JP4971302B2 - 農薬および忌避剤 - Google Patents

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Description

本発明は、殺昆虫剤、殺線虫剤および殺貝剤としての物質の使用に関し、より具体的には、ニンニクから得られる濃縮物をこれらの目的に使用することに関する。
出願人に既知の技術の概説
欧州連合による農薬活性成分の再検討では、現在承認されている66%を超える活性物質が2007年までに取り除かれることになると予想される。したがって、より環境に優しい新しい農薬が必要とされている。
鳥類忌避剤としてのニンニク油の使用は、先に、Eric Blockらによって、Journal of Agricultural and Food Chemistry,第5巻,第8号,2192−2196頁に報告されている(1)。昆虫忌避活性を示すニンニク由来調製物、ならびに蚊および他の昆虫の幼虫に対するニンニクの毒性も報告されている。E Blockら,Angew Chem.Int.Ed.Engl.1992,31,1135−1178(2);Kadota,Y.「Insect repellents made from plant and herb extracts」JP 2003192516,2003(Chem.Abstr.2003,139,48654)(3);およびBhuyan,M.;Saxena,B.N.;Rao,K.M.「Repellent Property of Oil Fraction of Garlic,Allium Sativum Linn」Ind.J.Exp.Biol.1974,12,575−6(4)参照。文献(1)では、小動物に対する忌避活性を有するニンニク由来調製物や、ニンニクの局所外用が産卵鶏におけるトリサシダニ(Northern Fowlmite)の外寄生を減少させたことも言及されている。ニンニクからの抽出物であるアリシンの殺線虫活性も、International Journal of Pest Management,1993,39(4),390−392に報告されている(5)。ニンニクの殺貝性も報告されている。D.K.SinghおよびA.Singh「Allium sativum (garlic),A potent new molluscicide」Biological Agriculture and Horticulture,第9巻,第2号(6)。アリシンの抗微生物性に関する総説は、S.AnkriおよびD.Mirelmanにより、Microbes and Infection,1999,125−129に発表されている(7)。
Journal of Medicinal and Aromatic Plant Sciences 2003,25,pp.1024−1038に掲載された「Insecticidal Properties of Garlic(ニンニクの殺虫性)」と題する論文で、Singhらは、水抽出、溶媒抽出などの、ニンニク抽出物を製造するための様々な従来法を詳述し、水蒸気蒸留を使ってニンニク油を得る方法も詳述している。
Indian J.Agric.Sciences 1980,50,pp.507−510に掲載された「Extracts of garlic as possible sources of insecticides」と題する論文には、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、ドクガ属(Euproctis sp.)およびイエカ属(Culex sp.)に対する殺昆虫剤としての、細断ニンニク小鱗茎から水蒸気蒸留によって得られるニンニク油の使用、ニンニクのメタノール抽出物の使用、および細断ニンニクを一枚のモスリンを通して圧搾した時に得られる水およびエーテル抽出物の使用が詳述されている。
Ind.J.Nematology 1991,21,pp.14−18(Guptaら)に掲載された論文の抄録は、殺線虫性を有するニンニクの水性抽出物の使用に言及している。線虫幼虫に対して毒性であるとされるニンニクの蒸留油画分の使用にも言及している。さらにまた、この抄録には、殺線虫剤としての小鱗茎粉末の使用も詳述されている。
米国特許出願第US5,733,552号特許には、蚊を忌避する手段として、草、低木および高木に対する希釈ニンニク汁の使用が詳述されている。
欧州特許出願第EP0945066A1号は、改良された殺昆虫剤/殺真菌剤を得るために精油と組み合わせたニンニク油またはニンニク抽出物の混合物の使用に関する。
ニンニク油の製造には課題が伴う。天然汁から油を分離する必要があるからである。通常、これには、ニンニクを粉砕し、水蒸気蒸留を行うために100℃に加熱する必要がある。次に、冷却すると、ニンニク油が水相から分離される。
ニンニク油の使用にも固有の課題がある。室温のニンニク油は、希釈することが困難な粘稠液体であり、希釈剤として使用する液体とも混和する必要がある担体溶媒の使用を必要とするからである。そのような担体溶媒の使用により、有機農業におけるニンニク油の使用は制限され、健康面および安全面で、そのような溶媒の使用に付随する他の問題を持ち込むことにもなる。
したがって、上述のようにニンニクから油を単離するのではなく、ニンニクを単に粉砕し、そのようにして製造された汁を直接使用するのであれば有利である。残念ながら、この方法で単離されたニンニク汁は、化学的分解と微生物学的活性との組み合わせによる分解を受けやすい。ニンニク汁の硫黄成分はおそらく二酸化硫黄/硫黄に酸化され、有機成分はケトン類に酸化/加水分解されるか、呼吸によって二酸化炭素に分解される。したがって、抽出ニンニク汁を使用しようとする場合は、農薬/殺生物剤としての最大効力を確保するために、それをニンニクから新鮮に単離し、ほとんど直ちに使用しなければならない。貯蔵後に保たれている忌避剤としての物質の活性レベルは、著しく低下している。
したがって、様々な生き物に対するその忌避性および農薬としてのその作用に関して、ニンニク油/新鮮ニンニク抽出物に付随する性質を有するが、ニンニク油の単離に伴う水蒸気蒸留段階を必要としない物質を提供することができれば、有利である。本明細書には、そのような物質を、その物質の製造方法と共に記述する。
上述したニンニク油およびニンニク抽出物の性質は、粉砕工程でニンニクの細胞壁を破砕した後に生成するアリルポリスルフィドの存在に由来すると考えられる。この工程では、アリインがアリナーゼ(allinase)と呼ばれる酵素によってアリシンに変換される。次に、アリシンが分解して、スキーム1に示すようにポリスルフィドを形成する。
Figure 0004971302
スキーム1
ニンニク抽出物およびニンニク油にその生物学的活性および忌避性を与えると考えられるのは、このアリルポリスルフィドである。ニンニクのこの生物学的活性は、酵素阻害剤、金属封鎖剤、細胞膜上で活性な溶媒、呼吸阻害剤および一般抗生物質として作用するアリルポリスルフィドによるものと考えられる。
本発明は、その最も広い態様として、ニンニク汁から水を除去することによってニンニク汁から得られる液体濃縮物を含む農薬を提供する。本明細書に開示する濃縮物は、様々な生き物に対するその忌避性および農薬としてのその作用に関して、ニンニク油/新鮮ニンニク抽出物に付随する性質を有するが、ニンニク油の単離に伴う蒸留段階を必要とせず、さらにまた、長期間貯蔵しても安定であって、物質の活性が低下しない。この安定性は、少なくとも一つには、抽出した汁から水を除去することによるものである。これにより、ニンニク汁にその生物学的活性を与えるニンニク汁の構成要素の破壊を通常担っている生物にとって利用することのできる水をほとんど含まないか全く含まない濃縮物が得られる。
好ましくは、減圧蒸留により、40℃未満の温度で水を除去する。本方法により、ニンニク抽出物の濃縮時に、その構成要素の分解が最小限に抑えられる。
好ましくは、本濃縮物は、60〜80のブリックス値を有する。本明細書に開示される本発明の濃縮物に関して観察された安定性をもたらすこの範囲のブリックス値を濃縮物に与えるのが水の除去である。
好ましくは、濃縮物中の総ポリスルフィドは、2〜4%w/wの範囲にある。
好ましくは、式:RSR、RSR、RSRおよびRSRのジアリルスルフィドが、存在する総ポリスルフィドの66%±10重量%を占める(式中、R=アリル基)。好ましくは、ジアリルスルフィド:ジアリルジスルフィド:ジアリルトリスルフィド:ジアリルテトラスルフィドが、存在する総ポリスルフィドの重量%として、約4%〜5%:5%〜8%:31%〜38%:19%〜22%の比率で存在する。これらの成分をこれらの比率で含有する濃縮物は、ニンニク鱗茎の自然変動によっても得られるかもしれない一貫した生物学的活性を有する農薬になる。ある範囲の供給原料から得られる濃縮物を配合することで、この組成を容易に達成することができる。
好ましくは、逆浸透によって水を抽出する。このようにして、濃縮物を単離するのに費やされるエネルギーが最少量であるような方法が得られる。そしてまた、その結果、濃縮物がさらされる加熱のレベルは最小限に抑えられるので、濃縮物は農薬として最大の効力を有することになる。
好ましくは、ポリスルフィド含量を強化するために、さらなるポリスルフィドを加える。そのようなポリスルフィドの添加は、その混合物の農薬または忌避剤としての性能を改善すると予想され、そしてまた、野外条件下で施用した場合に、その混合物の滞留時間も改善すると予想される。
好ましくは、ポリスルフィドをニンニク油の形で加える。ニンニク油は、その油中に水を含まないので、強化目的に使用されるポリスルフィドの特に好ましい形態である。水を含有する物質の添加は、濃縮物のマトリックスを不安定化して、その物質の安定性を減じる。
本発明の第2の広い態様では、
・ ニンニクを粉砕するステップ、
・ 生成した液体から固形物を分離するステップ、
・ 液体を低温殺菌するために液体に対して加熱段階を実行するステップ、
および
・ 減圧蒸留により、約40℃の温度で、液体から水を除去するステップ、
によってニンニクから得られる液体濃縮物の形態をした農薬の製造方法が提供される。このようにしてニンニク汁を単離し濃縮することにより、農薬として最大の効力を有すると共に、ニンニク油の製造に通常使用される高温蒸留に伴うエネルギー消費を回避する濃縮物が得られる。
より好ましくは、水を、25℃未満の温度および適当な減圧下で、液体から除去する。このようにして、製造される物質の農薬としての効力を、さらに最適化することができる。
特に好ましい態様では、逆浸透によって水を抽出する。このようにして、濃縮物を単離するために費やされるエネルギーが最少量であるような方法が得られる。そしてまた、その結果、濃縮物がさらされる加熱のレベルは最小限に抑えられるので、濃縮物は農薬として最大の効力を有することになる。
第3の広い態様では、上述の液体ニンニク濃縮物を含浸させた木粉ベースの顆粒を含むことを特徴とする農薬組成物が提供される。したがって、ニンニク中に天然に存在する物質に完全に基づく農薬が提供され、その農薬の使用によって残される唯一の残留物は、リーキまたはニンニクの作物の栽培によって残る残留物と同じである。しかし、ここに開示する農薬の使用は、リーキおよびニンニク作物の栽培によって観察される残留物よりもはるかに低レベルの残留物しか残さない。さらにまた、このようにして木粉顆粒に含浸させることにより、濃縮物が効率よくさらに乾燥され、その結果、濃縮物がその活性を維持する期間が改善されることになるとも考えられる。また、物質の取り扱い易さや、圃場におけるその寿命も改善される。
上述の液体濃縮物または濃縮物含浸顆粒の形態をした農薬組成物は、殺昆虫剤として特に有用である。ここに開示する濃縮物または含浸顆粒は、タマナバエ(cabbage root fly)の防除に有効であること、ならびに蚊幼虫および他の幼虫に対して毒性であることが示されている。はるかに広範な既知の害虫である昆虫に対して、これらの物質が有効であることをこれらの結果は実証していると考えられる。
上述の液体濃縮物または濃縮物含浸顆粒の形態をした農薬組成物は、殺線虫剤として特に有用である。ここに開示するニンニク濃縮物および含浸顆粒は、線虫に対して特に有効であることが見出されている。
上述の液体濃縮物または濃縮物含浸顆粒の形態をした農薬組成物は、鳥類忌避剤として特に有用である。ニンニクに基づく製品は、鳥類に対する忌避剤として有効であることが先に記述されている。したがって、本明細書に開示する液体濃縮物および/または濃縮物含浸顆粒もそのような活性を示すが、さらにまた、濃縮物マトリックスによって付与される安定性という利点も有すると推定することは、合理的である。
上述の液体濃縮物または濃縮物含浸顆粒の形態をした農薬組成物は、ウサギ忌避剤として、特に有用である。本開示に記載する結果は、濃縮物含浸顆粒がウサギに対する忌避剤として作用することを示し、したがって本濃縮物が同じ活性を示すと推定することは合理的である。
上述の液体濃縮物または濃縮物含浸顆粒の形態をした農薬組成物は、昆虫忌避剤として使用することができる。
液体ニンニク油を含浸させた木粉ベースの顆粒を含むことを特徴とする農薬組成物。本明細書に開示する結果は、本開示のニンニク濃縮物を含浸させた顆粒の有効性を示しているので、木粉ベースの顆粒に含浸させたニンニク油が同様の活性を示すと推測することは、合理的である。そのような顆粒にニンニク油を含浸させることにより、ニンニク油の取り扱いが簡単になり、ニンニク油の分散液に用いられる溶媒を使用する必要もなくなる。
新鮮粉砕ニンニクから抽出された液体を含浸させた木粉ベースの顆粒を含むことを特徴とする農薬組成物。本明細書に開示する結果は、本開示のニンニク濃縮物を含浸させた顆粒の有効性を示しているので、木粉ベースの顆粒に含浸させた、新鮮粉砕ニンニクから抽出された液体が、同様の活性を示すと推測することは、合理的である。さらにまた、木紛上に含浸させた抽出汁は、ある程度の水が木粉と結びつき、さらなる水が本明細書に開示する乾燥工程によって除去されることになるので、分解に対して改善された安定性を有する。
以下の方法に従って濃縮ニンニク汁を製造する。
1)新鮮なニンニクを洗浄する;
2)ニンニクを粉砕する;
3)液体から固形分を分離するために圧搾を実行する;
4)ニンニク汁を濾過する(この濾過は通常50ミクロンフィルターを使って行われる);
5)低温殺菌ステップを実行する。汁を90℃の温度に約30秒間加熱するか、それより低い60℃の温度を、それより長い時間、最長2分間まで使用することができる;
6)次に、液体中の懸濁物を全て除去するために、清澄化ステップを実行してもよい;
7)次に、減圧蒸留によって水を除去する。
これにより、濃縮ニンニク抽出物が粘稠な褐色の液体として得られる。
水は、減圧蒸留により、40℃未満の温度で除去される。これによってニンニク濃縮物の成分の分解が防止されるからであり、より好ましくは、水の除去が25℃で実行できるような点まで、圧力を下げる。
水が単に減圧蒸留によってニンニク汁から除去されるようなニンニク汁濃縮物の形成を詳しく述べた先行技術はないことに注目することが重要である。本出願人に既知の先行技術は全て、水抽出を使って、または標準的な溶媒抽出技法によって、または水蒸気蒸留を使って、ニンニク油を得る、標準的な抽出技法を用いるニンニク汁からの活性成分の単離を詳述している。
上記の方法によって製造された濃縮物を分析すると、以下の範囲の分析データが得られる。
乾物(ブリックス);60〜80
pH(10%溶液):4.0〜5.0
酸性度(meq/kg):300〜400(2.1〜2.8%のクエン酸一水和物に相当)
可用性糖質:45〜55%
濃縮物1kgは新鮮ニンニク約7kgに相当する
HPLC分析
濃縮物中に存在するジアリルポリスルフィドの相対比を決定するための好ましい分析方法はHPLCである。使用するHPLC法およびそれらの基礎をなす文献法の詳細を補遺1に記載する。補遺1に記載する三番目の方法(RBSULF3)は、平衡化時間を長くしたRBSULF1法に相当し、好ましいHPLC分析方法である。ニンニク油黄金標準(Garlic Oil Gold standard)試料から得られるクロマトグラム(クロマトグラム1)を記載して、クロマトグラムの主要ピークを同定する。クロマトグラム2もニンニク標準のクロマトグラムである。ニンニク汁濃縮物(ニンニク製品と表示)の試料クロマトグラムも示す(クロマトグラム3)。
HPLCによる濃縮物の分析によって、存在する総ポリスルフィドは2.4〜3.6%w/wの範囲にあることが示される。これらのポリスルフィドのうち、式:RSR、RSR、RSRおよびRSR(R=式:−CHCHCHのアリル基)のジアリルスルフィドは、存在する総ポリスルフィドの重量%として、およそ4%〜5%:5%〜8%:31%〜38%:19%〜22%の比率で存在する。HPLCによると、これらのポリスルフィドは、全体として、濃縮物中に存在する全有機硫黄分子種の約66%±10%を占める。
したがって、上述の方法によって製造される濃縮物は、単に新鮮ニンニクを粉砕し加工することによって製造される液体中に見出されるこれらの物質中に存在するポリスルフィドに対して、そしてまたニンニク油中に存在するものに対して、高い化学的類似度を有する。
本明細書に記載するニンニク濃縮物の生物学的活性は、ジアリル−およびメチルアリル−ポリスルフィドのこの特有の比率によるものであると考えられる。
上述のように水を除去して、長期間貯蔵した場合もその安定性が維持されるニンニク濃縮物を得ることには、ニンニク油を単離するために用いられる方法と比較して、または単に新鮮ニンニクを粉砕することによって得られる汁と比較して、明らかな利点がある。上記の方法によって製造される濃縮物は、以下に述べるように、非濃縮ニンニク汁よりもはるかに長い期間、少なくとも3年間は、活性を維持すると考えられる。濃縮物の試料を、典型的な工業的「温度苛酷」条件下で貯蔵した後に、重要な活性成分について分析したところ、以下の結果を得た。
濃縮期間 総ポリスルフィド濃縮
3年10月 2.96(%w/w)
3年 2月 2.74(%w/w)
2年 9月 2.67(%w/w)
1年 4月 3.61(%w/w)
これらの分析結果の一貫性は、本製品の長期安定性を実証している。
抽出した液体を60〜90℃の温度に短期間加熱すると、ニンニク抽出物中のアリシンが本明細書に記載する特有のジアリルポリスルフィド比を有するポリスルフィドに変換されるという変換が起こると考えられ、この比率は後述の用途に特に有効であることが分かっている。
ニンニク濃縮物を含浸させた顆粒の製造
本発明者らは顆粒状のニンニク濃縮物も開発した。この顆粒は、上述のニンニク濃縮物を木粉に含浸させた製剤であり、これには結合剤も下記の表2に示す比率で存在する。別段の表示がない限り、ニンニク濃縮物を含浸させた木粉顆粒とは、表2に示す組成の顆粒を指す。
表2:ニンニク濃縮物を含浸させた顆粒の組成
Figure 0004971302
カルボキシメチルセルロースナトリウム、木粉およびニンニク濃縮物を、それらが直径1mm〜2mmのほぼ球状のペレット/顆粒に凝集するように混合する。このようにして製造した顆粒は、色が黄褐色であり、極めて強いニンニク臭/硫黄臭を有する。
次に、約60℃の温風を使って、最長2時間にわたって、顆粒を乾燥する。次に、顆粒内に含有される濃縮物のHPLC分析により、式:RSR、RSR、RSRおよびRSR(R=式:CHCHCHのアリル基)の四つのアリルスルフィドの相対量が、濃縮物で行った分析によって見出された相対量と同じであることが示される。
顆粒の効力は湿度に大きく依存する。タマナバエの防除を目的とするそのような顆粒の使用に関する実験例5(この実験例には、この効果を実証する結果も含まれている)を参照されたい。
濃縮物からこのようにして顆粒を形成させることにより、濃縮物の活性成分がさらに安定化されると考えられる。
以下に記述する実証実験は全て、秘密裏に、機密保持契約の下で行われた。
ニンニク顆粒を用いるウサギ忌避実証実験
ニンニク濃縮物を含浸させた顆粒がウサギ忌避剤として有効であることを示す非公開実証実験を行った。実験例1を参照されたい。これらの実証実験により、ニンニク顆粒/プリル(prill)は、ニンニクを含まないニンジンも入手できる場合に、ウサギにニンジンを食べることを思いとどまらせるのに有効であるという強い証拠が得られる。実験例1参照されたい。この実証実験で使用した顆粒/プリルは、5%および/または20%のレベルでニンニクを含浸させた木粉から製造されたものであり、上述のように調製した。
ニンニク濃縮物の殺線虫活性
本発明のニンニク濃縮物は殺線虫剤として有効であることが見出されている。実験例2に示すように、最初のインビトロ結果によって、線虫に対する本濃縮物の毒性が立証され、圃場実証実験で使用すべきニンニク汁濃縮物(実験例2でNEMguardと呼ぶもの)の希釈度の目安が得られた。自由生活線虫およびシスト線虫から保護するためにニンニク濃縮物をジャガイモ作物に液体製剤として点滴潅漑によって使用した場合、ニンニク汁濃縮物を二回施用した後に、作物の総収量に14%の増加が観察された。
NEMguardと呼ぶニンニク濃縮物は、水による0.05%v/vの希釈度で、24時間以内に、存在する線虫のほとんど全てを殺すことが分かり、0.1%v/vの溶液強度では完全な死滅を4時間以内に達成することができ、0.25%v/vの溶液強度では、完全な死滅を1時間以内に達成することができる。好ましくは、NEMguardを、植物撒水期間の終了時に、水に入れて混合するべきであり、このようにすることで、一次標的からの製品の溶離が減少する。そのような処理を、理想的には、作物の成長サイクル中、週に1回の割合で行うべきである。
需根作物に関して線虫に施用すべき臨界期は、条播後、最初の4〜5週間である。この期間中に、線虫は傷つきやすい根端を攻撃して、それが岐根発生(root forking)およびストラッティング(strutting)をもたらし、その結果、品質と収量の低下が起こる。自由生活線虫は、全ての作物が経済上、収穫に値しなくなるほどの影響を有する場合がある。
自由生活線虫に関して、NEMguard(ニンニク濃縮物)のLD50は0.025%v/vと確認され、自由生活線虫とシスト線虫のどちらにも殺線虫作用を有する。この濃縮物は、ジャガイモ、ニンジン、パースニップ、イチゴおよびメロンの作物を保護するために使用されている(PCN−ジャガイモシスト線虫に注意)。
NEMguardと呼ぶニンニク濃縮物を含浸させた顆粒の使用に関する詳細は、実験例3に記載する。この顆粒の有効性に関する証拠の主要部分は、実験例3で述べるように標準的顆粒散布器を有する条播機を使って施用される顆粒の使用から導き出される。
実験例3では、ニンニク汁濃縮物を含浸させた顆粒(実験例3の3.2項でECOguard顆粒と呼ぶもの)を水に溶解してから、その上清に様々な植物寄生線虫種の検体を導入することによって行われたインビトロ試験の結果にも言及する(3.2参照)。水に対して2.5w/v%顆粒の溶液強度では、例外なく、全ての線虫種が2時間で死滅した。
実験例3の3.3項におけるNEMguardへの言及は、ニンニク濃縮物の使用への言及であり、インビトロ試験を使って、線虫ロンギドルス・エロンガテス(Longidorus elongates)および他の線虫に対するニンニク濃縮物の効力を示している。
実験例3の3.4項および3.4.1項では、ニンニク濃縮物を含浸させた木粉顆粒の、グロベデラ・パリダ(Globedera pallida)(PCN−ジャガイモシスト線虫)に対する有効性を示す。
実験例3の3.5.1、3.5.2、3.5.3の各項、実験例3Aおよび実験例3Bでは、ニンジン作物に観察される岐根発生の低減における木粉含浸顆粒の有効性(ニンジン線虫に対する木粉含浸顆粒の有効性によるもの)を示す。
実験例4には、岐根発生の低減におけるニンニク濃縮物を含浸させた木粉顆粒の有効性(ニンジン線虫の防除におけるその顆粒の有効性によるもの)に関する、さらなる結果も示す。
実験例4には、ジャガイモシスト線虫(PCN)の防除について、ニンニク濃縮物を含浸させた木粉顆粒(NEMguard顆粒)とニンニク濃縮物/液(CL AIL 0021)の併用の効力に関する結果も示す。
実験例4に記載するさらなる結果は、オリエンタルメロン(orient melon)における根瘤線虫メロイドギネ属(Melioidogynae spp)の防除におけるニンニク濃縮物を含浸させた木粉顆粒(ECOgard GRと呼ぶもの)の有効性およびニンニク濃縮物(ECOguard SRおよびCL AIL 0021と呼ぶもの)の有効性を示している。
実験例4Aには、イチゴの栽培に使用する圃場における様々な線虫種、すなわちロンギドルス・エロンガトス(Longidorus elongatus)、ノコギリネグサレセンチュウ(Pratylenchus crenatus)、ティレンコリンクス・ズビウス(Tylenchorhynchus dubius)およびパラトリコドルス・パキデルムス(Paratrichodorus pachydermus)の防除におけるニンニク含浸顆粒(NEMguard(登録商標)と呼ぶもの)の有効性を示す結果を記載する。
タマナバエ(Cabbage Root Fly)
ECOguard顆粒と呼ぶ顆粒状濃縮物の使用は、カブハボタン(swede)の作物に使用した場合に、タマナバエ被害の有意な減少をもたらすことが示されている。実験例5を参照されたい。
タマナバエ卵にニンニク濃縮物の1%溶液を直接噴霧すると、噴霧を行わなかった対照卵試料よりも、卵の孵化率が低くなった。
ワクモ(Poultry Red Mite)
ニンニク濃縮物は、ワクモの外寄生を減少させるための殺生物剤として作用することも分かっている。本濃縮物は、ワクモ(red mite)がはびこる建物内に、その建物に鳥を入れたまま施用することができるので(ただし使用前に卵は取り除くべきである)、本濃縮物には、シペルメトリン(Barricadeの商標名で販売されている)などの化合物と比較して、特別な利点がある。これは、本出願人が知る限り、ワクモの外寄生を減少させるのに有効であることが示されている初めての植物性殺生物剤であり、推奨される使用比率では、本濃縮物は接触殺生物剤として作用する。
本濃縮物は、限定された空間または軽度汚染環境で使用する場合は、殺生物剤として特に有効である。
擬似使用条件研究では通常85%を越える死亡率レベルが観察され、秘密圃場実証実験からも同様の作用が報告され観察されている。実験例6参照されたい。
本濃縮物は忌避剤としても機能し、再コロニー形成を阻害するようである。
従来の殺生物剤は単一部位作用(アセチルコリンエステラーゼ阻害)を有する傾向があり、これらの化合物に対する耐性は、集団内の淘汰および突然変異により、迅速に発達し得る。
ワクモに対する防除手段として使用される本明細書に開示する濃縮物(Breck−a−solと呼ぶもの)は、例えば
・ 呼吸酵素阻害、
・ 膜の破壊および脱分極、
・ 細胞質ゾルにおける金属イオンの封鎖およびキレート
などの多部位作用を有すると考えられる。
したがってワクモがニンニク濃縮物に対する耐性を発達させる可能性は、この製品の殺生物剤としての機能の仕方が生化学的に複雑であるために低い。
環境影響
近年、環境問題の認識が高まりつつあることから、より環境に優しい農業の実践が奨励されるようになり、有機表示を有する食品の生産が増加している。したがって、農薬または忌避剤として使用される本明細書に開示するニンニク抽出物の提供は、有意義な進歩である。この抽出物の使用によって形成される分解産物は、全くの天然物であって、ニンニクまたはリーキを栽培した後に土壌に残されるものと同じ物質に相当するが、そのレベルははるかに低い。通例、ニンニクおよびタマネギの商品作物は、12kg/haのEcoguard顆粒施用よりも120〜600倍多いポリスルフィドを土壌に放出する。参考文献(1)参照されたい。この主張の詳細な解析を補遺2に記載する(この補遺ではニンニク濃縮物をAIL 0021およびCL AILと呼ぶ)。
ニンニク油の添加によるニンニク汁濃縮物の強化
本発明のニンニク汁濃縮物に含有されるポリスルフィド混合物は、蒸留ニンニク油のポリスルフィド混合物に似ている。したがって、本発明に従って製造されたニンニク汁濃縮物のポリスルフィド含量は、その製造後に、ニンニク油の添加によって強化することができる。このようにしてニンニク汁濃縮物のポリスルフィド混合物を強化することにより、増加したポリスルフィドレベルを有しつつも、ニンニク汁マトリックスの性質が得られた混合物を長期貯蔵に関して安定化し続ける物質が得られる。このようにして、ポリスルフィド含量を、7%w/wを越える量にまで増加させることができる。得られた混合物中のポリスルフィドレベルの増加は、その混合物の農薬または忌避剤としての性能を改善すると予想され、そしてまた、野外条件下で施用した場合に、その混合物の滞留時間も改善すると予想される。
本発明は特許請求の範囲によって定義される。本明細書に開示する農薬は、蚊幼虫および他の昆虫幼虫ならびに線虫、アブラムシ(半翅類)、キンケクチブトゾウムシ、様々な甲虫(鞘翅類)、蛾および蝶(鱗翅類)、軟体動物、ダニおよびタマナバエに対するその毒性に関して、特に効力があると考えられる。本物質は殺線虫剤として特に有効である。
本物質は、その忌避性に関し、昆虫、ウサギおよび一定の鳥類種に対する忌避剤として、特に有効である。
(実験例1)
ニンニクを使ったウサギ採食忌避実証実験III
序論
集団生活させたウサギでの予備的非公開実験により、ウサギ採食忌避剤としてのニンニクの有意な効果が実証された。より詳細な実験を個別に収容した20匹のウサギで行った。この場合は、ウサギを無作為に選択して、ニンニク汁濃縮物を5%または22%のレベルで含浸させたプリルを与えた。ニンニク汁濃縮物を含浸させたプリルは、有意な忌避効果を誘導することが分かった。ただし、二つのニンニク濃縮物の間に、有効性の有意差は見出されなかった。
さらに、プリルの材齢によるニンニク忌避反応の寿命を調べるために計画した非公開実証実験を行った。この報告では、実験プロトコールに関する情報を提供し、この実証実験の結果を要約する。
材料および方法
作業は野生の捕獲ウサギ20匹で行った。通常はペアにして畜舎に入れたが、実験前の5日間および実験中は、各ウサギを3メートル×2メートルの戸外畜舎で個別に飼育した。各ウサギには、常時、市販のペレット状ウサギ飼料ならびに各畜舎内で自由に育っている草および水を、自由に摂取させた。ウサギは主に薄明薄暮性の採食動物なので、実験はおよそ15:30〜09:00の時刻に行った。この季節は日が短いため、以前の実証実験と比べて曝露時間がわずかに長いことは、不可避だった。
実験の開始に先立って、1ボールあたり1ヘクタールあたり12kgのプリル密度をシミュレートするのに必要な乾燥プリルの平均数を決定するために、新たに開封した包みから取り出したプリルを、乾燥時に事前計量した。平均すると、これは、1ボールあたり5個の対照プリル(ニンニク含有率0%)および6個の試験プリル(5%のニンニク汁濃縮物が含浸されているもの)に相当した。
次に、実験開始の6週間前に、対照プリルおよび試験プリルの新たに開封した包みを、戸外に置いた別々の鉢で「風化」させた。ラベルを貼った23cmのプラスチック製植木鉢に、約3cmの深さまで砂利を入れてから、約8cmの土壌(ジョンイネス・ナンバー2・土壌ベース配合土)を入れた。約200mlの蒸留水を撒水することによって土壌を引き締めた。これを排水させ、実証実験の継続期間中は適切な数が確保されるように、十分なプリル(約2g)を土壌の上にまき散らした。次に、その植木鉢を2時間にわたって戸外に放置するか(すなわち新鮮プリル=0週)、2、4、5または6週間にわたって放置してから、それらを実験に使用した。16週間にわたる風化には、日光、雨(下記参照)および−12℃〜20℃の範囲の温度への曝露が含まれた。
Figure 0004971302
実証試験の開始前と非実験日には、新奇恐怖を最小限に抑えるために、薄く切ったニンジンをウサギに定期的に提示した。二者択一試験を使った。薄く切ったニンジンを二つの別個のボールに入れて、一つは対照プリルと共に、一つは試験プリルと共に提示した。200gのニンジンを各ボールに入れて提示した。ボールは、ニンニク臭が対照に影響を及ぼすのを避けるために、畜舎内のできるだけ離れた位置にある別々の餌場に置いた。位置効果を避けるために、実験第二夜は、餌場およびボールの設置を交換した。
この実証実験では全部で10週間の実験を行ったが、これには、実験開始前に行った6週間にわたるプリルの風化は含まれていない。慣れ効果を避けるために、各ウサギを、2週間に1回、2実験日にわたって試験した。プリルの五つの材齢のそれぞれを20匹のウサギ全てで試験した。すなわち各ウサギを5回試験した。プリルの材齢は、無作為化ラテン方格法を使って、ウサギに配分した。ウサギ採食実験は24/10/00に開始し、28/12/00に終了した。
実験日に、(12Kg・ha−1の比率をシミュレートするのに)必要な数の風化プリルを、施釉陶器ボール中の湿った濾紙(3mlの蒸留水で湿らせたもの)上に置いた。プリルがニンジンと直接接触するのを防ぐために、プラスチック被覆ワイヤメッシュをボールに入れた。これにより、プリルからの匂いはニンジンを通して広がることが可能になった。また、これにより、圃場においてウサギが消費する植物部分にプリルは近接しているが、接触はしていないという状態が模倣された。
結果
各餌場で2日間にわたって摂食された総飼料のパーセンテージを、プラスチック被覆格子越しに落ちてウサギが利用できなくなっていたニンジン「くず」を差し引いてから計算した。ウサギ、試験実施の週、およびニンニク汁濃縮物含浸プリルの材齢が、(両方の餌場で)摂食された飼料の総パーセンテージに及ぼす影響を調べるために、分散分析を行った。
プリルの材齢が摂食された飼料の全体量に影響を及ぼしたという証拠はなかった(p=0.479)。しかし、摂食された飼料の総量が週によって変動するという証拠はなかったものの(d.f.=16;p=0.104)、摂食された飼料の量は、ウサギ間でかなり変動することが分かった(d.f.=16;p<0.001)。
ニンニク汁濃縮物含浸プリルに対する反応におけるウサギ間の個体差を図1に示す。図1は、ニンニク濃縮物を含浸させたプリルを含む餌場と、ニンニク濃縮物を含浸させていないプリルを含む餌場との間で、摂食されたニンジンの比較を示している。プリルが新鮮な場合にのみ、ニンニク汁濃縮物含浸プリルではなく対照の存在による、より一貫した正の採食反応があったことも認められた。
ニンニクの効果を解析するために、ニンニクプリルを含む餌場で摂食されたニンジンのパーセンテージを、対照餌場でのパーセンテージから差し引くことにより、摂食されたニンジンのパーセンテージの、ニンニク汁濃縮物による減少を求めた。プリルの様々な材齢において、摂食されたニンジンのパーセンテージの平均減少率を以下の表に示す。
Figure 0004971302
ANOVAにより、平均して、プリルが古い場合よりもプリルが新鮮な場合の方が、平均して、ニンニクプリルを含む餌場からウサギが摂食するニンジンの量が少ないことを示す強い証拠(p=0.007)があることが示された。2週間以上風化させたプリルが有効であるという証拠はなかった(p=0.5)。95%信頼区間で、新鮮なプリルを使用した場合に摂食されるニンジンの減少量は、10%〜36%の範囲にあった。
先の試験時にウサギが経験したプリルの材齢からくる持ち越し効果に関する証拠は見出されなかったことに注目されたい。
このように、新鮮なプリルはウサギの選択に影響を及ぼしたようであるが、2週間以上風化させたプリルが有効であるという証拠はなかった。
結論および推奨
ニンニクは、それを新鮮なプリルとして提示した場合には、ニンニク臭のしないニンジンも入手できる時に、大半のウサギにニンジンを食べることを思いとどまらせるのに有効であることを示唆する強い証拠がある。しかし、プリルを秋季および冬季に2週間以上にわたって風化させた場合にもこの反応が続くという証拠はない。
新鮮なプリルを使って得られる一貫した顕著な結果に基づいて、同様の実験的試行を、プリルあたりのニンニク用量のパーセンテージを高くして行うことが推奨される。これは、風化による明らかな劣化に対抗して、この反応の寿命を延ばすことになるかもしれない。具体的には、プリル中のニンニク汁濃縮物のパーセンテージを11%または22%まで増加させることができる。プリル密度を12Kg・ha−1から20Kg・ha−1またはそれ以上(最大密度150Kg・ha−1)に増加させても、プリルを同じように風雨に曝したのでは、寿命の増加は達成できないかもしれない。
(実験例2)
PCN(ジャガイモシスト線虫−ジャガイモシロシストセンチュウ(Globodera pallida))に対するニンニク汁濃縮物(NEMguard(登録商標))の使用
NEMguard(登録商標)は強力な殺線虫剤として作用するニンニク汁濃縮物である。
NEMguard(登録商標)製剤を使った一連の開発作業により、自由生活線虫とシスト線虫の両方に対する殺線虫作用の明確な証拠が確認されている。
NEMguard(登録商標)の液体製剤は点滴潅漑によって送達するのに特に向い、ジャガイモ作物で行った予備作業では、総収量が14%増加するという極めて有望な結果が得られ、これはNEMguard(登録商標)を2回施用したことに起因すると考えられた。この非公開実証実験は、かなりのジャガイモシスト線虫(PCN)個体数を含む圃場で行われた。
インビトロ作業により、本発明者らは、圃場プロトコールをさらに開発することができるようになった。製品使用比率に関するプロトコールを以下に記載する。
1.0 溶液の使用強度
ニンニク汁濃縮物(NEMguard(登録商標))の溶液は、0.05%v/vの希釈液として、ほとんど完全な死滅を24時間以内にもたらすことが示されている。0.1%v/v溶液強度では、完全な死滅を4時間で達成することができる。0.25%v/v溶液強度では、完全な死滅を1時間で達成することができる。したがって本濃縮物の使用は、効力と費用のバランスとして、これら三つの希釈度の範囲内で作用するように計画されるべきである。
選択肢1(時限的)
濃縮物を潅漑シークエンスの最後の1000リットル量に加えるとすると、以下の体積添加比が必要である。
@ 1000リットルに0.05%v/v = 0.5リットルのNEMguard(登録商標)
@ 1000リットルに0.1%v/v = 1.0リットルのNEMguard(登録商標)
@ 1000リットルに0.25%v/v = 2.5リットルのNEMguard(登録商標)
理想的には、最後の1000リットルについては、移動するPCNを含有すると予想される土壌体積における持続性が最大になるように、透水時間を管理すべきである。シークエンスの最後に添加することにより、一次標的からの製品の溶離が減少することは明らかである。圃場容水量に等しいかそれに近い土壌が示す排水は少なく、したがって送達量を可能な限り長く維持することが可能になると考えられる。
NEMguard(登録商標)は、送出する前に、最後の1000リットルの水と混合することが好ましい。それが可能でない場合には、十分に混合する機会が増えるように、NEMguard(登録商標)を数分間にわたって配管網に加えるべきである。
選択肢2(全般的)
ニンニク汁濃縮物(NEMguard(登録商標))が約9000リットルの潅漑送達イベント全体にわたって1〜2時間で加えられる場合を考えるとすると、以下の体積添加を考慮する必要がある。
@ 9000Lに0.05%v/v = 4.5リットル
@ 9000Lに0.1%v/v = 9.0リットル
@ 9000Lに0.25%v/v = 22.5リットル
これら二つの送達アプローチ(時限的および全般的)を検討すると、2.5l〜22.5lの単回使用比率体積で、効力の証拠が得られそうであると分かる。
NEMguard(登録商標)が線虫を殺す速さを考えると、全体的アプローチは、経済的理由から水量を最小限に抑えつつ、ピーク用量を最大化するものであるべきである。
総使用比率/haを増加させ、それによって、より多くの製品を利用できるようにするのであれば、順列(permutations)はかなり増加する。
2.0 結論
自由生活線虫に関するNEMguard(登録商標)のLD50は独立して約0.025%v/vと決定されている。これにより、他の殺線虫剤と比較して経済的な状態を保ったまま、この値を実質的に上回る強度で製品を送達する余地がかなり与えられることは、明らかである。
NEMguard(登録商標)が殺す速さには、比較的高い溶液強度の「バースト」が有利であり、これは潅漑イベントの後端に加えることによって、持続させることができる。
このアプローチでは数回の反復施用(例えば週1回の間隔で6週間)も可能である。
もう一つの選択肢は、製品を、ある潅漑イベントの全体を通して、単回高用量として施用することである。
システムの管理およびインフラが許すのであれば、複数回のバーストアプローチを考慮すべきである。
3.0 概略的プロトコール
1〜2時間で9000lが送達されるとする。1000リットルを送出するのに6.6分かかる(1時間の場合)。
1.通常の水を作物に7000〜8000リットル送出する。
2.2.5〜5LのNEMguard(登録商標)を最後の1000リットルに加える。これは約53分(残り6.6分)である。
3.送出する。
4.NEMguard(登録商標)の添加に2分かかるとすると、最後のパルスは、約660リットルに希釈され、これは本製品を散布するのに十分なはずである。
5.使用する溶液強度および選択した総使用比率/Haに応じて、3〜6週間にわたって、毎週繰り返す。
(実験例3)
線虫に対するニンニク濃縮物および濃縮物を含浸させた顆粒の有効性
3.0 概要
線虫を防除する目的でここに提案する製剤(NEMguard(登録商標))を施用したジャガイモおよび根菜作物における非公開圃場実証実験のプログラムにより、商業的に有意義なレベルの被害減少が確認されている。
証拠の主要部分は、テミク(Temik)などの製品の効力と比較して、条播時に施用される顆粒製品の使用から導き出される。限られた数の実証実験が、農薬安全指令(Pesticide Safety Directive)によって承認された独立組織または該国(韓国)で認可された同様の組織によって行われている。これらの報告での結論は、NEMguard(登録商標)が殺線虫性を有するという主張を裏付けている。
この最も進歩した製剤は、顆粒状「NEMguard」の形で、根菜類にはテミクおよびバイデート(Vydate)の代替物として十分に適しているようである。
インビトロ実験および圃場実験には高度な一貫性がある。
3.1 前置き
本発明者らが作物保護用のニンニク製品を検討していく中で、殺線虫剤としての製剤の潜在能力がますます明らかになってきた。インビトロ一次スクリーニングと、欧州および朝鮮で行われたジャガイモ、パースニップ、ニンジンおよびメロン作物での反復非公開圃場実証実験とを組み合わせることにより、ニンニク製品(NEMguard(登録商標))中の化学物質によって線虫を殺すことができるという証拠が得られている。圃場の植物は、顆粒および液体の地下施用に反応して、殺線虫作用に関連すると思われる生長力および総収量の有意な増加を示すようである。
ニンジンなどの根菜の場合は、自由生活線虫によって引き起こされる岐根発生および萎縮などといった品質問題を、条播時に施用されるNEMguard(登録商標)顆粒の単回施用によって、有意に減少させることができるという明白な独立した証拠がある。
ロンギドルス・エロンガテス(Longidorus elongates)およびジャガイモシストセンチュウ(Globodera rhostochiensis)を使ったインビトロでの対照実験およびインビボでの対照バイオアッセイでも、NEMguard(登録商標)が、テミクに見られる効力に匹敵する効力を有する強力な殺線虫剤であるという証拠が得られる。
欧州の農薬活性成分の再検討(European review of pesticide active ingredient)では、2007年頃までに現在承認されている活性物質の約66%が取り除かれることになると予想される。アルジカルブなどの殺線虫剤製品は既に厳しい監視下にある。2007年までは、承認された作物でのその使用について、特例が認められている。
したがって、殺線虫/静線虫活性を有する環境に良い製品には、アルジカルブ、バイデートおよび臭化メチルなどといった毒性の高い製品に取って代わる大きな好機がある。
3.2 プログラムの概説
線虫に対してニンニクを使った予備バイオアッセイ作業は1998年に行われた。この作業では、ニンニク汁濃縮物を処方したプロトタイプECOguard顆粒を水に溶解し、次にその上清に様々な植物寄生性線虫種の検体を導入した。水に対して2.5w/v%顆粒の溶液強度では、例外なく、全ての種が2時間で死滅した。
ジャガイモシロシストセンチュウ(Globodera pallida)(PCN)およびロンギドルス・エロンガトス(Longidorus elongatus)(股根の発生(root fanging))の場合、1.25%w/vの溶液強度では、死亡率が4時間でこれらのレベルに達した。ロンギドルス属(Longidorus spp.)の場合は、0.25%w/vの溶液強度で有意な死亡が24時間で起こった。
これらの一次スクリーニング実験以来、本発明者らは、非公開圃場実証実験と、さらなるインビトロ研究とを併用して、線虫学に関する研究および開発プログラムを維持してきた。
これらの製剤のインビトロ使用と圃場規模使用の両方から得られるデータでは、経済的な使用比率での殺線虫性が、明確に確認されている。これは、ニンジンおよびパースニップなどの根菜作物に、それらを自由生活線虫およびシスト線虫の被害から保護するために、顆粒を施用した場合には、特にそのようであると言える。
3.3 結果
表5:インビトロでの効果、死亡率(SCRI 1998)。ニンニク汁濃縮物(NEMguard(登録商標))を使った最初の実験
Figure 0004971302
上記のデータは、「NEMguard(登録商標)」製剤には線虫に対する毒性物質が存在することを明確に示している。
この結果は、殺滅率を溶液強度と対比するインビトロバイオアッセイにニンニク汁濃縮物を使用することで、確認された。図2は、ロンギドルス・エロンガトス(Longidorus elongatus)に対するニンニク汁濃縮物のインビトロバイオアッセイを表すグラフ表示である。死亡率は、様々な希釈度で、接触時間(1〜24時間)に従って分類されている。
このデータは、24時間でのLD50が約0.025%であることを示している。
3.4 自由生活線虫に対する顆粒の影響
ジャガイモ作物での非公開圃場実証実験により、施用比率を増加させた場合のPCNに対する影響を示す証拠を得た。NEMguard(登録商標)を根菜作物に施用した場合、線虫の摂餌に起因すると考えられる根の形成異常の量およびタイプの相違によって、製品の影響を評価することができる。
英国の根菜産業は、ニンジンおよびパースニップの作物において、根の被害を減少させ、収量を高める手段として、テメクに著しく頼っている。2003年に、本発明者らは、これらの野菜作物においてテミクを置き換えるNEMguard(登録商標)の潜在能力を評価するために、非公開圃場実証実験のプログラムを開始した。
テミクは、根菜作物を作付けする際に、種と一緒に同じ畝間に同時施用されて、出現する幼根を保護する。線虫は傷つきやすい新しい根端を攻撃する。これは、岐根発生および萎縮につながり、その結果、品質および収量の低下が起こる。自由生活線虫は、全ての作物が経済上、収穫に値しなくなるほどの影響を有する場合がある。
3.4.1 パースニップ作物−ハインフォード(ノリッジ)
ハインフォード(ノリッジ)で行われた非公開実証実験で、本発明者らは、8反復6処置ランダム化ブロックをレイアウトし、テミクを商業的最良事例を反映する比率で含めた。NEMguard(登録商標)を4つの比率(5、10、15および20kg/ha)で使用し、これらの全てを無処置対照と比較した。施用は全て、標準的な顆粒散布器を有する市販の条播機によって行った。実験地は線虫個体数について検査され、被害を受ける危険があると考えられ、テミクの施用が正当化された。
作物を成熟の中間段階で評価し、岐根(forked root)および股根(fanged root)の割合を決定した。
処置間で股根の発生に有意差が見られた。これを図3に図解する。図3は、ハインフォード(ノリッジ)での、パースニップ作物における岐根発生を表す。
枠(図3)は、値の50%を含有する四分位数範囲を表す。ウィスカー(whisker)は、異常値を除いて反復試験区での最高値および最低値に向かって枠から伸びる線分である。枠を横切る線分は中央値である。処置は有意に相違する。
処置
1 = 対照
2 = テミク(アルジカルブ)
3 = NEMguard(登録商標)5kg/ha
4 = NEMguard(登録商標)10kg/ha
5 = NEMguard(登録商標)15kg/ha
6 = NEMguard(登録商標)20kg/ha
対照(処置1)では、どのNEMguard(登録商標)処置(3〜6)(それぞれ5〜20kg/ha)よりも、岐根および股根が有意に多かった。10〜20kg/haのNEMguard(登録商標)処置はテミクより有意に良かった。この実証実験地では、NEMguard(登録商標)施用の増加と共に株立本数が増加するという証拠もあった(図4)。
図4−株立本数と処置の関係
バーは、個々の反復試験区から得られる値の範囲を表す。テミク施用および全てのNEMguard(登録商標)施用は、株立本数を対照より増加させるようである。比率20kg/haのNEMguard(登録商標)は、対照から最も離れている。
総合すると、岐根発生および株立本数に関するデータは、作物を植物損失および根の損傷から防御することに関して、NEMguard(登録商標)がテミクと同じぐらい有効であったことを示す良い証拠である。
3.5.1 ニンジン実証実験−ポスケッツ(Posketts)農場(ヨークシャー)
パースニップでの実証実験を補足する実証実験をニンジンで行った。この非公開実証実験では、比率20kg/haのNEMguard(登録商標)の効果を、商業的最良事例を反映する比率で施用したテミクと比較した。全ての処置を無処置対照と比較した。実験地は、土壌試料採取によって決定した線虫数に基づいて選択した。
この実証実験は三つの反復試験区にレイアウトし、全ての処置を従来のトラクター搭載条播機によって施用した。
表6:NEMguard(登録商標)が岐根発生および萎縮に及ぼす影響。ポスケッツ農場(ヨークシャー)における実証実験結果の要約
4 反復ランダム化ブロック
1 対照
2 テミク
3 標準ECOguard(登録商標)20kg/ha
Figure 0004971302
データの統計解析では処置間に有意差は見出されなかった。このデータは明確な傾向をいくつか有し、対照群では他の処置群よりも股根および萎縮根のニンジンが約50%多かった。処置群あたりの調べた根の数の多さが、これらの効果の信頼性に、さらなる確かさを加えている。
図5に、ブロックの一つで見られた症状を図解する図を示す。
この実証実験では、NEMguard(登録商標)製剤が、同じ実証実験においてテミクに見られたものと少なくとも同程度に、岐根発生および萎縮を有意に減少させるという良い証拠が得られた。
3.5.2 線虫によって引き起こされるニンジンにおける股根発生の予防に関するさらなる実証実験結果
テミクの代替品を見つけなければならないという圧力に応えて、テミク、バイデート、ネマトリン(Nemathorin)およびNemguardの効力を比較し対比するために、一群の非公開実証実験を行った。ニンジンでの実証実験を、ノーフォーク、ヨークシャーおよびノッティンガムシャーにある3つの実験地に展開し、条播時に施用する20kg/haのNEMguard(登録商標)を含めた。各実験地における岐根発生のパーセンテージの集計表を、以下の表7に示す。
実験地は全て、土壌試料中の自由生活線虫の個体数に基づいて、特別に選択されたものである。
表7:三つのニンジン作物における岐根発生の
パーセンテージの相対的相違
Figure 0004971302
有意な処置効果がノーフォークの実験地で見られた。そこではNEMguard(登録商標)が最も有効な処置であり、岐根発生を73%減少させた。これに対して、テミクは岐根発生を65%減少させた。三つの実証実験地を全てを総合すると、NEMguard(登録商標)、テミクおよびバイデート(全ての比率で)は、極めてよく似た防除レベルを発揮した。
3.5.3 ニンジンシスト線虫に対するNEMguard(登録商標)を使った実証実験
本発明者らは、ニンジンシスト線虫ヘテロデラ・カロタエ(Heterodera carotae)の活動に起因すると考えられる収量および品質低下の被害を受けた作物を生産した経歴を有する圃場土壌にニンジンを作付けした一群の非公開鉢試験を行った。
これらの実験を評価したところ、ニンジンシスト線虫によって引き起こされる症状に対する処置および用量効果を示す証拠が存在した。30kg/haに等しい比率でのNEMguard(登録商標)施用は、他のどの処置よりも優れているようだった。
このポット実験後に、四つの比率のNEMguard(登録商標)(10、20、30および40kg/ha)を無処置対照と比較する非公開圃場規模研究を開始した。この実証実験を単独で評価したところ、この実証実験は、経済的重要性を有する明確な処置および用量効果を生じた。全てのNEMguard(登録商標)施用が、実証実験における可販収量を増加させた。最大の増加は20kg/haのNEMguard(登録商標)を施用した場合に起こり、総収量を12.6トン/ha増加させた。
この圃場実証実験におけるNEMguard(登録商標)の効果を下記の表に示す。可販根数は10〜30kg/haのECOguard(登録商標)でも増加した。
下記の前提のもとで、ニンジンにおけるECOguard(登録商標)の使用は、実質的な経済的利益をもたらす。
秋の平均収量は100トン/haである。
1kgあたりの平均売価は0.78デンマーククローネ(Dkr)である。
1本あたり100gの最適重量を有するニンジンが1ヘクタールあたり約1,000,000本。
表8:ラメフィヨルド(Lammefjorden)ニンジンにおける
ECOguard(登録商標)使用の経済的利益
Figure 0004971302
上記表8のデータでは用量反応が明確に確認され、最適な効果は20kg/haのNEMguard(登録商標)に見られた。
(実験例3A)
ニンジンシスト線虫による非公開実証実験
目的: 本実証実験の目的は、圃場実証実験で使用すべき至適用量を決定するために、ニンジンシスト線虫の攻撃に関して、考え得る用量反応を観察することだった。
作物: ニンジンFCR501。チラム被覆。
実証実験の開始: 2004年1月15日。
実証実験の評価: 2004年4月7日および2004年5月11日。
試験区: 1処置につき10列の鉢。反復なし。
植物: 1鉢につき種子10個
処置: 無処置
10kg/ha=14粒/鉢=50mg/鉢
20kg/ha=28粒/鉢=100mg/鉢
40kg/ha=56粒/鉢=200mg/鉢
80kg/ha=112粒/鉢=400mg/鉢
種子および顆粒を鉢中の土壌約0.5〜1cmで覆った。
結果:
4月初めに行った最初の評価では、異なる処置間で根の外観に大きな相違があった。無処置のニンジンは、10〜80kg/haの処置をしたニンジンよりも白い根が少なかった。用量に関して目に見える相違はなかった。ニンジンは非常に小さかったので、最終評価までもう一ヶ月待つことにした。
このスクリーニング実証実験では、1処置につき10鉢しかなかったので、統計解析を行うことはできなかった。したがって、これらの結果は、圃場において予想され得る傾向を示すことしかできない。
表9:処置別に分類した結果
Figure 0004971302
生長力スコア:
1:悪い
2:
3:
4:最も良い植物。
シストの数:
ニンジン1本あたりのシスト数を大まかに数えた。1鉢あたりの植物全てについてシストの数の平均を見積った。
シストの数は、ニンニク濃縮物の用量を増やすと共に、減少するようだった。最も長い葉の長さおよび植物の生長力は、用量を増やすと共に増加する傾向を示した。80kg/haの用量は、植物毒性であるかもしれない。なぜなら、葉の長さおよび生長力スコアはその前の用量と比較して低下し、それと同時に、シストの数は増加したと思われるからである。
表10:カテゴリーごとに分類したシストの平均数および最も長い根の長さ
Figure 0004971302
シストの数は、最も悪いカテゴリー1から最も良いカテゴリー4まで著しく減少したことが、表10から分かる。最も長い葉の平均長はカテゴリーを通じて増加した。
表10の数字により、植物間に観察された目に見える相違が裏付けられた。
表11:生長力の各カテゴリーに属する鉢のパーセンテージ(1処置あたり9鉢)
Figure 0004971302
用量を10kg/haから40kg/haに増やすと、活力のある良い植物の大半が、カテゴリー2からカテゴリー4に移動したことが、表11から分かる。10kg/haでは、カテゴリー4に属する植物はなかった。40kg/haでは、カテゴリー1に属する植物はなく、植物の半分以上がカテゴリー4に属した。このように、ECOguardの用量を増やすと植物の生長力が増す傾向があった。80kg/haは40kg/haほど良好ではなかったことが分かる。
結論:
・ 用量反応が観察された。
・ ニンジンシスト線虫の数は、10〜40kg/haの施用によって減少した。
・ 生長力および最も長い葉の長さは、10〜40kg/haの施用によって増加した。
・ 生長力が高いカテゴリー(3〜4)に属する鉢の数は、20〜40kg/haの施用時に最も多かった。
・ ニンジンシスト線虫に関する至適用量はおそらく20〜40kg/haである。
(実験例3B)−ニンジンにおけるシスト線虫に対するニンニク濃縮物含浸顆粒の効力を示すさらなる結果
背景:
ジーランド島のラメフィヨルドでは、土壌が栄養に富み、ニンジンにとって理想的な構造を有するので、長年にわたってニンジンが栽培されてきた。残念ながら、実証実験地での長年にわたるニンジン生産により、多くの土壌でニンジンの生産が不可能なほどに、シスト線虫の病害虫圧(pest pressure)が増加している。
目的:
本実証実験の目的は、遅蒔きのニンジン(late carrot)におけるシスト線虫の攻撃を減少/低下させることができるかどうかを調べることだった。
実証実験計画:
非公開実証実験では、1ヘクタールの感染線虫土壌を6列に分割し、ニンジン種子およびECOguard顆粒を条播した。2列を無処置とした。ニンジンを含む1列あたり6つの試験区を追跡し、測定した(1試験区あたり約80〜100本のニンジン)。
Figure 0004971302
ニンジンは2004年5月12日に条播および処置した。
実証実験は2004年9月25日に評価した。
4列を含む1メートルのバンドを追跡し、選別し、計数し、重量を測定した。無処置と20〜30kg ECOguard/haとの間に、成長の差が見られた。
結果:
表13:良いニンジンおよび悪いニンジンの数
Figure 0004971302
良いニンジンの数は、10〜30kg/ha ECOguardの施用と共に増加した。20kg/haによる処置では、列中のニンジンの数は、無処置ニンジンとほぼ同じだった。ニンジンの数が減少した理由は分かっていない。
10および30kg/haのECOguardにより、可販ニンジンが16〜20%多くなった。悪いニンジンの数は減少した。ニンジンの総数は、平均して、1メートルの列あたり11本増えた。
ニンジンは40kg/haのECOguardの施用に対して植物毒性反応を示す傾向がある。上記の表および下記の表では、40kg/haがニンジンの品質を改善しないことが分かる。
図4は、シスト線虫によって引き起こされる変形のタイプ、すなわち圧縮された先端、裂けて変形したニンジンを示している。
表14:良いニンジンおよび悪いニンジンの重量
Figure 0004971302
10〜30kg/haでは良いニンジンの重量が増加した。総重量の増加は10〜13.5%だった。ここでも20kg/haはこの傾向に合わない。
表15:1試験区あたりの根の平均数、平均根重量、平均根重量の増加百分率および可販ニンジン百分率
Figure 0004971302
1試験区あたりの根の平均数は10kg/haが一番多いことが分かる。ニンジン数が最も少ないのは20kg/haだった。おそらく条播機が種子を適切に条播しなかったのだろう。0、10、20、30および40kg/haの間に有意差はなかった。
平均根重量は10〜30kg/haで増加した。増加は15〜17%根重量だった。
可販根の数は10〜30kg/haのECOguardで増加した。
表16:ラメフィヨルドニンジンにECOguardを使用することの経済的利益
Figure 0004971302
秋の平均収穫量は100トン/haである。
1kgあたりの平均売価は0.78Dkrである。
1本あたり100gの最適重量を有するニンジンが1ヘクタールあたり約1,000,000本。
結論:
ニンジンにおけるシスト線虫攻撃が減少する明確な傾向があった。
可販ニンジン数は、ECOguard 30kg/haで17%増加し、平均根重量は75グラムから86グラムに増加した。最適なニンジンは100グラムである。
ニンジンを条播時に1回だけ処置した−至適用量は、顆粒または液状ニンニク濃縮物による、生育期中に2〜3回の処置である。例えば条播時に顆粒を施用し、生育期中に液体を施用する。
(実験例4)
7.3 殺線虫剤としてのECOguard
7.3.1 ニンジン実証実験
ポスケッツでの非公開ニンジン実証実験で得たデータ(実験例3参照)を解析したところ、NEMguard顆粒を条播時に施用しておくと岐根発生が減少するという明確な傾向が示された。効果の強さを、図6にグラフ表示する。この図では、岐根発生率に対して、処置が示されている。
処置1は対照、処置2はテミク、そして処置3および4は、20kg/HaのNEMguard顆粒の施用である。これら二つのNEMguard施用は対照とはほとんど統計的に異質であり、パースニップに関してハインフォードで見られたデータのパターンに極めて似ている(実験例3参照)。少なくとも、NEMguardおよびテミクは、これら二つの作物では類似するレベルの効果をもたらすようである。
7.3.2 ニーダム(Needham)圃場(ヤクスリー(Yaxley))におけるPCN
NEMguard顆粒およびCL AIL 0021液(ニンニク濃縮物)が併用された、目に見える総収量増加に関する報告の後、作物生産サイクル終了時の残存PCN卵/グラムを決定するために、圃場を再び試料採取した。これらの結果を初期卵/グラムデータと比較して、以下の表17に表す。
表17:ニーダム圃場(ヤクスリー)におけるPCN数
Figure 0004971302
上記の表17に示すデータは、高度なPCN繁殖阻害を示唆している。
最も重要なデータは、作付け開始時に見出されるPCNの個体数が商業上極めて重大だった区分4に観察される。この区分では再試料データでも高いPCN個体数の存在が確認されるが、ジャガイモ作物による個体数の増加率は最小限に抑えられているようであり、開始時に見出された個体数と本質的に同じである。これは極めて有意義な結果である。ジャガイモ作物における殺線虫剤の使用は、主として、PCN繁殖を阻害し、理想的には卵/グラムの個体数を作付けの開始時に近く保つために行われるからである。
1.31というFp/Ip比は、通常は、殺線虫効果の証拠として、農薬安全理事会(Pesticides Safety Directorate:PSD)に、受け入れられる。
7.3.3 サンメロン(Sun Melon)における根瘤線虫防除(朝鮮)
非公開実証実験で、根瘤線虫に対する殺線虫剤としてのNEMguard(ニンニク濃縮物を含浸させた顆粒)およびCL AIL 0021液(ニンニク濃縮物)の効力が評価されている。
その結果得られた報告では、処置群と対照群との間に有意差が見出され、ECOguard製剤は全てカルボフランに統計上等価であると述べられている。
結論として、その報告は、「カルボフランと比較して、Eco−guard GRおよびSRは、処置30日後に83.5〜94.9%の防除効力を示し、植物毒性を伴わずに87.9〜97.1%の防除効力(60日後)を示した。したがって本製品は、根瘤線虫メロイドギネ属(Meloidogynae spp.)に対する殺線虫剤としてオリエンタルメロンに使用することができる」と述べている。
データの再評価により、開始時の処置反復試験区における初期線虫数が不規則な分布していたことにより、カルボフランと比較した効力の度合いは、上に引用したものよりは低い可能性があるが、それでもなお実質的であり、1.25%の溶液強度でカルボフランの効力の77%を有することが示唆される。
結果をある程度慎重に解釈したとしても、朝鮮でのデータは、CL AIL 0021製剤が広範囲に分布する経済的に重要な属に対する殺線虫剤として作用することを示す良い証拠である。
(実験例4A)−イチゴの栽培に使用される圃場における土壌生活線虫に対するNEMguard(登録商標)の効力
非公開圃場実証実験で、下記の結果により、いくつかの異なる線虫種が寄生している圃場(この圃場はイチゴの栽培に使用される)での線虫の防除におけるニンニク濃縮物の効力が実証される。そのような寄生を防除しないと、イチゴの作物を放棄する必要が生じる場合がある。
ノルウェイにおいて、針線虫ロンギドルス・エロンガトス(Longidorus elongatus)はイチゴの深刻な根寄生虫であり、被害閾値は3〜5ind./250g土壌である。ロンギドルス・エロンガトス(L.elongatus)により、良い圃場が放棄され、深刻な例では、2作物年度が失われている。
第1年イチゴ(栽培品種ポルカ(Polka))の生長パラメータにNEMguard(登録商標)処置が及ぼす効果を、2005年に、ノルウェイ南部のマルナルダル(Marnardal)において、ロンギドルス・エロンガトス(Longidorus elongatus)、ノコギリネグサレセンチュウ(Pratylenchus crenatus)、ティレンコリンクス・ズビウス(Tylenchorhynchus dubius)およびパラトリコドルス・パキデルムス(Paratrichodorus pachydermus)が寄生している圃場で調べた。P≦0.05の場合に、イチゴ対照に対して有意差あり(S)とし、0.10≧P>0.05の範囲は、傾向(t)と記載した。また、P>0.10については有意差なし(NS)とした。2試料試験。
Figure 0004971302
(実験例5)
ノルウェイにおいてタマナバエ被害を防除するためにECOguard顆粒が使用された圃場実証実験から得られた効力データの大要
1.0 前置き
五つのカブハボタン作物を含む広範な非公開圃場実証実験プログラムを実行した。圃場実証実験計画は、ECOguard(登録商標)液(ニンニク汁濃縮物)または顆粒(ニンニク汁濃縮物を含浸させた木粉顆粒)の複数回適用に基づくものであり、五つのカブハボタン実証実験のうち四つでは、標準としてのジメトエートと比較した。
本発明者が行ったカブハボタン実証実験から得られる生データを解析したところ、五つの実証実験のうち二つ(ロメダル(Romedal)およびトテン(Toten))で、タマナバエ被害に有意な処置差が明らかになった。トテンでは、タマナバエ被害の減少が、可販収量の28%増加につながった。
全体的に見て、ジメトエートおよびECOguard(登録商標)は、タマナバエ被害を類似するレベルで減少させるようだったが、これはトテンでのみ有意だった。
タマナバエ被害は類似するレベル(対照のRDIがそれぞれ57.33および68.69)だったが処置適用中の降雨パターンが大きく異なる二つの実証実験(トテンおよびガファ(Ga−Fa))を比較したところ、効力に対する降雨の影響が、明確に判明した。持続的な大雨のエピソードは有効な効果を取り去るようだった。
2.0 結果
全体としての効果を下記の表に要約する。
表19:複合根被害指数(RDI)四つの新しい実験地
Figure 0004971302
表20:各実験地における平均可販収量、kg/試料(カテゴリー1+2、ノルウェーの表記、1=被害なし、2=軽被害)
Figure 0004971302
上記表19および表20のデータは、ジメトエートおよびECOguard(登録商標)の両方に付随するタマナバエ被害の平均減少を示している。トテンではタマナバエ被害の減少が有意だった。
ECOguard(登録商標)は、四つの実験地全体で、可販物の最大増加をもたらし、ジメトエートにみられる増加のほぼ倍だった。
処置の農学的影響に関する対応データ(表20)は、可販収量を増加させるタマナバエ被害の減少と合致している。ECOguard(登録商標)の場合、全体的には可販収量の平均増加率は15%だった。トテンでは28%の最大値が記録され、この実験地に見られた対応するタマナバエ被害の有意な減少と合致した。
ガファおよびトテン(タマナバエの攻撃が最も激しかった二つの実証実験)における降雨に関する効力の比較は、ガファでの効力の喪失が、まず間違いなく、最初の施用後に降雨がなく、2回目および3回目の施用には非常に強い降雨が伴ったことに原因があると考え得ることを示している。
ガファにおいて、第2処置および第3処置を含む14日間に記録された降雨量は95.2mmだった。これに対し、第2処置および第3処置を含む同じ期間にトテンでは、降雨量が17.5mmであり、その大半は小雨だった。
両実験地に関する実際の降雨記録を以下の表21に示す。
表21:トテンおよびガファにおける降雨の比較
トテン第1処置:2004年6月30日
ガファ第1処置:2004年6月11日
各実証実験では1週間間隔で3回のECOguard(登録商標)施用を行った。
Figure 0004971302
第1処置前の各実験地における降雨量はよく似ていて、4.2mmと6.3mmだった。しかし、第1施用後は、各実験地における降雨パターンが極めて異なるものになった。比較しやすいように、第2施用後の10日間に陰影を付ける。
ガファでは、第1施用後、8日間連続して降雨がなく、この期間は第2施用の2日間にも及んだ。この後、8日間は降雨が続き、第3施用はこの降雨の中間で行われた。この8日間の大雨中に記録された降雨量は85mmだった。
ガファでは第1施用で8日間の全く乾燥した状態を経験した後、第2および第3施用ではそれぞれ8日間および4日間の絶え間ない大雨を経験したことにより、ECOguard(登録商標)の効果は、あったとしてもわずかしか期待できなかった。というのも、これらは、本発明者らが効力に負の影響を及ぼすと考えている両極端な条件に相当するからである。各処置がこれら両極端の一方または他方を経験したという事実は、タマナバエに対する影響を完全に損なう。データはこれを反映している。
対照的に、トテンにある実験地は、ガファよりはるかに安定した条件を経験した。第1施用は、施用の2日後に大雨(19.4mm)を経験し、これはおそらく、効力に負の影響を及ぼしたと思われるが、産卵ピークの中心に向けて配置された第2および第3施用は、極めてわずかな降雨(1日最大1mm)しかない11日間連続の安定した条件を経験した。これらの条件は効力を最大化するには理想的であると考えられる。本発明者らは、これを示す実験室データを、先に提出している。したがって、トテンにおける第2および第3施用は有効であったと予想された。
トテンにおけるタマナバエ被害の統計解析により、ジメトエートおよびECOguard(登録商標)はどちらも被害を有意に減少させ(P=0.004)、ECOguard(登録商標)処置による可販物の農学的に意味のある増加につながった。
RDIに関して、ジメトエートおよびECOguard(登録商標)は対照より有意に良かったが、互いに有意差はなかった。
処置(Trt) 1 =対照
処置 2 =ジメトエート
処置 3 =ECOguard(登録商標)
処置=1を引く:
レベル処置 平均の差 差の標準誤差 T値 調整P値
2 -0.3100 0.1223 -2.535 0.0302
3 -0.3900 0.1223 -3.190 0.0041
2.1 ロメダル
カブハボタンを用いる第5の実証実験地では、表19および表20で紹介した他の四つの実験地より早く収穫した。
この実験地では病害虫圧は概して軽かったが、噴霧剤として施用される他のECOguard(登録商標)処置群を含んだ。
GLIM ANOVAで解析したところ、この実証実験で得たデータでも、処置に有意差が得られ、どのECOguard(登録商標)処置も対照よりタマナバエ被害が少なかった。
これを以下に示す。
C7でのクルスカル−ワリス検定
処置 N 中央値 平均ランク Z
1 75 0.00E+00 218.4 2.72
2 75 0.00E+00 175.4 -1.13
3 75 0.00E+00 182.8 -0.47
4 75 0.00E+00 175.4 -1.13
5 75 0.00E+00 188.1 0.01
全体 375
H=23.38 DF=4 P=0.000(結合のための調整)
ECOguard(登録商標)処置は全て、タマナバエ被害が対照(処置1)より有意に低かった(P=0.000)。処置5はECOguard(登録商標)顆粒であり、14%の総被害減少を示す。
根被害指数としてデータを表示すると、対照については11.6およびECOguard(登録商標)顆粒については4.9の値が得られる(PSD算定)。
ロメダルにおける攻撃のレベルはRDIが11.6と低かったが、トテンではRDIが54.67と、はるかに高レベルの攻撃が起こり(2004年の英国圃場実証実験で対照群に見られたどの被害よりも大きい)、これらの実験地はどちらも、タマナバエ被害の有意な減少を示した。
ロメダルとトテンの両方に共通する特徴の一つは、第2および第3処置の適用に伴う概して安定した条件だった。トテンとロメダルの両方について降雨データを表22に示す。
表22:トテンおよびロメダルにおける降雨の比較
Figure 0004971302
トテンおよびロメダルでは、最初のタマナバエ卵の検出に応じて、同じ日に処置を開始した。次に、どちらの実験地でも、処置を週に1回のパターンで続け、ロメダルではトテンより1回多く処置を行った。したがって両実験地における第1、第2および第3処置は同時に行われ、第2および第3処置に関わる期間はどちらの実験地でも降雨が非常に少ないという、よく似たパターンおよび強さの降雨を経験した。
表21で議論したように、これは、第2および第3施用中に大雨が続いたガファにおける降雨パターンおよび降雨強度とは対照的である。
トテンおよびロメダルにおける効力の証拠は、安定した条件および小雨のエピソード、ならびに第2および第3施用が産卵のピークに対応することと、極めて密接に関連していると思われる。
3.0 結論
ノルウェイにおけるカブハボタンでの非公開圃場実証実験は、ECOguard(登録商標)顆粒が、タマナバエ被害の有意な減少をもたらすことを示した。これは、負荷(challenge)の強さとは無関係だった。対照のRDI値が11.9〜54.67の範囲にあるデータセットで、有意差が見られた。
実証実験は製品の要因加算(factorial addition)を特徴とはしなかったが、顕著な効果が、主として第2および第3処置(大抵は小雨が降っていた病害虫圧のピーク時に適用されたもの)によってもたらされたことは、降雨に関するデータから明確に推測することができる。
これらの結論は、誤解を招きかねない実証実験データを制限すれば、英国における非公開圃場実証実験から到達される結論と食い違いはなく、全体として、適切な環境条件下で適時に施用すれば、有用なレベルの製品効力が得られることを実証している。
トテンにおけるECOguard(登録商標)顆粒施用に伴う可販物の最大増加率28%は、商業的に有意義であると考えられる。英国では、このような増加は、価格が約200ポンド/トンの物質、約11.2トンに相当し、これは約2240ポンド/haの利益増になる。
顆粒の効力は、水分およびタマナバエによる産卵に対する施用の時期に、大きく依存する。
これらの実験では、新たに生み付けられた卵をバイオアッセイの場に置いた時点に対する、顆粒への水の適用のタイミングを考察した。
全部で二つの土壌タイプを、以下の処置(10回反復)と共に、10卵/アッセイで使用した。
1. 対照(水+卵)
2. 顆粒+卵
3. 顆粒+卵+卵の1日後に添加した水
4. 顆粒+卵+卵の30分後に添加した水
5. 顆粒+水+1日後に添加した卵
6. 顆粒+水+30分後に添加した卵。
以下の結果を得た。
孵化した卵の百分率
Figure 0004971302
以下の結果を得た。
孵化した卵の百分率
これらの結果から、顆粒への水の適用が効力を高めるのに不可欠であるという明確な証拠が得られる。圃場の状況一般におそらく最も似ているであろう処置3は、卵と顆粒が植物の根本に存在し、その後で降雨があった場合、卵の孵化が38%減少することを示している。顆粒の濡れが卵が置かれた後すぐに起これば(処置4)、この効力レベルは著しく高まる(80%の減少)。この効果は、新鮮なタマナバエ卵が、産卵後数時間は透過性を保っていて、この時、ECOguard(登録商標)中の活性成分は卵内により容易に侵入するという事実に起因すると考えられる。病害虫圧に対するECOguard(登録商標)顆粒の施用のタイミングが効力に対して大きな影響を有するであろうことも、上記のデータから暗に示される(処置5および処置6を対比)。産卵の数日後に製品を施用すると、産卵時に施用した場合よりも、効果は低くなりそうである。
(実験例6)
ワクモの防除におけるニンニク濃縮物の使用
3%v/v(1.5%vニンニク汁濃縮物および1.5%アジュバント油(ナタネ油))のBreck−a−solと呼ぶニンニク濃縮物を189ml/mの比率で施用した。
図7は、ワクモに対するBreck−a−sol(Bsol)の有効性を実証する結果を示している。ワクモの死亡率が対照およびBarricadeの使用に対して示されている。
乾燥セル (陽性対照)
水 (水対照)
シペルメトリン (189ml/mの1%v/v Barricade(Bcade))
との比較。Breck−a−SolおよびBarricadeに関する結果は互いに有意差がなかった。
このデータパターンは、異なる小屋から得たダニおよびニンニク汁濃縮物の異なるバッチを使った他の五つの実験でも繰り返された。
汚染(塵埃)が効力に及ぼす影響も調べた。この作業により、汚染レベルが「中等度」である場合の有用な製品効力が示された。ニンニク濃縮物の効力は、塵埃汚染のレベルが極めて高い場合にのみ失われた。
図8に、Breck−a−solまたはBarricade(シペルメトリン)のどちらか一方を殺生物剤として施用した時のワクモの死亡率を様々な汚染レベルで比較した一連のデータを示す。Barricadeの施用によって得られる結果を記号表にBCで示す。Dry Con=乾燥対照、Water=水の適用であり、残りの結果はBreck−a−solの施用に関する。
汚染は、家禽小屋の表面に見出される汚染レベルを反映するように、負荷量を増加させて適用した。
0.1(塵埃約20g/mに相当)
0.2(塵埃約40g/mに相当)
0.4(塵埃約80g/mに相当)
0.8(塵埃約160g/mに相当)。
その結果から、ニンニク汁濃縮物(Breck−a−Sol(Bsol))は汚染が約80g/mである場合に有用なレベルの効力を送達することが分かる。これは、約40gmの汚染に適用されたBarricadeにみられるものと有意差がなかった。
補遺1
HPLC分析
様々なニンニク油試料のクロマトグラムデータ
1.試料:
ニンニク油(黄金標準)を他の二つの製品−ニンニク油(工業標準)およびニンニク汁濃縮物と共に分析した。
2.試料調製:
どちらの試料も100%MeCNに1:10希釈した(MeCN 450μlに試料50μl)。ニンニク汁濃縮物は希釈後に多少の白色沈殿物を生じた。これは、HPLC分析に先立って、0.2μm Target(登録商標)溶媒フィルターを使って除去した。
3.HPLC分析:
これは、ダイオードアレイ検出器を有するAgilent HP1100 HPLCシステムを、「Securityguard」C18プレカラムを付けたPhenomenex C18(2)Lunaカラム(250×4.6mm,5μm)と組み合わせて使用することによって行った。オートサンプラー温度を4℃、カラム温度を37℃とし、カットオフ圧力を280バールとした。データを240nmで収集した(全データは200〜600nmで収集した)。注入体積は、1:10希釈試料の場合、5μlでほぼ最適であることが見出された。三つの方法を評価した。
i.文献法(下記参照)に基づく方法−以下の変更を加えたもの−Lunaカラムならびに70%MeCN(3%THFを含む97%MeCN)および30%超純水の無勾配。実行時間=40分(RBSULF1)。
ii.第2の方法−基本的に上記と同じであるが、無勾配ステップの前にプレ勾配ステップを使用する(RBSULF2)。
Figure 0004971302
iii.RBSULF1に基づくが平衡化時間を延長(すなわち実行時間=50分)した第3の方法(RBSULF3)。
方法文献:
Lawson,L.D.,Wang,Z−Y.J.,Hughes,B.G.(1991)「Identification and HPLC quantification of the sulfides and dialk(en)yl thiosulfinates in commercial garlic products(市販ニンニク製品中のスルフィド類およびジアルキル/ジアルケニルチオスルフィネート類の同定およびHPLC定量)」Planta Medica 57:363−370
結果:240nmにおける全クロマトグラム
A.分離
RBSULF3ニンニク標準(5μl 1:10)
ニンニク試料に関する生データ
ニンニク油黄金標準2.5μl注入(1:10希釈油)−保持時間およびピーク形状基準物質として使用。
図9(クロマトグラム1)参照。
ピークID(以下の帰属をクロマトグラムのピークに対して行った)
Figure 0004971302
図10(クロマトグラム2−ニンニク標準)参照
図11(クロマトグラム3−ニンニク汁濃縮物)参照
ピーク番号は参考文献論文に示されているプロファイルに基づく暫定的IDである−標準およびニンニク汁濃縮物には、関連化合物であるかもしれない追加化合物がいくつか存在する。
試料:表26.ニンニク濃縮物のいくつかのバッチに関する製品データの総括表
(各化合物を製品1gあたりのジアリルスルフィド換算量(μg)として表す)
Figure 0004971302
補遺2−環境におけるニンニク濃縮物の運命と挙動
Ecoguard(登録商標)顆粒の製剤は、55%の木部繊維およびセルロース系結合剤と混合された45%のニンニク汁濃縮物(AIL 0021)を含有する。原体ニンニク汁濃縮物(AIL 0021)中の圧倒的最大成分は糖質である。AIL 0021は、最終製品中に、重量で50%までの糖質を含むと考えられる。したがってこの組成物は、全組成の77.5%w/wが生分解性および可溶性の糖質およびセルロースの混合物である顆粒をもたらす。
ニンニク汁濃縮物中の有機硫黄分子の組成は、主として、二硫黄架橋(di−sulphur bridge)を有する分子、例えばジアリル−ジスルフィドおよびジアリル−トリスルフィドなどであり、これらは3.5%w/wの範囲にあると考えられる。これらはどの破砕ニンニクにも見出される天然化合物である。
実験で見られるニンニク汁濃縮物の生物学的効果の原因は、どの特定分子または特定分子群にも帰されていない。認められた生物学的効果は、製品全体の作用によるものであると考えられている。ニンニクの一般化学に関する議論では、製造時の製品の一貫性を確立し実証する手段として、有機硫黄分子の一部の同定および定量に重点が置かれた。
ニンニク汁濃縮物(AIL 0021)でできているECOguard(登録商標)顆粒から生じる残留物は、主として、木部繊維および結合剤担体マトリックスならびに全新鮮ニンニク小鱗茎の粉砕および濾過によって生じる生分解性の糖質およびセルロースの混合物と、約3.5%w/wの有機硫黄化合物からくる有機硫黄残留物であると、本発明者らは考える。
水(分解および沈降/水分配)
土壌(分解および移動性)
空気
については、以下の議論が当てはまると考えられる。
ニンニク汁濃縮物(AIL 0021)の微量構成成分、例えば有機硫黄代謝産物は、化学的に不安定な二硫黄架橋を有する分子を特徴とし、−NH;−SH;−OH;>C=Oなどの求核性官能基を捜し出す求電子剤として反応する傾向がある。これらの官能基との反応は、ジスルフィド架橋を破壊し、水性反応環境の場合には、それが水和された硫黄含有官能基、例えば−R−S−OH(式中、Rは二硫黄架橋の半分を表す)を与える。
より具体的に述べると、ニンニク汁濃縮物(CL AIL 0021)の特性解析に関するHPLC分析作業により、四つの主要分子種はジ−アリルスルフィド;ジ−アリルジスルフィド;ジ−アリルトリスルフィドおよびジ−アリルテトラスルフィドであることが示されている。これは、Block 1992により室温で起こると報告されているアリシンのジアリルモノ、ジおよびトリスルフィドへの分解と合致する。
また、ニンニクとタマネギ類との間には、その有機硫黄化学に高度の類似性が存在する。Block 1992は「1940年代にStollおよびSeebecがバーゼルで行った先駆的研究により、ニンニクに含まれるキャバリート(Cavallito)の抗細菌成分(アリシン)の安定な前駆体は、(+)−S−2−プロペニル−L−システイン−S−オキシド(アリイン)であることが実証された。インタクト細胞では、アリインおよび関連S−アルキル/アルケニル−L−システイン−Sオキシド(芳香前駆体)は細胞質に位置し、C−Sリアーゼ酵素アリナーゼは液胞内に存在する。細胞が破壊されると、アリナーゼの放出に続いてS−オキシドのα−およびβ−脱離が起こり、最後にアリシンなどの揮発性で匂いを有する低分子量有機硫黄化合物が生じて、それが直ぐにジアリルジスルフィドおよび他の硫黄架橋アルケンと平衡する」と報告している。
ネギ属(Allium spp)には四つのスルホキシドが存在する。
1 S−2−プロペニル−システインS−オキシド
2 S−(E)−1−プロペニル−システインS−オキシド
3 S−メチル−システインS−オキシド
4 S−プロピル−L−システインS−オキシド。
タマネギ類は2、3および4を含有する。ニンニクは1、2および3を含有する。
したがって、タマネギ類とニンニクの有機硫黄化学には、高度の等価性がある。タマネギ類の場合、タマネギアリナーゼが前駆体に作用すると、ニンニクにおいて優勢なジアリルポリスルフィドではなく、ジプロピルポリスルフィドが生じる。
本発明者らは、ジアリルスルフィドを、ニンニク汁濃縮物(CL AIL 0021製品)中の主要有機硫黄分子であるとみなしている。これは、文献および詳細な分析結果と合致している。五つの製造バッチから計算したCL AIL 0021中のジアリルスルジフィド(DADS)の平均濃度は、12mg/gである。したがって、典型的なEcoguard(登録商標)顆粒中に0.54%というDADSの理論濃度が得られる。
Ecoguard(登録商標)顆粒中のDADSの実際のパーセンテージは0.54%であり、DASnについては3.46%である。したがって、Ecoguard(登録商標)顆粒の12kg/ha施用により、最大で65gのジアリルジスルフィド/haおよび415g/haのDASnが適用される。Block 1992は、ニンニク、タマネギおよびネギ属の他のメンバーは1〜5%乾燥重量の非タンパク質硫黄アミノ酸二次代謝産物を含有すると報告している。ニンニクの作付けが新鮮重で20トン/haをもたらし、その25%が乾物であるとすると、ニンニクの典型的な商業的作付けは、50〜250kgの非タンパク質硫黄、すなわちEcoguard(登録商標)ニンニク顆粒の施用の100〜500倍をもたらすことになる。
ある簡単な重量分析によれば、1回のEcoguard(登録商標)施用によって適用される有機硫黄は、作物を放棄して腐敗させた場合に典型的なニンニクの商業的作付けから環境に放出され得る有機硫黄の100〜500分の1になる。
英国で栽培されるタマネギ類の面積が広いことと、1ヘクタールあたりの相対的収量を考えると、タマネギ類はニンニクよりも潜在的にはるかに重大なスルフェン酸およびポリスルフィドの供給源である。
収穫時のタマネギ類の廃棄物は、英国タマネギ生産者組合(British Onion Producers Association:BOPA)によれば、総収量の約12%と考えられ、40トン/haの場合は約4.8トンである。これは収穫網を通って落ちる収穫直径50mm未満のタマネギから構成される。このくずは圃場に放置され、腐敗させるために円板鋤で鋤返される。これらの状況では、環境への有機硫黄分子の実質的な放出が起こる。Block 1992によれば、この数字は乾物の5%または60kg/haにもなり得る。2,000年には、約9,000haのタマネギ類が英国で栽培され、圃場に放置されたくずは全部で40,000Tまたは約500Tの有機硫黄化合物と見積られている。
さらにまた、食料品包装出荷業者および加工業者が毎年さらに50,000トンのタマネギ廃棄物を排出して、625Tまでの追加有機硫黄化合物を生成し、その大半は、埋め立て廃棄されて、圃場境界にある廃棄物の堆積物中で堆肥になるか、焼却処理されて、やはり同様の比率で有機硫黄化合物の放出をもたらすと、BOPAは見積っている。
これらの事例のそれぞれにおいて、化合物は、自然の過程、例えば微生物による分解、光分解および一連の求電子官能基による結合切断などによって、環境中で分解される。Ecoguard(登録商標)顆粒中のニンニク残留物は、同じ過程によって分解される。
したがって本発明者らは、推奨された比率および推奨された方法によるEcoguard(登録商標)顆粒の土壌への施用によって土壌表面に放出される有機硫黄分子は、ニンニク、タマネギおよび他のネギ類作物が関わる通常の農業的および食品加工的活動によるものよりも有意に少なく、上述の標準的活動が注目に値する影響を環境に及ぼすことはないので、環境における運命の問題をこれ以上詳細に検討する必要はないと結論する。同じ議論は、ニンニク汁濃縮物の直接使用にも当てはまる。
ニンニク濃縮物を含浸させたプリルを含む餌場と、ニンニク濃縮物を含浸させていないプリルを含む餌場との間で、摂食されたニンジンの比較を示す図である。 ロンギドルス・エロンガトスに対するニンニク汁濃縮物のインビトロバイオアッセイを示す図である。 ハインフォード(ノリッジ)での、パースニップ作物における岐根発生を示す図である。 シスト線虫によって引き起こされる変形のタイプ、すなわち圧縮された先端、裂けて変形したニンジンを示す図である。 ブロックの一つで見られた症状を示す図である。 岐根発生率に対しての処置を示す図である。 ワクモに対するBreck−a−sol(Bsol)の有効性を実証する結果を示す図である。 Breck−a−solまたはBarricade(シペルメトリン)のどちらか一方を殺生物剤として施用した時のワクモの死亡率を様々な汚染レベルで比較した一連のデータを示す図である。 クロマトグラム1を示す図である。 クロマトグラム2を示す図である。 クロマトグラム3を示す図である。

Claims (18)

  1. ニンニク汁から水を除去することによってニンニク汁から得られる液体濃縮物を含む農薬または忌避剤。
  2. 水が減圧蒸留によって40℃未満の温度で除去される、請求項1に記載の農薬または忌避剤。
  3. 水が逆浸透によって除去される、請求項1に記載の農薬または忌避剤。
  4. 濃縮物が60〜80のブリックス値を有する、請求項1、2または3に記載の農薬または忌避剤。
  5. 濃縮物中の総ポリスルフィドが2〜4%w/wの範囲にある、請求項1〜4のいずれか一項に記載の農薬または忌避剤。
  6. 式:RSR、RSR、RSRおよびRSR(式中、R=アリル基)のジアリルスルフィドが、存在する総ポリスルフィドの66%±10重量%を占める、請求項1〜5のいずれか一項に記載の農薬または忌避剤。
  7. ジアリルスルフィド:ジアリルジスルフィド:ジアリルトリスルフィド:ジアリルテトラスルフィドが、存在する総ポリスルフィドの重量%として、4%〜5%:5%〜8%:31%〜38%:19%〜22%の比率で存在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の農薬または忌避剤。
  8. ポリスルフィド含量を強化するために、さらなるポリスルフィドが加えられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の農薬または忌避剤。
  9. ポリスルフィドがニンニク油の形で加えられる、請求項8に記載の農薬または忌避剤。
  10. ニンニクを粉砕するステップ
    生成した液体から固形物を分離するステップ
    液体を低温殺菌するために液体に対して加熱段階を実行するステップ
    減圧蒸留により、40℃未満の温度で、液体から水を除去するステップ
    によってニンニクから得られる液体濃縮物の形態をした農薬または忌避剤の製造方法。
  11. 水が25℃未満の温度で液体から除去される、請求項10に記載の方法。
  12. ニンニクを粉砕するステップと
    生成した液体から固形物を分離するステップと、
    液体を低温殺菌するために液体に対して加熱段階を実行するステップと、
    逆浸透により、液体から水を除去するステップと
    によってニンニクから得られる液体濃縮物の形態をした農薬または忌避剤の製造方法。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の農薬または忌避剤を含浸させた木粉ベースの顆粒を含むことを特徴とする農薬または忌避剤組成物。
  14. 請求項1〜9のいずれか一項または請求項13に記載の液体濃縮物または含浸顆粒を含む農薬組成物を用いた殺昆虫剤。
  15. 請求項1〜9のいずれか一項または請求項13に記載の液体濃縮物または含浸顆粒を含む農薬組成物を用いた殺線虫剤。
  16. 請求項1〜9のいずれか一項または請求項13に記載の液体濃縮物または含浸顆粒を含む忌避剤組成物を用いた鳥類忌避剤。
  17. 請求項1〜9のいずれか一項または請求項13に記載の液体濃縮物または含浸顆粒を含む忌避剤組成物を用いたウサギ忌避剤。
  18. 請求項1〜9のいずれか一項または請求項13に記載の液体濃縮物または含浸顆粒を含む忌避剤組成物を用いた昆虫忌避剤。
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