以下、添付図面を適宜参照しながら、本発明に係る自動販売機の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明の実施の形態に係る自動販売機を示したものである。この自動販売機は、後述する所定の販売条件を満たした場合、文章、写真が掲載された冊子状の商品Nの販売を行うもので、本体キャビネット10と外扉15とを備えており、本体キャビネット10と外扉15とで本体ケース1を構成している。この自動販売機が適用対象とする商品は、矩形状の用紙を重ね、それらの用紙の一側端部を綴じて構成した単行本、雑誌等の冊子状の商品Nであり、かつ矩形状の用紙を重ね、それら用紙を折り畳んだ新聞等の冊子状の商品Nである。なお、以下の説明において、外扉15がある側を自動販売機の手前側(前面側)とし、本体キャビネット10がある側を自動販売機の奥側(背面側)として説明する。
本体キャビネット10は、複数の壁板を組み合わせることによって前面が開口した箱状に構成したものであり、図2に示すように、この開口10aを外扉15によって開閉するものである。外扉15は、回動軸15aの軸心15xを中心に回動自在な態様で一側縁部を本体キャビネット10に取り付けてある。
外扉15には、図1に示すように、硬貨を投入するための硬貨投入口2、紙幣を挿入するための紙幣挿入口3、利用者が投入した貨幣の入金額、釣銭の金額等々、商品Nを販売する上で必要となる各種情報を外部に表示するための表示器4、投入した硬貨および挿入した紙幣を返却するための返却レバー5、硬貨を返却する硬貨返却口6、商品Nを取り出すための商品取出口7、商品Nを選択するための商品選択釦8、販売する商品Nの商品見本N′、その商品見本N′を利用者が視認するための透明板9、電子マネーを利用する場合に使用するリーダライタ12等、商品Nを販売する際に必要となる構成が設けてある。
商品選択釦8は、利用者により操作された場合、操作された旨の信号を図13に示す制御手段100に送信するものである。
リーダライタ12は、記録媒体がかざされたとき、当該記録媒体に搭載したICチップの認証処理を行い、かつその認証処理でICチップが正規のものであると判断された場合、ICチップにチャージした電子マネーを決済処理することにより商品を購入するものである。このようなリーダライタは、認証処理の結果を図13に示す制御手段100に送信し、かつ決済処理を行う場合、制御手段100から指令が与えられたときには、その指令に応じて駆動するものである。
さらに、外扉15の背面側には、図13に示す硬貨処理装置2A、および紙幣処理装置3Aを設けてある。硬貨処理装置2Aは、硬貨投入口2から受け入れた硬貨の金銭処理を行うものである。この硬貨処理装置2Aは、金銭処理の結果を制御手段100に送信し、かつ制御手段100から指令が送信された場合には、その指令に応じて駆動するものである。紙幣処理装置3Aは、紙幣挿入口3から受け入れた紙幣の金銭処理を行うものである。この紙幣処理装置3Aは、金銭処理の結果を制御手段100に送信し、かつ制御手段100から指令が送信された場合には、その指令に応じて駆動するものである。
また、外扉15には、各商品取出口7を開閉する扉体11をそれぞれ設けてある。各扉体11は、図2に示すように、回転軸11aの軸心を中心に回動自在な態様で一側縁部を外扉15にそれぞれ取り付けてある。
また、扉体11と外扉15との間には、商品取出口7を閉じた閉成位置に向けて扉体11を付勢するバネ等の付勢手段を設けてある。さらに、例えば外扉15には、駆動した場合、上記付勢手段の付勢力に抗して商品取出口7を開いた開成位置に向けて扉体11を移動させるソレノイド等の扉体開閉用駆動源13(図13に示す)を設けてある。この扉体開閉用駆動源13は、図13に示す制御手段100より駆動指令が与えられた場合には、駆動することにより扉体11を開成位置に向けて移動し、商品取出口7を開く。また、外扉15には、扉体11が上記閉成位置にあることを検出する閉成検出センサS3を設けてある。この閉成検出センサS3は、扉体11が閉成位置にあることを検出した場合、その旨を信号を図13に示す制御手段100に送信するものである。
また、扉体11と外扉15との間には、ロック手段11Lを設けてある。このロック手段11Lは、閉成位置にある扉体11が開成移動することを規制する規制状態と、閉成位置にある扉体11が開成移動することを許容する許容状態とに変位するよう構成してある。このロック手段11Lは、図13に示す制御手段100からロック指令が与えられた場合には、許容状態から規制状態に変位する一方、アンロック指令が与えられた場合には、規制状態から許容状態に変位する。また、この自動販売機は、後述する販売待機状態で、ロック手段11Lを規制状態にしている。
さらに、図2および図4に示すように、外扉15には、各商品取出口7から商品Nが落下することを防止する商品テーブル15Tをそれぞれ設けてある。
また、外扉15には、送出位置に配置された商品Nが、後述する待機位置に向けて搬送されたことを検出する商品取出センサS2を設けてある。この商品取出センサS2は、待機位置に配置された商品Nが、外扉に形成した商品取出口7を通じて本体ケース1の外部に取り出されたことを検出するものとしても機能する。この商品取出センサS2は、送出位置に配置された商品Nが、待機位置に向けて搬送されたことを検出した場合、その旨の信号を図13に示す制御手段100に送信するものである。
この本体キャビネット10の内部には、例えば図3〜図5に示すように、略水平方向に延在し、上部に水平面を有する棚板18によって、複数の商品Nを収容することができる商品収容部SP1を4つ画成してある。具体的には、本体キャビネット10の内部に、棚板18によって商品収容部SP1を上下方向に4つ並べて画成してある。
各商品収容部SP1には、図2、図3、図5、および図13に示すように、商品ユニット20をそれぞれ設けてある。そして、この商品ユニット20に1対1で、上記商品見本N′、商品取出口7、商品選択釦8、ロック手段11L、扉体開閉用駆動源13、商品テーブル15T、商品取出センサS2、および閉成検出センサS3を外扉15に設けてある。また、個々の商品ユニット20は、商品載置板21と、搬送手段60と、当接手段22と、押圧手段70と、送出手段80とを備えている。
商品載置板21は、自身の上部に複数の商品Nを載置するものである。この商品載置板21は、図3、および図5に示すように、左右幅方向に延在し、かつ左右幅方向において、図3中、右側の一方の端部から、左側の他方の端部に向けて下方に傾斜する態様で、各商品収容部SP1の下部に配置してあり、図3および図5に示す商品受台21aを介して棚板18の上部に取り付けてある。
この商品載置板21には、自身の上面に沿って複数の商品Nが同一の姿勢で並ぶよう各商品Nの下端部が商品載置板21の上部に当接するよう載置してある。この商品載置板21の上部には、複数の商品Nが予め設定した所定角度に沿って同一の姿勢で並ぶように、個々の商品Nの表紙が上下方向に沿う直立姿勢であって、背表紙が商品載置板21の上部に当接するよう載置してある。さらに、本実施の形態では、商品載置板21の奥行幅方向の長さは、上記商品Nの奥行幅方向の長さと同一の長さを有している。
また、この商品載置板21の手前側には、図4および図5に示すように、商品Nの並設方向に沿って延在するストッパST1を設けてある。このストッパST1は、後述する商品Nの送出位置の前方域から外れ、かつ商品載置板21の前方域を覆うよう商品載置板21に設けてある。よって、このストッパST1は、送出位置に配置された商品Nが商品載置板21の手前側に移動することを許容する一方、送出位置を除いた個所に配置された商品Nが商品載置板21の手前側に移動することを規制するものである。
搬送手段60は、駆動した場合に、商品載置板21に載置してある商品Nであって、図2中、最も左側に配置(送出位置)に配置された商品を待機位置に搬送し、かつ待機位置に配置された商品を販売位置に搬送するものであって、図7〜図11に示すように、搬送ベース部材61と、一対のケース62a,62bと、一対の駆動スプロケット64a,64bと、一対の従動スプロケット65a,65bと、搬送駆動源67と、搬送チェーン68と、押出部材69とを備えている。
搬送ベース部材61は、搬送手段60のベースとなる部材であって、例えば金属材料等の剛性を有する材料で直方体状に形成してある。
一対のケース62a,62bは、上記搬送ベース部材61の側方領域をカバーするものであって、一方のケース62aが搬送ベース部材61の一方の側端部に取り付けてあり、他方のケース62bが搬送ベース部材61の他方の側端部に取り付けてある。ケース62a,62bは、奥行幅方向(前後方向)に延在する態様で形成してある。これらのケース62a,62bは、自身の端部に接触部材62をそれぞれ有している。この接触部材62は、送出位置に配置された商品Nに当接する部材である。より具体的には、送出位置に配置された商品Nの表紙に当接する部材である。本実施の形態では、図5中、最も左側に配置された商品Nの表紙に図6に示す接触面69fを介して当接する部材である。
一対の駆動スプロケット64a,64bは、上記一対のケース62a,62bにおける前端部において、駆動軸63の軸心63xを中心に回転可能な態様でケース62a,62bにそれぞれ取り付けてある。
一対の従動スプロケット65a,65bは、上記一対のケース62a,62bにおける後端部において、従動軸66の軸心66xを中心に回転可能な態様でケース62a,62bにそれぞれ取り付けてある。従動スプロケット65a,65bにおいて、軸心66xから外周部までの大きさは、上記駆動スプロケット64a,64bにおいて、その軸心63xからその外周部までの大きさよりも大きくなるよう設定してある。
各搬送チェーン68は、押出部材69を後述する循環経路Rに沿って移動させるものであって、複数のチェーン構成体68aと、2つのチェーン構成体68aを連結する複数の連結ピン68bとでそれぞれ構成してある。
一方の搬送チェーン68は、一方の駆動スプロケット64aに掛け回すとともに、一方の従動スプロケット65aに掛け回してあり、かつこれら駆動スプロケット64aと従動スプロケット65aとの間に張り渡してある。
また、他方の搬送チェーン68は、一方の駆動スプロケット64bに掛け回すとともに、一方の従動スプロケット65bに掛け回してあり、かつこれら駆動スプロケット64bと従動スプロケット65bとの間に張り渡してある。
搬送チェーンに沿って走行する押出部材69の循環経路Rは、以下に説明する第1半円部と、第2半円部と、第1連係部と、第2連係部とで構成されループ状を成すよう形成してある。第1半円部は、駆動軸63の軸心63xを中心とする円の一部であって、前面側の部分である。第2半円部は、従動軸66の軸心66xを中心とする円の一部であって、背面側の部分である。第1連係部は、上記第1半円部の一端と、第2半円部の一端とを連係し、直線状を成す部分である。第2連係部は、上記第1半円部の他端と、第2半円部の他端とを連係し、直線状を成す部分である。
搬送駆動源67は、例えば電動モータであって、図13に示す制御手段100より駆動指令が与えられた場合には、回転駆動する出力軸67a(図9に示す)を有している。この搬送駆動源67は、出力軸67aの回転軸心67xが、上記駆動軸63の軸心63xに合致するよう他方のケース62bに取り付けてある。
押出部材69は、例えば押出ベース部材69aと、一対の押出取付部69bと、突出部69cとを備えており、弾性を有する合成樹脂材料によって一体成型することで形成してある。
押出ベース部材69aは、例えば矩形板状に形成してある。押出取付部69bは、連結ピン挿入孔を有しており、押出ベース部材69aの両端から側方に向けて突出する態様で形成してある。
押出部材69は、上記連結ピン挿入孔に、上記搬送チェーン68の連結ピン68bを挿入することで、一方の搬送チェーン68と、他方の搬送チェーン68とを連結している。
突出部69cは、上記押出ベース部材69aの一方の表面から突出する態様で形成してある。しかも、この突出部69cは、自身の先端が上記接触面69fから突出するだけの突出長さを有している。
このような構成を有する押出部材69を、本実施の形態では、上記搬送チェーン68に2つ取り付けてある。搬送チェーン68を、走行方向で2等分に分割するように搬送チェーン68に取り付けてある。よって、いずれか一方の押出部材69の突出部69cが上記接触面69fから突出する場合、他方の押出部材69の突出部69cは、上記接触面69fから退行することとなる。例えば図11に示すように、図中、右側に配置された押出部材69は、自身の先端が上記接触面69fから進出する一方、図11中、左側に配置された押出部材69は、自身の先端が上記接触面69fから退行する。
次に、この搬送手段60の作用を説明する。図13に示す制御手段100より搬送手段60に駆動指令が与えられた場合には、搬送駆動源67が駆動し、それにより回転軸心67xを中心に出力軸67aが回転駆動するとともに、軸心63xを中心に駆動軸63が回転することになる。そして、駆動軸63の回転に伴い、駆動スプロケット64a,64bが軸心63xを中心に回転し、それにより搬送チェーン68が走行するとともに、押出部材69が移動し、かつ従動スプロケット65a,65bが従動軸66の軸心66xを中心に回転することとなる。
また、この商品ユニット20の搬送手段60は、上記突出部69cが接触面69fから進出して移動する領域を、商品Nの搬送を行う搬送領域として予め設定してある。そして、接触面69fが垂直面となる態様であって、商品載置板21における他方の端部の上方領域に搬送領域が配置されるよう搬送手段60を、本体キャビネット10の側壁板14に不図示の取付手段を介して固着してある。
このように搬送手段60を側壁板14に固着した状態では、上記送出位置に配置された商品N(N1)が、搬送領域にも配置されることとなるため、送出位置に商品を配置した状態で搬送手段60を駆動した場合、当該商品に押出部材69が当接してこれを搬送する。
このような搬送手段60は、2つの押出部材69が、送出位置に配置された商品Nからいずれも外れた位置を初期状態として待機している。
また、この商品ユニット20は、送出位置に商品Nが配置されたことを検出する商品センサS1を設けてある。この商品センサS1は、図5に示すように、本体キャビネット10の側壁板14に取り付けてある。この商品センサS1は、送出位置に商品Nが配置された場合、その旨を信号を図13に示す制御手段100に送信するものである。
当接手段22は、図2に示すように、例えば複数の板材で直方体を成すよう形成してあり、当接板23を備えている。当接板23は、図2において当接手段22の右側端部に設けてある板材であって、複数の商品Nのうち、先頭の商品Nの表紙に当接する。このような当接手段22は、先頭の商品Nに当接することで、複数の商品Nが転倒することを防止するものである。
押圧手段70は、搬送手段60の接触部材62、および当接板23に、先頭の商品Nを押し当てるもので、図5に示すように、押圧板71と、押圧手段本体72とを備えている。
押圧板71は、例えば金属材料で板状に形成してあり、上記商品Nの縦横の大きさとほぼ同一の縦横の大きさを有している。
この押圧板71において、当接板23に対向し、かつ接触面69fに対向する一方の表面(押圧面)には、図5および図12に示すように、一方の表面からから突出する態様で押圧突起71aを設けてある。
押圧手段本体72は、例えば金属材料で板状に形成してあり、上記押圧板71の縦横の大きさとほぼ同一の縦横の大きさを有している。この押圧手段本体72には、自身の縦横と、押圧板71の縦横とが合致するよう押圧板71を取り付けてある。
このような押圧手段本体72と、商品収容部SP1の上方の棚板18との間には、図12に示すように、重力の作用によって、押圧手段70が商品載置板21の一方の端部から他方の端部へ向けて移動することを案内する押圧案内手段75を設けてある。
押圧案内手段75は、押圧ガイドレール77a,77b,77cと、押圧案内ローラ79a,79b,79cとを備えている。
押圧ガイドレール77a,77b,77cは、押圧ガイドレール支持手段76を介して棚板18の下部に取り付けてある。押圧ガイドレール支持手段76は、複数の板材によって構成してある。
押圧ガイドレール77a,77b,77cは、3つで一組を構成し、図12に示すように、それぞれ案内溝Gを有しており、この案内溝Gが互いに平行となる態様で押圧ガイドレール支持手段76に設けてある。具体的には、押圧ガイドレール77a,77b,77cは、商品載置板21の一方の端部から他方の端部に向けて下方に傾斜する態様で、上記商品Nの並設方向に沿って延在するように押圧ガイドレール支持手段76に設けてある。3本の押圧ガイドレール77a,77b,77cのうち2本の押圧ガイドレール77a,77bは、案内溝Gが互いに対向する態様で配置してあり、1本の押圧ガイドレール77cは、案内溝Gが下方に向くよう配置してある。
押圧案内ローラ79a,79b,79c,79d,79eは、図3および図12に示すように、5つで一組を構成し、押圧案内ローラ支持手段78を介して押圧手段本体72の上端部にそれぞれ取り付けてある。押圧案内ローラ支持手段78は、回転軸の軸心79ax,79bx,79cx,79dx,79exを中心に回転自在となる態様で押圧案内ローラ79a,79b,79c,79d,79eを支持するものである。これら5つの押圧案内ローラ79a,79b,79c,79d,79eのうち、2つの押圧案内ローラ79a,79dは、押圧ガイドレール77aの案内溝Gに挿入してあり、2つの押圧案内ローラ79b,79eは、押圧ガイドレール77bの案内溝Gに挿入してあり、1つの押圧案内ローラ79cは、押圧ガイドレール77cに挿入してある。
上記押圧手段70は、押圧ガイドレール77a,77b,77cが一方の端部から他方の端部に向けて下方に向けて傾斜しているため、重力の作用により、一方の端部から他方の端部に向けて付勢され、かつ、図5中、最も右側に配置された商品N(最後尾の商品N)に押圧板71が当接している。この状態では、押圧手段70の重量により、先頭の商品Nが接触部材62、および当接板23に押し当てられている。
なお、上記押圧板71および押圧手段本体72は、自身の下端部と商品載置板21との間に、空隙を有している。これは、すべての商品Nが商品載置板21から払い出された場合に、押圧板71および押圧手段本体72が商品センサS1に検出されることを防止するためである。よって、図13に示す制御手段100は、後述する送出手段80の駆動時間が、予め設定した駆動時間を超えても商品センサS1によって送出位置に商品Nが配置されない場合には、すべての商品Nが払い出されたものと判断し、その旨のエラー出力を行う。
送出手段80は、商品収容部SP1に収容してある商品Nを順次、送出位置に向けて送り出すもので、図2〜図5に示すように、一対の軸部材81と、送出ベルト84と、伝達歯車85と、駆動歯車88と、送出駆動源86とを備えている。
各軸部材81は、奥行幅方向に沿って延在するようそれぞれ形成してあり、軸心81xを中心に回転自在となる態様で、商品載置板21の両側端部にそれぞれ設けてある。
各軸部材81には、複数のプーリ81aをそれぞれ設けてある。各プーリ81aは、回動軸の軸心を中心に回動自在となる態様であって、自身の回動軸の軸心と上記軸部材81の軸心81xとを合致させるように軸部材81にそれぞれ取り付けてある。
一対の軸部材81のうち、商品載置板21の下方に傾斜した他方の端部に設けた軸部材81には従動歯車83を設けてある。この従動歯車83は、回動軸の軸心を中心に回動自在となる態様であって、自身の回動軸の軸心と上記軸部材81の軸心81xとを合致させるように他方の軸部材81に取り付けてある。
送出ベルト84は、図2に示すように、一方の軸部材81のプーリ81aに掛け回すとともに、図4に示すように、他方の軸部材81のプーリ81aに掛け回してあり、かつ商品載置板21の上面に現れる態様で、これら一方の軸部材81と他方の軸部材81との間に張り渡してある。しかも、商品載置板21に商品Nを載置した状態では、商品Nの下端部(より具体的には、商品Nの背表紙)が送出ベルト84の表面に当接している。
伝達歯車85は、回転軸の軸心を中心に回転自在となる態様で、上記従動歯車に歯合するよう商品載置板21の他方の端部に取り付けてある。
送出駆動源86は、例えば電動モータであって、図13に示す制御手段100から送出指令が与えられた場合には、出力軸の軸心を中心に回転駆動するものである。この出力軸には、駆動歯車88を固着してある。より具体的には、出力軸の軸心と、駆動歯車88の回動軸の軸心とが合致する態様で、出力軸に駆動歯車88を固着してある。
また、この商品ユニット20は、図5に示すように、姿勢制御板90を備えている。この姿勢制御板90は、送出位置に配置した商品Nを搬送する際、商品Nがせり上がることを防止し、商品Nの姿勢が乱れることを防止するものである。このような姿勢制御板90は、上記押圧ガイドレール支持手段76に設けてある。
このような構成を有する自動販売機は、図13に示す制御手段100を備えている。この制御手段100は、自動販売機を統括的に制御するものであって、硬貨処理装置2A、紙幣処理装置3A、リーダライタ12、並びに各商品ユニット20の送出駆動源86、搬送駆動源67、扉体開閉用駆動源13、商品選択釦8、商品センサS1、商品取出センサS2、閉成検出センサS3に接続してある。
また、制御手段100は、待機位置配置処理部102と、販売処理制御部101とを備えており、メモリ103を有している。待機位置配置処理部102は、送出位置に配置された商品Nを販売待機状態で待機位置に搬送する処理を制御するものである。販売処理制御部101は、商品Nの販売を制御するものである。
メモリ103には、自動販売機を動作させるためのプログラムやデータが格納されている。また、このメモリ103には、予め設定した第1タイム、第2タイム、第3タイム、第4タイムを格納してある。
第1タイムは、待機位置配置処理を行う際、搬送手段60を駆動することにより、送出位置に配置された商品Nの前面側の側端部を、扉体11に突き当てた待機位置に搬送する時間である。
第2タイムは、所定の販売条件を満たすことによって扉体開閉用駆動源13を駆動した後、搬送手段60を駆動することにより、待機位置に配置された商品Nの前面側の側端部を、本体ケース1の外部へ突出させる際、当該商品Nが扉体11に当接することを防止するため、扉体11が開成位置に移動することを確保するための時間である。
第3タイムは、搬送手段60を駆動することにより、待機位置に配置された商品Nを販売位置まで搬送する時間である。なお、この第3タイムは、後述するように、複数の商品ユニット20において、互いに異なる時間が設定されている。
第4タイムは、販売位置に配置された商品Nを利用者が本体ケース1の外部に取り出した後、扉体開閉用駆動源13を停止するまでの時間である。
次に、図14に示すタイムチャートおよび図15および図16に示すフローチャートを用いてこの自動販売機の動作を説明する。説明の便宜上、直前に、販売位置に配置された商品Nが商品取出口7を通じて本体ケース1の外部に取り出された状態(販売処理の途中の状態)にある商品ユニット20で説明する。具体的には、図17に示すように、ロック手段11Lが許容状態にあって扉体11が開成位置に配置されており、搬送手段60の押出部材69が初期状態から外れた搬送の途中位置に配置された状態にあり、払出位置に商品Nが配置されていない状態にあり、商品収容部SP1には、複数の商品(N1〜N10)を収容してある状態にあり、扉体開閉用駆動源13が駆動状態にあるものとして説明する。
先ず、販売位置に配置された商品Nが本体ケース1の外部に取り出されたことを商品取出センサS2が検出した場合、販売処理制御部101は、第4タイムにより予め設定された時間が経過するのを待機する。
販売処理制御部101は、上記時間が経過すると、扉体開閉用駆動源13の駆動を停止し、その後、搬送駆動源67を予め設定した時間、駆動して搬送手段60を初期状態に復帰させる。
次に、販売処理制御部101は、閉成検出センサS3により扉体11が閉成位置に配置されたことを検出した場合、許容状態にあるロック手段11Lを規制状態に変位させて販売処理を終了して、直ちに販売待機状態になる。
ところで、待機位置配置処理制御部は、販売処理中、待機位置配置処理の開始を待機している。具体的には、待機位置配置処理制御部は、閉成検出センサS3により開成位置に配置された扉体11が閉成位置に配置されること(ステップS001:Yes)を条件に、販売待機状態で待機位置配置処理を開始する。これは、扉体開閉用駆動源13が停止状態になると、付勢手段の付勢力により扉体11が閉成位置に向けて移動し、扉体11が閉成位置に配置されると、閉成検出センサS3がそれを検出するためである。そして、待機位置配置処理制御部は、上記当該検出に基づき、ステップS002に移行する。
ステップS002では、待機位置配置処理制御部は、送出駆動源86を予め設定した時間、駆動してからステップS003に移行する。送出駆動源86を駆動することで、商品収容部SP1に収容されていた商品(N1〜N10)が送出位置に向けて移動する。なお、送出駆動源86を駆動する時間は、冊子状の商品Nの厚みに基づき、入力装置19で予め設定してある。
ステップS003では、待機位置配置処理制御部は、商品センサS1により商品Nが送出位置に配置されることを待機しており、商品センサS1により送出位置に商品Nが配置されたことを検出できない場合、ステップS002に戻って、再度、送出駆動源86を駆動する(ステップS003:No)一方、商品センサS1により送出位置に商品Nが配置されたことを検出した場合、ステップS003に移行する(ステップS003:Yes)。この状態では、図18に示すように、先頭の商品N1が送出位置に配置されることとなる。
ステップS004では、待機位置配置処理制御部は、搬送駆動源67の駆動を開始することで、送出位置に配置された商品Nを自動販売機の前面側に向けた搬送を開始してからステップS005に移行する。
ステップS005では、待機位置配置処理制御部は、自動販売機の前面側に向けて移動した商品Nが商品取出センサS2によって検出されることを待機しており、商品取出センサS2によって商品Nが検出されたこと(ステップS005:Yes)を条件にステップS006に移行する。一方、待機位置配置制御部は、商品取出センサS2によって商品Nを検出することができない場合、ステップS004に戻って、再度、搬送駆動源67の駆動を開始する(ステップS005:No)。
ステップS006では、待機位置配置処理制御部は、第1タイムが経過するのを待機しており、第1タイムが経過した場合(ステップS006:Yes)、ステップS007に移行する。
ステップS007では、待機位置配置処理制御部は、搬送駆動源67の駆動を停止し、その後、待機位置配置処理を終了する。上述したように、第1タイムは、搬送手段60を駆動することにより、送出位置に配置された商品Nの前面側の側端部を、扉体11に突き当てた待機位置に搬送する時間を設定してあるため、この状態では、図19に示すように、商品Nは待機位置に配置されることとなる。
ところで、販売処理制御部101は、常時、販売処理の開始を待機している。具体的には、硬貨処理装置2A、または紙幣処理装置3Aに予め設定した額の貨幣が投入され、かつ商品ユニット20の商品選択釦8が操作されることにより、販売条件が満たされることを待機している(ステップS101:No)。
所定の販売条件が満たされた場合、販売処理制御部101は、販売処理を開始し、ステップS102に移行する(ステップS101:Yes)。
ステップS102では、販売処理制御部101は、規制状態にあるロック手段11Lを許容状態に変位させて(ステップS102)からステップS103に移行する。この状態では、閉成位置にある扉体11が開成位置に向けて移動することが許容される。
ステップS103では、販売処理制御部101は、扉体開閉用駆動源13を駆動し、かつこの状態を維持(ステップS103)してから、ステップS104に移行する。これにより、扉体11は、閉成位置から開成位置に向けて移動を開始する。
ステップS104では、販売処理制御部101は、第2タイムが経過するのを待機しており、第2タイムが経過した場合(ステップS104:Yes)、ステップS105に移行する。
その後、販売処理制御部101は、搬送駆動源67を駆動してから(ステップS105)、予め設定した第3タイムが経過するのを待機する(ステップS106:Yes)。すなわち、予め設定した第3タイム中、搬送駆動源67を駆動させることで、図20に示すように、商品Nの先端が、本体ケース1の外部にまで突出する販売位置まで待機位置にあった商品Nを搬送する。
その後、販売処理制御部101は、搬送駆動源67の駆動を停止し(ステップS107)、ステップS108に移行する。
ステップS108では、販売処理装置は、商品取出センサS2によって商品Nが本体ケース1の外部に取り出されることを待機している(ステップS108)。これは、販売位置にある商品Nが利用者によって本体ケース1の外部に取り出され、それを商品取出センサS2で検出するためである。商品取出センサS2で本体ケース1の外部に商品Nが取り出されたことを検出した場合(ステップS108:Yes)、販売処理制御部101は、第4タイムが経過するのを待機しており、第4タイムが経過した場合(ステップS109:Yes)ステップS110に移行する。
ステップS110では、販売処理制御部101は、扉体開閉用駆動源13の駆動を停止してから、ステップS111に移行する。これにより、付勢手段の付勢力によって扉体11が開成位置から閉成位置に向けて移動を開始する。
ステップS111では、販売処理制御部101は、搬送駆動源67を予め設定した時間、駆動して押出部材69を初期位置に復帰させてから、ステップS112に移行する(ステップS111)。
ステップS112では、販売処理制御部101は、閉成検出センサS3により扉体11が検出されることを待機しており、閉成検出センサS3により扉体11が検出された場合(ステップS112:Yes)、ステップS113に移行する。
ステップS113では、販売処理制御部101は、許容状態にあるロック手段11Lを規制状態に変位させてから販売処理を終了する。
この自動販売機では、以後、図21に示すように、上記した待機位置配置処理と、販売処理とを交互に繰り返す。
この実施の形態にかかる自動販売機によれば、商品Nを販売待機状態で、待機位置から販売位置に至る経路の途中の待機位置に予め搬送しておき、所定の販売条件を満たした場合には、待機位置に配置しておいた商品Nを販売位置に向けて搬送するため、所定の販売条件を満たしてから、当該商品Nを本体ケース1の外部に取り出すまでの販売時間を可及的に短縮することができる。
さらに、この自動販売機によれば、本体ケース1の外部に商品Nの一部が突出する販売位置を予め設定しておき、所定の販売条件を満たした場合には、待機位置に配置しておいた商品Nを当該販売位置まで搬送するため、利用者が当該商品Nを容易に取り出すことができる。
なお、上述した実施の形態には、販売待機状態で、送出位置に配置された商品Nを待機位置に搬送し、販売条件を満たした場合には、待機位置から販売位置に搬送するもので説明した。しかしながら、本発明にかかる自動販売機によれば、必ずしも待機位置から販売位置に搬送する必要はない。この自動販売機は、商品取出口7を開閉する扉体11を外扉に備えており、扉体11で商品取出口7を閉じておけば、当該商品取出口7から商品Nを本体ケース1の外部に取り出すことができない収容状態を維持することができる。よって、販売待機状態で、本体ケース1の内部において、扉体11に当接する待機位置まで予め商品Nを搬送しておき、販売条件を満たした場合、扉体11を開けば、利用者が商品取出口7に手を突っ込み、当該商品取出口7を通じて本体ケース1の外部に商品Nを取り出すことができる。よって、上述したのと同様の効果を奏すること、すなわち、販売時間を可及的に短縮することができる。
また、上述した実施の形態には、紙幣処理装置3A、若しくは硬貨処理装置2Aに予め設定した額の貨幣が投入されたことを販売条件を満たす条件としていたが、この発明はこれに限られない。例えばリーダライタを使用して決済処理を行ったことを販売条件を満たす条件としても良い。
ところで、この自動販売機では、第3タイムを複数の商品ユニット20で相互に異なるよう設定してある。以下、第3タイムの相互の設定時間について説明する。
この自動販売機は、上述したように、本体ケース1の内部に4つの商品ユニット20を収容してあり、当該商品ユニット20に個別に通じる商品取出口7を本体ケース1に形成してある。しかも、これらの商品取出口7は、図1にも示すように、上下方向の位置が相互に異なるよう配置してある。
そして、例えば各商品ユニット20の商品収容部SP1に大人向けの雑誌を収容した場合、自動販売機の利用者の多くは大人となる。
そこで、大人の身長を考慮し、図22に示すように、上方に配置された商品取出口7の商品ユニット20は、本体ケース1に対する商品Nの突出量を相対的に小さく設定してあり、当該商品取出口7よりも下方の商品取出口7の商品ユニット20は、下方に行くに従い、本体ケース1に対する商品Nの突出量を順次、大きく設定してある。このように商品取出口7の位置に応じて突出量を変更するには、商品取出口7の位置に応じて各商品ユニット20の第3タイムを、入力装置19で相互に異なるように設定する。
このような自動販売機によれば、利用者を考慮して、商品取出口7の上下方向に位置により本体ケース1に対する突出量を変更しているため、利用者に負担がかかることを防止することができる、より具体的には、下方に配置された商品取出口7から、大人が商品Nを取り出す場合、屈み込んだり、しゃがみこんだりする必要をなくすことができる。
なお、上述した実施の形態には、各商品収容ユニットに大人向けの雑誌を収容し、下方に配置された商品取出口7に対応する商品ユニット20の突出量を大きく設定するもので説明した。しかし、この発明は、それに限られず、例えば各商品ユニット20に子供向けの雑誌を収容し、上方に配置された商品取出口7の販売位置の突出量を大きく設定しても良い。
次に、この自動販売機の第1変形例を説明する。ここでは、ある商品ユニット20の商品収容部SP1に収容する商品Naが、図23〜図25に示すように、相対的に上下方向の高さH1が低く、かつ相対的に左右幅方向の厚さが厚いものを対比の基準として説明する。
この商品Naを販売位置に配置した場合、商品取出口7に対する商品Naの上下方向の隙間量Δt1が相対的に大きい。また、この商品Naを収容する商品ユニット20の第3タイムは、相対的に短く設定してあり、この商品Naを販売位置に配置した場合には、本体ケース1に対する突出量d1aが相対的に小さい。
これに対して、ある商品ユニット20の商品収容部SP1に収容する商品Nbが、図26〜図28に示すように、相対的に上下方向の高さH2が高く、かつ相対的に左右幅方向の厚さが厚い場合には、第3タイムを相対的に長く設定する。この商品Nbを販売位置に配置した場合、商品取出口7に対する商品Nbの上下方向の隙間量Δt2は相対的に小さいが、上記商品Naに比して、当該商品Nbを販売位置に配置した場合には、本体ケース1に対する突出量d1bが相対的に大きくなる。
この自動販売機によれば、商品取出口7に対する商品Nの上下方向の隙間量に応じて販売位置を設定してあるため、例えば相対的に上下方向の高さが高く、かつ相対的に左右幅方向の厚さが厚い商品Nbを本体ケース1から取り出す場合でも、商品Nbが商品取出口7に当接して損傷することを可及的に防止することができる。
次に、この自動販売機の第2変形例を説明する。ここでは、ある商品ユニット20の商品収容部SP1に収容する商品Ncが、図29〜図31に示すように、相対的に上下方向の高さが高く、かつ相対的に左右幅方向の厚さW1が薄いものを対比の基準として説明する。
この商品Ncを販売位置に配置した場合、商品取出口7に対する商品Ncの左右幅方向の隙間量Δt3が相対的に大きい。また、この商品Ncを収容する商品ユニット20の第3タイムは、相対的に短く設定してあり、この商品Ncを販売位置に配置した場合には、本体ケース1に対する突出量d1cが相対的に小さい。
これに対して、ある商品ユニット20の商品収容部SP1に収容する商品Nbが、図26〜図28に示すように、相対的に上下方向の高さが高く、かつ相対的に左右幅方向の厚さW2が厚い場合には、第3タイムを相対的に長く設定する。この商品Nbを販売位置に配置した場合、商品取出口7に対する商品Nbの左右幅方向の隙間量Δt4は相対的に小さいが、上記商品Ncに比して、当該商品Nbを販売位置に配置した場合には、本体ケース1に対する突出量d1bが相対的に大きくなる。
この自動販売機によれば、商品取出口7に対する商品Nの左右幅方向の隙間量に応じて販売位置を設定してあるため、例えば相対的に上下方向の高さが高く、かつ相対的に左右幅方向の厚さが厚い商品Nbを本体ケース1から取り出す場合でも、商品Nbが商品取出口7に当接して損傷することを可及的に防止することができる。