JP4981453B2 - シトクロムcタンパク質及びアッセイ - Google Patents

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Description

本発明は、ミトコンドリアを標的とし、生細胞中でのアポトーシス誘導能が低下したシトクロムc−レポーター融合タンパク質構築物に関する。本発明の融合構築物は、生細胞でのアポトーシスにおける早期事象を検出するアッセイで使用することができる。
「プログラム細胞死」又はアポトーシスは多細胞生物における重要な事象であり、遺伝的にコードされた細胞死プログラムを規定し、ネクローシスとは形態、生化学及び分子的に異なる(Vermes et al., J. Immunol. Meth., (2000) 243, 167−190)。アポトーシスの特徴的な形態的徴候(細胞の収縮、膜の小疱形成、核の凝集及び断片化)は複雑な生化学的事象のカスケードの結果であり、生理的ホメオスタシスの一体的部分である。
アポトーシスは、細胞増殖と細胞死の均衡を確保して細胞集団及び組織のサイズの調節における制御的な役割を果たしている。膜又は細胞質の受容体での細胞死シグナル伝達の異常、或いはアポトーシスを支配する遺伝子の変化は、先天性奇形及び多数の後天性疾患の病原性に関与する(Haanen & Vermes, Eur. J. Obstetr.Gynecol., (1996) 64, 129−133)。アポトーシスが少なすぎると、悪性腫瘍(Tomlinson & Bodmer, Proc. Natl. Acad.Sci. USA, (1995) 92, 11130−11134)、白血病(Sachs, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, (1996) 93, 4742−4749)又は抗癌療法に対する抵抗性(Pahor et al., Lancet, (1996) 348, 493−497)が生じる可能性がある。アポトーシスが多すぎると、免疫不全(Meyaard et al., Science (1992) 257, 217−219)及び変性疾患(Griffith et al., Science, (1995) 270, 1189−1192)を起こす可能性がある。
したがって、医学、薬学及び毒物学において、アポトーシスを誘発・制御する事象の理解を深めることに多大な関心がもたれている。さらに、この現象を調節できる作用因子の同定、定量及び特徴付けに使用することができる新たな技術を開発する必要がある。
アポトーシスの検出アッセイ
プログラム細胞死の開始を検出する多数のアッセイが開発されている(Sgone & Wick, Int. Arch. Allergy Immunol., (1994) 105, 327−332;Sgone & Gruber, Exp Gerontol., (1998) 33, 525−533)。これらのアッセイは、細胞死に付随する広範な事象に基づいており、伝統的に生体染色及び核色素を用いた光学及び電子顕微鏡法が用いられてきた。例えば、DNAのラダー化又は分解、DNA末端標識法(例えば、TUNEL末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼdUTPニック端標識法)、ヌクレアーゼ活性及び乳酸脱水素酵素放出に基づいた生化学的方法がしばしば使用される。
多数の細胞をスクリーニングしやすいので、アポトーシスの検出及び定量にフローサイトメトリーが最も広く使用される方法となる傾向にある(Vermes et al., J. Immunol. Methods, (2000) 243, 167−190)。この蛍光に基づく技術では、生体色素、アポトーシス酵素(例えば、カスパーゼ)に対する抗体及び一本鎖DNA切断が、カルシウム流量及びリン脂質再分布を測定するためのプローブと一緒に使用される。
フローサイトメトリーでは、毎秒細胞1000〜10000個の速度で、1個づつ懸濁液中の細胞についてインビボ分析を行うことができる。しかし、フローサイトメトリーに伴う問題の1つは、液体細胞培養物や造血系由来の細胞など懸濁液中の細胞でしか使用できないことである。さらに、組織細胞のフローサイトメトリーでは、細胞を懸濁液にする物理的・酵素的操作が必要であり、それ自体がアポトーシスを誘発する可能性があり、従来の光学又は蛍光顕微鏡による検査が必要となる。
したがって、既存の方法は、アポトーシスの後期事象に基づくものであり(例えば、DNA分解、カスパーゼアッセイ)、その多くは、細胞の固定、及び特異的な抗体/色素での染色を必要とする。上記記載の技術では、アポトーシスの早期事象に基づいた、実時間での均一な生細胞アッセイができず、細胞のネクローシスとも区別できない。さらに、これらのアッセイでは、アポトーシス調節能について多数の化合物を試験するのに必要なハイスループット生細胞スクリーニングを容易に行うことができない。
アポトーシスのマーカーとしてのシトクロムc移動
シトクロムcは、コードされた核タンパク質であり、ミトコンドリアを標的とし、そのミトコンドリアで電子伝達体として生物学的機能を示す。アポトーシス刺激に応じたミトコンドリアから細胞質へのシトクロムcの移動は、アポトーシスを受ける細胞の関与における初期の決定的な段階である(Li et al., Cell (1997) 91, 479−489)。シトクロムcは、細胞質ゾル中でアポトーシスプロテアーゼ活性化因子−1(Apaf−1)と強く結合する(Zou et al., Cell (1997) 90, 405−413)。コファクターの存在下で、生じたシトクロムc:Apaf−1は集合して多量体の「アポプトソーム」となり、プロテアーゼ酵素前駆体であるプロカスパーゼ−9と結合しこれを活性化する(Srinivasula et al., Mol. Cell (1998) 1, 949−957)。こうして「カスパーゼカスケード」が活性化され、多数の細胞内基質が切断され、重要な細胞過程が不能となり、細胞の構造成分が破壊される(Slee et al., J. Cell. Biol. (1999) 144, 281−292;Skulachev, FEBS Lett., (1998) 423, 275−280)。アポトーシスにおけるミトコンドリアの役割を示した概略図を図1に示す。
最近のインビトロ研究(Kluck et al., J. Biol. Chem., (2000), 275, 16127−16133;Yu et al., J.Biol. Chem., (2001), 276, 1304−13038)で、シトクロムc:Apaf−1の相互作用に関与する分子的な決定要素が同定されている。ウマシトクロムcは、ヒトシトクロムcと相同性が高く、カスパーゼ活性化を惹起できるが、酵母シトクロムcはApaf−1と測定可能な程度に結合せず、カスパーゼを活性化することもない(Yu et al., J. Biol. Chem., (2001) 276, 13034−13038)。これらの研究では、ウマと酵母のシトクロムcの重要な違いに焦点を合わせ、部位特異的変異導入を使用して突然変異体を生じさせ、続いてカスパーゼを活性化できるか否かに関して分析している。このインビトロ研究結果から、残基7、25、39、62〜65及び72が、シトクロムc:Apaf−1の相互作用に決定的に重要なアミノ酸であることが示唆されている。特にK72A突然変異では、検出可能な結合又はカスパーゼ−9活性化が認められないことが示されている。アラニンへのリシン72の突然変異ではシトクロムcとApaf−1の相互作用が消失したが、シトクロムcの呼吸機能は影響を受けない。
著者らは、インビトロでApaf−1との結合及びカスパーゼ−9の活性化の低下を示しているが、シトクロムc突然変異タンパク質が生細胞中でも同様の挙動、即ち、ミトコンドリアを標的としアポトーシスを誘導しないか否かは不明である。
同じくインビトロ実験に基づくAbdullaev et al., Biochem. J. (2002) 362, 749−754の最近の報文から、野生型タンパク質よりも2〜12倍高い濃度で存在する場合、Yu et al. J. Biol. Chem., (2001) 276, 13034−13038に記載のウマK72突然変異体は、野生型タンパク質と同程度のカスパーゼ活性化を示すことが示唆されている。一方で、著者らは、ウマK4Eシトクロムc突然変異体がカスパーゼ活性化に不活性であったと報告しており、K72突然変異体ではなくこの突然変異体が、アポトーシスにおけるシトクロムcの役割に関するインビボノックイン研究の良好な候補となるはずであると結論付けている。
蛍光タンパク質
オワンクラゲ(Aequorea victoria)由来の緑色蛍光タンパク質(GFP)の使用は、多くの細胞分子生物学的プロセスへの研究で周知である。シトクロムc−GFP融合物がアポトーシスの研究に使用されている。例えば、Heiskanen at al., J. Biol. Chem., (1999) 274, 5654−5658では、ラット褐色細胞腫−6(PC6)細胞中でラットシトクロムcに基づくシトクロムc−GFP融合物を発現させている。スタウロスポリンによってアポトーシスを誘導すると、ミトコンドリアから融合物が放出され、ミトコンドリアの脱分極に伴って起こった。
Goldstein et al., Nat. Cell Bio., (2000) 2, 156−160には、HeLa細胞中で過剰発現させたヒトシトクロムcに基づくシトクロムc−GFP融合物がミトコンドリアに局在することが記載されている。一連のアポトーシス誘導因子がシトクロムc−GFPの急速な放出を引き起こすことが記載されている。
他の研究者らも、シトクロムc−GFP融合タンパク質を過剰産生する一過性トランスフェクト細胞を用いてアポトーシスを研究している。例えば、Goa et al., J. Cell Sci., (2001) 114, 2855−2862では、UV誘導アポトーシスにおける生HeLa細胞内でのGFPタグシトクロムcの動的再分布及びミトコンドリアの形態変化をモニターしている。同様に、Lim et al., J. Biomed. Sci. (2002); 9,488−506では、COS−7細胞に各種GFP構築物を一過性にトランスフェクトし、蛍光及び免疫化学的技術を用いて細胞内分布を決定することによって、シトクロムc−GFPの局在化の生化学的基礎が検討されている。
Vermes et al., J. Immunol. Meth., (2000) 243, 167−190 Haanen & Vermes, Eur. J. Obstetr.Gynecol., (1996) 64, 129−133 Tomlinson & Bodmer, Proc. Natl. Acad.Sci. USA, (1995) 92, 11130−11134 Sachs, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, (1996) 93, 4742−4749 Pahor et al., Lancet, (1996) 348, 493−497 Meyaard et al., Science (1992) 257, 217−219 Griffith et al., Science, (1995) 270, 1189−1192 Sgone & Wick, Int. Arch. Allergy Immunol., (1994) 105, 327−332 Sgone & Gruber, Exp Gerontol., (1998) 33, 525−533 Li et al., Cell (1997) 91, 479−489 Zou et al., Cell (1997) 90, 405−413 Srinivasula et al., Mol. Cell (1998) 1, 949−957 Slee et al., J. Cell. Biol. (1999) 144, 281−292 Skulachev, FEBS Lett., (1998) 423, 275−280 Kluck et al., J. Biol. Chem., (2000), 275, 16127−16133 Yu et al., J. Biol. Chem., (2001) 276, 13034−13038 Abdullaev et al., Biochem. J. (2002) 362, 749−754 Heiskanen at al., J. Biol. Chem., (1999) 274, 5654−5658 Goldstein et al., Nat. Cell Bio., (2000) 2, 156−160 Goa et al., J. Cell Sci., (2001) 114, 2855−2862 Lim et al., J. Biomed. Sci. (2002); 9,488−506
生細胞中でハイスループットスクリーニングを容易に行うことができ、アポトーシスにおける早期事象を実時間で検出し分析することができる高感度なアッセイの開発が求められている。
細胞内でのシトクロムcの過剰発現が実証されているが、生じた高レベルのタンパク質はアポトーシス及び細胞死をもたらし、シトクロムcレベルの上方制御が関与する研究には複雑な誘導性/一過性の系の使用が必要とされる(Chandra et al., J. Biol. Chem. (2002) 277, 50842−50854)。今まで、スクリーニングの目的で確実に使用できる、このタンパク質を過剰発現する安定な細胞系統を作製することは不可能であった。
したがって、レポーター基と結合して融合構築物を形成したとき、細胞内で発現させて安定な細胞系統にすることができるシトクロムcタンパク質が必要である。得られた構築物は、細胞内でアポトーシスの誘導又は抑制における早期事象に対するバイオセンサーとして働くことができる。そのような構築物を過剰発現する安定な細胞系統は、アポトーシスを調節する作用因子を同定するハイスループットスクリーニングの目的に適している。
本発明は、この問題に取り組むものであり、細胞に対する毒性が認められず、生細胞中でのアポトーシスにおける早期事象の検出を可能にするバイオセンサーとして働く融合構築物を提供する。本発明の安定な形質転換細胞は、内因性のシトクロムcが存在することにより依然としてアポトーシスを起こすことができ、それによって、シトクロムcの移動の上流であっても下流であっても第2のアポトーシスシグナル伝達事象を検出し決定することが可能となる。
本発明の第1の態様では、野生型シトクロムcに由来する修飾シトクロムcタンパク質又はその機能的アナログを含み、その修飾シトクロムcがミトコンドリアを標的とし、生細胞中でのアポトーシス誘導能が低下したシトクロムc−レポーター融合タンパク質構築物が提供される。
レポーターは、放射活性、蛍光又は発光の特性により検出可能であり、或いは標識抗体や特異的な結合化合物など検出可能な部分によって局在位置を決定できる基であることが理解されるはずである。
好ましくは、修飾シトクロムcとアポトーシスプロテアーゼ活性化因子−1(Apaf−1)との結合は野生型シトクロムcの10分の1未満である。さらに好ましくは、修飾シトクロムcとApaf−1との結合は野生型シトクロムcの100分の1未満である。最も好ましくは、修飾シトクロムcとApaf−1との結合は野生型シトクロムcの1000分の1未満である。
好適には、野生型シトクロムcと比べて、位、位、位、26位、40位、63位、64位、65位、66位及び73位で、修飾シトクロムcの少なくとも1個のアミノ酸が突然変異している。
好適には、修飾シトクロムcは、KE、K73A、K73L、K73R、K73G、K73X、E63N、KE−KE、K26P−K40H、KA−E63N−K26P、KA−E63N−K40H、KE−KE−E63N、KA−K26P−E63N、KA−E63N−K26P−K40H、E63N−T64N−L65M−M66S、KE−KE−E63N−K26P−K40H、KE−KE−K26P−E63N−T64N−L65M−M66S、KE−KE−K40H−E63N−T64N−L65M−M66S及びKE−KE−K26P−K40H−E63N−T64N−L65M−M66Sからなる群から選択される1以上のアミノ酸置換を有する。
好ましくは、修飾シトクロムcは、KE−KE−E63N−K26P−K40H、KE−KE−K26P−E63N−T64N−L65M−M66S、KE−KE−K40H−E63N−T64N−L65M−M66S及びKE−KE−K26P−K40H−E63N−T64N−L65M−M66Sからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。
さらに好ましくは、修飾シトクロムcは、K73A、K73L、K73R、K73G及びK73Xからなる群から選択されるアミノ酸置換を含み、Xはトリメチル化を表す。最も好ましくは、修飾シトクロムcは、アミノ酸置換K73A又はK73Lを含む。
好ましくは、修飾シトクロムcは、アミノ酸置換KEを含む。
好適には、レポーターは、蛍光タンパク質又はその機能的アナログである。
蛍光タンパク質の機能的アナログには、それだけに限らないが、例えば米国特許第6270964号、同第6428951号及び同第6294330号に記載のタンパク質断片相補アッセイで形成される検出可能な蛍光タンパク質断片が含まれることが当業者には理解されるであろう。
好ましくは、本発明の蛍光タンパク質は、オワンクラゲ、ウミシイタケ(Renilla reniformis)又は花虫綱に属する他の種に由来する緑色蛍光タンパク質(GFP)である(Labas et al., Proc.Natl.Acad.Sci, (2002), 99, 4256−4261)。
米国特許第6172188号は、発色団の前にある1位のアミノ酸が、蛍光強度の増大をもたらすように突然変異している変異GFPについて記載している。この突然変異体によって、励起と発光の最大値が移動せずにGFPの蛍光強度が実質的に増大する。F64L−GFPは、発色団の成熟時間が短いため37℃での蛍光が約6倍に増大することが示されている。
一般に高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)と呼ばれる突然変異体の1つは、突然変異F64L及びS65Tを含む(Cormack, B.P. et al., Gene, (1996), 173, 33−38)。EGFPは、哺乳類の系での発現用に最適化されており、好ましい哺乳類コドンを用いて構築されている。
好適には、蛍光タンパク質は、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)及びEmeraldからなる群から選択される。好ましくは、蛍光タンパク質はEGFP又はEmeraldである。
英国特許第2374868号は、均一でない細胞中で30℃を超える温度で発現させ、約490nmで励起したときに野生型GFPと比べて高い蛍光を示す、F64、S65/E222及びS175に三重突然変異を有するGFP誘導体について記載している。本発明の方法を用いて生成された突然変異GFPは、低レベルの発現で、及び/又は野生型GFPと比べて高い感度で哺乳類細胞中のGFPレポーターを検出する手段を提供する。
好ましくは、本発明のGFPは、
i)位置F64Lでのアミノ酸置換、
ii)位置S175Gでのアミノ酸置換、及び
iii)位置E222Gでのアミノ酸置換
を含む。
好ましい一実施形態では、融合構築物は、配列番号4又は配列番号6である。
一実施形態では、レポーターは、検出可能な発光、蛍光又は放射活性部分によって局在位置を決定できる。したがって、例えば、レポーターは免疫原性モチーフを含み、検出可能な部分は、発光、蛍光又は放射活性により標識された抗体でもよい。
好適には、レポーターは、FLAG(商標)、HA、HIS、c−Myc、VSV−G、V5又はHSV(Sigma−Aldrich)エピトープを含み、特定の標識抗体によって局在位置を決定できる。
他の実施形態では、レポーターはシステインリッチモチーフを含み、検出可能な部分は、Griffin et al., Science (1998), 281, 269−272並びに米国特許第6054271号、同第6008378号及び同第5932474号に記載の標識二ヒ素化合物を含む。
本発明の第2の態様では、上述のタンパク質融合構築物をコードするヌクレオチド配列が提供される。
好ましくは、ヌクレオチド配列は、配列番号3又は配列番号5である。
本発明の第3の態様では、適切な調節領域と上述のヌクレオチド配列とを含み、その配列が調節領域の調節下にある核酸構築物が提供される。
好適には、核酸構築物は、天然のシトクロムcプロモーター、哺乳類の構成型プロモーター、哺乳類の制御プロモーター、ヒトユビキチンCプロモーター、ウイルスプロモーター、SV40プロモーター、CMVプロモーター、酵母プロモーター、糸状菌プロモーター及び細菌プロモーターからなる群から選択されるプロモーターの調節下にある。
好ましくは、プロモーターは、CMVプロモーター又はSV40プロモーターである。さらに好ましくは、プロモーターは、ヒトユビキチンCプロモーターである。
本発明の第4の態様では、上述の核酸構築物を含む複製可能なベクターが提供される。
好適には、ベクターは、Makrides, Prot Expression & Purif. (1999) 17, 183−202により記載されたプラスミドベクターである。
好ましくは、ベクターはウイルスベクターである。本発明での使用に適したウイルスベクターは、例えば、Ng et al., Hum Gene Ther. (2000)11, 693−699に記載され、それには、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、エプスタインバーウイルス、サルウイルス40、ウシパピローマウイルス、アデノ随伴ウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス及びバキュロウイルスのベクターが含まれる。
本発明の第5の態様では、上述の核酸構築物で安定に形質転換した宿主細胞が提供される。
本発明の第6の態様では、上述の核酸構築物で一過性に形質転換した宿主細胞が提供される。
好適には、宿主細胞は、植物、昆虫、線虫、鳥類、魚及び哺乳類の細胞からなる群から選択される。好ましくは、細胞はヒト細胞である。さらに好ましくは、ヒト細胞は、Hek、Hela、U2OS及びMCF−7からなる群から選択される。最も好ましくは、細胞はHek細胞系統293(Hek293)である。
好適には、宿主細胞は、上述の融合タンパク質を発現できる。
本発明の第7の態様では、生細胞中でのアポトーシスの検出方法であって、
i)上述の融合構築物を過剰発現する形質転換細胞を培養する段階と、
ii)細胞内での融合構築物の局在位置を経時的に決定する段階とを含み、細胞内での融合構築物の局在位置の変化がアポトーシスの指標となる、方法を提供する。
本発明の第8の態様では、生細胞中でのアポトーシスの調節に作用因子が及ぼす効果を測定する方法であって、
i)上述の融合構築物を過剰発現する形質転換細胞を培養する段階と、
ii)細胞内での構築物の局在位置を決定する段階と、
iii)細胞を作用因子で処理し、その細胞内での構築物の局在位置を決定する段階とを含み、作用因子で処理しなかった対照細胞と比較した、その細胞内での構築物の局在位置の差が、アポトーシスの調節に対して作用因子が及ぼす効果の指標となる、方法を提供する。
本発明の第9の態様では、生細胞中でのアポトーシスの調節に作用因子が及ぼす効果を測定する方法であって、
i)どちらも上述の融合構築物を過剰発現する第1の細胞と第2の細胞を培養する段階と、
ii)第1の細胞を作用因子で処理し、第1の細胞内での構築物の局在位置を決定する段階と、
iii)作用因子で処理しなかった第2の細胞内での構築物の局在位置を決定する段階とを含み、第1の細胞内と第2の細胞内での構築物の局在位置の差が、アポトーシスの調節に対して作用因子が及ぼす効果の指標となる、方法を提供する。
本発明の第10の態様では、生細胞中でのアポトーシスの調節に対して作用因子が及ぼす効果を測定する方法であって、
i)上述の融合構築物を過剰発現する形質転換細胞を培養する段階と、
ii)細胞を作用因子で処理し、その細胞内での構築物の局在位置を決定する段階と、
iii)作用因子の存在下での構築物の局在位置を、作用因子の非存在下での構築物の局在位置についての既知の値と比較する段階とを含み、作用因子の存在下での細胞内での構築物の局在位置と、作用因子の非存在下での既知の値との差がアポトーシスの調節に対して作用因子が及ぼす効果の指標となる、方法を提供する。
好適には、既知の値は、電子又は光データベースなどのデータベースに保存されている。
好適には、タンパク質融合物の局在位置は、その発光、蛍光又は放射活性の特性によって測定される。
本発明の方法は、アポトーシスを誘導又は阻害する作用因子を同定するスクリーニングの目的に適している。
本発明の他の実施形態では、融合構築物の局在位置は、生存していない固定細胞上で決定される。したがって、融合構築物を過剰発現する生細胞を特定の時点で従来の手段により固定し、標識抗体や特異的な結合化学物質など検出可能な部分を用いて融合タンパク質の位置を検出する。このように、アポトーシスに対して作用因子が及ぼす効果は、作用因子がある場合とない場合の融合構築物の局在位置を比較することによって決定することができる。或いは、アポトーシスに対して作用因子が及ぼす効果は、作用因子の非存在下での局在についての既知の値(例えば、データベースに保存されているもの)に対して作用因子の存在下での構築物の局在位置を比較することによって決定することもできる。
好適には、作用因子は、化学的な、物理的な又は生物学的な作用因子である。化学的な作用因子の例には、薬物、毒素、ペプチド、タンパク質や核酸などの無機及び有機の化合物がある。物理的な作用因子には、電気エネルギー、磁気エネルギーや光(UV、γ線、IR、可視光線)エネルギーなどの電磁放射がある。典型的な生物学的作用因子の例には、生細胞に感染しアポトーシスを調節することができるウイルス、プリオン、細菌及び菌類がある。
図面の簡単な説明
図1は、Biocarta:(www. biocarta.com/ pathfiles/ h_mitochondriaPathway.asp)の承諾の下で引用したアポトーシスにおけるミトコンドリアの役割を描いた概略図である。
図2a)は、クローン2B6のHek293細胞中のシトクロムc(K73A−GFP突然変異体)標識ミトコンドリアを示すInCell Analyzer3000の画像(倍率約40倍)である。
図2b)は、HeLa細胞中でのシトクロムc−GFP発現を示す共焦点顕微鏡の画像(約60倍)である(Goldstein et al., (Nat Cell Bio., (2000) 2, 156−160))。
図3a)〜c)は、Hek293細胞中でのシトクロムcとテトラメチルローダミンエチルエステル(TMRE)の二重励起を用いた、シトクロムc(K73A突然変異体)−GFPとTMREの同時局在を示すInCell Analyzer3000の画像である。
図3a)はシトクロムc(K73A)−GFPを示す図である。
図3b)は、TMRE標識ミトコンドリアを示す図である。
図3c)は、二重励起後の図3a)と図3b)を重ね合わせたものである。
図4は、野生型シトクロムcをコードする核酸配列(配列番号1)である。
図5は、野生型シトクロムcのアミノ酸配列(配列番号2)である。
図6は、F64L−S175G−E222G−トリGFP−シトクロムc(K73A)構築物をコードする核酸配列(配列番号3)である。
図7は、F64L−S175G−E222G−トリGFP−シトクロムc(K73A)構築物のアミノ酸配列(配列番号4)である。
図8は、シトクロムc(K73A)−F64L−S175G−E222G−トリGFPをコードする核酸配列(配列番号5)である。
図9は、シトクロムc(K73A)−F64L−S175G−E222G−トリGFPのアミノ酸配列(配列番号6)である。
図10は、F64L−S175G−E222G−野生型シトクロムc構築物をコードする核酸配列(配列番号7)である。
図11は、F64L−S175G−E222G野生型シトクロムc構築物のアミノ酸配列(配列番号8)である。
図12は、野生型シトクロムc−F64L−S175G−E222GトリGFPをコードする核酸配列(配列番号9)である。
図13は、野生型シトクロムc−F64L−S175G−E222GトリGFPのアミノ酸配列(配列番号10)である。
実施例1
シトクロムc遺伝子の増幅、GFP(F64L−S175G−E222G)への融合及びK73A(APAF−1結合)突然変異の導入
本発明の蛍光シトクロムc突然変異融合タンパク質は、シトクロムcタンパク質をコードする核酸の配列を、蛍光タンパク質をコードする核酸の配列とインフレームで結合させ、次いでK73A(APAF−1結合)突然変異(Kluck et al., J Biol Chem., (2000) 275, 16127−16133)を融合タンパク質の核酸に導入することにより作製した。ヒトシトクロムc遺伝子の好ましい配列は、Zang and Gerstein, Gene, (2003)312, 61−72により記載されている;NCBIアクセッション番号NM_018947。(配列番号1)コードされたタンパク質を配列番号2に示す。代替のヒトシトクロムc配列を使用することができる。さらに、遺伝子の開始コドン及び終止コドン周辺で代替の配列を使用して、タンパク質融合に有用な制限酵素部位をもたらすことができる。そのような変更により、基準配列と比べてアミノ酸の付番が変化する場合、そのような付番は、基準配列とのアミノ酸の整列によって推測されるはずである。蛍光タンパク質をコードする遺伝子の好ましい配列には、Chalfie et al, Science, (1994) 263, 802−5が公表したオワンクラゲに由来するもの、GFP−F64L−S175G−E222G突然変異体(英国特許第2374868号)、Emerald(Aurora biosciences社製)、EGFP及びその関連突然変異体(BD Clontech社(米国カリフォルニア州パロアルト)製)並びに花虫綱の種由来の蛍光タンパク質が挙げられ、総説についてはLabas et al, PNAS, (2002) 99, 4256−4261を参照されたい。
シトクロムc遺伝子は、認められているプロトコール(Sambrook, J. et al (2001) Molecular Cloning − A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press)に従って、混成ヒトcDNAライブラリーからプライマーCYCS1及びCYCS2、又はCYCS1及びCYCS3を用いたRT−PCRによって増幅させた。
CYCS1;5′−gttgaattcgaccatgggtgatgttgagaaaggc(配列番号11)
CYCS2;5′−gttgttgtcgaccttactcattagtagcttttttgag(配列番号12)
CYCS3;5′−gttgttgtcgaccctcattagtagcttttttgag(配列番号13)
プライマーCYCS1は、シトクロムc遺伝子の5′領域と相同性を示し、部分的なKozak配列(Kozak, Cell (1986), 44, 283)と、EcoRI制限酵素部位の両方を含む。プライマーCYCS2は、シトクロムc遺伝子の3′領域と相同性を示し、終止コドン及びSalI制限酵素部位を含む。プライマーCYCS3は、シトクロムc遺伝子の3′領域と相同性を示し、SalI制限酵素部位を含む。CYCS1−CYCS2及びCYCS1−CYCS3のRT−PCR産物を、それぞれGFP−融合ベクターpCORON1000−GFP−C1及びN1(Amersham Biosciences社(英国カーディフ)製)の対応するEcoRI及びSalI部位にクローン化し、自動配列決定によりそれを検証した。これらのベクターは、GFP融合物を発現させるためのCMVプロモーター、及びネオマイシン耐性マーカーの発現を誘発するためのSV40プロモーターを含む。これらのベクター内のGFPはレッドシフトしており、英国特許第2374868号に記載の突然変異F64L−S175G−E222Gを含む。
プライマーCYCS4及びCYCS5を用いて、QuikChange(商標)部位特異的変異導入キット(Stratagene社(米国カリフォルニア州ラホヤ)製)でシトクロムc(K73A)突然変異体を作製した。
CYCS4;5′−ggagtatttggagaatcccgccaagtacatccctggaacaa(配列番号14)
CYCS5;5′−ttgttccagggatgtacttggcgggattctccaaatactcc(配列番号15)
配列の検証後、制限酵素NheI及びNotIを用いてpCORON1000−GFP−野生型シトクロムc及びK73A突然変異融合構築物をベクターpCORON2100中にサブクローン化した。pCORON2100は、CMVプロモーター、並びにGFP−融合タンパク質及びネオマイシン耐性マーカーのバイシストロニックな発現を駆動するIRESエレメントを含む。
得られたGFP−シトクロムc構築物の核酸及びアミノ酸の配列を図6〜13に示す(配列番号3〜10)。
実施例2
哺乳類細胞でのGFP−融合タンパク質安定細胞系統作製に対するシトクロムc−K73A(APAF−1結合)突然変異の影響
HiSpeedプラスミド精製キット(Qiagen社(オランダ)製)を用いて、トランスフェクションに使用するプラスミドDNAをすべての構築物用に調製した。実施例1での構築物に加えて、pCORON1000−GFP及びpCORON2100−GFPを選択対照として用いた。DNAを18MΩ水(Sigma社(英国ドーセット)製)中で100ng/μlに希釈し、1μgをトランスフェクションに使用した。トランスフェクションを行う日に集密度が50〜80%となるように、6穴プレート中に密度5×104個/穴でHek293細胞を播き、1晩インキュベートした。FuGene6試薬(Roche Diagnostics社(スイス国バーゼル)製)に対するDNAの比は、一過性トランスフェクションの各反応について1:3(1μg:3μl)を用いた。即ち、3μlのFuGene6を無血清DMEM培地(Sigma社製)(ペニシリン/ストレプトマイシン、L−グルタミン[Invitrogen社(米国カリフォルニア州カールスバッド)製]を含有)87μlに添加し、穏やかにたたいて混合し、次いで構築物DNA10μl(1μg)を添加し、再度穏やかに混合した。そのFuGene6:DNA複合体を室温で40分間インキュベートし、1滴づつ穏やかに混合しながら、培地を交換せずに細胞に直接添加した。次いで、均一な分布となるようにプレートを穏やかに旋回した。24時間後及び48時間後に、Nikon Eclipse TE200落射蛍光顕微鏡(Nikon社(米国ニューヨーク州メルヴィル)製)を用いて発現について細胞をモニターした。直径15cmプレート中に細胞を継代し、24時間後ジェネテシン(G418、250ng/μl;Sigma社製)での選択下に置いた。続いての5〜7日にわたってジェネテシンの濃度を500ng/μlまで漸増させた。約10日間、又は模擬トランスフェクトした対照のプレートが死滅するまで選択を継続した。次いで、クローニングリングを使用して、生存しているコロニーを単離し、96穴、24穴及び6穴プレートにより細胞を増殖させた。適当な場合には第2及び第3回のクローン選択にかけた。
初回のクローン選択後、残存している細胞は、pCORON1000−GFP、pCORON2100−GFP、並びにpCORON2100−GFP−N及び−Cのシトクロムc(K73A)突然変異プラスミドを含むトランスフェクションについて認められた。他のプラスミド構築物をトランスフェクトした細胞からは、残存しているコロニーは得られなかった。
結果
IRESエレメントを利用し、安定な細胞系統の作製を促進するために、pCORON2100(Amersham Biosciences社製)で、この突然変異cDNAの発現試験を行った。ジェネテシンG418での選択下で「混合集団」の安定発現細胞系統を3週間継続して培養した。次いで単一クローン細胞系統を15個単離した。
pCORON2100−GFP−シトクロムc(K73A)突然変異体を含むHek293細胞は、4カ月間にわたって継続した培養の間安定な発現を示すことが判明した。そのレポーター融合タンパク質がミトコンドリアに局在することは、Microsystems LSM(Zeiss社(米国ニューヨーク州ソーンウッド)製)及びハイスループットレーザー走査型共焦点顕微鏡(INCell Analyzer3000、Amersham Biosciences社製)を用いて、既知のミトコンドリアマーカーであるMitoTracker Red(Molecular Probes社(米国オレゴン州ユージーン)製)と共局在させることにより、この期間中に確認された。
InCell Analyzer3000(Amersham Biosciences社(英国)製)レーザー走査型共焦点画像化システムを使用した、この安定なクローンの1つ(2B6)の発現の結果を下記の図2中に示す。図2aから認められるように、発現したシトクロムc−GFPの局在パターンは、図2bで再現されている、共焦点顕微鏡を用いてGoldstein et al., Nat Cell Bio., (2000) 2, 156−160が観察したものと酷似している。予想通り、その融合タンパク質は、核から排除されることを示し、ミトコンドリアに局在し、シトクロムc−GFPは断続的な蛍光パターンを示している(図2a)。
図3a及び3bは、Hek293細胞のミトコンドリアにおける融合タンパク質構築物(a)及び濃度40nMでのミトコンドリア染色剤TMRE(b)の局在を示すものである。InCell Analyzerでシトクロムc−GFPとTMREを二重励起させると同時局在していることが示される(図3c)。
Biocarta:(www. biocarta.com/ pathfiles/ h#mitochondriaPathway.asp)の承諾の下で引用したアポトーシスにおけるミトコンドリアの役割を描いた概略図である。 クローン2B6のHek293細胞中のシトクロムc(K73A−GFP突然変異体)標識ミトコンドリアを示すInCell Analyzer3000の画像(倍率約40倍)である。 HeLa細胞中でのシトクロムc−GFP発現を示す共焦点顕微鏡の画像(約60倍)である(Goldstein et al., Nat. Cell Bio., (2000) 2, 156−160)より)。 Hek293細胞中でのシトクロムcとテトラメチルローダミンエチルエステル(TMRE)の二重励起を用いた、シトクロムc(K73A突然変異体)−GFPとTMREの同時局在を示すInCell Analyzer3000の画像である。図3aはシトクロムc(K73A)−GFPを示す図である。図3bは、TMRE標識ミトコンドリアを示す図である。図3cは、二重励起後の図3aと図3bを重ね合わせたものである。 野生型シトクロムcをコードする核酸配列(配列番号1)である。 野生型シトクロムcのアミノ酸配列(配列番号2)である。 F64L−S175G−E222G−トリGFP−シトクロムc(K73A)構築物をコードする核酸配列(配列番号3)である。 F64L−S175G−E222G−トリGFP−シトクロムc(K73A)構築物のアミノ酸配列(配列番号4)である。 シトクロムc(K73A)−F64L−S175G−E222G−トリGFPをコードする核酸配列(配列番号5)である。 シトクロムc(K73A)−F64L−S175G−E222G−トリGFPのアミノ酸配列(配列番号6)である。 F64L−S175G−E222G−野生型シトクロムc構築物をコードする核酸配列(配列番号7)である。 F64L−S175G−E222G野生型シトクロムc構築物のアミノ酸配列(配列番号8)である。 野生型シトクロムc−F64L−S175G−E222GトリGFPをコードする核酸配列(配列番号9)である。 野生型シトクロムc−F64L−S175G−E222GトリGFPのアミノ酸配列(配列番号10)である。

Claims (26)

  1. (a)配列番号2に示す野生型ヒトシトクロムcに由来する修飾シトクロムcタンパク質と(b)蛍光タンパク質とを含むシトクロムc−レポーター融合タンパク質構築物であって、当該融合タンパク質がミトコンドリアを標的とし、生細胞中でのアポトーシス誘導能が低下しており、上記修飾シトクロムcが、K73A、K73L、K73R、K73G及びK73X(ただし、Xはトリメチル化を表す。)からなる群から選択されるアミノ酸置換を含む、融合タンパク質構築物。
  2. 前記蛍光タンパク質が、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)及びEmeraldからなる群から選択される、請求項1載の融合タンパク質構築物。
  3. 前記蛍光タンパク質が高感度緑色蛍光タンパク質又はEmeraldである、請求項記載の融合タンパク質構築物。
  4. 前記GFPが、
    i)位置F64Lでのアミノ酸置換、
    ii)位置S175Gでのアミノ酸置換、及び
    iii)位置E222Gでのアミノ酸置換
    を含む、請求項記載の融合タンパク質構築物。
  5. 配列番号4及び配列番号6からなる群から選択される、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の融合タンパク質構築物。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の融合タンパク質構築物をコードするヌクレオチド配列からなる核酸。
  7. 配列番号3及び配列番号5からなる群から選択されるヌクレオチド配列からなる核酸。
  8. 調節領域と請求項又は請求項記載のヌクレオチド配列とを含む核酸構築物であって、上記配列が調節領域の調節下にある核酸構築物。
  9. 天然のシトクロムcプロモーター、哺乳類の構成型プロモーター、哺乳類の制御プロモーター、ヒトユビキチンCプロモーター、ウイルスプロモーター、SV40プロモーター、CMVプロモーター、酵母プロモーター、糸状菌プロモーター及び細菌プロモーターからなる群から選択されるプロモーターの調節下にある、請求項記載の核酸構築物。
  10. 前記ウイルスプロモーターがCMVプロモーター又はSV40プロモーターである、請求項記載の核酸構築物。
  11. 前記プロモーターがヒトユビキチンCプロモーターである、請求項記載の核酸構築物。
  12. 請求項乃至請求項11のいずれか1項記載の核酸構築物を含む複製可能なベクター。
  13. 前記ベクターがプラスミドベクターである、請求項12記載の複製可能なベクター。
  14. 前記ベクターがウイルスベクターである、請求項12記載の複製可能なベクター。
  15. 前記ウイルスベクターが、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、エプスタインバーウイルス、サルウイルス40、ウシパピローマウイルス、アデノ随伴ウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス及びバキュロウイルスのベクターからなる群から選択される、請求項14記載の複製可能なベクター。
  16. 請求項乃至請求項11のいずれか1項記載の核酸構築物で安定に形質転換された宿主細胞。
  17. 請求項乃至請求項11のいずれか1項記載の核酸構築物で一過性に形質転換された宿主細胞。
  18. 植物、昆虫、線虫、鳥類、魚及び哺乳類の細胞からなる群から選択される、請求項16又は請求項17記載の宿主細胞。
  19. 前記哺乳類の細胞がヒト細胞である、請求項18記載の宿主細胞。
  20. 前記ヒト細胞が、Hek、HeLa、U2OS及びMCF−7からなる群から選択される、請求項19記載の宿主細胞。
  21. 前記Hek細胞がHek293である、請求項20記載の宿主細胞。
  22. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の融合タンパク質を発現できる、請求項16乃至請求項21のいずれか1項記載の宿主細胞。
  23. 生細胞中でのアポトーシスの検出方法であって、
    i)請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の融合タンパク質構築物を過剰発現する形質転換細胞を培養する段階と、
    ii)細胞内での融合タンパク質構築物の局在位置を経時的に決定する段階と
    を含み、細胞内での融合タンパク質構築物の局在位置の変化がアポトーシスの指標となる、方法。
  24. 生細胞中でのアポトーシスの調節に作用因子が及ぼす効果を測定する方法であって、
    i)請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の融合構築物を過剰発現する形質転換細胞を培養する段階と、
    ii)細胞内での構築物の局在位置を決定する段階と、
    iii)細胞を作用因子で処理し、細胞内での構築物の局在位置を決定する段階と
    を含み、作用因子で処理していない対照細胞との対比における細胞内での構築物の局在位置の差がアポトーシスの調節に作用因子が及ぼす効果の指標となる、方法。
  25. 生細胞中でのアポトーシスの調節に作用因子が及ぼす効果を測定する方法であって、
    i)請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の融合構築物を共に過剰発現する第1の細胞と第2の細胞を培養する段階と、
    ii)第1の細胞を作用因子で処理し、第1の細胞内での構築物の局在位置を決定する段階と、
    iii)作用因子で処理しなかった第2の細胞内での構築物の局在位置を決定する段階と
    を含み、第1の細胞内と第2の細胞内での構築物の局在位置の差がアポトーシスの調節に作用因子が及ぼす効果の指標となる、方法。
  26. 生細胞中でのアポトーシスの調節に作用因子が及ぼす効果を測定する方法であって、
    i)請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の融合構築物を過剰発現する形質転換細胞を培養する段階と、
    ii)細胞を作用因子で処理し、細胞内での構築物の局在位置を決定する段階と、
    iii)作用因子の存在下での構築物の局在位置を、作用因子の非存在下での構築物の局在位置についての既知の値と比較する段階と
    を含み、作用因子の存在下での細胞内での構築物の局在位置と、作用因子の非存在下での既知の値との差がアポトーシスの調節に作用因子が及ぼす効果の指標となる、方法。
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