JP4972708B2 - 蒸気を利用するプラント及びそのプラントの運転方法並びに蒸気供給装置及び蒸気供給方法 - Google Patents

蒸気を利用するプラント及びそのプラントの運転方法並びに蒸気供給装置及び蒸気供給方法 Download PDF

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Description

本発明は、蒸気を利用するプラント及びそのプラントの運転方法並びに蒸気供給装置及び蒸気供給方法に係り、特に、火力発電プラント及び原子力発電プラントに適用するのに好適な蒸気を利用するプラント及びそのプラントの運転方法並びに蒸気供給装置及び蒸気供給方法に関する。
火力発電プラント及び原子力発電プラント等の外熱機関はランキンサイクルを基本とする。ランキンサイクルは、凝縮性の蒸気を作動媒体とするサイクルであり、次の4つの過程からなる。(1)給水を加熱し熱水を生成する。(2)熱水をさらに加熱して蒸気を生成する。(3)蒸気をタービンに送り膨張させて動力を得る。(4)蒸気を凝縮して給水とする。通常の発電プラントでは、これらの4つの過程を、次のように各機器に割り当てる。発電プラントでは、(1)及び(2)をボイラ、及び沸騰水型原子力発電プラントの原子炉等の蒸気発生装置が担い、(3)を蒸気タービンが担い、(4)を復水器が担っており、作動媒体を定常的に循環させる。
ランキンサイクルの効率を向上する方法として、通常、再生過程が用いられている。再生過程では、過程(1)での給水の加熱がタービンから抽気した蒸気を用いて行われ、タービンからの抽気により熱が回収される。抽気に伴いタービン出力は減少するが、回収した熱が給水の加熱に有効に使われるため、熱効率が向上する。また、タービン内の湿り度を抑制するため、過程(3)における蒸気の膨張の途中で、蒸気を再加熱する再熱過程が、通常、用いられる。付加的な効果として熱効率及び出力が増加する。
凝縮性の蒸気を作動媒体に対しても、より効率の高いカルノーサイクルを実現する蒸気機関が、岩波講座 基礎工学8 熱力学III、231頁〜252頁(小野 周、岩波書店、(1971年1月7日発行))に記載されている(特に、234頁〜236頁、図6.3参照)。この蒸気機関は、ランキンサイクルの過程(1)に代わり、蒸気の凝縮により生成された給水、及び未凝縮な蒸気を一緒に圧縮して熱水を生成している。この過程を圧縮液化過程と称する。
以上に述べた従来技術のうち、再生過程では、タービンからの蒸気の抽気点を無数にとって連続抽気にすることによって、理論上、最大の熱効率を得ることができる。しかしながら、実用上は、蒸気の抽気点を有限にせざるを得ず、再生過程では熱効率を向上させる余地が残されている。
特開2008−2413号公報は、図9に蒸気ヒートポンプシステムの例を記載している。この蒸気ヒートポンプは、蒸発器、複数の圧縮機及び複数の冷却塔を備えている。複数の圧縮機は、上流に位置する圧縮機の蒸気吐出口に下流に位置する圧縮機の蒸気流入口を接続することによって、互いに直列に接続される。各冷却塔は、圧縮機と圧縮機の間に配置される。蒸発器で発生した蒸気は、最も上流の圧縮機で圧縮されて温度が上昇し、冷却塔で冷却される。冷却塔で冷却された蒸気は、下流に位置する他の圧縮機で圧縮されて温度が上昇し、他の冷却塔に供給されて冷却される。このように、蒸気ヒートポンプでは、圧縮機による蒸気の圧縮及び冷却塔による圧縮された蒸気の冷却が繰り返される。
特開平5−65808号公報は、熱併給蒸気タービンプラントを記載している。この熱併給蒸気タービンプラントは、ボイラで発生した蒸気をタービンに供給して発電機を回転させて電力を発生し、そのタービンから排気された蒸気を高圧プロセス蒸気供給先及び低圧プロセス蒸気供給先にそれぞれ供給する。高圧プロセス蒸気供給先に供給される蒸気は、タービンから排気された蒸気を圧縮機で圧縮している。
実開平1−123001号公報は、復水器から供給した蒸気を一台の圧縮機で圧縮し、圧縮された蒸気を、圧縮機の、軸方向における複数箇所から4基の給水加熱器に供給する火力発電プラントを記載している。
特開2008−2413号公報 特開平5−65808号公報 実開平1−123001号公報 岩波講座 基礎工学8 熱力学III、231頁〜252頁(小野 周、岩波書店、(1971年1月7日発行))
圧縮液化過程では、理論上の最大熱効率が得られる可能性がある。しかしながら、熱力学III、234頁〜236頁及び図6.3(小野 周、岩波書店、(1971年1月7日発行))に記載された、カルノーサイクルを実現する蒸気機関では、気体である蒸気及び液体である給水を混合した状態で圧縮している。このように気体と液体を混合した状態で圧縮した場合には、気体と液体の密度比が大きく、密度の均一性が保たれず圧縮効率が低下する。図6.3に記載された蒸気機関では、圧縮液化過程のみで熱水を得るため、混合された蒸気及び給水を、高い圧力比での圧縮する必要がある。このため、その蒸気機関では、シリンダー式の圧縮機が用いられている。これは、シリンダー内のピストンの往復運動の一方でのみ圧縮するため、脈動により定常的な作動が不可能である。また、シリンダー式は、大容量化が難しく、事業用の発電プラントへの適用は容量的にも困難である。
特開2008−2413号公報は、複数の圧縮機で蒸気を圧縮して温度を高めた蒸気を需要先に供給することを記載しているだけで、蒸気発生装置に供給する液体の温度を高めることに言及していない。圧縮された蒸気に散布される水は圧縮された蒸気の冷却に用いられるだけである。
特開平5−65808号公報は、タービンから排気された蒸気を圧縮機で圧縮して高圧プロセス蒸気供給先に供給することを記載している。この特開平5−65808号公報も蒸気発生装置に供給する液体の温度を高めることに言及していない。
実開平1−123001号報は、火力発電プラントで発生する蒸気の一部を圧縮して給水を加熱するという技術思想を開示している。その一方で、実開平1−123001号公報は、火力発電プラント等の蒸気を利用するプラントのカルノーサイクル化の技術思想については、全く言及していない。発明者らは、この技術思想を詳細に検討した。こ
の検討結果を以下に説明する。
実開平1−123001号公報の第3図は熱サイクルの状態線図であり、火力発電プラントの各部におけるエンタルピー及びエントロピーを表している。この状態線図によれば、復水器の蒸気は第4段給水加熱器まで飽和線上を蒸気圧縮機で圧縮される。一方、蒸気圧縮機の複数の中間段落から抽気された蒸気は別々の給水加熱器に供給され、給水をそれらの給水加熱器によって飽和線に沿って加熱する。
しかしながら、蒸気圧縮機を用いた蒸気圧縮は、損失が無いと仮定した理想的な場合でも、等エントロピー的な変化である。すなわち、熱力学的には、エントロピーが一定で、エンタルピーが増えることが求められる。実開平1−123001号公報では、蒸気を圧縮する過程で給水の一部を蒸気圧縮機内でミスト状に噴霧し、蒸気のエントロピーを減少させている。蒸気圧縮機の段落途中(回転部)にミストを噴霧することは、蒸気圧縮機の減肉等を招くので、困難である。実開平1−123001号公報においても、復水器に流入した蒸気を蒸気圧縮機で供給する際、蒸気圧縮機に供給する蒸気に含まれるミストを除去している。実開平1−123001号公報の記載を考慮すれば、給水をミスト状に噴霧することが可能な位置は、蒸気の圧縮過程において、直列に接続された複数段の蒸気圧縮機の各出口などの静止部に限定される。したがって、第3図の状態線図では、エントロピーに対するエンタルピーの変化は、蒸気圧縮機の各段ごとに、一旦、等エントロピー的にエンタルピーが上昇し、エンタルピーがミストの噴霧によりその飽和線に戻るといったジグザグな線で示されるべきである。
一方、実開平1−123001号公報では蒸気圧縮機で飽和線に沿って状態が変化しているが、これは、段数が十分多く、ジグザグな線が実質上、飽和線に近いことを前提としていると考えられる。また、蒸気圧縮機の段数が十分多い一方で、給水加熱器への抽気は4段であり、両者の段数が一致していない。このため、前述した非特許文献1での蒸気機関のカルノーサイクル化の技術思想、すなわち、気体である蒸気及び液体である給水を混合した状態で圧縮しカルノーサイクルを実現するという技術思想を反映していない。
実開平1−123001号公報に記載されたそのような火力発電プラントは、よりカルノーサイクルに近づけることを狙ったプラントではない。発明者らは、カルノーサイクルにより近い、蒸気を利用するプラントを、工学的に実現しようと考えたのである。
本発明の目的は、プラントの熱効率を向上することができる蒸気を利用するプラント及びそのプラントの運転方法並びに蒸気供給装置及び蒸気供給方法を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、蒸気発生装置から排出された蒸気が供給される蒸気利用装置で利用された蒸気の凝縮液であって蒸気発生装置に供給される液体を、供給された蒸気を用いて加熱する液体加熱装置を備え、
液体加熱装置が、蒸気を順番に圧縮するように配置された複数段の圧縮機と、複数段の圧縮機ごとに対を形成して設けられ、対を形成した圧縮機で圧縮された蒸気が供給されて、この蒸気によって蒸気発生装置に供給する液体を加熱する複数の蒸気冷却装置とを有し、
最終段の圧縮機から圧縮された蒸気が供給される蒸気冷却装置を除いて、上流に位置する1つの圧縮機に接続された蒸気冷却装置は、この圧縮機の下流に位置する他の1つの圧縮機に、冷却された蒸気を供給するように接続されていることにある。
このような本発明によれば、圧縮機(第1圧縮機)で圧縮することによって温度が高められた蒸気が蒸気冷却装置(第1蒸気冷却装置)に導かれ、この温度が上昇した圧縮蒸気を用いて蒸気発生装置に供給する液体が加熱される。その蒸気冷却装置(第1蒸気冷却装置)によって冷却された蒸気が下流に位置する他の圧縮機(第2圧縮機)に供給されて再度圧縮される。この圧縮機(第2圧縮機)で圧縮された蒸気が下流に位置する他の蒸気冷却装置(第2蒸気冷却装置)に供給され、上流に位置する蒸気冷却装置(第1蒸気冷却装置)で加熱された液体がさらに加熱されてこの液体の温度を高めることができる。一方、ある蒸気冷却装置(第1蒸気冷却装置)で冷却されて温度が低下した蒸気が、下流に位置する他の圧縮機(第2圧縮機)に供給されるので、他の圧縮機における蒸気の圧縮比を高めることができ、その分、蒸気の温度をさらに上昇させることができる。
すなわち、本発明は、各圧縮機と対になっているそれぞれの蒸気冷却装置で、各圧縮機で圧縮された蒸気を用いて蒸気発生装置に供給される液体を加熱し、且つある圧縮機に接続された蒸気冷却装置で冷却した蒸気を下流に位置する他の圧縮機に供給するので、各段の圧縮機にそれぞれ接続されて蒸気の供給を受ける各蒸気冷却装置において、供給された蒸気の温度とこの蒸気によって加熱される液体の温度の差が小さくなり、熱的にはその蒸気及びその液体が混合された状態と等価な状態となる。したがって、本発明は、蒸気及びこれによって加熱される液体を混合した状態で圧縮するというカルノーサイクル化の技術思想を反映している。これらより、ランキンサイクルからカルノーサイクルにより近い、蒸気を利用するプラントが、工学的に実現される。このため、より高い温度に上昇した圧縮蒸気を用いて蒸気発生装置に供給する液体の温度をより高くすることができる。この液体の温度が上昇した分、蒸気発生装置における発生熱量を蒸気の生成に有効に利用することができ、蒸気を利用するプラントの熱効率を向上させることができる。
蒸気発生装置から排出された蒸気が供給されるタービンから抽気された抽気蒸気及びそのタービンから排気された一部の排気蒸気のいずれかの蒸気を用いて、タービンから排出された排気蒸気を凝縮して生成されかつ蒸気発生装置に供給される液体を加熱する液体加熱装置を備え、
その液体加熱装置が、抽気蒸気及び排気蒸気のいずれかの蒸気を順番に圧縮するように配置された複数段の圧縮機と、複数段の圧縮機ごとに対を形成して設けられ、対を形成した圧縮機で圧縮された蒸気が供給されて、この蒸気によって蒸気発生装置に供給する液体を加熱する複数の蒸気冷却装置とを有し、
最終段の圧縮機から圧縮された蒸気が供給される蒸気冷却装置を除いて、上流に位置する1つの圧縮機に接続された蒸気冷却装置は、この圧縮機の下流に位置する他の1つの圧縮機に、冷却された蒸気を供給するように接続されている、蒸気を利用するプラントによっても、上記した本発明の目的を達成することができる。
本発明によれば、蒸気を利用するプラントの熱効率を向上することができる。
本発明の好適な一実施例である蒸気を利用するプラントの実施例1の火力発電プラントの構成図である。 図1に示す蒸気ヒートポンプ装置の構成図である。 図1に示す火力発電プラントの温度(T)−エントロピー(S)線図である。 蒸気ヒートポンプ装置を用いた火力発電プラントにおける熱効率の向上を示す説明図であり、(A)は抽気蒸気を用いて給水を加熱する火力発電プラントのT−S線図、(B)は抽気蒸気を用いて給水を加熱する火力発電プラントのT−q・S線図、(C)は蒸気ヒートポンプ装置を用いて給水を加熱する火力発電プラントのT−q・S線図である。 従来の火力発電プラントの構成図である。 図5に示す従来の火力発電プラントの温度(T)−エントロピー(S)線図である。 本発明の他の実施例である蒸気を利用するプラントの実施例2の火力発電プラントの構成図である。 図7に示す火力発電プラントの温度−エントロピー線図である。 本発明の他の実施例である蒸気を利用するプラントの実施例3の火力発電プラントの構成図である。 図9に示す火力発電プラントの温度−エントロピー線図である。 本発明の他の実施例である蒸気を利用するプラントの実施例4の火力発電プラントの構成図である。 図11に示す火力発電プラントの温度−エントロピー線図である。 本発明の他の実施例である蒸気を利用するプラントの実施例5の沸騰水型原子力発電プラントの構成図である。 本発明の他の実施例である蒸気を利用するプラントの実施例6の加圧水型原子力発電プラントの構成図である。 本発明の他の実施例である蒸気を利用するプラントの実施例6の食品加工プラントの構成図である。
符号の説明
1,1B,1C,1D…火力発電プラント、2…ボイラ、2A…超臨界圧ボイラ、3…高圧タービン、4…低圧タービン、7…復水器、8…低圧給水加熱器、10…給水配管、11,11A,11B…蒸気ヒートポンプ、12A,12B,12C,12D…圧縮機、15…モータ、16A,16B,16C,16D…凝縮器、17A,17B,17C,17D…伝熱管、18A,18B,18C…湿分分離器、21A,21B,21C,21D…ポンプ、22A,22B,22C,22D…凝縮水配管、23,24,31…抽気管、30…高圧給水加熱器、35…沸騰水型原子力発電プラント、36,39…原子炉、37,37A…炉心、38…加圧水型原子力発電プラント、41…蒸気発生器。
発明者らは、熱力学III(小野 周、岩波書店、(1971年1月7日発行))の235頁、図6.3に記載されたカルノーサイクルを実現する蒸気機関における問題点を解消し、ランキングサイクルのプラントをカルノーサイクルにより近づけることができるプラントの構成を検討した。この検討の過程で、発明者らは、蒸気と蒸気発生装置に供給される給水が分離されている状態で蒸気を圧縮機で圧縮し、圧縮されて温度が上昇した蒸気を用いて給水を加熱するという、新たな技術思想を見出した。本発明は、この技術思想を適用することによって成されたものである。
発明者らが見出した新たな技術思想を適用した設備の例を、以下に説明する。
代表的な例は、発電プラント(火力発電プラント及び原子力発電プラント等)等の蒸気発生装置及びタービンを用いたプラントである。このプラントでは、蒸気発生装置からタービンに供給される蒸気がタービンまたはタービンの排気から抽気され、抽気された蒸気が複数段の圧縮機で順次圧縮され、各段の圧縮機で圧縮されて温度が上昇した蒸気を、複数段の圧縮機ごとに対を形成している各蒸気冷却装置に供給し、これらの蒸気冷却装置によって蒸気発生装置に供給するプラントの給水が加熱される。さらに、上流に位置する圧縮機から蒸気が供給される蒸気冷却装置で冷却された蒸気が、この圧縮機の下流に位置する1つの圧縮機に供給される。
加熱された給水は、タービンから排気された蒸気を凝縮することによって発生する。圧縮機を複数段設けて蒸気を上流から下流に向かって各段の圧縮機に順次供給し、各蒸気冷却装置において各圧縮機から排気されるそれぞれの蒸気によって給水を加熱し、この給水の加熱時に蒸気冷却装置で冷却された蒸気を下流の圧縮機に供給する場合では、圧縮機の段数及び蒸気冷却装置の基数が多くなるほど、そのプラントのサイクルはカルノーサイクルに近くなる。
発明者らが見出した新たな技術思想は、蒸気ヒートポンプの新たな概念をもたらした。この蒸気ヒートポンプでは、蒸気が複数段の圧縮機で圧縮され、圧縮されて温度が上昇された蒸気によって、各蒸気冷却装置において加熱された、蒸気発生装置に供給するより温度の高い給水が得られる。
上記した新たな技術思想を適用した本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の蒸気を利用するプラントを、図1及び図2を用いて説明する。本実施例の蒸気を利用するプラントは、火力プラントである火力発電プラント1である。火力発電プラント1は、蒸気発生装置であるボイラ2、高圧タービン(第1タービン)3、高圧タービン3よりも圧力が低い低圧タービン(第2タービン)4、復水器7、低圧給水加熱器8及び蒸気ヒートポンプ装置(液体加熱装置)11を備えている。ボイラ2は、主蒸気管6によって高圧タービン3及び低圧タービン4に接続される。再熱器5が高圧タービン3と低圧タービン4の間の主蒸気管6に設けられる。給水配管10が復水器7とボイラ2を接続する。給水配管10には、上流から下流に向って、復水ポンプ9A、低圧給水加熱器8、給水ポンプ9B及び蒸気ヒートポンプ装置11がこの順に設けられる。抽気管23が、低圧タービン4のタービンケーシング(図示せず)に接続され、さらに、低圧給水加熱器8にも接続される。
蒸気ヒートポンプ装置11は、図2に示すように、圧縮機12A,12B,12C及び12D、モータ(駆動装置)15、凝縮器16A,16B,16C及び16D及び湿分分離器18A,18B及び18Cを有する。圧縮機12A,12B,12C及び12Dは回転する動翼を有する、回転式圧縮機であるターボ圧縮機である。圧縮機12A,12B,12C及び12Dの、動翼を有するローター(図示せず)は、回転軸13に連結されている。回転軸13は、歯車14を介してモータ15に連結される。
凝縮器16Aは排気管19Aによって一段目の圧縮機12Aに接続される。凝縮器16Aは供給管20Aによって二段目の圧縮機12Bに接続される。湿分分離器18Aが供給管20Aに設けられる。凝縮器16Bは排気管19Bによって圧縮機12Bに接続される。凝縮器16Bは供給管20Bによって三段目の圧縮機12Cに接続される。湿分分離器18Bが供給管20Bに設けられる。凝縮器16Cは排気管19Cによって圧縮機12Cに接続される。凝縮器16Cは供給管20Cによって最終段である四段目の圧縮機12Dに接続される。湿分分離器18Cが供給管20Cに設けられる。凝縮器16Dは排気管19Dによって圧縮機12Dに接続される。蒸気ヒートポンプ装置11においては、圧縮機と凝縮器が対になって設けられている。最上流に位置する一段目の圧縮機12Aは、開閉弁25が設けられた抽気管24によって低圧タービン4のタービンケーシングに接続される。抽気管24は、低圧タービン4の軸方向において、抽気管23が低圧タービン4に接続される位置と同じ位置に接続される。抽気管24の低圧タービン4への接続位置は、抽気管23の低圧タービン4への接続位置よりも低圧タービン4の周方向においてずれている。抽気管24は抽気管23に接続してもよい。
伝熱管17Aが凝縮器16A内に設けられ、伝熱管17Bが凝縮器16B内に設けられる。伝熱管17Cが凝縮器16C内に設けられ、伝熱管17Dが凝縮器16D内に設けられる。給水ポンプ9Bの下流で給水配管10が伝熱管17Aの入口に接続される。給水配管10は、伝熱管17Aの出口と伝熱管17Bの入口、伝熱管17Bの出口と伝熱管17Cの入口、伝熱管17Cの出口と伝熱管17Dをそれぞれ接続している。さらに、給水配管10は、伝熱管17Dの出口とボイラ2を接続している。凝縮器16A,16B,16C及び16Dは、各圧縮機から排気される蒸気に着目すれば凝縮器であるが、給水配管10内を流れる給水に着目すれば加熱器である。
ポンプ21Aが設けられる凝縮水配管22Aが、凝縮器16Aの底部に接続される。ポンプ21Bが設けられる凝縮水配管22Bが、凝縮器16Bの底部に接続される。ポンプ21Cが設けられる凝縮水配管22Cが、凝縮器16Cの底部に接続される。ポンプ21Dが設けられる凝縮水配管22Dが、凝縮器16Dの底部に接続される。凝縮水配管22A,22B,22C及び22Dがポンプ21Dの下流で凝縮水配管22Dに接続される。凝縮水配管22Dは、図示されていないが、伝熱管17Dの出口とボイラ2の間に存在する給水配管10に接続される。
火力発電プラント1は、蒸気供給装置を含んでいる。この蒸気供給装置は、ボイラ2、蒸気ヒートポンプ装置11及び給水配管10を有する。高圧タービン3及び低圧タービン4は蒸気利用装置である。
図1には、火力発電プラント1における代表的な接続点に、蒸気の熱力学的な状態を表すアルファベットa,b,d〜h及びg’が付されている。
ボイラ2で発生した蒸気は、主蒸気管6を通って高圧タービン3に供給され、さらに、再熱器5及び低圧タービン4に導かれる。再熱器5では、ボイラ2の過熱器(図示せず)から排出された過熱蒸気によって、高圧タービン3から排出された蒸気が加熱される。再熱器5内で温度が上昇した蒸気が低圧タービン4に供給される。高圧タービン3及び低圧タービン4に供給された蒸気は、互いに回転軸が連結されている高圧タービン3及び低圧タービン4を回転させる。これらのタービンの回転軸に連結されている発電機(図示せず)が回転し、発電が行われる。
低圧タービン4から排気された蒸気は、復水器7で凝縮されて水となる。この水は、給水として給水配管10を通ってボイラ2に供給される。復水器7から排出された給水は、復水ポンプ9Aで昇圧されて低圧給水加熱器8に供給される。低圧タービン4から抽気された蒸気が抽気管23を通って低圧給水加熱器8に供給される。低圧給水加熱器8に供給された給水は抽気管23によって供給された蒸気によって加熱され、給水の温度が上昇する。低圧給水加熱器8から排出された給水は、給水ポンプ9Aで昇圧されて給水配管10によって、凝縮器16A,16B,16C及び16Dの伝熱管17A,17B,17C及び17D内に供給される。給水は、伝熱管17A,17B,17C及び17D内を流れる間に、圧縮された蒸気が保有している熱によって加熱される。凝縮器16Dから排出された給水は、給水配管10を通ってボイラ2に供給される。
蒸気ヒートポンプ装置11による給水の加熱を詳細に説明する。圧縮機12A,12B,12C及び12Dのそれぞれでは、モータ15の駆動によって動翼を有するローターが回転している。低圧タービン4から抽気された蒸気は、抽気管24を通って一段目の圧縮機12Aに供給される。このとき、開閉弁25は開いている。蒸気は、圧縮機12Aで圧縮されて温度が上昇する。圧縮された蒸気は、排気管19Aを通って凝縮器16A内に導かれ、凝縮器16Aの伝熱管17A内を流れる給水によって冷却される。この冷却によって凝縮器16A内の一部の蒸気が凝縮されて凝縮水26になって凝縮器16Aの底部に落下する。凝縮器16Aに供給される蒸気は、伝熱管17A内を流れる給水の温度よりも高くなっているので、伝熱管17Aの外面で凝縮される。
給水配管10によって供給されて伝熱管17A内を流れる給水は、凝縮器16A内で蒸気を冷却しさらに一部の蒸気を凝縮することによって加熱され、温度が上昇する。凝縮器16A内の蒸気の温度と伝熱管17A内の給水の温度はほぼ等しく、蒸気と給水の間で近似的に熱的平衡が保たれる。
凝縮器16A内の未凝縮の蒸気は、湿分分離器18Aで湿分が除去された後、供給管20Aを通って圧縮機12Bに導かれる。凝縮器16Aから圧縮機12Bに供給される蒸気の体積流量は、凝縮器16Aによる冷却により減少している。蒸気は、圧縮機12Bで再度圧縮されて温度が上昇する。圧縮機12Bから排気される蒸気の温度は、圧縮機12Aから排気された蒸気の温度よりも高くなっている。圧縮機12Bで圧縮された蒸気は、排気管19Bを通って凝縮器16B内に導かれ、凝縮器16Bの伝熱管17B内を流れる給水によって冷却される。この冷却によって凝縮器16B内の一部の蒸気が凝縮されて凝縮水26になって凝縮器16Bの底部に落下する。凝縮器16Bに供給される蒸気は、伝熱管17B内を流れる給水の温度よりも高くなっているので、伝熱管17Bの外面で凝縮される。
伝熱管17Aから排出されて伝熱管17B内を流れる給水は、凝縮器16B内で蒸気を冷却しさらに一部の蒸気を凝縮することによって加熱され、温度がさらに上昇する。凝縮器16B内の蒸気の温度と伝熱管17B内の給水の温度はほぼ等しく、近似的に熱的平衡が保たれる。
凝縮器16B内の未凝縮の蒸気は、湿分分離器18Bで湿分が除去された後、供給管20Bを通って圧縮機12Cに導かれる。凝縮器16Bから圧縮機12Cに供給される蒸気の体積流量は、凝縮器16Bによる冷却により減少している。蒸気は、圧縮機12Cで再度圧縮されて温度が上昇する。圧縮機12Cから排気される蒸気の温度は、圧縮機12Bから排気された蒸気の温度よりも高くなっている。圧縮機12Cで圧縮された蒸気は、排気管19Cを通って凝縮器16C内に導かれ、凝縮器16Cの伝熱管17C内を流れる給水によって冷却される。この冷却によって凝縮器16C内の一部の蒸気が凝縮されて凝縮水26になって凝縮器16Cの底部に落下する。凝縮器16Cに供給される蒸気は、伝熱管17C内を流れる給水の温度よりも高いので、伝熱管17Cの外面で凝縮される。
伝熱管17Bから排出されて伝熱管17C内を流れる給水は、凝縮器16C内で蒸気を冷却しさらに一部の蒸気を凝縮することによって加熱され、温度がさらに上昇する。凝縮器16C内の蒸気の温度と伝熱管17C内の給水の温度はほぼ等しく、近似的に熱的平衡が保たれる。
凝縮器16C内の未凝縮の蒸気は、湿分分離器18Cで湿分が除去された後、供給管20Cを通って圧縮機12Dに導かれる。凝縮器16Cから圧縮機12Dに供給される蒸気の体積流量は、凝縮器16Cによる冷却により減少している。蒸気は、圧縮機12Dで再度圧縮されて温度が上昇する。圧縮機12Dから排気される蒸気の温度は、圧縮機12Cから排気された蒸気の温度よりも高くなっている。圧縮機12Dで圧縮された蒸気は、排気管19Dを通って凝縮器16D内に導かれ、凝縮器16Dの伝熱管17D内を流れる給水によって冷却される。この冷却によって凝縮器16D内の蒸気が凝縮されて凝縮水26になって凝縮器16Dの底部に落下する。凝縮器16Dに供給される蒸気は、伝熱管17D内を流れる給水の温度よりも高いので、伝熱管17Dの外面で凝縮される。凝縮器16D内に供給された全ての蒸気が凝縮器16D内で凝縮される。
伝熱管17Cから排出されて伝熱管17D内を流れる給水は、凝縮器16D内で蒸気を凝縮することによって加熱され、温度がさらに上昇する。凝縮器16D内の蒸気の温度と伝熱管17D内の給水の温度はほぼ等しく、近似的に熱的平衡が保たれる。この伝熱管17Dから排出された給水がボイラ2に導かれる。
ポンプ21A,21B,21C,21Dが駆動されている。凝縮器16Aの底部に溜まった凝縮水26は、ポンプ21Aによって昇圧され、凝縮水配管22Aを通って凝縮水配管22Dに導かれる。凝縮器16Bの底部に溜まった凝縮水26は、ポンプ21Bによって昇圧され、凝縮水配管22Bを通って凝縮水配管22Dに導かれる。凝縮器16Cの底部に溜まった凝縮水26は、ポンプ21Cによって昇圧され、凝縮水配管22Cを通って凝縮水配管22Dに導かれる。凝縮器16Dの底部に溜まった凝縮水26は、ポンプ21Dによって昇圧され、凝縮水配管22Dを通って凝縮器16Dの下流で給水配管10内に供給される。凝縮器16A、凝縮器16B及び凝縮器16Cからの各凝縮水26も、凝縮器16Dからの凝縮水26と一緒に給水配管10内に供給される。このため、各凝縮器から排出された凝縮水は、給水と共にボイラ2に供給される。
本実施例の利点を従来の火力発電プラントとの対比で説明する。従来の火力発電プラント1Aは、図5に示すように、本実施例の火力発電プラント1において蒸気ヒートポンプ装置11及び抽気管24を取り除き、替りに高圧給水加熱器30及び抽気管31を付加した構成を有している。高圧給水加熱器30は低圧給水加熱器8の下流で給水配管10に設けられる。高圧給水加熱器30に接続された抽気管31は、高圧タービン5のタービンケーシング(図示せず)に接続されている。高圧タービン5から抽気された蒸気が、抽気管31を通って高圧給水加熱器30に供給され、低圧給水加熱器8から排出された給水を加熱する。図5にも、図1と同様に、火力発電プラント1Aにおける代表的な接続点に、蒸気の熱力学的な状態を表すアルファベットa,b,d〜h及びg’が付されている。
図6は、火力発電プラント1Aの温度−エントロピー線図、いわゆる、T−S線図を示している。図6において、飽和線は、エントロピーSに対する飽和温度を示している。このT−S線図は、ボイラ2で生成される蒸気が臨界温度以下の飽和蒸気であるとして書かれている。ボイラ2の特性によっては、飽和線より温度の高い過熱状態である場合、さらに、変化する過程も含めて温度が飽和線より高い超臨界圧である場合もある。
低圧給水加熱器8では、給水が低圧タービン4のgから抽気された蒸気によって加熱され、温度とエントロピーの関係がaからg’に変化する。gから蒸気が抽気されることにより、gとh間で低圧タービン4を通過する蒸気の流量が減少する。給水が、高圧タービン3のeから抽気された蒸気によって高圧給水加熱器5で加熱されて温度とエントロピーの関係がg’からbに変化する。eからe’への蒸気の抽気により、e−f−gにおける蒸気の流量が減少する。低圧タービン4を通過する蒸気の流量減少は出力の低下をもたらす。しかしながら、復水器7における蒸気の凝縮によって外部に捨てられる熱が減少し、ボイラ2に供給される蒸気の温度をg’と高温側に増加できる。このため、火力発電プラント1Aの熱効率は、再生過程が無い場合よりも向上する。
図3は、本実施例の火力発電プラント1に対するT−S線図を示している。本実施例は、高圧給水加熱器30を設けていないので、図5に示すe−b及びg’−bの変化が生じない。本実施例は、蒸気ヒートポンプ装置11を設けることによって、給水g’とこれと同じ温度の抽気蒸気gを用いて状態bの給水を得るものである。図3のT−S線図上では、給水の状態をgbからbに変えることになる。このとき、蒸気と給水を混合する必要は無く、これらが分離している状態でも蒸気と給水が熱的平衡にあれば混合状態と等価になる。本実施例は、蒸気ヒートポンプ装置11の一段目の圧縮機12Aに供給される蒸気gを四段の圧縮機12A〜12Dを用いて圧縮して凝縮器16A〜16Dで給水を加熱することによって、一段目の圧縮機12Aに供給される蒸気gと同じ温度の、凝縮器16Aの伝熱管17Aに供給される給水g’を、eの蒸気温度よりも高い温度の給水bにすることができる。すなわち、蒸気eよりも温度の低い蒸気gを、蒸気ヒートポンプ装置1を用いることによって、より温度の高い蒸気を生成し、この蒸気を用いて、従来の火力発電プラント1Aにおいて高圧タービン3のeから抽気された蒸気の温度よりも高い温度の給水bを生成することができる。ボイラ2に供給された温度が高い給水bは、飽和水cまで加熱された後、さらに加熱されて飽和蒸気dになる。これによって、高圧タービン5のeからの蒸気の抽気が不要になり、再熱器5から低圧タービン4のgまでの蒸気流量(e−f−gの蒸気流量)が増大する。これは、低圧タービン4に供給される蒸気の流量を増加させることになり、タービン出力(タービンの機械出力)を増大させる。さらに、高圧タービン3から再熱器5に供給される蒸気量が増大することになり、再熱器5で加熱されて再熱器5から排出される蒸気が保有する熱量も増大し、タービン出力をさらに高めることになる。ボイラ2に供給される給水bが蒸気eよりも高くなるので、火力発電プラント1の熱効率が火力発電プラント1Aのそれよりも向上する。
蒸気ヒートポンプ装置11を設けることによって、火力発電プラント1の熱効率が向上することを、図4を用いて定性的に説明する。図4(A)は一段の再生過程を有する従来の火力発電プラントに対するT−S線図である。図4(B)は、一段の再生過程を、抽気蒸気を用いた給水加熱器で実現した従来の火力発電プラントに対するT−q・S線図である。蒸気の抽気によって低圧タービン4に流入する蒸気の流量が減少することを図式的に考慮するために、図4(B)の横軸は比エントロピーと蒸気流量の積を示している。なお、横軸上の各点の温度は絶対零度である。図4(B)において、A−B(図6のg’−bに相当)が抽気蒸気を供給した給水加熱器による給水の加熱を示し、B−Cはボイラによる給水の加熱を示している。さらに、図4(B)において、多角形BCDG’I’Bの面積が火力発電プラントへの入熱(ボイラ2の出力)、四角形AHH’A’の面積が火力発電プラントの排熱、及び多角形ABCDEFHAの面積が火力発電プラントの電気出力をそれぞれ表している。四角形FEGHFは蒸気の抽気による火力発電プラントの電気出力の欠損となる。一方、理論的に三角形ABIと三角形HEGの面積が等しい。多角形IBCDGIの面積から三角形HFEを除いた面積が、多角形ABCDEFHAの面積と等しく、火力発電プラントの電気出力となる。
図4(C)は、火力発電プラントの一段の再生過程を蒸気ヒートポンプ装置11で実現した、本実施例に相当する火力発電プラントに対するT−q・S線図を示している。図4(C)において、I−B(図3のgb−bに相当)は蒸気ヒートポンプ装置11による給水の加熱を示している。再生過程に蒸気ヒートポンプ装置11を用いた火力発電プラントでは、入熱が図4(B)と同じで、多角形IBCDGIの面積が火力発電プラントの電気出力となる。したがって、蒸気ヒートポンプ装置11を用いた火力発電プラントでは、図4(B)に比べて、入熱が同じで火力発電プラントの電気出力が三角形HFEの面積分増加するため、図4(C)で対象になった火力発電プラントの効率は、図4(B)で対象になった火力発電プラントのそれよりも向上する。
一段の再生過程を抽気蒸気が供給される給水加熱器で実現している火力発電プラントは、ランキンサイクルを実現しているのに対し、その再生過程を蒸気ヒートポンプ装置11で実現している火力発電プラントは、I−Bの過程を生じ、カルノーサイクルに近づいたサイクルを実現している。蒸気ヒートポンプ装置11を用いることによって、モータ15における少ない消費電力でより大きな熱量を回収することができ、ボイラ2に供給する給水の温度を、従来の火力発電プラント1Aの高圧タービン3から抽気した蒸気の温度よりも高めることができる。この結果、火力発電プラント1はI−Bの過程を生じる。本実施例の火力発電プラント1は、カルノーサイクルに近づいたサイクルを実現しているので、火力発電プラント1Aよりも電気出力を増大することができる。この結果、火力発電プラント1の熱効率は、火力発電プラント1Aのそれよりも向上する。
本実施例において、カルノーサイクルに近づいたサイクルを実現している理由を以下に説明する。本実施例では、複数段の圧縮機と複数基の凝縮器が、一段目の圧縮機12Aとこれに接続される凝縮器16A、二段目の圧縮機12Bとこれに接続される凝縮器16B、三段目の圧縮機12Cとこれに接続される凝縮器16C及び最終段の圧縮機12Dとこれに接続される凝縮器16Dのように、それぞれ対を成して設けられている。さらに、凝縮器16Aで冷却された蒸気を圧縮機12Bに供給し、凝縮器16Bで冷却された蒸気を圧縮機12Cに供給し、及び凝縮器16Cで冷却された蒸気を圧縮機12Dに供給している。凝縮器16A,16B,16C及び16Dでは、給水の加熱及び蒸気の冷却が行われる。このため、凝縮器16A,16B,16C及び16Dでは、加熱側の蒸気の温度と被加熱側の給水の温度との差が小さくなり、熱的には圧縮された蒸気及び給水が混合された状態と等価な状態が各凝縮器内で実現される。したがって、本実施例は、蒸気及びこれによって加熱される給水を混合した状態で圧縮するというカルノーサイクル化の技術思想を反映しており、ランキンサイクルからカルノーサイクルにより近くなる火力発電プラント1を工学的に実現している。
上記したカルノーサイクルにより近くなる火力発電プラント1を工学的に実現することによって、本実施例は、より高い温度に上昇した圧縮蒸気を各凝縮器に供給して蒸気発生装置に供給する液体の温度をより高くすることができる。この液体の温度が上昇した分、蒸気発生装置における発生熱量を蒸気の生成に有効に利用することができ、火力発電プラント1の熱効率を向上させることができる。
本実施例では、蒸気ヒートポンプ装置11により給水を加熱するので、従来の火力発電プラントに設けられていた高圧給水加熱器が不要になる。
本実施例は、ボイラ2に供給される給水を用いて、圧縮機12A,12B及び12Cから排出された、圧縮により温度が上昇したそれぞれの蒸気を、凝縮器16A,16B及び16Cにおいてそれぞれ冷却しているので、これらの凝縮器の下流に位置する各圧縮機に供給される蒸気の体積流量を減少させることができる。このため、下流に位置する圧縮機における蒸気の圧縮効率を高めることができ、下流に位置する圧縮機で圧縮された蒸気の温度もより高くすることができる。したがって、圧縮された蒸気を冷却する給水の温度上昇もより大きくなる。それだけ、火力発電プラント1の電気出力が増大する。また、下流に位置する圧縮機に冷却された蒸気が供給されるので、圧縮機を駆動する動力を低減することができる。圧縮機を複数段設けることは、圧縮機一段当たりの入口と出口の圧力比を小さくすることができる。このため、ターボ圧縮機の製造が容易になる。圧縮機12A〜12Dは水を実質的に含まない蒸気を圧縮するので、蒸気の圧縮効率を高くすることができる。
本実施例は、低圧タービン4から抽気した蒸気、具体的には、低圧タービン4において、最終段の動翼より上流に位置する動翼間から抽気した蒸気を蒸気ヒートポンプ装置11に供給しているので、蒸気ヒートポンプ装置11における蒸気の圧縮比を小さくすることができる。このため、蒸気ヒートポンプ装置11における圧縮機の段数を少なくすることができ、蒸気ヒートポンプ装置11をコンパクトにすることができる。
本実施例は、低圧タービン4から抽気した蒸気を蒸気ヒートポンプ装置11に供給しているので、高圧タービン3及び低圧タービン4で仕事をして温度が低下した蒸気を蒸気ヒートポンプ装置11に供給することになる。蒸気ヒートポンプ装置11では、このように温度が低下した抽気蒸気を複数段の圧縮機で圧縮して蒸気の温度を高め、この蒸気によってボイラ2に供給する給水を加熱することによって、従来の火力発電プラント1Aの高圧タービン3から抽気した蒸気の温度よりも高い温度に給水を加熱することができる。このため、火力発電プラント1Aに設けられていた抽気管31及び高圧給水加熱器30が不要になる。したがって、本実施例では、再熱器5に供給される蒸気量が増加し、再熱器5で加熱されて再熱器5から排出される蒸気が保有する熱量も増大する。その分、再熱器5から排出された蒸気が低圧タービン4で行う仕事量も増大する。結果的に、タービン出力が増大する。
蒸気ヒートポンプ装置11を用いることによって、モータ15における少ない消費電力でより大きな熱量を回収することができ、ボイラ2に供給する給水の温度を、従来の火力発電プラント1Aの高圧タービン3から抽気した蒸気の温度よりも高めることができる。このため、復水器7において低圧タービン4から排出された蒸気の凝縮に用いられて海に排出される海水の温度を低減することができ、火力発電プラント1から外部に排出される熱量を減少できる。
蒸気ヒートポンプ装置11は、複数の圧縮機を用いているので一段あたりの圧縮機の容量が小さくて済み、大型の一段の圧縮機よりもモータ15で消費される電力をより少なくすることができる。
上流に位置する圧縮機から排出された蒸気が凝縮器を経て下流の圧縮機に供給される際、蒸気が湿分分離器を通過する。凝縮器内で蒸気の凝縮によって生じる液滴が下流の圧縮機に供給される蒸気に含まれるので、この液滴を湿分分離器で除去し、下流に位置する圧縮機の動翼が液滴によって損傷を受けること、すなわち、動翼にエロージョンが生じることを防止できる。
後段の圧縮機から排出された蒸気が供給される凝縮器ほど、内部の圧力が高くなる。本実施例は、凝縮器毎に、ポンプを有する凝縮水配管を設けているので、内部の圧力が異なる各凝縮器から凝縮水26を給水配管10に供給することができる。
本実施例は、給水を加熱する蒸気ヒートポンプ装置11以外に、低圧タービン4から抽気した蒸気が供給されて給水配管10内を流れる給水を加熱する低圧給水加熱器8を設けているので、蒸気ヒートポンプ装置11での加熱による給水の温度上昇幅を低減することができる。このため、蒸気ヒートポンプ装置11の圧縮機の段数を低減することができ、蒸気ヒートポンプ装置11をコンパクト化することができる。このような蒸気ヒートポンプ装置11の小型化は、火力発電プラントのコンパクト化につながる。
凝縮器16A〜16Dで発生した蒸気の凝縮水を、給水配管10内を流れる給水に戻しているので、火力発電プラント1の外部に放出される熱量が低減され、火力発電プラント1の熱効率がさらに向上する。
蒸気ヒートポンプ装置11の圧縮機は、5段以上設けても良い。圧縮機の段数が多くなるほど、火力発電プラントのサイクルがカルノーサイクルに近くなる。
凝縮水配管22A〜22Cが接続される凝縮水配管22Dは、最も上流に位置する凝縮器16Aよりも上流で給水配管10に接続してもよい。
本発明の他の実施例である実施例2の蒸気を利用するプラントを、図7を用いて説明する。本実施例の蒸気を利用するプラントである火力発電プラント1Bは、火力発電プラント1において、ボイラ2を蒸気発生装置である超臨界圧ボイラ2Aに替え、高圧タービン3からの抽気蒸気を導く抽気管31が接続される高圧給水加熱器30を、低圧給水加熱器8の下流で給水配管10に設け、蒸気ヒートポンプ装置11の凝縮器16A〜16Dを高圧給水加熱器30の下流に配置した構成を有する。凝縮器16A〜16D内の伝熱管17A〜17Dが、火力発電プラント1と同様に、給水配管10に接続される。蒸気ヒートポンプ装置11の一段目の圧縮機12Aに接続された抽気管24は、高圧タービン3のタービンケーシングに接続されている。
火力発電プラント1Bは、超臨界圧ボイラ2A、蒸気ヒートポンプ装置11及び給水配管10を有する蒸気供給装置を含んでいる。
超臨界圧ボイラ2Aで発生した蒸気は、高圧タービン3及び低圧タービン4に供給される。低圧タービン4から抽気されて抽気管23により低圧給水加熱8に供給される抽気蒸気によって、給水配管10内を流れる給水が加熱される。高圧タービン3から抽気される抽気蒸気が供給された高圧給水加熱器30で給水がさらに加熱される。高圧タービン3から抽気された蒸気は、抽気管24を通って蒸気ヒートポンプ装置11の圧縮機12Aに供給される。本実施例における蒸気ヒートポンプ装置11も、実施例1における蒸気ヒートポンプ装置11と同様に作用し、凝縮器16A〜16Dによって超臨界圧ボイラ2Aに供給される給水が加熱される。
図8は、本実施例の火力発電プラント1Bに対するT−S線図を示している。火力発電プラント1Bでは、超臨界圧ボイラ2Aにおいて、図8に示されるように温度Tが飽和線より高い状態dの温度まで蒸気が加熱される。高圧タービン3のeから抽気される蒸気の温度は飽和線上の温度であり、この温度の蒸気が圧縮機12Aに供給される。
火力発電プラント1Bが定格負荷運転を行っているとき、蒸気ヒートポンプ装置11による給水の加熱によって給水の状態をebからbに垂直状態で変えることになる。このような状態変化がもたらされるので、実施例1と同様に、火力発電プラント1Bにおけるサイクルは、カルノーサイクルに近づく。このため、火力発電プラント1Bの電気出力が増大し、熱効率が向上する。
超臨界圧ボイラ2Aを用いた火力発電プラント1Bの他の特徴として、通常、部分負荷運転のときに変圧運転が行われることである。これは、電力需要が低いとき、火力発電プラント1Bで発生する電気出力を減らすために行われる。このとき、超臨界圧ボイラ2Aの定格熱出力からの熱出力の減少に基づいて、給水及び蒸気の質量流量が減少される。超臨界圧ボイラ2Aで発生する蒸気の圧力及び温度は、高圧タービン3の軸流速度を保つように、減少される。蒸気温度の減少は外燃機関の熱効率の低下をもたらすが、火力発電プラント1Bにおいては、高圧タービン3の損失を低減できるので総合的な熱効率が高くなる。
火力発電プラント1Bは、蒸気ヒートポンプ装置11を用いているので、部分負荷運転において超臨界圧ボイラ2Aの熱出力が低減しても発生する蒸気量を定格に保つことができる。このため、超臨界圧ボイラ2Aで発生する蒸気の圧力及び温度を低下させる必要がなくなる。蒸気ヒートポンプ装置11の機能によって、部分負荷運転では、蒸気ヒートポンプ装置11の圧縮機12Aに供給される蒸気量の、蒸気ヒートポンプ装置11の凝縮器16Aの伝熱管17Aに供給される給水量に対する比率を定格負荷運転時よりも増やすことができ、ebから垂直状態に変化させて状態bpの温度の給水を生成することができる。
超臨界圧ボイラ2Aから給水が得る熱負荷はエントロピーSの変化と温度Tの積に比例する。部分負荷運転における状態bqから状態dへのエントロピーの変化が、定格負荷運転時における状態bから状態dへのその変化よりも小さくなるため、部分負荷運転において給水が得る熱負荷は定格負荷運転時よりも減少する。この結果、超臨界圧ボイラ2A、高圧タービン3、抽気管24、蒸気ヒートポンプ装置11及び超臨界圧ボイラ2Aを循環する流体の流量が保たれ、高圧タービン3の効率を高く保つことができる。かつ、超臨界圧ボイラ2Aで発生する蒸気の圧力及び温度を高く保つことができ、部分負荷運転における火力発電プラント1Bの熱効率を高く保つことができる。これは、部分負荷運転での蒸気ヒートポンプ装置11における蒸気の圧縮比を定格負荷運転よりも増大させることにより実現される。
本実施例では、定格負荷運転及び部分負荷運転において、超臨界圧ボイラ2Aに供給する給水の温度を、高圧タービン3の抽気点eの蒸気温度よりも高くすることができる。
本発明の他の実施例である実施例3の蒸気を利用するプラントを、図9を用いて説明する。本実施例の蒸気を利用するプラントである火力発電プラント1Cは、火力発電プラント1において、低圧給水加熱器8の替りに高圧給水加熱器30を給水配管10に設置し、蒸気ヒートポンプ装置11の圧縮機12Aに接続された抽気管24を低圧タービン4の復水器7につながる排気室に接続した構成を有する。蒸気ヒートポンプ装置11の凝縮器16A〜16Dは復水ポンプ9Aと給水ポンプ9Bの間で給水配管10に設置される。高圧給水加熱器30は給水ポンプ9Bよりも下流に配置される。
火力発電プラント1Cの運転時に、ボイラ2で発生した蒸気は高圧タービン3及び低圧タービン4に供給される。低圧タービン4の排気室から抽気された蒸気(低圧タービン4から排気されて復水器7で冷却される前の蒸気)は、抽気管24を通して蒸気ヒートポンプ装置11の圧縮機12Aに供給され、四段の圧縮機で順次圧縮される。復水器7から排出された給水は、各凝縮器内に設けられた伝熱管内を流れる間に、圧縮機で圧縮されて温度が上昇した蒸気によって加熱され、その後、高圧給水加熱器30に供給される。高圧給水加熱器30に達した給水は、高圧タービン3から抽気されて抽気管31を通って高圧給水加熱器30に導かれた蒸気によって加熱される。高圧給水加熱器30から排出された給水はボイラ2に供給される。
図10は、火力発電プラント1Cに対するT−S線図を示している。蒸気ヒートポンプ装置11による給水の加熱によって、給水の状態はh―g0―g’と変化し、給水温度が上昇する。g’―bは高圧給水加熱器30での加熱による給水温度の上昇を示している。
本実施例も、蒸気ヒートポンプ装置11の適用により火力発電プラント1Cのサイクルをカルノーサイクルに近づけることができ、火力発電プラント1Cの出力を増加することができる。このため、火力発電プラント1Cの熱効率が向上する。低圧タービン4からの蒸気の抽出が行われないので、低圧タービン4に流入した蒸気の量がそのまま低圧タービン4の動翼の最終段から排気される。低圧タービン4の出力が向上し、火力発電プラント1Cの電気出力がさらに増加する。
本発明の他の実施例である実施例4の蒸気を利用するプラントを、図11を用いて説明する。本実施例の蒸気を利用するプラントである火力発電プラント1Dは、火力発電プラント1Cにおいて高圧給水加熱器30及び抽気管31を取り除いた構成を有する。火力発電プラント1Dは、低圧給水加熱器及び高圧給水加熱器を設置せず、蒸気ヒートポンプ装置11Aによって給水を設定温度まで加熱する。このため、蒸気ヒートポンプ装置11Aでは、圧縮機及び凝縮器の段数が実施例1で用いられる蒸気ヒートポンプ装置11のそれらの段数よりも多くなっている。
図11は、火力発電プラント1Dに対するT−S線図を示している。蒸気ヒートポンプ装置11Aによる給水の加熱によって、給水の状態はh―b0―g’と変化し、給水温度が上昇する。
本実施例も、蒸気ヒートポンプ装置11Aの適用により火力発電プラント1Cのサイクルをカルノーサイクルに近づけることができる。このため、本実施例は、火力発電プラント1Cの電気出力を増加することができ、その熱効率も向上できる。本実施例は、実施例1で生じた各効果を得ることができる。さらに、低圧タービン4で蒸気を抽気していないので、実施例3と同様に、低圧タービン4の出力を増大できる。
本発明の他の実施例である実施例5の蒸気を利用するプラントを、図13を用いて説明する。前述した各実施例は火力プラントを対象にしたものであるが、本実施例の蒸気を利用するプラントは、原子力プラントである沸騰水型原子力発電プラント(BWRプラント)である。本実施例のBWRプラント35は、実施例1の火力発電プラント1においてボイラ2を蒸気発生装置である原子炉36に置き換えた構成を有する。
BWRプラント35は、原子炉36、蒸気ヒートポンプ装置11及び給水配管10を有する蒸気供給装置を含んでいる。
原子炉36は、複数の燃料集合体(図示せず)が装荷された炉心37を内部に有する。炉心に供給される冷却水が、燃料集合体に含まれる核燃料物質の核分裂によって発生する熱で加熱されて蒸気になる。この蒸気が、主蒸気管6を通って高圧タービン3及び低圧タービン4に供給される。低圧タービン4から排出された蒸気を凝縮する復水器7から排出された給水が、低圧給水加熱器8で、低圧タービン4から抽気された抽気蒸気によって加熱される。低圧タービン4から抽気された蒸気が蒸気ヒートポンプ装置11の各圧縮機に順次供給され、各圧縮機で圧縮されて温度が上昇する。圧縮機ごとに設けられた凝縮器で圧縮機から排出された蒸気を冷却し、実施例1と同様に、各凝縮器内の伝熱管内を流れる給水を加熱する。蒸気ヒートポンプ装置11で加熱された給水が蒸気発生装置である原子炉36に供給される。
蒸気ヒートポンプ装置11を備えた本実施例でも、実施例1の火力発電プラント1で生じる各効果を得ることができる。原子炉36に供給される給水の温度は、高圧タービン3のeでの蒸気温度よりも高くなる。
本発明の他の実施例である実施例6の蒸気を利用するプラントを、図14を用いて説明する。本実施例の蒸気を利用するプラントは、原子力プラントである加圧水型原子力発電プラント(PWRプラント)である。本実施例のPWRプラント38は、実施例1の火力発電プラント1においてボイラ2を蒸気発生器(蒸気発生装置)41に置き換え、さらに原子炉39を備えた構成を有する。給水配管10は蒸気発生器41内に設けられた伝熱管の入口に連絡され、主蒸気管6がその伝熱管の出口に連絡される。内部に炉心37Aを有する原子炉39が、一次冷却配管40によって蒸気発生器41の胴側に連絡される。原子炉39、一次冷却配管40及び蒸気発生器41によって冷却水の循環ループが形成される。
PWRプラント39は、蒸気発生器41、蒸気ヒートポンプ装置11及び給水配管10を有する蒸気供給装置を含んでいる。
炉心37Aに供給される冷却水は、炉心37A内で、核燃料物質の核分裂で発生する熱によって加熱される。炉心37Aから排出された高温の冷却水は、一次冷却配管40を通って蒸気発生器41の胴側に供給され、一次冷却配管40を通って原子炉39に戻される。給水配管10から蒸気発生器41内に設けられた複数の伝熱管内に供給された給水は、蒸気発生器41の胴側に供給される高温の冷却水によって加熱されて蒸気になる。
この蒸気は、主蒸気管6を通って高圧タービン3及び低圧タービン4に供給される。低圧タービン4から排出された蒸気を凝縮する復水器7から排出された給水が、低圧給水加熱器8で、低圧タービン4から抽気された抽気蒸気によって加熱される。低圧タービン4から抽気された蒸気が蒸気ヒートポンプ装置11の各圧縮機に順次供給され、各圧縮機で圧縮されて温度が上昇する。圧縮機ごとに設けられた凝縮器で圧縮機から排出された蒸気を冷却し、実施例1と同様に、各凝縮器内の伝熱管内を流れる給水を加熱する。蒸気ヒートポンプ装置11で加熱された給水が蒸気発生装置である原子炉36に供給される。
蒸気ヒートポンプ装置11を備えた本実施例でも、実施例1の火力発電プラント1で生じる各効果を得ることができる。蒸気発生器41に供給される給水の温度は、高圧タービン3のeでの蒸気温度よりも高くなる。
本発明の他の実施例である実施例7の蒸気を利用するプラントを、図15を用いて説明する。本実施例の蒸気を利用するプラントは食品加工プラント45である。食品加工プラント45は、蒸気発生装置であるボイラ2、熱利用装置である食品加工装置46、蒸発器47、給水ポンプ49及び蒸気ヒートポンプ装置11を備えている。蒸気供給管50はボイラ2と食品加工装置46を接続する。蒸気排出管51が食品加工装置46に接続される。凝縮水分離装置48が蒸気排出管51に設けられ、凝縮水分離装置48の下流で蒸発器47が蒸気排出管51に設けられる。給水ポンプ49が設けられた給水配管52が、凝縮水分離装置48とボイラ2を接続する。蒸気ヒートポンプ装置11が給水配管52に設けられる。蒸気供給管53が、蒸発器47に接続され、さらに、蒸気ヒートポンプ装置11の一段目の圧縮機12Aに接続される。給水管54が蒸発器47に接続される。
蒸気ヒートポンプ装置11で加熱された給水が給水配管52を介してボイラ2に供給される。ボイラ2は給水を加熱して蒸気を発生する。この蒸気は、ボイラ2から排出されて蒸気供給管49を通って食品加工装置46に供給される。製造される食品の原料である素材が食品加工装置46内に供給される。この素材は、食品加工装置46内で供給された蒸気によって加熱される。食品によっては複数の素材を用いる。この場合には、端品ごとの素材及び互いに混ぜ合わせて得られた素材は、食品加工装置46内で別々に加熱される。食品加工装置46には、加熱する素材に応じた、蒸気による複数の加熱装置が設けられている。食品加工装置46は、さらに、そのように加熱された複数の素材を用いて食品を製造する。
素材の加熱に用いられた蒸気は、一部が凝縮水となる。凝縮水を含む蒸気は、食品加工装置46から蒸気排出管51に排出され、凝縮水分離装置48に導かれる。凝縮水分離装置48は、蒸気排出管51に排出された凝縮水を含む蒸気から凝縮水を分離する。分離された凝縮水は、給水ポンプ49を駆動することによって給水配管52を通って蒸気ヒートポンプ装置11の凝縮器16A〜16Dの伝熱管17A〜17Dに供給される。
凝縮水分離装置48で凝縮水が分離された残りの蒸気は、蒸発器47に供給される。給水管54によって蒸発器54に供給された給水は、蒸発器47に供給される蒸気によって加熱されて蒸気になる。蒸発器54に供給されて給水を加熱した蒸気は、蒸気排出管51を通して外部に放出される。蒸発器47で発生した蒸気は、蒸気供給管53を通って蒸気ヒートポンプ装置11の一段目の圧縮機12Aに供給される。蒸気ヒートポンプ装置11は、実施例1と同様に、圧縮機12A,12B,12C及び12Dによって蒸気を圧縮する。各圧縮機で圧縮されて温度が上昇した蒸気は、圧縮機ごとに設けられた各凝縮器内に導かれ、伝熱管17A,17B,17C及び17D内を流れる給水によって冷却される。給水は、逆に蒸気によって加熱され、給水配管52を通してボイラ2に供給される。ボイラ2に供給する給水が凝縮水分離装置48で分離された凝縮水だけでは足りないときには、補給水管55から給水配管52内に補給水が供給される。
本実施例は、蒸気ヒートポンプ装置11を用いているので、実施例1と同様に、モータ15における少ない消費電力で給水温度をより高くすることができる。蒸気ヒートポンプ装置11の設置によりボイラ2に供給する給水の温度がより高められるので、本実施例では、ボイラ2における発生熱を高温蒸気の生成に有効に利用できる。このため、食品加工プラント45の熱効率を向上させることができる。
凝縮水分離装置48は、食品加工装置46内で必要な工程ごとに設けることも可能である。
食品加工プラント45において、蒸発器47及び給水管54を取り除き、凝縮水分離装置48の下流で蒸気排出管51に蒸気供給管53を接続してもよい。このような食品加工プラントは、蒸発器47及び給水管54が不要になるので、設備がコンパクト化される。さらに、食品加工装置46から蒸気排出管51に排出された蒸気の一部を、蒸気供給管53によって蒸気ヒートポンプ装置11の圧縮機に直接供給することができる。このため、食品加工プラント45の熱効率がさらに向上する。
本実施例は、食品加工装置46を他の熱利用装置である蒸気洗浄装置及び化学物質加熱装置に替えることによって、蒸気を利用するプラントである洗浄プラント及び化学プラントにも適用することができる。前述の各熱利用装置は、蒸気の熱を利用しているので、蒸気利用装置である。
本発明は、蒸気発生装置で発生した蒸気を利用するプラント、例えば、火力プランと及び原子力プラントに利用できる。

Claims (18)

  1. 液体を蒸気にする蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置から排出された前記蒸気が供給される蒸気利用装置と、前記蒸気利用装置で利用された前記蒸気の凝縮液であって前記蒸気発生装置に供給される前記液体を、供給された蒸気を用いて加熱する液体加熱装置とを備え、
    前記液体加熱装置が、蒸気を順番に圧縮するように配置された複数段の圧縮機と、前記複数段の圧縮機ごとに対を形成して設けられ、対を形成した前記圧縮機で圧縮された前記蒸気が供給されて、この蒸気によって前記蒸気発生装置に供給する前記液体を加熱する複数の蒸気冷却装置とを有し、
    最終段の前記圧縮機から圧縮された前記蒸気が供給される前記蒸気冷却装置を除いて、上流に位置する1つの前記圧縮機に接続された前記蒸気冷却装置は、この圧縮機の下流に位置する他の1つの前記圧縮機に、冷却された前記蒸気を供給するように接続されていることを特徴とする蒸気を利用するプラント。
  2. 前記蒸気利用装置に供給された前記蒸気を用いて液体を加熱して蒸気を発生する他の蒸気発生装置、及び前記液体加熱装置の一段目の前記圧縮機に前記他の蒸気発生装置で発生した前記蒸気を供給する蒸気供給管を備えた請求項1に記載の蒸気を利用するプラント。
  3. 前記蒸気利用装置に供給された前記蒸気を前記液体加熱装置の一段目の前記圧縮機に供給する蒸気供給管を備えた請求項1に記載の蒸気を利用するプラント。
  4. 前記蒸気利用装置がタービンである請求項3に記載の蒸気を利用するプラント。
  5. 液体を蒸気にする蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置から排出された前記蒸気が供給されるタービンと、前記タービンから抽気された抽気蒸気及び前記タービンから排気された一部の排気蒸気のいずれかの蒸気を用いて、前記タービンから排出された前記排気蒸気を凝縮して生成されかつ前記蒸気発生装置に供給される前記液体を加熱する液体加熱装置とを備え、
    前記液体加熱装置が、前記抽気蒸気及び前記排気蒸気のいずれかの蒸気を順番に圧縮するように配置された複数段の圧縮機と、前記複数段の圧縮機ごとに対を形成して設けられ、対を形成した前記圧縮機で圧縮された前記蒸気が供給されて、この蒸気によって前記蒸気発生装置に供給する前記液体を加熱する複数の蒸気冷却装置とを有し、
    最終段の前記圧縮機から圧縮された前記蒸気が供給される前記蒸気冷却装置を除いて、上流に位置する1つの前記圧縮機に接続された前記蒸気冷却装置は、この圧縮機の下流に位置する他の1つの前記圧縮機に、冷却された前記蒸気を供給するように接続されていることを特徴とする蒸気を利用するプラント。
  6. 前記液体加熱装置が、前記蒸気冷却装置から排出されて前記他の圧縮機に供給される前記蒸気に含まれる水分を除去する湿分分離装置を有する請求項5に記載の蒸気を利用するプラント。
  7. 供給される前記抽気蒸気によって前記液体を加熱する給水加熱器を設けた請求項5または6に記載の蒸気を利用するプラント。
  8. 前記蒸気発生装置から排出された前記蒸気が供給される第1タービンを有し、前記タービンが前記第1タービンから排出された前記蒸気が供給される第2タービンである請求項5または6に記載の蒸気を利用するプラント。
  9. 前記第1タービンから抽気された蒸気によって前記液体を加熱する給水加熱器を設けた請求項8に記載の蒸気を利用するプラント。
  10. 液体を蒸気にする蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置から排出された前記蒸気が供給される第1タービンと、前記第1タービンから排出された前記蒸気が供給される第2タービンと、前記第1タービンから抽気された蒸気を用いて、前記第2タービンから排出された前記蒸気を凝縮して生成されかつ前記蒸気発生装置に供給される前記液体を加熱する液体加熱装置とを備え、
    前記液体加熱装置が、前記抽気蒸気及び前記排気蒸気のいずれかの蒸気を順番に圧縮するように配置された複数段の圧縮機と、前記複数段の圧縮機ごとに対を形成して設けられ、対を形成した前記圧縮機で圧縮された前記蒸気が供給されて、この蒸気によって前記蒸気発生装置に供給する前記液体を加熱する複数の蒸気冷却装置とを有し、
    最終段の前記圧縮機から圧縮された前記蒸気が供給される前記蒸気冷却装置を除いて、上流に位置する1つの前記圧縮機に接続された前記蒸気冷却装置は、この圧縮機の下流に位置する他の1つの前記圧縮機に、冷却された前記蒸気を供給するように接続されていることを特徴とする蒸気を利用するプラント。
  11. 前記蒸気発生装置が、超臨界蒸気発生装置である請求項10に記載の蒸気を利用するプラント。
  12. 前記第1タービンから排気されて前記第2タービンに供給される前記蒸気を加熱する再熱装置を設けた請求項8または10に記載の蒸気を利用するプラント。
  13. 蒸気発生装置において供給された液体から蒸気を生成し、前記蒸気をタービンに供給し、前記タービンから抽気された抽気蒸気及び前記タービンから排気された一部の排気蒸気のいずれかの蒸気を用いて、前記タービンから排出された前記排気蒸気を凝縮して生成されかつ前記蒸気発生装置に供給される前記液体を加熱し、
    前記液体の加熱が、
    前記抽気蒸気及び前記排気蒸気のいずれかの蒸気を複数段の圧縮機によって順番に圧縮し、
    前記複数段の圧縮機ごとに対を形成している各蒸気冷却装置に、対を形成している前記圧縮機で圧縮された前記蒸気を供給し、
    前記各蒸気冷却装置において、前記蒸気発生装置に供給する前記液体を前記圧縮された蒸気によって加熱し、及び
    最終段の前記圧縮機から圧縮された前記蒸気が供給される前記蒸気冷却装置を除いて、上流に位置する1つの前記圧縮機に接続された前記蒸気冷却装置から排気された前記蒸気を、この圧縮機の下流に位置する他の1つの前記圧縮機に供給することによって行われることを特徴とする蒸気を利用するプラントの運転方法。
  14. 液体を加熱する液体加熱装置と、前記液体加熱装置で加熱された前記液体が供給されてこの液体の蒸気を発生する蒸気発生装置とを備え、
    前記液体加熱装置が、蒸気を順番に圧縮するように配置された複数段の圧縮機と、前記複数段の圧縮機ごとに対を形成して設けられ、対を形成する前記圧縮機で圧縮された前記蒸気が供給されて、この蒸気によって前記蒸気発生装置に供給する前記液体を加熱する複数の蒸気冷却装置とを有し、及び
    最終段の前記圧縮機から圧縮された前記蒸気が供給される前記蒸気冷却装置を除いて、上流に位置する1つの前記圧縮機に接続された前記蒸気冷却装置は、この圧縮機の下流に位置する他の1つの前記圧縮機に、冷却された前記蒸気を供給するように接続されていることを特徴とする蒸気供給装置。
  15. 前記液体加熱装置が、前記蒸気冷却装置から排出されて前記他の1つの圧縮機に供給される前記蒸気に含まれる水分を除去する湿分分離装置を有する請求項14に記載の蒸気供給装置。
  16. 蒸気を複数段の圧縮機によって順番に圧縮し、
    前記複数段の圧縮機ごとに対を形成している各蒸気冷却装置に、対を形成している前記圧縮機で圧縮された前記蒸気を供給し、
    前記各蒸気冷却装置において、前記蒸気発生装置に供給する前記液体を前記圧縮された蒸気によって加熱し、
    最終段の前記圧縮機から圧縮された前記蒸気が供給される前記蒸気冷却装置を除いて、上流に位置する1つの前記圧縮機に接続された前記蒸気冷却装置から排気された前記蒸気を、この圧縮機の下流に位置する他の1つの前記圧縮機に供給し、及び
    加熱された前記液体を蒸気発生装置に供給してこの液体の蒸気を発生することを特徴とする蒸気供給方法。
  17. 前記圧縮機で圧縮される前記蒸気は、前記蒸気発生装置で発生した前記蒸気の一部である請求項16に記載の蒸気供給方法。
  18. 前記蒸気冷却装置から排出されて前記他の1つの圧縮機に供給される前記蒸気に含まれる水分を除去する請求項16または17に記載の蒸気供給方法。
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