JP4977818B1 - 充填材及びその製造方法、並びにこの充填材を用いた充填工法 - Google Patents

充填材及びその製造方法、並びにこの充填材を用いた充填工法 Download PDF

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Abstract

【課題】ブリーディングや材料分離を生じずに長距離圧送性に優れ、低コストとなる充填材及びその製造方法、並びにこの充填材を用いた充填工法を提供する。
【解決手段】充填材は、繊維質材、クリンカアッシュ、ベントナイト、水、を混合した骨材に、セメント、水、及び気泡を混合してなる。その配合比率は、骨材8.0〜49.0重量%、セメント20.0〜57.0重量%、水29.0〜36.0重量%、及び気泡剤及び希釈水1.2〜2.0重量%であり、気泡剤及び希釈水は攪拌して空気量を30%〜40%の気泡として混合する。製造方法は、まず、工場等で予め骨材を製造し、この骨材にセメントと水とを混練させて水硬性スラリーを製造し、水硬性スラリーに気泡剤及び希釈水を攪拌して得た気泡を混練させるものである。充填工法は、圧送ポンプによる所定圧力をもって圧送し、廃棄管内に充填する。
【選択図】なし

Description

本願発明は、ブリーディングの発生を抑えながら長距離圧送を可能とする充填材、及びその製造方法、並びにこの充填材を用いた充填工法に関する。
近年、使用を廃止した送水管や作業用トンネル等が、地中に埋没状態で放置されたままとなっており、全国的に多数存在しているのが現状である。このような空洞域をもった地下埋没物は、地盤陥落、細菌や動物の巣窟となる恐れがあるため、完全撤去や空間域の中実処理が必要である。
しかし、これら地下埋没物の中には、過去に上水や下水等の送水管として使用した空洞域が管路状になったもの(以下、「廃棄管」と称する。)がある。この廃棄管の中には、数kmに渡るものもあり、その撤去には長距離に渡る地面の掘削開放が必要であった。この工事には地上の施設への配慮や交通の遮断などが必要となって、現実的には不可能な場合が多かった。
そこで、これに代わるものとして、廃棄管内に充填材を圧送注入して中実化する工法が採られている。具体的には、エアーモルタルやエアーミルクを圧送して充填する工法である。
ここで、エアーモルタルとは、セメント、骨材(主に、洗い砂)、水を混合して練り合わせた(以下、「混練」と称する。)スラリー状のモルタルと、気泡剤や希釈水で発泡させた気泡とを混練して製造したものであり、エアーミルクとは、セメント、水に発泡させた気泡を混練して製造したものである。
また、上記一般的なエアーモルタルやエアーミルクの他に、種々物性の材料を所定の割合で配合させた充填材やその製造方法が採られ、その技術が開示されている。例えば、特許文献1には、水、セメント系固化材から選ばれる水硬性粉体、粘土硬物質、フライアッシュ等から選ばれる助剤、アルミナ、石膏等から選ばれる刺激材を含有する水硬性スラリーと、スルホン基を有する芳香属化合物、及びその塩とアルキルトリメチルアンモニウム塩とからなるスラリー改質剤を含有してなる空隙充填材が開示されている。
特許文献2には、セメント・ベントナイトを主材として、これにポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸カルシウムを加えて流動性と作業時間を確保し、さらに金属アルミニウムを添加して水素ガスを発生させることにより発泡・膨潤させる中詰め材が開示されている。
特開2004―67453号公報(第3―6頁) 特開2007―169974号公報(第3―6頁)
上記のエアーモルタルやエアーミルク(以下、「エアーモルタル等」と称する。)は、廃棄管に充填するために圧送(ポンプ等により圧力を加えて送り出すこと。)している途中や充填後にブリーディングが発生する問題があった。ブリーディングとは、その構成材料内で比重の最も小さい水が、骨材、セメント粒子の分離や沈降に伴ってモルタルの上面に上昇する現象である。そして、その内部においてセメント粒子や骨材と水分の一体性が崩れた状態である材料分離を起こした場合には、ブリーディングが顕著となる傾向があった。
このブリーディングや材料分離は、エアーモルタル等の次の特性によって生じるものである。エアーモルタル等は、その内部に多数の気泡を包含しているため、廃棄管に充填のため圧送すると圧力の偏りや、その他の外力によって内部に気泡が合体した気泡群を形成する。この気泡群はある程度大きくなると浮力が増して上昇すると共に界面において消泡、つまり、気泡膜を消滅させて希釈水に戻る結果、水分のみが上方に偏ってブリーディングが生じ、内部では材料分離が生じていた。
また、圧送時の圧力の偏りは、エアーモルタル等の気泡や気泡群を内部に留めおいた状態で消泡させることもあった。この消泡によっても気泡膜は希釈水に戻り、エアーモルタル等の全体水分量が増加する結果、材料分離を生じ易くなっていた。これとは逆に、内部に多数の気泡が合体した大きな気泡を生じさせる場合もあり、この点からも材料分離を生じ易くしていた。
上記ブリーディングや材料分離の要因となる気泡の消泡や合体は、エアーモルタル等内での気泡数の減少や偏りを生じさせるために流動性を低下させ、長距離圧送を困難とする要因となっていた。
また、ブリーディングの発生後にエアーモルタル等が硬化すれば、硬化後に廃棄管内周との間に大きな空洞が形成されることとなった。ブリーディングに至らなくても、材料分離によって気泡が合体した大きな気泡が内部に留まり、硬化後の内部に大きな空洞が形成される場合もあった。これらの空洞は充填後の廃棄管等の強度不足の要因となり、本来の充填目的を十分に達成できなくなる問題があった。
さらに、廃棄管内に滞留した汚水(以下、「滞留水」と称する。)がある場合には、エアーモルタル等と滞留水が混合してエアーモルタル等が希釈されることとなった。この場合、材料分離やブリーディングの発生が顕著となって、硬化後に大きな空洞が廃棄管の内部に形成されることとなった。現状では、エアーモルタル等と滞留水との混合を防止するために、充填及び圧送するエアーモルタル等が充填側とは反対側の廃棄管の出口から希釈されない状態で流出(ブロー)するまで充填を実施する必要があった。このため、長距離圧送が困難となるだけでなく、充填目的量以上のエアーモルタル等を消費するためにコスト的に問題があった。
特許文献1の空隙充填剤においては、分離抵抗性の向上の要因となる粘性を増大させるため、スルホン基を有する芳香族化合物、及びアルキルトリメチルアンモニウム塩、等の保管や取り扱いが煩雑なスラリー改質剤を必要としていた。これらスラリー改質剤は、コストアップ要因であった。また、特許文献2の中詰め剤においても、流動性や遅延性を向上させるために、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸カルシウムの高価な混和剤を加える必要があり、特許文献1の場合と同様にコストアップ要因であった。
そこで、本願発明は、上記したように未だ解決に至っていない問題点に着目し、廃棄管に滞留水がある場合であってもブリーディングや材料分離を生じることなく長距離圧送性に優れ、さらには低コストとなる充填材及びその製造方法、並びにこの充填材を用いた充填工法を提供する。
本願発明の充填材は、上記課題を解決するため、以下の構成を採用している。
すなわち、充填材は、繊維質材と、クリンカアッシュと、ベントナイトと、水と、を混合してなる骨材に、セメント、水、及び気泡を混合してなることを特徴としている。
ここで、骨材は混和材としての機能も発揮するものであり、その配合比率は、繊維質材7.0〜9.0重量%、クリンカアッシュ50.0〜60.0重量%、ベントナイト3.0〜5.0重量%、及び水25.0〜40.0重量%である。繊維質材としては、植物繊維質、動物繊維質、化学繊維質、又は無機繊維質からなる質材を原材料とし、これらの1種又は2種以上を組み合わせて粒状、細片状、小片状、又は破砕片状にしたものを用いている。特に、セルロース(不溶性食物繊維)を含む紙、特に廃棄物として回収した古紙を用いることが好適である。
また、充填材としての配合比率は、骨材8.0〜49.0重量%と、セメント20.0〜57.0重量%と、水29.0〜36.0重量%と、及び気泡剤及び希釈水1.2〜2.0重量%と、を混合してなることが好適である。前記の気泡剤及び希釈水は攪拌して空気量を30%〜40%とした気泡として混合している。セメントとしては、水と反応して硬化する鉱物質粉末であって、シリカ、アルミナ、酸化鉄、石灰、石膏を原料とした高炉セメントが好適である。
充填材の製造方法は、まず、工場等で予め上記構成の骨材を製造しておき、適宜に該骨材に対して所定割合でセメントと水とを混練させて水硬性スラリーを製造し、この水硬性スラリーに気泡剤及び希釈水を攪拌して得た気泡を混練させたことを特徴としている。
この充填材の充填工法は、圧送ポンプ等の圧送手段による適宜の圧力をもって圧送し、所望の空隙、例えば、廃棄管の内部空洞に充填する。
本願発明の充填材は、上記構成により、以下の技術的効果を奏する。
まず、流動性に優れて長距離圧送を可能とする効果を有する。これは、充填材の原材料となる骨材を構成する繊維質材、及びクリンカアッシュの孔内部に取り込み保持されたベントナイトが膨潤性を有するため、充填材の保水性の向上によってセメントの硬化時間が遅延し、流動状態を長時間において維持できるからである。
また、圧送時や充填後の材料分離を抑制すると共に、ブリーディングの発生を防止する効果を有する。これは、充填材の原材料となる骨材の保水力が高いためにモルタル内で混合した固形物と水の分布に偏りがなく、骨材を媒体として定着する気泡の分布も偏りがないからである。この結果、充填材内で気泡が安定的に分散することとなり、圧送時でも気泡の合体や消泡が少ない上に滞留水にも希釈され難く、材料分離を抑制すると共にブリーディングの発生を防止している。
さらに、充填材の骨材は、繊維質材及びクリンカアッシュを採用し、繊維質材としては、特に廃棄物として回収した古紙、布切れや被服類等を採用することができる。これにより、廃棄物を有効に活用できるため、コスト削減の効果だけでなく、リサイクルの観点からも優れている。
充填材の製造方法については、予め工場等で骨材を製造しておき、これに充填作業の現場でセメント、水、及び気泡を混練しているため、充填現場において簡易、かつ迅速に充填材を製造できる。
充填材の充填工法については、上述のように充填材を充填現場で簡易、迅速に製造できる上に長距離圧送性に優れるため、製造及び圧送手段である攪拌機や圧送ポンプ等を小型軽量化できる結果、トラック等の既存の車両に一括に配置でき、これにより充填作業をより簡易に、かつ迅速に実施できることとなる。
本願発明の充填材の充填状況を示す断面図(A)、(B)である。 本願発明の充填材の製造工程を示す説明図である。 本願発明の充填材の充填工法の概要図である。 本願発明の充填材と従来のエアーモルタル等との比較試験の概要を示す説明図である。 本願発明の充填材と従来のエアーモルタル等とを充填した管の断面を比較する説明図である。 本願発明の充填材と従来のエアーモルタル等の性状の評価比較表である。
以下、充填材の具体的実施形態例について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は充填材の充填状況を示す断面図(A)、(B)であり、図2は充填材の製造工程を示す説明図である。
本実施例の充填材1(以下、「本充填材」と称する。)は、特定の原材料からなる骨材と、セメント、水、気泡を混練して製造したものである。本充填材1は、図1の(A)に示すように、都市部等の地盤Gに埋設された廃棄管2の内部空間、又は図1の(B)に示すように、既設の開水路3の表面補強用として敷設された強化樹脂板31の隙間、等に充填して用いられている。他にも、地下トンネルと地山との間の空隙である裏込め領域、若しくは鉱物採掘後の廃坑、等の充填材として用いても良い。
本充填材1の原材料の混合比率は、骨材8.0〜49.0重量%、セメント20.0〜57.0重量%、水29.0〜36.0重量%、気泡剤及び希釈水1.2〜2.0重量%が好適である。なお、気泡は、泡剤及び希釈水に空気量を30〜40%程度を混入して攪拌して製造している。この配合比率による本充填材1の品質は、湿潤密度0.900〜1.200g/cmであり、混練直後のフロー値は140〜220mmである。また、1軸圧縮強度は材令28日で1.0〜8.0N/mmである。
本充填材1の原材料の最適な混合比率は、骨材21.0重量%、セメント42.0重量%、水35.6重量%、気泡剤及び希釈水1.4重量%であり、泡剤及び希釈水と攪拌して混入させる空気量は30%が最適である。この配合比率の場合の本充填材1の品質は、湿潤密度1.065±0.1g/cmであり、混練直後のフロー値は180±20mmである。また、この場合の1軸圧縮強度は材令28日で1.0〜3.0N/mmである。
本充填材1の骨材は、繊維質材、クリンカアッシュ、ベントナイト、及び水、とを混合して構成している。その混合比率は、繊維質材7.0〜9.0重量%、クリンカアッシュ50.0〜60.0重量%、ベントナイト3.0〜5.0重量%、及び水25.0〜40.0重量%としている。
上記の繊維質材としては、植物繊維質、動物繊維質、等であり、これらを細片状、又は小片状にして種々組み合わせて適宜に選択して採用することができる。本実施例ではセルロース(不溶性食物繊維)を含む古紙、すなわち、古新聞、古雑誌、段ボール、等のリサイクル可能な古紙を切断又は粉砕して細片状にしたものを採用している。この採用した繊維質材は、膨潤性や保水性に優れている。
また、骨材は従来の砂に代わる細骨材としてクリンカアッシュを採用している。このクリンカアッシュは、石炭火力発電所のボイラー底部から発生する石炭灰であり、軽量多孔質な砂状粒子の特徴を有するものである。このクリンカアッシュは、砂の粒度分布に似ており、比重も砂より約3分の1と軽く、表面が多孔質となっている。
ベントナイトは、モンモリロナイトを主成分として他に石英、雲母、長石、ゼオドライトからなるものである。このベントナイトは、水中で弱いゲル構造を形成して自身の数十倍の水を吸収するために膨潤性が高く、さらには水溶液とした場合に水中での分散性に優れ、水との混合により増粘性が向上する性質を有する。
上記骨材は、古紙から分離されたセルロースが、クリンカアッシュの粒子間に絡み合うと共に、ベントナイトが水溶液となって膨潤しつつクリンカアッシュの表面の多孔質に取り込まれたり、繊維質材に吸収されていたりするために、保水性が向上している。また、前記セルロースは、粒度が揃ったクリンカアッシュの自由な移動を阻害する分離抵抗として作用する。
[本充填材の製造方法]
次に、本充填材1の製造方法について説明する。本充填材1の製造方法は、図2に示すように、工場等で予め製造した上記原材料とする骨材にセメント及び水を充填現場においてミキサー4に投入、混練して水硬性スラリーを製造した後、これに気泡剤及び希釈水を発泡装置5で攪拌して成る気泡を混練する構成である。なお、各原材料の配合比率は、上述の通り、骨材8.0〜49.0重量%、セメント20.0〜57.0重量%、水29.0〜36.0重量%、気泡剤及び希釈水1.2〜2.0重量%、空気量を30〜40%としている。
[本充填材の充填工法]
本充填材1の充填工法は、ミキサー4で混練して製造した直後、またはミキサー4に付帯するアジテータにより所定の流動性を維持した状態で圧送ポンプ6を介して廃棄管2に充填する。この時の圧送圧力は、例えば、廃棄管2の内径がφ150mm、長さ900〜1,100mを充填する場合に0.3〜1.0MPaで圧送可能であり、低圧力である。充填状況の確認は、廃棄管2の末端側でのブロー管22からの本充填材1の排出を確認することにより行っている。
充填工法の具体例としては、図3に示すように、ビルや道路等の都市構造物Bの地盤Gに埋設された廃棄管2に、注入管21を介して本充填材1を圧送ポンプ6により圧送して実施している。そして、廃棄管2の末端に配置したブロー管22からの本充填材1の排出により充填状況を確認する。
この充填工法は、上部の都市構造物Bを除去する事無くできる点で工期短縮及び工費削減に資する。また、圧送圧力も低圧力で可能であるため圧送ポンプ6を小型化でき、ミキサー4(アジテータを付帯)、及び発泡装置5も共に軽量コンパクト化することがとできる。この結果、これら装置をキャブバッククレーン配置のトラック車両M(例えば、積載量4t程度)にも搭載可能となり、充填現場への移動、充填作業、及び撤収を迅速に実施することが可能となる。
[本充填材の性質及び充填工法の評価]
本充填材1は上記の原材料及び製造法により以下の独自の性質を有する。
(1)流動性の向上、長距離圧送性に優れる
まず、本充填材1の骨材は、洗い砂に比べて軽いクリンカアッシュを有し、その表面の多孔に膨潤性の高いベントナイトを取り込み、さらにその粒子間に膨潤性の高い繊維質材(セルロース)が絡み合った構成である。
このため、本充填材1は保水性が向上する結果、セメント成分に対して骨材からの水分補給が有り、セメント硬化の遅延が発生して長時間の流動状態を維持できる。この作用に加え、従来のエアーモルタルよりも全体の重量が軽くなっているため、長距離圧送性に優れる。
また、本充填材1の内部の気泡の合体や消泡が抑制されて、その内部に多数の気泡が存在するため、所謂ベアリング効果が低下せずに流動性が長時間維持され、この点からも長距離圧送性に優れる。
(2)材料分離の発生抑制、及びブリーディングの発生防止
以下の作用により、廃棄管2に本充填材1を充填した後の材料分離の発生が抑制され、ブリーディングの発生も防止されている。
まず、本充填材1は、骨材、セメント、水、気泡を混練して製造しているが、固形物である粒子と水分の分布状態に偏りがない状態となる。これは、繊維質材やクリンカアッシュに吸収されているベントナイトの膨潤性によって、水成分が全体に分散して保持されているからである。この水成分の保持作用により、固形物のクリンカアッシュやセメント粒子のみが水分に対して沈降して一体性が崩れる材料分離の発生が抑制され、ひいてはブリーディングの発生も防止される。
また、本充填材1の骨材のベントナイトは、本充填材1の水との混練により弱いゲル構造を成して増粘性や分散性を発揮するため、クリンカアッシュやセメント粒子の移動を阻害する。これに加え、クリンカアッシュに絡むセルロースもその移動を阻害する分離抵抗として作用する。この結果、本充填材1の材料分離の発生が抑制されると共にブリーディングの発生も防止されている。
さらに、本充填材1のベントナイトの増粘性により、廃棄管内部の滞留水と接触しても希釈化されることなく、むしろ滞留水を充填方向に押し出すこととなる。
さらにまた、本充填材1は固形物と水分の分布状態に偏りがない状態であり、内部の気泡は膨潤したクリンカアッシュ表面のベントナイトや繊維質材を媒体として定着するため、気泡の分布状況にも偏りがない。また、圧送圧力を受けても、クリンカアッシュやベントナイトは本充填材内部での自由な移動が阻害されているため、これを媒体とする気泡の移動も阻害され、その合体や消泡が著しく少なくなる。
この結果、気泡の合体や消泡に起因する材料分離が抑制され、ブリーディングの発生も防止される。さらには、圧送時においても多数の気泡の存在が維持されるため、所謂ベアリング効果が低下せずに流動性にも優れる。
[本充填材1と従来の充填材との比較評価]
本充填材1は上記の性質を有するため、従来の代表的な充填材であるエアーモルタル8、及びエアーミルク9と比較する試験を行った。
図4は比較試験の概要を示す説明図である。図5は本充填材(A)、エアーモルタル(B)、及びエアーミルク(C)をそれぞれ充填した試験用の充填管7の断面を比較する説明図であり、図6は充填材1、エアーモルタル8、及びエアーミルク9の性状の評価比較表である。
この比較試験は、図4に示すように、管径φ200mm、長さ9mの試験用の充填管7を3.5%の勾配に設置し、内部に滞留水Wを留置させると共に、管上流の注入管71から下流に向かって充填し、ブロー管72から排出させることにより行っている。
まず、本充填材1の原材料の配合比率は、骨材21.0重量%と、セメント42.0重量%と、水35.6重量%と、及び希釈した気泡剤1.4重量%とし、空気量を30%としている。圧送圧力は0.2MPaとしている。
エアーモルタル8の原材料の配合比率は、骨材(砂)20.6重量%と、セメント62.0重量%と、水17.1重量%と、及び希釈した気泡剤0.3重量%とし、空気量を40%としている。圧送圧力は0.3MPaとしている。
エアーミルク9の原材料の配合比率は、セメント59.3重量%と、水40.0重量%と、及び希釈した気泡剤0.7重量%とし、空気量を70%としている。圧送圧力は0.18MPaとしている。
各充填材の硬化後の管断面は、図4に示す状態となった。すなわち、(A)の本充填材1はブリーディング等がなく、空洞がない良好な結果を得た。(B)のエアーモルタル8は管上層部にブリーディングによる空洞が発生する結果を得た。これは、滞留水Wによりエアーモルタル8が希釈されたと考えられる。(C)のエアーミルク9は管上層部にはブリーディングによる空洞が発生し、さらに下方にも空洞が発生した。上方の空洞はエアーモルタル8と同様にブリーディングによるものと考えられるが、下方の空洞はエアーミルク9の比重が滞留水Wより軽いために充填時に滞留水Wの上部に押し上げられ、この部分で硬化したと考えられる。
また、本充填材1、エアーモルタル8、及びエアーミルク9の性状の比較評価は、図6に示す結果となった。本充填材1は、長距離圧送性、耐水性、強度特性に優れる上、骨材に古紙やクリンカアッシュ等の廃棄物を利用しているため、リサイクル性にも優れる結果を得ている。
1 本充填材
2 廃棄管
21 注入管
22 ブロー管
3 開水路
31 強化樹脂板
4 ミキサー
5 発泡装置
6 圧送ポンプ
7 試験用の充填管
71 注入管
72 ブロー管
8 エアーモルタル
9 エアーミルク
B 都市構造物
G 地盤
M トラック車両
W 滞留水

Claims (6)

  1. 繊維質材と、クリンカアッシュと、ベントナイトと、水と、を混合してなる骨材に、セメント、水、及び気泡を混合してなることを特徴とする充填材。
  2. 骨材が、
    繊維質材7.0〜9.0重量%と、クリンカアッシュ50.0〜60.0重量%と、ベントナイト3.0〜5.0重量%と、及び水25.0〜40.0重量%と、からなることを特徴とする請求項1記載の充填材。
  3. 請求項1、又は2記載の骨材8.0〜49.0重量%と、セメント20.0〜57.0重量%と、水29.0〜36.0重量%と、及び希釈した気泡剤1.2〜2.0重量%と、を混合してなることを特徴とする充填材。
  4. 請求項1、又は2記載の骨材を予め製造しておき、適宜に該骨材に対して所定割合のセメントと水とを混練させて水硬性スラリーを製造した後に、該水硬性スラリーに気泡剤から生成した気泡を混練させたことを特徴とする充填材の製造方法。
  5. 充填材の配合比率が、請求項1、又は2記載の骨材8.0〜49.0重量%、セメント20.0〜57.0重量%、水29.0〜36.0重量%、及び希釈した気泡剤1.2〜2.0重量%、としたことを特徴とする請求項4記載の充填材の製造方法。
  6. 請求項1乃至3記載の充填材を、適宜の圧力をもって送り出し、所望空隙に充填することを特徴とする充填材の充填工法。
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