JP4969059B2 - 生産日程計画方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、生産設備の能力と製品の負荷とを比較して、追加生産可能性を検証するため、設備をグループ分けして、設備のグループ毎に負荷チェックを行うものが示されている。
しかしながら、特許文献1では、負荷チェックの効率はよくなるが、生産日程計画を立案するものではなく、上述の問題を解決するものではなかった。
以下、量産型の製品におけるフィーダ板金プレス加工工程をモデルにして、実施の形態1による生産日程計画方法について説明する。
本発明は、従来のフィーダ板金プレス工程においては、複数設備を用いた加工手順の組み合わせが無数に存在し、また生産当日の職場状況によって、生産順序や加工設備の変更を行うケースが多く、これらのものではうまく対応できないのに対処するため、複数の設備をグルーピングし、設備グループを単位として生産日程計画を行うことにより、設備のファクターを単純化し、生産状況に柔軟に対応できるようにしている。
図1において、フィーダ日程展開部1は、記憶装置に格納された組立中日程情報2、部品構成情報3、設備グループ(G)別TS情報4、設備グループ別カレンダー5などを参照して、主処理装置により、部品の生産日程を展開し、板金日程情報6を出力する。板金日程情報6から設備グループ別日程計画7を作成、出力し、これに基き、設備別時間割付8を手入力する手入力装置を有する。
ここで、設備グループ(G)別TS情報4は、部品毎、工程毎、設備グループ毎の生産能力(時間当りの生産量)である。また、設備グループ別カレンダー5は、設備グループ毎の稼動カレンダーであり、日単位にその日が休日かどうか、残業があるかどうか、夜勤があるかどうかの情報を保持している。現場では、設備グループ毎に勤務形態を変える必要があり、このため設備グループ毎のカレンダーをもつようにしている。
図2において、プレス毎に、プレス名、シリースタイプ、モデルシリース名、モデルタイプ、プレス設備のグルーピングを示すロットグルーピング、設備に投入されるロットサイズ、この設備を使うときのリードタイムが設定されている。ロットグルーピングでは、80〜160tプレスを一つのグループとし、200〜300tプレスを他のグループにしている。
図3は、この発明の実施の形態1による生産日程計画システムの日程展開処理の流れを示すフローチャートである。
図3において、ステップS1〜S4により、設備グループ別日程計画7が出力される。
図4(a)は、中日程情報を示す図、図4(b)は、部品構成情報を示す図、図4(c)は、部品毎の工程ルート情報を示す図、図4(d)は、部品展開イメージを示す図である。
図4(a)の中日程情報には、モデル毎の生産台数と組立日が示され、図4(b)の部品構成情報によりモデル毎の部品名(パネル)が示され、図4(c)の工程ルート情報は、パネル毎の工程と実施順位が示され、図4(d)の部品展開イメージでは、モデルとパネルと工程が示されている。
図6は、この発明の実施の形態1による生産日程計画システムのロットまとめ処理を示す図である。
図6において、AおよびBで示す部品(パネル)が、ロットまとめ可能なことを示している。
図8は、この発明の実施の形態1による生産日程計画システムの負荷平準化処理の前倒し処理を示すイメージ図である。
図9は、この発明の実施の形態1による生産日程計画システムの設備グループ別日程計画を示す図である。
図9において、部品毎に、生産する設備グループ(ライン)と生産日と生産数量が示されている。
まず、プレス設備のグルーピングについての考え方を説明する。プレス設備には、重量を基準として大物プレス機と小物プレス機に分類を行う。図2では、その分類結果をロットグルーピング欄に示している。
次に、プレス設備のグルーピングを用いた日程展開について説明する。
日程展開処理は、対象月の組立中日程計画から各モデルに必要な部品(パネル)を列挙し、それらの部品の生産工程毎(プレス設備のグループ)の着手日を求める処理である。生産工程は、部品毎に必要な工程があり、決められた順序で進んでいく。従って、各工程の計画は、組立日または次工程の着手日に間に合うように生産していかなければならない。これは、各部品の工程毎に持っているリードタイムを、次工程の着手日(最終工程の場合は組立日)からさかのぼって計算することで解消することができる。
また、工程によっては、一日の負荷がその日の負荷容量を超えないように調整する必要のある工程も存在する。これらの工程は、一日の負荷を超えた日の生産計画を、次工程の着手日から最大先行日(組立日からの着手先行可能日)までの間で、前日または後日にシフトしていき、一日の負荷を超えないようにする。
ステップS1は、中日程部品展開処理(第一の手順)であり、ステップS2は、日程割付処理(第二の手順)であり、ステップS3は、ロットまとめ処理(第三の手順)であり、ステップS4は、負荷平準化処理(第四の手順)であり、後倒し処理と前倒し処理を含む。これらの各処理については、以下に詳述する。このステップS1〜S4により、設備グループ別日程計画7が出力される。
中日程部品展開処理とは、組立中日程情報2に存在する各モデルの組立データを、必要な部品及び生産工程で展開し、読み込む処理である。ここで読み込んだデータを使用し、以降の処理を行う。
読み込むデータの内容は、必要なすべての情報であり、以後必要とされるデータの大半(一部例外はあります)は、ここでメモリ上に読み込まれる。モデルから部品、工程に展開されるイメージは図4に示すとおりである。
図4(a)の組立中日程情報から、モデル毎の生産台数と組立日が得られ、図4(b)の部品構成情報から、モデル毎の部品名(パネル)が得られ、図4(c)の工程ルート情報から、部品(パネル)毎の工程が得られ、これらに基き、図4(d)の部品展開イメージが得られる。この展開は、設備グループ別TS情報4を参照して行う。
日程割付処理とは、展開した部品情報に対して生産着手の基準日を算出する処理である。ここで算出する着手日を基準日という扱いにしているのは、工程によっては、この処理の後の処理で着手日が変更されるためである。基本的な考え方としては、部品(パネル)の生産が組立計画日に間に合うように、後ろの工程から各工程の着手日を、部品のリードタイムなどを使用し計算する。この日程割付には、設備グループ別カレンダー5が用いられる。
したがって、最初に処理されるのは、各部品の最終工程であり、組立計画日からリードタイム分さかのぼった日を着手日とする。それより前の工程は、次工程の着手日からリードタイムさかのぼった日を基準日としていく。そのイメージを図5に示す。
したがって、ある工程で処理される部品の中で、一つでも次工程の着手日が決まっていない部品が存在すると、この処理は完了しない。具体的な例を挙げると、「工程1」は、ほとんどの部品で最初の工程になっており、「工程1」の処理をするときには、すべての部品の次工程の着手日は決定している。しかし、「工程3」の場合は、図4(c)のように、「PANEL2」で「工程4」が次工程になっているが、「工程4」を処理するときには、「PANEL3」で「工程3」が次工程になっている。これではどちらの工程を先に処理することもできない。要するにこのような順序が存在する工程は、“ロットまとめ処理”や“負荷平準化処理”の日程調整はできないということになる。
逆から考えると、日程調整がある工程は、部品単位で工程順序が逆になるようなケースがあってはいけないということになる。また、割付け処理の順序も、日程調整がない工程を処理した後に、日程調整がある工程を処理するということになるため、日程調整がある工程は、各部品の先頭から連続している必要がある。
すべての部品に日程が割り付けられた後、同一日に割り付けられた部品の順序を決定する。この順序は、中日程情報の同一日に割付けられている機種の生産順にしたがって決定される。
図2のプレス(80/160)グループ、プレス(200/300)グループ各々について、日程割付後の日程に基づきロットまとめを行う。ロットまとめ処理とは、工程内で生産着手日が近接している同じ図面番号の部品を、まとめて生産できるように生産順を入れ替える処理のことである。
図6に示すように、部品毎にロットまとめ範囲(組立日)、最大ロットサイズが決まっており、その範囲内で、該当工程の着手日の早いものから順に、図面番号をキーにロットまとめを行っていく。この処理は、工程内のすべての部品を考慮する必要があるため、全部品の日程割付が済んでいることが前提になる。
また、図6で、Bで示す図面番号PANEL3については、ロットまとめ範囲4日(着手日1/5〜1/8)で、ロットまとめ後の数量600であり、最大ロットサイズ400を超えるため、まとめ不可である。このため、図6のBで示す最下段の部品を一つ減らして、再度ロットまとめを行う。これによれば、まとめ後の数量が300となり、最大ロットサイズ400以下であるため、ロットまとめ可能となる。
日程調整の必要のある工程に対しては、負荷の平準化処理を行う必要がある。負荷平準化処理は、日程割付処理、ロットまとめ処理で決定した日程で、一日の負荷を計算していき、一日の許容量を超えた日の負荷を、前日または翌日の近接日に振り分ける処理である。この一日の許容量の算出には、設備グループ別TS情報4および設備グループ別カレンダー5が用いられる。
このとき振り分けられる範囲は、最大先行日(組立日−最大先行日数)から次工程の着手日までの間で、その範囲を超えないように振り分けていく。前日に振り分けるのを「前倒し」、翌日に振り分けるのを「後倒し」とし、それぞれの詳細を以下に説明する。
図7は、後倒し処理のイメージを示している。図7では、1/5と1/7の8Hを超える負荷を、翌日に後倒しした様子が示されている。
後倒し処理で負荷を抑え切れなかった分を、今度は前日に振り分けていって一日の許容量内に抑える処理が前倒し処理である。前倒しの処理は、後倒しで振り分けられた部品から前日に振り分けていくので、後倒しの処理を戻していくようなイメージだが、前倒しできる範囲が最大先行日までなので、日程割付で割り付けた着手日より前の日まで振り分けることができ、結果的に後倒しで押さえ切れなかった分も、一日の許容量内に抑えることができるようになる。しかし、組立中日程計画があまりに多い場合などは、この処理の後も一日の許容量を超えた日が残る場合がある。
図8は、前倒し処理のイメージを示している。図8では、図7の処理結果8Hをはみ出した1/8の負荷を8H内に収まるように、前日の1/7に前倒しし、前日1/7でも8Hを超える分を、さらに前日1/6に前倒ししている。
図9の設備グループ別日程計画は、設備グループ毎の当日生産予定部品と数量を指示しており、最終的な加工設備への時間単位割付は、ホワイトボードを用いた人間が行う。
図9の設備グループ別日程計画表を用いて、毎朝、当日分の生産計画として設備別、時間別に生産部品の時間割付を行っていく。この時、記入者(現場のスーパバイザ)は、当朝の現場コンディション(昨日までの生産状況、設備状況、人員状況)や型換え時間などを考慮しながら、当日生産する部品の計画(生産設備と工程順序)を順次策定していく。
この策定された当日分の設備別、時間別の生産部品の時間割付は、現場ホワイトボードに記入される。
また、設備のグルーピングしたため、ロットまとめ処理しやすくなると共に、負荷平準化処理もしやすくする。
さらに、主処理装置の処理速度を早くすることができる。
2 組立中日程情報
3 部品構成情報
4 設備グループ別TS情報
5 設備グループ別カレンダー
6 板金日程情報
7 設備グループ別日程計画
8 設備別時間割付
Claims (3)
- モデルを構成する部品の生産工程に対応させ、各工程で利用できるように予め設備を属性によって分類した設備グループを形成し、モデルの組立日程を示す中日程情報に基き、モデルごとの部品構成を定義した部品構成情報及び部品ごとの工程を定義した工程ルート情報を参照して、上記設備グループへの部品生産の展開を行う第一の手順、
この第一の手順により展開された部品に対して生産着手の基準日を算出する第二の手順、
この第二の手順により生産着手の基準日が算出された部品について、工程内で生産着手日が近接している同じ部品をまとめて生産するように部品の生産順を入れ替えてロットまとめを行う第三の手順、
およびこの第三の手順の実行後に上記設備グループ毎の一日の負荷を計算し、この計算された負荷が上記設備グループの一日の許容量を超える日の負荷を近接日に振り分けて負荷の平準化を行う第四の手順を含み、
上記第四の手順の終了後に、設備グループごとの日別生産予定部品とその数量を含む設備グループ別日程計画を出力することを特徴とする生産日程計画方法。 - 上記設備グループ別日程計画に基き、当日の各設備別の時間割付を行う第五の手順を含むことを特徴とする請求項1記載の生産日程計画方法。
- 上記第四の手順は、上記設備グループの一日の許容量を超える日の負荷を翌日に振り分ける後倒し処理を行った後、上記設備グループの一日の許容量を超える日の負荷を前日に振り分ける前倒し処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の生産日程計画方法。
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