JP5388170B2 - タマネギ中に含まれるlfs及びprencsoの分離方法 - Google Patents

タマネギ中に含まれるlfs及びprencsoの分離方法 Download PDF

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本発明はタマネギ中に含まれるLFS(催涙成分生成酵素)及びPRENCSO(S-1-プロペニル-システインスルフォキシド)を分離し取得する方法に関する。
タマネギの催涙成分(LF)であるthiopropanal S-oxideは、前駆物質のPRENCSO(S-1-プロペニル-システインスルフォキシド)に酵素アリイナーゼが作用し、スルフェン酸(E-1-propensulfenic acid)となり、スルフェン酸が催涙成分生成酵素により異性化されることにより生じる(非特許文献1)。
Figure 0005388170
催涙成分は、産業上、有用である事が知られている。例えば、催涙成分は、涙液分泌検査用試薬及び涙液分泌検査方法、言い換えればドライアイ検査用にも利用できる(特許文献1)。
従来から、PRENCSO、アリイナーゼ、LFSをそれぞれ単独で取得する方法は知られていた。
非特許文献2にはタマネギに含まれるPRENCSOを有機溶媒(メタノール:クロロホルム:水=12:5:3)を用いて抽出する方法が開示されている。しかし、アリイナーゼ及びLFSの抽出、精製方法に関しては一切言及されていない。
非特許文献3にはアリイナーゼを、200℃のオーブンや沸騰水中で6分間以上加熱すること、及びマイクロ波で加熱することにより失活することが開示されている。この方法はPRENCSO単独の取得のためには有用であるが、アリイナーゼとともにLFSも活性を失ってしまう。
特許文献2にはタマネギに水を加えて破砕し抽出することによりLFSを得る方法が開示されている。この方法では破砕の際にアリイナーゼの作用によりPRENCSOが分解されるという問題がある。
特許文献3ではタマネギ外皮を炭素数1〜3の低級アルコールと水との混合物で浸漬してケルセチンを抽出する方法が開示されているが、アリイナーゼ、PRENCSO、LFSについては何ら言及されていない。
上記の通り、タマネギからPRENCSO、アリイナーゼ及びLFSのうち2成分以上を一緒に取得する方法は従来知られていない。アリイナーゼについては安価な製造方法が知られているが、PRENCSO及びLFSについては適当な取得方法が従来知られていなかった。
LFSとしては、遺伝子組み換え法により調製されたもの(特許文献4)が知られているが、高価であるという問題があった。
一方、食品工業では加工に用いたタマネギの一部がタマネギ加工残査として排出される。そこでタマネギ加工残査の有効活用が求められている。
国際公開WO2005/067907号パンフレット 特開平10-2985373号公報 特開2004-229615号公報 国際公開WO 02/020808号パンフレット Nature, 419, 685 (2002) J. Sci. Food. Agric., 34, 1229-1235 (1983) J. Agric. Food Chem., 55, 1280-1288 (2007)
本発明は、タマネギからPRENCSOとLFSとを共に取得する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究の結果、10(v/v)%以上70(v/v)%未満の水溶性有機溶媒を含有する水溶液にタマネギを浸漬することにより、LFSの活性を維持しつつアリイナーゼを失活することができること、並びに、陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂をこの順で作用させることによりLFS及びPRENCSOをそれぞれ分離できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は以下の発明を包含する。
(1) タマネギからLFS(催涙成分生成酵素)及びPRENCSO(S-1-プロペニル-システインスルフォキシド)を分離する方法であって、
10(v/v)%以上70(v/v)%未満の水溶性有機溶媒を含有する水溶液にタマネギを浸漬することにより、タマネギに含まれるアリイナーゼを失活させる浸漬工程、
浸漬工程後の前記水溶液とともに前記タマネギを粉砕して、LFS及びPRENCSOを前記水溶液中に抽出する抽出工程、
抽出工程後の前記水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させることにより陰イオン交換樹脂にLFSを吸着させ、次いで吸着されたLFSを分離するLFS分離工程、並びに
LFS分離工程において陰イオン交換樹脂に吸着されない画分を陽イオン交換樹脂に接触させることにより陽イオン交換樹脂にPRENCSOを吸着させ、次いで吸着されたPRENCSOを分離するPRENCSO分離工程、
を含むことを特徴とする前記方法。
(2) 浸漬工程に用いる水溶液が40〜60(v/v)%の水溶性有機溶媒を含有することを特徴とする、(1)記載の方法。
(3) 水溶性有機溶媒がアルコールであることを特徴とする、(1)又は(2)記載の方法。
(4) 浸漬工程においてタマネギの浸漬を24時間以上かけて行うことを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 浸漬工程に用いられるタマネギが予め凍結されたものであることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(6) 浸漬工程において予め凍結されたタマネギの浸漬を1時間以上かけて行うことを特徴とする、(5)記載の方法。
(7) LFS分離工程で分離されたLFSをアリイナーゼと共に乾燥するLFS安定化工程を更に含む、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8) PRENCSO分離工程で分離されたPRENCSOを酸性水溶液中に保持するPRENCSO安定化工程を更に含む、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9) PRENCSOを酸性水溶液中で保持することを特徴とする、PRENCSOの保存方法。
本発明によりタマネギからLFS及びPRENCSOを効率的に取得することができる。
本発明の方法においてはタマネギ加工残査を用いてもよく、タマネギ加工残査の有効活用が可能になる。
1. タマネギ
原材料として使用されるタマネギとしては、タマネギの鱗茎(バルブまたは、球)および鱗茎から伸びる鞘葉の部分を用いることが好ましい。食品加工業ではタマネギ加工残査として、鱗茎の底盤部(盤茎)と底盤部に隣接する鱗葉の一部(厚み0.5〜3センチ)、および鱗茎の先端部(ノーズ)に隣接する鱗葉の一部(厚み0.5〜3センチ)が多く排出される(以降これらの部分を「ヘタ」と呼ぶ)。このヘタの部分も本発明の方法において好適に使用することができる。数センチ程度の寸法に切ったタマネギの試料を浸漬工程に使用することが好ましい。タマネギを粉砕するなどして小さくし過ぎると酵素の作用によりPRENCSOが消費されてしまうため好ましくない。タマネギの試料の寸法を大きくしすぎると浸漬工程においてアリイナーゼの失活が進行しにくくなる。
2. 浸漬工程
浸漬工程は、10(v/v)%以上70(v/v)%未満、好ましくは40〜60(v/v)%の水溶性有機溶媒を含有する水溶液にタマネギを浸漬することにより、タマネギに含まれるアリイナーゼを失活させる工程である。ただし、水溶性有機溶媒としてプロパノール、アセトンを用いる場合は、10(v/v)%以上50(v/v)%未満であることが好ましい。
水溶性有機溶媒としてはアルコール又はアセトンが好ましく、アルコールがより好ましく、炭素数2以下のアルコールがより好ましい。
浸漬に用いる水溶液の、タマネギに対する量は、タマネギが浸るのに十分な量であれば特に限定されない。
浸漬に用いる水溶液の温度は、LFSが失活しない温度ならば特に限定されない。好ましくは10℃以下が好ましい。
タマネギの前記水溶液中での浸漬時間は、凍結していないタマネギを使用する場合には24時間以上が好ましく、24〜72時間がより好ましく、36〜60時間が最も好ましい。
本発明者らは驚くべきことに、予め凍結されたタマネギを使用することにより、浸漬時間を短縮できることを見出した。凍結方法としては、-20℃以下、好ましくは-80℃〜-20℃の温度での急速冷凍が好ましい。凍結時間は30分間以上が好ましく、2時間以上がより好ましい。例えば-80℃において30分間以上、-20℃において2時間以上の条件が挙げられる。予め凍結されたタマネギを使用する場合の浸漬時間は1時間以上が好ましく、3〜12時間がより好ましい。
3. 抽出工程
抽出工程は、浸漬工程後の前記水溶液とともに浸漬されたタマネギを粉砕して、LFS及びPRENCSOを前記水溶液中に抽出する工程である。浸漬工程においてアリイナーゼの活性が失われているため、粉砕してもPRENCSOは分解されない。
粉砕はホモジナイザー、ミキサー等の通常の攪拌装置により行うことができる。粉砕後に遠心分離、ろ過などの通常の固液分離手段によって、固形画分と、LFS及びPRENCSOを含有する水溶液(液体画分)とに分離し、水溶液を以下のLFS分離工程に供する。
4. LFS分離工程
LFS分離工程は、抽出工程後の水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させることにより陰イオン交換樹脂にLFSを吸着させ、次いで吸着されたLFSを分離する工程である。
イオン交換樹脂との接触の前に、抽出工程後の水溶液に対して、必要に応じて塩濃度の調整を行う。塩濃度は樹脂の平衡化に用いるバッファーの塩濃度と同程度またはそれ以下とする。
陰イオン交換樹脂としては、強塩基性陰イオン交換樹脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂ともに使用可能である。好ましくは強塩基性陰イオン交換樹脂が好ましい。また担体の種類に限定されない。
樹脂の使用量は、用いる樹脂(今回検討した樹脂(DE52、DEAE、SuperQ))の交換容量にもよるが液量に対して1/5〜1/10倍volの範囲ならば確実である。また吸着時の温度に関しては、酵素が失活しない範囲内ならば特に限定されない。好ましくは10℃以下である。
LFSの吸着後、LFSを吸着してなる陰イオン交換樹脂と、陰イオン交換樹脂に吸着されない液体画分とを分離する。次いで、LFSを吸着してなる陰イオン交換樹脂を、好ましくは洗浄した後に、溶出用液に加えてLFSを溶出させる。溶出用液として使用できるものは、塩濃度が50mM以上の無機塩水溶液(pH5.0〜7.0)、好ましくは塩濃度が100〜500mMのpH5.0〜6.5のバッファーである。樹脂と液体の量比は、樹脂量に対して2倍vol以上の溶出用液で溶出を行う。溶出用液は少量の方が経済的、且つ溶出酵素液の濃度的にも好ましい。温度は酵素が失活しない温度であれば良い。陰イオン交換樹脂に吸着されない画分を、後述するPRENCSO分離工程に供する。LFSを溶出する前に洗浄を行う場合は、洗浄液も加えて後述するPRENCSO分離工程に供する。
5. PRENCSO分離工程
PRENCSO分離工程は、LFS分離工程において陰イオン交換樹脂に吸着されない画分を陽イオン交換樹脂に接触させることにより陽イオン交換樹脂にPRENCSOを吸着させ、次いで吸着されたPRENCSOを分離する工程である。
陽イオン交換樹脂としては、強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂ともに使用可能である。好ましくは強酸性陽イオン交換樹脂が好ましい。また担体の種類には限定されない。
陽イオン交換樹脂の使用量は、用いる樹脂の交換容量にもよるが液量に対して1/5〜1/10倍volの範囲ならば確実である。また吸着時の温度については特に限定されず、好ましい例として10〜25℃という条件を掲げることができる。
PRENCSOの吸着後、PRENCSOを吸着してなる陽イオン交換樹脂と、陽イオン交換樹脂に吸着されない液体画分とを分離する。次いで、PRENCSOを吸着してなる陽イオン交換樹脂を、好ましくは洗浄した後に、溶出用液に加えてPRENCSOを溶出させる。溶出用液としてはpH8.5の水溶液が使用可能である。その後の樹脂の再生も考えたならばpH8.5〜9.0のアンモニア水が好ましい。樹脂と液体の量比については、バッチ式の場合、樹脂の2倍vol以上の溶出用液で行う。溶出時の温度については特に限定されず、好ましい例として10〜25℃という条件を掲げることができる。溶出用液のpHは9.0以下が好ましい。
6. LFS安定化工程
LFS安定化工程は、LFS分離工程で分離されたLFSをアリイナーゼと共に乾燥状態とする工程である。
本発明者らは驚くべきことに、LFSは、アリイナーゼと共に乾燥させると室温においても安定に保存することが可能であることを見出した。
アリイナーゼの保護のために、糖などの保護剤を更に共存させることが好ましい。アリイナーゼの保護剤としては、糖、好適には二糖類が挙げられる。二糖類としては、例えば、スクロース、トレハロース、マルトース、ラクトース、又はセルビオース等を挙げることができる。当該保護剤は、糖に加えて、塩を含んでもよい。塩としては、任意の塩が挙げられるが、例えば、KCl、MgCl2、NaClなどが挙げられるが、1価の金属塩が好適で、具体的には、NaClが好適である。更に、当該保護剤は、ピリドキサールリン酸を含むこともできる。つまり、保護剤は、(イ)糖、あるいは(ロ)糖並びに塩及び/又はピリドキサールリン酸からなる成分である。
アリイナーゼとLFSの存在比率としては、例えば、アリイナーゼ0.02Units:LFS 0.5μl(比活性6.2×109PA/μl)からアリイナーゼ200Units:LFS 0.5μl(比活性6.2×109PA/μl)の範囲とすることができる。好ましくは、アリイナーゼ10Units:LFS 0.5μl(比活性6.2×109PA/μl)程度である。
LFSとアリイナーゼの混合物を乾燥させて乾燥混合酵素を調製する場合には、乾燥手段としては、凍結乾燥又は熱風乾燥が挙げられ、凍結乾燥が特に望ましい。なお、LFSとアリイナーゼの混合物を溶液からそのまま乾燥させることもできるが、例えば、吸水体や高吸水性担体にLFSとアリイナーゼの混合溶液を吸わせ、その後乾燥することもできる。
また、乾燥混合酵素は、粉末で使用することが望ましいが、容易に再水和できるような形態であれば、顆粒、散剤とすることもできる。
製剤化には、賦形剤、結合剤、及び崩壊剤など、製剤化のために常用される補助剤を添加することができる。賦形剤としては、例えば、デンプン、乳糖、白糖、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ハイドロキシプロピルスターチ(HPS)などがある。 また、結合剤としては、デンプン、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、アラビアゴム末、ゼラチン、ブドウ糖、白糖などの水溶液、又はそれらの水・エタノール溶液などがある。崩壊剤としては、デンプン、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースカルシウム、微結晶セルロース、ハイドロキシプロピルスターチ、リン酸カルシウムなどがある。
散剤または顆粒として用いる場合に補助剤としては、アリイナーゼの保護剤、例えばマルトースなどを用いることができる。
7. PRENCSO安定化工程
PRENCSO安定化工程は、PRENCSO分離工程で分離されたPRENCSOを酸性水溶液中に保持する工程である。
PRENCSOを安定に保存するためには、イオン交換樹脂や逆相クロマトグラフィーによってPRENCSOを精製した後に粉末化又は水溶液に溶解した状態とすることが従来必要であると考えられてきた。しかしながら本発明者らは、驚くべきことに、PRENCSOは酸性水溶液中において室温で長期間保存可能なほど安定であり、精製の必要すらないことを見出した。
PRENCSO分離工程において得られるPRENCSO水溶液に酸成分を添加して酸性とすることによりPRENCSOの安定化が達成される。
上記酸性のpHの範囲は4.0以下、好ましくはpH2.0〜3.5である。また酸成分としてはクエン酸などの有機酸、及び塩酸のような無機酸でもよい。
新たに見出されたこの知見は、従来の方法で得られるLFSの安定化にも有用である。すなわち本発明は、PRENCSOを酸性水溶液中で保持することを特徴とする、PRENCSOの保存方法を提供するものでもある。
以下の実施例の記載において「タマネギ」とは特に断りのない限り鱗茎部を指す。
試験1
エタノール水溶液の濃度と抽出PRENCSO量、LFSの活性量の関係(図2)
230ml容の蓋付き容器5個に、包丁で4センチ角程度の大きさに切った市販のタマネギを50gずつ量り取った。次に各容器にエタノール濃度が10〜90(v/v)% であるエタノール水溶液50mlを加え、タマネギが浸った状態で10℃の低温実験庫内で48時間の浸漬を行った。浸漬物をミキサーで粉砕した後、遠心分離 (4℃、12000rpm、10分間) し、得られた上澄みを抽出溶液として回収した。各抽出溶液中のPRENCSO量、LFSの活性量の比較を行った。結果を図2に示す。10〜60(v/v)%エタノールでタマネギを浸漬した場合、PRENCSOとLFSを効率良く抽出できるが、70(v/v)%を超えるとLFSの活性量がなくなってしまうことも併せて確認された。
抽出溶液に含まれるPRENCSOの量と、LFSの活性量は、以下に示した方法と条件で定量した。
(1)PRENCSO量と、LFS活性量の測定方法
陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂でのLFS、PRENCSOの精製効率は一定であるため、PRENCSO及びLFSの最終的な収量は、これらの樹脂による処理を行う前の抽出溶液中に含まれるPRENCSO量、LFSの活性量と相関する。そこで本試験の試験1、2、3では、粉砕後遠心分離により得た抽出溶液中に含まれるPRENCSO量、LFSの活性量の比較検討を行った。
<PTENCSO測定方法>
PRENCSOはHPLCで定量した。分析条件は次の通り、カラム:Pegasil ODS 4.6mmΦ×25cm (センシュウ科学) , 移動相:酸性水pH3.3 , 温度:35℃ , 検出波長:230nm , 流速:0.6ml/min,注入量:PRENCSO溶液 1μl。保持時間9分に検出されたピークの面積から、PRENCSOを定量した。
<LFS活性測定方法>
LFSの活性量は、酵素反応で発生した催涙成分(LF)のピーク面積に基づいて定量した。アルコール濃度が16(v/v)%となるように調整した抽出溶液10μlに対し、250 Unit/ml の精製Aliinase溶液を40μl添加し、さらに20mg/ml の精製PRENCSO溶液20μlを添加して、酵素基質反応を開始させた。3分後に反応液1μlをHPLCへ注入し、LF発生量を測定した。HPLC条件はカラム:Pegasil ODS 4.6mmΦ×25cm (センシュウ科学) , 移動相:酸性水pH3.3とメタノールを7対3で混合したもの , 温度:35℃ , 検出波長:254nm , 流速:0.6ml/minで行った。LFのピークは、保持時間9.6分に検出された。
移動相として用いた酸性水pH3.3としてはTFA溶液を使用した。作製方法は以下である。蒸留水2リットルを密栓できる容器に注ぎ、アスピレーターを用いて脱気した。脱気した蒸留水2リットルにTFA(アミノ酸配列分析用特製試薬 ナカライテスク 34902-11 1mlアンプル×5本入り)1mlを加え、ストック溶液(TFA溶液(×10))とした。そのストック溶液を、脱気した蒸留水で10倍に希釈して、酸性水 pH3.3を作製した。
LFSの活性量測定に用いた、精製アリイナーゼ溶液、精製PRENCSO溶液は以下の手順で調製したものを用いた。
(2)精製アリイナーゼ溶液の調製
(2−1)ニンニクを粉砕・酸沈
まず、ミキサーのジョッキを冷蔵庫に入れて冷やしておく。また、低温遠心機にローターをセットし、温度を4℃にセットして冷却しておく。ニンニク片(100g)に等量のバッファー A(後述)を加えて、ミキサーで粉砕する。氷上に置いたジョッキの口に二重にしたガーゼを輪ゴムでとめる。粉砕物をそのガーゼの上に流して、濾す。ろ液がある程度得られた後で、ガーゼ上の粉砕物をガーゼで包んで絞る。得られたろ液を12000rpmで10 分間 4℃で遠心分離する。遠心上清を回収する。回収した遠心上清を氷上に置いた状態で攪拌しつつ、pHをモニターしながら、酢酸を加えていき、pHを4.0にする。pHが4.0になったら、そのまま5min静置する。沈殿の出てきたサンプルを12000rpm×10min、4℃で遠心分離する。遠心ペレットを回収する(バッファー Aを使う)。
回収したペレットを50〜100mlにして(バッファー A)、そのまま、5℃で30min静置する。サンプルを12000rpmで10分間4℃で遠心分離する。1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて、回収した遠心上清のpHを6.5に調製する。これをアリイナーゼ粗抽出液とする。
(2−2)ハイドロキシアパタイトカラム処理
上記アリイナーゼ粗抽出液(遠心上清)をバッファー Aで平衡化したハイドロキシアパタイトカラムにアプライする。ハイドロキシアパタイトカラムに黄色のバンドとなって吸着される。サンプルをアプライしたハイドロキシアパタイトカラムを300mlのバッファーAで洗浄する。洗浄の終了したハイドロキシアパタイトカラムに300mlのバッファーC(後述)を流して、溶出させる。溶出液はフラクションコレクターを使って10 mlずつ分画し、黄色の溶出液が分画されているフラクションを集める。
(2−3)ConAカラムによるアリイナーゼの精製
集めたフラクション(20ml)の1/20倍volの20mM塩化カルシウム,塩化マグネシウム溶液を加えて、サンプル溶液のカルシウムイオン,マグネシウムイオン濃度を上げる。そうした上で、再生し、startingバッファー(ConA Sepharose 4Bのマニュアルに記載されている推奨バッファー)で平衡化したConAカラムにアプライする。サンプルをアプライした後のConAカラムを50mlのstartingバッファーで洗浄する。洗浄の終了したConAカラムに50mlのConA溶出バッファー(ConA Sepharose 4Bのマニュアルに記載されている推奨バッファー)を流して、溶出させる。溶出液はフラクションコレクターを使って2mlずつ分画し、黄色の溶出液が分画されているフラクションを集める。
(2−4)精製したアリイナーゼの濃縮方法
ConAカラム精製によって得られた黄色い溶出液(アリイナーゼ溶液)10mlをCENTRIPLUS CONCENTRATORS(up to 15ml,No.4421)(ミリポア社製)に入れる。CENTRIPLUS CONCENTRATORSを、4℃に冷却した遠心機にセットし、3000rpmで30分遠心する。中身を一度確認した後、もう一度、3000rpmで30分間遠心する。濃縮が完了したアリイナーゼ溶液の活性を下に示す方法に従って測定し、必要な濃度になっていることを確認する。
なお、上記バッファーA(pH7.0)(アリイナーゼ精製用50mMバッファーA)は次のように調製した。50mMリン酸水素2カリウム溶液(5.22gを600mlに溶解)と50mMリン酸二水素カリウム溶液(3.4gを500mlに溶解)を調製する。pHをモニターしながら、両者を混合して、pHを7.0に調整する。出来上がったバッファー9倍volに対して、グリセロールを1倍vol加えてよく混合する。出来上がったグリセロール入りバッファー 1Lに対して、5.3 mgのピリドキサールリン酸を添加して混合する。出来上がったバッファーにラベルして、低温実験庫(10℃)で保存する。
また、バッファーC(pH7.0)(アリイナーゼ精製用500mMバッファーC)は、次のように調製した。500mMリン酸水素2カリウム溶液(43.6gを500mlに溶解)と500mMリン酸二水素カリウム溶液(34.0gを500mlに溶解)を調製する。pHをモニターしながら、両者を混合して、pHを7.0に調整する。出来上がったバッファー9倍volに対して、グリセロールを1倍vol加えてよく混合する。出来上がったグリセロール入りバッファー 1Lに対して、5.3mgのピリドキサールリン酸を添加して混合する。出来上がったバッファーにラベルして、低温実験庫(10℃)で保存する。
(3)精製PRENCSO溶液の調製
(3−1)加熱タマネギからPRENCSOの抽出
生タマネギ3玉(1000g)の外皮をはがし、ラップをして電子レンジで12分間加熱する。加熱したタマネギをミキサーに入れ、等量の蒸留水を加えてから粗砕し、粗砕液を8000rpmで10分間遠心分離する。上清を回収し、陽イオン交換樹脂IR120Bを加えて攪拌したのち、吸引濾過により、樹脂を回収する。回収した樹脂に蒸留水1Lを加え、これに濃アンモニア水を加えてpH8.5に調製する。吸引濾過により、上清を回収し、残った樹脂に再度pH8.5のアンモニア水を加える。再度、吸引濾過により、上清を回収する。得られた溶液に1N塩酸を加えてpH7.0に中和する。エバポレーターを用いて溶液を濃縮乾固する。
(3−2)PRENCSOの精製
残留物に蒸留水50mlを加えて溶解させる。得られた粗PRENCSO溶液を中圧逆相クロマトグラフィーによって精製する。必要に応じて、さらにHPLC(カラム:ODS,移動相:酸性水pH3.3,温度:35℃,UV:230nm)によって精製する。カラムから得られた溶出液をエバポレーターおよび凍結乾燥機を用いて乾固し、精製PRENCSO粉末(約100mg)を得る。
試験2
エタノール水溶液での浸漬時間と抽出PRENCSO量、LFSの活性量の関係(図3)
230ml容の蓋付き容器5個に、包丁で4センチ角程度の大きさに切った市販のタマネギを50gずつ量り取った。次に各容器に50mlの50(v/v)%のエタノール水溶液を加え、タマネギ試料が浸った状態で、10℃の低温実験庫内でそれぞれ3, 6, 24, 48, 72時間の浸漬を行った。浸漬物をミキサーで粉砕した後、遠心分離 (4℃、12000rpm、10分間) し、得られた上澄みを抽出溶液として回収した。各抽出溶液中のPRENCSO量、LFSの活性量の比較を行い、浸漬時間と抽出PRENCSO量、LFSの活性量の関係を検討した。PRENCSO量と、LFSの活性量は試験1記載の手順で測定した。
また本試験に用いたアルコール浸漬を行わないタマネギに含まれるPRENCSO量を、PRENCSO量のコントロールとして図中に「加熱タマネギ」として示した。その測定手順は次の通りである。生タマネギの外皮をはずし、包丁で50g分切った。次に切ったタマネギにラップをして電子レンジで3分間加熱した。加熱したタマネギをミキサーに入れ、等量の蒸留水を加えて粉砕した。その後、遠心(12000rpm、10分間)し、上澄みを加熱タマネギ抽出溶液として回収した。抽出溶液に含まれるPRENCSO量の測定も試験1記載の方法で行った。
結果を図3に示す。
その結果、エタノール水溶液での浸漬時間は48時間程度が好ましいことが確認された。
試験3
凍結処理による浸漬時間の短縮効果(図4)
市販のタマネギのヘタ部分を用いて実験を行った。本実験は、剥ぎタマネギの工業的な作製工程で生じるタマネギ加工残査からPRENCSO、LFSを抽出することを想定したモデル実験である。
まず市販のタマネギ6個を厚みが0.5〜0.8センチになるように包丁で切った。よって得たヘタ部分12個から無作為に4個づつ選び、3グループに分け、ビニール袋にいれた。
1つ目のグループは、-80℃で30分間凍結処理を行い、凍結後、金づちで4センチ角程度の大きさになるように粉砕し、230ml容の蓋付き容器に30g量り取った。次に容器に30mlの50% (v/v) のエタノール水溶液を加え、タマネギ試料が浸った状態で、10℃の低温実験庫内で5時間の浸漬を行った。浸漬物をミキサーで粉砕した後、遠心分離 (4℃、12000rpm、10分間) し、得られた上澄みを抽出溶液として回収した。
2つ目のグループは、-20℃で22時間凍結処理を行い、凍結後、金づちで4センチ角程度の大きさになるように粉砕し、230ml容の蓋付き容器5個に30gずつ量り取った。次に各容器に30mlの50(v/v)% のエタノール水溶液を加え、タマネギ試料が浸った状態で、10℃の低温実験庫内で1、2、3、4、5時間の浸漬を行った。所定の時間になったら各浸漬物をミキサーで粉砕した後、遠心分離(4℃、12000rpm、10分間)を行い、得られた上澄みを抽出溶液として回収した。
3つ目のグループは、凍結処理は行わず、生のまま包丁で4センチ角程度の大きさに切った後、230ml容の蓋付き容器に30g量り取った。次に容器に30mlの50(v/v)% のエタノール水溶液を加え、タマネギ試料が浸った状態で、10℃の低温実験庫内で52時間の浸漬を行った。浸漬物をミキサーで粉砕した後、遠心分離(4℃、12000rpm、10分間)し、得られた上澄みを抽出溶液として回収した。
このようにして得られた各抽出溶液中のPRENCSO量、LFSの活性量を比較した。PRENCSO量およびLFSの活性量の測定は試験1記載の方法で行なった。
結果を図4に示す。その結果、浸漬前にタマネギに凍結処理を行うことで、エタノール水溶液での浸漬時間を40時間程度短縮できることが確認された。
試験4
浸漬する水溶性有機溶媒の種類と抽出PRENCSO量、LFSの活性量の関係
エタノール以外の水溶性有機溶媒によるPRENCSOとLFSの回収の可能性について確認した。
まず、-20℃で凍結していたタマネギのヘタ部分を、金づちで4センチ角程度の大きさになるように粉砕し、230ml容の蓋付き容器4個に30gずつ量り取った。
次に各容器に30mlの10(v/v)% のエタノール水溶液、メタノール水溶液、プロパノール水溶液、アセトン水溶液をそれぞれ加え、タマネギ試料が浸った状態で、10℃の低温実験庫内で5時間の浸漬を行った。浸漬物をミキサーで粉砕した後、遠心分離 (4℃、12000rpm、10分間) し、得られた上澄みを抽出溶液として回収した。各抽出溶液中のPRENCSO量、及びLFSの活性量の比較を行い、浸漬溶媒の種類と抽出PRENCSO量、LFSの活性量の関係を検討した。PRENCSO量については試験1記載の方法で行った。LFSの活性量については以下の方法で行った。
<LFS活性測定方法>
LFSの活性量の測定は、抽出溶液10μlに、250Unit/ml 精製アリイナーゼ溶液を40μl添加し、さらに20mg/ml 精製PRENCSO溶液20μlを添加して、酵素基質反応を開始させた。3分後に反応液1μlをHPLCへ注入し、催涙成分のピーク面積を測定した。HPLC条件はカラム:Pegasil ODS 4.6mmΦ×25cm (センシュウ科学) , 移動相:酸性水pH3.3とメタノールを7対3で混合したもの , 温度:35℃ , 検出波長:254nm , 流速:0.6ml/minで行った。保持時間は9.6分に検出された。
結果を表1に示す。表1から明らかなように各水溶性有機溶媒でPRENCSO及びLFSを同時に回収できることが確認された。
Figure 0005388170
試験5
浸漬する水溶性有機溶媒の濃度と抽出PRENCSO量、LFSの活性量の関係(図5)
試験4の結果を受けて、50(v/v)%に各水溶性有機溶媒の濃度を上げた場合のPRENCSO及びLFSの回収率を確認した。
まず、-20℃で凍結していたタマネギのヘタ部分を、金づちで4センチ角程度の大きさになるように粉砕し、230ml容の蓋付き容器4個に30gずつ量り取った。
次に各容器に30mlの50(v/v)% のエタノール水溶液、メタノール水溶液、プロパノール水溶液、アセトン水溶液をそれぞれ加え、タマネギ試料が浸った状態で、10℃の低温実験庫内で5時間の浸漬を行った。浸漬物をミキサーで粉砕した後、遠心分離 (4℃、12000rpm、10分間) し、得られた上澄みを抽出溶液として回収した。各抽出溶液中のPRENCSO量の比較を行い、浸漬溶媒と抽出PRENCSO量の関係を検討した。
<PTENCSO測定方法>
PRENCSO量の測定は試験1記載の方法で行った。
その後、本試験では浸漬溶媒が異なり試験1の方法ではLFSの活性量の測定ができないため、溶媒の影響を受けないレベルまで精製することにした。具体的には、各抽出溶液に陰イオン交換樹脂(DEAE-650M)を前記抽出溶液の液量の1/5倍vol加え、LFSの吸着を行った。吸着操作後に陰イオン交換樹脂と、陰イオン交換樹脂に吸着されない溶液画分とを分離し、分離後の樹脂を5倍volの水で洗浄した後、樹脂の5倍volの500mMリン酸バッファー(pH5.0)を加えバッチ式で溶出させ、その上澄みを回収した。このようにして得た上澄みをLFS溶液とした。
LFS溶液中のLFSの活性量の比較を行い、浸漬溶媒と抽出LFSの活性量の関係を検討した。
<LFS活性測定方法>
LFSの活性量の測定は、LFS溶液を10〜100倍希釈したもの10μlに、250Unit/ml 精製アリイナーゼ溶液を40μl添加し、さらに20mg/ml 精製PRENCSO溶液20μlを添加して、酵素基質反応を開始させた。3分後に反応液1μlをHPLCへ注入し、催涙成分のピーク面積を測定した。HPLC条件はカラム:Pegasil ODS 4.6mmΦ×25cm (センシュウ科学) , 移動相:酸性水pH3.3とメタノールを7対3で混合したもの , 温度:35℃ , 検出波長:254nm , 流速:0.6ml/minで行った。保持時間は9.6分に検出された。
結果を図5に示す。濃度を10(v/v)%から50(v/v)%に上げて浸漬溶媒の種類と抽出PRENCSO量、LFSの活性量の関係を検討した結果、プロパノールとアセトンは50(v/v)%では回収出来るLFSの活性量が著しく低下することが確認された。
試験6
プロパノール、アセトンを浸漬溶媒として用いる場合の濃度と抽出効率の関係(図6)
50%濃度のプロパノールとアセトンの場合はLFSの回収率が著しく低下することが確認された。そこで、プロパノールとアセトンの濃度とPRENCSO及びLFSの回収率の関係について検討した。
まず、-20℃で凍結していたタマネギのヘタ部分を、金づちで4センチ角程度の大きさになるように粉砕し、230ml容の蓋付き容器10個に30gずつ量り取った。
次に各容器に30mlの10〜50(v/v)% のプロパノール水溶液、アセトン水溶液をそれぞれ加え、タマネギ試料が浸った状態で、10℃の低温実験庫内で5時間の浸漬を行った。浸漬物をミキサーで粉砕した後、遠心分離 (4℃、12000rpm、10分間) し、得られた上澄みを抽出溶液として回収した。各抽出溶液中のPRENCSO量の比較を行い、浸漬溶媒の濃度と抽出PRENCSO量の関係を検討した。
<PTENCSO測定方法>
PRENCSO量の測定は試験1記載の方法で行った。
その後、試験5と同様の理由で、溶媒の影響を受けないレベルまで精製することにした。具体的には、各抽出溶液に陰イオン交換樹脂(DEAE-650M)を前記抽出溶液の液量の1/5倍vol加え、LFSの吸着を行った。吸着操作後に陰イオン交換樹脂と、陰イオン交換樹脂に吸着されない溶液画分とを分離し、分離後の樹脂を5倍volの水で洗浄した後、樹脂の5倍volの500mMリン酸バッファー(pH5.0)を加えバッチ式で溶出させ、その上澄みを回収した。このようにして得た上澄みをLFS溶液とした。
LFS溶液中のLFSの活性量の比較を行い、浸漬溶媒の濃度と抽出LFSの活性量の関係を検討した。
<LFS活性測定方法>
LFSの活性量の測定は、LFS溶液を10〜100倍希釈したもの10μlに、250Unit/ml 精製アリイナーゼ溶液を40μl添加し、さらに20mg/ml 精製PRENCSO溶液20μlを添加して、酵素基質反応を開始させた。3分後に反応液1μlをHPLCへ注入し、催涙成分のピーク面積を測定した。HPLC条件はカラム:Pegasil ODS 4.6mmΦ×25cm (センシュウ科学) , 移動相:酸性水pH3.3とメタノールを7対3で混合したもの , 温度:35℃ , 検出波長:254nm , 流速:0.6ml/minで行った。保持時間は9.6分に検出された。
結果を図6に示す。図6の結果、浸漬溶媒としてプロパノール、アセトンを用いる場合、好ましい溶媒濃度は10(v/v)%以上50(v/v)%未満であることが確認された。
試験7
浸漬に好ましい濃度の各浸漬溶媒と抽出PRENCSO量、LFSの活性量の関係(図7)
試験6までに、各浸漬溶媒のPRENCSO、LFSを抽出するのに好ましい濃度範囲が確認された。そこで、各溶媒の好ましい濃度で浸漬した場合に抽出されるPRENCSO量、及びLFSの活性量を比較し、浸漬に好ましい溶媒を決定することとした。
まず、-20℃で凍結していたタマネギのヘタ部分を、金づちで4センチ角程度の大きさになるように粉砕し、230ml容の蓋付き容器4個に30gずつ量り取った。
次に各容器に30mlの50(v/v)% のエタノール水溶液、メタノール水溶液、20(v/v)%のプロパノール水溶液、30(v/v)%のアセトン水溶液をそれぞれ加え、タマネギ試料が浸った状態で、10℃の低温実験庫内で5時間の浸漬を行った。浸漬物をミキサーで粉砕した後、遠心分離 (4℃、12000rpm、10分間)し、得られた上澄みを抽出溶液として回収した。各抽出溶液中のPRENCSO量の比較を行い、浸漬溶媒と抽出PRENCSO量の関係を検討した。
<PTENCSO測定方法>
PRENCSO量の測定は試験1記載の方法で行った。
その後、各抽出溶液に陰イオン交換樹脂(DEAE-650M)を前記抽出溶液の液量の1/5倍vol加え、LFSの吸着を行った。吸着操作後に陰イオン交換樹脂と、陰イオン交換樹脂に吸着されない溶液画分とを分離し、分離後の樹脂を5倍volの水で洗浄した後、樹脂の5倍volの500mMリン酸バッファー(pH5.0)を加えバッチ式で溶出させ、その上澄みを回収した。このようにして得た上澄みをLFS溶液とした。
LFS溶液中のLFSの活性量の比較を行い、浸漬溶媒と抽出LFSの活性量の関係を検討した。
<LFS活性測定方法>
LFSの活性量の測定は、LFS溶液を10〜100倍希釈したもの10μlに、250Unit/ml 精製アリイナーゼ溶液を40μl添加し、さらに20mg/ml 精製PRENCSO溶液20μlを添加して、酵素基質反応を開始させた。3分後に反応液1μlをHPLCへ注入し、催涙成分のピーク面積を測定した。HPLC条件はカラム:Pegasil ODS 4.6mmΦ×25cm (センシュウ科学) , 移動相:酸性水pH3.3とメタノールを7対3で混合したもの , 温度:35℃ , 検出波長:254nm , 流速:0.6ml/minで行った。保持時間は9.6分に検出された。
結果を図7に示す。図7の結果、浸漬溶媒としては、炭素数2以下のアルコールがアセトンよりも好ましいことが確認された。
試験8
室温でもPRENCSO溶液が安定な条件(図8)
市販のタマネギ3個のヘタ部分を厚みが0.5〜0.8センチになるように包丁で切った。切ったヘタ部分を適当なビニール袋に入れ、-80℃で30分間凍結処理を行った。凍結後、金づちで4センチ角程度の大きさになるように粉砕し、230ml容の蓋付き容器に30g量り取った。次に容器に30mlの50(v/v)%のエタノール水溶液を加え、タマネギ試料が浸った状態で、10℃の低温実験庫内で5時間の浸漬を行った。浸漬物をミキサーで粉砕した後、遠心分離 (4℃、12000rpm、10分間) し、得られた上澄みを抽出溶液として回収した。
回収した抽出溶液に液量の1/4倍volの100mMリン酸バッファー(pH6.5)を加え、塩濃度の調整を行った。その後、塩濃度の調整を行った抽出溶液に、20mMのリン酸バッファー(pH6.5)で平衡化した陰イオン交換樹脂(DE52:Cl-)を前記抽出溶液の液量の1/2倍vol加え、LFSの吸着を行った。吸着操作後に陰イオン交換樹脂と、陰イオン交換樹脂に吸着されない溶液画分とを分離し、分離後の樹脂に2倍volの水を加えバッチ式で洗浄した後、樹脂の2倍volの500mMリン酸バッファー(pH6.5)を加えバッチ式で樹脂からLFSを溶出させ、その上澄みを回収した。溶出操作は2度行った。このようにして得た上澄みはLFS溶液として回収し、下記試験9に用いる。
その後、陰イオン交換樹脂に吸着されない前記画分とLFSの溶出前に陰イオン交換樹脂を洗浄した水を適当な容器に集め、液量の1/4倍volの陽イオン交換樹脂(IR-120BH+)を加えてバッチ式でPRENCSOの吸着を行った。吸着操作後に陽イオン交換樹脂と、陽イオン交換樹脂に吸着されない溶液画分とを分離し、分離後の樹脂を2倍volで洗浄した後、樹脂に2倍volの水を加え、さらに濃アンモニア水を加えてpH8.5になるように調整することにより樹脂からPRENCSOを溶出させ、その上澄みを回収した。また回収後は直ちに1N塩酸でpH6.5へ中和した。溶出操作は2回行った。このようにして得られた溶液をPRENCSO溶液とした。
次にPRENCSO溶液が室温でも安定に保存できる条件の検討を行うため、以下の処理をPRENCSO溶液に行った。
(i) PRENCSO溶液に何の処理も行わない。
(ii) PRENCSO溶液をクリーンベンチ内で0.2μmの無菌フィルターで無菌濾過し、その後、PRENCSO溶液150μlに対して0.1N塩酸を10μlの割合で加えて溶液を酸性状態(pH3.0)にした。
(iii) PRENCSO溶液をクリーンベンチ内で0.2μmの無菌フィルターで無菌濾過した。
(iv) PRENCSO溶液150μlに対して0.1N塩酸を10μlの割合で加えて溶液を酸性状態(pH3.0)にした。
上記(i)〜(iv)の処理を行った各PRENCSO溶液を室温で2ヶ月間保存した後のPRENCSO量を測定することで、保存安定性を評価した。PRENCSO量の測定は試験1記載の方法で行った。結果を図8に示す。
その結果、PRENCSO溶液は酸性状態で保存することで室温でも安定に保存できることが確認された。
試験9
LFS溶液の室温での保存安定性(図9)
試験8で得られたLFS溶液を用いて、LFS溶液の室温での保存安定性の検討を行った。これまでに本発明者らは、LFSをアリイナーゼと混合して凍結乾燥することで、室温でも安定に保存できることを確認している。そこで、本実験でもLFSとアリイナーゼを混合して凍結乾燥する方法を試みた。
8×108 Peak area/μlのLFS溶液 4.5μlに別途ニンニクから抽出した150Unit/mlのアリイナーゼ粗抽出液(5mMリン酸バッファー in 10%スクロース、0.5%BSA、25μMピリドキサルリン酸)25μlを加えてエッペンチューブ内で混合した。この混合液を、6ミリ四方に切った吸水紙(ニップンテクノクラスタ社;イムノクロマト部材#470)に吸収させた後、大気圧下、-80℃で予備凍結した。凍結後、減圧下-10℃で凍結乾燥した。凍結乾燥後の吸水紙は500μlのエッペンチューブ内に入れて保存した。凍結乾燥後のLFSの活性量を100%として、室温で1, 2, 又は4週間保存した時の残存しているLFSの活性量(%)の確認を行った。
凍結乾燥後のLFSの活性量の測定は、はじめに凍結乾燥した吸水紙に50mMリン酸バッファー(pH6.5、25μMピリドキサルリン酸、10%グリセロール) 200μl加え、吸水紙からバッファー中へLFSを再溶解させた。その後、再溶解させたLFS溶液を20〜40倍希釈したもの10μlに、250Unit/ml 精製アリイナーゼ溶液を40μl添加し、さらに20mg/ml 精製PRENCSO溶液20μlを添加して、酵素基質反応を開始させた。3分後に反応液1μlをHPLCへ注入し、催涙成分のピーク面積を測定した。HPLC条件はカラム:Pegasil ODS 4.6mmΦ×25cm (センシュウ科学) , 移動相:酸性水pH3.3とメタノールを7対3で混合したもの , 温度:35℃ , 検出波長:254nm , 流速:0.6ml/minで行った。保持時間9.6分に検出された。結果を図9に示す。その結果LFSはアリイナーゼと混合して乾燥することで、室温で長期間活性を保持できることが示された。
<LFS溶液と混合して凍結乾燥したアリイナーゼ粗抽出液の調整方法>
まず、ミキサーのジョッキを冷蔵庫に入れて冷やしておく。また、低温遠心機にローターをセットし、温度を4℃にセットして冷却しておく。ニンニク片(100g)に等量のバッファー Aを加えて、ミキサーで粉砕する。氷上に置いたジョッキの口に二重にしたガーゼを輪ゴムでとめる。粉砕物をそのガーゼの上に流して、濾す。ろ液がある程度得られた後で、ガーゼ上の粉砕物をガーゼで包んで絞る。得られたろ液を12000rpmで10 分間 4℃で遠心分離する。遠心上清を回収する。回収した遠心上清を氷上に置いた状態で攪拌しつつ、pHをモニターしながら、酢酸を加えていき、pHを4.0にする。pHが4.0になったら、そのまま5min静置する。沈殿の出てきたサンプルを12000rpm×10min、4℃で遠心分離する。遠心ペレットを回収する(バッファー Aを使う)。
回収したペレットを50ml〜100mlにして(バッファー A)、そのまま、5℃で30min静置する。サンプルを12000rpmで10分間4℃で遠心分離する。1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて、回収した遠心上清のpHを6.5に調製する。これをアリイナーゼ粗抽出液とする。
今回はこのアリイナーゼ粗抽出液のバッファーを5mMリン酸バッファー(pH6.5、10%スクロース、0.5%BSA、25μMピリドキサルリン酸)に置換し用いた。バッファーの置換はEcono-Pac 10DG Column 30×10ml(BIO-RAD)を用い、マニュアルの推奨方法で行った。概要は元々カラムに入っている溶液をデカンテーションで捨てた後、カラムを5mMリン酸バッファー(pH6.5、10%スクロース、0.5%BSA、25μMピリドキサルリン酸) 20mlで平衡化した。その後、アリイナーゼ粗抽出液3mlをカラムにアプライした。その後、5mMリン酸バッファー(pH6.5、10%スクロース、0.5%BSA、25μMピリドキサルリン酸)でカラムからアリイナーゼを溶出し、アリイナーゼ粗抽出液(10%スクロース、0.5%BSA、25μMピリドキサルリン酸)として回収した。
試験10
実施例(図10)
880ml容の蓋付き容器に、包丁で4センチ角程度の大きさに切った市販のタマネギを200g量り取った。次に容器に200mlの50(v/v)%のエタノール水溶液を加え、タマネギ試料が浸った状態で、10℃の低温実験庫内で60時間浸漬を行った。浸漬物をミキサーで粉砕した後、遠心分離(4℃、12000rpm、10分間)し、得られた上澄みを抽出溶液として回収した。回収した抽出溶液に液量の1/4倍volの100mMリン酸バッファー(pH6.5)を加え、塩濃度の調整を行った。
その後、塩濃度の調整を行った抽出溶液に20mMのリン酸バッファー(pH6.5)で平衡化した陰イオン交換樹脂(DE52:Cl-)を前記抽出溶液の液量の1/2倍vol加え、LFSの吸着を行った。吸着操作後に陰イオン交換樹脂と、陰イオン交換樹脂に吸着されない溶液画分とを分離し、分離後の樹脂を2倍volの水で洗浄した後、樹脂の2倍volの500mMリン酸バッファー(pH6.5)を加えバッチ式で溶出させ、その上澄みを回収した。溶出操作は2度行った。このようにして得た上澄みをLFS溶液とした。
その後、陰イオン交換樹脂に吸着されない前記画分とLFSの溶出前に陰イオン交換樹脂を洗浄した水を適当な容器に集め、液量の1/4倍volの陽イオン交換樹脂(IR-120BH+)を加えてバッチ式でPRENCSOの吸着を行った。吸着操作後に陽イオン交換樹脂と、陽イオン交換樹脂に吸着されない溶液画分とを分離し、分離後の樹脂を2倍volで洗浄した後、樹脂に2倍volの水を加え、さらに濃アンモニア水を加えてpH8.5になるように調整することにより樹脂からPRENCSOを溶出させ、その上澄みを回収した。また回収後は直ちに1N塩酸でpH6.5へ中和した。溶出操作は2回行った。このようにして得られた溶液をPRENCSO溶液とした。
エタノール水溶液浸漬処理後の抽出溶液(イオン交換前上澄み)、LFS溶液(陰イオン交換吸着画分)、およびPRENCSO溶液(陽イオン交換吸着画分)のそれぞれについて、PRENCSOの量と、LFSの活性量を測定した。測定は試験1記載の手順により行った。
結果を図10に示す。その結果、LFS、PRENCSOを抽出、精製することが出来た。またそれぞれの回収率はイオン交換前の上澄みに対して、LFSは回収率80%、PRENCSOは回収率50%であった。
図1は本発明によるLFS及びPRENCSOの抽出工程を示す。 図2は浸漬に用いる水溶液のアルコール濃度とLFS活性及びPRENCSO量との関係を示す。 図3は浸漬時間とLFS活性及びPRENCSO量との関係を示す。 図4は凍結処理による浸漬時間の短縮効果を示す。 図5浸漬溶媒の種類とPRENCSOとLFSの回収率の関係を示す。 図6はプロパノールまたはアセトンの濃度と抽出効率の関係を示す。 図7は浸漬溶媒の種類と抽出PRENCSO量、LFSの活性量の関係を示す。 図8は酸性水溶液中ではPRENCSOは室温でも安定であることを示す。 図9は抽出されたLFSの室温での保存安定性を示す。 図10は本発明の方法による抽出物のLFS活性及びPRENCSO量を示す。

Claims (7)

  1. タマネギからLFS(催涙成分生成酵素)及びPRENCSO(S-1-プロペニル-システインスルフォキシド)を分離する方法であって、
    10(v/v)%以上70(v/v)%未満のアルコール、又は10(v/v)%以上50(v/v)%未満の水溶性有機溶媒(ただし、アルコールを除く)を含有する水溶液にタマネギを浸漬することにより、タマネギに含まれるアリイナーゼを失活させる浸漬工程、
    浸漬工程後の前記水溶液とともに前記タマネギを粉砕して、LFS及びPRENCSOを前記水溶液中に抽出する抽出工程、
    抽出工程後の前記水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させることにより陰イオン交換樹脂にLFSを吸着させ、次いで吸着されたLFSを分離するLFS分離工程、並びに
    LFS分離工程において陰イオン交換樹脂に吸着されない画分を陽イオン交換樹脂に接触させることにより陽イオン交換樹脂にPRENCSOを吸着させ、次いで吸着されたPRENCSOを分離するPRENCSO分離工程、を含むことを特徴とする前記方法。
  2. 浸漬工程に用いる水溶液が40〜60(v/v)%のアルコール、又は10(v/v)%以上50(v/v)%未満のアセトンを含有することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 浸漬工程においてタマネギの浸漬を24時間以上かけて行うことを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 浸漬工程に用いられるタマネギが予め凍結されたものであることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  5. 浸漬工程において予め凍結されたタマネギの浸漬を1時間以上かけて行うことを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. LFS分離工程で分離されたLFSをアリイナーゼと共に乾燥するLFS安定化工程を更に含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. PRENCSO分離工程で分離されたPRENCSOを酸性水溶液中に保持するPRENCSO安定化工程を更に含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
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