JP4971708B2 - 二流体ノズル - Google Patents
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Description
前記半導体ウエハ等の微細なパターンが設けられた基板の洗浄には、微粒化に優れている理由で二流体ノズルが用いられており、特に、洗浄力は勿論のこと、特に、基板の破壊を防ぐために適正な打力と打力分布の均等化が求められている。
前記のように、気体流路の噴口を最小断面積のオリフィスとしているのは、液体との外部混合時に気体の圧力が低下し、液体が十分に微粒化されないため、気体の圧力を高めて液体の微粒化を図っていることによる。
しかしながら、気体流路の噴口を最小断面積として気体を高圧で噴射すると、打力が強くなり過ぎると共に均等な打力が得られにくい問題がある。
しかしながら、液体として水を用い、気体としてエアを用いる洗浄用ノズル等では、噴口での詰まりが発生しにくいため外部混合型とする必要はなく、逆に、外部混合型とすると、水とエアとの混合が噴口から離れた位置で行われ、噴口近傍での微粒化に問題があり、至近距離で使用する洗浄に適さない。
中心軸線を同一とする外筒と内筒とからなる二重筒を備え、前記内筒の中空部を液体流路とすると共に内筒と外筒の間を環状の気体流路とし、
前記気体流路は、
前記外筒の噴射側内面に前記中心軸線に向けて傾斜させて設けた第1テーパ面と、前記内筒の噴射側外面に前記中心軸線に向けて傾斜させて設けた第2テーパ面により挟まれ、噴口に向けて断面積を縮小せずに増大あるいは同一とした噴射側気体流路と、
前記噴射側気体流路に達する直前に設けられ、前記中心軸線と平行とした前記外筒の内面と内筒の外面とで挟まれ、前記噴射側気体流路の断面積よりも小とされたオリフィス流路と、
前記オリフィス流路の上流側の気体流路に設けられた旋回手段で旋回流とされる旋回流路と、
を備えていることを特徴とする二流体ノズルを提供している。
このように、噴射側気体流路において、断面積を噴口に向けて縮小せず、増大あるいは同一としていることで、気体の噴射圧を低減してソフトな噴射を行うことができ、かつ、気体の噴射方向を液体の噴口側に向けているため、液体と気体との混合を噴口に近い位置で行うことができ、噴霧パターンの安定化を図ることができる。
また、本発明では、前記噴射側気体流路の直前の気体流路をオリフィス流路として気体圧力を増大させているため、噴射側基体流路で流路断面積を次第に増大させて気体圧力を若干低減しても、あるいは同一として、噴口に向けた気体圧力を増大させなくとも、液体と混合して液滴を微粒化するのに十分な圧力を保持している。
さらに、前記オリフィス流路の上流の旋回流路で、気体に旋回流を付与しているため、液体と混合する気体は旋回流となっているため、液体の均一な分布と液体の微粒化を促進することができる。
前記内部混合型とする場合は、内筒の噴口は外筒の噴口より0〜5mmの内部位置に配置することが好ましい。
この内部混合型とすると、内筒の噴口から噴射された液体は外筒噴射側の外周側から噴射される気体と混合されながら外筒噴口から噴射され、液滴の更なる微粒化と噴霧パターンの安定化を図ることができる。
なお、外筒の噴口より内筒の噴口を、例えば、1mm以下で突出させてもよい。
前記噴射側気体流路は噴口に向けて流路断面積を増大させていることがこのましい。
なお、前記のように、噴口に向けて流路断面積を同一としてもよいが、ソフトな打力を得るには流路面積を噴口に向けて増大することが好ましい。
この場合、前記外筒噴射側内面の第1テーパ面の傾斜角度θ1は、75°≦θ1≦45°が好ましい。これは、75°未満であると、噴霧パターンが不安定となり 45°を越えると打力が弱くなることによる。
一方、内筒噴射側の外面の第2テーパ面との傾斜角度θ2も、75°≦θ2≦45°が好ましい。これは、75°未満であると、噴霧パターンが不安定となり 45°を越えると打力が弱くなることによる。
また、傾斜角度θ1=θ2としても、テーパ面の開始位置を相違させて、外筒のテーパ開始面を内筒よりも先端側とし、かつ、内筒の先端(液体の噴口)を外筒の先端(気体の噴口)よりも内部位置とすることで、気体流路を噴口に向けて増大させることができる。
このように、第2テーパ面を2段テーパ面として、噴口側先端のテーパ面を液体の噴口側へと傾斜させると、気体が更に液体側に向けられ、液体と気体との混合を促進でき、液滴の微粒化を促進できる。
なお、旋回部材の形状は上記形状に限定されず、気体に旋回流を発生させる構造であれば適宜に採用しえる。
なお、基板等の洗浄用以外の各種部品の洗浄用、更には、防虫や殺菌用の水和剤噴射用のノズル、塗装用ノズル、研磨用ノズル等としても好適に用いられる。
さらに、前記オリフィス流路の上流の旋回流路で、気体に旋回流を付与しているため、液体と混合する気体は旋回流となっているため、液体の均一な分布と液体の微粒化を促進することができる。
図1乃至図3は第1実施形態のウエハ洗浄用の二流体ノズル10を示す。
11はノズル本体を構成する外筒、12はノズル本体に挿入するノズルチップからなる内筒である。図1は外筒11と内筒12とを中心軸線Lを同一として組みつけた状態の断面図であり、図2は外筒11は断面で示すと共に、内筒12は断面とせずに外周面で示している図面である。
内筒12の中心軸線Lに沿った中空部を液体流路15とし、内筒12の後端に接続する水供給管(図示せず)から所要圧力とした水を液体流路15に供給している。
内筒12の外周面と外筒11の内周面との間には、前記ネジ部13より先端噴射側まで空隙を設け、該空隙を気体流路20としている。この気体流路20には、外筒11に設けた気体流入路21を窒素ガス供給管(図示せず)から所要圧力で窒素ガスを供給している。
前記液体流路15c〜15fに対応した内筒の外周面も段状に縮径し、噴射側の液体流路15e、15fに対応する外周面は最小径としている。また、噴口17を囲む部分では、図3に示すように、中心軸線Lに向けて傾斜角度θ2としたテーパ面18(以下、後述する外筒11のテーパ面と区別して、第2テーパ面18)を設けている。
該第2テーパ面18の傾斜角度θ2は、75°≦θ2≦45°の範囲としている。
前記旋回流路20bの噴射側に連続する流路は、中心軸線Lの方向に傾斜した傾斜流路20cとなる。
前記傾斜流路20cの噴射側に連続する流路は、中心軸線Lと平行で、液体流路15e、15fと平行な流路とし、かつ、該流路は気体流路中において最小断面積としてオリフィス流路20dとしている。
前記第1テーパ面25は中心軸線Lに対して傾斜角度θ1で傾斜させ、該傾斜角度θ1は、75°≦θ1≦45°とし、かつ、前記内筒の第2テーパ面18の傾斜角度θ2より小さくしている(θ1<θ2)。
さらに、第1テーパ面25の傾斜開始位置P1は第2テーパ面18の傾斜開始位置P2よりも噴射側に位置させている。
前記傾斜角度θ1とθ2、傾斜開始位置P1とP2の関係より、図3に示すように、噴口22に向けて流路断面積α1を次第に拡大している。この噴射側流路20eの流路断面積α1は前記オリフィス流路20dの流路断面積α2よりも大とし(α1>α2)とし、気体流量はオリフィス流路20dで規定している。
このように、ラップさせることにより、気体と液体とを内部混合モスクは噴口至近きょりでの混合を確実に行うことができる。
所要圧力でN2ガスを気体流路20に導入すると、ガスは旋回流路20bで旋回流となり、この旋回流が傾斜流流路20cを通してオリフィス流路20dを通り、該オリフィス流路20dでガス圧を高めながら噴射側流路20eに流入する。噴射側流路20eでは噴口22に向けて流路断面積を増大させているため、ガス圧を若干低下させながら液体流路15の噴口17より噴射される液体と内部混合し、噴口22より外部に気液混合ミストをソフトな打力で噴射する。
第2実施形態では、内筒12の噴射側外面のテーパ面を2段のテーパ面30、31とし、噴口22側のテーパ面31の傾斜角度θ3を後方のテーパ面30の傾斜角度θ2よりも大としている(θ3>θ2)。
前記傾斜角度θ3は30°≦θ3≦45°の範囲としている。
他の構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
11 外筒
12 内筒
15 液体流路
17 噴口
18 第2テーパ面
20 気体流路
20b 旋回流路
20d オリフィス流路
20e 噴射側流路
22 噴口
23 旋回溝
25 第1テーパ面
Claims (6)
- 中心軸線を同一とする外筒と内筒とからなる二重筒を備え、前記内筒の中空部を液体流路とすると共に内筒と外筒の間を環状の気体流路とし、
前記気体流路は、
前記外筒の噴射側内面に前記中心軸線に向けて傾斜させて設けた第1テーパ面と、前記内筒の噴射側外面に前記中心軸線に向けて傾斜させて設けた第2テーパ面により挟まれ、噴口に向けて断面積を縮小せずに増大あるいは同一とした噴射側気体流路と、
前記噴射側気体流路に達する直前に設けられ、前記中心軸線と平行とした前記外筒の内面と内筒の外面とで挟まれ、前記噴射側気体流路の断面積よりも小とされたオリフィス流路と、
前記オリフィス流路の上流側の気体流路に設けられた旋回手段で旋回流とされる旋回流路と、
を備えていることを特徴とする二流体ノズル。 - 前記外筒の噴口と前記内筒の噴口を同一平面に位置させ、あるいは外筒内に内筒の噴口を位置させている請求項1に記載の二流体ノズル。
- 前記噴射側気体流路を構成する前記外筒噴射側内面の第1テーパ面と内筒噴射側の外面の第2テーパ面は前記中心軸線に対する傾斜角度を相違させ、第1テーパ面の傾斜角度θ1を第2テーパ面の傾斜角度θ2以下(θ1≦θ2)とし、あるいは/およびテーパ面の開始位置を軸線方向で相違させ、第1テーパ面を第2テーパ面より噴射側とし、
前記噴射側気体流路は噴口に向けて流路断面積を増大させている請求項1または請求項2に記載の二流体ノズル。 - 前記内筒噴射側の外面の第2テーパ面の傾斜角度(θ2)は、噴口側で傾斜角度を変え、該傾斜角度θ3は前記傾斜角度θ2に対して大(θ2<θ3)と、前記噴射側気体流路の断面積を先端側で更に拡大している請求項3に記載の二流体ノズル。
- 前記旋回流路に設ける旋回手段として、前記内筒外周面に周方向に間隔をあけて、軸線方向が傾斜した旋回溝を複数個設けている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の二流体ノズル。
- 前記液体として水を用いると共に気体として窒素ガスあるいはエアを用い、洗浄用ノズルとしている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の二流体ノズル。
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