JP4968026B2 - パターン形成方法 - Google Patents

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本発明は、パターン形成方法に関する。更に詳しくは、本発明は、液浸露光法等により微細なレジストパターンを形成する際に、欠陥除去剤を用いることによって、現像欠陥を抑制できるパターン形成方法に関する。
半導体素子等を製造するのに際し、フォトマスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介して、フォトレジストが塗布されたウェハ上の各ショット領域に転写するステッパー型、又はステップアンドスキャン方式の投影露光装置が使用されている。
投影露光装置が備えられている投影光学系の解像度の理論限界値は、使用する露光波長が短く、投影光学系の開口数が大きいほど高くなる。そのため、集積回路の微細化に伴い投影露光装置で使用される放射線の波長である露光波長は年々短波長化しており、投影光学系の開口数も増大してきている。
このように、半導体素子の製造分野においては、従来、露光波長の短波長化、開口数の増大により集積回路の微細化要求に応えてきており、現在では露光光源としてArFエキシマレーザ(波長193.4nm)を用いた1L1S(1:1ラインアンドスペース)ハーフピッチ90nmノードの量産化が検討されている。しかしながら、更に微細化が進んだ次世代のハーフピッチ65nmノード或いは45nmノードについては、ArFエキシマレーザの使用のみによる達成は困難であるといわれている。そこで、これらの次世代技術については、Fエキシマレーザ(波長157nm)、EUV(波長13nm)等の短波長光源の使用が検討されている。しかしながら、これらの光源の使用については技術的難易度が高く、現状ではまだ使用が困難な状況にある。
ところで、上述の露光技術においては、露光されるウェハ表面にはフォトレジスト膜が形成されており、このフォトレジスト膜にパターンが転写される。従来の投影露光装置では、ウェハが配置される空間は屈折率が1の空気又は窒素で満たされている。
しかしながら、屈折率nの液体を投影露光装置のレンズとウェハの間に満たし、適当な光学系を設定することにより、解像度の限界値及び焦点深度を、それぞれ、n分の1及びn倍にすることが理論的に可能である。例えば、ArFエキシマレーザを露光光源とするプロセスで、レンズとウェハの間を満たす液体として水を使用する場合、波長193.4nmの光の水中での屈折率nは1.44であるから、空気又は窒素を媒体とする露光時と比較して、解像度が69.4%及び焦点深度が144%となる光学系の設計が理論上可能となる。
このように露光するための光の実効波長を短波長化し、より微細なパターンを転写できる投影露光方法を液浸露光といい、今後のリソグラフィの微細化、特に10nm単位のリソグラフィには必須の技術と考えられている(例えば、非特許文献1〜3等参照)。
Journal of Vacuum Science&Technology B、1999、第17巻、6号、3306−3309 Journal of Vacuum Science&Technology B、2001、第19巻、6号、2353−2356 Proceedings of SPIE、2002、第4691巻、459−465
このような技術の進歩により限界解像度が飛躍的に伸びてパターンが微細化されるに伴い、従来では現像の際における水等のリンス工程によって洗い流されていた現像欠陥(レジスト成分の溶け残り等)が、パターン間に留まってしまうおそれがあり、無視できなくなってきているのが現状である。
そのため、通常の露光方法或いは液浸露光方法において微細なパターンを形成する際に発生する現像欠陥を容易に除去可能なパターン形成方法が求められている。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、既存の材料及びプロセスを用いることができ、露光工程後に、欠陥除去剤を用いて処理することにより現像欠陥を抑制することができるパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
1.(1)基板上に、酸の作用によりアルカリ可溶性となる樹脂(a)、及び感放射線性酸発生剤(b)を含む感放射線性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、露光する工程と、(2)前記塗膜上に、欠陥除去剤を塗布して被覆層を形成する工程と、(3)現像する工程と、を備えるパターン形成方法であって、前記欠陥除去剤は、下記一般式(1−1)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(1−4)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種を含有する樹脂(A)と、溶剤(B)とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
Figure 0004968026
〔一般式(1−1)及び(1−4)において、Rは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、Rは、単結合、メチレン基、炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は2価の環状炭化水素基を示し、Aは単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基、又はオキシカルボニル基を表し、Bは単結合、メチレン基、炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は2価の環状炭化水素基を示す。〕
2.前記工程(1)と前記工程(2)の間に、現像により前記塗膜にパターンを付与する現像工程を備える前記1.に記載のパターン形成方法。
3.前記工程(2)と前記工程(3)の間に、加熱処理工程を備える前記.又は.に記載のパターン形成方法。
本発明のパターン形成方法によれば、露光工程後に、パターンが付与された塗膜若しくはパターンが付与される前の塗膜を、欠陥除去剤を用いて処理することによって、現像欠陥を除去若しくはその発生を抑制することができる。尚、塗膜にパターンを付与した後、その塗膜上に欠陥除去剤を用いて被覆層を形成し、この被覆層を現像する場合には、パターン上に発生する現像欠陥(レジスト成分の残渣等)と、被覆層における樹脂成分中の酸性官能基とが反応し、現像欠陥が現像液に溶解し易くなるため、被覆層を現像して除去する際に、現像欠陥も同時に除去されると考えられる。一方、現像によりパターンを付与する前に、感放射線性樹脂組成物を用いて形成された塗膜上に欠陥除去剤を用いて被覆層を形成し、塗膜及び被覆層を現像する場合には、塗膜の表面側が、被覆層における樹脂成分中の酸性官能基と反応し、現像液に対する溶解性がより向上するため、現像後における現像欠陥の発生が抑制されると考えられる。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。
[1]パターン形成方法
本発明のパターン形成方法は、(1)基板上に、酸の作用によりアルカリ可溶性となる樹脂(a)、及び感放射線性酸発生剤(b)を含む感放射線性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、露光する工程(以下、「工程(1)」という。)と、(2)前記塗膜上に、欠陥除去剤を塗布して被覆層を形成する工程(以下、「工程(2)」という。)と、(3)現像する工程(以下、「工程(3)」という。)と、を備えている。
<工程(1)>
前記工程(1)では、基板上に、感放射線性樹脂組成物が塗布されることによって塗膜(フォトレジスト膜)が形成された後、形成されたフォトレジスト膜の所用領域に、所定パターンのマスクを介して放射線を照射することによって露光が行われる。尚、前記「感放射線性樹脂組成物」については、後段において詳細を説明する。
前記基板としては、例えば、シリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等が挙げられる。尚、使用される基板上には、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すために、有機系或いは無機系の反射防止膜が形成されていてもよい。
この基板上への感放射線性樹脂組成物の塗布手段としては、例えば、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段が挙げられる。
また、前記工程(1)では、感放射線性樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、プレベーク(PB)することによって塗膜中の溶剤を揮発させてフォトレジスト膜を形成してもよい。このプレベークの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜選択されるが、加熱温度は通常、30〜200℃程度、好ましくは50〜150℃である。また、加熱時間は通常10〜300秒間、好ましくは30〜180秒間である。
尚、形成されるフォトレジスト膜の厚みは特に限定されないが、通常、10〜1000nmであり、好ましくは10〜500nmである。また、前記フォトレジスト膜上には、露光の際における酸発生剤等のフォトレジスト膜成分の溶出や溶解を防止するために、液浸用保護膜を形成しておいてもよい。
前記露光に使用される放射線としては、感放射線性樹脂組成物に含有される酸発生剤等の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等から適宜選定される。これらのなかでも、ArFエキシマレーザ(波長193nm)或いはKrFエキシマレーザー(波長248nm)で代表される遠紫外線が好ましい。
また、露光量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成等に応じて適宜選定される。
また、前記露光後には、アルキルアルコール類、アルキルエーテル類及び炭化水素類から選ばれる少なくとも一種を含有する有機溶剤等の洗浄液を用いることで、露光後の塗膜を洗浄してもよい。具体的には、例えば、液浸露光工程実施済の塗膜上に前記洗浄液を載せ、基板を回転させることにより、洗浄液と共に残留液浸用液体をスピンオフにより除去し、次いで回転を継続することで基板上を乾燥させる方法等が挙げられる。
この洗浄時間は、フォトレジスト膜の表面から液浸用液体を除去できる限り特に限定されないが、通常1〜300秒間であり、好ましくは5〜200秒間、より好ましくは5〜150秒間である。
更に、前記露光後には、加熱処理(PEB)を行うことが好ましい。この加熱処理により、樹脂成分中の酸解離性基の解離反応が円滑に進行させることができる。この加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜選択されるが、加熱温度は通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。また、加熱時間は通常10〜300秒間、好ましくは30〜180秒間である。
また、本発明のパターン形成方法は、前記工程(1)と後述の工程(2)の間に、現像により前記塗膜にパターンを付与する現像工程を備えていてもよい。
この現像工程を備えている場合には、前記工程(1)において露光された露光部を現像液を用いて現像することにより、フォトレジスト膜に所定のパターンが付与される。
前記現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。
尚、アルカリ性水溶液の濃度は、10質量%以下であることが好ましい。このアルカリ性水溶液の濃度が10質量%を超える場合には、所定領域以外も現像液に溶解するおそれがある。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、有機溶媒を添加することもできる。
前記有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、有機溶媒の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この有機溶媒の使用量が100容量%を超える場合、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
尚、現像液により現像した後は、一般的に、水等を用いてリンス洗浄した後、乾燥する工程が設けられる。
<工程(2)>
前記工程(2)では、前記塗膜上に、欠陥除去剤が塗布されることによって被覆層が形成される。尚、前記「欠陥除去剤」については、後段において詳細を説明する。
また、塗膜上への欠陥除去剤の塗布手段としては、例えば、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段が挙げられる。
前記被覆層の厚みは特に限定されないが、通常、1〜1000nmであり、好ましくは10〜100nmである。
また、本発明のパターン形成方法は、欠陥除去剤の効果をより増幅できるという観点から、前記工程(2)と後述の工程(3)の間に、加熱処理工程を備えていることが好ましい。本発明では、この加熱処理工程を設けることにより、パターンが付与された塗膜或いはパターンが付与される前の塗膜と、欠陥除去剤を用いて形成される被覆層との界面を十分に反応させることができ、現像液に対する溶解性をより向上させることができるため、欠陥除去剤の効果をより増幅できると考えられる。
前記加熱処理工程における加熱条件は、感放射線性樹脂組成物等の配合組成によって適宜選択されるが、通常30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
<工程(3)>
前記工程(3)では、現像液を用いることによって現像が行われる。
この際、露光後の塗膜にパターンが付与されている場合には、現像液により被覆層が除去されて、レジストパターンが形成される。この場合には、被覆層の除去に伴い、パターンが付与された塗膜上の溶け残り欠陥等の現像欠陥部を除去することができる。
一方、露光後の塗膜にパターンが付与されていない場合には、現像液により被覆層が除去されると共に、塗膜の所定領域が現像されて、レジストパターンが形成される。この場合には、溶け残り欠陥等の現像欠陥部の発生を十分に抑制することができる。
前記現像液については、前述の説明をそのまま適用することができる。尚、この工程(3)で用いられる現像液と、前記工程(1)と工程(2)の間における現像工程で用いられる現像液は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、前記工程(3)における現像後には、一般的に、水等を用いてリンス洗浄した後、乾燥する工程が設けられる。
また、本発明のパターン形成方法においては、現像欠陥の除去率を向上させるために、前記工程(2)及び工程(3)を2回以上繰り返し行ってもよい。即ち、一度、被覆層が除去されて得られたパターン上に、再度、欠陥除去剤を用いて被覆層を形成し、必要に応じて加熱処理を行った後、現像液により被覆層を除去して、パターンを形成することができる。
[2]欠陥除去剤
本発明のパターン形成方法における前記工程(2)で用いられる欠陥除去剤は、下記一般式(1−1)で表される繰り返し単位〔以下、「繰り返し単位(1−1)」ともいう。〕、及び下記一般式(1−4)で表される繰り返し単位〔以下、「繰り返し単位(1−4)」ともいう。〕のうちから選ばれる酸性官能基を有する繰り返し単位を少なくとも1種含有する樹脂(A)と、溶剤(B)とを含むものである。
Figure 0004968026
〔一般式(1−1)及び(1−4)において、Rは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、Rは、結合、メチレン基、炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は2価の環状炭化水素基を示し、Aは単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基、又はオキシカルボニル基を表し、Bは単結合、メチレン基、炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は2価の環状炭化水素基を示す。〕
前記一般式(1−1)におけるRは、単結合、メチレン基、炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は2価の環状炭化水素基であり、これらのなかでも、炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、2価の環状炭化水素基、アルキレングリコール基、又はアルキレンエステル基が好ましい。
前記一般式(1−1)における具体的なRとしては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の飽和鎖状炭化水素基;1,3−シクロブチレン基等のシクロブチレン基;1,3−シクロペンチレン基等のシクロペンチレン基;1,4−シクロヘキシレン基等のシクロヘキシレン基;単環式炭化水素環基;ノルボルニレン基;架橋環式炭化水素環基等が挙げられる。
前記単環式炭化水素環基としては、例えば、炭素数3〜10のシクロアルキレン基等が挙げられる。尚、このシクロアルキレン基の具体例としては、1,5−シクロオクチレン基等のシクロオクチレン基等が挙げられる。
また、前記ノルボルニレン基としては、例えば、1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基等が挙げられる。
更に、前記架橋環式炭化水素環基としては、例えば、2〜4環式の炭素数4〜30の炭化水素環基を挙げることができる。尚、2〜4環式の炭素数4〜30の炭化水素環基の具体例としては、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等のアダマンチレン基等が挙げられる。
また、前記一般式(1−1)のRにおける2価の有機基は、前述の官能基が結合したものであってもよい。例えば、2価の有機基が、その構造中に単環式炭化水素環基又は架橋環式炭化水素環基を有する場合には、その基の末端に、前記一般式(1−1)で表される繰り返し単位中のビストリフルオロメチル−ヒドロキシメチル基との間のスペーサーとして、炭素数1〜4の直鎖状のアルキレン基を結合させた構造とすることが好ましい。
特に、前記一般式(1−1)におけるRとしては、2,5−ノルボルニレン基を含む炭化水素基、1,2−エチレン基、プロピレン基が好ましい。
前記繰り返し単位(1−1)を与える好ましい単量体(ラジカル重合性単量体)としては、例えば、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ブチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸2−{[5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル}エステル、(メタ)アクリル酸3−{[8−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル}エステル等が挙げられる。尚、これらの単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(1−4)におけるAは単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基である。
また、一般式(1−4)におけるBは単結合、メチレン基、炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は2価の環状炭化水素基を示す。
前記一般式(1−4)における具体的なBとしては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の飽和鎖状炭化水素基;1,3−シクロブチレン基等のシクロブチレン基;1,3−シクロペンチレン基等のシクロペンチレン基;1,4−シクロヘキシレン基等のシクロヘキシレン基;単環式炭化水素環基;ノルボルニレン基;架橋環式炭化水素環基等が挙げられる。
前記単環式炭化水素環基としては、例えば、炭素数3〜10のシクロアルキレン基等が挙げられる。尚、このシクロアルキレン基の具体例としては、1,5−シクロオクチレン基等のシクロオクチレン基等が挙げられる。
また、前記ノルボルニレン基としては、例えば、1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基等が挙げられる。
更に、前記架橋環式炭化水素環基としては、例えば、2〜4環式の炭素数4〜30の炭化水素環基を挙げることができる。尚、2〜4環式の炭素数4〜30の炭化水素環基の具体例としては、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等のアダマンチレン基等が挙げられる。
また、前記繰り返し単位(1−4)を与える好ましい単量体(ラジカル重合性単量体)としては、例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、4−ビニル−1−ベンゼンスルホン酸が挙げられる。これらのスルホン酸単量体で、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸等が挙げられるこれらの単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂(A)は、前記繰り返し単位(1−1)及び(1−4)のなかでも、繰り返し単位(1−4)を少なくとも含有していることが好ましい。この繰り返し単位(1−4)を含有する場合には、アルカリ可溶性が不十分なために溶け残り欠陥を形成してしまう成分に、アルカリ可溶性を付与することができる。
また、前記樹脂(A)には、樹脂の分子量、ガラス転移点、溶媒への溶解性等を制御する目的で、前記繰り返し単位(1−1)及び(1−4)以外の他の繰り返し単位が含有されていてもよい。
前記他の繰り返し単位を与える単量体としては、前述のラジカル重合性単量体以外のラジカル重合性単量体や、酸解離性基含有単量体等が挙げられる。具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシ−ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−プロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−メチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−プロピル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−ブチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−プロピル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−ブチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル−1−メチルエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ−ルトルエン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ラジカル重合性単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合含有ラジカル重合性単量体;酢酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有ラジカル重合性単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ジメチルブタジエン等の共役ジオレフィン類等が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ニトリル基含有ラジカル重合性単量体、アミド結合含有ラジカル重合性単量体、水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。尚、これらの単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記他の繰り返し単位の含有割合は、樹脂(A)が含有する繰り返し単位全体を100モル%とした場合に、50モル%以下であることが好ましく、より好ましくは40モル%以下である。この他の繰り返し単位の含有割合が50モル%を超える場合には、現像液であるアルカリ水溶液への溶解性が低くなり、欠陥除去剤を用いてなる塗膜の除去ができず、現像後のレジストパターン上にその残渣が発生してしまうおそれがある。
また、前記樹脂(A)は、例えば、前述の各繰り返し単位を構成するための重合性不飽和単量体を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、また、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合させることにより調製することができる。
前記樹脂(A)を製造する際に用いられる重合溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル等のエステル類が挙げられる。これらのうち、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類等が好ましい。
前記樹脂(A)の重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう。)は、ゲルパーミエーションクロマト法ポリスチレン換算で通常2000〜100000であり、好ましくは2500〜50000、より好ましくは3000〜20000である。この樹脂(A)のMwが2000未満の場合、欠陥除去剤による均一な被覆層を形成できないおそれがある。一方、100000を超える場合、後述の溶剤(B)に対する十分な溶解性が得られないおそれがある。
また、樹脂(A)のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」ともいう。)との比(Mw/Mn)は、通常1〜5、好ましくは1〜3である。
前記樹脂(A)は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないほど好ましく、それにより、塗布性とアルカリ現像液への均一な溶解性を更に改善することができる。
また、樹脂の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。
尚、本発明における欠陥除去剤は、前記樹脂(A)を、1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
前記溶剤(B)は、フォトレジスト膜を溶解しない溶剤であれば特に限定するものではない。この溶剤としては、例えば、水、アルキルアルコール類、アルキルエーテル類、炭化水素類等が挙げられる。
前記アルキルアルコール類としては、例えば、1−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−プロパノール、ネオペンチルアルコール、tert−アミルアルコール、イソアミルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール等が挙げられる。これらのなかでも、n−ブタノール、2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール等が好ましい。
前記アルキルエーテル類としては、例えば、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、tert−ブチル−メチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、tert−ブチルプロピルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、シクロペンチルプロピルエーテル、シクロペンチル−2−プロピルエーテル、シクロヘキシルプロピルエーテル、シクロヘキシル−2−プロピルエーテル、シクロペンチルブチルエーテル、シクロペンチル−tert−ブチルエーテル、シクロヘキシルブチルエーテル、シクロヘキシル−tert−ブチルエーテル等が挙げられる。更には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類が挙げられる。これらのなかでも、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル等が好ましい。
前記炭化水素類としては、例えば、デカン、ドデカン、ウンデカン等の高級炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。これらのなかでも、デカン、トルエン等が好ましい。
尚、これらの溶剤(B)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、前記溶剤(B)が、アルキルアルコール類、アルキルエーテル類及び炭化水素類から選ばれる少なくとも一種を含有する有機溶剤である場合、この有機溶剤全量を100質量%とした際に、アルキルアルコール類、アルキルエーテル類及び炭化水素類の含有量の合計は、30〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは60〜100質量%である。この含有量が50〜100質量%である場合には、フォトレジスト膜にダメージを与えることがない。
また、前記欠陥除去剤には、得られる被覆層の現像液に対する溶解性を向上させる目的で、低分子化合物を含有させることができる。
この低分子化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表される酸性官能基を含有する化合物等が挙げられる。尚、この低分子化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
Figure 0004968026
〔一般式(2)において、Rは、互いに独立に、炭素数1〜10の直鎖状或いは分岐状のアルキル基、炭素数3〜10の脂環式アルキル基若しくはその誘導体、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基を示し、Zは炭素数4〜12の直鎖状、分岐状若しくは脂環式の炭化水素基又は置換基を有してよい芳香族炭化水素基を示し、mは0〜4の整数であり、nは1〜4の整数である。〕
一般式(2)で表される具体的な化合物としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、3−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、3−スルホサリチル酸、4−スルホサリチル酸、5−スルホサリチル酸、1−ナフチルスルホン酸、2−ナフチルスルホン酸、シクロヘキシルスルホン酸、2−ヒドロキシシクロヘキシルスルホン酸、3−ヒドロキシシクロヘキシルスルホン酸等が挙げられる。
また、前記欠陥除去剤には、本発明の効果を損なわない範囲内で、界面活性剤等の添加剤が含有されていてもよい。
前記欠陥除去剤としては、前記樹脂(A)等を、前記溶剤(B)中に、例えば、0.01〜1質量%(好ましくは0.01〜0.5質量%)の固形分濃度となるように溶解した後、例えば、孔径0.2μm程度のフィルターでろ過して調製したものを用いることが好ましい。
[3]感放射線性樹脂組成物
本発明のパターン形成方法における前記工程(1)で用いられる感放射線性樹脂組成物は、酸の作用によりアルカリ可溶性となる樹脂(a)〔以下、単に「樹脂(a)」ともいう。〕と、感放射線性酸発生剤(b)〔以下、単に「酸発生剤(b)」ともいう。〕と、を含む化学増幅型のポジ型又はネガ型の感放射線性樹脂組成物である。
前記樹脂(a)は、酸の作用によりアルカリ可溶性となるアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の樹脂である。尚、ここでいう「アルカリ不溶性又はアルカリ難溶性」とは、樹脂(a)を含有する樹脂組成物から形成されたフォトレジスト膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、このフォトレジスト膜の代わりに樹脂(a)のみを用いた被膜を現像した場合に、この被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。
また、前記樹脂(a)は、ラクトン骨格を主鎖或いは側鎖に有する繰り返し単位〔以下、「ラクトン骨格含有繰り返し単位」という。〕を含有することが好ましい。
このラクトン骨格含有繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(L−1)〜(L−6)等の基(側鎖)を有する繰り返し単位等が挙げられる。尚、このラクトン骨格含有繰り返し単位の主鎖骨格は、特に限定されるものではないが、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、又はα−トリフルオロアクリル酸エステル等の構造であることが好ましい。
Figure 0004968026
〔一般式(L−1)〜(L−6)の各式において、Rは水素原子又は炭素数1〜4の置換若しくは非置換のアルキル基を示し、Rは水素原子又はメトキシ基を示す。Aは単結合又はメチレン基を示し、Bは酸素原子又はメチレン基を示す。lは1〜3の整数を示し、mは0又は1である。〕
前記一般式(L−1)のRにおける、炭素数1〜4の置換若しくは非置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
尚、樹脂(a)には、前記ラクトン骨格含有繰り返し単位が1種のみ含有されていてもよいし、2種以上含有されていてもよい。
また、前記樹脂(a)は、下記一般式(3)で表される繰り返し単位〔以下、「繰り返し単位(3)」という。〕を更に含有していることが好ましい。
Figure 0004968026
〔一般式(3)において、Rは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R10は相互に独立に炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体、又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。尚、いずれか2つのR10が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成していてもよい。〕
尚、樹脂(a)には、前記繰り返し単位(3)が1種のみ含有されていてもよいし、2種以上含有されていてもよい。
また、前記樹脂(a)は、前記ラクトン骨格含有繰り返し単位及び繰り返し単位(3)以外にも、他の繰り返し単位を1種又は2種以上含有していてもよい。
前記樹脂(a)における前記ラクトン骨格含有繰り返し単位の含有割合は、樹脂(a)に含まれる全ての繰り返し単位の合計を100モル%とした場合に、10〜70モル%であることが好ましく、より好ましくは15〜65モル%、更に好ましくは20〜60モル%である。このラクトン骨格含有繰り返し単位の含有割合が10モル%未満では、レジストとして、アルカリ現像液に対する溶解性が低下して、現像欠陥の一因となったり、露光余裕が悪化するおそれがある。尚、「露光余裕」とは、露光量の変化に対する線幅の変動を示す。一方、この含有割合が70モル%を超えると、レジストの溶剤への溶解性が低くなり、解像度が低下したりするおそれがある。
また、前記繰り返し単位(3)の含有割合は、樹脂(a)に含まれる全ての繰り返し単位の合計を100モル%とした場合に、10〜90モル%であることが好ましく、より好ましくは10〜80モル%、更に好ましくは20〜70モル%である。この繰り返し単位(3)の含有割合が10モル%未満では、レジストとしての解像性が劣化するおそれがある。一方、この含有割合が90モル%を超えると、レジストの現像性が劣化するおそれがある。
更に、前記他の繰り返し単位の含有割合は、樹脂(a)に含まれる全ての繰り返し単位の合計を100モル%とした場合に、60モル%以下であることが好ましく、より好ましくは50モル%以下、更に好ましくは40モル%以下である。
また、前記樹脂(a)は、例えば、前述の各繰り返し単位を構成するための重合性不飽和単量体を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、また、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合させることにより調製することができる。
前記樹脂(a)の分子量は特に制限されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう。)が、1000〜100000であることが好ましく、より好ましくは1000〜30000、更に好ましくは1000〜20000である。この樹脂(a)のMwが1000未満であると、フォトレジスト膜を形成した場合に、その耐熱性が低下するおそれがある。一方、このMwが100000を超えると、フォトレジスト膜を形成した場合に、その現像性が低下するおそれがある。
また、前記樹脂(a)のMwと、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」ともいう。)との比(Mw/Mn)は、通常1〜5、好ましくは1〜3である。
また、前記樹脂(a)には、樹脂を調製する際に用いられる単量体に由来する低分子量成分が含まれることがある。この低分子量成分の含有量は、樹脂(a)100質量%(固形分換算)に対して、0.1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.07質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下である。この含有量が0.1質量%以下である場合、感放射線性樹脂組成物の保管時に組成物中に異物が発生することがなく、組成物塗布時においても塗布ムラが発生することなく、フォトレジストパターン形成時における欠陥の発生を十分に抑制することができる。更に、液浸露光時に接触する液浸用液体への溶出物の量を少なくすることができる。
前記低分子量成分とは、Mw500以下の成分とすることができ、具体的には、モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマーが挙げられる。この低分子量成分(Mw500以下の成分)は、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等により除去することができる。また、分析は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行うことができる。
また、前記樹脂(a)は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないものであることが好ましく、このような不純物を少なくすることにより、形成するフォトレジスト膜の感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等を更に改善することができる。
この樹脂(a)の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。
尚、本発明における感放射線性樹脂組成物は、前記樹脂(a)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
前記酸発生剤(b)は、露光により酸を発生するものであり、光酸発生剤として機能する。この酸発生剤(b)は、露光により発生した酸によって、感放射線性樹脂組成物に含まれる樹脂(a)中に存在する酸解離性基を解離させて(保護基を脱離させて)、樹脂(a)をアルカリ可溶性とする。そして、その結果、レジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、これによりポジ型のレジストパターンが形成される。
前記酸発生剤(b)としては、下記一般式(4)で表される化合物を含むものが好ましい。
Figure 0004968026
一般式(4)において、R11は水素原子、フッ素原子、水酸基、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭素数2〜11の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシカルボニル基を示す。
また、R12は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、アルコキシル基若しくは炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルカンスルホニル基を示す。
更に、R13は独立に炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換されていてもよいフェニル基或いは置換されていてもよいナフチル基を示すか、又は、2個のR13が互いに結合して、置換されていてもよい炭素数2〜10の2価の基を示す。kは0〜2の整数であり、rは0〜10の整数である。Xは式:RC2nSO 、RSO (式中、Rは、水素原子、フッ素原子、或いは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を示し、nは1〜10の整数である。)、下記一般式(5−1)又は(5−2)で表されるアニオンを示す。
Figure 0004968026
〔前記一般式(5−1)及び(5−2)において、R14は独立にフッ素原子を含有する炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示すか、或いは、2個のR14が互いに結合し、フッ素原子を含有しており且つ置換基を有していてもよい炭素数2〜10の2価の基を示す。R15は独立にフッ素原子を含有する炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。尚、いずれか2個のR15が互いに結合し、フッ素原子を含有しており且つ置換基を有していてもよい炭素数2〜10の2価の基を形成していてもよい。〕
尚、前記酸発生剤(b)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記酸発生剤(b)の配合量は、レジストとしての感度及び現像性、並びにレジスト膜から液浸用液体への溶出を抑制する(溶出抑制効果)観点から、樹脂(a)100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜10質量部である。上記配合量が0.1質量部未満であると、感度及び現像性が低下する傾向がある。一方、20質量部を超えると、放射線に対する透明性(放射線の透過性)が低下して、矩形(高解像度)のレジストパターンが得られ難くなり、溶出抑制効果が発揮され難くなる傾向がある。
また、前記感放射線性樹脂組成物には、溶剤が含有されていてもよい。
前記溶剤としては、直鎖状若しくは分岐状のケトン類、環状のケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等が好ましく用いられる。
これらの溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
前記感放射線性樹脂組成物としては、前記樹脂(a)等を、前記溶剤中に、例えば、1〜25質量%(好ましくは1〜20質量%)の固形分濃度となるように溶解した後、例えば、孔径0.2μm程度のフィルターでろ過して調製したものを用いることが好ましい。
また、前記感放射線性樹脂組成物には、酸拡散制御剤が含有されていてもよい。この酸拡散制御剤は、露光により酸発生剤から生じる酸のフォトレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する作用を有する成分である。このような酸拡散制御剤としては、例えば、3級アミン化合物、他のアミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、及びその他含窒素複素環化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この酸拡散制御剤の含有量は、樹脂(a)100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部、更に好ましくは0.05〜5質量部である。
また、前記感放射線性樹脂組成物には、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を更に改善する作用を示す成分である脂環族添加剤、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である界面活性剤、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すもので、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させる効果を有する増感剤等の各種の添加剤を必要に応じて含有させることができる。
更に、前記以外の添加剤としては、アルカリ可溶性樹脂、酸解離性の保護基を有する低分子のアルカリ溶解性制御剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。また、染料或いは顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
尚、前記感放射線性樹脂組成物としては、ArF用レジスト組成物やKrF用レジスト組成物等の市販されている感放射線性樹脂組成物を使用してもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
[1]欠陥除去剤の調製
(1−1)欠陥除去剤(I)の調製
(1−1−1)欠陥除去剤(I)用の樹脂の合成
<合成例1>
メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル46.95g(85モル%)と、開始剤〔2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル)〕6.91gとをイソプロパノール100gに溶解させた単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコにイソプロパノール50gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱した。滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を行い、ビニルスルホン酸3.05g(15モル%)のイソプロパノール溶液10gを30分かけて滴下し、その後、更に1時間反応を行った。次いで、30℃以下に冷却して、共重合液を得た。
得られた共重合液を150gに濃縮した後、分液漏斗に移した。この分液漏斗にメタノール50gとn−ヘキサン600gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。この下層液をイソプロパノールで希釈して100gとし、再度、分液漏斗に移した。メタノール50gとn−ヘキサン600gを前記分液漏斗に投入して、分離精製を実施し、分離後、下層液を回収した。回収した下層液を4−メチル−2−ペンタノールに置換し、全量を250gに調整した。調整後、水250gを加えて分離精製を実施し、分離後、上層液を回収した。回収した上層液は、4−メチル−2−ペンタノールに置換して樹脂溶液とした。尚、前記4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料(樹脂溶液)の固形分濃度は、前記樹脂溶液0.3gをアルミ皿に計量し、ホットプレート上で140℃×1時間の条件にて加熱した後、前記樹脂溶液の加熱前の質量と残渣(加熱後)の質量により算出した。この固形分濃度は、欠陥除去剤の調製と収率計算に利用した。
得られた樹脂溶液に含有されている共重合体は、Mwが9760、Mw/Mnが1.51であり、収率が65%であった。また、13C−NMR分析の結果、メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル、ビニルスルホン酸に由来する各繰り返し単位の含有割合は、95:5(モル%)であった。この共重合体を樹脂(A−1)とする。
(1−1−2)欠陥除去剤(I)の調製
前記樹脂(A−1)100部と溶剤(4−メチル−2−ペンタノール)2800部とを混合し、2時間撹拌した後、孔径200nmのフィルターでろ過することにより、固形分濃度4%の欠陥除去剤(I)を調製した。
尚、本実施例における、Mw、Mn、Mw/Mnの測定、及び13C-NMR分析は、下記の要領で行った。
<Mw及びMn>
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL:2本、G3000HXL:1本、G4000HXL:1本)を用い、流量:1.0ミリリットル/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。また、分散度Mw/Mnは測定結果より算出した。
<13C−NMR分析>
各重合体の13C−NMR分析は、日本電子(株)製「JNM−EX270」を用い、測定した。
(1−2)欠陥除去剤(II)の調製
(1−2−1)欠陥除去剤(II)用の樹脂の合成
<合成例2>
攪拌機、温度計、ヒーター、単量体添加用ポンプ及び窒素ガス導入装置を備えたステンレス製オートクレーブに、ブチルセロソルブ140部を仕込み、気相部を15分間窒素置換した後、内温を80°Cに昇温した。次いで、内温を80℃に保ちながら、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸10部、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート50部、メチルメタクリレート40部及び過酸化ベンゾイル2部からなる混合物を、3時間かけて連続的に添加した。添加終了後、85〜95℃で更に2時間反応させた後、25℃に冷却した。次いで、真空乾燥して溶剤を除去し、共重合体を得た。
得られた共重合体は、Mwが30000、Mw/Mnが2.5であり、収率が84%であった。また、13C−NMR分析の結果、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、メチルメタクリレートに由来する各繰り返し単位の含有割合は、10:51:39(モル%)であった。この共重合体を樹脂(A−2)とする。
(1−2−2)欠陥除去剤(II)の調製
前記樹脂(A−2)100部、及びパーフルオロオクタンスルホン酸50部と、溶剤(水)2800部とを混合し、2時間攪拌した後、孔径200nmのフィルターでろ過することにより、固形分濃度4%の欠陥除去剤(II)を調製した。
[2]感放射線性樹脂組成物の調製
(2−1)感放射線性樹脂組成物用の樹脂の合成
<合成例3>
下記化合物(M−1)53.93g(50モル%)、化合物(M−2)35.38g(40モル%)、及び化合物(M−)10.69g(10モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、更にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)5.58gを投入した単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三つ口フラスコに100gの2−ブタノンを投入し、30分窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら80℃になるように加熱した。滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始時を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷により30℃以下に冷却した。冷却後、2000gのメタノールに投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を、400gのメタノールにてスラリー状で2度洗浄した。その後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(74g、収率74%)。
得られた共重合体は、Mwが6900、Mw/Mnが1.70であり、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−3)に由来する各繰り返し単位の含有割合が、53.0:37.2:9.8(モル%)の共重合体であった。この共重合体を樹脂(a−1)とする。
Figure 0004968026
<合成例4>
下記化合物(M−1)47.54g(46モル%)、化合物(M−2)12.53g(15モル%)、及び化合物(M−4)39.93g(39モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、更に2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)4.08gを投入した単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた1000mlの三つ口フラスコに100gの2−ブタノンを投入し、30分窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら80℃になるように加熱した。滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始時を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷により30℃以下に冷却した。冷却後、2000gのメタノールに投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を、400gのメタノールにてスラリー状で2度洗浄した。その後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の共重合体を得た(73g、収率73%)。
得られた共重合体は、Mwが5700、Mw/Mnが1.70であり、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−4)に由来する各繰り返し単位の含有割合が、51.4:14.6:34.0(モル%)の共重合体であった。これを樹脂(a−2)とする。
Figure 0004968026
(2−2)感放射線性樹脂組成物の調製
表1に示す種類の(a)樹脂、(b)酸発生剤及び(c)酸拡散制御剤を、(d)溶剤中に、表1に示す割合で溶解させた。その後、この混合溶液を孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより、フォトレジスト膜形成用の感放射線性樹脂組成物を調製した。
Figure 0004968026
ここで、表1に記載の(b)酸発生剤、(c)酸拡散制御剤及び(d)溶剤の各詳細を説明する。
<(b)酸発生剤>
(b−1):トリフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(b−2):1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
<(c)酸拡散制御剤>
(c−1):R−(+)−(tert−ブトキシカルボニル)−2−ピペリジンメタノール
<(d)溶剤>
(d−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(d−2):シクロヘキサノン
[3]ブロッブ欠陥の評価方法及びその結果
<比較対象(比較例1)>
「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン社製)を用いて、予め準備したSOG基板上に、前述のように調製した感放射線性樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレート上にて、90℃×60秒の条件でPBを行い、膜厚120nmの塗膜を形成した。
次いで、ArF投影露光装置(型番「S306C」、ニコン社製)を使用し、NA:0.78、シグマ:0.85の光学条件にて露光した。その後、商品名「CLEAN TRACK ACT8」のホットプレートを使用して、PEB(加熱条件:115℃×60秒)を行った後、LDノズルにてパドル現像(現像液:2.38%TMAH水溶液)を30秒間行った。次いで、超純水にてリンスした後、4000rpmで15秒間振り切ることによってスピンドライした。
このようにして得られた基板について、欠陥検査装置「KLA2351」(KLAテンコール社製)を用いてブロッブ欠陥数の測定を行い、その結果を表2に示す。
<実施例1〜2及び参考例1
「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン社製)を用いて、予め準備したSOG基板上に、前述のように調製した感放射線性樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレート上にて、90℃×60秒の条件でPBを行い、膜厚120nmの塗膜を形成した。
次いで、ArF投影露光装置(型番「S306C」、ニコン社製)を使用し、NA:0.78、シグマ:0.85の光学条件にて露光した。その後、商品名「CLEAN TRACK ACT8」のホットプレートを使用して、PEB(加熱条件:115℃×60秒)を行った後、LDノズルにてパドル現像(現像液:2.38%TMAH水溶液)を30秒間行った。次いで、超純水にてリンスした後、4000rpmで15秒間振り切ることによってスピンドライした。
その後、現像後の塗膜上に、表2に示す種類の欠陥除去剤をスピンコートすることにより被覆層を形成した後、商品名「CLEAN TRACK ACT8」のホットプレートを使用して、表2に示す条件にて加熱処理を行った(尚、この加熱処理は、実施例2及び参考例1のみ行った)。次いで、LDノズルにてパドル現像(現像液:2.38%TMAH水溶液)を30秒間行った。その後、超純水にてリンスし、4000rpmで15秒間振り切ることによってスピンドライした。
このようにして得られた基板について、欠陥検査装置「KLA2351」(KLAテンコール社製)を用いてブロッブ欠陥数の測定を行い、その結果を表2に示す。尚、このブロッブ欠陥数が、前記比較対象の半分以下となった場合を「○」とし、半分以下とならなかった場合を「×」とした。
Figure 0004968026

Claims (3)

  1. (1)基板上に、酸の作用によりアルカリ可溶性となる樹脂(a)、及び感放射線性酸発生剤(b)を含む感放射線性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、露光する工程と、
    (2)前記塗膜上に、欠陥除去剤を塗布して被覆層を形成する工程と、
    (3)現像する工程と、を備えるパターン形成方法であって、
    前記欠陥除去剤は、下記一般式(1−1)で表される繰り返し単位、及び下記一般式(1−4)で表される繰り返し単位のうちの少なくとも1種を含有する樹脂(A)と、溶剤(B)とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
    Figure 0004968026
    〔一般式(1−1)及び(1−4)において、Rは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示し、Rは、単結合、メチレン基、炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は2価の環状炭化水素基を示し、Aは単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基、又はオキシカルボニル基を表し、Bは単結合、メチレン基、炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は2価の環状炭化水素基を示す。〕
  2. 前記工程(1)と前記工程(2)の間に、現像により前記塗膜にパターンを付与する現像工程を備える請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記工程(2)と前記工程(3)の間に、加熱処理工程を備える請求項又はに記載のパターン形成方法。
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