第3の実施の形態に係るインクジェット記録装置では、印字処理ルーチンを実行して、同じ支流24内でほぼ同時に吐出する滴種を切り替えるイジェクタ22の数が、しきい値より大きい場合には、クロストークが発生すると判断し、同じ支流24内のしきい値より大きい数のイジェクタ22から吐出される滴種が大滴から小滴にほぼ同時に切り替わる位置又は切り替える直前の位置に対応する画素の画素値を補正して、吐出する滴種を補正する。
例えば、上述した図8に示す画像データでは、T=31で全てのイジェクタ22が同時に大滴から小滴に切り替わり、T=31〜34あたりでクロストークの影響が出るため、図11に示すように、同じ支流24内で同時に滴種が切り替わるイジェクタ22の少なくとも一つの切り替わる直前位置(T=30)の画素の画素値を、大滴が吐出される画素値から小滴が吐出される画素値に補正して、大滴から小滴に切り替わるタイミングを変更し、大滴から小滴に切り替わるタイミングがほぼ同時となるイジェクタ22の数を、しきい値以下にする。
このように、同じ支流内でほぼ同時に滴種が切り替わるイジェクタの少なくとも一つの切り替わる直前位置の画素の画素値を補正して、滴種を補正することにより、補正された画素に対応するイジェクタについて、インク滴の大きさが切り替わるタイミングが変わり、吐出されるインク滴の大きさがほぼ同時に切り替わるイジェクタの数がしきい値以下となるため、クロストークの発生を抑制することができる。
なお、上記の実施の形態では、滴種が切り替わる直前位置の画素の画素値を補正して、滴種を補正し、滴種が切り替わるタイミングを早める場合を例に説明したが、滴種が切り替わる位置の画素の画素値を補正して、滴種を補正し、滴種が切り替わるタイミングを遅くするようにしてもよい。
また、上記の第1の実施の形態〜第3の実施の形態の画像データの補正方法を組み合わせて、吐出されるインク滴の大きさがほぼ同時に切り替わるイジェクタの数がしきい値以下となるように、画像データを補正してもよい。
次に、第4の実施の形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第4の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
第4の実施の形態では、クロストーク発生位置において、紙送りの速度を低下させると共に、吐出周波数を低下させている点が第1の実施の形態と異なっている。
第4の実施の形態に係る印字処理ルーチンについて図12を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理について同一符号を付して説明を省略する。
まず、ステップ100において、入力された画像データを展開して、ほぼ同時に大滴から小滴に切り替える位置を抽出し、ステップ102において、同じ支流24内でほぼ同時に大滴から小滴に滴種を切り替えるイジェクタ22の数が、しきい値より大きいか否かを判定する。しきい値以下であれば、クロストークが発生しないと判断し、ステップ408へ移行するが、一方、しきい値より大きい場合には、クロストークが発生すると判断し、ステップ400において、クロストーク量予測テーブルを参照して、入力された画像データについて、クロストークの発生位置とクロストーク量とを予測する。クロストーク量予測テーブルは、「同時切替ノズル数」、「ノズル位置」、「切り替える滴種」、「発生するクロストーク量」、及び「発生位置」の項目から構成されており、ステップ100で抽出された「同時切替ノズル数」、「ノズル位置」、及び「切り替える滴種」に対応する「発生するクロストーク量」及び「発生位置」を求める。
そして、ステップ402で、ステップ400で予測したクロストーク発生位置及びクロストーク量に基づいて、紙送り速度の減速開始位置及び減速終了位置を算出する。
例えば、同時切替イジェクタ数が30個であって、時間t=t0 にて、大滴から小滴に切替るときに、クロストーク量が3段階中「強」と判定されれば、これに応じて、減速開始位置を表すタイミングts=t0+taと、減速終了位置を表すタイミングte=t0+tbとを算出する。
そして、ステップ404において、クロストーク量に応じた減速レベルを選択し、ステップ406で、選択された減速レベルに応じた吐出周波数を選択し、ステップ408において、画像データに基づいて、印字処理を行って、印字処理ルーチンを終了する。この印字処理では、ステップ402で算出された減速開始位置から減速終了位置までにおいて、記録用紙の紙送り速度を選択された減速レベル(例えば、通常の紙送り速度の1/2)に減速させるように搬送ベルト84を制御すると共に、選択された吐出周波数(例えば、通常の吐出周波数の1/2)に低下させて、インクジェット記録ヘッド12からインク滴を吐出させる。好ましくは、印字処理中に、Nライン先に該当箇所があるか否かを判定し、Nライン先に該当箇所がある場合には、段階的もしくは連続的に吐出周波数と紙送り速度とを同期して低下させ、該当箇所を越えた後は、同様に段階的もしくは連続的に通常の吐出周波数と紙送り速度とに戻す。
以上説明したように、第4の実施の形態に係るインクジェット記録装置によれば、吐出周波数が高いほど、支流におけるインクの流量が多くなり、クロストークが発生しやすいため、クロストークが発生すると判定された場合に、紙送り速度を低下させると共に、インク滴を吐出する吐出周波数を低下させることにより、支流が共通する複数のイジェクタからインク滴を吐出する場合であっても、クロストークの発生を抑制し、画質の劣化を抑制することができる。
また、クロストークが発生する位置にインク滴を吐出させるときだけ、吐出周波数を低下させるため、効率よく印字することができる。
また、クロストーク量に応じて、吐出周波数を低下させるため、クロストークの発生を確実に抑制することができる。
なお、上記の実施の形態では、クロストーク量予測テーブルを参照して、「同時切替ノズル数」、「ノズル位置」、及び「切り替える滴種」に対応する「発生するクロストーク量」及び「発生位置」を求める場合を例に説明したが、クロストーク量予測テーブルの項目として、「インク温度(粘度)」や「同時切替支流数」などを追加し、更に「インク温度(粘度)」や「同時切替支流数」に対応する「発生するクロストーク量」及び「発生位置」を求めるようにしてもよい。
また、クロストーク量予測テーブルを参照して、クロストーク量を求める場合を例に説明したが、図13に示すように、ある支流内のノズルAnに対し、近傍で同時切替されるノズルにAnからの距離lnで重み付けした総和の指標2・l1+2・l2+2・l3+・・・+1・lnをもとに、理論式や実験式などでクロストーク量を予測してもよい。また、上記指標に、温度、支流内位置、周波数、滴量を加味するとなお良い。
また、インクジェット記録ヘッドが走査方向に移動可能な構成となっている場合には、紙送り速度及びキャリッジ送り速度を遅くすると共に、吐出周波数を低下させて、クロストークの発生を抑制させてもよい。
次に、第5の実施の形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第5の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
第5の実施の形態では、クロストーク発生位置において、イジェクタの駆動電圧を変更している点が第1の実施の形態と異なっている。
第5の実施の形態に係るインクジェット記録装置では、印字処理ルーチンを実行して、同じ支流24内でほぼ同時に大滴から小滴に滴種を切り替えるイジェクタ22の数が、しきい値より大きい場合には、クロストークが発生すると判断し、クロストーク量予測テーブルを参照して、画像データについて、クロストークの発生位置とクロストーク量とを予測する。
そして、予測したクロストーク量に応じて、吐出させるインク滴の大きさに応じた圧力室56内の圧力の変化となるように、イジェクタに印加する駆動電圧を決定する。例えば、図14に示すように、濃度が濃くなるクロストークが発生する位置では、クロストーク量に応じてイジェクタの駆動電圧を下げるように決定し、濃度が薄くなるクロストークが発生する位置では、クロストーク量に応じてイジェクタの駆動電圧を上げるように決定する。
そして、画像データに基づく印字処理では、クロストーク発生位置において、通常の駆動波形から決定された駆動電圧となる駆動波形に変更して、イジェクタを印加し、インクジェット記録ヘッド12からインク滴を吐出させる。
このように、クロストークが発生すると判定された場合に、吐出させるインク滴の大きさに応じた圧力の変化となるように、イジェクタの圧電素子に印加する駆動波形を変更させることにより、支流が共通する複数のイジェクタからインク滴を吐出する場合であっても、クロストークの発生を抑制し、画質の劣化を抑制することができる。
また、クロストークが発生する位置にインク滴を吐出させるときに、吐出させるインク滴の大きさに応じた圧力の変化となるように、イジェクタの圧電素子に印加する駆動波形を変更させるため、クロストークの発生を確実に抑制することができる。
また、クロストーク量に応じて、吐出させるインク滴の大きさに応じた圧力の変化となるように、イジェクタの圧電素子に印加する駆動波形を変更させるため、クロストークの発生を確実に抑制することができる。
なお、上記の実施の形態では、吐出させるインク滴の大きさに応じた圧力の変化となるように駆動電圧を変更する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、駆動波形のパルス幅を変更することにより、吐出させるインク滴の大きさに応じた圧力の変化となるようにしてもよい。
次に、第6の実施の形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
第6の実施の形態では、イジェクタ内のインクを冷却するためのペルチエ素子を備えている点が第1の実施の形態と異なっている。
図15に示すように、第6の実施の形態に係るインクジェット記録装置のインクジェット記録ヘッド512には、イジェクタ22内のインクを冷却するためのペルチエ素子514と、イジェクタ22近傍の温度を検出するための温度センサ516と、ペルチエ素子514の冷却熱を各イジェクタ22に伝達するための銅からなる良熱伝導部材518とが設けられている。
第6の実施の形態に係るインクジェット記録装置では、印字処理ルーチンを実行して、同じ支流24内でほぼ同時に滴種を切り替えるイジェクタ22の数が、しきい値より大きい場合には、通常の温度でクロストークが発生すると判断し、クロストーク量予測テーブルを参照して、画像データについて、クロストークの発生位置とクロストーク量とを予測する。
そして、画像データに基づく印字処理では、クロストーク発生位置において、イジェクタ22内のインクが、クロストークが発生しない温度となるように、クロストーク量に応じて、ペルチエ素子514を予め駆動して、イジェクタ22内のインクを冷却し、クロストーク発生位置では、インクが冷却された状態で、イジェクタ22から記録用紙Pにインク滴が吐出される。なお、クロストークが発生しない温度について、クロストーク量毎に、実験的に予め求めておき、インクを冷却する際には、温度センサ516とクロストーク量とに基づいて、クロストークが発生しない温度になるようにペルチエ素子514によって冷却する。
以上説明したように、第6の実施の形態に係るインクジェット記録装置によれば、イジェクタ内のインクの温度が高く、インク粘度が低いほど、インク吐出時の影響が支流内を伝播しやすく、クロストークが発生しやすいため、クロストークが発生すると判定された場合に、イジェクタ内のインクの温度が低下するように、ペルチエ素子によりインクを冷却させることにより、支流が共通する複数のイジェクタからインク滴を吐出する場合であっても、クロストークの発生を抑制し、画質の劣化を抑制することができる。
また、クロストークが発生すると判定された場合、クロストークの発生位置にインク滴を吐出させる時に、イジェクタ内のインクの温度が低下するように、ペルチエ素子によりインクを冷却させるため、クロストークの発生を確実に抑制することができる。
また、クロストークが発生すると判定された場合、複数のイジェクタからインク滴を吐出させる時に、イジェクタ内のインクの温度が低下するように、クロストーク量に応じて、インクを冷却させるため、クロストークの発生を確実に抑制することができる。
なお、上記の実施の形態では、クロストークの発生位置にインク滴を吐出させる時に、イジェクタ内のインクの温度が低下するように、ペルチエ素子を駆動させる場合を例に説明したが、印字処理中において、温度センサによって検出された温度が規定温度以上となったときに、ペルチエ素子を駆動して、イジェクタ内のインクを冷却してもよい。この場合、規定温度については、クロストークが発生しない温度を実験的に予め求めておき、求めた温度を規定温度とすればよい。
また、印字処理中に、温度センサによって検出された温度が、規定温度以上に上昇した場合に、印字動作を停止させ、規定温度以内に戻してから印字動作を再開するようにしてもよい。もしくは、温度上昇を検知し、規定温度を超えないように印字動作を遅くするようにしてもよい。
また、クロストークが発生しない温度に低下するように、イジェクタ内のインクを冷却する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、クロストークの発生位置にインク滴を吐出する時に、インクの温度が通常よりも温度が低くなるように、ペルチエ素子によってインクを冷却するようにしてもよい。
また、クロストークが発生すると判定された場合、上記の第1の実施の形態〜第3の実施の形態の画像データの補正、上記の第4の実施の形態の紙送りの速度の低下及び吐出周波数の低下、上記の第5の実施の形態のイジェクタの駆動電圧を変更、及び第6の実施の形態のイジェクタ内のインクの冷却を組み合わせて、クロストークの発生を抑制するようにしてもよい。
次に、第7の実施の形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
第7の実施の形態では、記録用紙に印字された画像を読み取るスキャナを備え、スキャナによって読み取られた画像に基づいて、クロストークの発生位置及びクロストーク量を検出する点が第1の実施の形態と異なっている。
図16に示すように、第7の実施の形態に係るインクジェット記録装置710には、搬送ベルト84の上方であって、インクジェットヘッドアレイ14より下流側に、記録用紙Pに印字された画像を読み取るためのスキャナ712が設けられている。
次に、第7の実施の形態に係る印字処理ルーチンについて図17を用いて説明する。なお、第1の実施の形態及び第4の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、ステップ100において、画像データを展開して、ほぼ同時の大滴から小滴に切り替える位置を抽出し、ステップ102において、同じ支流24内でほぼ同時に滴種を切り替えるイジェクタ22の数が、しきい値より大きいか否かを判定する。しきい値以下であれば、クロストークが発生しないと判断し、ステップ408へ移行するが、一方、しきい値より大きい場合には、クロストークが発生すると判断し、ステップ750において、クロストーク量予測テーブルを参照して、画像データが示す画像におけるクロストークの発生位置を予測する。
そして、ステップ752において、画像データに基づいて、クロストーク検出用に印字処理を行って、ステップ754で、印字された記録用紙Pから、ステップ750で予測されたクロストークの発生位置の画像をスキャナ712によって読み取る。
次のステップ756では、ステップ754で読み取った画像に基づいて、クロストークの発生位置及びクロストーク量を検出する。例えば、図18のように、支流24の全イジェクタ22から吐出されるインク滴が大滴から小滴に切替る位置をスキャナによって読み取った画像について、図19のように、濃度変化を検出し、濃度変化が許容値を超えた部分を、クロストークの発生位置として検出し、また、検出されたクロストークの発生位置の濃度変化に基づいて、クロストーク量を検出する。
そして、ステップ758では、クロストークの発生位置として検出された位置があるか否かを判定し、クロストークの発生位置として検出された位置がない場合には、ステップ408へ移行するが、クロストークの発生位置として検出された位置がある場合には、ステップ402において、検出されたクロストーク発生位置及びクロストーク量に基づいて、紙送り速度の減速開始位置及び減速終了位置を算出する。そして、ステップ404において、クロストーク量に応じた減速レベルを選択し、ステップ406で、選択された減速レベルに応じた吐出周波数を選択し、ステップ408において、画像データに基づいて、印字処理を行って、印字処理ルーチンを終了する。この印字処理では、ステップ402で算出された減速開始位置から減速終了位置までにおいて、記録用紙の紙送り速度を選択された減速レベルに減速させると共に、選択された吐出周波数に低下させて、インクジェット記録ヘッド12からインク滴を吐出させる。
以上説明したように、第7の実施の形態に係るインクジェット記録装置によれば、印字された記録用紙から読み取った画像の濃度変化に基づいて、クロストークの発生位置及びクロストーク量を検出するため、クロストークの発生位置及びクロストーク量を精度よく検出することができる。
次に、第8の実施の形態に係るインクジェット記録装置について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
第8の実施の形態では、支流に、実際に印字に使用するイジェクタ以外にダミーのイジェクタが設けられている点と、ダミーのイジェクタのノズルのメニスカスの変動量に基づいて、クロストークの発生の有無を判定している点とが第1の実施の形態と異なっている。
図20に示すように、第8の実施の形態に係るインクジェット記録装置のインクジェット記録ヘッド812は、支流24の端部にダミーのイジェクタ(図示省略)が設けられ、ダミーのイジェクタのノズル858がモニタ用のノズルとなっている。なお、このダミーのイジェクタは、実際の印字動作ができない構成となっていてもよい。
また、図21に示すように、モニタ用のノズル858の前方には、メニスカスの変位を計測できる、レーザー変位計820が設置されている。なお、レーザー変位計ではなく、レーザードップラー変位計を設置してもよい。
第8の実施の形態に係るインクジェット記録装置では、画像データに基づく印字処理中に、レーザー変位計820によって、図22に示すように、変化するモニタ用のノズル858のメニスカス位置をモニタし、メニスカスの変動量が、予め定められた許容値を超えるとき、クロストークが発生すると判定し、メニスカスの変動量に応じて、クロストーク量を予測する。なお、許容値について、クロストークが発生するときのメニスカスの変動量を実験的に予め求めておき、求めた値を許容値とすればよい。
そして、クロストークの発生有無の判定結果及びクロストーク量を印字処理にフィードバックし、クロストークが発生すると判定された場合に、クロストーク量に応じて、イジェクタに印加する駆動電圧を決定し、通常の駆動波形から決定された駆動電圧となる駆動波形に変更し、イジェクタに印加し、インクジェット記録ヘッド12からインク滴を吐出させる。
このように、ダミーのイジェクタのノズルについて計測されたメニスカス変動量に基づいて、クロストークの発生位置及びクロストーク量を検出するため、クロストークの発生位置及びクロストーク量を精度よく検出することができる。
なお、上記の実施の形態では、メニスカスの変動量に基づくクロストーク量に応じた駆動電圧に変更する場合を例に説明したが、メニスカス変動量に応じて残響抑制ポイントを決定し、決定された残響抑制ポイントとなる駆動波形に変更して、イジェクタを印加するようにしてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドの構成を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係るイジェクタの構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドにおいて、ノズルの配置を説明するための図である。 クロストークが発生する位置を説明するためのイメージ図である。 本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置における印字処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 画像データを展開して、1支流内のイジェクタで同時に滴種を切り替える位置を抽出する処理を説明するためのイメージ図である。 クロストークが発生する画像データに基づいてインク滴を吐出した様子を説明するためのイメージ図である。 補正した画像データに基づいてインク滴を吐出した様子を説明するためのイメージ図である。 補正した画像データに基づいてインク滴を吐出した様子を説明するためのイメージ図である。 補正した画像データに基づいてインク滴を吐出した様子を説明するためのイメージ図である。 本発明の第4の実施の形態に係るインクジェット記録装置における印字処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係るインクジェット記録装置において、クロストーク量を予測する他の方法を説明するための図である。 本発明の第5の実施の形態に係るインクジェット記録装置の印字処理ルーチンにおいて、イジェクタの駆動電圧を変更する処理を説明するためのイメージ図である。 本発明の第6の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドの構成を示す下面図である。 本発明の第7の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略図である。 本発明の第7の実施の形態に係るインクジェット記録装置における印字処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 クロストーク検出用の印字処理によって印字された記録用紙から読み取られた画像を示すイメージ図である。 記録用紙から読み取られた画像の濃度変化を示すグラフである。 本発明の第8の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドの構成を示す概略図である。 本発明の第8の実施の形態に係るインクジェット記録ヘッド及びレーザー変位計の構成を示す概略図である。 レーザー変位計によって、モニタ用のノズルのメニスカス変動量を計測する様子を示すイメージ図である。
符号の説明
10、710 インクジェット記録装置
12、512、812 インクジェット記録ヘッド
14 インクジェットヘッドアレイ
22 イジェクタ
24 支流
26 本流
52 インク供給口
56 圧力室
58、858 ノズル
60 圧電素子
62 制御部
84 搬送ベルト
514 ペルチエ素子
516 温度センサ
712 スキャナ
820 レーザー変位計
P 記録用紙

Claims (11)

  1. 吐出液体が充填される圧力室と、前記圧力室に設けられ、かつ、液滴が吐出されるノズルと、及び前記圧力室の圧力を変化させて液滴を前記ノズルから吐出させる圧電素子とを備えた複数のイジェクタ、及び前記複数のイジェクタの各々に吐出液体を共通に供給する液体供給流路を有する液滴吐出ヘッドと、
    吐出液体を冷却するための冷却手段と、
    画像データに基づいて、前記複数のイジェクタから液滴を吐出させるように前記液滴吐出ヘッドを制御する液滴吐出制御手段と、
    前記液滴吐出制御手段によって前記複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、前記イジェクタ同士が干渉し合うクロストークが発生するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記クロストークが発生すると判定された場合、前記液滴吐出制御手段によって前記画像データに基づいて前記複数のイジェクタから液滴を吐出させる時に、前記吐出液体の温度が、前記クロストークが発生するときの温度より低下するように、前記冷却手段によって前記吐出液体を冷却させる冷却制御手段と、
    を含む液滴吐出装置。
  2. 前記クロストークが発生する位置を検出する検出手段を更に有し、
    前記冷却制御手段は、前記判定手段によって前記クロストークが発生すると判定された場合、前記液滴吐出制御手段によって、前記画像データに基づいて、前記検出手段によって検出された位置に前記複数のイジェクタから液滴を吐出させる時に、前記吐出液体の温度が、前記クロストークが発生するときの温度より低下するように、前記冷却手段によって前記吐出液体を冷却させる請求項記載の液滴吐出装置。
  3. 前記クロストークが発生する程度を予測する予測手段を更に有し、
    前記冷却制御手段は、前記判定手段によって前記クロストークが発生すると判定された場合、前記液滴吐出制御手段によって、前記画像データに基づいて、前記複数のイジェクタから液滴を吐出させる時に、前記吐出液体の温度が、前記クロストークが発生するときの温度より低下するように、前記予測手段によって予測された前記クロストークが発生する程度に応じて、前記冷却手段によって前記吐出液体を冷却させる請求項又は記載の液滴吐出装置。
  4. 吐出液体が充填される圧力室と、前記圧力室に設けられ、かつ、液滴が吐出されるノズルと、及び前記圧力室の圧力を変化させて液滴を前記ノズルから吐出させる圧電素子とを備えた複数のイジェクタ、及び前記複数のイジェクタの各々に吐出液体を共通に供給する液体供給流路を有する液滴吐出ヘッドと、
    画像データに基づいて、前記複数のイジェクタから液滴を吐出させるように前記液滴吐出ヘッドを制御する液滴吐出制御手段と、
    前記液滴吐出制御手段によって前記複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、前記イジェクタ同士が干渉し合うクロストークが発生するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記クロストークが発生すると判定された場合、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わる前記イジェクタの数が所定数以下となるように、前記画像データを補正し、前記液滴吐出制御手段によって前記補正された画像データに基づいて前記複数のイジェクタから液滴を吐出させる画像補正手段と、
    を含む液滴吐出装置。
  5. 前記画像補正手段は、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わる前記イジェクタの数が所定数以下となるように、前記画像データが示す画像を伸張又は伸縮させて補正する請求項記載の液滴吐出装置。
  6. 前記画像補正手段は、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わる前記イジェクタの数が所定数以下となるように、画像データが示す画像をずらして補正する請求項記載の液滴吐出装置。
  7. 前記画像補正手段は、吐出される液滴の大きさが所定時間内に切り替わる前記イジェクタの数が所定数以下となるように、前記画像データが示す画像において、液滴の大きさが切り替わる位置の画素又は切り替わる直前の位置の画素の画素値を補正する請求項記載の液滴吐出装置。
  8. 前記判定手段は、前記画像データに基づいて、前記液体供給流路から吐出液体が共通に供給される複数のイジェクタにおいて、所定時間内に吐出する液滴の大きさが切り替えられるイジェクタの数を計測する計測手段を備え、前記計測手段によって計測された数に基づいて、前記液滴吐出制御手段によって前記複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、クロストークが発生するか否かを判定する請求項1〜請求項の何れか1項記載の液滴吐出装置。
  9. 記録用紙に印字された画像を読み取る読取手段を更に有し、
    前記判定手段は、前記液滴吐出制御手段によって前記画像データに基づいて前記複数のイジェクタから液滴を吐出させて、記録用紙を印字し、前記記録用紙に印字された画像を前記読取手段に読み取らせて、前記読取手段によって読み取られた画像に基づいて、前記液滴吐出制御手段によって前記複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、クロストークが発生するか否かを判定する請求項1〜請求項の何れか1項記載の液滴吐出装置。
  10. 前記液滴吐出制御手段によって、前記画像データに基づいて前記複数のイジェクタから液滴を吐出させるときに、前記複数のイジェクタの何れか一つのノズルのメニスカスの変位を計測するメニスカス計測手段を更に有し、
    前記判定手段は、前記メニスカス計測手段よって計測されたメニスカスの変位に基づいて、前記液滴吐出制御手段によって前記複数のイジェクタから液滴を吐出させたときに、クロストークが発生するか否かを判定する請求項1〜請求項の何れか1項記載の液滴吐出装置。
  11. 前記液滴吐出ヘッドは、記録用紙幅である請求項1〜請求項10の何れか1項記載の液滴吐出装置。
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