以下、本発明の第一の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第一の実施形態によるナースコールシステムの全体構成例を示す図である。なお、ここでは、病院に設置される看護支援用のナースコールシステムを例にとって説明するが、これに限られることはなく、例えば、介護施設等に設置される場合にも適用できる。図1に示すように、第一の実施形態のナースコールシステムは、ナースコール親機1、制御機2、廊下灯3、壁埋込形子機4、センサ子機5、マットセンサ6、ハンディナースコール主装置7、構内交換機(PBX)8、公衆網9、無線基地局10、PHS端末11、アダプタ12、医用電子機器13及びハンド形子機14を備えて構成されている。
センサ子機5は、接触センサ、音圧センサ、光センサの少なくとも1つ(本発明のセンサに該当)を備えている。センサ子機5は、これらのセンサが所定状態を検知すると、患者による看護師の一般呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号をアナログ信号線28に出力するように構成されている。即ち、このセンサ子機5は、例えば、患者がセンサ子機5の先端部に触れた状態を接触センサが検知すると、患者による看護師の一般呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力する。また、患者が息を吹き掛けたり、声を出したりした状態を音圧センサが検知すると、患者による看護師の一般呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力する。また、患者が手や動かせる部位で光を遮った状態を光センサで検知すると、患者による看護師の一般呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力する。以下では、センサ子機5は、光センサ5aを備え、患者による看護師の一般呼出指示を電流値I1で示すアナログ呼出信号を出力するものとする。
マットセンサ6は、重量センサ6a(本発明のセンサに該当)を備えており、例えば、ベッド下の床に敷いて使用される。このマットセンサ6は、患者の徘徊等を防止すべく、マット上に患者が乗ったことを重量センサ6aが検知すると、患者による看護師の一般呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号をアナログ信号線23に出力するように構成されている。なお、マットセンサ6をベッド上の患者の上体側の位置に敷き、患者が上体を起こして当該マットセンサ6に重量がかからなくなったときに患者が起き上がったことを検知し、看護師の緊急呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力するようにしてもよい。また、マットセンサ6は、周知の静電容量検出方式のセンサなどでもよい。以下では、マットセンサ6は、患者による看護師の一般呼出指示を電流値I1で示すアナログ呼出信号を出力するものとする。
医用電子機器13は、例えば、人工呼吸器、又は患者の心電図等を監視するための生体モニタ等である。医用電子機器13は、患者の状態が異常と判断された場合(例えば、異常値が測定された場合など)に、看護師の一般呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号をアナログ信号線29に出力する。以下では、医用電子機器13は、看護師の一般呼出指示を電流値I1で示すアナログ呼出信号を出力するものとする。
ハンド形子機14は、例えば、各患者のベッド脇に設置され、看護師の一般呼出を指示するための一般呼出ボタン、緊急呼出を指示するための緊急呼出ボタン、看護師の特定呼出を指示するための特定呼出ボタン1及び2を有する操作部14a(本発明の操作部に該当)を備えている。さらに、このハンド形子機14は、患者が看護師と通話するためのマイク及びスピーカ等を備えている。
患者が必要に応じて、操作部14aの一般呼出ボタンを押下すると、ハンド形子機14は、患者による看護師の一般呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力する。また、患者が緊急呼出ボタンを押下すると、ハンド形子機14は、患者による看護師の緊急呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力する。また、患者が特定1呼出ボタンを押下すると、ハンド形子機14は、患者による看護師の特定1呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力する。また、患者が特定2呼出ボタンを押下すると、ハンド形子機14は、患者による看護師の特定2呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力する。
以下では、ハンド形子機14は、患者により操作部14aの一般呼出ボタンが押下されると、一般呼出指示を電流値I1で示すアナログ呼出信号をアナログ信号線21に出力するものとし、緊急呼出ボタンが押下されると、緊急呼出指示を電流値I2で示すアナログ呼出信号をアナログ信号線21に出力するものとする。また、患者により特定1呼出ボタンが押下されると、特定1呼出指示を電流値I1で示すアナログ呼出信号をアナログ信号線22に出力し、特定2呼出ボタンが押下されると、特定2呼出指示を電流値I2で示すアナログ呼出信号をアナログ信号線22に出力するものとする。
アダプタ12は、センサ子機5、マットセンサ6、医用電子機器13及びハンド形子機14のそれぞれと、壁埋込形子機4との間における信号の入出力制御等を行うものである。図2は、第一の実施形態によるアダプタ12の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、第一の実施形態のアダプタ12は、第一のセンサ入力インターフェース部12a、第二のセンサ入力インターフェース部12b、RS−232Cインターフェース部12c、入力検出部12d、制御部12e、ダミーアナログ呼出信号発生部12f、重畳呼出信号生成部12g、バッファ12h、子機インターフェース部12i及び送信制御部12jを備えて構成されている。
第一のセンサ入力インターフェース部12aは、マットセンサ6が接続されるインターフェースである。第一のセンサ入力インターフェース部12aは、マットセンサ6からアナログ呼出信号が入力されると、該アナログ呼出信号を入力検出部12dに転送する。また、第一のセンサ入力インターフェース部12aは、例えば、マットセンサ6との接続部に電圧変化が生じると、マットセンサ6の脱落(マットセンサ6が第一のセンサ入力インターフェース部12aから外れたこと)を検知し、脱落呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力する。なお、マットセンサ6から終端であることを示す終端検知信号を受信できなくなったときに、マットセンサ6の脱落を検知し、脱落呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力するようにしてもよい。以下では、第一のセンサ入力インターフェース部12aは、脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号を出力するものとする。
第二のセンサ入力インターフェース部12bは、センサ子機5が接続されるインターフェースである。第二のセンサ入力インターフェース部12bは、センサ子機5からアナログ呼出信号が入力されると、該アナログ呼出信号を入力検出部12dに転送する。また、第二のセンサ入力インターフェース部12bは、例えば、センサ子機5との接続部に電圧変化が生じると、センサ子機5の脱落を検知し、脱落呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力する。なお、センサ子機5から終端であることを示す終端検知信号を受信できなくなったときに、センサ子機5の脱落を検知し、脱落呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力するようにしてもよい。以下では、第二のセンサ入力インターフェース部12bは、脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号を出力するものとする。
RS−232Cインターフェース部12cは、医用電子機器13が接続されるインターフェースである。RS−232Cインターフェース部12cは、医用電子機器13からアナログ呼出信号が入力されると、該アナログ呼出信号と共に、該アナログ呼出信号の入力元が医用電子機器13であることを示す入力元情報を制御部12eに出力する。また、RS−232Cインターフェース部12cは、例えば、医用電子機器13との接続部に電圧変化が生じると、医用電子機器13の脱落を検知し、脱落呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力する。なお、医用電子機器13から終端であることを示す終端検知信号を受信できなくなったときに、医用電子機器13の脱落を検知し、脱落呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力するようにしてもよい。以下では、RS−232Cインターフェース部12cは、脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号を出力するものとする。
入力検出部12dは、第一のセンサ入力インターフェース部12a及び第二のセンサ入力インターフェース部12bがそれぞれ接続される入力ポートを複数備え、どの入力ポートからアナログ呼出信号が入力されたかに応じてアナログ呼出信号の入力元を検出する部分である。以下では、入力検出部12dは、第一のセンサ入力インターフェース部12a側の入力ポートからアナログ呼出信号を受けると、該アナログ呼出信号をマットセンサ6からのアナログ呼出信号であることを検出し、該アナログ呼出信号と共に、該アナログ呼出信号の入力元がマットセンサ6であることを示す入力元情報を制御部12eに出力する。一方、第二のセンサ入力インターフェース部12b側の入力ポートからアナログ呼出信号を受けると、入力検出部12dは、該アナログ呼出信号をセンサ子機5からのアナログ呼出信号であることを検出し、該アナログ呼出信号と共に、該アナログ呼出信号の入力元がセンサ子機5であることを示す入力元情報を制御部12eに出力する。
制御部12eは、受け付けたアナログ呼出信号の呼出指示内容及びアナログ呼出信号の入力元を識別し、その識別結果を重畳呼出信号生成部12gに出力する。この制御部12eは、所定の電流値I1〜I3を示す電流値情報と呼出指示内容情報(本実施形態では、一般呼出指示、緊急呼出指示及び脱落呼出指示のいずれか)とが対応付けられたテーブルを図示しないメモリに記憶している。制御部12eは、入力検出部12d又はRS−232Cインターフェース部12cからアナログ呼出信号及び入力元情報を受けると、該アナログ呼出信号の電流値を示す電流値情報及び入力元情報をバッファ12hに一時保持し、子機インターフェース部12iに対し、端子A側から端子B側へのスイッチの切り替えを指示する切替指示信号を出力する。
また、制御部12eは、入力検出部12d又はRS−232Cインターフェース部12cからアナログ呼出信号等を受けると、ダミーアナログ呼出信号発生部12fに対し、ダミーアナログ呼出信号の発生を指示するダミー発生指示信号を出力する。また、後述するように、制御機2により送信制御部12jとの間に通話路が確立されると、制御部12eは、バッファ12hに一時保持されている電流値情報に基づいて、上記テーブルを参照し、電流値情報に対応する呼出指示内容情報を特定すると共に、特定した呼出指示内容情報及び入力元情報を重畳呼出信号生成部12gに出力する。
ダミーアナログ呼出信号発生部12fは、ダミーアナログ呼出信号を発生する部分である。上述したように、制御部12eからダミー発生指示信号を受けると、所定の電流値で呼出指示を示すダミーアナログ呼出信号を発生し、該ダミーアナログ呼出信号を子機インターフェース部12iに出力する。以下では、ダミーアナログ呼出信号発生部12fは、脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号をダミーアナログ呼出信号として発生し、該アナログ呼出信号を子機インターフェース部12iに出力するものとする。なお、このダミーアナログ呼出信号は、電流値I3で脱落呼出指示を示すアナログ呼出信号でなくてもよいが、該脱落呼出指示を示すものであることがより好ましい。これは、電流値I3で脱落呼出指示を示すアナログ呼出信号が一般呼出指示または緊急呼出指示を示すアナログ呼出信号に比べて、日常的に使用される頻度が少ないからである。
重畳呼出信号生成部12gは、重畳呼出信号を生成する部分である。上述したように、制御部12eから入力元情報及び呼出指示内容情報を受けると、入力元情報及び呼出指示内容情報に基づいて、アナログ呼出信号の入力元及びその呼出指示内容を示す重畳呼出信号を生成し、該重畳呼出信号を送信制御部12jに出力する。
送信制御部12jは、制御機2に対する各信号の送信制御を行う部分である。送信制御部12jは、後述するように、制御機2から廊下灯3、壁埋込形子機4を介して確立要求信号を受けると、所定のプロトコルにしたがって制御機2との間に通話路を確立し、確立完了を示す確立完了信号を制御機2に向けて送信する。ここで、所定のプロトコルとは、信号、データ等の送受信が行えるものであれば、どのようなものでもよい。さらに、送信制御部12jは、後述するように、制御機2から確立終了信号を受けると、通話路の確立を終了する。
また、送信制御部12jは、制御部12eが電流値I3で脱落呼出指示を示すアナログ呼出信号を受けたときに、通話路を介して、ダミーアナログ呼出信号発生部12fが子機インターフェース部12iを介して送信したダミーアナログ呼出信号が実際にはダミーではないことを示す非ダミー通知信号を制御機2に向けて送信する。一方、制御部12eが例えば電流値I1で一般呼出指示を示すアナログ呼出信号を受けたときは、ダミーであることを示すダミー通知信号を制御機2に向けて送信した後、引き続き、重畳呼出信号生成部12gから受けた重畳呼出信号を制御機2に向けて送信する。
子機インターフェース部12iは、ハンド形子機14、ダミーアナログ呼出信号発生部12f及び重畳呼出信号生成部12gからの各信号を壁埋込形子機4に供給するためのインターフェースである。この子機インターフェース部12iは、端子A側(ハンド形子機14側)の信号線と、端子B側(ダミーアナログ呼出信号発生部12f、重畳呼出信号生成部12g側)の信号線とを切り替えるためのスイッチを備えている。このスイッチは、初期設定として端子A側に設定されている。子機インターフェース部12iは、上述したように、制御部12eから切替指示信号を受けると、このスイッチを端子A側から端子B側に切り替える。
図1に戻って説明する。壁埋込形子機4は、例えば、病室の各ベッドサイドの壁に埋め込み設置される。この壁埋込形子機4は、廊下灯3及びアダプタ12が接続される接続端子を備えている。また、壁埋込形子機4は、ハンド形子機14からアダプタ12及びアナログ信号線24を介して一般呼出指示又は緊急呼出指示を電流値I1,I2で示すアナログ呼出信号を受けると、該アナログ呼出信号をアナログ信号線26を介して廊下灯3に出力する。
また、壁埋込形子機4は、アダプタ12及びアナログ信号線25を介して特定1呼出指示又は特定2呼出指示を電流値I1,I2で示すアナログ呼出信号を受けると、該アナログ呼出信号をアナログ信号線27を介して廊下灯3に出力する。また、壁埋込形子機4は、アダプタ12からダミーアナログ呼出信号又は重畳呼出信号を受けると、該ダミーアナログ呼出信号又は重畳呼出信号を、例えばアナログ信号線26を介して廊下灯3に出力する。
さらに、壁埋込形子機4は、例えば、アダプタ12の子機インターフェース部12iとハンド形子機14との接続部に電圧変化が生じると、ハンド形子機14の脱落を検知し、脱落呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号をアナログ信号線26に出力する。なお、ハンド形子機14から子機インターフェース部12iを介して終端であることを示す終端検知信号を受信できなくなったときに、ハンド形子機14の脱落を検知し、脱落呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力するように構成してもよい。以下では、壁埋込形子機4は、脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号を出力するものとする。
廊下灯3は、複数の壁埋込形子機4が接続される複数の入力ポートを備え、どの入力ポートからアナログ呼出信号が供給されたかに応じて、各信号の供給元である壁埋込形子機4を特定する。廊下灯3は、子機インターフェース部12iのスイッチが端子A側に接続されているときにアダプタ12から壁埋込形子機4を介して供給されるアナログ呼出信号の電流値I1〜I3に応じて、アナログ呼出信号に対応する呼出指示内容(一般呼出指示、緊急呼出指示及び脱落呼出指示のいずれか)を特定すると共に、その供給元がハンド形子機14であることも特定する。そして、廊下灯3は、自身の識別情報、特定した壁埋込形子機4の識別情報、一般呼出指示及び緊急呼出指示のいずれか、及びその供給元がハンド形子機14であることを示すデジタル呼出信号を生成し、生成したデジタル呼出信号を制御機2に出力する。
また、廊下灯3は、子機インターフェース部12iのスイッチが端子B側に接続されているときにアダプタ12から壁埋込形子機4を介して脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号を受けたとき、該アナログ呼出信号の電流値I3に応じて、アナログ呼出信号に対応する呼出指示内容を脱落呼出指示と特定すると共に、入力ポートから、その供給元の壁埋込形子機4を特定する。そして、廊下灯3は、必要に応じて(受けた電流値I3のアナログ呼出信号がダミーでないとき)、自身の識別情報、特定した壁埋込形子機4の識別情報、脱落呼出指示を示すデジタル呼出信号を生成し、生成したデジタル呼出信号を制御機2に出力する。また、廊下灯3は、送信制御部12jから壁埋込形子機4を介して重畳呼出信号が供給されると(受けた電流値I3のアナログ呼出信号がダミーであるとき)、廊下灯3の識別情報、壁埋込形子機4の識別情報を含めた重畳呼出信号を制御機2に送信する。
制御機2は、例えば、ナースセンタに設置され、ナースコール親機1と廊下灯3との間に接続されている。図3は、第一の実施形態による制御機2の機能構成例を示すブロック図である。図3に示すように、第一の実施形態の制御機2は、制御部2a、通話路確立制御部2b、通信部2c、廊下灯インターフェース部2d及び親機インターフェース部2eを備えて構成されている。廊下灯インターフェース部2dは、廊下灯3が接続されるインターフェースである。また、親機インターフェース部2eは、ナースコール親機1が接続されるインターフェースである。
制御部2aは、いわゆるCPUとして、制御機2を統括制御する部分である。制御部2aは、廊下灯インターフェース部2dを介して、廊下灯3の識別情報、壁埋込形子機4の識別情報、呼出指示の種類及びその供給元がハンド形子機14であることを示すデジタル呼出信号、又は重畳呼出信号を受信すると、該各呼出信号を通信部2cに転送する。一方、制御部2aは、廊下灯3の識別情報、壁埋込形子機4の識別情報及び脱落呼出指示を示すデジタル呼出信号を受信すると、アダプタ12との間に通話路を確立すべく、確立指示信号を通話路確立制御部2bに出力する。ここで、制御部2aは、該デジタル呼出信号を図示しないメモリに一時保持する。また、制御部2aは、重畳呼出信号又は非ダミー通知信号を受信すると、アダプタ12との間に確立されている通話路を切断すべく、確立終了指示信号を通話路確立制御部2bに出力する。一方、ダミー通知信号を受信したときは、そのまま待機する。
通話路確立制御部2bは、アダプタ12との通話路の確立制御を行う部分である。制御部2aから確立指示信号を受けると、アダプタ12に対し、所定のプロトコルにしたがった通話路の確立要求を指示する確立要求信号を送信する。また、制御部2aから確立終了指示信号を受けると、通話路確立制御部2bは、アダプタ12に対し、通話路の確立終了を指示する確立終了信号を送信する。
通信部2cは、アダプタ12から受信したデジタル呼出信号又は重畳呼出信号をナースコール親機1に送信する部分である。通信部2cは、上述したように、廊下灯3の識別情報、壁埋込形子機4の識別情報、呼出指示の種類及びその供給元がハンド形子機14であることを示すデジタル呼出信号を受信すると、親機インターフェース部2eを介して、該デジタル呼出信号をナースコール親機1に送信する。
また、通信部2cは、アダプタ12の送信制御部12jから通話路を介して非ダミー通知信号を受信すると、図示しないメモリに一時保持した廊下灯3の識別情報、壁埋込形子機4の識別情報、脱落呼出指示を示すデジタル呼出信号を読み出し、親機インターフェース部2eを介してナースコール親機1に送信する。一方、通信部2cは、ダミー通知信号を受信した後、重畳呼出信号を受信すると、親機インターフェース部2eを介して、該重畳呼出信号をナースコール親機1に送信する。
図1に戻って説明する。ナースコール親機1は、例えば、ナースセンタに設置され、制御機2及びハンディナースコール主装置7と接続されている。このナースコール親機1は、壁埋込形子機4を識別するための識別情報(又は、これを使用する患者の識別情報)と、その患者を担当する看護師を識別するための識別情報とを対応付けたテーブルを図示しないメモリに保持している。また、ナースコール親機1は、上述した看護師の識別情報と、その看護師が所持するPHS端末11を識別するための端末番号情報とを対応付けたテーブルをメモリに保持している。
ナースコール親機1は、制御機2から廊下灯3の識別情報、壁埋込形子機4の識別情報、一般呼出指示/緊急呼出指示のいずれか、及びその供給元がハンド形子機14であることを示すデジタル呼出信号を受信すると、例えば、看護師の呼び出しを行うべく、壁埋込形子機4の識別情報等で上記テーブルを参照して、担当の看護師が所持するPHS端末11の端末番号情報を特定し、特定された端末番号情報をハンディナースコール主装置7に送信する。又は、廊下灯3の識別情報及び壁埋込形子機4の識別情報に基づいて特定される病室のハンド形子機14から一般呼出指示及び緊急呼出指示のいずれかがなされたことを示す画面を図示しない液晶モニタに表示する。
また、ナースコール親機1は、制御機2から廊下灯3の識別情報、壁埋込形子機4の識別情報及び脱落呼出指示を示すデジタル呼出信号を受信すると、廊下灯3の識別情報及び壁埋込形子機4の識別情報に基づいて特定される病室から脱落呼出指示がなされたことを示す画面を図示しない液晶モニタに表示する。
また、ナースコール親機1は、制御機2から重畳呼出信号を受信すると、該重畳呼出信号を解析する。例えば、重畳呼出信号がセンサ子機5、マットセンサ6及び医用電子機器13のいずれかを示す入力元と脱落呼出指示とを示していると、該重畳呼出信号に含まれている廊下灯3の識別情報及び壁埋込形子機4の識別情報に基づいて特定される病室で、センサ子機5、マットセンサ6及び医用電子機器13のいずれかが脱落していることを示す画面を液晶モニタに表示する。
また、ナースコール親機1は、例えば、重畳呼出信号がセンサ子機5、マットセンサ6及び医用電子機器13のいずれかを示す入力元と一般呼出指示とを示していると、廊下灯3の識別情報及び壁埋込形子機4の識別情報に基づいて特定される病室で、センサ子機5、マットセンサ6及び医用電子機器13のいずれかから一般呼出指示がなされたことを示す画面を液晶モニタに表示すると共に、上述したと同様に、看護師の呼び出しを行うべく、担当の看護師が所持するPHS端末11の端末番号情報をハンディナースコール主装置7に送信する。
ハンディナースコール主装置7は、例えば、病院内の通信センタに設置され、PHS端末11と通信するための無線基地局10及び公衆網9に接続された構内交換機8に接続されている。このハンディナースコール主装置7は、ナースコール親機1から端末番号情報を受信すると、無線基地局10を介して、端末番号情報に基づいたPHS端末11に架電し、担当の看護師の呼び出しを行う。
次に、上記のように構成された第一の実施形態によるナースコールシステムの動作例について説明を行う。まず、アダプタ12がハンド形子機14から一般呼出指示又は緊急呼出指示を示す電流値I1又はI2のアナログ呼出信号を受信した場合の動作例について説明を行う。図4は、ハンド形子機14とナースコール親機1との間の通信フロー例を示す図である。
図4において、ハンド形子機14は、ユーザの操作部14aを介した指示により、一般呼出指示又は緊急呼出指示を示す電流値I1又はI2のアナログ呼出信号(a)をアダプタ12に送信する。このとき、子機インターフェース部12iのスイッチは、端子A側に接続されている。アダプタ12は、アナログ呼出信号(a)を受信すると、壁埋込形子機4を介して、アナログ呼出信号(a)を廊下灯3に送信する。
廊下灯3は、アダプタ12からアナログ呼出信号(a)を受信すると、電流値に応じて呼出指示内容を特定する。また、入力ポートから壁埋込形子機4を特定する。そして、特定した一般呼出指示及び緊急呼出指示のいずれかを示す情報と、壁埋込形子機4の識別情報と、自身の識別情報とを含むデジタル呼出信号(b)を制御機2に送信する。制御機2は、廊下灯3からデジタル呼出信号(b)を受信すると、該デジタル呼出信号(b)をナースコール親機1に送信する。ナースコール親機1は、制御機2からデジタル呼出信号(b)を受信すると、呼出指示の情報を液晶モニタに表示すると共に、ハンディナースコール主装置7に担当の看護師が所持するPHS端末11への呼び出しを指示する。
次に、ハンド形子機14がアダプタ12から脱落することにより、廊下灯3が壁埋込形子機4から脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号を受信した場合の動作例について説明を行う。図5は、アダプタ12とナースコール親機1との間の通信フロー例を示す図である。
図5において、壁埋込形子機4がハンド形子機14の脱落を検知すると、壁埋込形子機4は、脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号(a)を廊下灯3に送信する。廊下灯3は、壁埋込形子機4からアナログ呼出信号(a)を受信すると、電流値に応じて脱落呼出指示であることを特定する。また、入力ポートから壁埋込形子機4を特定する。そして、特定した脱落呼出指示を示す情報と、壁埋込形子機4の識別情報と、自身の識別情報とを含むデジタル呼出信号(b)を制御機2に送信する。制御機2は、廊下灯3から脱落呼出指示を示すデジタル呼出信号(b)を受信すると、該デジタル呼出信号(b)をメモリに保存すると共に、確立要求信号(c)を廊下灯3、壁埋込形子機4を介してアダプタ12に送信する。
アダプタ12は、制御機2から確立要求信号(c)を受信すると、制御機2との通話路を確立し、確立完了信号(d)を制御機2に送信する。引き続き、アダプタ12は、確立した通話路を介して、デジタル呼出信号(b)がダミーでないことを示す非ダミー通知信号(e)を制御機2に送信する。
制御機2は、アダプタ12から非ダミー通知信号(e)を受信すると、メモリに保持しておいた脱落呼出指示を示すデジタル呼出信号(b)をナースコール親機1に送信すると共に、確立終了信号(f)をアダプタ12に送信する。ナースコール親機1は、制御機2からデジタル呼出信号(b)を受信すると、デジタル呼出信号(b)に含まれている廊下灯3及び壁埋込形子機4の識別情報に基づいて特定される病室から脱落呼出指示がなされたことを示す画面を液晶モニタに表示する。一方、アダプタ12は、制御機2から確立終了信号(f)を受信すると、通話路の確立を終了する。
次に、アダプタ12がセンサ子機5から一般呼出指示を示す電流値I1のアナログ呼出信号を受信した場合の動作例について説明を行う。図6は、センサ子機5とナースコール親機1との間の通信フロー例を示す図である。
図6において、センサ子機5は、センサの状態に応じて、一般呼出指示を示す電流値I1のアナログ呼出信号(a)をアダプタ12に送信する。アダプタ12は、センサ子機5からアナログ呼出信号(a)を受信すると、脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号(b)をダミーアナログ呼出信号発生部12fにより発生し、壁埋込形子機4を介して、アナログ呼出信号(b)を廊下灯3に送信する。
廊下灯3は、アダプタ12からアナログ呼出信号(b)を受信すると、電流値に応じて脱落呼出指示であることを特定する。また、入力ポートから壁埋込形子機4を特定する。そして、特定した脱落呼出指示を示す情報と、壁埋込形子機4の識別情報と、自身の識別情報とを含むデジタル呼出信号(c)を制御機2に送信する。制御機2は、廊下灯3からデジタル呼出信号(c)を受信すると、デジタル呼出信号(c)をメモリに保存すると共に、確立要求信号(d)を廊下灯3、壁埋込形子機4を介してアダプタ12に送信する。アダプタ12は、制御機2から確立要求信号(d)を受信すると、制御機2との通話路を確立し、確立完了信号(e)を制御機2に送信する。
引き続き、アダプタ12は、確立した通話路を介して、デジタル呼出信号(c)がダミーであることを示すダミー通知信号(f)を制御機2に送信し、引き続き、センサ子機5からの一般呼出指示であることを示す重畳呼出信号(g)を制御機2に送信する。制御機2は、アダプタ12からダミー通知信号(f)を受信後、重畳呼出信号(g)を受信すると、重畳呼出信号(g)をナースコール親機1に送信すると共に、確立終了信号(h)をアダプタ12に送信する。
ナースコール親機1は、制御機2から重畳呼出信号(g)を受信すると、重畳呼出信号(g)に基づいて、重畳呼出信号(g)に含まれている廊下灯3及び壁埋込形子機4の識別情報に基づいて特定される病室のセンサ子機5から一般呼出指示がなされたことを示す画面を液晶モニタに表示すると共に、ハンディナースコール主装置7に担当の看護師が所持するPHS端末11への呼び出しを指示する。一方、アダプタ12は、制御機2から確立終了信号(h)を受信すると、通話路の確立を終了する。なお、アダプタ12がマットセンサ6又は医用電子機器13から一般呼出指示を示す電流値I1のアナログ呼出信号を受信した場合の動作例は、上述した通信フロー例と同様であるので説明を省略する。
次に、センサ子機5が脱落することにより、廊下灯3がアダプタ12から脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号を受信した場合の動作例について説明を行う。図7は、アダプタ12とナースコール親機1との間の通信フロー例を示す図である。
図7において、アダプタ12は、センサ子機5の脱落を検知すると、脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号(a)をダミーアナログ呼出信号発生部12fにより発生し、壁埋込形子機4を介して、アナログ呼出信号(a)を廊下灯3に送信する。廊下灯3は、アダプタ12からアナログ呼出信号(a)を受信すると、電流値に応じて脱落呼出指示であることを特定する。また、入力ポートから壁埋込形子機4を特定する。そして、特定した脱落呼出指示を示す情報と、壁埋込形子機4の識別情報と、自身の識別情報を含むデジタル呼出信号(b)を制御機2に送信する。制御機2は、廊下灯3からデジタル呼出信号(b)を受信すると、確立要求信号(c)を廊下灯3、壁埋込形子機4を介してアダプタ12に送信する。
アダプタ12は、制御機2から確立要求信号(c)を受信すると、デジタル呼出信号(b)をメモリに保持すると共に、制御機2との通話路を確立し、確立完了信号(d)を制御機2に送信する。引き続き、アダプタ12は、確立した通話路を介して、デジタル呼出信号(b)がダミーであることを示すダミー通知信号(e)を制御機2に送信し、引き続き、センサ子機5からの脱落呼出指示であることを示す重畳呼出信号(f)を制御機2に送信する。制御機2は、アダプタ12からダミー通知信号(e)を受信後、重畳呼出信号(f)を受信すると、重畳呼出信号(f)をナースコール親機1に送信すると共に、確立終了信号(g)をアダプタ12に送信する。
ナースコール親機1は、制御機2から重畳呼出信号(f)を受信すると、重畳呼出信号(f)に基づいて、重畳呼出信号(f)に含まれている廊下灯3及び壁埋込形子機4の識別情報に基づいて特定される病室のセンサ子機5から脱落呼出指示がなされたことを示す画面を図示しない液晶モニタに表示する。一方、アダプタ12は、制御機2から確立終了信号(g)を受信すると、通話路の確立を終了する。なお、廊下灯3がアダプタ12からマットセンサ6又は医用電子機器13の脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号を受信した場合の動作例は、上述した通信フロー例と同様であるので説明を省略する。
以上詳しく説明したように、第一の実施形態では、ダミーのアナログ呼出信号を利用して制御機2とアダプタ12との間に通話路を確立し、確立した通話路を利用してアナログ呼出信号の入力元及びその呼出指示内容を示す重畳呼出信号を制御機2に送信するようにしている。これにより、制御機2は、重畳呼出信号が示す入力元及び呼出指示内容に基づいて、マットセンサ6、センサ子機5、医用電子機器13及びハンド形子機14を識別してナースコール親機1に呼び出しを行うことができ、マットセンサ6、センサ子機5、医用電子機器13及びハンド形子機14毎に対応するアナログ信号線を新規に設ける等の大規模な工事を行う必要もない。
次に、本発明の第二の実施形態を図面に基づいて説明する。第二の実施形態によるナースコールシステムの全体構成例は、図1と同様である。また、第二の実施形態によるナースコールシステムが備えるアダプタ12の機能構成は、図2に示したものと同様であるが、送信制御部12jの送信制御方法が第一の実施の形態と異なる。即ち、第二の実施形態による送信制御部12jは、ダミー通知信号又は非ダミー通知信号の送信は行わない。つまり、ダミーアナログ呼出信号のときには、確立した通話路を介して、ダミー通知信号を制御機30に送信することなく、重畳呼出信号のみを制御機30に送信する。一方、非ダミーアナログ呼出信号のときには、通話路が確立した後も何も送信しない。
図8は、第二の実施形態によるナースコールシステムが備える制御機30の機能構成例を示すブロック図である。図8に示すように、第二の実施形態では、制御機30は、第一の実施形態の機能構成に加えてタイマ2fを備えている。このタイマ2fは、通話路確立制御部2bがアダプタ12との通話路を確立してからの所定時間を計測する部分である。制御部30aを介して、アダプタ12からの確立完了信号を受信すると、タイマ2fは、所定時間の計測を開始する。ここで、所定時間とは、例えば、アダプタ12との通話路を確立してから2秒程度のタイムアウトに適した時間であれば、どのような時間でもよい。また、この所定時間は、ユーザが任意に設定することができるようにしてもよい。
また、第二の実施形態では、制御機30の通信部30cは、タイマ2fが所定時間を計測し終わる前に重畳呼出信号を受信すると、親機インターフェース部2eを介して、該重畳呼出信号等をナースコール親機1に送信する。一方、タイマ2fが所定時間を計測しても重畳呼出信号が送信されないときには、第一の実施形態と同様に、図示しないメモリに一時保持している廊下灯3の識別情報、壁埋込形子機4の識別情報及び脱落呼出指示を示す情報を含むデジタル呼出信号を親機インターフェース部2eを介してナースコール親機1に送信する。
次に、上記のように構成された第二の実施形態によるナースコールシステムの動作例について説明を行う。まず、ハンド形子機14がアダプタ12から脱落することにより、廊下灯3が壁埋込形子機4から脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号を受信した場合の動作例について説明を行う。図9は、アダプタ12とナースコール親機1との間の通信フロー例を示す図である。
図9において、壁埋込形子機4がハンド形子機14の脱落を検知すると、壁埋込形子機4は、脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号(a)を廊下灯3に送信する。廊下灯3は、壁埋込形子機4からアナログ呼出信号(a)を受信すると、電流値に応じて脱落呼出指示であることを特定する。また、入力ポートから壁埋込形子機4を特定する。そして、特定した脱落呼出指示を示す情報と、壁埋込形子機4の識別情報と、自身の識別情報を含むデジタル呼出信号(b)を制御機30に送信する。制御機30は、デジタル呼出信号(b)を受信すると、該デジタル呼出信号(b)を図示しないメモリに保持すると共に、確立要求信号(c)を廊下灯3、壁埋込形子機4を介してアダプタ12に送信する。
アダプタ12は、制御機30から確立要求信号(c)を受信すると、制御機30との通話路を確立し、確立完了信号(d)を制御機30に送信する。制御機30は、アダプタ12から確立完了信号(d)を受信すると、タイマ2fにより所定時間(例えば、アダプタ12との通話路を確立してから2秒等)の計測を開始する。そして、制御機30は、アダプタ12から重畳呼出信号を受信することなく、所定時間を計測すると、メモリに保持しておいたデジタル呼出信号(b)をナースコール親機1に送信すると共に、確立終了信号(e)をアダプタ12に送信する。
ナースコール親機1は、制御機30からデジタル呼出信号(b)を受信すると、デジタル呼出信号(b)に含まれている廊下灯3及び壁埋込形子機4の識別情報に基づいて特定される病室から脱落呼出指示がなされたことを示す画面を液晶モニタに表示する。一方、アダプタ12は、制御機30から確立終了信号(e)を受信すると、通話路の確立を終了する。なお、アダプタ12がハンド形子機14から一般呼出指示又は緊急呼出指示を示す電流値I1又はI2のアナログ呼出信号を受信した場合の動作例については、第一の実施形態と同様であるので説明を省略する。
次に、アダプタ12がセンサ子機5から一般呼出指示を示す電流値I1のアナログ呼出信号を受信した場合の動作例について説明を行う。図10は、センサ子機5とナースコール親機1との間の通信フロー例を示す図である。
図10において、センサ子機5は、センサの状態に応じて、一般呼出指示を示す電流値I1のアナログ呼出信号(a)をアダプタ12に送信する。アダプタ12は、センサ子機5からアナログ呼出信号(a)を受信すると、脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号(b)をダミーアナログ呼出信号発生部12fにより発生し、壁埋込形子機4を介して、アナログ呼出信号(b)を廊下灯3に送信する。
廊下灯3は、センサ子機5からアナログ呼出信号(b)を受信すると、電流値に応じて脱落呼出指示であることを特定する。また、入力ポートから壁埋込形子機4を特定する。そして、特定した脱落呼出指示を示す情報と、壁埋込形子機4の識別情報と、自身の識別情報を含むデジタル呼出信号(c)を制御機30に送信する。制御機30は、デジタル呼出信号(c)を受信すると、デジタル呼出信号(c)を図示しないメモリに保持すると共に、確立要求信号(d)を廊下灯3、壁埋込形子機4を介してアダプタ12に送信する。
アダプタ12は、制御機30から確立要求信号(d)を受信すると、制御機30との通話路を確立し、確立完了信号(e)を制御機30に送信する。制御機30は、アダプタ12から確立完了信号(e)を受信すると、タイマ2fにより所定時間の計測を開始する。ここで、アナログ呼出信号(b)はダミーアナログ呼出信号であるので、アダプタ12は、通話路の確立後に重畳呼出信号(f)を制御機30に送信する。制御機30は、所定時間内にアダプタ12から重畳呼出信号(f)を受信すると、重畳呼出信号(f)をナースコール親機1に送信すると共に、確立終了信号(g)をアダプタ12に送信する。
ナースコール親機1は、制御機30から重畳呼出信号(f)を受信すると、重畳呼出信号(f)に基づいて、センサ子機5から一般呼出指示がなされたことを示す画面を図示しない液晶モニタに表示すると共に、ハンディナースコール主装置7に担当の看護師が所持するPHS端末11への呼び出しを指示する。一方、アダプタ12は、制御機30から確立終了信号(g)を受信すると、通話路の確立を終了する。なお、アダプタ12がマットセンサ6又は医用電子機器13から一般呼出指示を示す電流値I1のアナログ呼出信号を受信した場合の動作例は、上述した通信フロー例と同様であるので説明を省略する。
次に、センサ子機5が脱落することにより、廊下灯3がアダプタ12から脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号を受信した場合の動作例について説明を行う。図11は、アダプタ12とナースコール親機1との間の通信フロー例を示す図である。
図11において、アダプタ12は、センサ子機5の脱落を検知すると、脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号(a)をダミーアナログ呼出信号発生部12fにより発生し、壁埋込形子機4を介して、アナログ呼出信号(a)を廊下灯3に送信する。廊下灯3は、アダプタ12からアナログ呼出信号(a)を受信すると、電流値に応じて脱落呼出指示であることを特定する。また、入力ポートから壁埋込形子機4を特定する。そして、特定した脱落呼出指示を示す情報と、壁埋込形子機4の識別情報と、自身の識別情報を含むデジタル呼出信号(b)を制御機30に送信する。制御機30は、廊下灯3からデジタル呼出信号(b)を受信すると、デジタル呼出信号(b)をメモリに保持すると共に、確立要求信号(c)を廊下灯3、壁埋込形子機4を介してアダプタ12に送信する。
アダプタ12は、制御機30から確立要求信号(c)を受信すると、制御機30との通話路を確立し、確立完了信号(d)を制御機30に送信する。制御機30は、アダプタ12から確立完了信号(d)を受信すると、タイマ2fにより所定時間の計測を開始する。ここで、アナログ呼出信号(a)はダミーアナログ呼出信号であるので、アダプタ12は、通話路の確立後に重畳呼出信号(e)を制御機30に送信する。制御機30は、所定時間内にアダプタ12から重畳呼出信号(e)を受信すると、重畳呼出信号(e)をナースコール親機1に送信すると共に、確立終了信号(f)をアダプタ12に送信する。
ナースコール親機1は、制御機30から重畳呼出信号(e)を受信すると、重畳呼出信号(e)に基づいて、センサ子機5の脱落呼出指示がなされたことを示す画面を図示しない液晶モニタに表示する。一方、アダプタ12は、制御機30から確立終了信号(g)を受信すると、通話路の確立を終了する。なお、廊下灯3がアダプタ12からマットセンサ6又は医用電子機器13の脱落呼出指示を示す電流値I3のアナログ呼出信号を受信した場合の動作例は、上述した通信フロー例と同様であるので説明を省略する。
以上詳しく説明したように、第二の実施形態では、ダミーのアナログ呼出信号を利用して制御機2とアダプタ12との間に通話路を確立し、確立した通話路を利用してアナログ呼出信号の入力元及びその呼出指示内容を示す重畳呼出信号を制御機2に送信するようにしている。これにより、制御機2は、重畳呼出信号が示す入力元及び呼出指示内容に基づいて、マットセンサ6、センサ子機5、医用電子機器13及びハンド形子機14を識別してナースコール親機1に呼び出しを行うことができ、マットセンサ6、センサ子機5、医用電子機器13及びハンド形子機14毎に対応するアナログ信号線を新規に設ける等の大規模な工事を行う必要もない。
また、第二の実施形態では、第一の実施形態のようにダミー通知信号及び非ダミー通知信号のいずれも送信する必要がないので、通信プロトコルを簡単にすることができる。これに対して、上述した第一の実施形態では、脱落呼出を認識するのにタイムアウトを待つ必要がないので、より迅速に脱落呼出指示を認識してナースコール親機1に呼び出しを行うことができる。
以上に説明した各実施形態によるナースコールシステムのナースコール制御方法は、ハードウェア構成、DSP、ソフトウェアの何れによっても実現することが可能である。例えば、ソフトウェアによって実現する場合、各実施形態のアダプタ12、制御機2(又は30)は、実際にはコンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
また、各実施形態の制御機2(又は30)が上記実施形態の機能を果たすように動作させるプログラムを例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、制御機2(又は30)に読み込ませることによって実現できるものである。上記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、DVD、不揮発性メモリカード等を用いることができる。また、上記プログラムをインターネット等のネットワークを介して制御機2(又は30)にダウンロードすることによっても実現できる。
また、制御機2(又は30)が供給されたプログラムを実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムが制御機2(又は30)において稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合や、供給されたプログラムの処理の全てあるいは一部が制御機2(又は30)の機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて上述の実施形態の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明の実施形態に含まれる。
なお、上記第一及び第二の実施形態では、何れもハンド形子機14をアダプタ12の子機インターフェース部12iに接続する構成であったが、これに限られることはない。例えば、図12に示すように、第三のセンサ入力インターフェース部12kを設け、第三のセンサ入力インターフェース部12kを介して、ハンド形子機14を入力検出部12dに接続するようにしてもよい。この場合、第三のセンサ入力インターフェース部12kは、例えば、ハンド形子機14との接続部に電圧変化が生じると、ハンド形子機14の脱落を検知し、脱落呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を出力する。なお、ハンド形子機14から終端であることを示す終端検知信号を受信できなくなったときに、ハンド形子機14の脱落を検知し、脱落呼出指示を所定の電流値で示すアナログ呼出信号を入力検出部12dに出力するようにしてもよい。
また、入力検出部12dは、第三のセンサ入力インターフェース部12kを介してハンド形子機14が接続されている入力ポートからアナログ呼出信号を受けると、該アナログ呼出信号をハンド形子機14からのアナログ呼出信号であることを検出し、該アナログ呼出信号と共に、該アナログ呼出信号の入力元がハンド形子機14であることを示す入力元情報を制御部12eに出力する。これにより、子機インターフェース部12iには、ハンド形子機14とその他のセンサ等を切り替えるためのスイッチを設ける必要がなくなる。
また、上記第一及び第二の実施形態では、何れもアダプタ12がダミーアナログ呼出信号発生部12f、重畳呼出信号生成部12g及び送信制御部12j等を備えているが、これに限られることはない。例えば、アダプタ12が備える同一構成を壁埋込形子機4に備えるようにしてもよい。これにより、本発明を適用する際に、アダプタ12を別途設ける必要がなくなる。
また、上記第一及び第二の実施形態では、ハンド形子機14が子機インターフェース部12iの端子Aに接続される例について説明したが、ハンド形子機14の代わりに、センサ子機5、マットセンサ6又は医用電子機器13が子機インターフェース部12iの端子Aに接続されるようにしても良い。
また、上記第二の実施形態では、ダミーアナログ呼出信号発生部12fが子機インターフェース部12iを介して送信したダミーアナログ呼出信号が実際にはダミーではないときには、通話路が確立した後に何も信号を送信しない例について説明したが、これに限定されない。例えば、ダミーアナログ呼出信号発生部12fが子機インターフェース部12iを介して送信したダミーアナログ呼出信号が非ダミーであっても、重畳呼出信号を送信するようにしても良い。この場合の重畳呼出信号には、センサ子機5、マットセンサ6、医用電子機器13のいずれにおいて脱落が生じているかの識別情報も含めることができる。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。