JP5346705B2 - 電流ヒューズ - Google Patents

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本発明は、一対の端子間に張設された可溶体に低融点合金が溶着された電流ヒューズに関する。
従来、サージ保護デバイス(Surge Protective Device、以下SPDという)が故障して故障電流が流れた場合には、このSPDを電源回路から切離す必要があり、SPDを電源回路から切離す方法として、SPDと電源回路との間に電流ヒューズを直列に接続する方法が一般的に用いられている。
これらを目的とした電流ヒューズは、SPDの雷サージ吸収能力を最大限に発揮するために、電流ヒューズの可溶体のサージ電流耐量を十分に大きくし、且つ、SPDが故障し故障電流が流れた際に速やかにSPDを電源回路から切離すため、可溶体のジュール積分値(すなわち溶断電流二乗時間積、以下、溶断Itという)及び最小溶断電流を小さくする必要がある。
サージ電流耐量を大きくするには、一般に可溶体の断面積を大きくすることが有効であるが、可溶体の断面積を大きくするに伴い、可溶体の溶断It及び最小溶断電流が大きくなってしまう欠点がある。
そこで、最小溶断電流を下げる方法として、可溶体を支持体に螺旋状に巻付けて可溶体の線長を長くすることで、一対の端子間に張設した可溶体の電気抵抗を高くして、小さな電流で可溶体の溶融温度に達するジュール熱を得る方法(例えば、特許文献1参照)や、可溶体の中央部に低融点合金を溶着させ、溶融した低融点合金と可溶体の間で進む相互拡散に伴う可溶体の電気抵抗の増加を利用して、小さな電流で可溶体の溶融温度に達するジュール熱を得る方法(例えば、特許文献2参照)が、知られている。
特開2002−319345号公報(第1頁、図1) 特開2003−123618号公報(第1頁、図1)
しかしながら、特許文献1に記載の従来のヒューズにおいて、サージ電流が可溶体に印加されると、螺旋状の可溶体は、ピンチ効果により機械的ストレスが加わるため、一対の端子間に可溶体を直線状に張設した場合に比べサージ電流耐量が低下し、所望のサージ電流耐量が得られない。
所望のサージ電流耐量を得るためには、可溶体の断面積を大きくする必要があるが、可溶体の断面積を大きくした場合は、溶断Itが大きくなり、比較的大きな故障電流が流れた場合に速やかにSPDを電源回路から切離せないと共に、可溶体の電気抵抗が小さくなるため、可溶体を螺旋状にしても一対の端子間の電気抵抗を十分に下げられず、最小溶断電流が大きくなり、比較的小さな故障電流が流れた場合も速やかにSPDを電源回路から切離せない問題がある。
又、特許文献2に記載のヒューズにおいて、可溶体に純銀等の純金属を使用した際は、一般に純金属の電気抵抗は小さく可溶体が低融点合金を溶融させるのに必要なジュール熱を得るのに大きな電流が必要となるため、最小溶断電流を十分さげることはできず、比較的小さな故障電流が流れた場合も速やかにSPDを電源回路から切離せない問題がある。
一方、特許文献2に記載のヒューズにおいて可溶体に銀合金等の合金を使用した際は、純金属を用いた場合に比べて低融点合金との相互拡散の速度が遅いため、可溶体の電気抵抗が十分に増加する前に、溶融した低融点合金が可溶体上を流れてしまう問題がある。
可溶体は十分な低融点合金の量が得られないため、可溶体が溶融温度に達するジュール熱が得られる電気抵抗まで増加しない。そのため可溶体を溶融させるのに必要なジュール熱を得るのに大きな電流が必要となり、最小溶断電流を十分に下げることができず、比較的小さな故障電流が流れた場合に速やかにSPDを電源回路から切離せない問題がある。
又、大きな故障電流が流れた際に確実に電流を遮断するために、可溶体の全長周囲に二酸化珪素を主成分とした消弧剤を配置する方法が知られている。
しかしなから、可溶体に低融点合金を溶着したヒューズにおいて、可溶体の全長周囲に二酸化珪素を主成分とした消弧剤を配置すると、低融点合金が溶融したときに、毛細管現象により低融点合金が二酸化珪素を主成分とした消弧剤間の隙間を伝わって流れてしまう。
そのため、可溶体と低融点合金との間で十分な相互拡散が得られず、可溶体の電気抵抗は、溶融温度に達するジュール熱が得られる電気抵抗まで増加しないため、最小溶断電流を十分に下げることができず、小さな故障電流が流れた場合も速やかにSPDを電源回路から切離すことができない問題がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、サージ電流耐量を大きくした場合でも最小溶断電流を十分に下げることができるようにして、小さな故障電流が流れた場合も速やかに電気的な切離しが行なえる電流ヒューズを提供することを目的とする。
請求項1に記載された発明は、中空の絶縁性を有する外囲器と、この外囲器の一端及び他端に設けられた一対の端子と、これら端子間に設けられた金属の可溶体とを備えた電流ヒューズにおいて、この可溶体に溶着された低融点合金と、この低融点合金の周囲のみを被覆した耐熱性を有する絶縁材料と、この絶縁材料及び可溶体の周囲に配置された消弧剤とを具備した電流ヒューズである。
そして、低融点合金の周囲のみを耐熱性を有する絶縁材料で被覆しているため、低融点合金が溶融状態となっても可溶体上や消弧剤の隙間を流れることがなく、絶縁材料の内部で低融点合金の初期形状が保たれるので、可溶体の溶融に必要な低融点合金の十分な量が定位置に確保され、溶融した低融点合金と可溶体との間で進む相互拡散によって、可溶体の溶融温度に達するジュール熱が得られる電気抵抗まで、可溶体の電気抵抗が定位置で効率良く増加するため、可溶体の溶融温度に達するジュール熱を得ることができる最小溶断電流が下がり、これにより、可溶体の断面積を大きくしてサージ電流耐量を大きくした場合でも最小溶断電流を十分に下げることが可能であり、小さな故障電流が流れた場合でも速やかに電気的な切離しがなされる。
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の電流ヒューズにおいて、可溶体を、5μΩ・cm以上の体積抵抗率を有する合金としたものである。
そして、金属線に体積抵抗率5μΩ・cm以上の合金を使用することで、可溶体にサージ電流が通電されるときに可溶体を流れる電流が可溶体の表皮部に集中する表皮効果の影響が抑えられる。そのため、可溶体は小さな溶断電流二乗時間積で大きなサージ電流耐量が得られ、最小溶断電流が小さくなり、小さな故障電流が流れた場合も速やかに電気的な切離しがなされる。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2記載の電流ヒューズにおいて、低融点合金を、Sn−5.0Sbなどから成る、遷移金属を含まない合金としたものである。
そして、遷移金属を含まない低融点合金を用いることで、遷移金属を含む低融点合金を用いた場合より、可溶体と低融点合金の相互拡散の拡散速度が早くなり、更なる最小溶断電流の低下を実現する。
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3のいずれか記載の電流ヒューズにおいて、耐熱性を有する絶縁材料に、オルガノポリシロキサン系重合物を用いたものある。
そして、絶縁材料のオルガノポリシロキサン系重合物は、硬化前は液状のため、低融点合金の周囲を容易に覆うことが可能であり、又、硬化すると十分な耐熱性を有するため、可溶体の発熱によりオルガノポリシロキサン系重合物が溶融することがない。そのため、低融点合金が可溶体上を流れることなく、最小溶断電流の低下を実現し、且つ、速やかに電気的な切離しがなされる。
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4のいずれか記載の電流ヒューズにおける消弧剤を、二酸化珪素を主成分としたものである。
そして、可溶体は、低融点合金が溶着された部分を除いて、二酸化珪素を主成分とした消弧剤に接しているため、大きな故障電流が流れた場合も、二酸化珪素を主成分とした消弧剤は、その消弧作用により確実にアーク放電を消滅させて電流を遮断する。
請求項1記載の発明によれば、低融点合金の周囲のみを耐熱性を有する絶縁材料で被覆しており、低融点合金が溶融状態となっても可溶体上や消弧剤の隙間を流れることを防止して、絶縁材料の内部で低融点合金の初期形状を保つことができるので、可溶体の溶融に必要な低融点合金の十分な量を定位置に確保でき、溶融した低融点合金と可溶体との間で進む相互拡散によって、可溶体の溶融温度に達するジュール熱が得られる電気抵抗まで、可溶体の電気抵抗が定位置で効率良く増加するため、可溶体の溶融温度に達するジュール熱が得られる最小溶断電流を下げることができ、これにより、可溶体の断面積を大きくしてサージ電流耐量を大きくした場合でも最小溶断電流を十分に下げることができ、小さな故障電流が流れた場合でも速やかに電気的な切離しを行なうことができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、金属線に体積抵抗率5μΩ・cm以上の合金を用いることで、可溶体にサージ電流が通電されるときに可溶体を流れる電流が可溶体の表皮部に集中する表皮効果の影響を抑えることができる。そのため、可溶体は小さな溶断電流二乗時間積で大きなサージ電流耐量が得られ、最小溶断電流を小さくでき、小さな故障電流が流れた場合も速やかに電気的な切離しを行なうことができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明の効果に加え、低融点合金に遷移金属を含まない合金を用いることで、遷移金属を含む低融点合金を用いた場合より、可溶体と低融点合金との相互拡散の拡散速度が早くなり、更に最小溶断電流を低下させることができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3のいずれかの発明の効果に加え、耐熱性を有する絶縁材料にオルガノポリシロキサン系重合物を用いることで、このオルガノポリシロキサン系重合物は、硬化前は液状のため、低融点合金の周囲を容易に覆うことができ、製造性を向上させることができる。又、このオルガノポリシロキサン系重合物は、硬化すると十分な耐熱性を有するため、可溶体の発熱により溶融することがなく、そのため低融点合金が可溶体上を流れることなく、最小溶断電流の低下を実現でき、且つ、速やかに電気的な切離しを行なうことができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至4のいずれかの発明の効果に加え、可溶体は、低融点合金が溶着された部分を除いて、二酸化珪素を主成分とした消弧剤に接しているため、大きな故障電流が流れた場合も、二酸化珪素を主成分とした消弧剤は、その消弧作用により、確実にアーク放電を消滅させて電流を遮断することができる。
本発明に係る電流ヒューズの一実施の形態を示す断面図である。
以下、本発明に係る電流ヒューズを、図1に示された一実施の形態及び実施例に基いて詳細に説明する。
図1に示された電流ヒューズ1は、可溶体11と、この可溶体11の両端部に設けられた一対の端子としての金属端子12を有している。可溶体11は、5μΩ・cm以上の体積抵抗率を有する銀合金及び銅合金から成り、一対の金属端子12間に半田付けあるいは溶接により直線状に張設されている。
一対の金属端子12は、銅あるいは黄銅から成る母材からつくられ、円筒型のキャップ状に形成される。この一対の金属端子12の表面にはニッケルが施されている。なお、一対の金属端子12は、可溶体11と半田付けあるいは溶接にて接続できれば、円筒型のキャップ状に限定されない。
さらに、可溶体11の中間部、すなわち両端間の中央付近には、低融点合金13がボール状に溶着されている。この低融点合金13は、Sn−5.0Sb、Sn−3.5Ag、Sn−0.75Cu等の、融点の低い合金を用いる。
この低融点合金13の周囲のみが、オルガノポリシロキサン系重合物、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、セラミック等の耐熱性を有する絶縁材料14により、被覆されている。
この絶縁材料14および可溶体11の周囲には、二酸化珪素を主成分とした消弧剤15が配置され、この消弧剤15は、一対の金属端子12と、中空の絶縁性を有するアルミナを主成分とした外囲器16とにより封止されている。なお、外囲器16は、消弧材15を封止するための円筒形の容器であるが、消弧材15を封止できる形状ならば、円筒形に限定されない。この外囲器16の一端及び他端に上記一対の金属端子12が嵌着されて一体的に設けられている。
このように構成された電流ヒューズ1によれば、低融点合金13は、その周囲のみを耐熱性を有する絶縁材料14で被覆しているため、低融点合金13が溶融状態となっても可溶体11上や二酸化珪素を主成分とした消弧剤15の隙間を流れることがなく、絶縁材料14の内部で低融点合金13の初期形状を保つことができるので、可溶体11の溶融に必要な低融点合金13の十分な量を定位置に確保でき、溶融した低融点合金13と可溶体11との間で進む相互拡散によって、可溶体11の溶融温度に達するジュール熱が得られる電気抵抗まで、可溶体11の電気抵抗が定位置で効率良く増加するため、可溶体11の断面積を大きくしてサージ電流耐量が大きい場合でも、可溶体11の溶融温度に達するジュール熱が得られる最小溶断電流を下げることができ、これにより、比較的小さな故障電流が流れた場合でも速やかにSPDを電源回路から電気的に切離すことができる。
又、金属線に体積抵抗率5μΩ・cm以上の合金を用いることで、可溶体11にサージ電流が通電されるときに可溶体11を流れる電流が可溶体11の表皮部に集中する表皮効果の影響を抑えられる。そのため、可溶体11は小さな溶断電流二乗時間積(以下、「溶断It」という)で大きなサージ電流耐量が得られ、最小溶断電流を小さくでき、比較的小さな故障電流が流れた場合も速やかにSPDを電源回路から電気的に切離すことができる。
併せて、低融点合金13の溶着部分を除いた可溶体11は、二酸化珪素を主成分とした消弧剤15に接しているため、大きな故障電流が流れた場合も、二酸化珪素を主成分とした消弧剤15の消弧作用により、確実にアーク放電を消滅させて電流を遮断することができる。
要するに、低融点合金13の周囲のみを耐熱性を有する絶縁材料14で被覆し、それ以外の可溶体11の周囲には消弧剤15を用いることで、低融点合金13と可溶体11の間で進む相互拡散作用と、消弧剤15の消弧作用により、可溶体11の小さな溶断It及び低い最小溶断電流で大きなサージ電流耐量を確保でき、且つ、高い電流遮断能力を有する、SPDの分離に適した電流ヒューズを提供することができる。
又、遷移金属を含まない低融点合金13を用いることで、遷移金属を含む低融点合金を用いた場合より、可溶体11と低融点合金13との相互拡散の拡散速度が早くなり、更なる最小溶断電流の低下を実現できる。
更に、耐熱性を有する絶縁材料14のオルガノポリシロキサン系重合物は、硬化前は液状のため、低融点合金13の周囲を容易に覆うことができ、製造性を向上させることができる。又、このオルガノポリシロキサン系重合物は、硬化すると十分な耐熱性を有するため、可溶体11の発熱により溶融することがない。そのため、低融点合金13が可溶体11上を流れることなく、最小溶断電流の低下を実現でき、且つ、速やかにSPDを電源回路から電気的に切離すことができる。
上記の一実施形態の電流ヒューズに対し、可溶体11に直径1.2mmの、56Ag−22Cu−17Zn−5Snから成る銀ろう線を用い、低融点合金13に遷移金属を含まないSn−5.0Sb、耐熱性を有する絶縁材料14としてオルガノポリシロキサン系重合物であるKE−1867(信越化学工業株式会社)を用いた。又、二酸化珪素を主成分とした消弧剤15は、SiO−残0.5を用い、直径13mm、長さ50mmの円筒形の外囲器16と円筒形のキャップにて封止してサージ耐久性試験、通電試験を行った。
上記一実施形態の電流ヒューズにおける実施例について、表1及び表2を参照して説明する。
比較例として、可溶体の金属及び形状、低融点合金を変えた4種類のヒューズに対して同一の試験を行った。なお、比較例として用いた4種類のヒューズは、可溶体、低融点合金及び耐熱性を有する絶縁材料を除き、上記一実施形態のヒューズと同一構造である。
比較例1のヒューズは、可溶体に直径0.75mmの銅を用い、可溶体両端間の中央付近にSn−3.5Agから成る低融点合金を溶着させ、低融点合金に対し、耐熱性を有する絶縁材料による被覆を施さないものである。
比較例2のヒューズは、直径0.75mmの銅を用い、直径4mm、6mm間隔で螺旋状に成型したものを可溶体とし、可溶体両端間の中央付近にSn−3.5Agから成る低融点合金を溶着させ、低融点合金に対し、耐熱性を有する絶縁材料による被覆を施さないものである。
比較例3のヒューズは、可溶体に直径1.2mmの、56Ag−22Cu−17Zn−5Snから成る銀ろう線を用い、可溶体両端間の中央付近にSn−3.5Agから成る低融点合金を溶着させ、低融点合金に対し、耐熱性を有する絶縁材料による被覆を施さないものである。
比較例4のヒューズは、可溶体に直径1.2mmの、56Ag−22Cu−17Zn−5Snから成る銀ろう線を用い、可溶体両端間の中央付近にSn−5.0Sbから成る遷移金属を含まない低融点合金を溶着させ、低融点合金に対し、耐熱性を有する絶縁材料による被覆を施さないものである。
まず、上記の実施例、比較例1、比較例2、比較例3及び比較例4に示すヒューズに対し、8/20μsのサージ波形、20kAのサージ電流、6000Asのジュール積分値を有するサージを印加し、およそ30回のサージ耐久性を有するために必要な溶断Itを求めた。その結果を、表1に示す。
Figure 0005346705
又、実施例、比較例1、比較例2、比較例3及び比較例4に示すヒューズに通電試験を行いおよそ500秒で可溶体が溶断する溶断電流を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 0005346705
表1に示すように、可溶体に純金属を用いた比較例1、比較例2に示すヒューズはおおよそ30回耐久性を有するのに18000As以上の溶断Itが必要なのに対し、可溶体に体積抵抗率が5μΩ・cm以上の銀ろう線を用いた実施例、比較例3、比較例4に示すヒューズは13000Asという極めて小さな溶断Itで30回耐久性を実現した。
更に、実施例、比較例3、比較例4の溶断特性を比較すると、表2に示すように、比較例の最小溶断電流が46A以上であるのに対し、実施例は低融点合金の周囲のみをオルガノポリシロキサン系重合物で覆い、且つ、低融点合金に遷移金属を含まないSn−5.0Sbを用いたことで、最小溶断電流が41Aと最も低い電流により、およそ500秒で溶断した。
以上のことより、実施例のヒューズは、13000Asという低い溶断Itで、8/20μsのサージ波形、20kAのサージ電流、6000Asのジュール積分値を有するサージに対し、おおよそ30回の耐久性を有すると共に、41Aという低い最小溶断電流を示すことが認められた。
次に、一実施形態のヒューズに対し、試験条件AC250V、100kA、力率0.23で短絡遮断試験を実施した。
この短絡遮断試験の結果、一実施形態のヒューズは、可溶体の周囲に配置した二酸化珪素を主成分とした消弧剤の消弧作用により、破裂等の外観不良及び、再発弧等の問題なく遮断に成功した。又、遮断後の絶縁抵抗は1000MΩ以上得られ、絶縁性が高いことがわかった。
本発明は、短絡又は劣化したSPDなどを電源回路から切離し保護する電流ヒューズに利用可能である。
1 電流ヒューズ
11 可溶体
12 端子としての金属端子
13 低融点合金
14 絶縁材料
15 消弧剤
16 外囲器

Claims (5)

  1. 中空の絶縁性を有する外囲器と、
    この外囲器の一端及び他端に設けられた一対の端子と、
    これら端子間に設けられた金属の可溶体とを備えた電流ヒューズにおいて
    この可溶体に溶着された低融点合金と、
    この低融点合金の周囲のみを被覆した耐熱性を有する絶縁材料と、
    この絶縁材料及び可溶体の周囲に配置された消弧剤と
    を具備したことを特徴とする電流ヒューズ。
  2. 可溶体は、5μΩ・cm以上の体積抵抗率を有する合金である
    ことを特徴とする請求項1記載の電流ヒューズ。
  3. 低融点合金は、遷移金属を含まない合金である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の電流ヒューズ。
  4. 絶縁材料は、オルガノポリシロキサン系重合物である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の電流ヒューズ。
  5. 消弧剤は、二酸化珪素を主成分としたものである
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の電流ヒューズ。
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