JP4983448B2 - サージアブソーバ及びサージアブソーバの実装構造 - Google Patents

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Description

本発明は、サージから様々な機器を保護し、事故を未然に防ぐために使用するサージアブソーバ及びサージアブソーバの実装構造に関する。
電話機、ファクシミリ、モデムなどの通信機器用の電子機器が通信線との接続する部分、電源線、アンテナあるいはCRT駆動回路など、雷サージや静電気などのサージ電圧による電撃を受けやすい部分には、このサージ電圧によって電子機器やこの機器を搭載するプリント基板の熱的損傷または発火などによる破壊を防止するために、サージアブソーバが接続されている。
従来、例えばマイクロギャップを有するサージ吸収素子を用いたサージアブソーバが提案されている。このサージアブソーバは、一対の放電電極がマイクロギャップを介して対向配置されたサージ吸収素子を、封止ガスと共にガラス管内に封止した放電型のサージアブソーバである。
このような放電型のサージアブソーバでは、サージが入力されると、サージ吸収素子で放電を行うことでサージを吸収する。異常電圧である過電圧が入力された場合であっても、サージが入力されたときと同様に、サージ吸収素子で放電を行うことによってサージを吸収するが、過電圧が長時間入力されると、放電によってサージアブソーバが発熱によって加熱される。そして、この発熱によってサージ吸収素子が損傷したり、サージアブソーバが実装されている実装基板に熱的な損傷を与えたりするという問題がある。そこで、実装基板への熱的な損傷を回避するために、サージ吸収素子にヒューズを接続することや、サージアブソーバにヒューズを設けることなどが行われている(例えば、特許文献1参照)。これにより、過電圧を長時間印加された際にその電流をヒューズによって遮断することで、実装基板の熱的損傷の発生を回避することが可能となる。
特許第2876534号公報
しかしながら、上記従来のサージアブソーバにおいても、以下の課題が残されている。すなわち、上記従来のサージアブソーバでは、ヒューズを別途接続したり、ヒューズとしての機構を組み込んだりする必要があるため、部品点数が増大したり、サージアブソーバの大型化したりするという問題がある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、大型化することなく過電圧が入力されることによる実装基板の熱的損傷の発生を回避可能なサージアブソーバ及びサージアブソーバの実装構造を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のサージアブソーバは、絶縁性部材と、該絶縁性部材上に放電間隙を介して対向配置された一対の放電電極とを有するサージ吸収素子と、該一対の放電電極と接触し、前記サージ吸収素子を挟持する一対の端子電極と、該端子電極に接続されるリード線と、前記サージ吸収素子を封止ガスと共に封入し、熱膨張係数が前記サージ吸収素子の熱膨張係数よりも大きいガラス管とを備え、前記リード線のうち少なくともサージ吸収素子の軸方向の長さよりも長い部分が、前記ガラス管よりも高い耐熱性を有する絶縁性管で被覆され、前記一対の端子電極間に過電圧が印加されると、前記ガラス管の温度がガラス転移点に達し、溶融することを特徴とする。
この発明では、過電圧が印加されて放電を行っているときにガラス管を溶融させることで、サージ吸収素子を一対の端子電極による挟持状態から開放させ、電流を遮断する。これにより、別途ヒューズを接続したり、ヒューズの機構を組み込んだりすることなく、過電圧が入力されることによる実装基板の熱的損傷の発生を回避するサージアブソーバとすることができる。
すなわち、過電圧が印加されると放電電極の間で放電が行われ、サージアブソーバが加熱される。このとき、過電圧の印加によって長時間放電が行われると、放電によってガラス管が加熱してガラス転移点に至り、溶融する。このようにガラス管が溶融すると、ガラス管が導電性を有することになり、ガラス管にも過電圧による電流が流れる。そして、ガラス管は、発熱し、粘性が低下することでその自重により落下する。このとき、一対の端子電極によって挟持されていたサージ吸収素子の挟持状態が開放され、この溶融したガラス管と共にサージ吸収素子が落下する。ここで、リード線の少なくとも一部を絶縁性管で被覆した状態でサージアブソーバを実装基板に実装することで、実装基板の実装面とガラス管との間には空隙が発生することになる。このため、ガラス管が端子電極から離間した状態で落下する。
これにより、一対の端子電極間の空隙が、サージ吸収素子の落下前ではマイクロギャップと同等の距離であったのに対して、サージ吸収素子と同等の距離となる。また、ガラス管の内部に封止されていた封止ガス雰囲気ではなく、大気雰囲気となる。このため、一対の端子電極間における放電を停止し、一対の端子電極間における電流の流れを遮断する。
以上より、サージ吸収素子が一対の端子電極間から抜け落ちることでヒューズとしての機能を有することとなる。したがって、サージアブソーバを大型化することなく、ヒューズとしての機能を設けることができる。
また、リード線の少なくとも一部をガラス管よりも高い耐熱性を有する絶縁性管で被覆することで、溶融して落下したガラス管がリード線を被覆する絶縁性管に付着したときに、リード線にガラス管が付着することと比較して、付着したガラス管を短時間で冷却することができる。これにより、冷却させたガラス管が絶縁性を有することとなり、落下したガラス管が端子電極と接触している場合であっても、過電圧による電流がガラス管内を流れることを防止する。したがって、端子電極からガラス管を経由して実装基板に電流が流れて実装基板が加熱されることを防止する。
ここで、リード線のうち少なくともサージ吸収素子の軸方向の長さと同等の領域にわたって絶縁性管で被覆することで、落下したサージ吸収素子がリード線に付着することを抑制できる。
そして、隣接して配置された複数のサージアブソーバに対して過電圧が印加された場合において、一のサージアブソーバにおけるガラス管が溶融し、この溶融したガラス管が隣接する他のサージアブソーバに付着して、この他のサージアブソーバにおけるガラス管の溶融、落下が妨害されることを回避する。これにより、他のサージアブソーバにおけるサージ吸収素子も溶融したガラス管と共に落下して一対の端子電極間おける電流の流れを遮断する。したがって、複数のサージアブソーバを隣接して配置した場合であっても、サージ吸収素子が加熱することによる障害を回避することができる。
また、本発明のサージアブソーバの実装構造は、絶縁性部材と、該絶縁性部材上に放電間隙を介して対向配置された一対の放電電極とを有するサージ吸収素子と、該一対の放電電極と接触し、前記サージ吸収素子を挟持する一対の端子電極と、該端子電極に接続されるリード線と、前記サージ吸収素子を封止ガスと共に封入するガラス管とを備えるサージアブソーバを実装基板に実装したサージアブソーバの実装構造であって、前記リード線のうち少なくともサージ吸収素子の軸方向の長さよりも長い部分が、前記ガラス管よりも高い耐熱性を有する絶縁性管で被覆され、前記ガラス管は、その軸線が実装基板に対してほぼ平行であると共に、該実装基板との距離が3.5mm以上であることを特徴とする。
この発明では、上述と同様に、過電圧が印加されて放電を行っているときにガラス管を溶融させることで、サージ吸収素子を一対の端子電極による挟持状態から開放させ、電流を遮断する。これにより、溶融して落下したガラス管によって実装基板も加熱されることを確実に防止できる。
すなわち、溶融したガラス管が落下する際、ガラス管が一対の端子電極の一方と実装基板とに付着して双方を接続することにより、上述したように、溶融して導電性を有するガラス管によって過電圧が上記一方の端子電極と実装基板との間に流れ、実装基板が加熱されることがある。ここで、放電時にガラス管のうち最も加熱されやすい箇所は、放電間隙の近傍となっている。これは、放電電極のうち放電間隙の近傍において放電が開始することによる。このとき、ガラス管と実装基板との距離を3.5mm以上とすることで、ガラス管の加熱による熱的影響が実装基板に及ぶことを抑制すると共に、溶融したガラス管が一対の端子電極の一方と実装基板との双方に付着することを回避できる。ここで、リード線のうち少なくともサージ吸収素子の軸方向の長さと同等の領域にわたって絶縁性管で被覆することで、落下したサージ吸収素子がリード線に付着することを抑制できる。
また、本発明のサージアブソーバの実装構造は、絶縁性部材と、該絶縁性部材上に放電間隙を介して対向配置された一対の放電電極とを有するサージ吸収素子と、該一対の放電電極と接触し、前記サージ吸収素子を挟持する一対の端子電極と、該端子電極に接続されるリード線と、前記サージ吸収素子を封止ガスと共に封入するガラス管とを備えるサージアブソーバを実装基板に実装したサージアブソーバの実装構造であって、前記リード線のうち少なくともサージ吸収素子の軸方向の長さよりも長い部分が、前記ガラス管よりも高い耐熱性を有する絶縁性管で被覆され、前記ガラス管は、その軸線が実装基板に対してほぼ垂直であると共に、該実装基板との距離が1.5mm以上であることを特徴とする。
この発明では、上述と同様に、溶融して落下したガラス管によって実装基板も加熱されることを確実に防止できる。
すなわち、ガラス管の軸線を実装基板と垂直となるようにサージアブソーバを配置したときにおいて溶融したガラス管が落下する際、ガラス管と実装基板との距離を1.5mm以上とすることで、ガラス管の加熱による熱的影響が実装基板に及ぶことを抑制すると共に、溶融したガラス管が一対の端子電極の一方と実装基板との双方に付着することを回避できる。
本発明のサージアブソーバ及びサージアブソーバの実装構造によれば、過電圧が印加されて放電を行っているときにガラス管を溶融、落下させることで、別途ヒューズを接続したり、ヒューズの機構を組み込んだりすることなく、過電圧が入力されることによる実装基板の熱的損傷の発生を回避するサージアブソーバとすることができる。また、落下したガラス管が端子電極と接触している場合であっても、絶縁性管によって過電圧による電流がガラス管内を流れることを防止することで、端子電極からガラス管を経由して実装基板に電流が流れ、実装基板が加熱されることを防止する。
以下、本発明にかかるサージアブソーバ及びサージアブソーバの実装構造の一実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。ここで、図1はサージアブソーバの実装構造の軸方向断面図、図2はガラス管及びサージ吸収素子が落下した状態を示す図である。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
本実施形態におけるサージアブソーバ1は、いわゆるマイクロギャップを使用した放電型のサージアブソーバである。そして、サージアブソーバ1は、図1に示すように、円柱状のサージ吸収素子2と、サージ吸収素子2を封止ガス3と共に封入するガラス管4と、サージ吸収素子2の両端に配置されてサージ吸収素子2を挟持する一対の端子電極5、6と、一対の端子電極5、6のそれぞれに接続される一対のリード線7、8とを備えている。なお、サージアブソーバ1の実装位置は後述するようにガラス管4の軸線が実装基板Bと平行となるようにしているが、実装基板Bの配置位置は実装基板Bが搭載される電子機器などの設計に応じて適宜変更してもよいものであって、水平面に対して平行でなくてもよく、垂直であってもよい。ただし、ガラス管4が溶融してその自重により落下することから、サージアブソーバ1の実装位置はガラス管4の落下位置や、実装基板B上の他の回路を考慮することが望ましい。
サージ吸収素子2は、円柱状セラミックス(絶縁性部材)11と、放電間隙12を介して対向配置された一対の放電電極13、14とを備えている。そして、サージ吸収素子2は、その軸線がサージアブソーバ1を実装する実装基板Bの実装面と平行となっている。
円柱状セラミックス11は、例えばムライト焼結体などのセラミックス材料で構成されている。
一対の放電電極13、14は、円柱状セラミックス11の表面に放電間隙12を介して分割形成された一対のトリガ電極15、16と、円柱状セラミックス11の両端に対向配置されてトリガ電極15、16にそれぞれ接触する一対のキャップ電極17、18とを備えている。
一対のトリガ電極15、16は、物理蒸着(PVD)法や化学蒸着(CVD)法などの薄膜形成技術によって円柱状セラミックス11の表面に形成された導電性の薄膜であるって、例えばTiN(窒化チタン)などの導電性材料で構成されている。そして、トリガ電極15、16の間に放電間隙12が形成されている。
この放電間隙12は、例えばレーザカットやダイシング、エッチングなどの加工によって形成されており、0.01mmから1.5mmの幅で1本から100本形成されるが、本実施形態では、110μmのものを1本形成している。
一対のキャップ電極17、18は、円柱状セラミックス11よりも硬度の低い、例えばステンレスなどの金属からなり、断面ほぼU字状の椀状に形成されている。そして、一対のキャップ電極17、18は、円柱状セラミックス11の両端に係合されている。キャップ電極17、18を円柱状セラミックス11よりも硬度の低い材料で構成することにより、円柱状セラミックス11の表面に微細な凹凸が形成されている場合であっても、キャップ電極17、18と円柱状セラミックス11との接触面積を十分に確保でき、キャップ電極17、18とトリガ電極15、16との電気的な導通が良好に確保される。
ガラス管4は、例えばガラス転移点Tgが625℃で融点が700〜800℃であり、円筒形状を有している。そして、ガラス管4の両端近傍において端子電極5、6の外周面がガラス管4の内周面と溶着されている。
また、ガラス管4は、その軸線が実装基板Bの実装面と平行であると共に、その外周面と実装基板Bの実装面との距離が3.5mm以上となるように配置されている。すなわち、ガラス管4の外周面のうちサージ吸収素子2の軸線に対して垂直であると共に放電間隙12を含む面と交差する位置と、実装基板Bの実装面との距離が、3.5mm以上となっている。
封止ガス3は、放電開始電圧などの電気特性が所望の値となるように組成などが調整されたガスであって、例えばAr(アルゴン)によって構成されている。
一対の端子電極5、6は、例えば、Fe(鉄)−Ni(ニッケル)合金の表面を酸化銅で被覆した金属で形成され、円板状となっている。そして、端子電極5、6は、サージ吸収素子2のキャップ電極17、18とそれぞれ接触しており、サージ吸収素子2を挟持している。ここで、サージ吸収素子2の両端に円柱状セラミックス11よりも硬度の低いキャップ電極17、18が設けられているため、端子電極5、6とサージ吸収素子2との接触面積がキャップ電極17、18を設けずに端子電極5、6と円柱状セラミックス11とを接触させた場合における接触面積と比較して大きくなり、サージ吸収素子2と端子電極5、6との接触状態を良好にすることができる。
また、端子電極5、6の表面が酸化銅で被覆されていることにより、ガラス管4と端子電極5、6とのヌレ性が良好となっている。このため、ガラス管4の内周面と端子電極5、6の外周面との溶着が強固になり、より確実に封止することが可能となっている。
リード線7、8は、例えば銅覆鋼線(以下、CP線と称する)で形成されており、端子電極5、6のそれぞれに溶接されている。そして、リード線7、8には、サージ吸収素子2の軸線に対してほぼ垂直に屈曲された屈曲部が形成されている。この屈曲部によるリード線7、8の屈曲方向は、互いに同方向となっている。そして、リード線7、8は、端子電極5、6から離間した先端が実装基板B上に例えばハンダなどによって固定されている。ここで、リード線7、8のうち実装基板Bに固定された上記先端と上記屈曲部との長さは、サージ吸収素子2の軸線及びガラス管4の軸線がそれぞれ実装基板Bの実装面と平行となると共に、ガラス管4の外周面と実装基板Bの実装面との距離L1が3.5mm以上となるような長さとなっている。
また、リード線7、8のうち上記先端と上記屈曲部との間は、それぞれ絶縁性管21、22で被覆されている。この絶縁性管21、22は、例えばセラミックスなどのようにガラス管4よりも高い耐熱性を有する材料で構成されている。なお、リード線7、8のうち上記先端と上記屈曲部との距離は、サージ吸収素子2の軸方向の長さよりも長くなっている。そして、リード線7、8のうち絶縁性管21、22によって被覆される領域の長さは、それぞれサージ吸収素子2の軸方向の長さよりも長くなっている。
このような構成のサージアブソーバ1のリード線7、8からサージ吸収素子2にサージが侵入すると、放電間隙12を介して分割形成されたトリガ電極15、16のうち放電間隙12の近傍においてグロー放電を行う。その後、キャップ電極17、18の間で発生するアーク放電に移行する。このとき、サージ吸収素子2には、放電によって発生した電流が流れる。このようにしてサージが吸収される。
また、リード線7、8間に過電圧が印加されると、上述と同様に、サージ吸収素子2で放電を行うことによってこの過電圧の吸収が行われるが、放電によって発生した熱により、ガラス管4が加熱され、例えば1、2秒のような長時間で放電が行われることによりガラス管4の温度がガラス転移点に達し、溶融する。そして、このようにガラス管4が溶融することで、ガラス管4が導電性を有することになる。この状態で、過電圧がさらに入力されると、端子電極5、6を経由してガラス管4にも過電圧による電流が流れることで、ガラス管4がさらに加熱される。その後、ガラス管4の粘性が低下し、落下する。
ここで、上述したように、サージ吸収素子2は一対の端子電極5、6によって挟持されている。また、ガラス管4の熱膨張係数がサージ吸収素子2の熱膨張係数よりも大きくなっている。このため、サージ吸収素子2及びガラス管4が加熱されてその粘性が低下すると、ガラス管4の熱膨張係数の方が大きいことから、ガラス管4が加熱されるにしたがって端子電極5、6間の間隔が広がり、端子電極5、6によるサージ吸収素子2の挟持力が小さくなる。これにより、ガラス管4の粘性が低下すると、端子電極5、6によるサージ吸収素子2の挟持状態が解除され、ガラス管4と共にサージ吸収素子2がその自重により落下する。ここで、リード線7、8のうち絶縁性管21、22によって被覆される領域の長さは、サージ吸収素子2の軸方向の長さよりも長くなっているので、落下したサージ吸収素子2がリード線7、8に付着することが防止される。
このようにサージ吸収素子2が実装基板B上に落下すると、図2に示すように、端子電極5、6間の空隙が、サージ吸収素子2の落下前では放電間隙12と同等であったのに対して、サージ吸収素子2と同等の距離となる。また、ガラス管4によって封止ガス3が封止されていたのに対して、端子電極5、6間が大気雰囲気となる。このため、一対の端子電極5、6間において放電が発生しなくなり、端子電極5、6間における電流の流れが遮断される。このとき、過電圧が長時間印加されることによる端子電極5、6の加熱温度によっては、ガラス管4の溶融によるガラス管4及びサージ吸収素子2の落下と共に端子電極5、6も落下する場合もある。このような場合であっても、リード線7、8の間において放電が発生しなくなり、リード線7、8間における電流の流れが遮断される。
ここで、ガラス管4の軸線を実装基板Bの実装面と平行となるようにサージアブソーバ1を実装したときに、実装基板Bの実装面とガラス管4の外周面との距離L1を3.5mm以上とすることで、溶融したガラス管4が落下するときに、ガラス管4が実装基板Bと端子電極5、6の一方との間を接続することが確実に防止される。すなわち、実装基板Bの実装面とガラス管4の外周面との距離L1を3.5mm未満とすると、溶融したガラス管4が落下するとき、図3に示すように、ガラス管4が実装基板Bと端子電極5との双方を接続する場合がある。この状態で過電圧が印加され続けると、溶融したガラス管4が導電性を有していることから、端子電極5と実装基板Bとの間で電流が流れる。このため、実装基板Bが加熱され、その加熱の影響が実装基板Bに及ぶ。また、距離L1を3.5mm未満とすることで、サージアブソーバ1が加熱されたときにその熱がガラス管4と実装基板Bとの空間を介して伝導し、その影響が実装基板Bに及ぶ。
また、このようなサージアブソーバ1を例えばモデムなどの通信線に接続する場合には、回線の上りと下りとの2箇所に平行して配置することがある。ここで、2箇所に配置されたサージアブソーバ1の間隔は、例えば3mm程度となっており、両者が近接して配置されている。この状態で一方のサージアブソーバ1におけるガラス管4が溶融して落下するとき、ガラス管4が他方のサージアブソーバ1におけるリード線7、8に付着することがある。ここで、他方のサージアブソーバ1におけるリード線7、8を絶縁性管21、22で被覆しているため、溶融したガラス管4がこの絶縁性管21、22に付着することになる。そして、絶縁性管21、22に付着したガラス管4が冷却されて絶縁性を有することになる。このため、他方のサージアブソーバ1に過電圧が印加されても、絶縁性管21、22に付着したガラス管4が絶縁性を有しているため、他方のサージアブソーバ1におけるガラス管4の加熱には影響を及ぼすことがない。
このように構成されたサージアブソーバ1及びサージアブソーバ1の実装構造によれば、サージ吸収素子2に過電圧が印加されて放電を行っているときにガラス管4を溶融させることで、別途ヒューズを接続したりヒューズとしての機能を組み込んだりする必要がなく、過電圧が入力されることによる実装基板Bの熱的損傷の発生を回避することができる。
また、落下したガラス管4が端子電極5、6と接触している場合であっても、絶縁性管21、22によって過電圧による電流がガラス管4内を流れることを防止することで、端子電極5、6からガラス管4を経由して実装基板Bに電流が流れて実装基板Bが加熱されることを回避する。
そして、ガラス管4の軸線を実装基板Bと平行となるようにサージアブソーバを配置したときにガラス管4と実装基板Bとの距離L1を3.5mm以上とすることで、溶融したガラス管4が落下する際、溶融したガラス管4が端子電極5、6の一方と実装基板Bとの双方に付着することを回避できる。これにより、溶融して落下したガラス管4によって実装基板Bも加熱されることをより確実に回避できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、距離L1を3.5mm以上としているが、溶融したガラス管4が落下する際、溶融したガラス管4が端子電極5、6の一方と実装基板Bとの双方に付着することを回避できれば、距離L1は3.5mm未満であってもよい。
また、サージ吸収素子2の軸線を実装基板の表面とほぼ平行となるようにサージアブソーバ1を実装基板に固定しているが、図4に示すように、ガラス管4の軸線を実装基板Bに対して垂直となるようにサージアブソーバ1を実装基板Bに固定してもよい。ここで、実装基板Bの表面とガラス管4との距離L2は、1.5mm以上となっている。このように配置しても、上述した実施形態と同様の作用、効果を奏する。このとき、上述と同様に、溶融したガラス管4が落下する際、溶融したガラス管4が端子電極5、6の一方と実装基板Bとの双方に付着することを回避できれば、距離L2は1.5mm未満であってもよい。
また、ガラス管及びサージ吸収素子の落下方向に、落下したガラス管及びサージ吸収素子を受ける受け部材を設けてもよい。ここで、サージアブソーバを実装した実装基板を金属で構成された筐体内に収容する場合には、この金属で構成された筐体を受け部材として用いてもよい。
また、トリガ電極をTiNで構成しているが、TiNに限らず、例えばAg(銀)、Ag/Pd(パラジウム)合金、SnO(酸化スズ)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、SiC(炭化シリコン)、Ba(バリウム)あるいはBa化合物、C(炭素)、Ag/Pt(白金)合金、TiC(炭化チタン)、TiCN(炭窒化チタン)などの導電性材料、もしくはこれらにTiNを加えた中から選択した混合物で構成してもよい。
また、キャップ電極をステンレスで構成しているが、円柱状セラミックスよりも硬度の低い材料であれば、ステンレスに限らず、CuやNi系の合金でもよい。
また、放電電極は、トリガ電極とキャップ電極とを有しているが、円柱状セラミックスと端子電極との電気的な接触が十分に確保されるのであれば、キャップ電極を設けない構成としてもよい。
また、サージ吸収素子の構造は、絶縁性部材に放電間隙を介して対向配置された一対の放電電極を有していて一対の端子電極によって挟持されていれば、他の構造であってもよい。
また、端子電極として鉄ニッケル銅線を用い、リード線としてCP線を用いているが、他の材料を用いてもよい。
また、絶縁性管としてセラミックスを用いているが、ガラス管よりも高い耐熱性を有していれば、他の材料を用いてもよい。そして、リード線に複数の絶縁性管を複数段積層した構成としてもよい。
また、封止する際の雰囲気、すなわち内部の不活性ガスは、放電特性に応じて決定され、例えば、N(窒素)、He(ヘリウム)、Xe(キセノン)、H(水素)、SF、CF(四フッ化炭素)、C(六フッ化二炭素)、C(八フッ化三炭素)、CO(二酸化炭素)及びこれらにArを加えた中から選択した混合ガスでもよい。
本発明の一実施形態におけるサージアブソーバの実装構造を示す軸方向断面図である。 図1において、ガラス管及びサージ吸収素子が落下した状態を示す図である。 ガラス管及びサージ吸収素子が端子電極と実装基板とを接続した状態を示す図である。 本発明を適用可能な、他のサージアブソーバの実装構造を示す軸方向断面図である。
符号の説明
1 サージアブソーバ
2 サージ吸収素子
3 封止ガス
4 ガラス管
5,6 端子電極
7,8 リード線
11 円柱状セラミックス(絶縁性部材)
12 放電間隙
13,14 放電電極
15,16 トリガ電極
17,18 キャップ電極
21,22 絶縁性管
B 実装基板
L1〜L3 距離

Claims (3)

  1. 絶縁性部材と、該絶縁性部材上に放電間隙を介して対向配置された一対の放電電極とを有するサージ吸収素子と、
    該一対の放電電極と接触し、前記サージ吸収素子を挟持する一対の端子電極と、
    該端子電極に接続されるリード線と、
    前記サージ吸収素子を封止ガスと共に封入し、熱膨張係数が前記サージ吸収素子の熱膨張係数よりも大きいガラス管とを備え、
    前記リード線のうち少なくともサージ吸収素子の軸方向の長さよりも長い部分が、前記ガラス管よりも高い耐熱性を有する絶縁性管で被覆され
    前記一対の端子電極間に過電圧が印加されると、前記ガラス管の温度がガラス転移点に達し、溶融することを特徴とするサージアブソーバ。
  2. 絶縁性部材と、該絶縁性部材上に放電間隙を介して対向配置された一対の放電電極とを有するサージ吸収素子と、
    該一対の放電電極と接触し、前記サージ吸収素子を挟持する一対の端子電極と、
    該端子電極に接続されるリード線と、
    前記サージ吸収素子を封止ガスと共に封入するガラス管とを備えるサージアブソーバを実装基板に実装したサージアブソーバの実装構造であって、
    前記リード線のうち少なくともサージ吸収素子の軸方向の長さよりも長い部分が、前記ガラス管よりも高い耐熱性を有する絶縁性管で被覆され、
    前記ガラス管は、その軸線が実装基板に対してほぼ平行であると共に、該実装基板との距離が3.5mm以上であることを特徴とするサージアブソーバの実装構造。
  3. 絶縁性部材と、該絶縁性部材上に放電間隙を介して対向配置された一対の放電電極とを有するサージ吸収素子と、
    該一対の放電電極と接触し、前記サージ吸収素子を挟持する一対の端子電極と、
    該端子電極に接続されるリード線と、
    前記サージ吸収素子を封止ガスと共に封入するガラス管とを備えるサージアブソーバを実装基板に実装したサージアブソーバの実装構造であって、
    前記リード線のうち少なくともサージ吸収素子の軸方向の長さよりも長い部分が、前記ガラス管よりも高い耐熱性を有する絶縁性管で被覆され、
    前記ガラス管は、その軸線が実装基板に対してほぼ垂直であると共に、該実装基板との距離が1.5mm以上であることを特徴とするサージアブソーバの実装構造。
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