JP4971104B2 - 導電性ペーストとそれを用いた透光性電磁波シールド板の製造方法 - Google Patents
導電性ペーストとそれを用いた透光性電磁波シールド板の製造方法 Download PDFInfo
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Description
本発明の導電性ペーストは、バインダ樹脂、導電性粉末、ガラスフリット、および溶剤を含み、前記ガラスフリットとしては、あらかじめ黒色化されたガラスからなる黒色ガラスフリットのみを単独で用い、前記バインダ樹脂100質量部あたりの配合割合は、前記黒色ガラスフリットが5質量部以上、50質量部以下、導電性粉末が500質量部以上、2000質量部以下であり、単層の導電パターンを形成するために用いることを特徴とするものである。前記黒色ガラスフリットのもとになるガラスとしては、軟化点が400℃以上、620℃以下の範囲内にある種々のガラスが好適に使用される。
黒色ガラスフリットは、オフセット印刷法等による印刷適性に優れる上、微細な導電パターンを、細部まで良好に再現できる導電性ペーストを調製することや、導電性粉末同士、および導電性粉末と基板との間を良好に結着させて、導電性に優れた導電パターンを形成すること等を考慮すると、粒度分布の50%累積径D50が0.1μm以上、5μm以下、特に0.2μm以上、3μm以下であるのが好ましい。
前記バインダ樹脂としては、例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、ポリエステル−メラミン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ−メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。中でも、前記各特性に優れたポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エチルセルロース、特にポリエステル系樹脂が好ましい。さらに溶剤としては、前記バインダ樹脂を良好に溶解しうる、種々の溶剤が使用可能である。
本発明の透光性電磁波シールド板の製造方法は、前記本発明の導電性ペーストを、凹版オフセット印刷法によって、ガラス基板の表面に印刷する工程と、前記ガラス基板を高温で強化処理するのと同時に導電性ペーストを焼成して、前記ガラス基板の表面に導電パターンを形成する工程とを含むことを特徴とするものである。かかる本発明の製造方法によれば、ガラス基板の強化処理と同時に、導電性ペーストを焼成して導電パターンを形成できるため、前記各特性に優れた導電パターンを有する透光性電磁波シールド板を、できるだけ少ない工程で、より効率よく製造することが可能となる。
開口率(%)=Sk/(Sk+Ss)×100 (1)
で表される、開口率が50%以上、95%以下、特に60%以上、90%以下で、かつ、両表面積の比Sk/Ssが1以上、15以下、特に2以上、9以下であるのが好ましい。
(黒色ガラスフリットの作製)
溶融させたビスマス系ガラス中に、酸化コバルト5質量%、酸化銅15質量%、および酸化マンガン5質量%を溶かし込んで冷却し、粉砕したのち分級して、50%累積径D50=0.5μmの黒色ガラスフリットを作製した。
バインダ樹脂としてのアクリル樹脂(重量平均分子量Mw=100,000)100質量部と、導電性粉末としての鱗片状の銀粉末(50%累積径D50=0.5μm)900質量部と、前記黒色ガラスフリット15質量部と、溶剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート100質量部とを配合し、3本ロールを用いて混練して導電性ペーストを調製した。
基板としての、厚み2.8mmの強化処理前のソーダライムガラス板の片面に、前記導電性ペーストを、凹版オフセット印刷方法によって印刷したのち、ベルト式の電気炉を用いて、室温(15ないし35℃)から600℃まで3分間で加熱し、600℃で15分間、加熱を続けた後、室温(15ないし35℃)まで3分間で冷却して、基板を強化処理するのと同時に導電性ペーストを焼成して、透光性電磁波シールド板を製造した。
(黒色ガラスフリットの作製)
溶融させたビスマス系ガラス中に、酸化コバルト5質量%、酸化銅20質量%、および酸化マンガン5質量%を溶かし込んで冷却し、粉砕したのち分級して、50%累積径D50=1.0μmの黒色ガラスフリットを作製した。
バインダ樹脂としてのポリエステル−メラミン樹脂(重量平均分子量Mw=20,000)100質量部と、導電性粉末としての鱗片状の銀粉末(50%累積径D50=1.0μm)1200質量部と、前記黒色ガラスフリット20質量部と、溶剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート100質量部とを配合し、3本ロールを用いて混練して導電性ペーストを調製した。
基板としての、厚み2.8mmの強化処理前のソーダライムガラス板の片面に、前記導電性ペーストを、凹版オフセット印刷方法によって印刷したのち、バッチ式の電気炉を用いて、室温(15ないし35℃)から550℃まで3分間で加熱し、550℃で30分間、加熱を続けた後、室温(15ないし35℃)まで3分間で冷却して、基板を強化処理するのと同時に導電性ペーストを焼成して、透光性電磁波シールド板を製造した。凹版、およびブランケットとしては、実施例1で使用したのと同じものを用いた。印刷パターンの厚みは5μm、焼成後の導電パターンの厚みは3μmであった。
(導電性ペーストの調製)
バインダ樹脂としてのアクリル樹脂(重量平均分子量Mw=100,000)100質量部と、導電性粉末としての鱗片状の銀粉末(50%累積径D50=0.5μm)600質量部と、黒色化していないビスマス系ガラスからなるガラスフリット(50%累積径D50=0.5μm)20質量部と、焼成によって、黒色顔料としての酸化ニッケルとなるニッケル粉末(50%累積径D50=0.5μm)300質量部と、溶剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート100質量部とを配合し、3本ロールを用いて混練して導電性ペーストを調製した。
前記導電性ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、透光性電磁波シールド板を製造した。印刷パターンの厚みは5μm、焼成後の導電パターンの厚みは3μmであった。
《比較例2》
(導電性ペーストの調製)
バインダ樹脂としてのアクリル樹脂(重量平均分子量Mw=100,000)100質量部と、導電性粉末としての鱗片状の銀粉末(50%累積径D50=0.5μm)900質量部と、黒色顔料としてのカーボンブラック100質量部と、溶剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート300質量部とを配合し、3本ロールを用いて混練して導電性ペーストを調製した。
前記導電性ペーストを用いたこと以外は実施例1と同様にして、透光性電磁波シールド板を製造した。印刷パターンの厚みは5μm、焼成後の導電パターンの厚みは2μmであった。
《電磁波シールド効果の評価》
実施例、比較例で製造した透光性電磁波シールド板を、縦20cm×横20cmに切り出し、KEC法による電磁波シールド効果測定装置〔(社)関西電子工業振興センター〕のクローズセルに挟み、導電パターンを接地した状態で、電磁波の減衰率(dB)を測定した。測定周波数は0.1MHzから1GHzまでとし、周波数1GHzでの減衰率(dB)をもって指標として、下記の基準で、電磁波シールド効果を評価した。
○:50dB以上、60dB未満、シールド効果良好。
△:40dB以上、50dB未満、シールド効果やや不良。
×:40dB未満、シールド効果不良。
《可視光透過率の評価》
実施例、比較例で製造した透光性電磁波シールド板の、波長400nmから700nmまでの可視光の透過率を、分光光度計を用いて測定し、その最低値をもって指標として、下記の基準で、可視光透過率を評価した。
○:70%以上、80%未満、可視光透過率良好。
△:50%以上、70%未満、可視光透過率やや不良。
×:50%未満、可視光透過率不良。
《コントラストの評価》
実施例、比較例で製造した透光性電磁波シールド板の、ガラス基板側からの光学濃度(OD値)を測定し、その測定値をもって指標として、下記の基準で、ディスプレイ装置の表示の、前記電磁波シールド板を通して見た際に想定されるコントラストを評価した。
○:2以上、3未満、コントラスト良好。
△:1以上、2未満、コントラストやや不良。
×:1未満、コントラスト不良。
以上の結果を表1に示す。
Claims (4)
- バインダ樹脂、導電性粉末、ガラスフリット、および溶剤を含む導電性ペーストであって、前記ガラスフリットとしては、あらかじめ黒色化されたガラスからなる黒色ガラスフリットのみを単独で用い、前記バインダ樹脂100質量部あたりの配合割合は、前記黒色ガラスフリットが5質量部以上、50質量部以下、導電性粉末が500質量部以上、2000質量部以下であり、単層の導電パターンを形成するために用いることを特徴とする導電性ペースト。
- 黒色ガラスフリットを形成するガラスが、溶融させた前記ガラス中に、酸化コバルト、酸化銅、酸化クロム、酸化ニッケル、および酸化マンガンからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属酸化物を溶かし込むことによって黒色化されている請求項1に記載の導電性ペースト。
- 請求項1または2に記載の導電性ペーストを、凹版オフセット印刷法によって、ガラス基板の表面に印刷する工程と、前記ガラス基板を加熱して強化処理するのと同時に導電性ペーストを焼成して、前記ガラス基板の表面に導電パターンを形成する工程とを含むことを特徴とする透光性電磁波シールド板の製造方法。
- 形成した導電パターンの、ガラス基板と接する側と反対側の表面に、黒色めっき層を積層する工程を含む請求項3に記載の透光性電磁波シールド板の製造方法。
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