JP4974230B2 - 下水熱採熱設備及び下水熱利用システム - Google Patents

下水熱採熱設備及び下水熱利用システム Download PDF

Info

Publication number
JP4974230B2
JP4974230B2 JP2007086609A JP2007086609A JP4974230B2 JP 4974230 B2 JP4974230 B2 JP 4974230B2 JP 2007086609 A JP2007086609 A JP 2007086609A JP 2007086609 A JP2007086609 A JP 2007086609A JP 4974230 B2 JP4974230 B2 JP 4974230B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
sewage
collecting
pipe
facility
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007086609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008241226A (ja
Inventor
隆 三浦
芳樹 今野
一敏 伊東
義人 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mayekawa Manufacturing Co
Original Assignee
Mayekawa Manufacturing Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mayekawa Manufacturing Co filed Critical Mayekawa Manufacturing Co
Priority to JP2007086609A priority Critical patent/JP4974230B2/ja
Publication of JP2008241226A publication Critical patent/JP2008241226A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4974230B2 publication Critical patent/JP4974230B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/27Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies
    • Y02A30/274Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies using waste energy, e.g. from internal combustion engine

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
  • Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

本発明は、下水熱を効率的に採熱して熱源として利用するための下水熱採熱設備及び下水熱利用システムに関する。
下水及び下水処理水(以下、下水と呼称する)は、気象等の影響を受け難く年間を通して水温が安定しており、1日の温度変動も比較的少ないので、熱源として様々な用途で利用可能であると期待されている。また、下水熱の有効利用は、経済的である上に省資源、省エネルギにもつながり、地球温暖化対策にも貢献するものである。下水熱利用は、特に降雪地域での融雪にも効果的に用いられるが、下水熱の特徴として、大気温に比べて夏期は冷たく冬期は温かいことから、温熱回収のみでなく冷熱回収により冷暖房設備等に用いることも考えられ、今後幅広い分野での利用が期待される。
従来、下水熱を利用した設備は以下に示すように各種提案されている。
例えば、特許文献1(特開2003−155705号公報)には、加温された下水路空気を用いた融雪設備が開示されている。これは、融雪対象箇所に放熱用熱交換器を埋設し、該放熱用熱交換器に下水管路内の下水路空気を通過させ、その放熱により融雪機能を得る構成となっており、さらに、放熱用熱交換器内に通過する下水路空気の保有熱を潜熱蓄熱材により蓄熱するようにしている。このように、潜熱蓄熱材を用いることにより、融雪負荷の変動に対応して融雪性能を効果的に利用することが可能である。
また、特許文献2(特開2003−279193号公報)には、下水等の熱源流体を採熱源としてヒートポンプにより蓄熱槽に蓄える蓄熱運転と、この蓄熱槽と負荷側との間で熱媒循環させて蓄熱槽から負荷側に熱供給する放熱運転と、熱源流体を採熱源としてヒートポンプにより負荷側に熱供給する採放熱運転とを備えた熱源設備が開示されており、さらにこの設備では、設定負荷よりも小さいときには放熱運転を実施し、放熱運転が不能なとき及び設定負荷よりも大きいときには採放熱運転を実施する構成としている。このような制御を行うことによりヒートポンプの累積運転時間を効果的に短くすることができ、消費動力低減及びヒートポンプの耐用期間の長期間化を可能としている。
また、特許文献3(特開2003−322410号公)には、マンホールに配設した下水利用熱源設備が開示されている。これは、熱交換器を、マンホール形成壁の外面に接触又は近接させて配設、或いはマンホール内部に配設し、マンホールから汲みだされる下水から採熱を行う構成となっている。マンホールに設置された下水ポンプの汲み出し水流によってマンホール形成壁への付着物が除去されるため、マンホール形成壁の伝熱性が高く維持され、効果的に採熱することを可能としている。
特開2003−155705号公報 特開2003−279193号公報 特開2003−322410号公報
上記したように、下水熱は豊富で有望な未利用エネルギであり、従来より様々な下水熱利用設備が提案されているが、現状では安定して効率的に採熱することが難しく、これを用いた設備、システムは広く普及するに到っていない。
また、特許文献1に記載されるように下水路空気を利用する方法は、下水管路と放熱用熱交換器とを連通して形成しており、既存の下水道設備に設置するためには大掛かりな施工が必要となり、また下水に直接接触した空気が熱交換器に通流するため、衛生面で問題が残り、頻繁なメンテナンスも必要となる。さらに、下水道設備から離れた地域で熱利用することは困難である。
同様に、特許文献2に記載されるように下水に直接熱交換器を埋め込む方法では、採熱機器が下水に直接接触するため、熱交換器の伝熱面に下水中の雑物が付着して伝熱性が低下するため、メンテナンスを頻繁に行う必要がある。また、既存の下水道設備に設置する場合、下水道設備に影響を及ぼす惧れがある。
さらに、特許文献3に記載されるように、マンホールから採熱する方法では、マンホールが設置されている局所的な部位からしか採熱できず、十分な熱量が確保できないことが考えられる。
従って、本発明は上記従来の技術の問題点に鑑み、既存の下水道設備にも容易に設置可能で施工性が高く、メンテナンスが不要で、且つ高効率にて下水熱を採熱及び利用可能な下水熱採熱設備及び下水熱利用システムを提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、所定長さの下水道管体が複数直列に接続されてなる下水道管内を通流する下水(下水処理水を含む)から採熱する下水熱採熱設備において、
所定長さの下水道管体が複数直列に接続されてなる下水道管内を通流する下水(下水処理水を含む)から採熱する下水熱採熱設備において、
前記採熱管設備は、夫々の採熱ユニットが対応する一の下水道管体の長さに合わせて設置された複数の採熱ユニットにより構成され、
該採熱ユニットは、夫々熱原水が通流し高熱伝導性材料で形成された採熱管と、該採熱管の間隙及び周囲に充填された保護材とからなるとともに、前記下水道管体夫々の外周面上側を円弧状に被覆するジャケット体として形成され、
前記採熱管は、前記下水道管の長手方向に平行に複数配設された直管と、該直管同士を接続するベント管とから構成されるとともに、採熱管は、上記した複数の直管とベント管にて一過式の熱原水回路を形成し、該一の熱原水回路を夫々一の採熱ユニット内に組み込んでなることを特徴とする。
さらに本発明において、前記保護材の外周を保温材で被覆することが好ましい。
本発明によれば、採熱ユニットを下水道管の外周側を覆うジャケット状に形成しているため、工場生産ユニットとして現場での施工性を向上させることができ、既存の下水道管にも容易に施工可能である。また下水に直接接触しない構成であるため、メンテナンスが不要で維持コストが低減できる。さらに、採熱管に熱伝導率の高い材質を用いているため、高効率にて採熱が可能であり、下水熱を効率的に有効利用できる。さらにまた、下水道管に平行に配設した直管と、これを接続するベント管からなる採熱管を採用しているため、施工が容易で設置コストを低減できる。
一般に多く採用されている下水道管は、所定長さの下水道管体が直列に複数接続されてなるが、一の採熱ユニットが一の下水道管体に対応するように配設することにより、施工が容易となり、不具合が生じた場合にも補修、交換が簡単に行える。また、一の採熱ユニットに対して一過式の熱原水回路とすることにより、熱原水の滞留時間が長くなり熱交換効率が向上する。
さらに、前記採熱管が前記採熱設備の厚み方向に対して層状に複数段設けられ、前記熱原水を、外周側に位置する採熱管から内周側に位置する採熱管に向けて通流するようにしたことを特徴とする。
これにより、採熱量を高くすることができ、効率的な採熱が可能となる。
また、下水道管内を通流する下水から採熱する採熱設備と、該採熱設備にて採熱した下水熱を熱源とするヒートポンプを有した熱源設備とを備え、該熱源設備から負荷側熱交換器に熱供給することにより下水熱を有効利用するようにした下水熱利用システムにおいて、
請求項1の構成を有する採熱設備と前記負荷側熱交換器との間で熱原水を直接循環させるバイパスラインを設けるとともに、前記バイパスラインを、前記ヒートポンプ起動時若しくは前記負荷側熱交換器における低負荷時にのみ開放する開閉弁を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、ヒートポンプ起動時における採熱側熱原水と負荷側熱原水の温度逆転状態を緩和し、消費動力の低減が可能である。同様に、負荷側熱交換器の低負荷時においても消費動力を低減することが可能である。
さらに、前記バイパスライン上に、蓄熱タンクを設けたことを特徴とする。
これにより、ヒートポンプ停止時の下水熱を循環ポンプのみの運転で蓄熱できるようになる。ヒートポンプ運転時(採熱時)は、下水量の変動に伴う採熱量減少を熱原水の容量、即ち顕熱で補うことが可能である。さらに、下水量が少なくなった時の能力低下を低減可能で、能力変動を吸収することが可能である。
また、前記ヒートポンプの凝縮側サイクルと蒸発側サイクルを切り替える切り替え手段を備え、前記負荷側熱交換器に、冷熱と温熱を適宜供給するようにしたことを特徴とする。
このように、凝縮側、蒸発側のサイクルを切り替える切り替え手段を付加することにより、負荷側熱交換器に対して適宜冷熱若しくは温熱を供給することが可能となる。さらに、下水道管に放熱することも可能となり、冷熱を利用することにより大気へ放熱することがないので、温暖化対策ともなりえる。
以上記載のごとく本発明によれば、既存の下水道設備にも容易に設置可能で施工性が高く、メンテナンスが不要で、且つ高効率にて下水熱を採熱及び利用可能な下水熱採熱設備及び下水熱利用システムを提供することが可能である。
即ち、夫々の採熱ユニット対応する下水道管の外周側を覆うジャケット状に形成し、直管とベント管からなる採熱管を利用することにより、工場生産ユニットとして現場での施工性を向上させることができ、既存の下水道管にも容易に施工可能である。また下水に直接接触しない構成であるため、メンテナンスが不要で維持コストが低減できる。さらに、採熱管に熱伝導率の高い材質を用いているため、高効率にて採熱が可能である。
また、一の採熱ユニットが一の下水道管体に対応するように配設することにより、施工が容易となり、不具合が生じた場合にも補修、交換を簡単に行うことができ、さらにまた一の採熱ユニットに対して一過式の熱原水回路とすることにより、熱原水の滞留時間が長くなり熱交換効率が向上する。
さらに、採熱管を層状に複数段設けることにより、採熱量を高くすることができ、効率的な採熱が可能となる。
また、採熱設備と負荷側熱交換器との間で熱原水を直接循環させるバイパスラインを設けたシステムとすることにより、ヒートポンプ起動時における採熱側熱原水と負荷側熱原水の温度逆転状態を緩和し、消費動力の低減が可能である。同様に、負荷側熱交換器の低負荷時においても消費動力を低減することが可能である。さらに、下水量が少なくなった時の能力低下を低減可能で、能力変動を吸収することが可能である。
さらに、前記バイパスライン上に、蓄熱タンクを設けることにより、ヒートポンプ停止時の下水熱を循環ポンプのみの運転で蓄熱できるようになる。
さらにまた、凝縮側、蒸発側のサイクルを切り替える切り替え手段を付加することにより、負荷側熱交換器に対して適宜冷熱若しくは温熱を供給することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例1に係る下水熱利用システムの全体構成図、図2は本発明の実施例2に係る下水熱利用システムの全体構成図、図3は本発明の実施例に係る採熱ユニットの断面図、である。
本実施例では、一例として下水熱利用システムを融雪設備に適用した場合につき説明する。しかし、これに限定されるものではなく、例えば冷暖房設備や温水/冷水生成設備などの他の設備にも適用可能である。
図1に、本実施例1に係る下水熱利用システムの全体構成を示す。
本システムは、融雪パイプ等の負荷側熱交換器60に熱原水を供給する熱源設備10と、下水道管50に配設され下水熱を回収する採熱設備20と、を備える。
前記熱源設備10は、蒸発器11と凝縮器12とコンプレッサ13と膨張弁14とを備えたヒートポンプを有する。このとき、空冷チリングユニットを採用することが好ましい。
また、熱源設備10は、採熱設備20に送給する熱原水の流量、送り温度、及び該採熱設備20からの戻り温度を計測する各種計測手段を備えることが好ましい。これらの計測手段により得られた計測値から、採熱量を正確に把握することが可能である。
前記採熱設備20は下水熱を採熱する装置であり、その詳細を図3に示す。図3は採熱設備の断面図で、該採熱設備20は、下水道管50の外周面の少なくとも上方を被覆するジャケット状に形成されている。勿論、採熱設備20を下水道管50の全周に亘って配設してもよいが、施工性を向上させるため下水道管50の外周面上側に沿って円弧状に配設することが好ましい。採熱設備20をジャケット状に形成することにより、既存の下水道管50に影響を与えることなく容易に施工することが可能である。また、下水道管50の内部に採熱管が貫設しない構成であるため、採熱設備20が下水に直接接触することがなく、メンテナンスを不要とすることができる。
前記採熱設備20は、下水道管50の外周面に接するか若しくは近接して配設された採熱管21を有する。採熱管21は、熱伝導率の高い材質で形成される。例えば、銅管が好適に用いられる。この採熱管21は、下水道管50の長手方向に平行に複数の直管が配設され、さらに隣接する直管同士が180°屈曲したベント管にて接続されている。
採熱管21は、上記した複数の直管とベント管にて一過式の熱原水回路を形成している。この一の熱原水回路を一の採熱ユニットとし、採熱設備20は複数の該採熱ユニットを備えている。このように、一過式の熱原水回路を有する採熱ユニットとすることにより、熱源水の滞留時間が長くなり熱交換効率が高くなる。
また、一般に多く採用されている下水道管50は、所定長さ(例えば定尺6m)の下水道管体が複数直列に接続されてなるが、一の採熱ユニットが一の下水道管体に対応するように配設することが好適である。これにより、施工が容易となり、不具合が生じた場合にも補修、交換が簡単に行える。また、上記したように、熱源設備10に設置された計測手段により、各採熱ユニット毎の熱原水流量、送り温度、戻り温度を計測し、各ユニット毎の採熱量を算出するとよい。各計測データは、制御装置(図示略)により一括して収集する。
前記採熱管21は、採熱設備20の厚み方向に対して層状に複数段設けられることが好ましい。さらに好適には、内周側と外周側に層状に配設した2段配列とする。内周側と外周側の採熱管21は、夫々接続されて1つの熱原水回路を形成する。この場合、熱原水は、外周側の採熱管から内周側の採熱管に送られるようにする。これにより、採熱量を高くすることができ、効率的な採熱が可能となる。
採熱管21の間隙及び周囲には、保護材22が配設される。該保護材22は、採熱管21の保護及び採熱効率の向上を図る目的で配設される。保護材22の材質としては、珪砂含有モルタルが好適である。このように、熱伝導率が高い珪砂を含有した材質を用いることにより、採熱性を高めることができる。
また、保護材22の外周側は、断熱材23で被覆されている。このように断熱材23にて被覆することにより下水熱の放熱を防止し、採熱効率を向上させることが可能である。
図1を参照して、熱原水回路につき説明する。
採熱設備20の熱原水出口には、熱原水のライン31が接続され、該ライン31はライン32を介して熱源設備10の蒸発器11に接続されている。蒸発器11を出たライン33は、採熱設備20の熱原水入口に接続され、ライン31、32、33により採熱側循環回路が形成されている。この採熱側循環回路上には、循環ポンプ34が配設される。尚、本実施例にて熱原水には不凍液が用いられる。
また、負荷側熱交換器60の熱原水出口には、熱原水のライン35が接続され、該ライン35はライン36を介して凝縮器12の入口に接続されている。凝縮器12の出口はライン37により負荷側熱交換器60に接続され、ライン35、36、37により負荷側循環回路が形成されている。この負荷側循環回路上には、循環ポンプ38が配設される。
さらに本実施例では、採熱設備20の熱原水出口に接続されるライン31が三方バルブ40により分岐され、バイパスライン41を介して負荷側循環回路のライン37(若しくは負荷側熱交換器60の熱原水入口)に接続されている。同様に、負荷側熱交換器60の熱原水出口に接続されるライン35が三方バルブ42により分岐され、バイパスライン44を介して採熱側循環回路のライン33(若しくは採熱管21の熱原水入口)に接続されている。このバイパスライン41、44は、ヒートポンプの起動時若しくは負荷側熱交換器60の低負荷時にのみ開放されるが、その具体的動作については後述する。
本システムの運転方法につき説明する。
ヒートポンプ運転時に、熱原水は採熱設備20の採熱管21を通流し、下水熱を採熱して高温側熱源水として熱原水出口よりライン31を介して排出される。このとき、三方バルブ40はライン32側に開放されており、バイパスライン41側に熱原水は通流しない。ライン32を通って蒸発器11に導入された熱原水は、該蒸発器11にて吸熱された後、ライン33を介して熱原水入口から採熱設備20内に導入され、循環する。
ヒートポンプは採熱設備20からの下水熱を熱源とし、凝縮器12にて負荷側熱原水との間で熱交換して熱原水が昇温される。この昇温された熱原水は、ライン37を通って負荷側熱交換器60に供給され、融雪に利用される。
このとき、三方バルブ42は、ライン36側に開放されており、ライン44側には熱源水は通流しない。融雪利用後の冷却された熱原水は、ライン35、36を通って凝縮器12に返送され、負荷側循環回路を循環するようになっている。
このようなシステムにおいて、ヒートポンプ停止時に、負荷側熱交換器60には路面への放熱により低下した熱原水(不凍液)が保持されており、逆に採熱設備20側には下水により温められた熱原水が存在する。ヒートポンプの立ち上がり時は、これらの各熱原水がヒートポンプへ送られ、通常運転時と温度レベルが逆転し、余分な負荷となってしまう。
そこで、本実施例では、これを解消するために上記したバイパスライン41、44を備えた構成としている。即ち、ヒートポンプ起動時は、三方バルブ40、42をバイパスライン41、44側に開放し、採熱設備20から出た熱原水を負荷側熱交換器60に直接導入し、該負荷側熱交換器60からの熱原水を採熱設備20に導入して循環回路を形成するようにしている。このとき、ヒートポンプは稼動せず、循環ポンプ38のみで採熱設備20からの熱原水を負荷側熱交換器60に送り、該負荷側熱交換器60の熱原水温度レベルを上げるようにしている。所定時間運転し、負荷側熱交換器60の熱原水温度がある程度昇温したら、通常運転に戻すとよい。
また、上記したバイパス運転は、起動時のみでなく、予熱運転など負荷側熱交換器60における負荷が小さい場合にも有効に利用可能である。
本実施例1のシステム及び運転方法によれば、ヒートポンプ時の温度逆転状態を緩和し、消費動力の低減が可能である。同様に、低負荷時においても消費動力を低減することが可能である。さらに、下水量が少なくなった時の能力低下を低減可能で、能力変動を吸収することが可能である。
図2に、本実施例2に係る下水熱利用システムの全体構成を示す。尚、本実施例2において、上記した実施例1と同様の構成についてはその詳細な説明を省略する。
図2において、本システムは、融雪パイプ等の負荷側熱交換器60に熱原水を供給する熱源設備10と、下水道管50に配設され下水熱を回収する採熱設備20と、を備えるとともに、該採熱設備20と負荷側熱交換器60とを直接接続するバイパスライン41、44上に、蓄熱タンク48を設けた構成としている。
本実施例2の構成とすることにより、ヒートポンプ停止時の下水熱を循環ポンプのみの運転で蓄熱できるようになる。ヒートポンプ稼動時(採熱時)は、下水量の変動に伴う採熱量減少を熱原水の容量、即ち顕熱で補うことが可能となる。
また、上記した実施例1若しくは実施例2において、ヒートポンプの凝縮側、蒸発側のサイクルを切り替える切り替え手段(図示略)を設けてもよい。このように、凝縮側、蒸発側サイクルの切り替え手段を付加することにより、負荷側熱交換器60に対して適宜冷熱若しくは温熱を供給することが可能となる。さらに、下水道管50に放熱することも可能となり、冷熱を利用することにより大気へ放熱することがないので、温暖化対策ともなりえる。また冷熱を路体に供給することにより、炎天下でも歩行者への歩きやすい歩行環境を提供できる。この構成は、冷暖房設備等に適用することも可能である。
本実施例に示した下水熱採熱設備の採熱量を評価するために実験を行った。この実験は、本実施例の設備を含む3種類の採熱設備を用いた比較実験とした。各採熱ユニットの仕様は、以下の表1の通りである。
Figure 0004974230
これらの採熱設備を、既設下水道管に設置した。各採熱ユニットの構造を図5に示す。図4(a)は比較例1を示し、下水道管50の外周に高密度ポリエチレンからなる採熱管25を配設している。図4(b)は実施例1、実施例2を示し、上記実施例1に記載した構成を備える。実施例1及び実施例2では採熱管21に銅管を採用した。尚、図と異なる点として、実施例1では保護材23を配設していない。
実験方法は、以下の通りとした。
熱源設備内の熱原水タンクの温度を一定に保つことにより各採ユニットへの入口温度条件を固定する。各採熱設備への供給熱原水量が所定の数値となるように、流量計の指示値を確認しながら採熱設備のバルブにより流量を調整する。採熱ユニット毎に、熱原水流量、入口温度、出口温度を計測する。出入り温度差、熱原水流量及び熱源水物性により採熱量を算出する。
採熱量の評価は、前記した計測により採熱量を算出し、採熱量の絶対的評価を行った。また、比較例1、実施例1及び実施例2については相対的に比較評価を行った。
採熱量Qの計算式は以下の通りである。
Q=(T−T)×Q×ρ×c/(60×1000)
ここで、T:熱原水出口温度(℃)、T:熱原水入口温度(℃)、Q:採熱ユニットの熱原水流量(L/min)、ρ:熱原水密度(1026kg/m)、c:熱原水比熱(4009J/kg/K)である。
日時を変えて複数回実験を行い、各実験条件として、条件1ではユニット流量5L/min、条件2ではユニット流量10L/min、条件3ではユニット流量10L/min、条件4ではユニット流量10L/min、条件5ではユニット流量7.5L/minとした。また何れの条件においても採熱管への熱原水の送り温度は0℃とした。
各実験条件において得られた測定値から採熱量を算出した結果を図5のグラフに示す。このグラフから明らかなように、本実施例の構成を採用した採熱ユニットでは、比較例に比べて極めて高い採熱量が得られることがわかる。従って、本実施例によれば、下水熱を効率的に採熱可能な設備であることが明らかとなった。
また、保護材を配設した実施例2は、保護材を配設しなかった実施例1に比べて何れの実験条件においても採熱量が高くなった。従って、保護材を配設することが採熱効率の向上に有効であることが明らかとなった。
本発明の実施例1に係る下水熱利用システムの全体構成図である。 本発明の実施例2に係る下水熱利用システムの全体構成図である。 本発明の実施例に係る採熱ユニットの断面図である。 評価実験における採熱設備の断面図を表し、(a)は比較例1を示す図で、(b)は実施例1及び実施例2を示す図である。 評価試験にて算出された採熱量を示すグラフである。
10 熱源設備
11 蒸発器
12 凝縮器
13 コンプレッサ
14 膨張弁
20 採熱ユニット
21 採熱管
22 保護材
23 保温材
40、42 三方バルブ
41、44 バイパスライン
50 下水道管
60 負荷側熱交換器

Claims (6)

  1. 所定長さの下水道管体が複数直列に接続されてなる下水道管内を通流する下水(下水処理水を含む)から採熱する下水熱採熱設備において、
    前記採熱管設備は、夫々の採熱ユニットが対応する一の下水道管体の長さに合わせて設置された複数の採熱ユニットにより構成され、
    該採熱ユニットは、夫々熱原水が通流し高熱伝導性材料で形成された採熱管と、該採熱管の間隙及び周囲に充填された保護材とからなるとともに、前記下水道管体夫々の外周面上側を円弧状に被覆するジャケット体として形成され、
    前記採熱管は、前記下水道管の長手方向に平行に複数配設された直管と、該直管同士を接続するベント管とから構成されるとともに、採熱管は、上記した複数の直管とベント管にて一過式の熱原水回路を形成し、該一の熱原水回路を夫々一の採熱ユニット内に組み込んでなることを特徴とする下水熱採熱設備。
  2. 前記採熱管が前記採熱ユニットの厚み方向に対して層状に複数段設けられ、前記熱原水を、外周側に位置する採熱管から内周側に位置する採熱管に向けて通流するようにしたことを特徴とする請求項1記載の下水熱採熱設備。
  3. 前記採熱ユニットは、前記下水道管体の外周面上側に沿う円弧状ジャケット体として形成されたことを特徴とする請求項1記載の下水熱採熱設備。
  4. 所定長さの下水道管体が複数直列に接続されてなる下水道管内を通流する下水から採熱する採熱設備と、該採熱設備にて採熱した下水熱を熱源とするヒートポンプを有した熱源設備とを備え、該熱源設備から負荷側熱交換器に熱供給することにより下水熱を有効利用するようにした下水熱利用システムにおいて、
    請求項1の構成を有する採熱設備と前記負荷側熱交換器との間で熱原水を直接循環させるバイパスラインを設けるとともに、前記バイパスラインを、前記ヒートポンプ起動時若しくは前記負荷側熱交換器における低負荷時にのみ開放する開閉弁を設けたことを特徴とする下水熱利用システム。
  5. 前記バイパスライン上に、蓄熱タンクを設けたことを特徴とする請求項記載の下水熱利用システム。
  6. 前記ヒートポンプの凝縮側サイクルと蒸発側サイクルを切り替える切り替え手段を備え、前記負荷側熱交換器に、前記切り替え手段を介して冷熱と温熱を選択的に供給するようにしたことを特徴とする請求項4記載の下水熱利用システム。
JP2007086609A 2007-03-29 2007-03-29 下水熱採熱設備及び下水熱利用システム Expired - Fee Related JP4974230B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007086609A JP4974230B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 下水熱採熱設備及び下水熱利用システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007086609A JP4974230B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 下水熱採熱設備及び下水熱利用システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008241226A JP2008241226A (ja) 2008-10-09
JP4974230B2 true JP4974230B2 (ja) 2012-07-11

Family

ID=39912790

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007086609A Expired - Fee Related JP4974230B2 (ja) 2007-03-29 2007-03-29 下水熱採熱設備及び下水熱利用システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4974230B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5697481B2 (ja) * 2010-02-23 2015-04-08 中部電力株式会社 加熱冷却装置
FR2959001B1 (fr) * 2010-04-20 2014-05-23 Bsr Technologies Installation geothermique avec recharge thermique du sous sol.
CN102261704A (zh) * 2011-05-08 2011-11-30 姜衍礼 直接式污水源热泵中央空调生活热水系统
JP5836082B2 (ja) * 2011-11-22 2015-12-24 積水化学工業株式会社 樹脂管
JP5914084B2 (ja) * 2012-03-26 2016-05-11 積水化学工業株式会社 下水熱等の採熱システム及びその施工方法
JP2014047988A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Sunpot Co Ltd ヒートポンプシステム
CN104567103B (zh) * 2015-01-08 2017-07-28 上海建筑设计研究院有限公司 污水源热泵系统
JP6680505B2 (ja) * 2015-10-14 2020-04-15 株式会社大林組 シールドトンネルにおけるケーブル配管類の埋設構造及び方法
JP6348918B2 (ja) * 2016-01-28 2018-06-27 株式会社興和 既設管を利用した熱交換構造及びその構築方法
CN106225325A (zh) * 2016-08-21 2016-12-14 吴亚妹 一种热水器用换热器及热水器
CN106322827B (zh) * 2016-08-30 2018-10-19 湖南中大经纬地热开发科技有限公司 基于工业废水源的地热利用方法
JP6990805B2 (ja) * 2017-02-08 2022-02-03 株式会社大林組 埋設管の採熱構造
KR102343475B1 (ko) * 2019-12-05 2021-12-31 한국에너지기술연구원 하수열과 지역냉난방 연계시스템
KR102352496B1 (ko) * 2020-04-22 2022-01-19 한국에너지기술연구원 다중 열원 히트펌프를 이용한 열원과 부하 선택이 가능한 히트펌프장치 및 이의 운전 방법

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06136714A (ja) * 1992-10-27 1994-05-17 Fujikura Ltd 下水熱利用融雪装置
JP2002030717A (ja) * 2000-07-18 2002-01-31 Ace Plan:Kk 下水利用熱源設備構築用の下水用管
JP2002235956A (ja) * 2001-02-09 2002-08-23 Kubota Corp 下水利用熱源設備
JP2002310524A (ja) * 2001-04-11 2002-10-23 Kubota Corp 熱源設備
JP2002333232A (ja) * 2001-05-10 2002-11-22 Kubota Corp ヒートポンプ設備及びそれを用いた融雪設備
JP2003322410A (ja) * 2002-04-30 2003-11-14 Kubota Corp 下水利用熱源設備
JP2006258411A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Sts Kk 熱交換器とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008241226A (ja) 2008-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4974230B2 (ja) 下水熱採熱設備及び下水熱利用システム
JP4987610B2 (ja) 地中熱利用ヒートポンプサイクル装置
WO2009140875A1 (zh) 一种机柜及机柜温控系统
JP2007183023A (ja) 地熱利用冷暖房方法および装置
US11493241B2 (en) Method of controlling heat exchange device, heat exchange device, and water-cooled type heat pump device
CN106129435A (zh) 一种液流电池换热装置
CN110366662B (zh) 区域热能分配系统的局部热能消耗器组件和局部热能发生器组件
JP5334493B2 (ja) 養鰻池保温システム
JP5067958B2 (ja) 地中熱利用ヒートポンプシステム及び水熱利用ヒートポンプシステム
SK95996A3 (en) A method and system for transferring heating and/or cooling power
KR101631508B1 (ko) 태양열 및 지열히트펌프를 이용한 노면 온도조절 시스템
CN107105602A (zh) 用于数据中心的冷却水系统
WO2010098878A1 (en) Geothermal cooling system for an energy-producing plant
JP6060463B2 (ja) ヒートポンプシステム
CN106653291A (zh) 一种利用日夜温差对变压器强迫油循环冷却的系统
JP2016220331A (ja) 太陽電池パネル冷却システム
JP2005265249A (ja) 給湯・空調システム
JP2010185650A (ja) 燃料電池排熱利用熱供給システム
CN206602008U (zh) 一种利用日夜温差对变压器强迫油循环冷却的系统
KR200430990Y1 (ko) 수중의 지중 지열을 이용한 히트 펌프식 냉난방 장치
JP2006308262A (ja) 給湯兼用融雪装置
JP6157816B2 (ja) 雪冷熱利用設備
JP2005344953A (ja) ハイブリッド型地中熱利用システム
JP2008082592A (ja) 冷熱エネルギーシステムにおける雪貯蔵庫
JP4161669B2 (ja) 給湯装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100208

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110930

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120330

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150420

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees