JP4982831B2 - 車両用ドアラッチの施解錠装置 - Google Patents

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本発明は、操作ハンドルの操作を被操作装置に伝達可能及び伝達不能に切り換え可能な車両用ドアラッチの施解錠装置に関する。
車両用ドアラッチの施解錠装置においては、ドアに設けられた操作ハンドルの操作に基づいてリリース作動するオープンサブレバーと、閉扉ラッチユニットに操作力伝達部材を介して連結されるオープンレバーと、モータまたはドアに設けられたロック操作ノブの操作によりアンロック位置及びロック位置に移動可能なロッキングレバーと、ロッキングレバーのアンロック、ロック作動に連動してオープンレバーに設けられたロックピンスライド溝を摺動するロック部材とを備え、ロッキングレバーがアンロック位置にあるときは、オープンサブレバーのリリース作動をロック部材を介してオープンレバーに伝達可能とし、また、ロッキングレバーがあるときは、オープンサブレバーのリリース作動が空振りしてオープンレバーに伝達されないように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−152619号公報
しかし、上記特許文献1に記載された車両用ドアラッチの施解錠装置においては、アンロック状態及びロック状態にするための施解錠手段の構成部品として、少なくともオープンサブレバー、オープンレバー、ロッキングレバー及びロック部材を備えるため、構成部品の多く、構成が複雑になる問題を有している。
本発明は、上記課題に鑑み、アンロック状態及びロック状態にするための構成部品を少なくして、構成の簡素化を可能にした車両用ドアラッチの施解錠装置を提供することを目的としている。
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)操作ハンドルの操作を被操作装置に伝達可能及び伝達不能に切り換え可能な車両用ドアラッチの施解錠装置において、ベース部材と、前記ベース部材に第1枢軸により枢支され、前記操作ハンドルの操作に基づいて回動可能な入力部材と、一端部が前記入力部材における前記第1枢軸から径方向へ離間する位置に枢着されるとともに、前記一端部と前記被操作装置に連係される他端部との中間部に当接部材を設けたフローテング出力レバーと、前記ベース部材に第2枢軸によりアンロック位置とロック位置との間を回動可能に枢支されるとともに、アンロック位置にあるとき前記当接部材に当接可能で、ロック位置にあるとき当接不能なストッパ部を有するロッキングレバーとを備え、前記フローティング出力レバーは、前記ロッキングレバーがアンロック位置にあるとき、前記入力部材の回動に従動して前記当接部材が前記ストッパ部に当接しつつ前記当接部材を仮想中心として回動することにより前記操作ハンドルの操作を前記被操作装置へ伝達可能とし、また、前記ロッキングレバーがロック位置にあるとき、前記入力部材の回動に従動して、前記他端部を支点として揺動することにより前記操作ハンドルの操作を前記被操作装置へ伝達不能とする。この構成により、アンロック状態及びロック状態にしたりする構成を、入力部材、フローティング出力レバー及びロッキングレバーにより構成することができるため、アンロック状態及びロック状態にしたりする構成を従来に比して減少させて、構成の簡素化を図ることができる。また、従来のように、ロッキングレバーの作動に伴って摺動して、オープンサブレバーとオープンレバーとの連係を断続するようなロック部材を必要としないため、構成の簡素化に伴って確実なアンロック状態及びロック状態を得ることができる。
(2)操作ハンドルの操作を被操作装置に伝達可能及び伝達不能に切り換え可能な車両用ドアラッチの施解錠装置において、ベース部材と、前記ベース部材に第1枢軸により枢支され、前記操作ハンドルの操作に基づいて回動可能な入力部材と、一端部が前記入力部材における前記第1枢軸から径方向へ離間する位置に枢着されるとともに、前記一端部と前記被操作装置に連係される他端部との中間部に当接部材を設けたフローティング出力レバーと、前記ベース部材に第2枢軸によりアンロック位置とロック位置との間を回動可能に枢支されるロッキングレバーと、前記ロッキングレバーの回動に従動し、自体の可動部分に設けたストッパ部が前記当接部材に当接可能なアンロック位置と当接不能なロック位置との間を移動可能な規制レバーとを備え、前記フローティング出力レバーは、前記規制レバーがアンロック位置にあるとき、前記入力部材の回動に従動して前記当接部材が前記ストッパ部に当接しつつ前記当接部材を仮想中心として回動することにより前記操作ハンドルの操作を前記被操作装置へ伝達可能とし、また、前記規制レバーがロック位置にあるとき、前記入力部材の回動に従動して、前記他端部を支点として揺動することにより前記操作ハンドルの操作を前記被操作装置へ伝達不能とし、さらに、前記ロッキングレバーと前記規制レバーとの間に、前記規制レバーを前記ロッキングレバーに対してアンロック方向へ付勢するスプリングを設け、前記ロッキングレバー及び前記規制レバーが共にロック位置にあるとき、前記操作ハンドルの操作による前記入力部材の回動と前記ロッキングレバーをアンロック位置へ移動させる操作が重合した場合、前記ロッキングレバーは、前記規制レバーが前記当接部材に当接してアンロック位置への移動が阻止された状態で、前記スプリングの付勢力に抗してアンロック位置への移動が可能であり、また、前記規制レバーは、前記入力部材が回動する前の待機位置に戻ることにより、前記当接部材から離れて前記スプリングの付勢力によってアンロック位置へ移動するようにする。この構成により、従来のように、ロッキングレバーの作動に伴って摺動して、オープンサブレバーとオープンレバーとの連係を断続するようなロック部材を必要としないため、構成の簡素化に図り、確実なアンロック状態及びロック状態を得ることができる。また、ロック状態にあるとき、操作ハンドルの操作とロッキングレバーをアンロック位置に移動させようとするアンロック操作とが重合する、所謂パニック状態が発生しても、ロッキングレバーをアンロック位置に移動させることができ、その後、規制レバーもスプリングの付勢力によりアンロック位置に移動させることができ、確実な操作を行うことができる。
(3)上記(2)において、前記規制レバーを、前記ロッキングレバーと同軸上に枢支する。この構成により、パニック状態が発生しても、ロッキングレバー及び規制レバーをアンロック位置に確実に移動させることができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記当接部材を、円形状として、前記フローティング出力レバーに前記第1枢軸と平行な軸により回動可能に設ける。この構成により、フローティング出力レバーを、当接部材を仮想中心として円滑に回動させることができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記フローティング出力レバーの前記仮想中心を、前記第1枢軸の軸線にほぼ合致させる。この構成より、フローティング出力レバーを、入力部材の回動に伴って第1枢軸を仮想中心として円滑に回動させることができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記入力部材は、前記操作ハンドルの操作を前記入力部材に伝達するためのケーブルが巻回される前記第1の枢軸を中心とする円弧状の円周溝と、当該円周溝に巻回された前記ケーブルの端部が連結される係止部とを有する。この構成により、ストローク変化に伴う操作力の変化が少なくなり、安定した作動を得ることができる。
本発明によれば、アンロック状態及びロック状態にするための構成を従来に比して減少させて、構成の簡素化を図ることができる。
本発明を適用したスライドドアを備える車両の側面図である。 本発明に係わる操作装置を車内側から見た正面図である。 本発明に係わる操作分岐ユニット及びインサイドハンドルを車内側から見た分解斜視図である。 操作装置を車外側から見た内部構造を示す斜視図である。 操作装置を車内側から見た内部構造を示す斜視図である。 操作装置を車外側から見た裏面図である。 操作分岐ユニットの分解斜視図である。 操作分岐ユニットにおける主要部の裏面図である。 チャイルドプルーフレバーがアンロック位置にあるとき、インサイドハンドルが開操作されたときの操作分岐ユニットの作動説明図である。 チャイルドプルーフレバーがアンロック位置にあるとき、アウトサイドハンドルが操作されたときの操作分岐ユニットの作動説明図である。 チャイルドプルーフレバーがアンロック位置にあるとき、インサイドハンドルが閉操作されたときの操作分岐ユニットの作動説明図である。 チャイルドプルーフレバーがロック位置にあるとき、インサイドハンドルが開操作されたときの操作分岐ユニットの作動説明図である。 チャイルドプルーフレバーがロック位置にあるとき、インサイドハンドルが閉操作されたときの操作分岐ユニットの作動説明図である。 操作分岐ユニットに他の形態のインサイドハンドルを採用する場合の分解斜視図である。 アンロック状態にあるときの施解錠ユニットの背面図である。 アンロック状態にあるときの施解錠ユニットの主要部の作動説明図である。 アンロック状態にあるとき、入力部材が回動した場合の施解錠ユニットの主要部の作動説明図である。 ロック状態にあるときの施解錠ユニットの主要部の作動説明図である。 ロック状態にあるとき、入力部材が回動した場合の施解錠ユニットの主要部の作動説明図である。 パニック状態時における施解錠ユニットの主要部の作動説明図である。 施解錠ユニットの分解斜視図である。
以下、本発明に係わる一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図1、5、8〜13及び図15〜20における左方、図2における右方を「前方」とし、図1、5、8〜13及び図15〜20における右方、図2における左方を「後方」とする。また、図3、14における左右方向を車幅方向(または左右方向)とする。
図1において、1は、車体の側面に前後方向へ開閉可能に支持されるスライドドア(以下、ドア1と記す)である。ドア1の前、後端部には、車体側に設けられる前、後部ストライカ(図示略)と係合することによってドア1を図1に示す閉鎖位置に拘束し、また前、後部ストライカから離脱することによってドア1の開扉を可能にする全閉用フロントドアラッチ2A、全閉用リヤドアラッチ2Bが設けられる。さらに、ドア1の下部には、車体側に設けられるストライカ(図示略)と係合することによってドア1を全開位置に保持可能な全開用ドアラッチ3が設けられる。
ドア1の車外側のアウタパネルには、車外からドア1を開閉するときに操作される車外側の操作ハンドルをなすアウトサイドハンドル4が設けられ、また、同じく車内側には、車内からドア1を開閉するときに操作される車内側の操作ハンドルをなすインサイドハンドル5が設けられる。また、ドア1の車内側のインナパネルには、アウトサイドハンドル4及びインサイドハンドル5の操作によって作動可能な各種レバーから構成される操作分岐ユニット6と、操作分岐ユニット6の後方、すなわちドア1のインナパネルの面に平行な方向へ離間する位置に配置される施解錠ユニット7が設けられる。操作分岐ユニット6及び施解錠ユニット7は、インナパネルの車内側を向く面と当該インナパネルの車内側に取り付けられるドアトリム(図示略)との間の空間部に配置される。
なお、本実施形態における施解錠ユニット7を操作分岐ユニット6の後方に配置する例を説明するが、施解錠ユニット7の配置は、ドア1の形態、操作分岐ユニット6の位置、全閉用リヤドアラッチ2Bの位置等によって決定されるものであるから、操作分岐ユニット6の後方に限らず、操作分岐ユニット6に対してドア1のインナパネルの面に平行な方向へ離間する位置であればどのような位置であっても良い。
(操作分岐ユニット6の構成)
図2〜図7に示すように、操作分岐ユニット6は、ドア1のインナパネルに固定される操作ベース部材をなすベース部材8及びカバー19と、ベース部材8の車内側を向く面に固定されるハンドルベース部材9と、ハンドルベース部材9に前後方向へ揺動可能に枢支される前述のインサイドハンドル5と、インサイドハンドル5の操作を入力する第1、2車内側入力レバー10、11と、アウトサイドハンドル4の操作を入力する車外側入力レバー12と、インサイドハンドル5及びアウトサイドハンドル4の操作に基づく第1、2車内側入力レバー10、11及び車外側入力レバー12のリリース作動を全閉用フロントドアラッチ2A及び施解錠ユニット7へ出力可能な全閉側出力レバー13と、第1、2車内側入力レバー10、11及び車外側入力レバー12のリリース作動を全開用ドアラッチ3へ出力可能な全開側出力レバー16と、ドア1を開けた状態でのみ後述のアンロック位置及びロック位置に操作可能なチャイルドプルーフレバー18とを含む。
なお、本実施形態においては、第1車内側入力レバー10と第2車内側入力レバー11とを別体で形成するが、第1車内側入力レバー10と第2車内側入力レバー11とを一体的に形成しても良い。
インサイドハンドル5は、ベース部材8の車内側を向く側面に固定されるハンドルベース部材9に上下方向を向く軸回りに前後方向へ揺動可能に枢支され、中立位置から後方(ドア1の開き方向)へ揺動する開操作と、中立位置から前方(ドア1の閉じ方向)へ揺動する閉操作が可能である。インサイドハンドル5の下部には、インサイドハンドル5の操作によって前後方向へ移動可能に車外側へ向けて延出するアーム部5aが設けられている。
ハンドルベース部材9におけるインサイドハンドル5の上方には、車内からアンロック、ロック操作可能なロック操作ノブ22が設けられる。ロック操作ノブ22は、インサイドハンドル5の開操作及びアウトサイドハンドル4の操作を有効とするアンロック位置(図2、3に示す位置)と、アンロック位置から前方へ所定量移動し、インサイドハンドル5の開操作及びアウトサイドハンドル4の操作を無効とするロック位置との間を移動可能である。ロック操作ノブ22のハンドルベース部材9を貫通する連結部22aには、前後方向へ長尺の操作力伝達部材をなすボーデンケーブル24を介して施解錠ユニット7の後述のロッキングレバー43に連結される。
第1車内側入力レバー10は、ベース部材8に左右方向を向く回転軸20と一体的に回動し得るように枢支されるとともに、後述のスライダ21を上下方向へ摺動可能に支持するための直線状の上向きアーム部10aと、ベース部材8に設けられた開口部8aの上下端に当接することによって第1車内側入力レバー10の回動範囲を制限するための車内側を向く折曲部10bと、第2車内側入力レバー11の係合孔11bに係合する車外側を向く折曲部10cを有する。
第2車内側入力レバー11は、カバー19に左右方向を向き、かつ回転軸20に対向して回転軸20とほぼ同心軸線上に配置される枢軸23により回動可能に枢支されるとともに、前方へ延出するアーム部11aには、第1車内側入力レバー10と第2車内側入力レバー11とが一体的に回動し得るように、第1車内側入力レバー10の折曲部10cが係合される係合孔11bが設けられ、また、下方を向くアーム部11cの下部には、インサイドハンドル5のアーム部5aが左右方向へ係合可能に遊嵌する係合孔11dが設けられる。これにより、第1、2車内側入力レバー10、11は、インサイドハンドル5の開操作により図6、8に示す中立位置から時計方向(全閉リリース方向)へ所定角度回動し、また、インサイドハンドル5の閉操作により中立位置から反時計方向(全開リリース方向)へ所定角度回動することができる。
また、ドア1の形状、車種に応じて、インサイドハンドル5を、図2、3、4、6に示す上下方向を向く軸回りに前後方向へ揺動可能なT断面タイプから、図14に示すように、左右方向の軸回りに前後方向へ揺動可能なバータイプのインサイドハンドル5Aに簡単に変更することができる。バータイプのインサイドハンドル5Aを採用する場合は、前述の回転軸20を、図14に示すようにベース部材8から車内側へ突出する部分にセレーション201aを設けた回転軸201に変更し、セレーション201a部分をインサイドハンドル5Aに挿入係合する。これにより、回転軸20以外の他の部品を変更することなく、T断面タイプのインサイドハンドル5からバータイプのインサイドハンドル5Aに簡単に変更することができる。なお、バータイプのインサイドハンドル5Aを採用した場合には、ハンドルベース部材9は不要となる。
チャイルドプルーフレバー18は、ベース部材8の車内側を向く側面に左右方向を向く枢軸28により枢支され、インサイドハンドル5の開操作を有効にするアンロック位置(例えば、図6、8参照)と無効にするロック位置(例えば、図12、13参照)との間を移動することができる。チャイルドプルーフレバー18の前部には、ドア1を開けた状態で、ドア1の前端面から突出して操作可能な操作部18aが設けられ、また、同じく後部には、スライダ21の側面に設けられた突軸部21aが前後方向へ摺動可能に係合する前後方向の円弧孔18bが設けられている。
スライダ21は、第1車内側入力レバー10のアーム部10aに上下方向へ摺動可能に支持されるとともに、突軸部21aがチャイルドプルーフレバー18の円弧孔18bに摺動可能に係合し、チャイルドプルーフレバー18がアンロック位置にあるときには、アーム部10aの下部に位置するアンロック位置(例えば、図6、8参照)に保持され、また、チャイルドプルーフレバー18がロック位置に移動すると、アンロック位置から上方へ変位したロック位置(例えば、図12、13参照)に移動する。
図6、8に示すように、チャイルドプルーフレバー18及びスライダ21がアンロック位置にある場合には、スライダ21の突軸部21aが全閉側出力レバー13の上部に設けられた係合段部13dに対して時計方向へ当接可能な状態となる。この結果、インサイドハンドル5が開操作されて、第1、2車内側入力レバー10、11が全閉リリース方向(図6、8において時計方向)へ回動すると、第1車内側入力レバー10と一緒に移動するスライダ21の突軸部21aが全閉側出力レバー13の係合段部13dに当接して、全閉側出力レバー13も第1、2車内側入力レバー10、11と一緒に全閉リリース方向へ回動する。
また、図12、13に示すように、チャイルドプルーフレバー18及びスライダ21がロック位置にある場合には、スライダ21の突軸部21aが全閉側出力レバー13の係合段部13dに対して当接不能な退避位置に位置している。この結果、第1、2車内側入力レバー10、11が全閉リリース方向へ回動しても、スライダ21の突軸部21aが全閉側出力レバー13の係合段部13dに対して空振りするため、全閉側出力レバー13をリリース方向へ回動させることはできない。
全閉側出力レバー13は、第1車内側入力レバー10と独立回動し得るように回転軸20によりベース部材8に枢支されるとともに、前方へ延出するアーム部13aの先端部には、下端部が全閉用フロントドアラッチ2Aのリリースレバー(図示略)に連結されるボーデンケーブル14の上端部が連結され、また、下方へ延出するアーム部13bの下端部には、後端が施解錠ユニット7の後述の施解錠入力部材44に連結され、全閉側出力レバー13のリリース作動に連動してドア1のインナパネル面に沿って移動可能な前後方向へ長尺のボーデンケーブル15の前端部が連結される。ボーデンケーブル14は、全閉側出力レバー13のリリース作動を全閉用フロントドアラッチ2Aのリリースレバー(図示略)に伝達するものであり、また、ボーデンケーブル15は、全閉側出力レバー13のリリース作動を施解錠ユニット7の施解錠入力部材44に伝達するものである。
上述により、ドア1が閉鎖位置に拘束されているとき、全閉側出力レバー13が図6、8に示す待機位置からリリース方向(図6、8において時計方向)へ回動すると、全閉側出力レバー13のリリース作動は、ボーデンケーブル14を介して全閉用フロントドアラッチ2Aに伝達され、また、ボーデンケーブル15を介して施解錠ユニット7の施解錠入力部材44に伝達される。各ドアラッチ2A、2Bに全閉側出力レバー13のリリース作動が伝達された場合には、各ドアラッチ2A、2Bは、それぞれのストライカから離脱して、ドア1の開扉を可能にする。
全開側出力レバー16は、左右方向を向く枢軸27によりカバー19に枢支されるとともに、上部には、第1、2車内側入力レバー10、11が全開リリース方向(図6、8において反時計方向)へ回動した際、第1車内側入力レバー10のアーム部10aにスライダ21を介して当接する当接部16cが設けられ、また、下部には、アウトサイドレバー12がリリース方向(図6、8において時計方向)へ回動した際、アウトサイドレバー12に設けられた突部12bに当接可能な当接部16aが設けられている。さらに、全開側出力レバー16の後方へ延出するアーム部16bには、下端が全開用ドアラッチ3に連結され、ドア1のインナパネル面に沿って移動可能なボーデンケーブル17が上端が連結される。これにより、全開用ドアラッチ3がストライカと係合してドア1が全開位置に保持されている場合、第1、2車内側入力レバー10、11が全開リリース方向へ回動すると、第1車内側入力レバー10のアーム部10aがスライダ21を介して全開側出力レバー16の当接部16cに当接することにより、全開側出力レバー16は、図6、8に示す待機位置からリリース方向(反時計方向)へ回動する。そして、全開側出力レバー16のリリース作動は、ボーデンケーブル17を介して全開用ドアラッチ3のリリースレバー(図示略)に伝達される。これにより、全開用ドアラッチ3は、ストライカから離脱して、ドア1の閉扉を可能にする。
全閉側出力レバー13及び全開側出力レバー16は、スプリング29により待機位置に付勢され、また、第1、2車内側入力レバー10、11は、スプリング29により中立位置に保持される。
車外側入力レバー12は、左右方向を向く枢軸25によりベース部材8に枢支されるとともに、後方へ延出するアーム部12cの先端部には、一端がアウトサイドハンドル4に連結されるボーデンケーブル26の他端が連結される。これにより、アウトサイドハンドル4の操作は、ボーデンケーブル26を介して車外側入力レバー12に入力され、車外側入力レバー12は、図6、8に示す待機位置からリリース方向(時計方向)へ回動する。車外側入力レバー12がリリース方向へ回動すると、車外側入力レバー12の前端部に植設された突部12aが全閉側出力レバー13の下部に設けられた当接部13cに当接して全閉側出力レバー13をリリース方向へ回動させると同時に、上端部に植設された突部12bが全開側出力レバー16の下部に設けられた当接部16aに当接して全開側出力レバー16をリリース方向へ回動させる。したがって、アウトサイドハンドル4が操作された場合には、全閉側出力レバー13及び全開側出力レバー16を同時にリリース作動させることができる。
(施解錠ユニット7の構成)
図15〜20は、施解錠ユニット7の各状態における作動説明図を示し、図21は、施解錠ユニット7の分解斜視図を示す。なお、図15は、施解錠ユニット7の内部構造を明示するため、各種構成要素を収容するケーシング40を取り外した状態で示している。
施解錠ユニット7は、ドア1のインナパネルに固定されるベース部材をなすケーシング40及びケーシング40の開口を閉塞するカバー41と、ケーシング40とカバー41との間に収容される電動手段をなすモータ42と、アンロック位置及びロック位置に移動可能なロッキングレバー43と、入力部材をなす施解錠入力部材44と、フローティング出力レバー45と、規制レバー49と、ウォームホイール46を含んで構成される。
なお、本実施形態において、電動手段は、正逆回転可能なモータ42とするが、これに代えて往復動可能なソレノイドとしても良い。この場合は、ウォームホイール46は省略される。
モータ42は、ケーシング40の下部に配置され、後方を向く出力軸には、ウォームホイール46に噛合するウォーム42aが固嵌されている。ウォームホイール46は、左右方向を向く枢軸47によりケーシング40内に枢支されるとともに、ウォーム42aに噛合することにより、モータ42の回転により時計方向及び反時計方向へ回動することができる。
ロッキングレバー43は、第2枢軸をなす左右方向を向く枢軸48によりケーシング40内に前後方向へ揺動可能に枢支される。ロッキングレバー43の上方へ延出するアーム部43aには、前端がロック操作ノブ22に連結されたボーデンケーブル24の後端が連結され、また、同じく下部には、ウォームホイール46の中心部に設けられたギヤ46aに噛合するセクタギヤ43bが設けられている。これにより、ロック操作ノブ22のアンロック及びロック操作は、ボーデンケーブル24を介してロッキングレバー43に伝達され、ロッキングレバー43は、アンロック位置(図15〜17参照)及びロック位置(図18、19参照)に回動する。また、車内に設けられた操作スイッチまたは携帯用の操作スイッチが操作された場合には、モータ42が回転して、当該回転はウォームホイール46、ギヤ46a及びセクタギヤ43bを介してロッキングレバー43に伝達される。これにより、ロッキングレバー43は、アンロック位置及びロック位置に回動することができる。なお、ロッキングレバー43は、一端がロッキングレバー43、他端がケーシング40にそれぞれ係止された付勢方向が変化可能なターンオーバースプリング56によってアンロック位置及びロック位置に所定の付勢力をもって保持される。
ロッキングレバー43と同軸上には、前端部にストッパ部49aを有する規制レバー49が枢支されている。規制レバー49は、一端がロッキングプレート43、また他端が規制レバー49にそれぞれ係止されたスプリング50によってロッキングレバー43に対して常時時計方向(アンロック方向の)へ付勢され、常時はロッキングレバー43に設けられた当接部43cに当接した位置に保持され、ロッキングレバー43と一緒にアンロック位置(図16、17参照)及びロック位置(図18、19参照)との間を回動可能であるとともに、ロッキングレバー43がロック位置にあるとき、アウトサイドハンドル4の操作またはインサイドハンドル5の開操作と、ロッキングレバー43をロック位置からアンロック位置へ移動させるアンロック操作とが重合した所謂パニック状態が発生した場合には、スプリング50の付勢力に抗してロッキングレバー43に対して反時計方向へ相対的に回動することができる。
規制レバー49は、ロッキングレバー43と共にアンロック位置に保持されている場合には、前方へ真直ぐ向いて、ストッパ部49aがフローティング出力レバー45に設けられた後述の当接部材45aに後方から当接可能な状態となり、また、ロック位置に保持されている場合には、前方斜め下方へ向いて、ストッパ部49aが出力レバー45の当接部材45aに当接不能な状態となる。
なお、本実施形態においては、ロッキングレバー43と規制レバー49とを別体で形成したが、本発明は、本実施形態に特定されるものではなく、規制レバー49を省略して、ロッキングレバー43に、ストッパ部49aを一体的に形成しても良い。
施解錠入力部材44は、第1枢軸をなす左右方向を向く枢軸51によりケーシング40内に枢支されるとともに、一端がケーシング40、また他端が入力部材44にそれぞれ係止されたスプリング57の付勢力により図15〜20において時計方向へ付勢され、常時は、下前端に設けられた当接部44bがケーシング40に当接した、図15、16及び図18に示す待機位置に保持されている。
施解錠入力部材44の上部外周に設けられ、かつ枢軸51を中心とする円弧状の円周溝44aには、ボーデンケーブル15の後端部がほぼ1/4周巻き付けられ、また、下端部には、左右方向を向く連結軸52によりフローティング出力レバー45の下端部が回動可能に枢着されている。なお、施解錠入力部材44の円周溝44aに巻き付けられたボーデンケーブル15の後端の端末部15aは、施解錠入力部材44に設けられた係止部44cに係止される。これにより、全閉側出力レバー13のリリース作動に基づいて、ボーデンケーブル15が前方へ移動すると、当該移動は施解錠入力部材44に入力され、施解錠入力部材44は、スプリング57の付勢力に抗して、枢軸51を中心として図15、16及び図18に示す待機位置から図17、19に示すようにリリース方向(反時計方向)へ回動する。
フローティング出力レバー45は、下端部が連結軸52により施解錠入力部材44の下端部に回動可能に枢着されるとともに、上端部45bには、後端部が被操作装置をなす全閉用リヤドアラッチ2Bのリリースレバー(図示略)に連結される前後方向へ長尺のボーデンケーブル53の前端部が連結され、また、上端部と下端部との間の中間部には、左右方向を向く軸54により円板状の当接部材45aが回動可能に枢着されている。連結軸52の回りには、一端が施解錠回入力材44、また他端がフローティング出力レバー45にそれぞれ係止されて、フローティング出力レバー45を施解錠入力部材44に対して連結軸52を中心に時計方向へ付勢するスプリング55が巻装されている。
なお、本実施形態においては、フローティング出力レバー45は、上端部45bがボーデンケーブル53を介して被操作装置をなす全閉用リヤドアラッチ2Bのリリースレバーに連結されるが、本発明は、本実施形態に特定されるものではなく、フローティングレバー45を全閉用リヤドアラッチ2Bのリリースレバーに直接連結するようにしてもよい。
フローティング出力レバー45は、常時は上端部45bの後部がケーシング40に設けられたストッパ部40aの前面に当接した図15、16及び図18に示す待機位置に保持されている。
図15、16に示すように、ロッキングレバー43がアンロック位置にあり、かつ施解錠入力部材44及びフローティング出力レバー45が待機位置にある場合には、当接部材45aの中心である軸54の軸線と施解錠入力部材44の回転中心である枢軸51の軸線とが合致するとともに、当接部材45aが規制レバー49のストッパ部49aに当接可能な状態となる。この状態においては、フローティング出力レバー45の長手方向Aは、ほぼ60度方向、すなわちフローティング出力レバー45の下端が上端よりも前方になるような方向へ向いている。したがって、この状態から施解錠入力部材44がスプリング57の付勢力に抗してリリース方向(図15、16において反時計方向)へ回動すると、このとき、当接部材45aが規制レバー49のストッパ部49aに当接して、フローティング出力レバー45の連結軸52を中心とする時計方向への回動が阻止されているため、フローティング出力レバー45は、必然的に枢軸51の軸心を仮想中心として、円形の当接部材45aの外周面が規制レバー49のストッパ部49aを摺接しつつ施解錠入力部材44と一緒に待機位置から図18に示すようにリリース方向へ回動する。そして、フローティング出力レバー45がリリース方向へ回動すると、フローティング出力レバー45のリリース作動は、ボーデンケーブル53を介して全閉用リヤドアラッチ2Bのリリースレバー(図示略)に伝達される。これにより、全閉用リヤドアラッチ2Bとストライカとの係合が解除され、ドア1の開扉は可能になる。
また、図18に示すように、ロッキングレバー43がロック位置にあり、かつ施解錠入力部材44及びフローティング出力レバー45が待機位置にある場合には、当接部材45aの中心である軸54の軸線と施解錠入力部材44の回転中心である枢軸51とが合致するとともに、当接部材45aが規制レバー49のストッパ部49aに当接しない状態となる。この状態においては、ロッキングレバー43がアンロック位置にあるときと同様に、出力レバー45の長手方向Aは、ほぼ60度方向、すなわち出力レバー45の下端が上端よりも前方になるような方向へ向いている。したがって、この状態から施解錠入力部材44がスプリング57の付勢力に抗してリリース方向へ回動しても、図19に示すように、当接部材45aが規制レバー49のストッパ部49aに当接しないため、フローティング出力レバー45は、上端部45bの後部とケーシング40のストッパ部40aの前面との当接部分を支点として、時計方向へ揺動した空振り姿勢(図19、20に示す姿勢)となる。したがって、フローティング出力レバー45のボーデンケーブル53が連結された上端部45bの位置は、施解錠入力部材44が待機位置からリリース方向へ回動しても若干上下動するだけで殆んど前後方向へは変位しないため、施解錠入力部材44のリリース作動は、ボーデンケーブル53には伝達されない。これにより、ロッキングレバー43がロック位置にある場合には、アウトサイドハンドル4の操作及びインサイドハンドル5の開操作は、全閉用リヤドアラッチ2Bに伝達されず、ドア1を開くことはできない。
フローティング出力レバー45の当接部材45aは、フローティング出力レバー45が空振り姿勢にあるとき、規制レバー49の上方、すなわち規制レバー49の回動軌跡内にあって、規制レバー49がロック位置からアンロック位置へ向けて移動しようとした際、規制レバー49の上縁に当接可能な状態となる。
次に、本発明に係わる一実施形態の作用について説明する。
(操作分岐ユニット6のチャイルドプルーフレバー18がアンロック位置、施解錠ユニット7がアンロック状態(図8、15及び図16に示す状態)にあるとき)
ドア1が閉鎖位置にあるとき、アウトサイドハンドル4が操作された場合には、アウトサイドハンドル4の操作は、ボーデンケーブル26を介して車外側入力レバー12に伝達される。これにより、車外側入力レバー12は、図5、8に示す待機位置から枢軸25を中心にリリース方向(時計方向)へ回動して、図10に示すように、突部12aが全閉側出力レバー13の当接部13cに当接することにより、全閉側出力レバー13を回転軸20を中心に待機位置からリリース方向(時計方向)へ回動させ、また、突部12bが全開側出力レバー16の当接部16aに当接することにより、全開側出力レバー16を枢軸27を中心に待機位置からリリース方向(反時計方向)へ回動させる。
全閉側出力レバー13がリリース方向へ回動すると、全閉側出力レバー13のリリース作動、すなわちアウトサイドハンドル4の操作は、ボーデンケーブル14を介して全閉用フロントドアラッチ2Aのリリースレバー(図示略)に伝達され、また、ボーデンケーブル15を介して施解錠ユニット7の施解錠入力部材44に伝達される。このとき、図15、16に示すように、施解錠ユニット7のロッキングレバー43及び規制レバー49は、アンロック位置にあって、規制レバー49のストッパ部49aがフローティング出力レバー45の当接部材45aに当接しているため、全閉側出力レバー13のリリース作動はボーデンケーブル15を介して施解錠入力部材44に伝達されて、施解錠入力部材44は枢軸51を中心として図15、16に示す待機位置からリリース方向(反時計方向)へ回動する。これにより、図17に示すように、フローティング出力レバー45は、枢軸51を仮想中心として待機位置からリリース位置に作動する。そして、フローティング出力レバー45のリリース作動は、ボーデンケーブル53を介して全閉用リヤドアラッチ2Bのリリースレバーに伝達される。
上述により、ドア1が閉鎖位置にあるとき、アウトサイドハンドル4が操作された場合には、操作分岐ユニット6は、アウトサイドハンドル4の操作を車外側入力レバー12が入力し、当該入力したアウトサイドハンドル4の操作を全閉側出力レバー13が出力する。そして、全閉側出力レバー13から出力されたアウトサイドハンドル4の操作は、ボーデンケーブル14を介して全閉用フロントドアラッチ2A、またボーデンケーブル15、施解錠ユニット7及びボーデンケーブル53を介して全閉用リヤドアラッチ2Bへそれぞれ伝達されることによって、アウトサイドハンドル4の操作に基づいて、全閉用フロントドアラッチ2A及び全閉用リヤドアラッチ2Bをリリース作動させて、車外からドア1を開けることができる。
ドア1が閉鎖位置にあるとき、インサイドハンドル5が開操作された場合には、インサイドハンドル5の操作は、アーム部5aを介して第2車内側入力レバー11に伝達される。これにより、第1車内側入力レバー10は枢軸23を中心とし、また、第2車内側入力レバー11は回転軸20を中心としてそれぞれ図5、8に示す待機位置からリリース方向(時計方向)へ回動して、図9に示すように、第1車内側入力レバー11と一体となって回動するスライダ21の突軸部21が全閉側出力レバー13の係合段部13dに当接することにより、全閉側出力レバー13は回転軸20を中心として待機位置からリリース方向(時計方向)へ回動する。
全閉側出力レバー13がリリース方向へ回動すると、上述のようにアウトサイドハンドル4が操作されたときと同じ作動をもって、全閉側出力レバー13のリリース作動は、ボーデンケーブル14を介して全閉用フロントドアラッチ2Aのリリースレバー(図示略)に伝達され、また、ボーデンケーブル15、施解錠ユニット7及びボーデンケーブル53を介して全閉用リヤドアラッチ2Bのリリースレバーに伝達される。
上述により、ドア1が閉鎖位置にあるとき、インサイドハンドル5が開操作された場合には、操作分岐ユニット6は、インサイドハンドル5の開操作を第1、2車内側入力レバー10、11が入力し、当該入力したインサイドハンドル5の開操作を全閉側出力レバー13が出力する。そして、全閉側出力レバー13から出力されたインサイドハンドル5の開操作は、アウトサイドハンドル4が操作されたときと同様に、ボーデンケーブル14を介して全閉用フロントドアラッチ2A、またボーデンケーブル15、施解錠ユニット7及びボーデンケーブル53を介して全閉用リヤドアラッチ2Bへそれぞれ伝達される。これにより、インサイドハンドル5の開操作に基づいて、全閉用フロントドアラッチ2A及び全閉用リヤドアラッチ2Bをリリース作動させて、車内からドア1を開けることができる。
ドア1が全開位置にあるとき、アウトサイドハンドル4が操作された場合には、車外側入力レバー12のリリース作動に基づいて、車外側入力レバー12の突部12bが全開側出力レバー16の当接部16aに当接して、全開側出力レバー16をリリース作動させる。これにより、当該リリース作動は、ボーデンケーブル17を介して全開用ドアラッチ3に伝達されるため、全開用ドアラッチ3とストライカとの係合を解除して、ドア1を閉じることができる。
ドア1が全開位置にあるとき、インサイドハンドル5が閉操作された場合には、車外側入力レバー12の閉リリース方向への回動に基づいて、図11に示すように、第1車内側入力レバー10の上向きアーム部10aがスライダ21を介して全開側出力レバー16の当接部16cに当接して、全開側出力レバー16はリリース作動する。これにより、当該リリース作動は、ボーデンケーブル17を介して全開用ドアラッチ3に伝達されるため、全開用ドアラッチ3とストライカとの係合を解除して、ドア1を閉じることができる。
(操作分岐ユニット6のチャイルドプルーフレバー18がアンロック位置、施解錠ユニット7がロック状態にあるとき)
図5、8及び図18に示す状態において、アウトサイドハンドル4が操作された場合には、アウトサイドハンドル4の操作は、施解錠ユニット7がアンロック状態にあるときと同じように、ボーデンケーブル14を介して全閉用フロントドアラッチ2Aのリリースレバー(図示略)に伝達され、また、ボーデンケーブル15を介して施解錠ユニット7の施解錠入力部材44に伝達される。また、インサイドハンドル5が開操作された場合にも、同様にインサイドハンドル5の開操作は、全閉用フロントドアラッチ2A及び施解錠ユニット7の施解錠入力部材44に伝達される。しかし、このとき、図18に示すように、施解錠ユニット7のロッキングレバー43及び規制レバー49は、ロック位置にあって、規制レバー49のストッパ部49aが出力レバー45の当接部材45aに当接しない状態にあるため、全閉側出力レバー13のリリース作動がボーデンケーブル15を介して施解錠入力部材44に伝達されて、施解錠入力部材44が枢軸51を中心として図18に示す待機位置からリリース方向(反時計方向)へ回動しても、図19に示すように、フローティング出力レバー45は、ストッパ部40aとの当接点を支点に揺動して空振り姿勢となるため、施解錠入力部材44に入力されたアウトサイドハンド4の操作及びインサイドハンドル5の開操作は、フローティング出力レバー45から出力されず全閉用リヤドアラッチ2Bには伝達されない。
上述により、施解錠ユニット7がロック状態にある場合には、アウトサイドハンドル4及びインサイドハンドル5が操作されても、当該操作は、ボーデンケーブル15を介して施解錠ユニット7にそれぞれ伝達されるが、施解錠ユニット7からはアウトサイドハンドル4及びインサイドハンドル5の操作は出力されない。よって、アウトサイドハンドル4及びインサイドハンドル5が操作されても、全閉用リヤドアラッチ2Bをリリース作動させることができず、車外及び車内からドア1を開けることはできない。
また、施解錠ユニット7がロック状態にあるとき、アウトサイドハンドル4またはインサイドハンドル5が操作された直後、または当該操作と重合して、操作スイッチまたはロック操作ノブ22がアンロック操作されると、図20に示すように、空振り姿勢の出力レバー45の当接部材45aの下側に規制レバー49の上縁が当接して、規制レバー49のアンロック位置への移動が阻止されるパニック状態が発生する。しかし、本実施形態においては、規制レバー49のロック位置に拘束された状態であっても、ロッキングレバー43は、スプリング50の付勢力に抗して、ロック位置からアンロック位置へ回動することができるため、アウトサイドハンドル4またはインサイドハンドル5の操作を解除して、施解錠入力部材44を待機位置に戻すと、フローティング出力レバー45の当接部材45aは規制レバー49の移動軌跡外に退避し、規制レバー49は、スプリング50の付勢力によりアンロック位置に移動し、図15、16に示すようなアンロック状態に移動させることができる。
(操作分岐ユニット6のチャイルドプルーフレバー18がロック位置、施解錠ユニット7がアンロック状態にあるとき)
アウトサイドハンドル4が操作された場合には、チャイルドプルーフレバー18の位置に関係なく、車外側入力レバー12のリリース作動に基づいて、全閉側出力レバー13及び全開側出力レバー16がリリース方向へ回動するため、チャイルドプルーフレバー18がアンロック位置にあるときと同様にして、全閉用フロントドアラッチ2A及び全閉用リヤドアラッチ2Bをリリース作動させてドア1を開けることができる。
インサイドハンドル5が開操作された場合には、スライダ21がロック位置にあって、スライダ21の突軸部21aが全閉側出力レバー13の係合段部13dに係合不能な位置に退避しているため、図12に示すように、第1、2車内側入力レバー10、11が開リリース方向へ回動しても、当該回動は、全閉側出力レバー13には伝達されない。したがって、この状態においては、インサイドハンドル5が開操作されても、ドア1を開けることはできない。
(操作分岐ユニット6のチャイルドプルーフレバー18がロック位置、施解錠ユニット7がロック状態にあるとき)
ドア1が閉鎖位置にあるとき、アウトサイドハンドル4が操作された場合には、チャイルドプルーフレバー18の位置に関係なく、車外側入力レバー12のリリース作動に基づいて、全閉側出力レバー13及び全開側出力レバー16がリリース方向へ回動して、アウトサイドハンドル4の操作は、ボーデンケーブル15を介して施解錠ユニット7の施解錠入力部材44に伝達されるが、施解錠ユニット7のロッキングレバー43及び規制レバー49がロック位置にあって、フローティング出力レバー45から出力されないため、ドア1を開けることはできない。
ドア1が閉鎖位置にあるとき、インサイドハンドル5が開操作された場合には、インサイドハンドル5の開操作は、操作分岐ユニット6の全閉側出力レバー13から出力されないため、ドア1を開けることはできない。
ドア1が全開位置にあるとき、アウトサイドハンドル4が操作された場合には、チャイルドプルーフレバー18がロック位置にあっても、車外側入力レバー12のリリース作動に基づいて、突部12bが全開側出力レバー16の当接部16aに当接して、全開側出力レバー16はリリース作動し、当該リリース作動は、ボーデンケーブル17を介して全開用ドアラッチ3に伝達されるため、全開用ドアラッチ3とストライカとの係合を解除して、ドア1を閉じることができる。
ドア1が全開位置にあるとき、インサイドハンドル5が閉操作された場合には、チャイルドプルーフレバー18がロック位置にあっても、第1、2車内側入力レバー10、11の閉リリース方向への回動に基づいて、図13に示すように、第1入力側レバー10の上向きアーム部10aがスライダ21を介して全開側出力レバー16の当接部16cに当接するため、全開側出力レバー16はリリース作動する。そして、当該リリース作動は、ボーデンケーブル17を介して全開用ドアラッチ3に伝達されるため、全開用ドアラッチ3とストライカとの係合を解除して、ドア1を閉じることができる。
1 スライドドア(ドア)
2A 全閉用フロントドアラッチ
2B 全閉用リヤドアラッチ(被操作装置)
3 全開用ドアラッチ
4 アウトサイドハンドル(車外側の操作ハンドル)
5、5A インサイドハンドル(車内側の操作ハンドル)
5a アーム部
6 操作分岐ユニット
7 施解錠ユニット
8 ベース部材
8a 開口部
9 ハンドルベース部材
10 第1車内側入力レバー
10a 上向きアーム部
10b、10c 折曲部
11 第2車内側入力レバー
11a アーム部
11b 係合孔
11c アーム部
11d 係合孔
12 車外側入力レバー
12a 突部
12b 突部
12c アーム部
13 全閉側出力レバー
13a アーム部
13b アーム部
13c 当接部
13d 係合段部
14 ボーデンケーブル
15 ボーデンケーブル
15a 端末部
16 全開側出力レバー
16a 当接部
16b アーム部
16c 当接部
17 ボーデンケーブル
18 チャイルドプルーフレバー
18a 操作部
18b 円弧孔
19 カバー
20、20A 回転軸
21 スライダ
21a 突軸部
22 ロック操作ノブ
22a 連結部
23 枢軸
24 ボーデンケーブル
25 枢軸
26 ボーデンケーブル
27 枢軸
28 枢軸
29 スプリング
40 ケーシング(ベース部材)
40a ストッパ部
41 カバー(ベース部材)
42 モータ(電動手段)
42a ウォーム
43 ロッキングレバー
43a アーム部
43b セクタギヤ
43c 当接部
44 施解錠入力部材(入力部材)
44a 円周溝
44b 当接部
44c 係止部
45 フローティング出力レバー
45a 当接部材
45b 上端部
46 ウォームホイール
46a ギヤ
47 枢軸
48 枢軸(第2枢軸)
49 規制レバー
49a ストッパ部
50 スプリング
51 枢軸(第1枢軸)
52 連結軸
53 ボーデンケーブル
54 軸
55 スプリング
56 ターンオーバースプリング
57 スプリング
201 回転軸
201a セレーション

Claims (6)

  1. 操作ハンドルの操作を被操作装置に伝達可能及び伝達不能に切り換え可能な車両用ドアラッチの施解錠装置において、
    ベース部材と、
    前記ベース部材に第1枢軸により枢支され、前記操作ハンドルの操作に基づいて回動可能な入力部材と、
    一端部が前記入力部材における前記第1枢軸から径方向へ離間する位置に枢着されるとともに、前記一端部と前記被操作装置に連係される他端部との中間部に当接部材を設けたフローテング出力レバーと、
    前記ベース部材に第2枢軸によりアンロック位置とロック位置との間を回動可能に枢支されるとともに、アンロック位置にあるとき前記当接部材に当接可能で、ロック位置にあるとき当接不能なストッパ部を有するロッキングレバーとを備え、
    前記フローティング出力レバーは、前記ロッキングレバーがアンロック位置にあるとき、前記入力部材の回動に従動して前記当接部材が前記ストッパ部に当接しつつ前記当接部材を仮想中心として回動することにより前記操作ハンドルの操作を前記被操作装置へ伝達可能とし、また、前記ロッキングレバーがロック位置にあるとき、前記入力部材の回動に従動して、前記他端部を支点として揺動することにより前記操作ハンドルの操作を前記被操作装置へ伝達不能としたことを特徴とする車両用ドアラッチの施解錠装置。
  2. 操作ハンドルの操作を被操作装置に伝達可能及び伝達不能に切り換え可能な車両用ドアラッチの施解錠装置において、
    ベース部材と、
    前記ベース部材に第1枢軸により枢支され、前記操作ハンドルの操作に基づいて回動可能な入力部材と、
    一端部が前記入力部材における前記第1枢軸から径方向へ離間する位置に枢着されるとともに、前記一端部と前記被操作装置に連係される他端部との中間部に当接部材を設けたフローティング出力レバーと、
    前記ベース部材に第2枢軸によりアンロック位置とロック位置との間を回動可能に枢支されるロッキングレバーと、
    前記ロッキングレバーの回動に従動し、自体の可動部分に設けたストッパ部が前記当接部材に当接可能なアンロック位置と当接不能なロック位置との間を移動可能な規制レバーとを備え、
    前記フローティング出力レバーは、前記規制レバーがアンロック位置にあるとき、前記入力部材の回動に従動して前記当接部材が前記ストッパ部に当接しつつ前記当接部材を仮想中心として回動することにより前記操作ハンドルの操作を前記被操作装置へ伝達可能とし、また、前記規制レバーがロック位置にあるとき、前記入力部材の回動に従動して、前記他端部を支点として揺動することにより前記操作ハンドルの操作を前記被操作装置へ伝達不能とし、
    さらに、前記ロッキングレバーと前記規制レバーとの間に、前記規制レバーを前記ロッキングレバーに対してアンロック方向へ付勢するスプリングを設け、前記ロッキングレバー及び前記規制レバーが共にロック位置にあるとき、前記操作ハンドルの操作による前記入力部材の回動と前記ロッキングレバーをアンロック位置へ移動させる操作が重合した場合、前記ロッキングレバーは、前記規制レバーが前記当接部材に当接してアンロック位置への移動が阻止された状態で、前記スプリングの付勢力に抗してアンロック位置への移動が可能であり、また、前記規制レバーは、前記入力部材が回動する前の待機位置に戻ることにより、前記当接部材から離れて前記スプリングの付勢力によってアンロック位置へ移動するようにしたことを特徴とする車両用ドアラッチの施解錠装置。
  3. 前記規制レバーを、前記ロッキングレバーと同軸上に枢支したことを特徴とする請求項2記載の車両用ドアラッチの施解錠装置。
  4. 前記当接部材を、円形状として、前記フローティング出力レバーに前記第1枢軸と平行な軸により回動可能に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用ドアラッチの施解錠装置。
  5. 前記フローティング出力レバーの前記仮想中心を、前記第1枢軸の軸線にほぼ合致させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ドアラッチの施解錠装置。
  6. 前記入力部材は、前記操作ハンドルの操作を前記入力部材に伝達するためのケーブルが巻回される前記第1の枢軸を中心とする円弧状の円周溝と、当該円周溝に巻回された前記ケーブルの端部が連結される係止部とを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用ドアラッチの施解錠装置。
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