JP4979606B2 - 電極塗工方法及び装置、電極製造方法 - Google Patents

電極塗工方法及び装置、電極製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ストライプ塗工を行うことによりストライプ電極を塗工する方法及び装置、並びにかかる例えばリチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイス用電極を製造する方法に関するものである。
太陽光発電や風力発電等の負荷平準化装置、コンピュータ等に代表される電子機器の瞬時電圧低下対策装置、電気自動車やハイブリッドカーのエネルギー回生装置などのような蓄電システムにおいては、エネルギー容量が大きくてかつ急速充放電が可能な蓄電デバイスが必要とされる。そして、このような用途に有望な蓄電デバイスの一種として、近年、リチウムイオンキャパシタ等のような蓄電デバイスが注目されている。一般的な蓄電デバイスは、正極、負極及びセパレータを積層してなる電極積層体を備え、その電極積層体を金属製の容器内に収容して内部を有機電解液で満たすことにより構成されている。ところで、この種の蓄電デバイスの正極や負極は、通常、電極材料用のスラリーを集電体上に塗工することで形成されるが、その際に長尺状集電体上に複数条のストライプ電極を連続的に形成するための手法として、いわゆるストライプ塗工という手法がしばしば採用される。また、このようなストライプ塗工を実現するための手法として、従来、ロールコート方式が採用されている。
ここで図4(a),(b)に従来のロールコータ装置(電極塗工装置)101を例示し、これを用いた電極塗工方法について述べる。この装置101は、被塗物である集電体41と接触しながら所定方向に回転して集電体41上に電極材料用のスラリーS1を転写する塗工ロール12、及び、塗工ロール12の周面12aに近接して配置された塗工量調整ロール13を備えている。塗工ロール12の後方側には、ロール周面12aにその一部が接するように所定形状のストライプ治具15が配置されている。ストライプ治具15を挟んでその両側には、所定間隔を隔てて一対の仕切板16が配置されている。その結果、ストライプ治具15の両側領域に、スラリーS1を塗工ロール12の後方側にて一時的に溜めた状態で保持する複数の液ダムD1,D2が区画形成されている。この従来の装置101の場合、ストライプ治具15の近傍であって塗工ロール13からも近い位置に、断面円形状のスラリー供給口を有する供給管121が配置されている。共通で設けられたスラリー供給口からスラリーS1が供給されると、そのスラリーS1は切欠部15aを介して各液ダムD1,D2に行き渡り、各液ダムD1,D2にて一時的に溜めた状態で保持される。なお、一時的に溜められたスラリーS1には自重が作用するため、時間が経つと液面がある程度平準化する。そして、塗工ロール12を所定方向に回転させると、被塗物である集電体41上にスラリーS1が転写されるが、ストライプ治具15に対応した箇所にはスラリーS1が転写されないようになっている。以上の結果、複数のストライプ電極42が連続的に塗工形成されるとともに、それらの間に非塗工領域43が設けられる。
例示して説明した装置101以外にも同様のロールコータ装置が従来いくつか知られている(特許文献1,2参照)。例えば、特許文献1にて開示された装置は液ダムを1つのみ有しており、特許文献2にて開示された装置は液ダムを複数有している。
特開2002−96007号公報(図1等参照) 特開2002−113403号公報(図1等参照)
しかしながら、粘度が高い(例えば10000mPa・s以上の)電極材料用のスラリーS1を用いた場合、スラリーS1の流動性が損なわれる結果、液面が盛り上がった状態が維持されやすくなり、時間が経っても十分に平準化しなくなる。よって、供給されたスラリーS1の液面が供給口の近傍位置(即ち塗工ロール12の近傍位置)で盛り上がってしまい(図4(d)参照)、ストライプ電極42の幅方向の塗工量ばらつきが大きくなってしまう(図4(c)参照)。
それゆえ、幅方向における塗工量ばらつきを抑制し、均一な厚さを有するストライプ電極42を形成するためには、塗工装置及び塗工方法の改良など、何らかの対策が必要であると従来考えられていた。ただし、液ダムD1,D2内に溜められたスラリーS1を積極的にならして平準化する手段を設けようとすると、装置の大型化や高コスト化が避けられない。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、幅方向における塗工量ばらつきを抑制し、均一な厚さを有するストライプ電極を形成することができる電極塗工方法、電極製造方法を提供することにある。また、別の目的は、上記の優れた電極塗工方法を容易にかつ確実に実施可能な電極塗工装置を提供することにある。
そこで上記課題を解決するための手段[1]〜[5]を以下に列挙する。
[1]電極材料用のスラリーを集電体上にストライプ塗工して複数条のストライプ電極を形成する電極塗工方法であって、塗工ロールの後方側に設けられた複数の液ダムにおいて前記塗工ロールから離間した位置に、偏平なダイ形状を有する供給口を前記塗工ロールの軸方向に沿って平行に延びるように各々配置し、前記各供給口から前記スラリーを供給して前記複数の液ダム内に前記スラリーを一時的に溜めた状態で保持し、自重による前記スラリーの流動により液面を平準化させたうえで、前記塗工ロールにより前記集電体上に前記スラリーを転写させることを特徴とする電極塗工方法。
従って、上記手段1によれば、偏平なダイ形状を有する供給口からスラリーを供給することにより、各々の液ダム内において当初からスラリーを塗工ロールの幅方向に広がらせることができ、スラリー液面の盛り上がりを減じることができる。しかも、スラリー供給位置が塗工ロールから離間しているため、塗工ロールの周面に到るまでの所要時間が従来に比べて長くなり、その間に自重が作用してスラリーが十分に流動し、液面が確実に平準化する。よって、ストライプ電極の幅方向における塗工量ばらつきが抑制され、均一な厚さを有するストライプ電極を形成することができる。
[2]電極材料用のスラリーを集電体上にストライプ塗工して複数条のストライプ電極を形成する電極塗工装置であって、被塗物である前記集電体と接触しながら所定方向に回転することにより、前記集電体上に前記スラリーを転写する塗工ロールと、前記塗工ロールの周面に近接して配置され、当該周面との隙間の大きさを変更することにより前記スラリーの塗工量を調整する塗工量調整部材と、前記複数条のストライプ電極間に非塗工領域を設けるべく、前記塗工ロールの後方側にてロール周面にその一部が接するように配置されたストライプ治具と、前記ストライプ治具を挟んでその両側に区画形成され、前記スラリーを前記塗工ロールの後方側にて一時的に溜めた状態で保持する複数の液ダムと、前記複数の液ダムに前記スラリーをそれぞれ供給する複数のスラリー供給手段とを備え、前記複数のスラリー供給手段は偏平なダイ形状の供給口を各々有し、前記各供給口は前記塗工ロールを基準としてその後方側に離間した状態で前記塗工ロールの軸方向に沿って平行に延びるように配置されていることを特徴とする電極塗工装置。
従って、上記手段2によれば、偏平なダイ形状を有する供給口からスラリーを供給することにより、各々の液ダム内において当初からスラリーを塗工ロールの幅方向に広がらせることができ、スラリー液面の盛り上がり減じることができる。しかも、スラリー供給位置が塗工ロールから離間しているため、塗工ロールの周面に到るまでの所要時間が従来に比べて長くなり、その間に自重が作用してスラリーが十分に流動し、液面が確実に平準化する。よって、上記手段1にかかる優れた電極塗工方法を容易にかつ確実に実施することが可能となる。また、液ダム内に溜められたスラリーを積極的にならして平準化する手段を設ける必要がないので、装置の大型化や高コスト化も回避できる。
[3]前記複数のスラリー供給手段における各供給口は、前記液ダムの最後方位置における略中央部に配置されていることを特徴とする上記手段2に記載の電極塗工装置。
従って、上記手段3によれば、塗工ロールの周面から各供給口までの距離が長くなるため、塗工ロールの周面に到るまでの所要時間がいっそう長くなる。このため、その間に自重が作用してスラリーが十分に流動し、液面が確実に平準化することができる。
[4]前記複数の液ダムに一時的に溜められた前記スラリーの液面高さを、前記複数の供給口よりも前方の位置にてセンシングする複数の液面センサを有し、前記複数の液面センサから出力される検出信号に基づいて、前記複数の液ダムの液面を一定に管理する液高管理手段を備えたことを特徴とする上記手段2または手段3に記載の電極塗工装置。
従って、上記手段4によれば、液高管理手段によって複数の液ダムの液面が一定に管理されるため、複数の液ダムについて塗工量を揃えることができ、ストライプ電極の幅方向における塗工量ばらつきを確実に抑制することができる。
[5]上記手段2乃至4のいずれか1項に記載の装置を用いて上記手段1に記載の方法を実施することにより、蓄電デバイス用の電極を製造することを特徴とする電極製造方法。
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によると、幅方向における塗工量ばらつきを抑制し、均一な厚さを有するストライプ電極を形成することができる電極塗工方法を提供することができる。また、請求項2,3,4に記載の発明によると、上記の優れた電極塗工方法を容易にかつ確実に実施可能な電極塗工装置を提供することができる。請求項5に記載の発明によると、幅方向における塗工量ばらつきを抑制し、均一な厚さを有するストライプ電極を形成することができる電極製造方法を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1(a)は、本実施形態のロールコータ装置(電極塗工装置)10を示す概略側面図、(b)は同じくその概略平面図、(c)は(b)のA−A線断面図、(c)は(b)のB−B線断面図である。図2は、集電体41上にスラリーS1を塗工してストライプ電極42を形成した状態を示す平面図である。
本実施形態のロールコータ装置11は、被塗物である長尺状の集電体41と接触しながら所定方向(図1(a)では反時計周り方向)に回転して集電体41上に電極材料用のスラリーS1を転写する塗工ロール12を備えている。なお、本実施形態では、リチウムイオンキャパシタ用の負極電極の製造を目的としているため、上記スラリーS1にはカーボンやバインダ等が含まれている。また、この場合の集電体41は、銅箔等からなる負極集電体となっている。このロールコータ装置11は、上記塗工ロール12の他に、塗工ロール12よりも小径の塗工量調整ロール13(塗工量調整部材)を備えている。塗工量調整ロール13は、塗工ロール12の周面12aに近接するようにして当該塗工ロール12の上側にて平行に配置されている。塗工量調整ロール13の周面における所定箇所には、スラリーS1を均一に掻き均すための切欠溝14が形成されている。塗工量調整ロール13は図示しない移動手段により僅かながら移動可能に支持されており、その結果、塗工量調整ロール13の周面と塗工ロール12の周面12aとの隙間の大きさが変更可能となっている。即ち、当該隙間を大きくすることでスラリーS1の塗工量が増加し、当該隙間を小さくすることでスラリーS1の塗工量が減少するように調整される。
塗工ロール12の後方側(図1(a),(b)では右側)には、ストライプ治具15が配置されている。本実施形態のストライプ治具15は平板状であって、その先端部が塗工量調整ロール13の周面及び塗工ロール12の周面12aに接するように配置されている。このストライプ治具15の下端縁は、傾斜して配置された底板17の上面に対して垂直に固定されている。ストライプ治具15の下端縁には矩形状の切欠部15aが形成されており、その切欠部15aを介してストライプ治具15の両側面が連通されている。
ストライプ治具15を挟んでその両側には、所定間隔を隔てて一対の仕切板16が配置されている。一対の仕切板16はともにストライプ治具15とほぼ等しい構造を有しており、それらの下端縁はストライプ治具15と同様に底板17の上面に対して垂直に固定されている。そして、このようなストライプ治具15、一対の仕切板16及び底板17によって、ストライプ治具15の両側領域に、スラリーS1を塗工ロール12の後方側にて一時的に溜めた状態で保持する2つの液ダムD1,D2が区画形成されている。
このロールコータ装置11は一対のスラリー供給手段21を備えるとともに、これらスラリー供給手段21の供給口22は液ダムD1,D2の最後方位置P1における略中央部に配置されている。よって、各供給口22は塗工ロール12を基準としてその後方側に大きく離間している。各供給口22は偏平なダイ形状を呈しており、それらは塗工ロール12の軸方向(即ちストライプ電極42の幅方向)に沿って平行に延びるように配置されている。一対のスラリー供給手段21は、個別のスラリー供給管23を介してそれぞれスラリータンク25に接続されている。各スラリー供給管23上には、スラリータンク25から供給されるスラリーS1の量を適宜調整するための電動ポンプ24が配設されている。
次に、このロールコータ装置11の電気的構成について説明する。このロールコータ装置11は、液ダムD1に対応してその上方に液面センサ31を備え、液ダムD2に対応してその上方に液面センサ32を備えている。液面センサ31,32は、一対の供給口22よりも前方の位置、より詳しくいうと一対の供給口22よりも前方であって塗工ロール12及び塗工量調整ロール13よりも後方の位置に配設されている。本実施形態の液面センサ31,32は、非接触式の液面センサ(具体的には光センサ)であり、いずれもその発光部及び受光部を下向きにして液面から離間配置されている。液面センサ31は、液ダムD1に一時的に溜められたスラリーS1の液面高さを塗工ロール12の近傍位置にてセンシングし、検出信号を外部に出力するようになっている。液面センサ32は、液ダムD2に一時的に溜められたスラリーS1の液面高さを塗工ロール12の近傍位置にてセンシングし、検出信号を外部に出力するようになっている。
このロールコータ装置11はさらに制御コンピュータ33を備えており、前記液面センサ31,32はその制御コンピュータ33に対して電気的に接続されている。制御コンピュータ33は、液面センサ31,32から出力された検出信号を取り込み、それらの検出信号に基づいて液ダムD1,D2における液面高さを常時監視するように構成されている。
また、上記制御コンピュータ33は、塗工ロール12を回転させるためのモータ35に対し、モータ駆動回路34を介して電気的に接続されている。従って、制御コンピュータ33によって、モータ35の回転速度が適宜制御されるようになっている。さらに、上記制御コンピュータ33は、上述した電動ポンプ24に対し、ポンプ駆動回路26を介して電気的に接続されている。従って、制御コンピュータ33によって、電動ポンプ24によるスラリーS1の時間当たりの供給量が適宜制御され、液面高さを一定にするようになっている。
例えば、液ダムD1,D2の液面高さが等しい場合には、制御コンピュータ33は、一対の電動ポンプ24の供給量が等しくなるように両電動ポンプ24の制御を行う。液ダムD1の液面のほうが高いと判断した場合には、制御コンピュータ33は、液ダムD2に対応した電動ポンプ24の供給量を大きくするように制御を行い、液ダムD1,D2の液面高さの差を小さくする。逆に、液ダムD2の液面のほうが高いと判断した場合には、制御コンピュータ33は、液ダムD1に対応した電動ポンプ24の供給量を相対的に大きくするように制御を行い、液ダムD1,D2の液面高さの差を小さくする。その結果、一対の液ダムD1,D2におけるスラリーS1の液面が一定に管理されるようになっている。つまり、本実施形態では、制御コンピュータ33、ポンプ駆動回路26及び電動ポンプ24によって液高管理手段が構成されている。
次に、上記のように構成されたロールコータ装置11を用いた電極塗工方法について説明する。
塗工ロール12の周面12aに、被塗物である集電体41を半周ほど巻き付けた状態で配置しておく。そして、スラリータンク25内にスラリーS1を充填した状態で電動ポンプ24を駆動し、一対の液ダムD1,D2内に所定量のスラリーS1をあらかじめ溜めておく。続いて、モータ35を駆動して塗工ローラ12を回転させて集電体41を定速で送り出すとともに、各電動ポンプ24を駆動して各スラリー供給手段21に等量のスラリーS1を供給する。
すると、偏平なダイ形状を有する各々の供給口22からスラリーS1が吐出され、その吐出されたスラリーS1は各液ダムD1,D2内にて一時的に溜めた状態で保持される。このとき、吐出されたスラリーS1は、当初から塗工ロール12の幅方向に広がるため、初期段階からスラリーS1液面の盛り上がりを減じることができる。また、スラリー供給位置P1は塗工ロール12から最大限離間しているため、塗工ロール12の周面に到るまでの所要時間が、従来に比べて長くなっている。よって、その間に自重が作用してスラリーS1が十分に流動し、液面が確実に平準化する。
そして、塗工ロール12の周面12aに沿って前進する集電体41は、液ダムD1,D2内を通過する際にスラリーS1に接触し、その表面にスラリーS1が付着する。この後、集電体41が塗工ロール12及び塗工量調整ロール13の隙間を通過する際に、スラリーS1がある程度掻き取られ、所定の厚さとなって、集電体41上に転写される。以上の結果、複数のストライプ電極42が連続的に塗工形成されるとともに、それらの間に非塗工領域43が設けられる。
さらに、このようにして得られた電極塗工済みの集電体41を所定長さにカットし、従来周知の手法によりリチウムのプレドープを行えば、所望とするリチウムイオンキャパシタ用の負極電極を製造することができる。
以下、上記装置を用いて行った評価試験について説明する。
(1)評価試験の方法
本評価試験では、配合比の異なる2種類のスラリーS1を準備した。一方のものは、カーボンとバインダとを含むスラリーS1とし、その配合比をカーボン/バインダ=90/10とした(配合比1)。当該スラリーS1の粘度は8000mPa・sであった。他方のものは、カーボンと導電材とバインダとを含むスラリーS1とし、その配合比をカーボン/導電材/バインダ=85/5/10とした。当該スラリーS1の粘度は、さらに高く13000mPa・sであった。
そして、被塗物として160mm幅の銅箔からなる集電体41を用い、その上にパターン幅65mm及び70mmかつ非塗工領域43の幅3mmに設定してストライプ塗工を行い、図2に示す電極塗工済みの集電体41を作製した。なお、実施例では、図1のロールコータ装置11を使用して塗工を行った。これに対し、参考例では、偏平なダイ形状を有する供給口22に代えて、従来タイプの断面円形状のスラリー供給口を用い、これを各液ダムD1,D2における所定位置P1に配置して塗工を行った。比較例(従来例)では、図4に示す従来のロールコータ装置11を使用して塗工を行った。
そして、この電極塗工済みの集電体41において、幅方向に離間した「a,b,c,d」の4点(5cmごとに3箇所)で打ち抜き、各点ごとの塗工重量(mg/cm)を測定した(N=3の平均値)。その結果を表1に示す。なお、この測定結果に基づいて最小値と最大値との差を求め、これを比較することで幅方向における塗工量ばらつきを評価した。
(2)評価試験の結果
Figure 0004979606

表1に示すように、配合比1とした場合の最小値と最大値との差は、比較例では0.10mg/cmであった。これに対し、実施例では0.01mg/cm、参考例では0.02mg/cmであり、いずれも比較例に比べて幅方向における塗工量ばらつきが小さかった。
また、相対的に高粘度のスラリーS1となる配合比2とした場合の最小値と最大値との差は、比較例では0.22mg/cmであり、配合比1のときよりも大きくなった。これに対し、実施例では0.04mg/cm、参考例では0.08mg/cmであり、いずれも比較例に比べて幅方向における塗工量ばらつきが小さかった。ただし、参考例と実施例とを比較すると、実施例の方が明らかに優れていた。
従って、本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態の電極塗工方法では、偏平なダイ形状を有する各供給口22から、各々の液ダムD1,D2にスラリーS1が供給される。これにより、各々の液ダムD1,D2内において当初からスラリーS1を塗工ロール12の幅方向に広がらせることができ、スラリーS1液面の盛り上がりを減じることができる。しかも、スラリー供給位置P1が塗工ロール12から最大限離間しているため、供給されたスラリーS1が塗工ロール12の周面に到るまでの所要時間が従来に比べて長くなる。ゆえに、スラリーS1が前方位置に移動するまでの間に自重が作用してスラリーS1が十分に流動し、スラリーS1の液面が確実に平準化する。よって、ストライプ電極42の幅方向における塗工量ばらつきが抑制され、均一な厚さを有するストライプ電極42を形成することができる。また、このようにして得られた電極塗工済みの集電体41から製造されたリチウムイオンキャパシタ用の負極電極は、負極電極の厚さが均一で、高品質なものとなる。
(2)本実施形態のロールコータ装置11の構成によれば、液ダムD1,D2の各々に供給したスラリーS1を十分に流動させることができ、液面を確実に平準化することができる。よって、上記の優れた電極塗工方法を容易にかつ確実に実施することが可能となる。また、液ダムD1,D2内に溜められたスラリーS1を積極的にならして平準化する手段を設ける必要がないので、ロールコータ装置11の大型化や高コスト化も回避できる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では本発明の電極塗工方法及び電極塗工装置を用いてリチウムイオンキャパシタ用の負極電極を製造したが、リチウムイオンキャパシタ以外の蓄電デバイスの電極の製造に適用してもよい。
・上記実施形態では、液面センサ31,32の設置数を2つとしたが、これに限定されず例えば図3に示す別の実施形態のように、設置数を4つ(液ダムD1,D2ごとに2つずつ)としてもよい。この構成によると、4つの液面センサ31,32,37,38によって、さらに正確な液面高さのセンシングが可能となるため、ストライプ電極42の幅方向における塗工量ばらつきを確実に抑制することができる。
・液面センサ31,32,37,38は非接触式でなくてもよく、例えば接触式であってもよい。また、液面センサ31,32,37,38は、光をプローブとしたものであってもよく、そうでない他の形式(例えば超音波をプローブとしたもの等)であってもよい。
・上記実施形態では、塗工量調整部材として塗工量調整ロール13を使用したが、これに代えてロールではないもの、例えばドクターブレードなどを使用してもよい。
・上記実施形態では、塗工ロール12及び塗工量調整ロール13の2つを備えていたが、これら以外に1つまたは2つ以上のロールを備えた装置であってもよい。
・スラリー供給手段の一部を構成するスラリータンク25は複数であっても、共通であってもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)電極材料用のスラリーを集電体上にストライプ塗工して複数条のストライプ電極を形成する電極塗工方法であって、塗工ロールの後方側に設けられた複数の液ダムにおいて前記塗工ロールから離間した位置に、供給口を各々配置し、前記各供給口から前記スラリーを供給して前記複数の液ダム内に前記スラリーを一時的に溜めた状態で保持し、自重による前記スラリーの流動により液面を平準化させたうえで、前記塗工ロールにより前記集電体上に前記スラリーを転写させることを特徴とする電極塗工方法。
(2)請求項1または上記思想1において、前記スラリーの粘度が10000mPa・s以上であることを特徴とする電極塗工方法。
(a)は本発明を具体化した一実施形態のロールコータ装置を示す概略側面図、(b)は同じくその概略平面図、(c)は(b)のA−A線断面図、(c)は(b)のB−B線断面図。 集電体上にスラリーを塗工して電極を形成した状態を示す平面図。 本発明を具体化した別の実施形態のロールコータ装置を示す概略平面図。 (a)は従来のロールコータ装置を示す概略側面図、(b)は同じくその概略平面図、(c)は(b)のC−C線断面図、(c)は(b)のD−D線断面図。
11,51…電極塗工装置としてのロールコータ装置
12…塗工ロール
13…塗工量調整部材としての塗工量調整ロール
15…ストライプ治具
21…スラリー供給手段
22…供給口
24…液高管理手段を構成するポンプ
31,32,37,38…液面センサ
33…液高管理手段を構成する制御コンピュータ
41…集電体
42…ストライプ電極
43…非塗工領域
D1,D2…液ダム
P1…最後方位置における略中央部
S1…電極材料用のスラリー

Claims (5)

  1. 電極材料用のスラリーを集電体上にストライプ塗工して複数条のストライプ電極を形成する電極塗工方法であって、
    塗工ロールの後方側に設けられた複数の液ダムにおいて前記塗工ロールから離間した位置に、偏平なダイ形状を有する供給口を前記塗工ロールの軸方向に沿って平行に延びるように各々配置し、前記各供給口から前記スラリーを供給して前記複数の液ダム内に前記スラリーを一時的に溜めた状態で保持し、自重による前記スラリーの流動により液面を平準化させたうえで、前記塗工ロールにより前記集電体上に前記スラリーを転写させることを特徴とする電極塗工方法。
  2. 電極材料用のスラリーを集電体上にストライプ塗工して複数条のストライプ電極を形成する電極塗工装置であって、
    被塗物である前記集電体と接触しながら所定方向に回転することにより、前記集電体上に前記スラリーを転写する塗工ロールと、
    前記塗工ロールの周面に近接して配置され、当該周面との隙間の大きさを変更することにより前記スラリーの塗工量を調整する塗工量調整部材と、
    前記複数条のストライプ電極間に非塗工領域を設けるべく、前記塗工ロールの後方側にてロール周面にその一部が接するように配置されたストライプ治具と、
    前記ストライプ治具を挟んでその両側に区画形成され、前記スラリーを前記塗工ロールの後方側にて一時的に溜めた状態で保持する複数の液ダムと、
    前記複数の液ダムに前記スラリーをそれぞれ供給する複数のスラリー供給手段と
    を備え、前記複数のスラリー供給手段は偏平なダイ形状の供給口を各々有し、前記各供給口は前記塗工ロールを基準としてその後方側に離間した状態で前記塗工ロールの軸方向に沿って平行に延びるように配置されていることを特徴とする電極塗工装置。
  3. 前記複数のスラリー供給手段における各供給口は、前記液ダムの最後方位置における略中央部に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の電極塗工装置。
  4. 前記複数の液ダムに一時的に溜められた前記スラリーの液面高さを、前記複数の供給口よりも前方の位置にてセンシングする複数の液面センサを有し、前記複数の液面センサから出力される検出信号に基づいて、前記複数の液ダムの液面を一定に管理する液高管理手段を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の電極塗工装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の装置を用いて請求項1に記載の方法を実施することにより、蓄電デバイス用の電極を製造することを特徴とする電極製造方法。
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