JP4974974B2 - 密閉型回転圧縮機 - Google Patents
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Description
この圧縮機の場合、この消音用空間内には、前記吐出弁の周囲を囲み前記軸受部との間に前記消音用空間に連通させた第2の消音用空間を形成する消音用空間構成部が前記バルブのバルブストッパーとともに一体に形成された消音部材が設けられている。
そのため、バルブストッパーの吐出穴から吐出した圧縮冷媒がバルブ、バルブストッパーに衝突した後、その空隙を通じて流れるが、そのとき空隙に渦が発生し、新たな流体騒音が発生するという問題点があった。
また、バルブストッパーの側面からの漏れ流れが軸受部に形成されたバルブ溝の角部に衝突することにより角部でも渦が発生し、そこでも流体騒音が発生するという問題点があった。
以下、この発明の実施の形態1の密閉型回転圧縮機について図に基づいて説明するが、各図において、同一または相当部材、部位については、同一符号を付して説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る密閉型回転圧縮機を示す正面図、図2は図1の平面図、図3は図2のIII−III線に沿った矢視断面図、図4は図3のIV−IV線に沿った矢視断面図、図5は図4のV−V線に沿った矢視断面図、図6は図4のVI−VI線に沿った矢視断面図である。
この密閉型回転圧縮機100は、密閉シェル1内に、モータ2と、このモータ2と駆動軸4を介して連結されモータ2の駆動により作動する圧縮機構部3が収納されている。
モータ2は、リング状に形成されたステータ10と、このステータ10の内部で回転可能に設けられたロータ11とから構成されている。ロータ11の中心部には駆動軸4が圧入されている。
偏心軸部4aの中心軸線は、駆動軸4の中心軸線から偏心しており、ローリングピストン16の外周面は、シリンダ室13の内周壁面と密接しつつ、駆動軸4の回転により偏芯回転するようになっている。
バルブ溝25には、一端部が固定部材30でシリンダ12に固定され、固定部材30を起点として撓み変形可能なバルブ23が設けられている。このバルブ23は、吐出穴21を覆い冷媒の逆流を防ぐようになっている。バルブ23には、バルブ23のリフト量を制限するバルブストッパー24が重ねて設けられている。
また、バルブストッパー24は、吐出穴21からの冷媒の吐出方向に対して垂直方向の両側面24a,24aが、バルブ溝25の内壁面に密接しており、冷媒が両側面24a,24aを通って切り出し部26に吐出するのを防止している。
バルブストッパー24の曲面部24bの先端部において、吐出穴21側の開口断面積S1よりも吹き出し部26側の開口断面積S2が大きい。
シリンダ室13内の冷媒がローリングピストン16による圧縮で所定圧力まで上昇すると、バルブ23は固定部材30を起点として押し上げられ、吐出穴21から吐出されるようになっている。
また、密閉シェル1の上部には、圧縮機構部3で圧縮された冷媒を外部に吐出する吐出管6が接続されている。
電力がモータ2に供給され、モータ2が駆動すると、主軸受14及び副軸受15により軸支された駆動軸4が回転し、ローリングピストン16がシリンダ室13内でシリンダ室13の内周壁面に密接しつつ偏芯回転する。この時、ローリングピストン16の上端面と主軸受14の下面との間、ローリングピストン16の下端面と副軸受15の上面との間は潤滑油によりシールされている。
ローリングピストン16の回転に伴い、シリンダ室13内の冷媒は、圧縮され、所定圧力まで上昇すると、バルブ23はバルブ23の弾性力に逆らって、固定部材30を起点として持ち上げられ、その結果吐出穴21から密閉シェル1内に吐出され、そのまま吐出管6を通って外部に吐出される。
バルブ23が開き、圧縮された冷媒はバルブ23、バルブストッパー24Aに衝突する。冷媒の主流(図示せず)は図5の吹き出し部26側に流れるが、バルブストッパー24Aの両側面24Aa,24Aaには冷媒が漏れ、流れαが生じる。これにより、冷媒は、バルブストッパー24Aの側面24Aaでは、急に流れ方向を変更することができずに、剥離渦βが生じ、その結果流体騒音が発生する。
また、冷媒は、バルブ溝25の角部25aでも、急拡大による剥離渦γが発生し、流体騒音となる。この剥離渦β、γの発生する量に比例して流体騒音が増加する。
従って、バルブストッパー24の側面24aからの漏れ流れαが存在せず、バルブ溝25の吹き出し部26のみから圧縮冷媒が吹き出され、その結果、バルブストッパー24の側面24aの漏れ流れαによる流体騒音は生じず、バルブ溝25における流体騒音を抑制することができる。
流体騒音は、流速のおよそ4乗から8乗に比例するので、角部25bでの冷媒の減速は、そのまま角部25bでの流体騒音の発生を大幅に抑制することに直結している。
図8は実施の形態1のものと従来のものとの騒音を比較したグラフであり、図9は騒音の周波数特性を比較したグラフである。
実施の形態1のものは、従来のものと比較して、低減の効果が見られた周波数帯域は、5000Hz以上の帯域であり、2500Hz以下では逆に騒音が増加しているものの、全体としては2.2dBの騒音が低減することが判った。
このように、実験結果からも実施の形態1の密閉型回転圧縮機によるバルブ溝25での流体騒音の低減化が証明された。
また、壁面27は、弧状に湾曲した曲面でもよい。
また、吐出穴21、バルブ23、バルブストッパー24、バルブ溝25は、主軸受14に設けた場合について説明したが、これらのものが、副軸受のみ、あるいは主軸受及び副軸受に設けても同様の効果がある。
また圧縮機は、縦型としたが、横型であっても同様の効果を奏する。
また、実施の形態1では、ロータリー形の密閉型回転圧縮機について説明したが、シリンダの片側に軸受が密接したスクロール形の密閉型回転圧縮機でもこの発明は適用することができるのは勿論である。
シリンダ室、14 主軸受、15 副軸受、21 吐出穴、23 バルブ、24 バルブストッパー、24a 側面、24b 曲面部、25 バルブ溝、25a,25b 角部、26 吹き出し部、27 壁面、30 固定部材、100 密閉型回転圧縮機、S1 吐出穴側の開口断面積、S2 吹き出し部側の開口断面積。
Claims (4)
- 密閉シェル内に、圧縮機構部及び圧縮機構部を作動するモータが収納され、
前記圧縮機構部は、シリンダ、シリンダ内の気体を圧縮するピストン、及びシリンダに密接した軸受を有し、
前記軸受には、前記シリンダ内の圧縮された前記気体を外部に吐出する吐出穴、吐出穴から前記気体が吐出される吹き出し部を含むバルブ溝が形成され、
前記バルブ溝には、前記シリンダの外側に設けられ前記吐出穴を覆うバルブ、このバルブに重ねて設けられバルブのリフト量を制限するバルブストッパーが設けられ、
前記バルブストッパーは、前記吐出穴からの前記気体の吐出方向に対して垂直方向の側面が、前記バルブ溝の内壁面に密接していることを特徴とする密閉型回転圧縮機。 - 前記バルブストッパーは、前記吐出穴に対向した部位では、前記気体を前記吹き出し部に案内する曲面部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の密閉型回転圧縮機。
- 前記曲面部の先端部において、前記吐出穴側の開口断面積よりも前記吹き出し部側の開口断面積が大きくしたことを特徴とする請求項2記載の密閉型回転圧縮機。
- 前記バルブ溝は、前記気体が前記吐出穴から吐出する方向の壁面が、気体の下流側に沿って流路断面積が漸次拡大するように傾斜していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の密閉型回転圧縮機。
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