以下に、本発明の遊技機について、図面を用いて具体的に説明する。なお、以下の実施形態では、本発明の遊技機として、図柄を変動表示する3つの回転リールを備えた遊技機であって、コイン、メダルまたはトークンなどの他に、遊技者に付与されたカード等の遊技媒体を用いて遊技することが可能な遊技機、いわゆるパチスロ遊技機を用いて説明する。また、以下の実施形態では、パチスロ遊技機を例に挙げて説明するが、本願発明の遊技機は限定されることはなく、パチンコ機やスロットマシンであってもよい。
まず、図1及び図2を参照して、一実施形態に係る遊技機の概観について説明する。なお、図1は、本実施形態に係る遊技機1の斜視図であり、図2は、本実施形態における遊技機1のパネル表示部2a及び液晶表示部2bの正面図である。
遊技機1には、図1を示すように、リール3L、3C、3Rや後述の主制御回路71(図4参照)などを収容するキャビネット1aとキャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられる前面扉1bとが設けられている。
キャビネット1aの中央部正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aと液晶表示部2bが形成されている。キャビネット1aの中央部正面の内部(液晶表示部2bの背面)には、3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられている。3個のリール3L、3C、3Rには、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれている。各リール3L、3C、3Rの図柄は、図柄表示領域4L,4C,4Rを透過して視認できるようになっている。また、各リール3L、3C、3Rは、定速で回転(例えば80回転/分)するように後述の主制御回路71(図4参照)により制御され、リール3L、3C、3R上に描かれた図柄がリールの回転に伴って変動する。
なお、本実施形態のリール3L、3C、3R及び図柄表示領域4L、4C、4Rは、本発明の図柄表示手段を構成する。
一方、遊技機1には、リール3L、3C、3Rの回転が停止した際に、図柄表示領域4L、4C、4R内に表示された図柄に基づいて、入賞などの成否を判定する基準となる入賞ラインが設けられている。入賞ラインとしては、水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、並びに、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられている。
5本の入賞ライン8a〜8eは、基本的に、後述の1−BETボタン11、2−BETボタン12、最大BETボタン13を操作すること、あるいはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される(以下、有効化された入賞ラインを有効ラインという)。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a、9b、9cの点灯で表示される。後述の表示役の判定は、この有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて行われる。
パネル表示部2a及び液晶表示部2bの下方には略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の左側には、押しボタン操作により、クレジットされているメダルを賭けるための1−BETボタン11、2−BETボタン12、及び最大BETボタン13が設けられる。1−BETボタン11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚が投入される。2−BETボタン12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚が投入される。最大BETボタン13は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの3枚{即ち、単位遊技において投入することが可能な最大の投入枚数(以下、「最大投入枚数」という)}が投入される。これらのBETボタン11、12、13を操作することにより、前述の入賞ラインが有効化される。
台座部10の右側には、メダル投入口22が設けられている。メダル投入口22に投入されたメダルに応じて、前述の入賞ラインが有効化される。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット(Credit)/払出し(Pay)の切り換えを行うC/Pボタン14が設けられている。このC/Pボタン14に対する遊技者の操作によって払出モード又はクレジットモードの切り換えが行われる。クレジットモードでは、入賞が成立すると、入賞に対応する払出枚数分のメダルがクレジットされる。また、払出モードでは、入賞が成立すると、入賞に対応する払出枚数分のメダルが正面下部のメダル払出口15から払出され、このメダル払出口15から払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
メダル受け部16の上方の左右には、スピーカ21L、21Rが設けられている。スピーカ21L、21Rからは遊技の状況に応じた演出音や報知音などが出音される。
C/Pボタン14の右側には、開始操作により、リール3L、3C、3Rを回転させ、図柄表示領域4L、4C、4Rに表示された図柄の変動を開始するためのスタートレバー6が設けられている。
台座部10の前面部中央で、スタートレバー6の右側には、停止操作により3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン7L、7C、7Rが設けられている。ここで、3つのリール3L、3C、3Rの回転が行われているときに最初に行われるリールの回転の停止を第1停止といい、第1停止の次に行われ、2つのリールの回転が行われているときに2番目に行われるリールの回転の停止を第2停止といい、第2停止の次に行われ、残り1つのリールの回転が行われているときに最後に行われるリールの回転の停止を第3停止という。
前面扉1bの上部には、LED101、ランプ102が設けられている。LED101、ランプ102は、遊技の状況に応じた発光パターンで発光し、演出や報知が行われる。
パネル表示部2aは、図2に示すように、WINランプ17と、BETランプ9a〜9cと、払出枚数表示部18と、クレジット表示部19と、を有する。
WINランプ17は、遊技者にボーナスの作動に係る図柄の組合せが表示可能な状態(例えば、後述の持越状態)であることを、点灯することにより報知する。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、単位遊技(例えば、リールの回転の開始から、リールの回転が停止して遊技の結果が得られるまでの1回の遊技)を行うために投入されるメダルの枚数(即ち、投入枚数)に応じて点灯が行われる。1−BETランプ9aは、投入枚数が1枚で1本の入賞ライン8cが有効化されたときに点灯が行われる。2−BETランプ9bは、投入枚数が2枚で3本の入賞ライン8b、8c、8dが有効化されたときに点灯が行われる。最大BETランプ9cは、投入枚数が3枚ですべての入賞ライン8a〜8eが有効化されたときに点灯が行われる。
払出枚数表示部18及びクレジット表示部19は、夫々7セグメントLEDから成り、入賞成立時のメダルの払出枚数及び貯留(クレジット)されているメダルの枚数を表示する。
液晶表示部2bは、正面側から見てリール3L,3C,3Rの手前側に配設され、画像を表示すると共に、図柄表示領域4L、4C、4R(所定の領域)上に、リール3L,3C,3Rに表示された図柄を透過表示するものである。また、液晶表示部2bは、液晶表示装置5によって表示される各種の画像を表示する。液晶表示部2bの表示内容は、遊技機の遊技状態に応じて変化するようになっており、特に、本実施形態では、後述するように、遊技者の停止操作のみによって回転している各リール3L、3C、3Rを停止させる遊技状態であるMB遊技状態に移行した際に、特定のリールの図柄を停止表示することができない場合に、ストップボタン7L、7C、7Rから出力された停止信号を無効化する旨または当該停止信号を無効化している旨を示す所定の画像及び左リール3Lに上チリの図柄を表示させることができるタイミングでストップボタンを操作するように促す画像を表示する。
この液晶表示部2bは、図柄表示領域4L、4C、4Rと、窓枠表示領域24L、24C、24Rと、演出表示領域23と、を有し、本実施形態では、前記所定の領域を囲むように所定の形状からなる枠画像と、演出時に所定の画像又は画像における背景を構成する背景画像を含む画像を表示する。
次に、図3を参照して、リール3L、3C、3R上に配列された図柄列について説明する。図3は、本実施形態における遊技機1に用いるリール3L、3C、3Rを展開した展開図である。
各リール3L、3C、3Rの外周面上にはリールシートが装着され、リールシート上に複数種類の図柄が21個配列された図柄列が描かれている。具体的には、白7(図柄61)、赤7(図柄62)、上チリ(図柄63)、下チリ(図柄64)、スイカ(図柄65)、ベル(図柄66)、及びリプレイ(図柄67)の図柄で構成される図柄列が描かれている。
各リール3L、3C、3Rは、図柄列が図3の矢印方向に移動するように回転駆動される。また、各図柄には、各図柄の位置を特定するためのコードナンバー「00〜20」が予め定められ、データテーブルとして後で図4を参照して説明する主制御回路71のROM32に記憶されている。
次に、図4を参照して、主制御回路71、副制御回路72、主制御回路71又は副制御回路72に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を含む遊技機1の回路構成について説明する。なお、図4は、遊技機1の回路構成を示す図である。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、記憶手段であるROM32及びRAM33により構成されている。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。
乱数発生器36は、一定の範囲の乱数(例えば、0〜16383)を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの乱数値を抽出(サンプリング)する。また、遊技機1では、単位遊技において抽出した乱数値を後述のRAM33の乱数値記憶領域に記憶する。そして、毎回の単位遊技ごとにRAM33の乱数値記憶領域に記憶された乱数値を使用することにより、後述の確率抽選処理を行い、所定の情報(例えば、後述の内部当選役)の決定を行う。
なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ちメインCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、メインCPU31の処理に係るプログラム(例えば、後述の図7〜図15参照)、各種テーブル(例えば、後述の図6参照)、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)などが記憶されている。
RAM33には、メインCPU31の処理により得られる種々の情報がセットされる。例えば、抽出した各乱数値や、遊技状態や、払出枚数などを特定する情報がセットされている。これらの情報は、前述のコマンドにより副制御回路72に送信される。
図4の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ9a、9b、9c、WINランプ17、払出枚数表示部18、クレジット表示部19、ホッパー40、ステッピングモータ49L、49C、49Rなどがある。
なお、本実施形態のメインCPU31は、本発明の当選役決定手段、第1停止制御手段、第2停止制御手段、計時手段、抽選手段、遊技状態移行手段、及び、無効化手段を構成し、乱数発生器36及びサンプリング回路37は、本発明の当選役決定手段及び抽選手段を構成する。また、本実施形態のステッピングモータ49L、49C、49Rは、本発明の図柄変動手段、第1停止制御手段、及び、第2停止制御手段を構成する。
また、マイクロコンピュータ30の出力部には、メインCPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各アクチュエータの動作を制御するための各回路が接続されている。各回路としては、モータ駆動回路39、ランプ駆動回路45、表示部駆動回路48及びホッパー駆動回路41がある。
ランプ駆動回路45は、BETランプ9a、9b、9c及びWINランプ17を駆動制御する。これにより、BETランプ9a、9b、9c及びWINランプ17の点灯や消灯が行われる。
表示部駆動回路48は、払出枚数表示部18及びクレジット表示部19を駆動制御する。これにより、払出枚数表示部18及びクレジット表示部19に各種情報(クレジット数など)の表示が行われる。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40を駆動制御する。これにより、ホッパー40に収容されたメダルの払出が行われる。
モータ駆動回路39は、ステッピングモータ49L、49C、49Rを駆動制御する。これにより、リール3L、3C、3Rの回転や停止が行われる。
また、マイクロコンピュータ30の入力部には、前述の各回路及び各アクチュエータに制御信号を出力する契機となる入力信号を発生する各スイッチ及び各回路が接続されている。各スイッチ及び各回路としては、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7LS、7CS、7RS、1−BETスイッチ11S、2−BETスイッチ12S、最大BETスイッチ13S、C/Pスイッチ14S、メダルセンサ22S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。なお、本実施形態のスタートスイッチ6Sは、本発明の開始信号出力手段を構成し、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSは、本発明の停止信号出力手段を構成する。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6に対する遊技者の開始操作を検出し、単位遊技の開始を指令する開始信号をマイクロコンピュータ30に出力する。このとき、マイクロコンピュータ30は、自動停止を行うために、入力された開始信号に基づいて所定の時間(例えば、40秒)を計時する。
この自動停止とは、入力された開始信号に基づいて計時された所定の時間内に、後述するように、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSからの停止信号が検出されない場合に、マイクロコンピュータ30が、遊技者の停止操作に基づかずに、制御信号をモータ駆動制御回路39に出力することによって、リール3L、3C、3Rを停止制御することをいう。また、マイクロコンピュータ30は、この自動停止を行う場合には、有効ライン上に停止される図柄の組合せが、遊技者にとって最も不利な態様、すなわち、ハズレとなるように、リール3L、3C、3Rの回転の停止を指令する。
ストップスイッチ7LS、7CS、7RSは、それぞれストップボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の停止操作を検出し、検出したストップボタン7L、7C、7Rに対応するリール3L、3C、3Rの回転の停止を指令する停止信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
なお、本実施形態では、マイクロコンピュータ30において入力された停止信号が無効化されることによって、前述の自動停止が行われる。
BETスイッチ11S〜13Sは、夫々のBETボタンに対する遊技者の投入操作を検出し、クレジットされたメダルから、1枚、2枚又は3枚のメダルの投入を指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
C/Pスイッチ14Sは、C/Pボタン14に対する遊技者の切替操作を検出し、クレジットモード又は払出モードを切り換える信号をマイクロコンピュータ30に出力する。また、クレジットモードから払出モードに切り換えられた場合、遊技機1にクレジットされているメダルの払出しを指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
メダルセンサ22Sは、遊技者の投入操作によりメダル投入口22に投入されたメダルを検出し、メダルが投入されたことを示す信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
リール検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を検出し、各リール3L、3C、3R上の図柄の位置を検出するための信号を発生する。
払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sにより検出されたメダルの枚数(即ちホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数に達した際に、メダルの払出しが完了したことを示す信号を発生する。
副制御回路72は、後述するスタートコマンドなどの主制御回路71から出力された各種コマンドに基づいて演出内容の決定や実行などの各種の処理を行う。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
副制御回路72からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、液晶表示装置5、スピーカ21L、21R、LED101及びランプ102がある。副制御回路72は、決定した演出内容に基づいて、液晶表示装置5に表示する画像の決定とその表示、LED101やランプ102の点灯パターンの決定と出力、スピーカ21L、21Rから出音する演出音や効果音の決定と出力などを行う。
また、本実施形態の副制御回路72は、遊技機1の遊技状態に応じて各アクチュエータにおける演出を制御するようになっており、特に、本実施形態では、後述するように、遊技者の停止操作のみによって回転している各リール3L、3C、3Rを停止させる遊技状態であるMB遊技状態に移行した際に、特定のリールの図柄(例えば、上チリ)を停止表示することができない場合に、ストップボタン7L、7C、7Rから出力された停止信号を無効化する旨または無効化している旨を示す所定の画像を、LED101、ランプ102またはスピーカ21L、21Rと連動しつつ、液晶表示装置5に表示する。
なお、本実施形態の副制御回路72は、上述のMB遊技状態における演出制御については、液晶表示装置5など全てのアクチュエータに対して行う必要はなく、少なくとも何れか1のアクチュエータに対して行えばよい。
また、副制御回路72には、音量調節部103が接続されている。副制御回路72は、また、副制御回路72は、音量調節部103から出力される信号に基づいてスピーカ21L、21Rから出力される音量の調節を行う。
遊技機1では、メダルの投入を条件に、単位遊技の開始となるスタートスイッチ6Sから信号が出力されると、モータ駆動回路39に制御信号が出力され、ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動制御(例えば、各相への励磁など)によりリール3L、3C、3Rの回転が開始される。この際、ステッピングモータ49L、49C、49Rに出力されるパルスの数が計数され、その計数値はパルスカウンタとしてRAM33の所定の領域にセットされる。遊技機1では、16のパルスが出力されると、リール3L、3C、3Rが図柄1つ分移動する。移動した図柄の数は計数され、その計数値は図柄カウンタとしてRAM33の所定の領域にセットされる。つまり、パルスカウンタにより16のパルスが計数される毎に、図柄カウンタが1ずつ更新される。
また、リール3L、3C、3Rからは一回転毎にリールインデックスが得られ、リール位置検出回路50を介してメインCPU31に出力される。リールインデックスの出力により、RAM33にセットされているパルスカウンタや図柄カウンタが「0」にクリアされる。このようにして、各リール3L、3C、3Rについて1回転の範囲内における図柄位置を特定することとしている。
ここで、ROM32には、前述のリール3L、3C、3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)が、ROM32内に記憶されている。この図柄テーブルでは、前述のリールインデックスが出力される位置を基準として、各リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与される、00から20までのコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄の種類を識別する図柄コードとが対応づけられている。
また、スタートスイッチ6Sから開始信号が出力されると、乱数発生器36やサンプリング回路37により乱数値が抽出される。遊技機1では、この乱数値が抽出されると、RAM33の乱数値記憶領域に記憶される。そして、乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて後述の確率抽選処理が行われ、内部当選役が決定される。
リール3L、3C、3Rが定速回転に達した後、停止操作によりストップスイッチ7LS、7CS、7RSから停止信号が出力されると、出力された停止信号及び決定された内部当選役に基づいて、または、後述するように、MB遊技状態においては出力された停止信号のみに基づいて、リール3L、3C、3Rを停止制御する制御信号がモータ駆動回路39に出力される。モータ駆動回路39はステッピングモータ49L、49C、49Rを駆動制御し、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。
また、リール3L、3C、3Rが定速回転に達した後、所定の時間が経過すると(すなわち、後述の自動停止タイマが「0」に更新されると)、自動停止を行うため、停止操作に基づかずに、リール3L、3C、3Rを停止制御する制御信号がモータ駆動回路39に出力される。なお、この自動停止が行われる場合には、リール3L、3C、3Rを停止制御する制御信号は、有効ライン上に停止される図柄の組合せが、遊技者にとって最も不利なハズレとなるように、モータ駆動回路39に出力される。
具体的には、本実施形態では、リール3L、3C、3Rが停止制御される際に、後述のMB遊技状態を除き、遊技状態毎に、かつ、内部当選役毎に、停止操作により選択されるリール3L、3C、3Rの停止位置を決定するテーブル(以下、停止位置決定用テーブルという)がROM32に格納されている。リール3L、3C、3Rを停止制御する制御信号は、遊技状態及び決定された内部当選役に基づいて停止位置決定用テーブルが選択されるとともに当該選択された停止位置決定用テーブルと停止操作とに基づいて各リール3L、3C、3Rの所定の図柄を図柄表示領域4L、4C、4Rに表示されるように、モータ駆動回路39に出力される。
一方、遊技状態が後述のMB遊技状態の場合には、リール3L、3C、3Rを停止制御する制御信号は、停止操作のみ、すなわち、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSから出力される停止信号のみに基づいて、各リール3L、3C、3Rの所定の図柄を図柄表示領域4L、4C、4Rに表示されるように、モータ駆動回路39に出力される。すなわち、遊技機1は、遊技状態がMB遊技状態の場合には、遊技者の停止操作のみによってリール3L、3C、3Rを停止制御するようになっている。
例えば、本実施形態では、遊技状態が後述のMB遊技状態の場合には、停止操作によりストップスイッチ7LS、7CS、7RSから停止信号が出力された際の前述のセンターライン8C上に表示された図柄を当該センターライン8C上に停止表示するようになっている。
また、本実施形態では、遊技状態が当該MB遊技状態であって、例えば、左リールなど所定のリールについて特定の図柄を停止表示させることができなかった場合には、その後の他のリールを停止させるときに、自動停止を行うようになっており、この場合には、前述と同様に、開始信号が入力されてから所定の時間が計時するまで、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSから出力された停止信号が無効化され、停止操作に基づかずに、リール3L、3C、3Rを停止制御する制御信号がモータ駆動回路39に出力される。すなわち、本実施形態では、MB遊技状態においては、遊技者の停止操作に基づいて後述の上チリを入賞させることができない場合には、全てハズレが成立することとなる。
全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止すると、所定の位置(例えば、センターライン8c)に表示された図柄の組合せに基づいて表示役の検索処理が行われる。表示役の検索には、ROM32に記憶された表示役判定テーブル(図示せず)に基づいて行われる。この表示役判定テーブルでは、入賞に係る図柄の組合せと、対応する配当と、対応する判定コードとが設定されている。
表示役の検索により、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判別されると、ホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動によりメダルの払出しが行われる。この際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達すると、払出完了信号回路51によりメダル払出しの完了を示す信号が出力される。これにより、ホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動が停止される。
なお、C/Pスイッチ14Sにより、クレジットモードに切り換えられている場合には、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判別されると、入賞に係る図柄の組合せに応じた払出枚数をRAM33のクレジット数カウンタに加算する。また、表示部駆動回路48に制御信号が出力され、クレジット数カウンタの値がクレジット表示部19に表示される。ここで、入賞に係る図柄の組合せが表示された場合に行われる、メダルの払出し又はクレジットを総称して単に「払出し」という場合がある。
次に、図5を参照して、表示役との対応する図柄の組合せ及びその配当について説明する。なお、図5は、遊技機1の表示役と図柄の組合せと払出枚数との関係の例を示す図である。
遊技機1の表示役には、上チリ、下チリ、ベル、スイカ、リプレイ、BB(いわゆる「ビッグボーナス」)、MB、SRB(後述のBB中一般遊技状態において成立する可能性のあるRB(レギュラーボーナス))、及びハズレが設定されている。ここで、BB、MB、SRBは、「ボーナス」と総称され、上チリ、下チリ、ベル、スイカは、「小役」と総称される。
図5に示すように、上チリは、上チリ(図63)が左の図柄表示領域4Lの上段、中段または下段の何れかに表示されることにより成立する。これにより、上チリの入賞となり、1枚のメダルの払出しが行われる。
下チリは、下チリ(図64)が左の図柄表示領域4Lの上段、中段または下段の何れかに表示されることにより成立する。これにより、下チリの入賞となり、7枚のメダルの払出しが行われる。
ベルは、ベル(図柄66)が有効ラインに沿って3つ並んで表示されることにより成立する。これにより、ベルの入賞となり、15枚のメダルの払出しが行われる。
スイカは、スイカ(図柄65)が有効ラインに沿って3つ並んで表示されることにより成立する。これにより、スイカの入賞となり、8枚のメダルの払出しが行われる。
リプレイは、リプレイ(図柄67)が有効ラインに沿って3つ並んで表示されることにより成立する。これにより、次回の単位遊技において再遊技が行われる。即ち、リプレイが成立した単位遊技における投入枚数と同数のメダルが、次回の単位遊技において、遊技者による投入操作に基づかずに、自動的に投入される。これにより、遊技者はメダルを消費することなく次回の単位遊技を行うことができる。ここで、前述のメダルの払出しや再遊技は、遊技媒体を配当することの一例である。
BBは、白7(図柄61)が有効ラインに沿って3つ並んで表示されることにより成立する。BBが成立すると、BB遊技状態(より具体的には、BB中一般遊技状態)が作動する。
MBは、赤7(図柄62)が有効ラインに沿って3つ並んで表示されることにより成立する。MBが成立すると、MB遊技状態が作動する。
SRBは、リプレイ(図柄67)−リプレイ(図柄67)−ベル(図柄66)が有効ラインに沿って表示されることにより成立する。SRBが成立すると、RB遊技状態が作動する。
また、前述の上チリ、下チリ、ベル、スイカ、リプレイ、BB、MB、及びSRBに係る図柄の組合せ以外の図柄の組合せが表示されると、ハズレが成立する。
次に、図6を参照して、内部当選役を決定する際に使用する確率抽選テーブルについて説明する。なお、図6は、本実施形態の遊技機1の確率抽選テーブルの例を示す図である。
確率抽選テーブルには、一般遊技状態などの遊技状態毎に、決定される可能性のある内部当選役に割り当てられた乱数値範囲が規定されている。
まず、遊技機1に予め定められた遊技状態について説明する。遊技機1に予め定められた遊技状態には、一般遊技状態、持越状態、BB中一般遊技状態、RB遊技状態及びMB遊技状態がある。各遊技状態間の移行は、前述のROM32に記憶されたプログラムに従ってメインCPU31により行われる。
一般遊技状態またはBB中一般遊技状態において、ボーナスの作動に係る内部当選役が決定されると、遊技状態が持越状態に更新される。遊技機1では、ボーナスの作動に係る内部当選役が決定されると、ボーナスの作動に係る図柄の組合せが表示されるまでの間、ボーナスの作動に係る内部当選役を記憶する(一般に、「持ち越し」といい、記憶されている内部当選役を「持越役」という)。ボーナスの作動に係る内部当選役が記憶されている間、持越状態が継続する。BBの作動に係る内部当選役が持ち越されている持越状態はBB持越状態であり、RBの作動に係る内部当選役が持ち越されている持越状態はRB持越状態である。また、MBの作動に係る内部当選役が持ち越されている持越状態はMB持越状態である。
RB持越状態において、RBの作動に係る図柄の組合せが表示されると、RBが成立し、RB遊技状態が作動する。RB遊技状態では、他の内部当選役と比較して払出枚数が多い内部当選役(即ち、ベル)が決定される確率が他の遊技状態よりも高い。また、RB遊技状態は、RB遊技状態で行われた単位遊技の回数(以下、「RB遊技数」という)が12回に達するか、又は、入賞が成立した回数(以下、「入賞回数」という)が8回に達することにより終了する。なお、RB遊技状態は、第1種特別役物が作動している単位遊技によって構成される遊技状態である。
BB持越状態において、BBの作動に係る図柄の組合せが表示されると、BBが成立し、BB中一般遊技状態が作動する。BB中一般遊技状態では、SRB、すなわち、RBの作動に係る内部当選役が決定される確率が他の遊技状態よりも高く、RBが高確率で作動する可能性がある。ここで、BB中一般遊技状態とBB中一般遊技状態におけるRB遊技状態とからなる遊技状態をBB遊技状態という。BB遊技状態は、BB遊技状態において払出されたメダルの総数が所定数(例えば、465枚)に達することにより終了する。なお、BB遊技状態は、第1種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している単位遊技によって構成される遊技状態である。
MB持越状態において、MBの作動に係る図柄の組合せが表示されると、MBが成立し、MB遊技状態が作動する。MB遊技状態では、前述のように、遊技者における停止操作のみに基づいて内部当選役が決定されるため、各内部当選役の確率は定められておらず、グループ役(上チリ、下チリ、ベル、スイカ)に対して全ての乱数が含まれる。また、MB遊技状態は、MB遊技状態において払出されたメダルの総数が所定数(例えば、253枚)に達することにより終了する。なお、MB遊技状態は、第2種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している単位遊技によって構成される遊技状態である。
図6に示す確率抽選テーブルは、決定される可能性のある内部当選役として、上チリ、下チリ、ベル、スイカ、リプレイ、BB、MB、SRB及びハズレが設けられている。また、この確率抽選テーブルでは、前述のRAM33に記憶されている乱数値が読み出され、この乱数値記憶領域に記憶されていた乱数値が各確率抽選テーブルに規定された何れの乱数値範囲に属するかを判定することにより内部当選役が決定される。このため、規定された乱数値範囲が大きいほどその内部当選役の当選確率が高いことを示す。また、各内部当選役の当選確率は、割り当てられた乱数値範囲に含まれる全乱数値の個数を、発生される可能性のある全乱数値範囲「0〜16383」に含まれる全乱数値の個数である「16384」で除した値となる。
図6の(1)は、一般遊技状態用確率抽選テーブルを示す。一般遊技状態用確率抽選テーブルでは、内部当選役として、上チリ、下チリ、ベル、スイカ、リプレイ、BB、MB、又はハズレの何れかが決定される可能性がある。各内部当選役に定められた乱数値範囲及び当選確率は図示のとおりである。
図6の(2)は、持越状態用確率抽選テーブルを示す。持越状態用確率抽選テーブルでは、内部当選役として、上チリ、下チリ、ベル、スイカ、リプレイ、又はハズレの何れかが決定される可能性がある。各内部当選役に定められた乱数値範囲及び当選確率は図示のとおりである。持越状態では、ボーナスが決定されることはなく、ハズレ以外の内部当選役が決定される確率は、一般遊技状態用確率抽選テーブルと等しく設定されている。
図6の(3)は、BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを示す。BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでは、内部当選役として、上チリ、下チリ、ベル、スイカ、リプレイ、MB、SRB(RB)、又はハズレの何れかが決定される可能性がある。各内部当選役に定められた乱数値範囲及び当選確率は図示のとおりである。また、BB中一般遊技状態では、他の遊技状態よりも、SRBが決定される確率が高い。この結果、BB中一般遊技状態では、RB遊技状態を連続して作動させることが可能となる。
図6の(4)は、RB遊技状態用確率抽選テーブルを示す。RB遊技状態用確率抽選テーブルでは、内部当選役として、上チリ、下チリ、ベル、スイカ、又はハズレの何れかが決定される可能性がある。各内部当選役に定められた乱数値範囲及び当選確率は図示のとおりである。また、RB遊技状態では、他の遊技状態よりも、ベルが決定される確率が極めて高く、ハズレが決定される確率が極めて低い。また、RB遊技状態では、最大投入枚数が1枚に設定されているため、投入枚数に対する払出枚数の割合(いわゆるペイアウト率)を高くすることができる。したがって、RB遊技状態では、遊技者がメダルを獲得する機会を増加させることができるので、一般遊技状態や持越状態よりも遊技者にとって有利な遊技を行うことができる。
図6の(5)は、MB遊技状態用確率抽選テーブルを示す。MB遊技状態用確率抽選テーブルでは、グループ役(上チリ、下チリ、ベル、スイカ)が決定される可能性がある。すなわち、MB遊技状態では、前述のように、遊技者の操作のみによって各リール3L、3C、3Rのうち、1又は複数のリールの図柄が停止される。
次に、図7〜図15に示すフローチャートを参照して、主制御回路71のメインCPU31の制御動作について説明する。
まず、図7を参照して、主制御回路71のメインCPU31によるリセット割込処理について説明する。なお、図7は、本実施形態の主制御回路71で行われるメインCPU31によるリセット割込処理のフローチャートを示す図である。また、メインCPU31は、電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、リセット割込を発生させ、その割込の発生に基づいて、ROM32に記憶されたリセット割込処理を順次行うように構成されている。
初めに、メインCPU31は、電源が投入されると、初期化を行う(ステップS1)。
次に、メインCPU31は、ゲーム終了時の指定RAM領域のクリアを行う(ステップS2)。具体的には、メインCPU31は、前回の単位遊技に使用されたRAM33における書き込み可能領域のデータ消去、RAM33における書き込み可能領域への今回の単位遊技に必要なパラメータの書き込み、今回の単位遊技でのシーケンスプログラムへの開始アドレスの指定等を行う。
次に、メインCPU31は、メダル投入・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。まず、メダル投入チェック処理では、メインCPU31は、メダルセンサ22Sによりメダルの通過が検出されたか否か、BETスイッチ11S、12S、13Sがオンされたか否か、又は、リプレイ作動中フラグに基づいて前回の単位遊技でリプレイが成立したか否かを判別し、それぞれの判別結果に基づいて、メダルの投入処理を行う。具体的には、メインCPU31は、メダルセンサ22S、BETスイッチ11S、12S、13S又はリプレイ作動中フラグの判別結果に応じて、RAM33にセットされた投入枚数カウンタを更新する。リプレイ作動中フラグは、リプレイの成立の有無を識別する情報である。投入枚数カウンタは、今回の単位遊技における投入枚数を特定する情報である。
また、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値に応じて入賞ラインの有効化を行う。例えば、メインCPU31は、投入枚数カウンタが3であれば、全ての入賞ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて後述の表示役の検索処理を行う。続いて、ステップS3のスタートチェック処理では、メインCPU31は、メダルが投入されていること{例えば、投入枚数カウンタが1以上であること又は投入枚数カウンタが最大値3であること}を条件として、開始操作によりスタートスイッチ6Sがオンされたか否かを判別する処理を行う。
次に、メインCPU31は、ステップS3においてスタートスイッチ6Sがオンされたと判別すると、内部当選役を決定するための乱数値を抽出する(ステップS4)。具体的には、メインCPU31は、乱数発生器36とサンプリング回路37によって「0〜16383」の範囲から1つの乱数値を抽出し、抽出した乱数値を前述のRAM33の乱数値記憶領域に記憶する。
次に、メインCPU31は、後で図8を参照して説明する遊技状態監視処理を行う(ステップS5)。この遊技状態監視処理では、メインCPU31は、BB作動中フラグ、RB作動中フラグ、MB作動中フラグ又は持越役の情報に基づいて、今回の単位遊技における遊技状態を識別する情報をRAM33にセットする。具体的には、メインCPU31は、BB作動中フラグがオンであればBB中一般遊技状態をセットし、RB作動中フラグがオンであればRB遊技状態をセットし、MB作動中フラグがオンであればMB遊技状態をセットし、持越役がセットされていればBB持越状態、RB持越状態またはMB持越状態をセットし、これらの何れにも該当しなければ一般遊技状態をセットする。なお、この遊技状態の情報は、次の処理である確率抽選処理において、メインCPU31が内部当選役を決定する際に用いられる。
次に、メインCPU31は、後で図9を参照して説明する確率抽選処理を行う(ステップS6)。この確率抽選処理では、メインCPU31は、前述の確率抽選テーブル(図6参照)とRAM33に記憶された乱数値とに基づいて内部当選役を決定する。また、メインCPU31は、決定した内部当選役がBB、RBまたはMBであれば、このBB、RBまたはMBを持越役としてRAM33にセットする。さらに、メインCPU31は、内部当選役と持越役とに基づいて当選役を決定する。例えば、メインCPU31は、内部当選役としてベルが決定され、持越役としてBBがセットされていれば、ベルとBBを当選役として決定する。つまり、内部当選役と持越役はリール停止時の図柄の表示態様の決定にかかわる情報であり、これらを含めて「当選役」という。
次に、メインCPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS7)。スタートコマンドには、例えば、遊技状態、当選役、乱数値などの情報が含まれている。
次に、メインCPU31は、前回のリール3L、3C、3Rの回転開始から4.1秒が経過したか否かを判別する(ステップS8)。メインCPU31は、4.1秒が経過していないと判別したときには、ウェイト処理を行う(ステップS9)。このウェイト処理では、メインCPU31は、前回のリール3L、3C、3Rの回転開始から4.1秒が経過するまでの間、以降の処理を行わずに待機する処理を行う。
メインCPU31は、ステップS8において4.1秒が経過していると判別したとき、又は、ステップS9のウェイト処理を行ったときには、ゲーム監視用タイマをRAM33にセットする(ステップS10)。メインCPU31は、セットしたゲーム監視用タイマにより、前述の4.1秒の計時を行うとともに、前述したように、自動停止を行うために、所定の時間(例えば、40秒)の計時を開始する。
次に、メインCPU31は、全リールの回転開始を要求する(ステップS11)。例えば、メインCPU31は、RAM33にセットされた回転開始要求フラグをオンにするなどの処理を行う。全リールの回転開始を要求すると、リール3L、3C、3Rの回転開始処理及び加速制御処理が行われる。
次に、メインCPU31は、リール停止許可コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS12)。なお、リール停止許可コマンドには、回転されているリール3L、3C、3Rの停止が許可されている状態である情報が含まれる。
次に、メインCPU31は、後で図10を参照して説明する停止制御処理を行う(ステップS13)。この停止制御処理では、メインCPU31は、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSから出力された停止信号と遊技者における停止操作、すなわち、ストップボタンのオンに基づいて所定の停止位置決定用テーブルを参照しつつ、各リール3L、3C、3Rの図柄の表示停止を行う。特に、ステップS5における遊技状態監視処理においてMB遊技状態にセットされた場合であって、停止されるリールが第1停止で、かつ、第1停止が左リールでない場合、及び、停止されるリールが第1停止で、左リール3Lに特定の図柄が停止可能なタイミングでない場合に、開始信号が入力されてから所定の時間が計時するまで、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSから出力された停止信号を無効化し、回転されている残りの各リール3L、3C、3Rの自動停止をさせる処理(以下、「MB遊技状態中特殊停止処理」という)を行う。
次に、メインCPU31は、各リール3L、3C、3Rの各リールの図柄が表示停止されると、当該表示停止された図柄の組合せに基づいて表示役検索処理を行う(ステップS14)。この表示役検索処理では、メインCPU31は、有効ライン上に並んで表示された図柄のコードナンバーと表示判定テーブルに基づいて表示役を識別する。また、メインCPU31は、表示役を識別するための表示役フラグや、表示役に対応する払出枚数の情報をRAM33にセットする。例えば、センターライン8cにベル(図柄66)が並んで表示された場合では、メインCPU31は、表示役がベルであることを識別する表示役フラグや払出枚数が15枚であることを特定する払出枚数情報をセットする。
次に、メインCPU31は、表示役コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS15)。表示役コマンドには、リプレイの表示役など有効ライン8上に成立した表示役を特定する表示役フラグの情報などが含まれる。
次に、メインCPU31は、メダル払出処理を行う(ステップS16)。このメダル払出処理では、メインCPU31は、クレジットモードであれば、払出枚数情報に基づいてRAM33にセットされたクレジットカウンタを更新する。クレジットカウンタが更新されると、クレジット表示部19にクレジットカウンタの値を表示させる。また、メインCPU31は、払出しモードであれば、払出枚数情報に基づいてホッパー駆動回路41によりホッパー40を駆動制御してメダルの払出しを行う。また、メインCPU31は、表示役がリプレイであれば、リプレイ作動中フラグをオンにする。
次に、メインCPU31は、RAM33にセットされているMB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS17)。このとき、メインCPU31は、MB作動中フラグがオフであると判別したときには、ステップS19の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、MB作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図14を参照して説明するMB終了チェック処理を行う(ステップS18)。このMBチェック処理では、メインCPU31は、MB遊技状態中における終了処理を、当該終了処理の実行の可否の判別を含めて行うとともに、状況に応じてMB遊技数の更新を行う。そして、この処理が終了すると、メインCPU31は、ステップS2の処理に移行する。
次に、メインCPU31は、ステップS17の処理においてMB作動中フラグがオフであると判別したときには、RAM33にセットされているBB作動中フラグまたはRB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS19)。このとき、メインCPU31は、BB作動中フラグまたはRB作動中フラグがオフであると判別したときには、ステップS2の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、BB作動中フラグまたはRB作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図15を参照して説明するBB、RB終了チェック処理を行う(ステップS20)。このBB、RB終了チェック処理では、メインCPU31は、BB遊技状態中、または、RB遊技状態中における終了処理を、当該終了処理の実行の可否の判別を含めて行うとともに、状況に応じてRB遊技数及び入賞回数の更新、BB遊技状態における払出の更新、及び、RB遊技状態を作動させるRB作動時処理を行う。そして、この処理が終了すると、メインCPU31は、ステップS2の処理に移行する。
このように、メインCPU31は、ステップS2からステップS20までの処理を単位遊技における処理として実行し、ステップS18またはステップS20の処理が終了すると、次回の単位遊技における処理を実行すべく、ステップS2の処理に移る。
次に、図8を参照して、遊技状態監視処理について説明する。なお、図8は、本実施形態の主制御回路71で行われる遊技状態監視処理のフローチャートを示す図である。また、この遊技状態監視処理は、BB作動中フラグ、RB作動中フラグ及びMB作動中フラグに基づいて、今回の単位遊技における遊技状態を識別する情報(遊技状態識別子)がRAM33にセットされる処理である。
初めに、メインCPU31は、RAM33にセットされているBB作動中フラグ又はRB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS21)。メインCPU31は、BB作動中フラグがオンであると判別したときには、遊技状態をBB遊技状態、具体的には、BB中一般遊技状態にセットし、又は、RB作動中フラグがオンであると判別したときには、遊技状態をRB遊技状態にセットする(ステップS22)。この処理が終了すると、メインCPU31は、遊技状態監視処理を終了させ、図7のステップS6の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、ステップS21の処理において、BB作動中フラグ又はRB作動中フラグがオンでないと判別したときには、MB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS23)。メインCPU31は、MB作動中フラグがオンであると判別したときには、遊技状態をMB遊技状態にセットする(ステップS24)。この処理が終了すると、メインCPU31は、遊技状態監視処理を終了させ、図7のステップS6の処理に移行する。
他方、メインCPU31は、ステップS23の処理において、MB作動中フラグがオンでないと判別したときには、持越役がセットされているか否かを判別する(ステップS25)。メインCPU31は、持越役がセットされていると判別したときには、当該持越役に応じてBB持越状態、RB持越状態又はMB持越状態にセットする(ステップS26)。この処理が終了すると、メインCPU31は、遊技状態監視処理を終了させ、図7のステップS6の処理に移行する。
次に、メインCPU31は、ステップS25の処理において、持越役がセットされていないと判別したときには、遊技状態を一般遊技状態にセットする(ステップS27)。この処理が終了すると、メインCPU31は、遊技状態監視処理を終了させ、図7のステップS6の処理に移行する。
次に、図9を参照して、確率抽選処理について説明する。なお、図9は、本実施形態の主制御回路71で行われる確率抽選処理のフローチャートを示す図である。また、この確率抽選処理は、各遊技状態における内部当選役を決定し、内部当選役がBB、RB又はMBの場合に、持越役をセットする処理である。
初めに、メインCPU31は、RAM33にセットされている遊技状態を識別する識別情報(遊技状態識別子)を参照し、BB中一般遊技状態であるか否かを判別する(ステップS31)。メインCPU31は、BB中一般遊技状態であると判別したときには、BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル{図6の(3)参照}に基づいて内部当選役を決定する(ステップS32)。この処理が終了すると、メインCPU31は、ステップS40の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、ステップS31においてBB中一般遊技状態ではないと判別したときには、RB遊技状態であるか否かを判別する(ステップS33)。メインCPU31は、RB遊技状態であると判別したときには、RB遊技状態用確率抽選テーブル{図6の(4)参照}に基づいて内部当選役を決定する(ステップS34)。この処理が終了すると、メインCPU31は、ステップS40の処理に移行する。
他方、メインCPU31は、ステップS33においてRB遊技状態ではないと判別したときには、MB遊技状態であるか否かを判別する(ステップS35)。メインCPU31は、MB遊技状態であると判別したときには、MB遊技状態用確率抽選テーブル{図6の(5)参照}に基づいて内部当選役を決定する(ステップS36)。この処理が終了すると、メインCPU31は、ステップS40の処理に移行する。
次に、メインCPU31は、ステップS35においてMB遊技状態ではないと判別したときには、持越状態であるか否かを判別する(ステップS37)。メインCPU31は、持越状態であると判別したときには、持越状態用確率抽選テーブル{図6の(2)参照}に基づいて内部当選役を決定する(ステップS38)。この処理が終了すると、メインCPU31は、ステップS40の処理に移行する。
次に、メインCPU31は、ステップS37において持越状態ではないと判別したときには、一般遊技状態用確率抽選テーブル{図6の(1)参照}に基づいて内部当選役を決定する(ステップS38)。
次に、メインCPU31は、各遊技状態において内部当選役を決定したときには、決定した内部当選役がBB、RB又はMBの何れかであるか否かを判別する(ステップS40)。メインCPU31は、内部当選役はBB、RB又はMBの何れでもないと判別したときには、確率抽選処理を終了させ、図7のステップS7の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、ステップS38において決定した内部当選役がBB、RB又はMBの何れかであると判別したときには、決定した内部当選役に基づいて持越役をセットする(ステップS41)。具体的には、メインCPU31は、内部当選役がBB、RBまたはMBであればRAM33の持越役を格納する領域にBB、RBまたはMBを識別する識別情報(持越役識別子)をセットする。なお、BB一般遊技状態においてRBが決定された場合も持ち越すようになっている。この処理が終了すると、メインCPU31は、確率抽選処理を終了させ、図7のステップS7の処理に移行する。
次に、図10を参照して、停止制御処理について説明する。なお、図10は、本実施形態の主制御回路71で行われる停止制御処理のフローチャートを示す図である。また、この停止制御処理は、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSから出力された停止信号と遊技者における停止操作に基づいて所定の停止位置決定用テーブルを参照しつつ、各リール3L、3C、3Rの図柄の表示停止を行う処理である。特に、ステップS5における遊技状態監視処理においてMB遊技状態にセットされた場合であって、停止されるリールが第1停止で、かつ、第1停止が左リールでない場合、及び、停止されるリールが第1停止で、左リール3Lに特定の図柄が停止可能なタイミングでない場合に、開始信号が入力されてから所定の時間が計時するまで、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSから出力された停止信号を無効化し、回転されている残りの各リール3L、3C、3Rを自動停止させるMB遊技状態中特殊停止制御処理を行う。
初めに、メインCPU31は、遊技状態監視処理においてRAM33に格納された遊技状態を示す識別情報(遊技状態識別子)に基づいて、MB遊技状態であるか否かを判別する(ステップS101)。
メインCPU31は、ステップS101の処理において、遊技状態がMB遊技状態であると判別したときには、後で図11を参照して説明するMB遊技状態中特殊停止制御処理を行う(ステップS102)。このMB遊技状態中特殊停止制御処理は、MB遊技状態において、第1停止、第2停止、および、第3停止の停止種別と、停止対象となったリールの種別とを判別し、かつ、停止種別とリール種別が所定の条件に合致した場合には、例えば、第1停止であって左リールの場合には、停止操作が為されたリールの図柄のコードナンバーを判別し、当該判別結果に基づいて、開始信号が入力されてから所定の時間が計時するまで、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSから出力された停止信号を無効化する。なお、このMB遊技状態中特殊停止制御処理が終了すると、以下に説明するステップS107の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、ステップS101の処理において、MB遊技状態でないと判別したとき、有効なストップボタンがオンであるか否かを判別する(ステップS103)。具体的には、メインCPU31は、遊技者による停止操作に基づいて、回転中のリール3L、3C、3Rに対応するストップボタン7L、7C、7Rがオンとなったか否かを判別する。このとき、メインCPU31は、有効なストップボタンがオンであると判別したときには、ステップS107の処理に移行する。
次に、メインCPU31は、ステップS103の処理において、有効なストップスイッチがオンとされなかったと判別したときには、RAM33にセットされた自動停止タイマを参照し、自動停止タイマが「0」であるか否かを判別する(ステップS104)。メインCPU31は、自動停止タイマが「0」でないと判別したときには、前述のステップS101の処理に移行する。なお、メインCPU31は、ステップS101の処理を介して、有効なストップスイッチがオンされたか否かを判別する処理を繰り返す。
次に、メインCPU31は、ステップ104の処理において、自動停止タイマが「0」であると判別したときには、第3停止であるか否か、すなわち、3つのリールのうち、何れか2つのリールが既に停止され、残り1つのリールが回転している状態であるか否かを判別する(ステップS105)。メインCPU31は、第3停止でないと判別したときには、ステップS107の処理に移行する。
次に、メインCPU31は、ステップS105の処理において、第3停止であると判別したときには、後で図12を参照して説明する自動停止処理を行う(ステップS106)。この自動停止処理は、有効ライン上に停止される図柄の組合せが、遊技者にとって最も不利な態様であるハズレとなるように、リール3L、3C、3Rの回転の停止制御を行う。
次に、メインCPU31は、ステップS102のMB遊技状態中特殊停止制御処理が終了したとき、ステップS103の処理において、有効なストップボタンがオンであると判別したとき、ステップS105の処理において、第3停止でないと判別したとき、又は、ステップS106の自動停止処理を行ったときには、後で図13を参照して説明する滑りコマ数決定処理を行う(ステップS107)。この滑りコマ数決定処理は、自動停止フラグや内部当選役に基づいて滑りコマ数を決定し、決定した滑りコマ数をRAM33にセットされた滑りコマ数カウンタに設定する。なお、この滑りコマ数カウンタは、滑りコマ数を特定する情報であり、図柄1コマ分が回転することにより「1」減算される。
次に、メインCPU31は、リール停止コマンドを副制御回路72に送信する(ステップS108)。例えば、リール停止コマンドには、第1停止、第2停止、および、第3停止の停止種別と、遊技者の停止操作のみによって停止制御の対象となったリールの情報、例えば、左、中、右などのリールを識別する情報と、MB遊技状態中の場合には、停止されるリールの図柄のコードナンバーの情報とが含まれる。
なお、副制御回路72は、このリール停止コマンドを受信することによって、MB遊技状態中に、停止される所定のリールの図柄が特定の図柄であるか否かを判別し、当該停止される所定のリールの図柄が特定の図柄(例えば、上チリ)でないと判別すると、ストップボタン7L、7C、7Rから出力された停止信号を無効化する旨または無効化している旨を示す所定の画像及び左リール3Lに上チリの図柄を表示させることができるタイミングでストップボタンを操作するように促す画像を液晶表示装置5に表示させ、LED101およびランプ102における所定の点灯パターンの点灯制御、または、スピーカ21L、21Rに所定の効果音の出力制御を行う。
すなわち、副制御回路72は、図7のステップS7の処理においてスタートコマンドとして受信した遊技状態識別子と、ステップS108の処理によって送信され、受信したリール停止コマンドと、に基づいて、遊技状態がMB遊技状態であって、停止種別が第1停止であり、かつ、対象のリールの情報が左リールの場合に、停止されるリールの図柄のコードナンバーが所定のコードナンバー、例えば、上チリのコードナンバー「08」でないと判断すると、ストップボタン7L、7C、7Rから出力された停止信号を無効化する旨または無効化している旨を示す所定の画像を液晶表示装置5に表示させ、LED101、ランプ102およびスピーカ21L、21Rの点灯制御または出力制御を行う。
次に、メインCPU31は、滑りコマ数決定処理において決定された滑りコマ数分回転させるため当該対象リールにおける滑りコマ数分移動するまで待つ処理を行う(ステップS109)。
次に、メインCPU31は、対象とするリールの回転停止を要求する(ステップS110)。特に、メインCPU31は、自動停止フラグがオフであって、MB遊技状態のときには、後述の図11のステップS201の停止操作位置におけるリールの図柄を表示停止するように、また、ステップS106の処理または後で図11のMB遊技状態中停止制御処理におけるステップS206の処理において、自動停止フラグがオンになっているときには、遊技者にとって最も不利な態様であるハズレとなるように、自動停止処理の結果に基づいてリール3L、3C、3Rの回転を停止するよう回転停止を要求する。
なお、メインCPU31は、自動停止フラグがオフであって、MB遊技状態以外の場合には、停止操作位置に基づいて、図示しない停止位置決定用テーブルを参照しつつ、停止制御位置を決定し、当該停止制御位置にリールの図柄を表示停止するように、回転停止を要求する。また、例えば、メインCPU31は、RAM33にセットされているリール回転停止要求フラグをオンにするとともに、停止操作位置および停止位置決定用テーブルに基づいて決定された停止制御位置のコードナンバー、または、停止操作位置における決定された停止制御位置のコードナンバーの情報をRAM33にセットする。
次に、メインCPU31は、回転している全てのリール3L、3C、3Rが停止したか否かを判別する(ステップS111)。メインCPU31は、全てのリール3L、3C、3Rが停止していないと判別したときには、ステップS101の処理に移行し、未だ停止されていないリールに対して停止制御を行う。また、メインCPU31は、全てのリール3L、3C、3Rが停止されたと判別したときには、停止制御処理を終了させ、図7のステップS14の処理に移行する。
次に、図11を参照して、MB遊技状態中特殊停止制御処理について説明する。なお、図11は、本実施形態の主制御回路71で行われるMB遊技状態中特殊停止制御処理のフローチャートを示す図である。また、MB遊技状態中特殊停止制御処理は、MB遊技状態において、第1停止、第2停止、および、第3停止の停止種別と、停止対象となったリールの種別とを判別し、かつ、停止種別とリール種別が所定の条件に合致した場合には、例えば、第1停止であって左リールの場合には、停止操作が為されたリールの図柄のコードナンバーを判別し、当該判別結果に基づいて、開始信号が入力されてから所定の時間が計時するまで、ストップスイッチ7LS、7CS、7RSから出力された停止信号を無効化する。
初めに、メインCPU31は、ストップボタンがオンされたか否かを判別する(ステップS201)。具体的には、メインCPU31は、各ストップボタン7L、7C、7Rの何れかのボタンが押され、停止信号が出力されたか否かを判別する。また、メインCPU31は、何れかのストップボタンが押されたと判別したときには、ステップS202の処理に移行し、何れのストップボタンも押されなかったと判別したときには、ステップS205の処理に移行する。
次いで、メインCPU31は、ステップS201の処理において、何れかのストップボタンが押されたと判別したときには、ストップボタンが押された停止動作が第1停止であって、かつ、当該ストップボタンにおける停止対象となるリールが左リールであるか否かを判別する(ステップS202)。
このとき、メインCPU31は、ストップボタンが押された際の停止動作が第1停止であって、かつ、当該ストップボタンにおける停止対象となるリールが左リールであると判別したときには、ステップS201の処理にてストップボタンが押された際の停止制御位置がコードナンバー08における上チリであるか否かを判別する(ステップS203)。すなわち、ここの処理では、コードナンバー08から4コマ範囲内のコードナンバーが付されている図柄がセンターラインの位置に表示された際に、ストップボタンが操作されているかを判断している。ステップS203の処理において、メインCPU31は、停止制御位置におけるコードナンバーが08でないと判別したときには、ステップS204の処理に移行し、停止制御位置におけるコードナンバーが08であると判別したときには、MB遊技状態中特殊停止処理を終了して図10におけるステップS107の処理に戻る。
一方、メインCPU31は、ステップS202の処理において、ストップボタンが押され、停止対象となる第1停止のリールが左リールでないと判別したときには、または、ステップS203の処理において、停止操作位置におけるコードナンバーが08でないと判別したときには、特殊ウェイトを行う(ステップS204)。具体的には、メインCPU31は、各ストップスイッチ7LS、7CS、7RSの操作に基づいて出力される停止信号の入力を所定の時間、無効化する。
次いで、メインCPU31は、ステップS201の処理において、何れかのストップボタンが押されていないと判別したときには、または、ステップS204の処理において特殊ウェイトを行った場合には、RAM33にセットされた自動停止タイマを参照し、自動停止タイマが「0」であるか否かを判別する(ステップS205)。メインCPU31は、自動停止タイマが「0」でないと判別したときには、前述のステップS201の処理に移行する。
次に、メインCPU31は、ステップS205の処理において、自動停止タイマが「0」であると判別したときには、前述のステップS106と同様に、後で図12を参照して説明する自動停止処理を行う(ステップS206)。この自動停止処理は、有効ライン上に停止される図柄の組合せが、遊技者にとって最も不利な態様であるハズレとなるように、リール3L、3C、3Rの回転の停止制御を行う。また、メインCPU31は、この処理が終了すると、MB遊技状態中特殊停止制御処理を終了させ、図10のステップS107の処理に移行する。
次に、図12を参照して、自動停止処理について説明する。なお、図12は、本実施形態の主制御回路71で行われる自動停止処理のフローチャートを示す図である。また、この自動停止処理は、有効ライン上に停止される図柄の組合せが、遊技者にとって最も不利な態様であるハズレとなるように、リール3L、3C、3Rの回転の停止制御を行う処理である。
初めに、メインCPU31は、停止の対象となるリールが左リール3Lであるか否かを判別する(ステップS141)。
メインCPU31は、ステップS141の処理において停止の対象となるリールが左リールであると判別したときには、RAM33に表示役判定データとしてハズレをセットする(ステップS142)。この表示役判定データは、表示役が正常であるか否か(誤入賞があるか否かなど)を判定する際に参照する情報である。また、このステップS142の処理において、表示役判定データとしてハズレをセットすることにより、自動停止が行われた結果、ベルやスイカなど仮にハズレ以外の表示役が成立するようなことがあっても、その表示役が正常でないと判定することができる。
一方、メインCPU31は、ステップS141の処理において停止の対象となるリールが左リールでないと判別したときには、RAM33に表示役判定データとしてハズレ、上チリおよび下チリをセットする(ステップS143)。ここで、停止対象が左リール3Lでない場合に、表示役判定データとしてハズレの他に上チリおよび下チリをセットすることにしたのは、既に遊技者の停止操作により左リール3Lが停止した結果、左の図柄表示領域4L内に上チリ(図柄63)または下チリ(図柄64)が表示されている可能性があるためである。このようにすると、自動停止が行われても、左リール3Lが停止した結果、左の表示窓4Lに内に、上チリ(図柄63)または下チリ(図柄64)が表示されている場合には、上チリまたは下チリの表示役の成立が正常であると判定することができる。
次に、メインCPU31は、ステップS141の処理において表示役判定データにハズレをセットしたとき、ステップS142の処理において表示役判定データにハズレ、上チリおよび下チリをセットしたとき、または、後述するステップ147の処理において、全ての図柄をチェックしていないと判別したときには、所定の一の図柄の位置を取得し、表示役を予想する(ステップS144)。
具体的には、メインCPU31は、RAM33にセットされた図柄カウンタに基づいて、停止開始位置を特定する。また、メインCPU31は、第3停止時において当該自動停止処理を行っている際には、停止対象となっていないリールにおける有効ライン上に表示された図柄を特定し、特定された停止対象となっていない他のリールの図柄と、特定された停止対象となっているリールの停止開始位置とに基づいて、表示役の予想を行う。一方、メインCPU31は、MB遊技状態中特殊停止制御処理において、当該自動停止処理を行っている際には、停止対象となっていないリールにおいて既に停止されたリールの有効ライン上に表示された図柄を特定し、特定された停止対象となっていない他のリールの図柄と、特定された停止対象となっているリールの停止開始位置とに基づいて、表示役の予想を行う。
なお、メインCPU31は、ステップS147の処理において全ての図柄をチェックしていないと判別したときには、当該自動停止処理において未だ表示役の予想の対象になっていない図柄の位置を取得して当該表示役の予想を行う。
次に、メインCPU31は、予想された結果と表示役判定データとを比較する(ステップS145)。メインCPU31は、ステップ144の処理において予想した表示役と、ステップS142の処理またはステップS143の処理においてRAM33にセットした表示役判定データとを比較する。
次に、メインCPU31は、予想された結果と表示役判定データの比較結果に基づいて、ステップS144にて取得した図柄にて回転中のリールを停止することが可能であるか否かを判別する(ステップS146)。具体的には、メインCPU31は、予想した表示役が表示役判定データに含まれると判別したときには、ステップS144にて取得した図柄にて回転中のリールを停止することが可能であると判別し、予想した表示役が表示役判定データに含まれないと判別したときには、当該図柄にて回転中のリールを停止することが不可能であると判別する。例えば、メインCPU31は、表示役判定データがハズレであり、予想した表示役がハズレであれば、ステップS144にて取得した図柄にて回転中のリールを停止することが可能であると判別し、予想した表示役がハズレ以外であれば、当該図柄にて回転中のリールを停止することが不可能であると判別する。また、例えば、メインCPU31は、表示役判定データがハズレ、上チリおよび下チリであり、予想した表示役がハズレ、上チリまたは下チリであれば、ステップS144にて取得した図柄にて回転中のリールを停止することが可能であると判別し、予想した表示役がハズレ、上チリおよび下チリ以外であれば、当該図柄にて回転中のリールを停止することが不可能であると判別する。
メインCPU31は、ステップS146の処理においてステップS144にて取得した図柄にて回転中のリールを停止することが不可能であると判別したときには、全ての図柄をチェックしたか否かを判別する(ステップS147)。メインCPU31は、すべの図柄をチェックしていないと判別したときには、ステップS144の処理に移行し、全ての図柄をチェックしたと判別したときには、ステップS148の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、ステップS146の処理において、ステップS144にて取得した図柄にて回転中のリールを停止することが可能であると判別したとき、または、全ステップS147の処理において、全ての図柄をチェックしたと判別したときには、RAM33にセットされた自動停止フラグをオンにする(ステップS148)。この処理が終了すると、メインCPU31は、自動停止処理を終了させ、図10のステップS107または図11のMB遊技状態中特殊停止制御処理を終了し、図10のステップS107の処理に移行する。
次に、図13を参照して、滑りコマ数決定処理について説明する。なお、図13は、本実施形態の主制御回路71で行われる滑りコマ数決定処理のフローチャートを示す図である。また、この滑りコマ数決定処理は、自動停止フラグや内部当選役に基づいて滑りコマ数を決定し、決定した滑りコマ数をRAM33にセットされた滑りコマ数カウンタに設定する処理である。
初めに、メインCPU31は、RAM33にセットされた自動停止フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS151)。
メインCPU31は、ステップS151の処理において、自動停止フラグがオンでないと判別したときには、停止テーブルおよび内部当選役に基づいて滑りコマ数を決定する(ステップS152)。例えば、メインCPU31は、内部当選役としてベルが決定されている場合には、図示しないベル表示可能停止テーブルを参照して滑りコマ数を決定する。また、メインCPU31は、図10のステップ103の処理において有効なストップスイッチがオンであると判別したときであれば、図柄カウンタに基づいて、ストップスイッチから停止信号が出力された際の停止開始位置を特定し、滑りコマ数を決定する。そして、メインCPU31は、決定した滑りコマ数をRAM33の滑りコマ数カウンタにセットし、この処理が終了すると、滑りコマ数決定処理を終了させ、図10のステップS108の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、ステップS151の処理において、自動停止フラグがオンであると判別したときには、滑りコマ数として「0」を決定する(ステップS153)。メインCPU31は、RAM33の滑りコマ数カウンタに「0」をセットする。これにより、図柄の位置が更新されることを待たずに、図12の自動停止処理にて停止予想された停止開始位置で直ちにリールの回転を停止することとなる。また、メインCPU31は、この処理が終了すると、滑りコマ数決定処理を終了させ、図10のステップS108の処理に移行する。
次に、図14を参照して、MB終了チェック処理について説明する。なお、図14は、本実施形態の主制御回路71で行われるMB終了チェック処理のフローチャートを示す図である。また、このMB終了チェック処理は、MB遊技状態における払出の更新、及び、MB終了時処理を行う処理である。
初めに、メインCPU31は、MB遊技状態における払い出された払出枚数を更新する(ステップS45)。具体的には、メインCPU31は、図7におけるステップS16において払い出されたメダル数を、RAM33にセットされている払出枚数カウンタに加算する。
次に、メインCPU31は、払い出されたメダルの払出枚数に基づいてMB遊技状態を終了するか否かを判別する(ステップS46)。具体的には、メインCPU31は、現在のMB遊技状態において払い出された総合枚数が「253」を越えたか否かを判断する。また、メインCPU31は、MB遊技状態を終了しないと判別したときには、MB終了チェック処理を終了させ、図7のステップS2の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、MB遊技状態を終了すると判別したときには、MB終了時処理を行う(ステップS47)。MB終了時処理としては、メインCPU31は、MB作動中フラグをオフにし、MB遊技状態の終了を示すコマンドのセットなどの所定の処理を行う。この処理が終了すると、メインCPU31は、MB終了チェック処理を終了させ、図7のステップS2の処理に移行する。
次に、図15を参照して、BB、RB終了チェック処理について説明する。なお、図15は、本実施形態の主制御回路71で行われるBB、RB終了チェック処理のフローチャートを示す図である。また、このBB、RB終了チェック処理は、RB遊技数及び入賞回数の更新、BB遊技状態における払出の更新、BB遊技状態を終了させるBB終了時処理、RB遊技状態を終了させるRB終了時処理、及び、RB遊技状態を作動させるRB作動時処理を行う処理である。
初めに、メインCPU31は、RAM33にセットされているRB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS51)。このとき、メインCPU31は、RB作動中フラグがオフであると判別したときには、ステップS56の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、RB作動中フラグがオンであると判別したときには、RB遊技数及び入賞回数を更新する(ステップS52)。具体的には、メインCPU31は、RAM33にセットされているRB遊技数カウンタまたは入賞カウンタの値から「1」を減算する。
次に、メインCPU31は、ステップS52の処理において、RB遊技数及び入賞回数を更新すると、更新されたRB遊技数及び入賞回数に基づいて、RB遊技状態を終了するか否かを判別する(ステップS53)。具体的には、メインCPU31は、更新されたRB遊技数カウンタ及び入賞カウンタの値が「0」に更新されたか否かを判別する。また、メインCPU31は、RB遊技状態を終了しないと判別したときには、ステップS55の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、RB遊技状態を終了すると判別したときには、RB終了時処理を行う(ステップS54)。RB終了時処理としては、メインCPU31は、RB作動中フラグをオフにし、RB遊技状態の終了を示すコマンドのセットなどの所定の処理を行う。
次に、メインCPU31は、RAM33にセットされているBB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS55)。このとき、メインCPU31は、BB作動中フラグがオフであると判別したときには、メインCPU31は、BB、RB終了チェック処理を終了させ、図7のステップS2の処理に移行する。
次に、メインCPU31は、ステップS51の処理において、RB作動中フラグがオンでないと判別したときには、または、ステップS55の処理において、BB作動中フラグがオンであると判別したときには、BB遊技状態における払い出された払出枚数を更新する(ステップS56)。具体的には、メインCPU31は、図7におけるステップS16において払い出されたメダル数を、RAM33にセットされている払出枚数カウンタに加算する。
次に、メインCPU31は、払い出されたメダルの払出枚数に基づいてBB遊技状態を終了するか否かを判別する(ステップS57)。具体的には、メインCPU31は、現在のBB遊技状態において払い出された総合枚数が「465」を越えたか否かを判断する。また、メインCPU31は、BB遊技状態を終了しないと判別したときには、ステップS59の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、BB遊技状態を終了すると判別したときには、BB終了時処理を行う(ステップS58)。BB終了時処理としては、メインCPU31は、BB作動中フラグをオフにし、BB遊技状態の終了を示すコマンドのセットなどの所定の処理を行う。なお、このBB終了時処理には、RBの終了時処理も含まれる。また、この処理が終了すると、メインCPU31は、BB、RB終了チェック処理を終了させ、図7のステップS2の処理に移行する。
一方、メインCPU31は、ステップS57の判別でBB遊技状態の終了時でないと判別したときに、図9のステップS14にて識別された表示役がRBであるか否かを判別し(ステップS59)、表示役がRBでないと判別したときには、BB、RB終了チェック処理を終了させ、図7のステップS2の処理に移行する。
他方、メインCPU31は、表示役がRBであると判別したときには、RB作動時テーブルに基づいてRB作動時処理を行う(ステップS60)。RB作動時処理としては、メインCPU31は、持越役をクリアするとともに、RB作動中フラグをオンにし、RB遊技数カウンタに初期値として12の値をセットし、入賞カウンタに初期値として8の値をセットする。また、この処理が終了すると、メインCPU31は、BB、RB終了チェック処理を終了させ、図7のステップS2の処理に移行する。
以上本実施形態によれば、遊技機1は、ストップボタン7L、7C、7Rにより出力された信号を検出したことのみに基づいて図柄の変動を停止させるMB遊技状態において、第1停止にて左リール3Lが停止されたことによって表示された特定の図柄(上チリ(図柄63))が表示されなかった場合に、所定の時間が計時されるまでストップボタン7L、7C、7Rから出力された停止信号を無効化する。
したがって、本実施形態の遊技機1は、MB遊技状態にて第1停止のときの左リール3Lにて特定の図柄(例えば、上チリ)が表示されない場合には、所定の時間が計時されるまでストップボタン7L、7C、7Rから出力される停止信号が無効化されることにより、図柄の変動が遊技者にとって最も不利な態様、すなわち、ハズレにて停止することとなるので、当該MB遊技状態において、多くの配当を得るためには、遊技者にとっては特定の図柄を停止させるための操作、すなわち、遊技者の技量が必要となる。
この結果、本実施形態の遊技機1は、MB遊技状態において、一般遊技状態などにおける内部当選役と遊技者の停止操作の両方に基づいて各リール3L、3C、3Rの停止表示を行う遊技とは異なる遊技性を提供し、提供される遊技に変化を設けることができるとともに、遊技者が遊技に対する自己の技量も反映させることができるので、遊技に対する興趣性を向上させることができる。
また、本実施形態の遊技機は、ストップボタン7L、7C、7Rから出力された信号が無効化されていることを報知するので、例えば、上チリなどの特定の図柄を停止させるための情報又は演出を行うことにより、MB遊技状態において遊技者の操作が無効にされている場合であっても、遊技者に遊技を興趣させることができる。
なお、本実施形態では、MB遊技状態において、第1停止において停止される左リール3Lの図柄が上チリでない場合に、自動停止するまでの各ストップスイッチ7LS、7CS、7RSの操作に基づいて出力される停止信号を無効化することとし、当該無効化の判断の対象として、第1停止、左リール、および、上チリの図柄を用いているが、これに限らず、第3停止、中リール又下チリの図柄など、各ストップスイッチ7LS、7CS、7RSの操作に基づいて出力される停止信号を無効化する条件である停止される停止動作、対象リールまたは停止表示される図柄の条件を適宜変更してもよい。これにより、さまざまな図柄を停止操作のみによって停止させる必要があるので、目押しの技術を遊技に取り込むことができ、遊技者に対して興趣性を向上させることができる。
また、本実施形態では、MB遊技状態において、第1停止において停止される左リール3Lの図柄が上チリでない場合に、第2停止および第3停止において自動停止処理を行っているが、自動停止の対象となるリールを第3停止の場合にのみ自動停止を行うなど、自動停止処理の対象となるリール数は適宜変更可能である。この場合にも、前述の効果と同様の作用効果が奏される。
また、実施の形態では、パチスロ遊技機として例示したが、これに限定されず、他の遊技機にも本発明を適用することができる。さらに、前述の遊技機1での動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。これらの場合も前述した遊技機と同等の効果が得られる。