JP4982319B2 - バウンドストッパ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
而して後者のバウンドストッパの場合、ステアリング時にピストンロッドの回転運動に伴って、バウンドストッパの上面がアッパースプリングシートの下面に対して摺動運動を行い、その摺動運動に起因して不快な異音を発生する問題が生じていた。
実際に本発明らはこの対策を実施したところ、十分に目的を達することができなかった。
図9及び図10は、そのような突起を設けたバウンドストッパの具体例を示している。
バウンドストッパ204は、径方向内方に突出した内周嵌合部206を有しており、その内周嵌合部206でピストンロッド200に嵌合して、かかるピストンロッド200により保持されている。
尚210は、上面の内周端から外周端にかけて径方向に設けられたエア通過用の溝である。
このように上面に部分球状の複数の突起208を設けたバウンドストッパは上記した特許文献2に開示されている。
しかしながらこのような突起208を設けたものにおいても、実際には異音の発生を十分に防止することはできなかった。
その理由は次のようなものである。
発泡ポリウレタン製のバウンドストッパ204は、キャビティ216に発泡ポリウレタンの未反応の液材を入れ、そしてこれを発泡反応させつつキャビティ216内に充満させ、硬化反応させることで製造する。
而して突起208にこのような凹陥部222が生じてしまうと、突起208がアッパースプリングシート202の下面に対して点接触状態とならずに、堤部220がアッパースプリングシート202の下面に対してリングに線状に接触した状態となってしまう。
尚上記アッパースプリングシート202は表面に防錆のためのカチオン塗装が施されていて、表面がツルツルの平滑な状態のものであり、このことも上記異音発生を助長する一因となる。
突起をこのような回転方向(周方向)に連続した線状の突条形態とすれば、バウンドストッパの上面がアッパースプリングシートの下面に対して回転方向に相対移動しても、図10に示す突起のような動き、即ち変形と原形状への復帰との繰返しの挙動は生じないと考えられる。
尚、バウンドストッパの上面の回転軌跡に沿って周方向に延びる連続した突条を設けるに際し、これをバウンドストッパの上面の外周端の位置に且つ外周縁に沿って設けるといったことも考えられる。
しかしながらこの場合突条の周長が長いものとなってしまい、これによりアッパースプリングシートの下面に対する突条の接触長,接触面積が大となってしまい、異音の発生を防止する上で不利となる。
但しこの場合には、バウンドストッパ成形用の成形型における上面の成形面に、突条成形用の凹所が図11に示すような形態で形成されることとなり、発泡ポリウレタンの液材を発泡させ成形を行ったときに、その凹所にエアや発泡ガス等のガスが閉じ込められて、これが突条に欠肉部分即ち凹陥部を生ぜしめてしまう恐れがある。
しかるに本発明によればこのような不具合を回避し得、突条によって、ステアリングに際してのバウンドストッパの回転に伴う異音の発生を良好に防止することができる。
従ってこの請求項2の製造方法によれば、通常は、エア通過用の溝と溝との間に位置するバウンドストッパの上面の内周端の全体が上記の突条として成形される。
また同時に、バウンドストッパの上面の溝と溝との間の部分の全体が上記のテーパ状の面に成形される。
しかしながらその欠肉の生じる個所は、突条における溝側のコーナー部に限定されることが判明した。
これは次のような理由によるものと考えられる。
液材をキャビティ内で発泡させたとき、未だ硬化していない流動状態の発泡体がその凹所を埋めて行くが、その順序は、先ず発泡体が溝成形用の凸部と凸部との間の中央部、即ち凹所における周方向の中央部を埋め、次第に両側の凸部に向って広がり、凹所を埋めて行く。
図1において、10は車両のフロントのサスペンション装置、ここではストラット式のサスペンション装置の主要素を成すショックアブソーバで、12はシリンダ,14はシリンダ12から上向きに突き出しピストンロッドである。
シリンダ12には、メッキ処理されて表面が平滑なキャップ13がその上端部に嵌装されており、またピストンロッド14は上端部がベアリング15及びストラットマウント16を介して車体パネル18に、その軸心周りに回転可能に弾性的に連結されている。
従ってシリンダ12の下端部はステアリング時において、ステアリングナックルとロアアームとを連結するボールジョイントと、ピストンロッド14の上端部詳しくはベアリング15の中心とを結ぶ線の周りに車輪と一体に回転運動する。
このときピストンロッド14もまた一体に回転運動する。
ここでゴム弾性体24はアウタ金具20及びインナ金具22に対して一体に加硫接着されている。
このストラットマウント16は、ボルトにて車体パネル18に締結されないボルトレスタイプのものであって、車体パネル18に形成された凹所26に対し下方から上向きに嵌め込まれて、かかる車体パネル18に組み付けられている。
ここで凹所26は、車体パネル18に形成されたテーパ部28及びその上端の水平な上底部30の内側(下側)に形成されている。
尚この上底部30には中心部に開口32が形成されている。
上記ベアリング15は、上軌道輪(内輪)44と、下軌道輪(外輪)46と、それらの間の転動球48とを有しており、その上軌道輪44がピストンロッド14に固定されてこれと一体に回転し、また下軌道輪46が金属製のアッパースプリングシート50に固定されている。
ここでアッパースプリングシート50は、ショックアブソーバ10の外周側に介装される図示を省略したコイルスプリングの上端を受けるもので、外周部にコイルスプリングの上端を当接させるばね受52を有している。
尚この凹所56の周面とバウンドストッパ58の上端部の外周面との間には、所定の隙間が環状に形成されている。
このバウンドストッパ58の外周面には、上下の2個所に環状溝64,66が形成されており、それら環状溝64,66によって、バウンドストッパ58が上部68と中間部70及び下部72に区画されている。
このとき、下部72の下面75及び下半部72-1の外周面が、シリンダ12の上面に対して接触する。
尚この内周嵌合部76には、図3(A)に示しているように周方向に90°ごと隔たった4個所に、縦方向の溝78が形成されている。
この隙間は、バウンドストッパ58の軸方向の圧縮弾性変形の際に、内周側の部分を径方向内方に膨出させるための空間を形成するものである。
本実施形態では、シボ突起84の高さないしシボ谷部86の深さが250±50μmの範囲内とされている。
また1cm2あたりのシボ突起84の個数は5個以上の高密度とされている。
これら溝88は、バウンド時のストッパ作用に際してバウンドストッパ58が軸方向に圧縮したとき、中心孔62内のエアを外部へと逃がし、或いはまたストッパ作用解除の際にバウンドストッパ58が収縮状態から軸方向に延びるときに、外部から中心孔62内部にエアを通過させる。
また上面80の溝88を除いた部分の全体が、外周端から内周端の突条94にかけて径方向内方に進む従い、漸次上方に移行して突条94の上端に連続した形状のテーパ面96とされている。
ここでテーパ面96は、テーパ角度θが3°〜30°の範囲内の角度となしてある。
通常この突条94は、溝88からこれに対して隣り合う溝88に到るまで連続した線状に成形されるが、場合によって成形時にガスが閉じ込められることによって生ずる欠肉、即ち凹陥部が溝88に接する周方向端部に発生することがある。
但しこの場合においても突条94は溝88と88との間において周方向に連続した線状をなしており、従って突条94は、溝88の部分で分断された形態の円環状をなしていることに変りはない。
図4において98は成形型(金型)で、バウンドストッパ58の上面80の成形面100を備えた上型102と、外周面の成形面104を備えた中型106と、下面75の成形面108を備えた下型110とを有する外型112、及び内周面92の成形面114を備えた中子型116とからなっており、それらの間にバウンドストッパ58の成形用のキャビティ118が形成されている。
ここで成形金型98は、上型102,中型106,下型110及び中子型116がそれぞれ分割可能となしてある。
この凹所126における上底面は、バウンドストッパ58における突条94及びテーパ面96を成形する面であって、図4に示しているようにこの凹所126の上底面はバウンドストッパ58のテーパ面96に対応した形状のテーパ面とされている。
また外型112における中型106の成形面104には、バウンドストッパ58のエア通過用の溝88における径方向の溝に続いてバウンドストッパ58の外周面で縦方向に延びる、溝88の一部をなす縦溝88-1を成形するための凸部132が備えられている。
この部位は発泡体が最も充填され難い部位であり、そこに逃げ場を失ったガスが閉じ込められてしまう場合があるのである。
図8はこれを表したもので、図中134はその凹陥部を示している。
即ちこの製造方法では、突条94に欠肉による凹陥部134が生じることがあっても、その凹陥部134の生じる部位は突条94における溝88側のコーナー部に限定される(成形型98におけるバウンドストッパ58の上面80の成形面100には、バウンドストッパ58のテーパ面96に対応したテーパ状の成形面が形成されている)。
例えばバウンドストッパにおける上面のテーパ状の面は厳密なテーパ面でなくても良く、外周端から内周端に向って漸次上方に移行するような形状の面であれば多少湾曲していても良い。
また本発明は、内周嵌合部でピストンロッドに嵌合状態に保持され、アッパースプリングシートに対して相対回転する形式のバウンドストッパ一般に適用可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態,態様で構成,実施可能である。
12 シリンダ
14 ピストンロッド
50 アッパースプリングシート
58 バウンドストッパ
76 内周嵌合部
80 上面
88 溝
94 突条
96 テーパ面
98 成形型
100,104,108,114 成形面
112 外型
116 中子型
124 凸部
126 凹部
Claims (2)
- ショックアブソーバとコイルスプリングとを要素として備え、該ショックアブソーバのピストンロッドが該コイルスプリングの上端を受けるアッパースプリングシートに対して相対回転する形式の車両のサスペンション装置に用いられる筒状のストッパであって、上面に内周端から外周端に到るエア通過用の径方向の溝を複数有し、上端を前記アッパースプリングシートの下面に当接させる状態に、且つ中心部を挿通する前記ピストンロッドに対し径方向内方に突出した内周嵌合部で嵌合して、該ピストンロッドとともに前記アッパースプリングシートに対し相対回転する状態に該ピストンロッドにて保持される状態に装着され、バウンド時に前記ショックアブソーバのシリンダの上面に弾性当接して、該ショックアブソーバの過度の収縮変位を規制する発泡ポリウレタン製のバウンドストッパにおいて
前記内周嵌合部は、前記エア通過用の径方向の溝を有する前記上面よりも下側位置に設けられていて、該内周嵌合部の内周面に、前記径方向の溝に連続し該内周面に沿って軸方向に延びる溝が形成されているとともに
前記上面の、前記径方向の溝を除いた部分が、外周端から内周端に到るまで径方向内方に進むに従い漸次上方に移行する形状のテーパ状の面となしてあって、該上面の内周端の位置に、前記アッパースプリングシートの下面に当接する突条が、前記径方向の溝の部分で分断された形態の円環状に且つ該溝と溝との間においては内周縁に沿って周方向に連続した線状に上向きに突出形成されていることを特徴とするバウンドストッパ。 - 請求項1の発泡ポリウレタン製のバウンドストッパの製造方法であって
前記バウンドストッパにおける上面の成形面,外周面の成形面及び下面の成形面を備え、且つ該上面の成形面が前記径方向の溝の成形用の凸部を有するとともに、隣り合う該凸部と凸部との間の部分の全体が前記突条及び前記テーパ状の面の成形面となしてある外型と、該外型に対して分割構造をなし、該バウンドストッパの内周面を成形する中子型とを有する成形型を用い、該成形型のキャビティ内に発泡ポリウレタンの液材を入れて該液材を該キャビティ内で発泡を伴って成形し、前記バウンドストッパを得ることを特徴とするバウンドストッパの製造方法。
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