JP4972392B2 - 釘の着色塗装装置 - Google Patents

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Description

本発明は、着色塗装釘の製造に用いる塗装装置、特に連続的浸漬塗装による釘の着色塗装装置に関する。
近年、建築に使用する太め鉄丸釘や細め鉄丸釘(JIS A5508)として、建物竣工時に性能保証機関等が指定された釘を適正に使用しているか否かの確認検査を行う際、その釘サイズの識別を容易にするために、釘頭部に業界統一基準としてサイズ毎に定められた着色を施した着色塗装釘が多用されている。また、釘に合成樹脂の皮膜を設けた場合、打ち込みに要する力が低減されると共に、打込み材に対する保持力も向上する上、未使用状態での耐蝕(錆止め)効果もあるから、前記の着色塗装釘には一般的に釘全体の表面に着色塗装したものが用いられている。
このような釘の着色塗装手段としては種々の方式が知られるが、特に塗装効率の面からは、2本の針金に溶接によって未塗装釘を数mm間隔で並列に保持させたものを連続的に移動させつつ、着色塗料中に潜らせて引き上げることによって釘表面に着色塗膜を形成する、連続的浸漬塗装方式が好適である。しかして、釘用の着色塗料は一般的に着色剤の染料や顔料と結合剤樹脂と溶剤とから構成されるが、従来の連続的浸漬塗装においては、溶剤の蒸発を抑えて且つ浸漬塗装後の乾燥を速めるため、溶剤としてメチレンクロライド(沸点39.8℃)の如き揮発性の高い有機溶剤を用い、常温での浸漬塗装と非加熱乾燥による塗膜形成を行うのが主流になっている。
ところが、上記従来の連続的浸漬塗装では、釘表面に着色塗料が過剰に付着して部位による塗膜厚みの差を生じ易く、しかも斑状の濃淡ムラが顕著に生じることから、得られる着色塗装釘の外観体裁が悪い上、塗膜乾燥に時間がかかるために浸漬塗装後の走行行程を長くとる必要があり、それだけ処理能率及び空間効率が悪くなり、また着色塗料が付着過多になり易く、塗料消費の増大で処理コストが高くつくと共に、塗装後の釘からの液垂れによる移送経路の汚れも激しく、清掃に手間がかかるという難点もあった。更に、着色塗料に含まれるメチレンクロライドの如き高揮発性の溶剤成分は常温下でも蒸発するから、作業環境面より浸漬塗装部の空気を外部へ強制排気するのが普通であるが、これによって溶剤成分の大気中への逸出が多くなり、材料コストが嵩むと共に外部環境への悪影響も懸念される。
本発明は、上述の情況に鑑み、釘の着色塗装装置として、釘表面に均一な厚みで濃淡むらの少ない着色塗膜を形成できる上、塗膜乾燥を速めて処理効率及び空間効率を向上でき、且つ着色塗料の適正な付着と溶剤成分の大気中への逸出防止によって処理コストが低減すると共に、液垂れによる移送経路の汚れや溶剤成分の放出による外部環境への悪影響を抑え得るものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る釘の着色塗装装置は、図面の参照符号を付して示せば、揮発性有機溶剤Sを含む着色塗料Pを収容する上方開放型の浸漬塗布槽1と、該浸漬塗布槽1の加温手段(油浴槽3)と、該浸漬塗布槽1の周囲に配置して上部が開放した凝縮槽2と、該凝縮槽2内の冷却手段(冷媒配管5A,5B、冷凍機8)と、未塗装釘N…を所定間隔で保持した索体6を上方から連続的に浸漬塗布槽1内の着色塗料P中に潜らせて引き出す釘送り手段(モータM、ギヤ噛合部13)と、凝縮槽2内で凝縮した有機溶剤Sの液を回収する溶剤回収手段(溶剤回収管路L4)とを具備してなる構成としている。
請求項2の発明は、上記請求項1の釘の着色塗装装置において、凝縮槽2から回収された有機溶剤Sを浸漬塗布槽1内へ戻す溶剤返送手段(管路L1,L3,L4,L5、ポンプP1,P2)を具備するものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2の釘の着色塗装装置において、浸漬塗布槽1内の着色塗料Pを循環させる塗料循環手段(管路L1〜L3,ポンプP1)を具備するものとしている。
請求項4の発明は、上記請求項1〜3の何れかの釘の着色塗装装置において、冷却手段が、凝縮槽2内の冷媒配管4A,4B内を通る冷媒との熱交換によって有機溶剤Sガスを凝縮させるものとしている。
請求項5の発明は、上記請求項1〜4の何れかの釘の着色塗装装置において、凝縮槽2から回収された有機溶剤S中の混入水Wを比重差によって分離する水分離槽7を具備するものとしている。
請求項6の発明は、上記請求項1〜5の何れかの釘の着色塗装装置において、揮発性有機溶剤Sがメチレンクロライドである構成としている。
請求項1の釘の着色塗装装置によれば、浸漬塗布槽に収容された着色塗料から蒸発した揮発性有機溶剤のミストを含むガスが周囲の凝縮槽内に入り込むと、冷却手段によって冷却されて凝縮・液化し、これに伴う体積減少によって該凝縮槽内の圧力が低下し、その開放した上部で減圧による吸引作用を生じると共に、凝縮槽内の液化した有機溶剤が溶剤回収手段によって回収されるから、浸漬塗布槽から発生する有機溶剤のミスト含有ガスは上方へ向かわずに専ら周辺方向へ移動して凝縮槽へ流入することになり、この流れ状態は着色塗料の昇温や溶剤配合比の増大によって有機溶剤の蒸発量が増加しても安定的に持続する。従って、索体に保持された各釘が浸漬塗装槽の着色塗料中を潜り抜けて上方へ引き上げられる行程において、釘表面の塗料皮膜に対する有機溶剤ミストの付着が極めて少なくなり、該有機溶剤ミストの付着に起因した斑状の濃淡ムラの発生が抑えられる。しかも、浸漬塗布槽の加温手段で着色塗料の温度を上げることにより、該着色塗料の粘度が低下するから、釘表面への過剰な塗料付着を生じず、均一な厚みの着色塗膜を形成できるため、得られる着色塗装釘は非常に外観体裁のよいものとなる。
また、この着色塗装装置では、上述のように着色塗料から蒸発する揮発性有機溶剤の回収と、着色塗料の過剰付着の防止による消費量の削減とで、処理コストが大幅に低減される上、有機溶剤の揮散による外部環境への悪影響も防止できる。更に、着色塗料の加温により、形成塗膜に加えて浸漬した釘自体も昇温し、それだけ塗膜の乾燥が速まるため、浸漬塗装後の走行行程を短く設定でき、もって処理能率及び空間効率を高めることが可能であり、加えて塗装後の釘からの液垂れも生じにくくなるから、移送経路の汚れが少なくなって清掃の手間を大幅に軽減できる。
請求項2の発明によれば、凝縮槽から回収された有機溶剤を溶剤返送手段によって浸漬塗布槽内へ戻せるから、回収溶剤を用いて別途に塗料を調製する手間が省ける。
請求項3の発明によれば、浸漬塗布槽内の着色塗料を塗料循環手段によって循環させることにより、該浸漬塗布槽内の着色塗料全体の性状を偏りなく均一に維持できる。
請求項4の発明によれば、凝縮槽内の冷却手段が冷媒配管内を通る冷媒との熱交換によって有機溶剤ガスを凝縮させるものであるから、有機溶媒の種類による凝縮温度の違いや浸漬塗装の稼働条件に対応した冷却制御を容易に且つ広範囲に行える。
請求項5の発明によれば、凝縮槽内で凝縮・液化した有機溶剤中には空気中の水分の凝縮による混入水が存在するが、この混入水を水分離槽において比重差で分離できるから、作業空間の湿度の高低に影響されずに高純度の回収溶媒を確保できる。
請求項6の発明によれば、揮発性有機溶剤が揮発性の高いメチレンクロライドであるから、少しの加温によって着色塗料の温度を溶剤沸点より僅かに低い温度に設定でき、それだけ少ない熱エネルギー消費で溶剤揮発による塗膜乾燥性を高めることができる。
以下に、本発明に係る釘の着色塗装装置の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は着色塗装装置全体の概略構成、図2は塗装機本体、図3は塗装機本体の要部の横断面、図4は同要部の縦断面、をそれぞれ示す。
図1において、1は上方に開放した角形の浸漬塗布槽、2は該浸漬塗布槽1の上部側周囲を矩形環状に取囲む凝縮槽、3は該浸漬塗布槽1の下部を抱持する油浴槽、4は浸漬塗布槽1の前部側と凝縮槽2との間に位置する溢流槽であり、これら槽1〜4が溶接一体化した状態で縦ボックス型(図2参照)の塗装機本体10内に設備されている。そして、凝縮槽2内には、その前部側の幅広空間2aにコイル状の冷媒配管5Aが配置すると共に、同凝縮槽2の同左右両側及び後部側にわたる幅狭空間2bに三段折返し直管状の冷媒配管5Bが配置している。6は釘搬送用の索体であり、2本の針金6a,6aに未塗装の釘N…を釘頭を上側とする傾斜状態で数mm間隔に密に溶接固着している。7は水分離槽、8は冷凍機であり、共に塗装機本体10とは別体に設備されている。
浸漬塗布槽1と凝縮槽2及び溢流槽4はいずれも全体が上方に開放しているが、左右両側及び後側において浸漬塗布槽1と凝縮槽2とを隔てる平面視コ字形(図3参照)の隔壁11aに対し、浸漬塗布槽1と溢流槽4とを隔てる中間隔壁11bの上縁が低く設定されており、これによって浸漬塗布槽1内へ供給される着色塗料Pの過剰分が中間隔壁11bの上縁から溢流槽4へ流出するから、浸漬塗布槽1の満杯での液位は常に中間隔壁11bの上端高さに維持される。また、凝縮槽2の前側の広幅空間2aと溢流槽4とを隔てる前部隔壁11cは、中間隔壁11bよりも更に上縁が低く設定されている。
しかして、浸漬塗布槽1の底部には循環入口管路L1及び循環出口管路L2が接続すると共に、凝縮槽2の底部にも循環出口管路L3が接続し、両循環出口管路L2,L3は合流してポンプP1を介して循環入口管路L1に連結しており、ポンプP1の駆動により、随時に浸漬塗布槽1及び凝縮槽2内の液を導出して再び浸漬塗布槽1内へ戻す循環操作を行えるようになっている。
一方、凝縮槽2内に配置する冷媒配管5A,5Bには、冷凍機8からの冷媒供給管路C1から分岐した冷媒導入管路C1a,C1bと、冷凍機8への冷媒返送管路C2に合流する冷媒導出管路C2a,C2bとが、それぞれ接続されており、浸漬塗布槽1内の着色塗料Pから蒸発して当該凝縮槽2内に流入した有機溶剤Sのガスが、冷媒配管5A,5B内を流通する冷媒との熱交換で冷却・液化するように設定されている。また、凝縮槽2の底部と外部の水分離槽7との間に溶剤回収管路L4が接続し、更に水分離槽7から塗装機本体10の溢流槽4に至る溶剤返送管路L5が配管されると共に、この溶剤返送管路L5にポンプP2が介装されており、凝縮槽2内で凝縮・液化した有機溶媒Sが重力で自然に水分離槽7に送られ、該水分離槽7内で回収された有機溶剤SがポンプP2を介して溢流槽4へ返送され、この溢流槽4からポンプP1により循環出口管路L3及び循環入口管路L1を通して浸漬塗布槽1内に戻されるようになっている。
水分離槽7の内部は、下端が内底より離れた水遮断隔壁71と、それよりも上縁高さの低い溢流隔壁72とにより、溶剤回収管路L4に繋がる広い水分離室7a、両隔壁71,72間の狭い中間室7b、同じく狭い貯留室7cの3室に区画されている。そして、水分離室7aにおいて溶剤回収管路L4を通って流入する有機溶媒S中の混入水Wを比重差で上下層に分離させ、その上層側の比重の小さい水を水遮断隔壁71で遮断し、下層側の比重の大きい有機溶剤Sを底側から中間室7bへ導入し、更に該有機溶剤Sを中間室7bから貯留室7cへ溢流させ、もって貯留室7c内の水分を含まない有機溶剤Sのみが塗装機本体10の溢流槽4へ返送されることになる。
油浴槽3内には、外部で加熱した熱媒の油Oが導入管3aより導入されるようになっている。そして、この油浴槽3に下部を抱持された浸漬塗布槽1内の着色塗料Pが、油Oからの熱伝導によって間接的に加温されることになる。
なお、浸漬塗布槽1と凝縮槽2及び油浴槽3には各々の内部温度を計測する温度計Tが付設される一方、管路L1〜L5には各々開閉弁Vaが介装されている。また、冷媒供給管路C1には、水分を吸着除去するドライヤー81、色変化によって湿度を表示するサイトグラス82、電磁開閉弁Veが介装されると共に、これより分岐した冷媒導入管路C1a,C1bには、対応する冷媒導出管路C2a,C2bに付設した温度センサー83による温度計測値に基づいて自動的に流量制御を行う流量調整弁Vcが介装されている。更に、溢流槽4内にはフロート9Aが、水分離槽7の貯留室7c内にはフロート9Bが、それぞれ装填され、各々液位を指示するようになっている。
図2(A)(B)に示すように、塗装機本体10は、縦長矩形のボックスを構成しており、その内側下部に浸漬塗布槽1と凝縮槽2及び油浴3が配置すると共に、中間部には3個の浸漬ガイドローラーR1〜R3の昇降装置12が後部内壁10aに取り付けられ、また内側上部の右側には導入ガイドローラーR4、同左側には導出ガイドローラーR5が取り付けられ、更に左外側上部にモーターMを介して駆動する送り用ギヤ噛合部13と送出ガイドローラーR6が設けられている。そして、塗装機本体10の前板部10bには中間高さで正方形に大きく開いた作業用開口部14が、左右の側板部10c,10cには各々ガイドローラーR4,R5に臨んで矩形の索体通過窓15が、それぞれ開設されている。また、凝縮槽2の外周面は、図3でも示すように、塗装機本体10自体の内周面になっている。
しかして、釘搬送用の索体6は、外部から右側の索体通過窓15を通って塗装機本体10内に入り、導入ガイドローラーR4を介して下降し、右側の浸漬ガイドローラーR1の下側→中央の浸漬ガイドローラーR2の上側→左側の浸漬ガイドローラーR3の下側を順次巻き掛かって上昇し、導出ガイドローラーR5を介して左側の索体通過窓15からボックス11外へ出て、送り用ギヤ噛合部13及び送出ガイドローラーR6を経て所定の巻取部へ向かう搬送経路が設定され、送り用ギヤ噛合部13において2本の針金6a,6a間をチェーンとしてスプロケット状に噛み合うギヤの回転駆動により、所定の速度で連続走行するようになっている。
昇降装置12は、図3及び図4でも示すように、塗装機本体10の後部内壁10aに固着した取付板12aに、中央のスクリュー軸16と左右のガイド軸17,17とが垂直に保持される一方、前面側で3個の浸漬ガイドローラーR1〜R3を遊転自在に軸支した昇降板12bの裏面側に、スクリュー軸16に螺合した回転子(図示省略)を保持した昇降操作機構18と、両ガイド軸17,17に移動自在に嵌装した摺動片18,18とが取り付けられている。そして、昇降操作機構18の操作による昇降板12bの昇降に伴い、浸漬ガイドローラーR1〜R3が、図4の如く浸漬塗布槽1内に満杯に収容された着色塗料P中に浸漬した塗装位置と、該着色塗料Pの液面よりも高位の退避位置とに転換する。
上記構成の着色塗装装置によって未塗装釘に着色塗装を施すには、まず昇降装置12の昇降板12bを上昇位置に設定し、未塗装釘を保持した索体6を図2(A)で示す搬送経路となるようにガイドローラーR1〜R6に巻き掛けて送り用ギヤ噛合部13に通す一方、浸漬塗布槽1内に揮発性有機溶剤Sを含む所要の着色塗料Pを過剰に投入し、その余剰分を溢流槽4へ溢れ出させておき、油浴槽3に外部加熱で昇温した油Oを供給して浸漬塗布槽1中の着色塗料Pを加温すると共に、冷凍機8の稼働によって凝縮槽2内の冷媒配管5A,5Bに冷媒を流通させる。そして、該着色塗料Pが所定温度に加温され、且つ凝縮槽2内が所定の冷却温度になった状態で、ポンプP1の作動で着色塗料Pを循環させながら、昇降装置12の昇降板12bを下降させて浸漬ガイドローラーR1〜R3を巻き掛かった索体6と共に着色塗料P中に浸漬し、該索体6を送り用ギヤ噛合部13の駆動によって所定速度で連続走行させる。これにより、索体6に取り付けられていた未塗装釘N…は、当該索体6と共に順次に着色塗料P中に引き込まれ、次いで表面全体に着色塗料Pが塗膜として付着した状態で引き上げられ、その上昇過程で付着した塗膜が有機溶剤Sの揮散によって乾燥硬化し、もって着色塗装釘となる。
このような着色塗装に使用する着色塗料Pでは含まれる揮発性有機溶剤Sが常温下でも盛んに蒸発するが、上記のように油浴槽3による間接加熱で浸漬塗布槽1内の着色塗料Pを加温することにより、該有機溶剤Sの蒸発がより激しくなる。しかして、その蒸発した有機溶剤Sガスは一般的に多量のミストを伴っているため、浸漬塗布槽1の上方空間に蒸発した有機溶剤Sのガスが高濃度に立ち込めた状況では、着色塗料P中から引き上げられて上昇する各釘の表面の塗膜に該有機溶剤Sのミストが付着し、その付着部分で塗膜が溶けることにより、塗膜全体に顕著な斑状の濃淡ムラを生じることが避けられない。
しかるに、本発明の着色塗装装置によれば、浸漬塗布槽1内の着色塗料Pから蒸発した揮発性有機溶剤Sのミストを含むガスが周囲の凝縮槽2内に入り込むと、冷媒配管5A,5Bを流通する冷媒との熱交換によって冷却されて凝縮・液化するから、これに伴う体積減少によって該凝縮槽2内の圧力が低下し、その開放した上部で減圧による吸引作用を生じる。このため、浸漬塗布槽1から発生する有機溶剤Sのミスト含有ガスは、上方へ向かわず、図1及び図4の破線矢印で示すように専ら周辺方向へ移動して凝縮槽2へ流入し、その凝縮・液化による体積減少と圧力低下が継続することになる。また、凝縮槽2内で液化した有機溶剤Sは溶剤回収管路L4を通して自動的に水分離槽7へ送られるから、凝縮槽2内に有機溶剤Sの液が溜まって更なる凝縮・液化を妨げる懸念はない。
従って、この着色塗装においては、索体6に保持された各釘が着色塗料P中を潜り抜けて上方へ引き上げられる行程で、釘表面の塗膜に対する有機溶剤Sのミストの付着が極めて少なくなり、このミストの付着に起因した斑状の濃淡ムラの発生が抑えられ上、浸漬塗布槽1内の着色塗料Pの粘度及び表面張力が加温によって低下するから、釘表面への過剰な塗料付着を生じず、均一な厚みの着色塗膜を形成でき、もって非常に外観体裁のよい高品位な着色塗装釘が得られる。
加えて、この着色塗装では、浸漬塗布槽1内の着色塗料Pの加温により、形成塗膜に加えて浸漬した釘自体も昇温し、それだけ塗膜の乾燥が速まることになり、浸漬塗装後の走行行程も短くて済むため、処理能率及び空間効率が高まり、また塗料粘度が低いことで塗装後の釘からの液垂れも生じにくくなるから、移送経路の汚れが少なくなって清掃の手間も大幅に軽減される。更に、着色塗料Pから蒸発する有機溶剤Sの回収・再利用と、着色塗料Pの過剰付着の防止による消費量の削減とで、塗装の処理コストが大幅に低減されると共に、有機溶剤Sの揮散による外部環境への悪影響も防止できる。
なお、本実施形態の着色塗装装置では、溢流槽4の存在で凝集槽2の前部側が浸漬塗布槽1から離れるため、該前部側をコイル状の冷媒配管5Aが配置する広幅空間2aとして冷却能力を高めると共に、溢流槽4との間の前部隔壁11cを中間隔壁11bよりも更に低くすることにより、浸漬塗布槽1から発生する有機溶剤Sのミスト含有ガスが流れ込み易くしている。また、凝縮槽2内では冷却によって空気中に含まれる水蒸気からの凝縮水も発生するため、水分離槽7に送られる有機溶剤Sの液中には混入水Wが存在するが、既述のように該水分離槽7内で混入水Wを比重差で分離し、その貯留室7cに溜まる有機溶剤Sのみを溶剤返送管路L5を通して溢流槽4内へ送るようにしているから、作業空間の湿度の高低に影響されずに高純度の回収溶媒を確保でき、混入水Wが着色塗料P中に混ざり込んで塗装品質が低下するのを防止できる。
上記の回収した有機溶剤Sの返送は、水分離槽7の貯留室7cにおけるフロート9Bで検知される液位が所定高さになった段階でポンプP2を作動させればよいが、このポンプP2の作動をフロート9Bからの検知信号に基づいて自動的に行うようにしてもよい。また、溢流槽4内へ送り込まれた有機溶剤Sは、当該溢流槽4内にある着色塗料Pに混ざり混んだ状態で、循環出口管路L3及び循環入口管路L1を通してポンプP1により浸漬塗布槽1内へ戻されるが、循環出口管路L3については溢流槽4におけるフロート9Aで検知される液位が所定高さになった段階で開閉弁Vaを開くようにすればよい。
しかして、このように凝縮槽2から回収された有機溶剤Sを浸漬塗布槽1内へ戻すようにすれば、回収溶剤を用いて別途に塗料を調製するような手間を省けることになる。なお、この着色塗装では、蒸発する有機溶剤Sが回収されて着色塗料P中に戻される一方で、塗装によって着色塗料P中の着色剤や結合剤樹脂等の塗膜成分が消費されるから、浸漬塗布槽1内の着色塗料Pの濃度が次第に低下してゆくが、これに対しては形成塗膜の着色度合等から適否を判定し、許容限界に近づいた際に塗膜成分(所謂ネイルコートの未希釈分)を補充して濃度を高めるようにすればよい。
また、実施形態のように、浸漬塗布槽1内の着色塗料Pを循環出口管路L2及び循環入口管路L1を通してポンプP1で循環させれば、該浸漬塗布槽1内の着色塗料P全体の性状が偏りなく均一に維持されるから、良好な着色塗膜を安定的に形成でき、それだけ着色塗装の歩留りが向上することになる。一方、凝縮槽2内の冷却手段としては種々の冷却方式を採用可能であるが、実施形態のように冷媒配管内を通る冷媒との熱交換による方式では、有機溶媒Sの種類による凝縮温度の違いや浸漬塗装の稼働条件に対応した冷却制御を容易に且つ広範囲に行えるという利点がある。
着色塗料Pには所謂ネイルコートとして従来より釘の着色塗装に使用されている種々の釘着色用塗料を使用できるが、その希釈用溶剤には揮発性有機溶剤、特に沸点35〜90℃程度の低沸点の揮発性有機溶剤を用いるのがよい。このような低沸点の揮発性有機溶剤の具体例としては、メチレンクロライド,酢酸エチル、ハイドロフルオロエチレン(HFE)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、1−ブロムプロパン、トリクロロエチレン等が挙げられるが、特にメチレンクロライドが好適である。
浸漬塗布槽1において加温する着色塗料Pの設定温度は、使用する揮発性有機溶剤Sの種類によって適正値が異なるが、一般的には沸点−(1〜10)℃程度の範囲(ただし、加温が前提なので室温より高い温度)が好ましい。例えば、溶剤がメチレンクロライド(沸点39.8℃)の場合、36〜38℃程度に加温するのがよい。一方、凝縮槽2における冷却温度は、やはり使用する揮発性有機溶剤Sの種類によって適正値が異なるが、そのガスを確実に凝縮・液化して且つ空気中水分の氷結を避ける上で、一般的に0〜5℃の範囲が推奨される。なお、このような加温温度及び冷却温度は、処理中に適正範囲を維持できるように、浸漬塗布槽1及び凝縮槽2と油浴槽3の温度計Tによる計測温度値に基づいてCPUで自動制御することが可能である。
なお、前記実施形態では凝縮槽2から回収された有機溶媒Sを水分離槽7から溢流槽4へ送液しているが、本発明の着色塗装装置では該有機溶媒Sを浸漬塗布槽1へ直接に送るようにしてもよい。また、この実施形態のように溢流槽2を備える構成では、浸漬塗布槽1内の着色塗料P全体の性状をより均一に安定的に維持させる目的で、溢流槽4の循環出口管路L3の開閉弁Vaを開弁状態に保ち、浸漬塗布槽1から溢流槽4への溢流が継続する形でポンプP1による塗料循環を行うようにしてもよい。更に、浸漬塗布槽1内の着色塗料Pの加温手段として、例示した油浴槽3以外の間接加熱方式も採用可能である。その他、本発明の着色塗装装置にあっては、凝集槽2内の冷媒配管の管路構成、未塗装釘N…を保持させる索体6の形態及び材質、該索体6の搬送経路及び送り手段等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
本発明の一実施形態に係る釘の着色塗装装置全体の概略構成を示す模式図である。 同着色塗装装置の塗装機本体を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 図2(A)のX−X線の断面矢視図である。 図2(B)のY−Y線の断面矢視図である。
符号の説明
1 浸漬塗布槽
2 凝縮槽
3 油浴槽(加温手段)
4 溢流槽
5A,5B 冷媒配管(冷却手段)
6 索体
7 水分離槽
8 冷凍機(冷却手段)
10 塗装機本体
13 ギヤ噛合部(釘送り手段)
L1 循環入口管路(溶剤返送手段,塗料循環手段)
L2 循環出口管路(塗料循環手段)
L3 循環出口管路(溶剤返送手段,塗料循環手段)
L4 溶剤回収管路(溶剤回収手段)
L5 溶剤返送管路(溶剤返送手段)
M モーター(釘送り手段)
N 未塗装釘
P 着色塗料
P1 ポンプ(溶剤返送手段,塗料循環手段)
P2 ポンプ(溶剤返送手段)
R1〜R7 ガイドローラー
S 有機溶剤
W 混入水

Claims (6)

  1. 揮発性有機溶剤を含む着色塗料を収容する上方開放型の浸漬塗布槽と、該浸漬塗布槽の加温手段と、該浸漬塗布槽の周囲に配置して上部が開放した凝縮槽と、該凝縮槽内の冷却手段と、未塗装釘を所定間隔で保持した索体を上方から連続的に浸漬塗布槽内の着色塗料中に潜らせて引き出す釘送り手段と、凝縮槽内で凝縮した前記有機溶剤の液を回収する溶剤回収手段とを具備してなる釘の着色塗装装置。
  2. 前記凝縮槽から回収された有機溶剤を浸漬塗布槽内へ戻す溶剤返送手段を具備してなる請求項1記載の釘の着色塗装装置。
  3. 前記浸漬塗布槽内の着色塗料を循環させる塗料循環手段を具備してなる請求項1又は2に記載の釘の着色塗装装置。
  4. 前記冷却手段が、凝縮槽内の冷媒配管内を通る冷媒との熱交換によって有機溶剤ガスを凝縮させるものである請求項1〜3の何れかに記載の釘の着色塗装装置。
  5. 前記凝縮槽から回収された有機溶剤中の混入水を比重差によって分離する水分離槽を具備してなる請求項1〜4の何れかに記載の釘の着色塗装装置。
  6. 前記揮発性有機溶剤がメチレンクロライドである請求項1〜5の何れかに記載の釘の着色塗装装置。
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