JP4983327B2 - 透明基板およびそれを用いた電気光学装置 - Google Patents
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Description
図8(a)に示すように、透明基板1の遮光膜2が、基板であるガラス基板11の液晶ライトバルブ3側の面に設けられた構造配置と、遮光膜2の構造として、外部からの入射光200を反射する反射膜2aと液晶ライトバルブ3側からの戻り光400を吸収する吸収層2bとを積層してなる2層の遮光膜2の構造が知られている。尚、反射膜2aには、光源に向かって光を反射し、光を再利用する役目もある。
しかしながら、クロム膜は光を吸収し易いので反射率が低くなる問題があった(クロム膜の反射率:40〜50%程度)。
そこで、本願発明者等は、図9(b)に示すように、光の漏れを防止するためにクロム膜2aを多層構造とすることによって、クロム膜2a1,2a2,2a3の各層で形成されるピンホール7a’を分断することで遮光膜2aを貫通したピンホールが生じることを防止する構造も検討したが、この構造では複数回、クロム膜を成膜する必要があり製造工程が増加してしまうという問題があった。
また、更に、吸収層2bに着目すると、アクリル系紫外線硬化型接着剤5と酸化クロム膜2bとの界面2dでは、反射光400aの反射を抑えて酸化クロム膜2bで戻り光400を吸収するよう構成しているが、戻り光400の波長帯域によっては、戻り光400を吸収しきれず界面2dで反射光400aを反射してしまい迷光となってしまうという問題があった。
さらに、前述の如き透明基板1の遮光膜2を構成する反射膜2aでの反射率の低下と吸収層2bで生じる迷光とに起因した透明基板1での透過光量の損失を補うため、投射型表示装置の光源(ランプ)のパワーを上げることによって生じる当該光源の過剰な温度上昇、並びに投射型表示装置内の温度上昇によって当該投射型表示装置に搭載された多数の光学部品の過剰な温度上昇により、各光学部品の寿命の短命化という問題があった。
本発明的は、前述の如き様々な問題に鑑みてなされたものであって、光の漏れが少なく反射率の高い、耐久性の良好な遮光部を備え、かつ電気光学装置内の過剰な温度上昇を抑制することが可能な透明基板およびそれを備えた電気光学装置を提供することを目的とする。
この発明では、二酸化ケイ素をスパッタやイオンプレーティング等の工法で成膜すれば、より緻密な膜が形成できるため、銀と空気の遮断がより確実に行われ耐久性を向上させることが出来るため好ましい。
0≦|N1−N2|/N2≦0.05
を満足するのが好ましい。
この発明では、保護層の屈折率に対する透明基板の屈折率と保護層の屈折率との差の割合が、5%以下であるので、透明基板と保護層との界面での反射が抑えられる。
この発明では、炭素粒子が光を吸収し保護層での反射が抑制される。
さらに、電気光学装置内の過剰な温度上昇を防ぎ、発光管やその他の光学部品の黒化や失透、或いは破壊することを抑制した長寿命化を可能とする環境配慮型の光源装置を得ることができる。
この発明では、前述の効果を有する電気光学装置が得られる。
0≦|N1−N2|/N2≦0.05
を満足するのが好ましい。
この発明では、前述の効果を有する電気光学装置が得られる。
この発明では、炭素粒子が光を吸収し保護層での反射が抑制される。
なお、各実施形態の図面において、同じ構成要素には同じ符号を付して説明する。
図1は、実施形態にかかる電気光学装置100の平面図である。図2(a)は、図1に示した電気光学装置100におけるA−A断面図、図2(b)は、(a)の電気光学装置100の一部を円Bで囲んだ部分の拡大図である。図3は、電気光学装置100の分解斜視図である。
図1および図2において、電気光学装置100は、液晶装置60とケース110とフック130とフレキシブルプリント配線基板120とを備えている。
図2(a)に示すように、液晶装置60の外周縁部は、ケース110とフック130とによって挟持されている。そして、液晶装置60とケース110との間には、充填材19が充填されている。
また、液晶装置60には、フレキシブルプリント配線基板120が接続され、ケース110から引き出されている。
図2(a)において、入射光200は、紙面に対して上方向から電気光学装置100に入射し、下方向に出射光300となって出射する。図3では、入射光200は、紙面に対して下方向から液晶装置60に入射し、上方向に出射光300となって出射するように描かれている。
図2(a)および図3では、入射角が0°のように描かれているが、実際には少し斜めから入射する。例えば、入射角は0°〜15°の間である。
透過型液晶パネル150は、パネル基板90と対向基板80とを備えている。対向基板80はパネル基板90よりも小さく、パネル基板90の周辺部分は、対向基板80の外周縁よりはみ出た状態で貼り合わされている。
なお、接着剤81の屈折率を、ガラス基板11の屈折率及び透過型液晶パネル150の対向基板80の屈折率に近づけることにより、接着剤81との界面での反射を抑えることができる。接着剤81は、シリコン系接着剤やアクリル系接着剤などを用いればよい。
また、接着剤81の屈折率Naを、樹脂層13の屈折率Nrに近づけることにより、樹脂層13と接着剤81との界面での反射を抑えることができる。具体的には、樹脂層13の屈折率Nrと接着剤81の屈折率Naとの関係が、
0≦|Nr−Na|/Nr≦0.05
を満足するのが好ましい。
図4に、透明基板10を示した。図4(a)は、透明基板10の平面図、同図(b)は、そのB−Bにおける断面図、同図(c)は、透明基板10の外周縁に形成した遮光膜領域を詳しく説明した図である。
反射層12はガラス基板11の縁を除いた光出射面6の外周縁表面に形成されている。図4(a)に示すように、反射層12を光入射側から見た形状は、画像表示領域8を囲む矩形環状である。
保護層14は、ガラス基板11上の全面に形成され、ガラス基板11に形成された反射層12を覆っている。保護層14は、ガラス基板11の縁まで形成され、反射層12を覆っている。したがって、反射層12のガラス基板11と接する面以外の表面は、保護層14によって覆われている。
図4(b)に示すように、透明基板10の光入射面7に入射した入射光200の大部分はガラス基板11の画像表示領域8を透過して、透過型液晶パネル150の内部に入射する。入射光200の一部は反射層12で反射する。
次に、前述の如く保護層14を反射層12の表面全体を覆うと共にガラス基板11上の全面に形成する。
tbを500nm以上とすると、戻り光400の反射率を1%未満とすることができるのがわかる。更に、戻り光400の反射率を0.05%程度(戻り光400を樹脂層13でほぼすべて吸収させる)とするためには、tbを1000nm以上にするのが好ましく、製造バラツキを考慮して1000nm〜1500nmとするのが好ましい。
樹脂層13は、スピンコート法により塗布した後、フォトリソグラフィ技法によって、矩形環状の形状にすることができる。また、スクリーン印刷によって、直接矩形環状の形状を形成してもよい。
ここで、効果的に反射を抑えるには、屈折率の差|N1−N2|が、保護層14の屈折率N2に対して、0〜5%程度である、即ち
0≦|N1−N2|/N2≦0.05
の関係を満足することが好ましい。例えば、保護層14が二酸化ケイ素の層とした場合、二酸化ケイ素の層の屈折率は1.46であるので、屈折率が1.40〜1.52であるガラス基板11を用いることが好ましい。
(1)反射率の高い銀を反射層12に用いている。銀は、層形成の際にピンホールが生じにくい。また、反射層12の表面を保護層14で覆っているので、銀が雰囲気中の酸素と結合して酸化銀となって反射率が低下するのを防ぐことができる。したがって、光の漏れが少なく反射率の高い、耐久性の良好な遮光膜20を備えた透明基板10を得ることができる。
さらに、電気光学装置内の過剰な温度上昇を防ぎ、発光管やその他の光学部品の黒化や失透、或いは破壊することを抑制した長寿命化を可能とする環境配慮型の光源装置を得ることができる。
図5には、本実施形態の透明基板30の断面図を示した。
透明基板30が貼り付けられる液晶装置60、透過型液晶パネル150および電気光学装置100の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態では、透明基板30の構成が異なる。
本実施形態では、反射層12の保護層として、樹脂層13を用いている。したがって、第1実施形態で示したガラス基板11上の全面に形成された保護層14は設けられていない。
保護層としての樹脂層13は、第1実施形態と同様の材料で形成することができる。樹脂層13は、反射層12とガラス基板11とが接する面を除いた表面を覆っている。
(4)樹脂層13が保護層を兼ねているので、遮光膜20の構造を簡単にでき、透明基板30の製造を容易にできる。
例えば、平面視した状態で、反射層12および樹脂層13の形状は液晶装置60の画像表示領域に合わせればよく、矩形環状以外の形状であってもよい。
また、透明基板10の光入射面7には、反射防止膜を設けてもよい。反射防止膜を設けることによって、光入射面7での反射を低減でき光の利用効率が向上する。
さらに、電気光学装置内の過剰な温度上昇を防ぎ、発光管やその他の光学部品の黒化や失透、或いは破壊することを抑制した長寿命化を可能とする環境配慮型の光源装置を得ることができる。
Claims (8)
- 外周縁に遮光膜を設けた透明基板であって、
前記遮光膜は、前記透明基板上から銀を含む第1の層と、
当該第1の層上に炭素粒子を含む第2の層とを積層して形成し、
前記第1の層の表面は保護層で覆われていることを特徴とする透明基板。 - 請求項1に記載の透明基板において、
前記保護層は、二酸化ケイ素を含むことを特徴とする透明基板。 - 請求項1または請求項2に記載の透明基板において、
前記透明基板の屈折率N1と前記保護層の屈折率N2との関係が、
0≦|N1−N2|/N2≦0.05
を満足することを特徴とする透明基板。 - 外周縁に遮光膜を設けた透明基板であって、
前記遮光膜は、
前記透明基板上から銀を含む第1の層と、
前記第1の層の表面を覆う保護層とで形成されており、
前記保護層は、炭素粒子を含むことを特徴とする透明基板。 - 表示パネルと、当該表示パネルに対向する面の外周縁に遮光膜を設けた透明基板とを備え、
前記遮光膜は、前記透明基板上から銀を含む第1の層と、
当該第1の層上に炭素粒子を含む第2の層とを形成し、
前記第1の層の表面は保護層で覆われていることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項5に記載の電気光学装置において、
前記保護層は、二酸化ケイ素を含むことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項5または請求項6に記載の電気光学装置において、
前記透明基板の屈折率N1と前記保護層の屈折率N2との関係が、
0≦|N1−N2|/N2≦0.05
を満足することを特徴とする電気光学装置。 - 表示パネルと、当該表示パネルに対向する面の外周縁に遮光膜を設けた透明基板とを備え、
前記遮光膜は、
前記透明基板上から銀を含む第1の層と、
前記第1の層の表面を覆う保護層とで形成されており、
前記保護層は、炭素粒子を含むことを特徴とする電気光学装置。
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