JP4600112B2 - 液浸用上層膜形成組成物およびフォトレジストパターン形成方法 - Google Patents

液浸用上層膜形成組成物およびフォトレジストパターン形成方法 Download PDF

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本発明は、リソグラフィーの微細化のために使用される液浸露光時にフォトレジスト膜の保護と、フォトレジスト膜成分の溶出を抑え投影露光装置のレンズを保護する上層膜を形成するのに有用な液浸用上層膜形成組成物および該上層膜を用いるフォトレジストパターン形成方法に関する。
半導体素子等を製造するに際し、フォトマスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介して、フォトレジストが塗布されたウェハ上の各ショット領域に転写するステッパー型、またはステップアンドスキャン方式の投影露光装置が使用されている。
投影露光装置に備えられている投影光学系の解像度は、使用する露光波長が短く、投影光学系の開口数が大きいほど高くなる。そのため、集積回路の微細化に伴い投影露光装置で使用される放射線の波長である露光波長は年々短波長化しており、投影光学系の開口数も増大してきている。
また、露光を行なう際には、解像度と同様に焦点深度も重要となる。解像度R、および焦点深度δはそれぞれ以下の数式で表される。
R=k1・λ/NA (i)
δ=k2・λ/NA2 (ii)
ここで、λは露光波長、NAは投影光学系の開口数、k1、k2はプロセス係数である。同じ解像度Rを得る場合には短い波長を有する放射線を用いた方が大きな焦点深度δを得ることができる。
この場合、露光されるウェハ表面にはフォトレジスト膜が形成されており、このフォトレジスト膜にパターンが転写される。従来の投影露光装置では、ウェハが配置される空間は空気または窒素で満たされている。このとき、ウェハと投影露光装置のレンズとの空間が屈折率nの媒体で満たされると、上記の解像度R、焦点深度δは以下の数式にて表される。
R=k1・(λ/n)NA (iii)
δ=k2・nλ/NA2 (iv)
例えば、ArFプロセスで、上記媒体として水を使用すると波長193nmの光の水中での屈折率n=1.44を用いると、空気または窒素を媒体とする露光時と比較し、解像度Rは69.4%(R=k1・(λ/1.44)NA)、焦点深度は144%(δ=k2・1.44λ/NA2)となる。
このように露光するための放射線の波長を短波長化し、より微細なパターンを転写できる投影露光する方法を液浸露光といい、リソグラフィーの微細化、特に数10nm単位のリソグラフィーには、必須の技術と考えられ、その投影露光装置も知られている(特許文献1参照)。
液浸露光方法においては、ウェハ上に塗布・形成されたフォトレジスト膜と投影露光装置のレンズはそれぞれ水と接触する。そのため、フォトレジスト膜に水が浸透し、フォトレジストの解像度が低下することがある。また、投影露光装置のレンズはフォトレジストを構成する成分が水へ溶出することによりレンズ表面を汚染することもある。
このため、フォトレジスト膜と水とを遮断する目的で、フォトレジスト膜上に上層膜を形成する方法があるが、この上層膜は放射線の波長に対して十分な透過性とフォトレジスト膜とインターミキシングを起こすことなくフォトレジスト膜上に保護膜を形成でき、さらに液浸露光時に際して水に溶出することなく安定な被膜を維持し、かつ現像液であるアルカリ液に容易に溶解する上層膜が形成される必要がある。
また、通常のドライな環境での使用を前提に設計したレジストをそのまま液浸レジストとして使用できることが求められている。そのためには、ドライ用として設計された元の性能を劣化させずレジスト膜を液浸用液体から保護できる液浸用上層膜が必要となる。
特開平11−176727号公報
本発明は、このような課題を克服するためなされたもので、露光波長、特に248nm(KrF)および193nm(ArF)での十分な透過性を持ち、フォトレジスト膜とインターミキシングを起こすことなくフォトレジスト上に被膜を形成でき、さらにドライ露光を行なった場合からの性能劣化がなく、かつアルカリ現像液に容易に溶解する上層膜を形成するための液浸用上層膜形成組成物の提供を目的とする。
本発明の液浸用上層膜形成組成物は、レンズとフォトレジスト膜との間に液浸媒体を介して放射線照射する液浸露光装置を用いるときに、上記フォトレジスト膜に被覆されて上記液浸媒体に安定な膜を形成でき、アルカリ性水溶液を用いる現像液に溶解するアルカリ可溶性の樹脂と該樹脂を溶解する溶媒とを含む液浸用上層膜形成組成物であって、上記溶媒は炭素数9または10の1価アルコールを含む溶媒であることを特徴とする。
また、上記樹脂は、下記式(1)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位、カルボキシル基を側鎖末端に有する繰り返し単位および下記式(2)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位からなる群より選ばれた少なくとも1つの繰り返し単位を含む樹脂であることを特徴とする。
Figure 0004600112
(式(1)においてR1およびR2は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフルオロアルキル基であり、少なくとも一方は炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表し、式(2)においてRfは、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、または炭素数3〜10のパーフルオロシクロアルキル基を表す。)
上記式(1)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位は、下記式(1−1)で表されることを特徴とする。
Figure 0004600112
(式(1−1)においてRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、R3は2価の有機基をそれぞれ表す。)
また、上記式(2)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位は、下記式(2−1)で表されることを特徴とする。
Figure 0004600112
(式(2−1)においてRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、R4は2価の有機基を、Rfは炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基または炭素数3〜10のパーフルオロシクロアルキル基をそれぞれ表す。)
本発明のフォトレジストパターン形成方法は、基板上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成する工程と、該フォトレジスト膜に上記液浸用上層膜形成組成物を用いて上層膜を形成する工程と、該フォトレジスト膜および上層膜に液浸媒体を介して、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射し、次いで現像することにより、レジストパターンを形成する工程とを備えてなることを特徴とする。
本発明の液浸用上層膜を形成するための組成物は、フォトレジスト膜に容易に塗布することができ、その上層膜は液浸露光時に、レンズおよびレジストを保護し、解像度、現像性等にも優れたレジストパターンを形成することができる。
そのため、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。
液浸用上層膜を形成するための組成物より得られる上層膜は、液浸露光時にフォトレジスト膜と液浸媒体とが直接接触することを防ぎ、液浸媒体の浸透によるフォトレジスト膜のリソグラフィー性能を劣化させることがなく、かつフォトレジスト膜より溶出する成分による投影露光装置のレンズの汚染を防止する作用がある。
本発明の液浸用上層膜形成組成物を構成する樹脂は、放射線照射時に液浸媒体に安定な膜を形成することができる。また、レジストパターンを形成するための現像液に溶解する樹脂である。
ここで、放射線照射時において液浸媒体に安定な膜とは、後述する液浸媒体、例えば水媒体への安定性評価方法により測定したときの膜厚変化が初期膜厚の3%以内であることをいう。また、レジストパターン形成後の現像液に溶解するとは、アルカリ性水溶液を用いた現像後のレジストパターン上に目視で残渣がなく上層膜が除去されていることをいう。すなわち、本発明に係る樹脂は液浸媒体に対して殆ど溶解することなく、かつ液浸媒体を介して照射される放射線照射後のアルカリ性水溶液を用いる現像時に、該アルカリ性水溶液に溶解するアルカリ可溶性樹脂である。
上記アルカリ可溶性樹脂は、式(1)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位、カルボキシル基を側鎖末端に有する繰り返し単位および式(2)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位からなる群より選ばれた少なくとも1つの繰り返し単位を含む樹脂である。
上記少なくとも1つの繰り返し単位の含有量は、通常5モル%〜100モル%であり、好ましくは10〜90モル%、特に好ましくは20〜80モル%である。上記繰り返し単位が、少なすぎると現像液であるアルカリ水溶液への溶解性が低くなり該当上層膜の除去ができずに現像後のレジストパターン上に残渣が発生してしまうおそれがある。
上記樹脂の主鎖としては、ノルボルネン誘導体の付加重合樹脂あるいは開環重合樹脂、ノルボルネン誘導体と無水マレイン酸共重合樹脂、(メタ)アクリル酸誘導体の付加重合樹脂等が挙げられる。これらの中で、ラジカル重合性単量体を重合させて得られる(メタ)アクリル酸誘導体の付加重合樹脂が好ましい。
式(1)におけるR1およびR2は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフルオロアルキル基である。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基が挙げられる。また、炭素数1〜4のフルオロアルキル基としては、上記炭素数1〜4のアルキル基における水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基をいう。
また、R1およびR2の少なくとも一方は上記炭素数1〜4のフルオロアルキル基である。
式(1)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位は、少なくともα位の炭素原子にフルオロアルキル基を有するアルコール性水酸基をその側鎖に有する繰り返し単位である。フルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基が好ましい。α位にフルオロアルキル基を少なくとも1個含むことにより、フルオロアルキル基の電子吸引性によりアルコール性水酸基の水素原子が離脱しやすくなり、水溶液中で酸性を呈する。そのため、液浸媒体が純水の場合、該純水に対しては不溶性となるが、アルカリ可溶性となる。
式(1)で表される基を側鎖末端に有する好ましい繰り返し単位として、式(1−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0004600112
式(1−1)においてRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、R3は2価の有機基を、それぞれ表す。
炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基が挙げられる。
2価の有機基としては、好ましくは2価の炭化水素基であり、2価の炭化水素基の中で好ましくは鎖状または環状の炭化水素基である。
好ましいR3としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基もしくは1,2−プロピレン基などのプロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、インサレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、または、2−プロピリデン基等の飽和鎖状炭化水素基、1,3−シクロブチレン基などのシクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基などのシクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基などのシクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基などのシクロオクチレン基等の炭素数3〜10のシクロアルキレン基などの単環式炭化水素環基、1,4−ノルボルニレン基もしくは2,5−ノルボルニレン基などのノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基などのアダマンチレン基等の2〜4環式炭素数4〜30の炭化水素環基などの架橋環式炭化水素環基等が挙げられる
特に、R3として2価の脂肪族環状炭化水素基を含むときは、ビストリフルオロメチル−ヒドロキシ−メチル基と該脂肪族環状炭化水素基との間にスペーサーとして炭素数1〜4のアルキレン基を挿入することが好ましい。
また、R3としては、2,5−ノルボルニレン基を含む炭化水素基、1,2−プロピレン基が好ましい。
上記式(1−1)で表される繰り返し単位を生成する好適なラジカル重合性単量体を以下に表す。
Figure 0004600112
式(1−1)で表される繰り返し単位を生成するラジカル重合性単量体の割合は、樹脂全体に対して5〜100モル%が好ましく、特に好ましくは10〜90モル%であり、さらに特に好ましくは20〜80モル%である。ラジカル重合性単量体の割合が5モル%未満では、得られる樹脂のアルコール溶媒に対する溶解が著しく悪くなるばかりでなく、現像液であるアルカリ水溶液に対する溶解性も著しく低くなり現像後に残渣としてフォトレジスト膜上に残留することがある。
カルボキシル基を有する繰り返し単位を与えるラジカル重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、アトロパ酸、3−アセチルオキシ(メタ)アクリル酸、3−ベンゾイルオキシ(メタ)アクリル酸、α−メトキシアクリル酸、3−シクロヘキシル(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等の不飽和ポリカルボン酸類;該不飽和ポリカルボン酸のモノメチルエステル、モノエチルエステル、モノn−プロピルエステル、モノn−ブチルエステル等のモノエステル類;2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−カルボキシアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−カルボキシメチルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−メトキシカルボニルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−アセチルオキシアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−フェニルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−ベンジルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−メトキシアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−シクロヘキシルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−シアノアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸等を挙げることができる。
上記の中で、(メタ)アクリル酸、クロトン酸が好ましい。
カルボキシル基を有する繰り返し単位を与えるラジカル重合性単量体の割合は、樹脂全体に対して1〜50モル%が好ましく、特に好ましくは1〜40モル%であり、さらに好ましくは5〜30モル%である。ラジカル重合性単量体の割合が1モル%未満では、現像液であるアルカリ水溶液に対する溶解性も著しく低くなり現像後に残渣としてフォトレジスト膜上に残留することがある。また、50モル%をこえると極性が高くなりすぎ、液浸露光に際し水との接触により膨潤、溶出もしくははがれを生じる。
式(2)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位としては、好ましくは下記式(2−1)で表される。
Figure 0004600112
式(2−1)においてRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基が挙げられる。
式(2−1)においてR4は2価の有機基を表す。
2価の有機基としては、好ましくは2価の炭化水素基であり、2価の炭化水素基の中で好ましくは鎖状または環状の炭化水素基である。
好ましいR4としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基もしくは1,2−プロピレン基などのプロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、インサレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、または、2−プロピリデン基等の飽和鎖状炭化水素基、1,3−シクロブチレン基などのシクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基などのシクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基などのシクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基などのシクロオクチレン基等の炭素数3〜10のシクロアルキレン基などの単環式炭化水素環基、1,4−ノルボルニレン基もしくは2,5−ノルボルニレン基などのノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基などのアダマンチレン基等の2〜4環式炭素数4〜30の炭化水素環基などの架橋環式炭化水素環基等が挙げられる
特に、R4として2価の脂肪族環状炭化水素基を含むときは、ビストリフルオロメチル−ヒドロキシ−メチル基と該脂肪族環状炭化水素基との間にスペーサーとして炭素数1〜4のアルキレン基を挿入することができる。
また、R4としては、2,5−ノルボルニレン基または1,5−アダマンチレン基を含む炭化水素基、エチレン基、1,3−プロピレン基が好ましい。
式(2−1)においてRfは式(2)におけるRfと同一であり、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基または炭素数3〜10のパーフルオロシクロアルキル基を表す。
Rfとしては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ペンタデカフルオロヘプチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、ノナデカフルオロノニル基などの直鎖状パーフルオロアルキル基、(1−トリフルオロメチル)テトラフルオロエチル基、(1−トリフルオロメチル)ヘキサフルオロプロピル基、1,1−ビストリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル基などの分岐したパーフルオロアルキル基、ノナフルオロシクロペンチル基、ウンデカフルオロシクロヘキシル基などの環状パーフルオロアルキル基などのパーフルオロシクロアルキル基が挙げられる。
この中でもトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が好ましい。フルオロアルキル基の電子吸引効果により、アミノ基の水素原子が脱離しやすくなり、水溶液中で酸性を呈する。そのため、液浸媒体が純水の場合、該純水に対しては不溶性となるが、アルカリ水溶液には可溶となる。
式(2−1)で表される繰り返し単位を与えるラジカル重合性単量体の割合は、樹脂全体に対して5〜100モル%が好ましく、特に好ましくは10〜90モル%であり、さらに特に好ましくは20〜80モル%である。ラジカル重合性単量体の割合が5モル%未満では、得られる樹脂のアルコール溶媒に対する溶解が著しく悪くなるばかりでなく、現像液であるアルカリ水溶液に対する溶解性も著しく低くなり現像後に残渣としてフォトレジスト膜上に残留することがある。
上記式(2−1)で表される繰り返し単位を生成する好適なラジカル重合性単量体を以下に表す。
Figure 0004600112
本発明の樹脂には、樹脂の分子量、ガラス転移点、溶媒への溶解性などを制御する目的で、他のラジカル重合性単量体を共重合することも可能である。「他の」とは、前出のラジカル重合性単量体以外のラジカル重合性単量体の意味である。
共重合できる好適な単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル類、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステル類、ヒドロキシスチレン類が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸アリールエステル類、(メタ)アクリル酸脂環族アルキルエステル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシ−ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−プロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−メチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−プロピル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−ブチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−プロピル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−ブチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらの中で、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレートが好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、等が挙げられ、これらのうち、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル類、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステル類としては、例えばジフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2−ジフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、1−(パーフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、ジ(パーフルオロメチル)メチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1−メチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1−(パーフルオロエチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロエチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロプロピル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロペンチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘプチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘプチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロノニル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−オクタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロノニルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル基の炭素数が1〜20であるフルオロアルキル(メタ)アクリレート類、
(2,2,2−トリフルオロエチル)α−カルボキシアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−カルボキシアクリレート、(2,2,2−トリフルオロエチル)α−カルボキシメチルアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−カルボキシメチルアクリレート、(2,2,2−トリフルオロエチル)α−メトキシカルボニルアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−メトキシカルボニルアクリレート、(2,2,2−トリフルオロエチル)α−アセチルオキシアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−アセチルオキシアクリレート、(2,2,2−トリフルオロエチル)α−フェニルアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−フェニルアクリレート、(2,2,2−トリフルオロエチル)α−ベンジルアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−ベンジルアクリレート、(2,2,2−トリフルオロエチル)α−エトキシアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−エトキシアクリレート、(2,2,2−トリフルオロエチル)α−2−メトキシエチルアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−2−メトキシエチルアクリレート、(2,2,2−トリフルオロエチル)α−シクロヘキシルアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−シクロヘキシルアクリレート、(2,2,2−トリフルオロエチル)α−シアノアクリレート、(パーフルオロエチルメチル)α−シアノアクリレート、3[4[1−トリフルオロメチル−2,2−ビス[ビス(トリフルオロメチル)フルオロメチル]エチニルオキシ]ベンゾオキシ]2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)2−フェニルアクリレート、(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)2−ベンジルアクリレート、(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)2−エトキシアクリレート、(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)2−シクロヘキシルアクリレート、(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)2−シアノアクリレート等を挙げることができる。これらのフルオロアルキル基含有単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、フルオロアルキル基含有単量体としては、フルオロアルキル基の炭素数が1〜20であるフルオロアルキル(メタ)アクリレート類が好ましく、なかでもパーフルオロアルキル(メタ)アクリレートおよびパーフルオロアルキル基がメチレン基、エチレン基を介してエステル酸素原子に結合したフルオロアルキル(メタ)アクリレート類が特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂に占めるフルオロアルキル(メタ)アクリレート類の割合は、通常80モル%以下、好ましくは、70モル%以下である。これらの繰り返し単位が多すぎると、1価アルコールに対する溶解性が著しく乏しくなり上層膜組成物として調製できなくなる。または製膜後に現像液であるアルカリ水溶液への溶解性が低下し、現像後に完全に取り除くことができなくなるおそれがある。これらの不具合は両方同時に生じる場合がある。
その他、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル;スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ−ルトルエン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有ラジカル重合性単量体;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有ラジカル重合性単量体;酢酸ビニルなどの脂肪酸ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有ラジカル重合性単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ジメチルブタジエン等の共役ジオレフィン類を用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂を製造する際に用いられる重合溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。これらのうち、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類などが好ましい。
また、ラジカル共重合における重合触媒としては、通常のラジカル重合開始剤が使用でき、例えば2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル)、2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス−(4−メトキシ−2−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート、1,1'−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物および過酸化水素などを挙げることができる。過酸化物をラジカル重合開始剤に使用する場合、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。
上記方法で得られるアルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量(以下、Mwと略称する)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算で通常2,000〜200,000であり、好ましくは2,500〜100,000、より好ましくは3,000〜50,000である。この場合、アルカリ可溶性樹脂のMwが2,000未満では、上層膜としての耐水性および機械的特性が著しく低く、一方200,000をこえると、後述する溶媒に対する溶解性が著しく悪い。また、樹脂のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、Mnと略称する)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜3である。なお、樹脂は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないほど好ましく、それにより、上層膜としての塗布性とアルカリ現像液への均一な溶解性をさらに改善することができる。樹脂の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。本発明において、樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の液浸用上層膜形成組成物を構成する溶媒は、上記アルカリ可溶性樹脂を溶解させるとともに、フォトレジスト膜上に塗布するに際し、そのフォトレジスト膜とインターミキシングを起こすなどしてリソグラフィーの性能を劣化させることがない溶媒が使用できる。
そのような溶媒としては、炭素数7〜10の1価アルコールを含む溶媒が挙げられる。例えば、2,2−ジメチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、4,4−ジメチル−2−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−2−ヘキサノール、等の炭素数7の一価アルコール;2−エチル−1−ヘキサノール、4−メチル−3−ヘプタノール、6−メチル−2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、2−プロピル−1−ペンタノール、2,4,4−トリメチル−1−ペンタノール、等の炭素数8の一価アルコール;2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、3−エチル−2,2−ジメチル−ペンタノール、1−ノナノール、2−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、等の炭素数9の一価アルコール;1−デカノール、2−デカノール、4−デカノール、3,7−ジメチル−1−オクタノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、等の炭素数10の一価アルコールが挙げられる。
これらの炭素数7〜10のアルコールは、単独でも、2種以上の組み合わせにても使用することができる。
また、90質量%以下の配合割合で、炭素数6以下の低級アルコールを混合した混合アルコールとすることができる。
炭素数7〜10の一価アルコールの全溶剤に対する比率は、通常10〜100質量%であり、好ましくは20〜100質量%である。
また、該上層膜をフォトレジスト膜上に塗布するに際し、塗布性を調整する目的で、他の溶媒を混合することもできる。他の溶媒は、フォトレジスト膜を浸食せずに、かつ上層膜を均一に塗布する作用がある。
他の溶媒としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類、水が挙げられる。これらのうち、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類、水が好ましい。
上記、他の溶媒の配合割合は、溶媒成分中の30質量%以下であり、好ましくは20質量%以下である。30質量%をこえると、フォトレジスト膜を浸食し、上層膜との間にインターミキシングを起こすなどの不具合を発生し、フォトレジストの解像性能を著しく劣化させる。
本発明の液浸用上層膜形成組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させる目的で界面活性剤を配合することもできる。
界面活性剤としては、例えばBM−1000、BM−1100(以上、BMケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)などの商品名で市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。
これらの界面活性剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して好ましくは5質量部以下である。
本発明のフォトレジストパターン形成方法について説明する。
基板上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成する工程において、基板は、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆したウェハ等を用いることができる。また、レジスト膜の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば特公平6−12452号公報等に開示されているように、使用される基板上に有機系あるいは無機系の反射防止膜を形成しておくことができる。
使用されるフォトレジストは、特に限定されるものではなく、レジストの使用目的に応じて適時選定することができる。レジストの例としては、酸発生剤を含有する化学増幅型のポジ型またはネガ型レジスト等を挙げることができる。
本発明の組成物で形成される液浸用上層膜を用いる場合、特にポジ型レジストが好ましい。化学増幅型ポジ型レジストにおいては、露光により酸発生剤から発生した酸の作用によって、重合体中の酸解離性有機基が解離して、例えばカルボキシル基を生じ、その結果、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。
フォトレジスト膜は、フォトレジスト膜を形成するための樹脂を適当な溶媒中に、例えば0.1〜20質量%の固形分濃度で溶解したのち、例えば孔径30nm程度のフィルターでろ過して溶液を調製し、このレジスト溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布方法により基板上に塗布し、予備焼成(以下、「PB」という。)して溶媒を揮発することにより形成する。なお、この場合、市販のレジスト溶液をそのまま使用できる。
また、液浸用上層膜形成組成物におけるの樹脂の濃度は通常0.1〜20質量%であり、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%である。
該フォトレジスト膜に上記液浸用上層膜形成組成物を用いて上層膜を形成する工程は、フォトレジスト膜上に本発明の上層膜形成組成物を塗布し、通常、再度焼成することにより、本発明の上層膜を形成する工程である。この工程は、フォトレジスト膜を保護することと、フォトレジスト膜より液体へレジスト中に含有する成分が溶出することにより生じる投影露光装置のレンズの汚染を防止する目的で上層膜を形成する工程である。
上層膜の厚さはλ/4m(λは放射線の波長、mは上層膜の屈折率)の奇数倍に近いほど、レジスト膜の上側界面における反射抑制効果が大きくなる。このため、上層膜の厚さをこの値に近づけることが好ましい。なお、本発明においては、レジスト溶液塗布後の予備焼成および上層膜形成組成物溶液塗布後の焼成のいずれかの処理は、工程簡略化のため省略してもよい。
該フォトレジスト膜および上層膜に液浸媒体、例えば水を用いて、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射し、次いで現像することにより、レジストパターンを形成する工程は、液浸露光を行ない、所定の温度で焼成を行なった後に現像する工程である。
フォトレジスト膜および上層膜間に満たされる水はpHを調整することもできる。特に純水が好ましい。
液浸露光に用いられる放射線は、使用されるフォトレジスト膜およびフォトレジスト膜と液浸用上層膜との組み合わせに応じて、例えば可視光線;g線、i線等の紫外線;エキシマレーザ等の遠紫外線;シンクロトロン放射線等のX線;電子線等の荷電粒子線の如き各種放射線を選択使用することができる。特にArFエキシマレーザ(波長193nm)あるいはKrFエキシマレーザ(波長248nm)が好ましい。
また、レジスト膜の解像度、パターン形状、現像性等を向上させるために、露光後に焼成(以下、「PEB」という。)を行なうことが好ましい。その焼成温度は、使用されるレジスト等によって適宜調節されるが、通常、30〜200℃程度、好ましくは50〜150℃である。
次いで、フォトレジスト膜を現像液で現像し、洗浄して、所望のレジストパターンを形成する。この場合、本発明の液浸用上層膜は別途剥離工程に付する必要はなく、現像中あるいは現像後の洗浄中に完全に除去される。これが本発明の重要な特徴の1つである。
本発明におけるレジストパターンの形成に際して使用される現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4,3,0]−5−ノナン等を溶解したアルカリ性水溶液を挙げることができる。また、これらの現像液には、水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類や、界面活性剤を適量添加することもできる。上記アルカリ性水溶液を用いて現像した場合は、通常、現像後水洗する。
樹脂合成例
放射線照射時の液浸媒体、例えば水に安定な膜を形成でき、レジストパターン形成後の現像液に溶解する樹脂(A−1)〜(A−8)を以下に示す方法により合成した。なお、樹脂(A−1)〜(A−8)のMwは、東ソー株式会社製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
また、各樹脂合成に用いた単量体を上記した(M−1)、(M−2)および(M−4)を除いて、(M−3)、(M−5)〜(M−10)として以下に表す。
Figure 0004600112
樹脂(A−1)は、式(M−1)で表される単量体を50モル%、式(M−3)で表される単量体を5モル%、式(M−5)で表される単量体を25モル%、式(M−6)で表される単量体を20モル%、およびアゾビスイソ吉草酸メチル6.00gをメチルエチルケトン200gに溶解し、均一溶液としたモノマー溶液を準備した。そして、メチルエチルケトン100gを投入した1000mlの三口フラスコを30分窒素パージした。窒素パージ後、フラスコ内を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に調製した上記モノマー溶液を滴下漏斗を用いて、10ml/5分の速度で滴下した。滴下開始時を重合開始時点として、重合を5時間実施した。重合終了後、反応溶液を30℃以下に冷却し、次いで該反応溶液をヘプタン2000g中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。
ろ別した白色粉末をヘプタン400gと混合してスラリーとして攪拌する操作を2回繰り返して洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥して、白色粉末の樹脂(A−1)を得た(89g、収率89質量%)。樹脂(A−1)は、Mwが7,300であった。
以下、表1に示す組成の樹脂を同様な手法で合成した。各樹脂の収率およびMwを表1に示す。
Figure 0004600112
実施例1〜実施例15および比較例1
液浸用上層膜形成組成物を上記樹脂(A−1)〜(A−8)を用いて作製した。
表2に示す樹脂1gを、表2に示す溶媒99gに加え2時間攪拌した後、孔径200nmのフィルターでろ過して溶液を調製した。なお、表2において、実施例15の混合溶媒は、1−ヘプタノール/1−ブタノール=80/20(質量比)である。また、実施例1、2、5、6、8〜15は参考例である。
得られた上層膜形成組成物の評価を次に示す方法で行なった。結果を表2に示す。
(1)溶解性の評価方法
表2に示す溶媒99gに該上層膜用樹脂1gを加え、スリーワンモーターを使用して100rpm、3時間攪拌したのち、この混合物が均一な溶液となっていれば溶解性が良好であると判断して「○」、溶け残りや白濁が見られれば溶解性が乏しいとして「×」とした。
(2)上層膜除去性の評価方法
CLEAN TRACK ACT8(東京エレクトロン(株))にて8インチシリコンウェハ上に上記上層膜をスピンコート、90℃、60秒ベークを行ない、膜厚32nmの塗膜を形成した。膜厚はラムダエースVM90(大日本スクリーン(株))を用いて測定した。本塗膜をCLEAN TRACK ACT8で60秒間パドル現像(現像液2.38%TMAH水溶液)を行ない、振り切りによりスピンドライした後、ウェハ表面を観察した。このとき、残渣がなく現像されていれば、除去性「○」、残渣が観察されれば「×」とした。
(3)インターミキシングの評価方法
予めHMDS処理(100℃、60秒)を行なった8インチシリコンウェハ上にJSR ArF AR1221Jをスピンコート、ホットプレート上で90℃、60秒PBを行ない所定膜厚(300nm)の塗膜を形成した。本塗膜上に、上記液浸用上層膜組成物をスピンコート、PB(90℃、60秒)により膜厚32nmの塗膜を形成した後、CLEAN TRACK ACT8のリンスノズルより超純水をウェハ上に60秒間吐出させ、4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライを行ない、次いで同CLEAN TRACK ACT8でLDノズルにてパドル現像を60秒間行ない、上記上層膜を除去した。なお、この現像工程では現像液として2.38%TMAH水溶液を使用した。液浸用塗膜は、現像工程により除去されるが、レジスト塗膜は未露光であり、そのまま残存する。当工程の前後にてラムダエースVM90(大日本スクリーン(株))で膜厚測定を行ない、レジスト膜厚の変化が0.5%以内であれば、レジスト塗膜と液浸用上層膜間でのインターミキシングが無いと判断して「○」、0.5%をこえたときは「×」とした。
(4)液浸用上層膜組成物の水への安定性評価(耐水性)
8インチシリコンウェハ上にスピンコート、PB(90℃、60秒)により液浸用上層膜組成物の塗膜(膜厚30nm)を形成し、ラムダエースVM90で膜厚測定を行なった。同基板上に、CLEAN TRACK ACT8のリンスノズルより超純水をウェハ上に60秒間吐出させた後、4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライした。この基板を、再び膜厚測定した。このときの膜厚の減少量が初期膜厚の3%以内であれば、安定と判断して「○」、3%をこえれば「×」とした。
(5)パターンニング評価
上記上層膜を使用したレジストのパターニングの評価方法を記す。
8インチシリコンウェハ上に下層反射防止膜ARC29A(ブルワーサイエンス社製)をスピンコートにより膜厚77nm(PB205℃、60秒)で塗膜を形成した後、JSR ArF AR1221Jのパターニングを実施した。AR1221Jは、スピンコート、PB(130℃、90秒)により膜厚205nmとして塗布し、PB後に本上層膜をスピンコート、PB(90℃、60秒)により膜厚32nmの塗膜を形成した。ついで、ArF投影露光装置S306C(ニコン(株))で、NA:0.78、シグマ:0.85、2/3Annの光学条件にて露光を行ない、CLEAN TRACK ACT8のリンスノズルより超純水をウェハ上に60秒間吐出させた後、4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライした。その後、CLEAN TRACK ACT8ホットプレートにてPEB(130℃、90秒)を行ない、同CLEAN TRACK ACT8のLDノズルにてパドル現像(60秒間)、超純水にてリンス、ついで4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライした。
本基板を走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−9360)で90nmライン・アンド・スペースのパターンを観察し、線幅が90nmになる露光量を最適露光量とした。この最適露光量において解像しているライン・アンド・スペースパターンの最小寸法を解像度とした。その結果を表2に示した。また、90nmライン・アンド・スペースパターンの断面形状を観察した。図1はライン・アンド・スペースパターンの断面形状である。基板1上に形成されたパターン2の膜の中間での線幅Lbと、膜の上部での線幅Laを測り、0.9<=(La−Lb)/Lb<=1.1の時を「矩形」、(La−Lb)/Lb<0.9の時を「テーパー」、(La−Lb)/Lb>1.1の時を「頭張り」として評価した。
Figure 0004600112
本発明の液浸用上層膜を形成するための組成物は、樹脂が式(1)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位、カルボキシル基を側鎖末端に有する繰り返し単位および下記式(2)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位からなる群より選ばれた少なくとも1つの繰り返し単位を含む樹脂であり、溶媒が炭素数7〜10の1価アルコールを含む溶媒であるので、液浸露光時にレンズおよびフォトレジスト膜を保護し、解像度、現像性等にも優れたレジストパターンを形成することができ、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。
ライン・アンド・スペースパターンの断面形状を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 パターン

Claims (5)

  1. レンズとフォトレジスト膜との間に液浸媒体を介して放射線照射する液浸露光装置を用いるときに、前記フォトレジスト膜に被覆されて前記液浸媒体に安定な膜を形成でき、アルカリ性水溶液を用いる現像液に溶解するアルカリ可溶性の樹脂と該樹脂を溶解する溶媒とを含む液浸用上層膜形成組成物であって、
    前記溶媒は炭素数9または10の1価アルコールを含み、但し、アルカン類炭化水素溶媒を40重量%以上含有する溶媒を除く溶媒であり、
    前記樹脂は、下記高分子(A)、ポリマー(B)または樹脂組成物(C)を除く樹脂であることを特徴とする液浸用上層膜形成組成物。
    高分子(A):一般式[1]、[2]または[3]で表される少なくともいずれかの構造を含有する高分子
    Figure 0004600112
    Figure 0004600112
    Figure 0004600112
    (式中、R1は水素、フッ素、シアノ基、メチル基、トリフルオロメチル基、R2はO、(C=O)O、CH2O、単結合、R3はCHまたはヒドロキシ基やハロゲンで一部の水素が置換されてもよいシクロヘキシル環やフェニル環、ノルボルネン環、環状エーテル、R4はメチル基、トリフルオロメチル基、R5は水素または保護基であってフッ素を含んでもよい、nは1または2、mは0または1を表す。またR6は脂環基またはフェニル基を表す。)
    ポリマー(B):ノルボルネン型反復単位からなる非自己現像型ポリマーであって、式(I)で表される第一ノルボルネン型反復単位を含む非自己現像型ポリマー
    Figure 0004600112
    [上式中、Xは-CH2-、-CH2-CH2-、OまたはSであり;nは0〜5の整数であり;R1からR4はそれぞれ独立して、水素、直鎖状または分枝状アルキル基、あるいは直鎖状または分枝状ハロアルキル基を表し、但し、R1からR4の少なくとも一が、-QNHSO25基(ここで、Qは1〜5の炭素の直鎖状または分枝状アルキルスペーサーであり、R5は1〜10の炭素原子のペルハロ基である)である]
    樹脂組成物(C):Q R1,R2,R3樹脂を含む樹脂組成物であって、QがSiO4/2を表し、MR1,R2,R3がR,R,RSiO1/2を表し、nが8、10、または12に等しいものであり、上式で、
    およびRは、独立に、水素、1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基、2〜12個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、3〜17個の炭素原子を有するシクロアルキル基、2〜12個の炭素原子を有するフッ素化直鎖アルキル基、2〜12個の炭素原子を有するフッ素化分枝状アルキル基、3〜17個の炭素原子を有するフッ素化シクロアルキル基、4〜23個の炭素原子を有するシクロアルキル置換アルキル基、および4〜23個の炭素原子を有するアルキル置換シクロアルキル基からなる群から選択され;
    は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基、2〜12個の炭素原子を有する分枝状アルキル基、3〜17個の炭素原子を有するシクロアルキル基、2〜12個の炭素原子を有するフッ素化直鎖アルキル基、2〜12個の炭素原子を有するフッ素化分枝状アルキル基、3〜17個の炭素原子を有するフッ素化シクロアルキル基、4〜23個の炭素原子を有するシクロアルキル置換アルキル基、および4〜23個の炭素原子を有するアルキル置換シクロアルキル基からなる群から選択され;
    は、(a)置換基Y基および置換基Y基、または(b)置換基Y基のいずれかを含み、ただしYおよびYは、それぞれ、水素、−COOH、−COOR−、−SOOH、−C(CFOH、−NHSO、−NHCORからなる群から選択され、YおよびYは、共に水素となることはできず、Yは、−CONHCO−および−CONOHCO−からなる群から選択され、前記Y基の各1価結合は、前記Rの異なる隣接炭素原子に結合しているものである樹脂組成物。
  2. 前記樹脂は、下記式(1)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位、カルボキシル基を側鎖末端に有する繰り返し単位および下記式(2)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位からなる群より選ばれた少なくとも1つの繰り返し単位を含む樹脂であることを特徴とする請求項1記載の液浸上層膜形成組成物。
    Figure 0004600112
    (式(1)においてR1およびR2は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表、少なくとも一方は炭素数1〜4のフルオロアルキル基を表し、式(2)においてRfは、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基、または炭素数3〜10のパーフルオロシクロアルキル基を表す。)
  3. 前記樹脂は、前記式(1)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位を含み、前記式(1)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位は、下記式(1−1)で表されることを特徴とする請求項2記載の液浸用上層膜形成組成物。
    Figure 0004600112
    (式(1−1)においてRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、R3は2価の有機基をそれぞれ表す。)
  4. 前記樹脂は、前記式(2)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位を含み、前記式(2)で表される基を側鎖末端に有する繰り返し単位は、下記式(2−1)で表されることを特徴とする請求項2記載の液浸上層膜形成組成物。
    Figure 0004600112
    (式(2−1)においてRは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を、R4は2価の有機基を、Rfは炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基または炭素数3〜10のパーフルオロシクロアルキル基をそれぞれ表す。)
  5. 基板上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成する工程と、該フォトレジスト膜に上層膜を形成する工程と、該フォトレジスト膜および上層膜に液浸媒体を介して、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射し、次いで現像することにより、レジストパターンを形成する工程とを備えてなるフォトレジストパターン形成方法であって、
    前記上層膜を形成する工程が請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の液浸用上層膜形成組成物を用いて上層膜を形成する工程であることを特徴とするフォトレジストパターン形成方法。
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