JP2017084678A - リチウムイオン電池の製造方法および製造装置 - Google Patents

リチウムイオン電池の製造方法および製造装置 Download PDF

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Yoichi Takahara
洋一 高原
正志 西亀
Masashi Nishikame
正志 西亀
恭一 森
Kyoichi Mori
恭一 森
正興 松岡
Masaoki Matsuoka
正興 松岡
藤井 武
Takeshi Fujii
武 藤井
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Abstract

【課題】電極シートを構成する電極膜の膜厚をオンラインで測定して生産効率を向上させる。【解決手段】電極シート125を構成する電極箔110の表面111上にスラリ状の電極材料を塗布する第1塗工部と、上記電極材料上にスラリ状の絶縁材料を塗布する第2塗工部と、電極シート125の静電容量を測定する第1測定部と、電極シート125の膜厚を測定する第2測定部と、上記第1測定部による静電容量の測定結果と上記第2測定部による電極シート125の膜厚の測定結果とに基づいて電極箔110上の電極膜の膜厚を求める演算部と、を有している。【選択図】図6

Description

本発明は、リチウムイオン電池の製造方法および製造装置に関する。
携帯型電子機器の発達に伴い、これらの携帯型電子機器の電力供給源として、繰り返し充電が可能な小型二次電池が使用されている。中でも、エネルギー密度が高く、サイクルライフが長いとともに、自己放電性が低く、かつ、作動電圧が高いリチウムイオン二次電池が注目されている。リチウムイオン二次電池は、上述した利点を有するため、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機等の携帯型電子機器に多用されている。
特開2003−45491号公報(特許文献1)には、正極シート状物の両面に正極電極物質含有溶液と、電解、絶縁物質含有溶液とを、溶液吐出用スリットを有するダイコータを使用して塗布して、加熱工程を経て正極電極シート状物を形成することが開示されている。同様に、負極シート状物の両面に負極電極物質含有溶液と、電解、絶縁物質含有溶液とを、ダイコータを使用して塗布し、加熱工程を経て負極電極シート状物を形成し、両電極シート状物を積層して電極捲回体を形成する二次電池製造方法および二次電池製造装置が開示されている。
特開2003−45491号公報
リチウムイオン電池の電極材料の塗布工程において、上記特許文献1のように電極基板の面に正極や負極の電極材料を塗布した上にセパレータとなる絶縁材料を塗布することで、生産効率の向上、製造装置のコンパクト化を可能にすることができる。
この場合、電極材料を塗布・乾燥した後には電極材料の塗布量を求める必要があるため、X線やマイクロメータ、または、レーザ変位計等で電極材料の膜厚を測定する。しかしながら、電極材料上に絶縁材料が塗布された電極の乾燥後の電極膜厚を測定するためには、乾燥後の電極を切り出し、電極の断面の形状を光学顕微鏡やSEM(走査型電子顕微鏡)を用いてオフラインで測定しなければならず、これでは生産効率が悪くなる。
本発明の目的は、電極シート上に形成された電極膜の膜厚をオンラインで測定して生産効率を向上させることができる技術を提供することにある。
本発明の前記の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態におけるリチウムイオン電池の製造方法は、(a)第1面と第2面とを備えた電極箔の上記第1面上にスラリ状の電極材料を塗布する工程、(b)上記電極材料上にスラリ状の絶縁材料を塗布する工程、を有する。さらに、(c)上記電極材料および上記絶縁材料を乾燥させて、上記電極箔上に上記電極材料からなる電極膜と、上記電極膜上に上記絶縁材料からなる絶縁膜とを有する電極シートを形成する工程、(d)上記電極シートの静電容量を測定する工程、(e)上記電極シートの膜厚を測定する工程、を有する。そして、上記静電容量の測定結果と上記電極シートの膜厚の測定結果に基づいて上記電極膜の膜厚を求めるものである。
一実施の形態におけるリチウムイオン電池の製造装置は、電極箔を搬送する搬送部と、上記電極箔の第1面上にスラリ状の電極材料を塗布する第1塗工部と、上記電極材料上にスラリ状の絶縁材料を塗布する第2塗工部と、上記電極材料および上記絶縁材料を乾燥させて、上記電極箔上に電極膜と上記電極膜上に絶縁膜とを有する電極シートを形成する乾燥部と、を有する。さらに、上記電極シートの静電容量を測定し、かつ上記電極シートの膜厚を測定する測定部と、上記測定部による上記静電容量の測定結果と上記電極シートの膜厚の測定結果とに基づいて、上記電極膜の膜厚を求める演算部と、を有する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
電極シートの電極膜と絶縁膜の厚さをオンラインで測定することにより、電極材料の厚さの経時変化をリアルタイムで把握することができ、電極材料の塗布膜厚の制御に短時間でフィードバックしてリチウムイオン電池の生産効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態のリチウムイオン電池の概略構成と動作原理の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態のリチウムイオン電池の製造装置の一例を示す概念図である。 本発明の実施の形態のリチウムイオン電池の製造手順の一例を示すフロー図である。 本発明の実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法に用いられる絶縁膜の厚さと静電容量の関係の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法に用いられる電極膜の厚さと静電容量の関係の一例を示すグラフ図である。 図2に示すリチウムイオン電池の製造装置における第1測定部の構造の一例を示す概略図である。 図2に示すリチウムイオン電池の製造装置における制御系の接続状態の一例を示すブロック構成図である。 図2に示すリチウムイオン電池の製造装置における測定時のローラ押圧状態の一例を示す拡大部分平面図である。 変形例のリチウムイオン電池の製造装置における測定時のローラ押圧状態を示す拡大部分平面図である。 他の変形例のリチウムイオン電池の製造装置の一例を示す概念図である。 図10に示すリチウムイオン電池の製造装置における測定部の構造を示す部分斜視図である。 図11に示す測定部における制御系の接続状態を示すブロック構成図である。
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではない。さらに、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、以下の実施の形態において、構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲等についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
<リチウムイオン電池の構造および動作原理>
図1は本発明の実施の形態のリチウムイオン電池の概略構成と動作原理の一例を示す概略図である。
本実施の形態では、蓄電デバイスである二次電池の一例としてリチウムイオン電池を取り上げ、リチウムイオン電池の製造方法およびリチウムイオン電池の製造装置について説明する。
まず、図1に示すリチウムイオン電池の構造と動作原理について説明する。リチウムイオン電池の一例として、電気自動車用電池や電力貯蔵用電池等の、高容量、高出力、かつ、高エネルギー密度を実現できる大型のリチウムイオン電池の研究開発が進められている。特に、自動車産業においては、環境問題に対応するため、動力源としてモータを使用する電気自動車や、動力源としてエンジン(内燃機関)とモータとの両方を使用するハイブリッド車の開発が進められている。このような電気自動車やハイブリッド車の電源としてもリチウムイオン電池が注目されている。ただし、リチウムイオン電池は、作動電圧が高く、エネルギー密度が高いがゆえに、内部短絡や外部短絡などによる異常発熱に対する十分な対策が必要とされている。
図1に示すリチウムイオン電池10は、非水電解質二次電池の一種で、電解質中のリチウムイオン113が電気伝導を担う二次電池である。正極材料(活物質、電極材料122a)にはリチウム金属酸化物(例えば、Li(MnCoNiOx))を用い、負極材料(活物質、電極材料122b)にはグラファイト等の炭素材(例えば、炭素(C))を用い、電解質には炭酸エチレン等の有機溶剤とヘキサフルオロリン酸リチウムといったリチウム塩を用いるのが主流となっている。電池内では充電時にリチウムイオン113は正極から出て負極に入り、放電時には逆にリチウムイオン113は負極から出て正極に入る。
リチウムイオン電池10の構造は、例えば、正極材料(電極材料122a)を塗布した正極板(Al箔等の電極箔110を含む電極シート125a)と、負極材料(電極材料122b)を塗布した負極板(Cu箔等の電極箔110を含む電極シート125b)と、正極板と負極板の接触を防止するポリマフィルム等のセパレータ(絶縁膜)124aとを捲回した電極捲回体を備えている。そして、リチウムイオン電池10では、上記電極捲回体が外装缶20に挿入されるとともに、外装缶20内に電解液114(例えば、有機溶媒+リチウム塩)が注入されている。
つまり、リチウムイオン電池10では、金属の電極箔110aに正極材料を塗布した正極板(電極シート125a)と、金属の電極箔110bに負極材料を塗布した負極板(電極シート125b)とが帯状に形成され、帯状に形成された正極板と負極板が直接接触しないように、セパレータ124aを介して断面渦巻状に捲回されて上記電極捲回体が形成される。
以下の説明では、正極の電極シート125aおよび負極の電極シート125bを総括して「電極シート125」と呼ぶ。また、正極の電極箔110aおよび負極の電極箔110bを総括して「電極箔110」と呼ぶ。さらに、正極の電極材料122aおよび負極の電極材料122bを総括して「電極材料122」と呼ぶ。また、セパレータ124aを形成するために基材または電極膜126の上に塗布されるペースト状の材料を「絶縁材料124」と呼ぶ(後述する図8参照)。
<リチウムイオン電池の製造装置>
本実施の形態のリチウムイオン電池を構成する電極シートの製造装置(以降、リチウムイオン電池の製造装置と呼ぶ)について説明する。図2は本発明の実施の形態のリチウムイオン電池の製造装置の一例を示す概念図である。
図2に示すリチウムイオン電池の製造装置の構成について説明する。図2に示すリチウムイオン電池の製造装置は、図1に示すリチウムイオン電池10を構成する図8に示す電極シート125の製造装置である。リチウムイオン電池の製造装置は、金属箔である電極箔(集電箔等とも呼ぶ)110を搬送する搬送部と、電極箔110の表面(第1面)111上にスラリ状の電極材料122を塗布する第1塗工部108と、電極箔110の電極材料122上にスラリ状の絶縁材料124を塗布する第2塗工部109と、を有している。さらに、電極材料122および絶縁材料124を乾燥させて電極箔110上に電極材料122からなる電極膜126と、電極膜126上に絶縁材料124からなるセパレータ(絶縁膜)124aと、を形成する乾燥炉(乾燥部)130と、電極シート125の静電容量を測定する第1測定部144と、電極シート125の膜厚を測定する第2測定部145と、を有している。さらに、第1測定部144による静電容量の測定結果と、第2測定部145による電極シート125の膜厚の測定結果とに基づいて、電極箔110上の電極膜126の膜厚を求める図7に示す制御装置(演算部)1404を有している。
また、リチウムイオン電池の製造装置は、薄い板状で、かつ後述する図8に示す表面111と裏面(第2面)112を備えた電極箔110を送り出す送り出しロール101と、電極箔110を巻き取る巻き取りロール107とを有している。これにより、電極箔110は、送り出しロール101と巻き取りロール107との間で、複数のローラ102,103,104,105,106に支えられながら搬送方向Sに搬送される。ここでは、電極箔110を一定速度で搬送するため複数のローラを使用しており、これら複数のローラをローラ搬送系、つまり搬送部と呼ぶ。
電極箔110の搬送経路には、送り出しロール101側から巻き取りロール107側に向かって順に、第1塗工部108、第2塗工部109、乾燥炉130、第1測定部144および第2測定部145が設けられている。
第1塗工部108には、スラリ状の電極材料122を吐出するコータ121と、コータ121に対向するローラ102と、が配置されており、搬送される電極箔110は、コータ121とローラ102との間を通る。そして、第1塗工部108において、スラリ状の所定量の電極材料122がコータ121から電極箔110上に塗布される。
なお、図1に示すリチウムイオン電池10の電極を構成する電極膜126を形成するために用いる電極材料122は、充放電によりリチウムイオン113の放出・吸蔵が可能な活物質と導電助剤の粉末を、これら粉末を結着させるためのバインダおよび溶剤等と混練・調合した高粘度なスラリ状の液体である。
一方、第2塗工部109には、スラリ状の絶縁材料124を吐出するコータ123と、コータ123に対向するローラ103と、が配置されており、搬送される電極箔110は、コータ123とローラ103との間を通る。そして、第2塗工部109において、スラリ状の所定量の絶縁材料124がコータ123から電極箔110上の電極材料122上に塗布される。つまり、電極箔110上において、電極材料122上に絶縁材料124が積層される。
乾燥炉130では、搬送された電極箔110上の電極材料122と絶縁材料124とが熱風加熱され、固まる。すなわち、電極材料122が熱風加熱されて電極膜126になり、絶縁材料124が加熱されてセパレータ124aになる。これにより、電極箔110上に電極膜126とセパレータ124aとが積層されて電極シート125が形成される。
また、第1測定部144には、複数の静電容量測定電極140と、複数の静電容量測定電極141と、が設けられており、さらに、静電容量測定電極140,141と対向して配置されたローラ105が設けられている。ローラ105は、金属部分を備えた第1金属ローラである。
第1測定部144では、回転自在に取り付けられた静電容量測定電極140および静電容量測定電極141が電極シート125のセパレータ124aに押し当てられた状態で静電容量の測定が行われる。そして、この静電容量の測定結果から電極シート125のセパレータ124aの部分の膜厚を求める。なお、図8に示すように、静電容量測定電極140,141のそれぞれの外周部には、導電性ゴム(導電性弾性体)1401,1411が取り付けられている。
また、第2測定部145には、マイクロメータ142と、マイクロメータ142に対向するローラ106とが配置されている。これにより、第2測定部145では、マイクロメータ142によって、搬送された電極シート125における電極膜126とセパレータ124aとを含めた全膜厚を測定する。
本実施の形態のリチウムイオン電池の製造装置では、上記全膜厚の測定結果に基づいて、予め把握している電極箔110の厚さと、第1測定部144で静電容量を測定して求めたセパレータ124aの膜厚とを、上記全膜厚から差し引くことにより、電極シート125の電極膜126の厚さを、オンライン上でリアルタイムで把握することができる。そして、電極材料122の塗布膜厚の制御に短時間でフィードバックしてリチウムイオン電池10の生産効率を向上させることができる。
<リチウムイオン電池の製造方法>
以下に、リチウムイオン電池の製造方法について、図3に示すフローに沿って具体的に説明する。図3は本発明の実施の形態のリチウムイオン電池の製造手順の一例を示すフロー図である。
リチウムイオン電池10を構成する正極および負極のそれぞれは、電極箔110の材料および電極箔110に塗工する膜の材料等に違いはあるが、基本的に同様の工程により製造される。そこで、以下では、正極および負極のそれぞれの製造工程を分けずに説明する。例えば、後述の塗工材料である電極材料122は、正極用の材料である場合と、負極用の材料である場合とを含んでおり、それぞれの場合において、異なる材料により構成される。ここで、正極の製造工程において、正極用の材料からなる電極箔110および塗工材料を用い、負極の製造工程のみに用いられる材料を使用しないことは言うまでもない。また、負極の製造工程においても同様に、負極用の材料からなる電極箔110および塗工材料を用い、正極の製造工程のみに用いられる材料を使用しないことは言うまでもない。
1.電極板(正極板および負極板)製造
<混錬・調合工程>
本実施の形態によるリチウムイオン電池の製造工程では、まず、リチウムイオン電池の正極または負極をそれぞれ形成するための電極材料122を混錬・調合する。
<第1の塗工工程(電極材料)>
次に、図2に示す調整したスラリ状の電極材料122を、ローラ102に対向するように配置された第1塗工部に備わるコータ121を用いて、送り出しロール101から供給されるフィルム状の電極箔110の表面上に薄く、均一に塗工する。なお、第1塗工部108において、コータ121として、例えばスリットダイコータを用いることができるが、電極材料122を塗工する装置として、他の装置を用いてもよい。
<第2の塗工工程(絶縁材料)>
次に、スラリ状の絶縁材料124を、ローラ103に対向するように配置された第2塗工部に備わるコータ123を用いて、電極材料122の表面上に薄く、均一に塗工する。ここで、第2塗工部には、例えばスリットダイコータを用いることができるが、絶縁材料124を塗工する装置として、他の装置を用いてもよい。なお、絶縁材料124は、例えば、ポリマー系の樹脂材料である。
<乾燥工程>
次に、第1の塗工工程により電極材料122を塗工し、さらに、第2の塗工工程により絶縁材料124を塗工した電極箔110を、熱風乾燥炉である乾燥炉130内に搬送する。乾燥炉130内では、電極材料中および絶縁材料中の溶剤成分を加熱して蒸発させることで、電極材料122および絶縁材料124を乾燥させ、図8に示す電極膜126および絶縁膜であるセパレータ124aを一括で形成する。すなわち、塗工された電極材料122は乾燥工程により電極膜126となり、塗工された絶縁材料124は乾燥工程によりセパレータ124aとなる。これにより、電極箔110と、電極箔110の片面(第1面である表面111)に順に積層された電極膜126およびセパレータ124aからなる電極シート125、つまり正極板または負極板がそれぞれ形成される。
<膜厚測定工程>
第1の膜厚測定により、第1測定部144において、静電容量を測定してセパレータ124aの膜厚を求める。
次に、第2の膜厚測定により、第2測定部145において、電極膜126とセパレータ124aを含む電極シート125の全膜厚を測定し、予め把握している電極箔110の厚さと、第1測定部144で求めたセパレータ124aの膜厚とを、上記全膜厚から差し引くことにより、電極シート125の電極膜126の厚さを、オンライン上で把握する。
なお、本膜厚測定工程における第1の膜厚測定と第2の膜厚測定の詳細については、別途説明する。
その後、電極シート125は巻き取りロール107に巻き取られる。
<加工工程>
次に、電極箔110に対し、圧縮および切断等の加工を行う。なお、ここでは、電極箔110の片面(表面、第1面)に電極膜(正極層または負極層)126およびセパレータ124aを形成した電極シート(正極板または負極板)125を製造する例を説明した。電極箔110の両面(表面111と裏面112)に電極膜126およびセパレータ124aを形成した電極シート125を製造する場合には、まず、電極箔110の表面111に対して、<混錬・調合工程>、<第1の塗工工程(電極材料)>、<第2の塗工工程(絶縁材料)>、<乾燥工程>および<膜厚測定工程>を行う。その後、<加工工程>を行う前に、巻き取りロール107に巻き取られた電極シート125を反転させて、再度同一の工程を経て、電極箔110の裏面112を塗工する(後述する図9参照)。
2.電池セル組立
<捲回工程>
次に、正極板(電極シート125)から電池セルに必要な大きさの、図8に示す正極(電極箔110と電極膜126)およびセパレータ124aを切り出す。同様に、負極板(電極シート125)から電池セルに必要な大きさの負極(電極箔110と電極膜126)およびセパレータ124aを切り出す。続いて、その表面111にセパレータ124aが形成された正極と、その表面111にセパレータ124aが形成された負極とを重ねた後、この積層体を捲き合わせる。
<溶接・組立工程>
次に、セパレータ124aを挟んで捲き合わせた正極および負極の電極対の群を組み立てて溶接する。この溶接・組立工程では、例えば正極集電タブにアルミニウムリボンを捲きつけ、このアルミニウムリボンに正極集電タブを超音波溶接で接続する。
<抽液工程>
次に、溶接したこれらの電極対の群を図1に示す外装缶(電池缶)20に配置した後、電解液114を注入する。
電解液114は、非水電解液が使用される。リチウムイオン電池10は、活物質へのリチウムイオン113の挿入および活物質からのリチウムイオン113の脱離を利用して充放電を行う電池であり、リチウムイオン113が電解液中を移動する。リチウムは、強い還元剤であり、水と激しく反応して水素ガスを発生する。従って、リチウムイオン113が電解液114中を移動するリチウムイオン電池10では、水溶液を電解液114に使用することができない。このことから、リチウムイオン電池10では、電解液114として非水電解液が使用される。
<封口工程>
次に、外装缶20を完全に密閉することで、電池セルを作製する。
<充放電工程>
次に、作製された電池セルを繰り返し充放電する。
<電池セル検査工程>
次に、この電池セルの性能および信頼性に関する検査(例えば電池セルの容量および電圧、充電または放電時の電流および電圧の検査等)を行う。これにより、リチウムイオン電池10の電池セルが完成する。
3.モジュール組立
次に、モジュール組立工程では、電池セルを複数個直列に組み合わせて電池モジュールを構成し、さらに、充/放電制御用コントローラを接続して電池モジュール(電池システム)を構成する(モジュール組立)。その後、モジュール検査工程において、モジュール組立て工程で組立てられた電池モジュールの性能および信頼性に関する検査(例えば、電池モジュールの容量や電圧、充電または放電時の電流や電圧等の検査)を行う(モジュール検査)。
なお、上記電極シート125の組立てでは、正極の電極シート125と負極の電極シート125の両方に絶縁材料124を塗布してセパレータ124aを形成する場合を説明したが、正極か負極のいずれか一方のみに絶縁材料124を塗布してセパレータ124aを形成し、これらの電極シート125を捲回するようにしてもよい。
<膜厚測定工程の詳細>
図4は本発明の実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法に用いられる絶縁膜の厚さと静電容量の関係の一例を示すグラフ図、図5は本発明の実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法に用いられる電極膜の厚さと静電容量の関係の一例を示すグラフ図、図6は図2に示すリチウムイオン電池の製造装置における第1測定部の構造の一例を示す概略図である。
さらに、図7は図2に示すリチウムイオン電池の製造装置における制御系の接続状態の一例を示すブロック構成図、図8は図2に示すリチウムイオン電池の製造装置における測定時のローラ押圧状態の一例を示す拡大部分平面図である。
ここで、本実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法における膜厚測定の考え方について説明する。
本実施の形態では、セパレータ124aの静電容量がセパレータ124aの厚さと反比例の関係であることに着目している。まず、電極材料122と絶縁材料124が塗布され乾燥された電極シート125の静電容量を測定し、この静電容量からセパレータ124aの膜厚を換算する。そして、静電容量を測定した位置と同じ位置でレーザ変位計やマイクロメータ142等で全膜厚を測定し、上記全膜厚の測定結果から、電極箔110とセパレータ124aの厚さを差し引き、電極膜126の厚さを求めるものである。
図4は電極材料122と絶縁材料124が塗布・乾燥された電極シート125の静電容量と、静電容量を測定した位置と同じ位置の断面SEM像より求めたセパレータ124aの厚さとの関係を示す。以下に示す数1式は、静電容量(C)を表す式C=ε×(S/d)、Sは面積、dは厚さ、εは誘電率、から求めたものであり、図4の関係を数1式でフィッテイングすると、a=1760、b=11.8で、決定係数r2=0.9989となる。その結果、セパレータ124aの厚さは静電容量で決定できることがわかる。なお、dは絶縁膜(セパレータ124a)の厚さで、cは静電容量である。また、bは補正係数である。
d=a/c+b・・・数1式
さらに、電極膜126の厚さの影響を確認するために、電極膜126の厚さを変化させた時の静電容量を測定した。その結果を図5に示す。図5より、電極膜126の厚さが変化した場合でも静電容量は変化しないことが分かった。すなわち、静電容量は同じセパレータ124aを用いた場合、電極膜126の厚さの変化に影響されず、セパレータ124aの厚さだけで変化することが証明された。
次に、本実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法を、図2および図6を用いて詳しく説明する。
図8に示す表面111と裏面112とを備えた電極箔110は、図2に示すように、送り出しロール101から連続的に送り出され、第1塗工部108において、ローラ102に対向するコータ121から供給されるスラリ状の電極材料122が電極箔110に塗布される。次いで、第2塗工部109において、ローラ103に対向するコータ123から供給されるスラリ状の絶縁材料124が、電極箔110に塗布された電極材料122上に塗布される。
次いで、搬送された電極箔110は、乾燥炉130内を通過する。乾燥炉130内では、電極箔110に熱風が供給される。したがって、電極箔110が乾燥炉130内を通過することで電極材料122および絶縁材料124は加熱され乾燥される。これにより、図8に示すように、電極箔110上に、電極材料122からなる電極膜126と、電極膜126上に絶縁材料124からなるセパレータ124aと、を形成する。
次いで、図2に示すように、電極箔110は第1測定部144に搬送され、第1測定部144において、電極膜126とセパレータ124aとが形成された電極シート125の静電容量を測定する。
ここで、第1測定部144では、図6に示すように、複数の静電容量測定電極140および複数の静電容量測定電極141が設けられている。静電容量測定電極140および静電容量測定電極141のそれぞれは、回転自在な回転電極であり、図8に示すように静電容量測定電極140の外周部には導電性ゴム(導電性弾性体)1401が取り付けられ、静電容量測定電極141の外周部には、導電性ゴム(導電性弾性体)1411が取り付けられている。
本実施の形態の第1測定部144では、複数の回転自在な回転電極である静電容量測定電極140および静電容量測定電極141を電極シート125のセパレータ124aに押し当てて静電容量を測定する。
すなわち、第1測定部144において、図8に示すように、回転自在な静電容量測定電極140および静電容量測定電極141が、それぞれ電極シート125のセパレータ124aに押し当てられた状態で静電容量の測定が行われる。
なお、静電容量測定電極140および静電容量測定電極141は、個々に回転自在に設けられたローラ状のものであり、例えば、円盤状の金属部材の外周部に導電性ゴム1401,1411が取り付けられた構造となっている。そして、電極箔110の搬送時および静電容量の測定時には、導電性ゴム1401,1411の部分が絶縁膜であるセパレータ124aに接触する。
一例として、静電容量測定電極140および静電容量測定電極141は、厚さ10mm程度の回転電極であり、この回転電極の外周部分が導電性ゴム1401,1411で構成されており、それぞれの回転電極は電気的に絶縁されている。
これにより、図2に示すように、電極箔110がローラ105に対向する静電容量測定電極140を通過するときに第1の静電容量が測定され、ローラ105に対向する静電容量測定電極141を通過する時に第2の静電容量が測定される。
なお、図6に示すように、各静電容量測定電極140および各静電容量測定電極141のそれぞれは、配線146を介して信号切替装置1402および静電容量測定装置(静電容量測定部)1403と電気的に接続されている。
静電容量測定装置1403の測定条件は、一例として、100kHz、100mVである。この場合、100kHzの周波数で測定するため、1秒間に10数カ所の測定を行うことができる。すなわち、1秒間に、複数設けられた静電容量測定電極140および静電容量測定電極141のうちの10数カ所に亘って静電容量の測定を行うことができる。その際、1秒間に10数カ所の測定を行うための静電容量測定電極140および静電容量測定電極141による測定箇所の切り替えを信号切替装置1402で行っている。つまり、信号切替装置1402により各電極の信号が切り替えられ、静電容量測定装置1403に各電極の信号が送信される。
なお、各静電容量測定電極140および各静電容量測定電極141に電圧を印加する図7に示す電源147は、例えば、第1測定部144に設けられた静電容量測定装置(静電容量測定部)1403に設けられている。そして、演算部を含む制御装置1404は、静電容量測定装置1403と電気的に接続され、さらに、制御装置1404は、第2測定部145のマイクロメータ142とも電気的に接続されている。ただし、電源147は、例えば、制御装置1404等の静電容量測定装置1403以外の他の装置に設けられていてもよい。
また、第1測定部144では、図8に示すように、電極箔110の裏面(第2面)112と、電極シート125を搬送するローラ(第1金属ローラ)105と、を接触させた状態で静電容量の測定を行う。
すなわち、ローラ105は、金属であり、電極箔110の裏面112をローラ105に接触させることで、電極箔110の裏面112からローラ105を介して共通電極に電気的に接続させることができる。
また、第1測定部144では、それぞれに回転自在な複数の静電容量測定電極140および複数の静電容量測定電極141のそれぞれを、電極シート125のセパレータ124aとの接触面積が一定になるようにセパレータ124aに押し当てて静電容量を測定する。つまり、それぞれに回転自在な複数の静電容量測定電極140および複数の静電容量測定電極141のそれぞれが、電極シート125のセパレータ124aとの接触面積が一定になるようにセパレータ124aに押し当てられた状態で静電容量の測定が行われる。
言い換えると、複数の静電容量測定電極140および複数の静電容量測定電極141のセパレータ124aとの接触面積が略一定となるように(接触面積の変動が小さくなるように)、複数の静電容量測定電極140および複数の静電容量測定電極141をセパレータ124aに押し付けている。すなわち、複数の静電容量測定電極140および複数の静電容量測定電極141は、複数の静電容量測定電極140および複数の静電容量測定電極141のそれぞれが、セパレータ124aへの押し圧が一定になるように制御されており、これにより、膜厚の変動による接触面積の変動が抑制される。そして、各電極からの信号が信号切替装置1402を介して静電容量測定装置1403に入力され、静電容量の大きさを測定することができる。
さらに、静電容量測定装置1403と接続された、演算部を含む制御装置1404において、静電容量の大きさからセパレータ124aの厚さを算出する。その際、上述の数1式(d=a/c+b)を用い、測定した静電容量の数値を代入してセパレータ124aの膜厚(d)を求める。
なお、回転電極である複数の静電容量測定電極140および複数の静電容量測定電極141はそれぞれ、例えば、10mmピッチで並んで配置されている。図6に示す例では、静電容量測定電極140が10個、静電容量測定電極141が9個設けられており、合計19個の回転電極が設けられている。その際、複数の静電容量測定電極140および複数の静電容量測定電極141は、電極シート125の幅方向(図2の搬送方向Sに交差する方向)に対して千鳥配列で設けられている。すなわち、複数の静電容量測定電極140と複数の静電容量測定電極141とが、電極シート125の幅方向に対して千鳥配列に配置された状態で電極シート125のセパレータ124aに押し当てられている。
複数の静電容量測定電極140と複数の静電容量測定電極141とが、千鳥配列で設けられていることにより、少ない面積で、より多くの箇所の静電容量(膜厚)を測定することができ、電極材料122の塗布量を高精度に求めることができる。
第1測定部144における電極シート125の静電容量の測定終了後、電極シート125は、第2測定部145に搬送される。そして、第2測定部145において、電極シート125の膜厚を測定する。ここでは、マイクロメータ142を用いて電極膜126とセパレータ124aの厚さを含む電極シート125の全膜厚を測定する。その際、第1測定部144で静電容量を測定した位置と同じ位置の全膜厚をマイクロメータ142で測定する。
その後、制御装置1404において、セパレータ124aの膜厚と電極膜126の膜厚とがリアルタイムで計算される。
すなわち、第1測定部144における静電容量の測定結果と、第2測定部145における電極シート125の全膜厚の測定結果とに基づいて、制御装置1404において電極シート125の電極膜126の膜厚を求める。具体的には、制御装置1404において、静電容量の測定結果からセパレータ124aの膜厚を算出し、さらに電極シート125の全膜厚の値から、予め把握している電極箔110の厚さと、上記算出したセパレータ124aの膜厚とを差し引くことにより、電極シート125の電極膜126の厚さを求めることができる。
このように本実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法は、電極材料122の塗工、絶縁材料124の塗工、電極材料122と絶縁材料124の乾燥、電極シート125の静電容量の測定および電極シート125の膜厚測定を、図2に示す同一のリチウムイオン電池の製造装置で行うものである。
ここで、本実施の形態の図2に示すリチウムイオン電池の製造装置を用いて行った電極膜126の測定の結果について説明する。電極材料122と絶縁材料124とを連続して塗布・乾燥し、乾燥後の塗布膜の静電容量を面内の19点で測定した。事前に測定した絶縁膜(セパレータ124a)の厚さと静電容量の関係から、セパレータ124aの厚さを求めた。さらに、マイクロメータ142による全膜厚の測定結果から、電極箔110とセパレータ124aのそれぞれの厚さを差し引き、電極シート125の電極膜126の厚さを求めた。これにより、塗布方向(搬送方向)および垂直方向(電極シート125の幅方向)に対する電極膜126の厚さの面内分布が明確となり、プロセスへのフィードバックが短時間でできることが確認できた。
本実施の形態のリチウムイオン電池の製造方法および製造装置によれば、電極材料122上に絶縁材料124が塗布された電極シート125を製造するリチウムイオン電池の製造ラインにおいて、オフラインとすることなく、オンラインで電極シート125の電極膜126の膜厚測定を行うことができる。
これにより、電極シート125の電極膜126の厚さの経時変化を、オンラインでリアルタイムに明確に把握することができる。その結果、電極材料122の塗布膜厚の制御(プロセス)に短時間でフィードバックしてリチウムイオン電池10の生産効率を向上させることができる。
例えば、リチウムイオン電池10の容量は、正確な大きさでなければならないため、フィードバックにより、切断する電極シート125の長さを決定することができる。電極膜126の厚さ(量)が規格から外れた際には、フィードバックにより、塗工装置においてスラリ状の電極材料122をコータ121に供給するポンプの回転数を変える制御を行うことで、迅速に塗布量が規格内に収まるように制御することができる。
これにより、リチウムイオン電池10の生産効率を向上させることができる。
<変形例>
図9は変形例のリチウムイオン電池の製造装置における測定時のローラ押圧状態を示す拡大部分平面図である。図9に示す構造では、両面塗布電極の場合の共通電極側の接続方法を示している。
両面塗布電極の場合、電極箔110の表面111および裏面112のそれぞれに、電極膜126とセパレータ124aとが形成された電極シート125に対し、第1測定部144において、電極箔110の表面111および裏面112のそれぞれに、金属製の補助ローラ(第2金属ローラ)143が接触した状態で静電容量の測定を行う。
すなわち、両面塗布電極の場合は、ローラ105が電極箔110に接していないため、電極箔110との電気的接点を金属製の補助ローラ143を使って共通電極に接続する。
これにより、電極箔110の表面111および裏面112のそれぞれにおいて、補助ローラ143を介して共通電極に電気的に接続した状態で静電容量の測定を行うことができる。
<他の変形例>
図10は他の変形例のリチウムイオン電池の製造装置の一例を示す概念図、図11は図10に示すリチウムイオン電池の製造装置における測定部の構造を示す部分斜視図、図12は図11に示す測定部における制御系の接続状態を示すブロック構成図である。
図10に示す他の変形例のリチウムイオン電池の製造装置は、静電容量測定と膜厚測定とを同一箇所で、かつ同時に行うものであり、ここでは、図10に示す測定部150で静電容量測定と膜厚測定とを同時に行う場合について説明する。測定部150には、図11に示すようにローラ105に対向して複数(ここでは、例えば3個)の静電容量測定電極140が回転自在に設けられており、これら静電容量測定電極140のそれぞれにマイクロメータ142も設けられている。なお、図12に示すように、静電容量測定電極140のそれぞれの外周部には、導電性ゴム(導電性弾性体)1401が取り付けられている。そして、演算部を含む制御装置1404は、静電容量測定装置1403と電気的に接続され、さらに、静電容量測定装置1403は、静電容量測定電極140と電気的に接続されている。また、制御装置1404は、マイクロメータ142とも電気的に接続されている。
これにより、図10に示すリチウムイオン電池の製造装置の測定部150では、回転自在に取り付けられた複数の静電容量測定電極140のそれぞれが電極シート125のセパレータ124a(図8参照)に押し当てられた状態で静電容量の測定が行われる。そして、この静電容量の測定結果から電極シート125のセパレータ124aの部分の膜厚を求める。この時、測定部150では、静電容量測定電極140のそれぞれにマイクロメータ142が設けられているため、静電容量の測定と同時に、マイクロメータ142によって、搬送された電極シート125における電極膜126(図8参照)とセパレータ124aとを含めた全膜厚を測定することができる。
そして、上記全膜厚の測定結果から、電極箔110とセパレータ124aの厚さを差し引き、電極膜126の厚さを求める。
図10に示す他の変形例のリチウムイオン電池の製造装置によれば、静電容量測定電極140にマイクロメータ142が設けられているため、これらの部材の取り付けが一カ所でよく、取り付け作業を容易にすることができ、また、取り付けスペースの効率も向上させることができる。
さらに、静電容量測定電極140にマイクロメータ142が設けられていることで、膜厚の測定位置と、静電容量の測定位置との相対誤差が生じない。これにより、測定精度を向上させることができる。なお、静電容量測定電極140の外周部に取り付けられた導電性ゴム1401は、測定力に対する変位が測定精度に影響しない程度の剛性を有することが好ましい。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、上記実施の形態では、複数の静電容量測定電極140および複数の静電容量測定電極141が、千鳥配列で2列に並んで設けられている場合を説明したが、複数の静電容量測定電極140および複数の静電容量測定電極141は一緒に1列に設けられていてもよい。
また、上記実施の形態では、リチウムイオン電池を例に挙げて、本願発明の技術的思想について説明したが、本願発明の技術的思想は、リチウムイオン電池に限定されるものではなく、正極、負極、および、正極と負極とを電気的に分離するセパレータとを備える蓄電デバイス(例えば、電池やキャパシタ等)に幅広く適用することができる。
また、電極シート125の静電容量の測定と、電極シート125の膜厚の測定とについては、どちらの測定を先に行ってもよく、あるいは同時に行ってもよい。さらに、電極シート125の静電容量の測定と、電極シート125の膜厚の測定は、同一の測定部で行ってもよく、あるいはそれぞれ別々に設けられた測定部で行ってもよい。
10 リチウムイオン電池
101 送り出しロール(搬送部)
105 ローラ(搬送部、第1金属ローラ)
108 第1塗工部
109 第2塗工部
110 電極箔
111 表面(第1面)
112 裏面(第2面)
122,122a,122b 電極材料
123 コータ
124 絶縁材料
124a セパレータ(絶縁膜)
125,125a,125b 電極シート
140 静電容量測定電極
141 静電容量測定電極
144 第1測定部
145 第2測定部
1401,1411 導電性ゴム(導電性弾性体)
1403 静電容量測定装置(静電容量測定部)

Claims (15)

  1. (a)第1面と、その反対側の第2面と、を備えた電極箔の前記第1面上にスラリ状の電極材料を塗布する工程、
    (b)前記電極材料上にスラリ状の絶縁材料を塗布する工程、
    (c)前記電極材料および前記絶縁材料を乾燥させて、前記電極箔上に前記電極材料からなる電極膜と、前記電極膜上に前記絶縁材料からなる絶縁膜と、を有する電極シートを形成する工程、
    (d)前記電極シートの静電容量を測定する工程、
    (e)前記電極シートの膜厚を測定する工程、
    を有し、
    前記静電容量の測定結果と前記電極シートの膜厚の測定結果に基づいて、前記電極箔上の前記電極膜の膜厚を求める、リチウムイオン電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記(d)工程で、回転自在な導電性弾性体を前記電極シートの前記絶縁膜に押し当てて前記静電容量を測定する、リチウムイオン電池の製造方法。
  3. 請求項2に記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記導電性弾性体として導電性ゴムを用いる、リチウムイオン電池の製造方法。
  4. 請求項1に記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記(d)工程で、それぞれに回転自在な複数の導電性弾性体を、前記複数の導電性弾性体のそれぞれと前記電極シートの前記絶縁膜との接触面積が一定になるように、前記絶縁膜に押し当てて前記静電容量を測定する、リチウムイオン電池の製造方法。
  5. 請求項4に記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記複数の導電性弾性体は、前記電極シートの幅方向に対して千鳥配列で設けられている、リチウムイオン電池の製造方法。
  6. 請求項1に記載のリチウムイオン電池の製造方法において、
    前記(a)工程〜前記(e)工程の処理を同一の製造装置で行う、リチウムイオン電池の製造方法。
  7. 第1面と、その反対側の第2面と、を備えた電極箔を搬送する搬送部と、
    前記電極箔の前記第1面上にスラリ状の電極材料を塗布する第1塗工部と、
    前記電極材料上にスラリ状の絶縁材料を塗布する第2塗工部と、
    前記電極材料および前記絶縁材料を乾燥させて、前記電極箔上に前記電極材料からなる電極膜と、前記電極膜上に前記絶縁材料からなる絶縁膜と、を有する電極シートを形成する乾燥部と、
    前記電極シートの静電容量を測定し、かつ前記電極シートの膜厚を測定する測定部と、
    前記測定部による前記静電容量の測定結果と、前記電極シートの膜厚の測定結果と、に基づいて、前記電極箔上の前記電極膜の膜厚を求める演算部と、
    を有する、リチウムイオン電池の製造装置。
  8. 請求項7に記載のリチウムイオン電池の製造装置において、
    前記測定部は、前記電極シートの静電容量を測定する第1測定部と、前記電極シートの膜厚を測定する第2測定部と、を含み、
    前記演算部は、前記第1測定部による前記静電容量の測定結果と、前記第2測定部による前記電極シートの膜厚の測定結果と、に基づいて、前記電極箔上の前記電極膜の膜厚を求める、リチウムイオン電池の製造装置。
  9. 請求項8に記載のリチウムイオン電池の製造装置において、
    前記第1測定部で、回転自在な導電性弾性体が前記電極シートの前記絶縁膜に押し当てられた状態で前記静電容量の測定が行われる、リチウムイオン電池の製造装置。
  10. 請求項9に記載のリチウムイオン電池の製造装置において、
    前記導電性弾性体は導電性ゴムである、リチウムイオン電池の製造装置。
  11. 請求項8に記載のリチウムイオン電池の製造装置において、
    前記第1測定部で、それぞれに回転自在な複数の導電性弾性体が、前記複数の導電性弾性体のそれぞれと前記電極シートの前記絶縁膜との接触面積が一定になるように前記絶縁膜に押し当てられた状態で前記静電容量の測定が行われる、リチウムイオン電池の製造装置。
  12. 請求項11に記載のリチウムイオン電池の製造装置において、
    前記複数の導電性弾性体は、前記電極シートの幅方向に対して千鳥配列に配置された状態で前記電極シートの前記絶縁膜に押し当てられている、リチウムイオン電池の製造装置。
  13. 請求項12に記載のリチウムイオン電池の製造装置において、
    前記第1測定部で、前記電極箔の前記第2面と、前記電極箔を搬送する第1金属ローラと、が接触した状態で前記静電容量の測定が行われる、リチウムイオン電池の製造装置。
  14. 請求項12に記載のリチウムイオン電池の製造装置において、
    前記電極箔の前記第1面および前記第2面のそれぞれに前記電極膜および前記絶縁膜が形成された前記電極シートに対し、前記第1測定部において、前記電極箔の前記第1面および前記第2面のそれぞれに第2金属ローラが接触した状態で前記静電容量の測定が行われる、リチウムイオン電池の製造装置。
  15. 請求項12に記載のリチウムイオン電池の製造装置において、
    前記第1測定部に設けられた静電容量測定部に、前記導電性弾性体に電圧を印加する電源が設けられている、リチウムイオン電池の製造装置。
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