JP2008306074A - レジストパターン形成方法 - Google Patents

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【課題】液浸液体を用いる液浸露光において、露光不良の発生を抑え、高解像性レジストパターンの形成を可能とするレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】基板上に形成されたフォトレジスト膜上に上層膜を形成して2層膜とする工程と、上層膜とレンズとの間に飽和炭化水素化合物からなる液浸用液体が満たされた状態で光を上記2層膜に照射してパターンを形成する露光工程と、上記2層膜を加熱する加熱工程と、加熱工程後の上記2層膜を現像液を用いて現像する現像工程とを備えてなり、上記フォトレジスト膜、上記上層膜および上記液浸用液体の波長193nmにおける屈折率が1.6〜1.8であり、かつ上記液浸用液体の波長193nmにおける透過率が98%/mm以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、レジストパターン形成方法に関し、特にリソグラフィの微細化のために使用される液浸露光法を用いたレジストパターン形成方法に関する。
半導体素子等を製造するのに際し、フォトマスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介して、フォトレジストが塗布されたウエハ上の各ショット領域に転写するステッパー型、またはステップアンドスキャン方式の投影露光装置が使用されている。
投影露光装置が備えられている投影光学系の解像度の理論限界値は、使用する露光波長が短く、投影光学系の開口数が大きいほど高くなる。そのため、集積回路の微細化に伴い投影露光装置で使用される放射線の波長である露光波長は年々短波長化しており、投影光学系の開口数も増大してきている。
このように、半導体素子の製造分野においては、従来、露光波長の短波長化、開口数の増大により集積回路の微細化要求に応えてきており、現在では露光光源としてArFエキシマレーザ(波長193.4nm)を用いた1L1S(1:1ラインアンドスペース)ハーフピッチ90nmノードの量産化が検討されている。しかしながら、更に微細化が進んだ次世代のハーフピッチ65nmノードあるいは45nmノードについてはArFエキシマレーザの使用のみによる達成は困難であるといわれている。そこでこれらの次世代技術についてはF2エキシマレーザ(波長157nm)、EUV(波長13nm)等の短波長光源の使用が検討されている。しかしながら、これらの光源の使用については技術的難易度が高く、現状ではまだ使用が困難な状況にある。
ところで上記の露光技術においては、露光されるウエハ表面にはフォトレジスト膜が形成されており、このフォトレジスト膜にパターンが転写される。従来の投影露光装置では、ウエハが配置される空間は屈折率が1の空気または窒素で満たされている。
しかしながら、屈折率nの液体を投影露光装置のレンズとウエハの間に満たし、適当な光学系を設定することにより、解像度の限界値および焦点深度をそれぞれn分の1、n倍にすることが理論的に可能である。例えばArFエキシマレーザを露光光源とするプロセスで、レンズとウエハの間を満たす液体として水を使用すると波長193.4nmの光の水中での屈折率nは1.44であるから、空気または窒素を媒体とする露光時と比較し、解像度が69.4%、焦点深度が144%となる光学系の設計が理論上可能になる。
このように露光するための光の実効波長を短波長化し、より微細なパターンを転写できる投影露光方法を液浸露光といい、今後のリソグラフィの微細化、特に10nm単位のリソグラフィには必須の技術と考えられている。
本願出願人は、液浸露光方法において従来の純水よりも屈折率が大きく、優れた透過性を有し、フォトレジスト膜あるいはその上層膜成分(とりわけ親水性成分)の溶出や溶解を防ぎ、レンズを浸食せず、液浸用液体として使用した場合、より解像度および焦点深度の優れたパターンを形成できる液浸露光用液体の提供を目的として、種々の化合物について検討を行なった結果、遠紫外領域における吸収が小さく、液浸露光用液体として好適な高屈折率を有するデカヒドロナフタレンなどの脂環式飽和炭化水素化合物を見出し特許出願している(特許文献1)。
また、液浸媒体として水を使用する場合に用いられる上層膜として、フッ素原子を含む基をその側鎖に有する繰返し単位を含み、水との接触角が90°以上となる膜を形成することができる重合体を本願出願人は特許出願している(特許文献2)。
一方、液浸露光方法において、基板上に形成される膜の露光光に対する屈折率と、液浸液体の露光光に対する屈折率とをほぼ同じにする露光方法が知られている(特許文献3)。
しかしながら、近年の集積回路の微細化要求に対して、レジスト膜と液浸液体との露光光に対する屈折率をほぼ同じにするだけでは充分な高解像度が得られないという問題がある。
WO2005/114711 特開2006−335916 特開2007−73587
本発明は、このような課題を克服するためなされたもので、液浸液体を用いる液浸露光において、露光不良の発生を抑え、高解像性レジストパターンの形成を可能とするレジストパターン形成方法の提供を目的とする。
本発明のレジストパターン形成方法は、基板上に形成されたフォトレジスト膜上に上層膜を形成して2層膜とする工程と、上層膜とレンズとの間に飽和炭化水素化合物からなる液浸用液体が満たされた状態で光を上記2層膜に照射してパターンを形成する露光工程と、上記2層膜を加熱する加熱工程と、加熱工程後の上記2層膜を現像液を用いて現像する現像工程とを備えてなり、上記フォトレジスト膜、上記上層膜および上記液浸用液体の波長193nmにおける屈折率が1.6〜1.8であり、かつ上記液浸用液体の波長193nmにおける透過率が98%/mm以上であることを特徴とする。
また、上記上層膜と上記液浸用液体との接触角が65°以上、90°未満であることを特徴とする。
フォトレジスト膜上に形成される屈折率が1.6〜1.8、液浸用液体との接触角が65°以上、90°未満の上層膜は、フッ素原子を含む基をその側鎖に有する繰返し単位と、硫黄原子を含む基をその側鎖に有する繰返し単位とを含む重合体を含むことを特徴とする。
また、液浸用液体としての飽和炭化水素化合物は、trans−デカヒドロナフタレン、1,1−ビシクロヘキシル、およびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1つの飽和炭化水素化合物であることを特徴とする。
また、上記レンズのうち、液浸用液体と接する最終レンズの材質がLu3Al512、またはBaLiF3であることを特徴とする。
本発明のレジストパターン形成方法は、フォトレジスト膜、上層膜および液浸用液体の波長193nmにおける屈折率が1.6〜1.8であり、かつ液浸用液体の波長193nmにおける透過率が98%/mm以上であるので、液浸露光を用いるレジストパターン形成時において、露光光が大きく屈折したり乱反射したりすることなく、透過率に優れた液浸用液体の特性を活かすことができる。そのため、露光不良の発生を抑え、高解像性レジストパターンの形成が可能となる。
本発明のレジストパターン形成方法は、フォトレジスト膜、上層膜および液浸用液体の波長193nmにおける屈折率が1.6〜1.8である。好ましくは、フォトレジスト膜、上層膜および液浸用液体の屈折率が略同一であることが好ましい。
屈折率が1.6未満であると高NA時に解像度が低下するおそれがあり、1.8をこえるとフォトレジスト膜と、上層膜と、液浸用液体との界面で反射が起きスループットが低下する傾向がある。
また、上層膜と前記液浸用液体との接触角は65°以上、90°未満であることが好ましい。接触角が65°未満であるとスキャン時に液残りが多くなる傾向があり、90°以上になるとレジストとの界面で気泡が発生し現像欠陥が生成する傾向がある。
液浸用液体の波長193nmにおける透過率は98%/mm以上である。
本発明に使用できる波長193nmにおける屈折率が1.6〜1.8であるフォトレジスト膜は、屈折率がこの範囲にあれば特に限定されるものではなく、レジストの使用目的に応じて適時選定することができる。レジストの例としては、酸発生剤を含有する化学増幅型のポジ型またはネガ型レジスト等を挙げることができる。
なお、光の波長193nmおける屈折率は、高速分光エリプソメータM−2000(ジェー・エー・ウーラム社製)装置を用いて求めることができる。
本発明に使用できる波長193nmにおける屈折率が1.6〜1.8である上層膜は、液浸用液体との接触角が65°以上、90°未満、好ましくは65°〜80°である上層膜が好ましい。接触角が65°未満であるとスキャン時に液残りが多くなる傾向があり、90°以上になるとレジストとの界面で気泡が発生し現像欠陥が生成する傾向がある。
液浸用液体との接触角は、上層膜表面に0.05mlの供試液浸用液体を滴下し、滴下後3〜10秒後の接触角を1秒おきに測定し、その平均値を求めた。
波長193nmにおける屈折率が1.6〜1.8であり、接触角が65°以上、90°未満である上層膜は、フッ素原子を含む基をその側鎖に有する繰返し単位と、硫黄原子を含む基をその側鎖に有する繰返し単位とを含む重合体を樹脂成分とする樹脂組成物を用いて形成できる。
フッ素原子含む基をその側鎖に有する繰返し単位は、接触角を高めることができる繰返し単位であり、フッ素化アルキレン基を側鎖に有する繰返し単位であることが好ましい。
フッ素化アルキレン基を側鎖に有する繰返し単位を生成する単量体としては、下記の式(1)で表される単量体が挙げられる。
Figure 2008306074
1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、Aは、単結合、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基を表し、Bは、単結合、炭素数1〜20の2価の有機基を表し、Xは1価の有機基を表し、nは1〜20の整数を表す。
AおよびBで表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基もしくは1,2−プロピレン基などのプロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、インサレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、または、2−プロピリデン基等の飽和鎖状炭化水素基、1,3−シクロブチレン基などのシクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基などのシクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基などのシクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基などのシクロオクチレン基等の炭素数3〜10のシクロアルキレン基などの単環式炭化水素環基、1,4−ノルボルニレン基もしくは2,5−ノルボルニレン基などのノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基などのアダマンチレン基等の2〜4環式炭素数4〜20の炭化水素環基などの架橋環式炭化水素環基等が挙げられる。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子が水との接触角を向上させることができるので好ましい。
nは1〜20の整数である。nが20をこえるとアルカリ現像液で現像した際にスカムや現像欠陥が残りやすくなる。また、(CF2nで表されるパーフルオロアルキレン基は、直鎖状または分岐状であってもよい。好ましくは水との接触角を向上させることができる直鎖状のパーフルオロアルキレン基である。
好ましい単量体の例としては、下記式(1a)で表されるパーフルオロアルキレン基を側鎖に有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
Figure 2008306074
1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、Rfは少なくとも一部の水素原子がフッ素原子で置換された1価のフッ素化炭化水素基を表す。
好ましいRfは炭素数1〜20のフッ素置換炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基の一部の水素をフッ素置換した基が挙げられる。
より好ましいRfとしてはパーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロウンデシル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロトリデシル基、パーフルオロテトラデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロヘキサデシル基、パーフルオロヘプタデシル基、パーフルオロオクタデシル基、パーフルオロノナデシル基、パーフルオロイコシル基、パーフルオロメチルメチル基、パーフルオロエチルメチル基、パーフルオロプロピルメチル基、パーフルオロブチルメチル基、パーフルオロペンチルメチル基、パーフルオロヘキシルメチル基、パーフルオロヘプチルメチル基、パーフルオロオクチルメチル基、パーフルオロノニルメチル基、パーフルオロウンデシルメチル基、パーフルオロドデシルメチル基、パーフルオロトリデシルメチル基、パーフルオロテトラデシルメチル基、パーフルオロペンタデシルメチル基、パーフルオロヘキサデシルメチル基、パーフルオロヘプタデシルメチル基、パーフルオロオクタデシルメチル基、パーフルオロノナデシルメチル基、パーフルオロメチルエチル基、パーフルオロエチルエチル基、パーフルオロプロピルエチル基、パーフルオロブチルエチル基、パーフルオロペンチルエチル基、パーフルオロヘキシルエチル基、パーフルオロヘプチルエチル基、パーフルオロオクチルエチル基、パーフルオロノニルエチル基、パーフルオロウンデシルエチル基、パーフルオロドデシルエチル基、パーフルオロトリデシルエチル基、パーフルオロテトラデシルエチル基、パーフルオロペンタデシルエチル基、パーフルオロヘキサデシルエチル基、パーフルオロヘプタデシルエチル基、パーフルオロオクタデシルエチル基、パーフルオロメチルプロピル基、パーフルオロエチルプロピル基、パーフルオロプロピルプロピル基、パーフルオロブチルプロピル基、パーフルオロペンチルプロピル基、パーフルオロヘキシルプロピル基、パーフルオロヘプチルプロピル基、パーフルオロオクチルプロピル基、パーフルオロノニルプロピル基、パーフルオロウンデシルプロピル基、パーフルオロドデシルプロピル基、パーフルオロトリデシルプロピル基、パーフルオロテトラデシルプロピル基、パーフルオロペンタデシルプロピル基、パーフルオロヘキサデシルプロピル基、パーフルオロヘプタデシルプロピル基が挙げられる。
硫黄原子を含む基をその側鎖に有する繰返し単位は、現像性を向上させる繰返し単位であり、該繰返し単位を生成する単量体としては、下記式(2)で表される単量体が挙げられる。
Figure 2008306074
4、R5、R6は水素原子またはメチル基を表す。また、Rsは硫黄原子を含む1価の有機基を表し、Rsとしては式(2)のカルボニル基の炭素原子が硫黄原子で連結される下記の環式または複素環式硫黄含有基が挙げられる。
Figure 2008306074
上記Rs基を有する式(2)で表される繰返し単位を生成するラジカル重合性単量体は、(メタ)アクリル酸クロリドと環構造を有するチオールとを塩基性条件にて反応させチオエステル化することにより合成できる。
上記重合体は、式(1)で表される繰返し単位および式(2)で表される繰返し単位と共に、カルボキシル基を側鎖に有する繰返し単位、式(2)で表される繰返し単位を除いてスルホ基を側鎖に有する繰返し単位、またはα位にフルオロアルキル基を有するアルコール性水酸基を側鎖に有する繰返し単位を含むことができる。
カルボキシル基を側鎖に有する繰返し単位を生成するラジカル重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、アトロパ酸、3−アセチルオキシ(メタ)アクリル酸、3−ベンゾイルオキシ(メタ)アクリル酸、α−メトキシアクリル酸、3−シクロヘキシル(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等の不飽和ポリカルボン酸類;該不飽和ポリカルボン酸のモノメチルエステル、モノエチルエステル、モノn−プロピルエステル、モノn−ブチルエステル等のモノエステル類;2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−カルボキシアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−カルボキシメチルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−メトキシカルボニルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−アセチルオキシアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−フェニルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−ベンジルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−メトキシアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−シクロヘキシルアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、2−α−シアノアクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸等を挙げることができる。
上記の内、(メタ)アクリル酸、クロトン酸が好ましい。
スルホ基を側鎖に有する繰返し単位を生成するラジカル重合性単量体としては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、4−ビニル−1−ベンゼンスルホン酸が挙げられる。これらのスルホン酸単量体で、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸が特に好ましい。
上記重合体には、樹脂の分子量、ガラス転移点などを制御する目的で、他のラジカル重合性単量体を共重合することができる。「他の」とは、前出のラジカル重合性単量体以外のラジカル重合性単量体の意味である。また、酸解離性基含有単量体を共重合することができる。
他のラジカル重合性単量体または酸解離性基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸アリールエステル類、ジカルボン酸ジエステル類、ニトリル基含有ラジカル重合性単量体、アミド結合含有ラジカル重合性単量体、脂肪酸ビニル類、塩素含有ラジカル重合性単量体、共役ジオレフィン、水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル類等を挙げることができる。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシ−ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリルレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリルレート、2−プロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリルレート、2−ブチル−2−アダマンチル(メタ)アクリルレート、1−メチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリルレート、1−エチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリルレート、1−プロピル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリルレート、1−ブチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリルレート、1−メチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリルレート、1−エチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリルレート、1−プロピル−1−シクロペンチル(メタ)アクリルレート、1−ブチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリルレート、1−アダマンチル−1−メチルエチル(メタ)アクリルレート、1−ビシクロ[2.2.1]ヘプチル−1−メチルエチル(メタ)アクリルレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル;スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ−ルトルエン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有ラジカル重合性単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、トリフルオロメタンスルホニルアミノエチル(メタ)アクリルレートなどのアミド結合含有ラジカル重合性単量体;酢酸ビニルなどの脂肪酸ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有ラジカル重合性単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ジメチルブタジエン等の共役ジオレフィン類を用いることができる。
また、水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリルレート、2−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリルレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリルレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリルレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリルレート、等が挙げられ、これらのうち、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリルレートが好ましい。
これらの単量体は単独でもしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記上層膜用重合体は、重合体を構成する全繰り返し単位に対して、上記の式(1)で表される繰り返し単位を10〜80モル%、好ましくは20〜75モル%含む。10モル%未満であると水との接触角が65°以上とすることが困難になる。また80モル%をこえると現像液であるアルカリ水溶液への溶解性が低くなり該上層膜の除去ができずに現像後のレジストパターン上に残渣が発生してしまうおそれがある。
式(2)で表される繰返し単位は、重合体を構成する全繰り返し単位に対して、10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%含む。10モル%未満であると193nmにおける屈折率が低くなり、70モル%をこえると塗膜の液浸液への接触角が充分に大きくならない。
更にカルボキシル基、スルホ基、またはα位にフルオロアルキル基を有するアルコール性水酸基を側鎖に有する繰返し単位を含む場合は、カルボキシル基含有繰返し単位を5〜40モル%、スルホ基含有繰返し単位を5〜40モル%、α位にフルオロアルキル基を有するアルコール性水酸基含有繰返し単位を5〜40モル%含むことが好ましい。上記繰り返し単位が上記範囲以外となると現像液であるアルカリ水溶液への溶解性が低くなる。上記他のラジカル重合性単量体由来の繰返し単位は30モル%以下である。
上記重合体を製造するときに用いられる重合溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類が挙げられる。これらのうち、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類などが好ましい。
また、ラジカル重合における重合触媒としては、通常のラジカル重合開始剤が使用でき、例えば2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル)、2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス−(4−メトキシ−2−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート、1,1'−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物および過酸化水素などを挙げることができる。過酸化物をラジカル重合開始剤に使用する場合、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。
上記方法で得られる重合体の質量平均分子量(以下、Mwと略称する)はゲルパーミエーションクロマトグラフィ法ポリスチレン換算で通常2,000〜100,000であり、好ましくは2,500〜50,000、より好ましくは3,000〜20,000である。この場合、重合体のMwが2,000未満では、上層膜としての耐水性および機械的特性が著しく低く、一方100,000をこえると、後述する溶媒に対する溶解性が著しく悪い。また、樹脂のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、Mnと略称する)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜3である。
なお、重合体は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないほど好ましく、それにより、上層膜としての塗布性とアルカリ現像液への均一な溶解性を更に改善することができる。重合体の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。本発明において、重合体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
液浸用上層膜形成樹脂組成物は、上記重合体を樹脂成分としてアルコール溶媒に溶解して得られる。このアルコール溶媒は、該重合体を溶解させると共に、フォトレジスト膜上に塗布するに際し、そのフォトレジスト膜とインターミキシングを起こすなどしてリソグラフィの性能を劣化させることがない溶媒が使用できる。
そのようなアルコール溶媒としては、1価アルコールを含む溶媒が挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、n−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−メチルー2−ブタノール、3−メチルー2−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール等の炭素数1〜6の1価アルコール、2,2−ジメチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、4,4−ジメチル−2−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−2−ヘキサノール等の炭素数7の1価アルコール;2−エチル−1−ヘキサノール、4−メチル−3−ヘプタノール、6−メチル−2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、2−プロピル−1−ペンタノール、2,4,4−トリメチル−1−ペンタノール等の炭素数8の1価アルコール;2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、3−エチル−2,2−ジメチル−ペンタノール、1−ノナノール、2−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール等の炭素数9の1価アルコール;1−デカノール、2−デカノール、4−デカノール、3,7−ジメチル−1−オクタノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、等の炭素数10の1価アルコール等が挙げられる。これらのアルコールは、単独でも、2種以上の組み合わせても使用することができる。
これらのアルコールの中で1−ブタノール、3−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノールが沸点、引火点が使用環境、作業環境に適しているため好ましい。
また、該上層膜をフォトレジスト膜上に塗布するに際し、塗布性を調整する目的で、他の溶媒を混合することもできる。他の溶媒は、フォトレジスト膜を浸食せずに、かつ上層膜を均一に塗布する作用がある。
他の溶媒としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類、水が挙げられる。これらのうち、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類、水が好ましい。
上記、他の溶媒の配合割合は、溶媒成分中の30質量%以下であり、好ましくは20質量%以下である。30質量%をこえると、フォトレジスト膜を浸食し、上層膜との間にインターミキシングを起こすなどの不具合を発生し、フォトレジストの解像性能を著しく劣化させる。
液浸用上層膜形成樹脂組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させる目的で界面活性剤を配合することもできる。
界面活性剤としては、例えばBM−1000、BM−1100(以上、BMケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)などの商品名で市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。
これらの界面活性剤の配合量は、重合体100質量部に対して好ましくは5質量部以下である。
本発明方法に使用される、193nmにおける屈折率が1.6〜1.8であり、かつ透過率が98%/mm以上である飽和炭化水素化合物からなる液浸用液体は、飽和炭化水素化合物原料を精製することで得られる。
飽和炭化水素化合物としては、trans−デカヒドロナフタレン、1,1−ビシクロヘキシル、およびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1つの飽和炭化水素化合物であることが精製により透過率を98%/mm以上としやすいため好ましい。
飽和炭化水素化合物の精製方法は、原料を精密蒸留する精密蒸留法、濃硫酸を用いて洗浄する濃硫酸洗浄法、吸着剤を用いて精製する吸着法が挙げられ、これらは単独でも組合わせても使用できる。
精密蒸留法の場合、原料および予想される不純物の沸点等を考慮して、その分離に必要な理論段数以上の理論段数を有する蒸留塔で行なうことが好ましい。透過率を98%/mm以上にするためには、精密蒸留の際の理論段数として10段以上が好ましい。好ましくは30段以上、さらに好ましくは50段以上である。また、該精密蒸留は適当な温度条件下で行なうことが好ましい。蒸留温度が高くなると化合物の酸化反応等により吸収の低減効果が小さくなる傾向にある。好ましい蒸留温度は30〜120℃、特に好ましい蒸留温度は30〜80℃である。上記の温度範囲での蒸留を行なうために、例えば、trans−デカヒドロナフタレンの精密蒸留は減圧下で行なう。
減圧蒸留を行なった場合、蒸留後適当な不活性気体で常圧にもどしそのまま保存することが好ましい。これにより、保存中の空気酸化を防ぐことができる。
硫酸洗浄法の場合、硫酸としては発煙硫酸、濃硫酸、および濃度80質量%以上の硫酸を使用できる。好ましくは濃度95質量%以上の濃硫酸である。硫酸濃度が80質量%未満であると硫酸洗浄による不純物の除去が困難となる。また、硫酸は空気中で放置すると吸湿して劣化するため、乾燥雰囲気下あるいは窒素雰囲気下で保存することが好ましい。
上記硫酸洗浄処理は原料化合物を硫酸と混合することにより行なう。混合は一回の処理であっても、複数回の処理であってもよく、また、処理温度の異なる複数の洗浄処理工程を含んでもよい。
飽和炭化水素化合物の例として、trans−デカヒドロナフタレンの例を挙げると、硫酸洗浄に用いる硫酸の量はtrans−デカヒドロナフタレン100体積部に対し、25〜100体積部、好ましくは25〜75体積部、更に好ましくは25〜50体積部である。100体積部をこえても洗浄効果は変わらず、硫酸の使用量が増大するのみで好ましくない、また25体積部未満の場合、精製効率が低下する。
濃硫酸洗浄は−10℃〜40℃の温度下で行なうことが好ましい。より好ましい洗浄温度は−10℃〜10℃である。攪拌温度が40℃をこえると系内で好ましくない化学反応が起こり波長193.4nmにおける透過率が低下する傾向にある。また、攪拌時間は30分〜3時間。好ましくは30分〜1時間である。攪拌時間が3時間をこえると系内で好ましくない化学反応が起き、液体の波長193.4nmにおける透過率が低下する傾向にある。
硫酸洗浄後、必要に応じてアルカリ中和、水洗を行なうことが好ましい。アルカリによる中和を行なった場合、例えば濃硫酸と不純物として存在する芳香族炭化水素との反応により生じたスルホン酸成分を効率よく除去することができる。用いるアルカリとしては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の各種アルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩は脂環式飽和炭化水素に不純物として溶解する場合が少ないので好ましい。アルカリ洗浄後は脱イオン水による洗浄を行なうことが好ましい。洗浄により、アルカリ中に含まれる金属イオン等の不純物を除去することができる。
吸着剤を用いて精製する吸着法の場合、吸着剤としてはシリカゲル、アルミナ、ゼオライト、活性炭などが挙げられる。吸着法としては上記の吸着剤を適当な時間原料に浸漬させる方法、吸着剤をカラムに充填して原料を通過させるカラムクロマトグラフィー法が挙げられる。
また、上記の精密蒸留、濃硫酸処理および吸着処理は、窒素またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。この場合不活性ガス中の酸素濃度、有機成分濃度が低いことが好ましく、好ましい酸素濃度は1000ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは1ppm以下である。
本発明方法に使用できる飽和炭化水素化合物は低極性化合物であるため酸素、窒素等の気体の溶解度が高い。このため、これらの気体の溶存の影響を受けやすく、たとえば大気雰囲気下で放置した場合、溶存酸素の吸収または溶存酸素が光により励起されて生じるオゾンの吸収、あるいは溶存酸素の関与する酸化反応等により例えば193nmの透過率の低下が起こる傾向がある。このため、これらの化合物は脱気処理を施し、窒素、アルゴン等の不活性で吸収の少ない気体中で保存することが好ましい。具体的には保存液体中の酸素濃度が100ppm以下であることが好ましく、更に好ましくは10ppm以下になるように処理することが好ましい。また、露光前に脱酸素できない場合は、特に1ppm以下が好ましく、さらに好ましくは10ppb以下である。
本発明方法に使用できる液体と接する最終レンズの材質はLu3Al512、またはBaLiF3が好ましい。
従来、ArF光によるリソグラフィには透過率の観点からレンズの材質としては、フッ化カルシウム結晶、フッ化バリウム結晶、フッ化リチウム結晶等が用いられてきた。しかしながら、これらのレンズ材料の屈折率は193nmにおいて1.5程度であり、液浸露光法を用いたレジストパターン形成方法に用いられる最終レンズの材質としては屈折率が低く使用できない。このため、液浸露光法における要求性能を満たすことができるものとして、上記Lu3Al512(193nmにおける屈折率が2.14)、またはBaLiF3(193nmにおける屈折率が1.64)が好ましい最終レンズの材質として挙げられる。
上記材料を用いたレジストパターン形成方法について説明する。
シリコンウエハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の基板上に屈折率が1.6〜1.8であるフォトレジスト膜を形成する。フォトレジスト膜は該膜を形成するための樹脂組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、基板上に塗布することにより形成し、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行なう。
このフォトレジスト膜上に上層膜形成樹脂組成物を塗布し、焼成することにより、上層膜を形成して2層膜とする。この上層膜はフォトレジスト膜を保護することと、フォトレジスト膜に含有する成分が液浸用液体へ溶出することにより生じる投影露光装置のレンズの汚染等を防止するためになされる。また、この上層膜は、液浸用液体としてtrans−デカヒドロナフタレン、1,1−ビシクロヘキシル、およびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1つの飽和炭化水素化合物を用いる場合に、該液体との接触角が65°以上、90°未満となる分子構造を有する。また、193nmおける屈折率が1.6〜1.8である。
また、上層膜の厚さはλ/4m(λは放射線の波長、mは上層膜の屈折率)の奇数倍に近いほど、レジスト膜の上側界面における反射抑制効果が大きくなる。このため、上層膜の厚さをこの値に近づけることが好ましい。
フォトレジスト膜上に形成された上層膜とレンズとの間に飽和炭化水素化合物からなる液浸用液体が満たされた状態で光を照射してパターンを形成する。
レンズは上記Lu3Al512、またはBaLiF3材質からなるレンズであることが好ましく、照射する光は、ArFエキシマレーザ(波長193nm)あるいはKrFエキシマレーザ(波長248nm)が好ましい。
上記露光後に2層膜を加熱(以下、「PEB」という。)する。この加熱はレジスト膜の解像度、パターン形状、現像性等を向上させるために行なうものである。加熱温度は、通常、30〜200℃程度、好ましくは50〜150℃である。
次いで、露光された2層膜を現像することにより、上層膜を溶解除去すると共に、レジスト膜に所定のレジストパターンを形成する。
現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10質量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10質量%をこえると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
また、上記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば有機溶媒を添加することもできる。有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。有機溶媒の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この場合、有機溶媒の使用量が100容量%をこえると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。また、アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像した後は、一般に、水で洗浄して乾燥する。
波長193nmにおける屈折率が1.6〜1.8を示すフォトレジスト用樹脂組成物としてArFレジストAR1244J(屈折率;1.70、JSR社製)を準備した。
液浸上層膜用重合体(A−1)、重合体(A−2)、比較用重合体(H−1)、重合体(H−2)を以下に示す方法により合成し、液浸上層膜用樹脂組成物を得た。なお、各重合体のMwおよびMnは、東ソー(株)製高速GPC装置(型式「HLC−8120」)に東ソー(株)製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」;2本、「G3000HXL」;1本、「G4000HXL」;1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。また、重合体中の各繰返し単位の割合は、13C NMRにより測定した。
各重合体合成に用いた単量体を式(M−1)〜(M−4)として以下に表す。
Figure 2008306074
重合体(A−1)の合成と液浸上層膜形成樹脂組成物(B−1)の調製
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(M−1)8.36g、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート(M−2)4.73g、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(M−3)1.67g、2-メタクリル酸-S-(2-テトラヒドロピラン−2−イル)エステル(M−4)5.24g、2-プロパノール60gをフラスコに投入し、70℃に加温し均一な溶液とした。その後、溶液の温度を65℃まで下げAIBN(アゾイソブチロニトリル)0.8gを投入した。その後65℃で6時間反応させた。反応後、反応混合物をヘキサン300gに投入しデカンテーションで溶剤を除くことにより白色固体を得た。得られた固体を60℃で4時間真空乾燥することにより液浸上層膜用重合体(A−1)を得た(収率60質量%)。
得られた重合体(A−1)は、13C−NMR測定の結果、単量体(M−1)由来の繰り返し単位/同(M−2)由来の繰り返し単位/同(M−3)由来の繰り返し単位/同(M−4)由来の繰り返し単位=20/35/10/35(モル比)からなる重合体であった。また、Mw17000、Mw/Mn1.7であった。
この重合体(A−1)5gを4-メチル-2-ペンタノール95gに溶解し液浸上層膜形成樹脂組成物(B−1)を得た。
重合体(A−2)の合成と液浸上層膜形成樹脂組成物(B−2)の調製
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(M−1)8.27g、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート(M−2)2.67g、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(M−3)1.65g、2-メタクリル酸-S-(2-テトラヒドロフラン-2-イル)エステル(M−4)7.41g、2-プロパノール60gをフラスコに投入し65℃に加温して均一な溶液とした。その後、AIBN(アゾイソブチロニトリル)0.8gを投入した。その後65℃で6時間反応させた。反応後、反応混合物をヘキサン300gに投入しデカンテーションで溶剤を除くことにより白色固体を得た。得られた固体を60℃で4時間真空乾燥することにより液浸上層膜用重合体(A−2)を得た(収率58質量%)。
得られた重合体(A−2)は、13C−NMR測定の結果、単量体(M−1)由来の繰り返し単位/同(M−2)由来の繰り返し単位/同(M−3)由来の繰り返し単位/同(M−4)由来の繰り返し単位=20/20/10/50(モル比)からなる重合体であった。また、Mw16000、Mw/Mn1.8であった。
この重合体(A−2)5gを4-メチル-2-ペンタノール95gに溶解し液浸上層膜形成樹脂組成物(B−2)を得た。
重合体(H−1)の合成と比較用液浸上層膜形成樹脂組成物(C−1)の調製
シクロヘキシルアクリレート10.0g、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(M−3)2.41g、2-メタクリル酸-S-(2-テトラヒドロピラン−2−イル)エステル(M−4)7.588g、2-プロパノール60gをフラスコに投入し、65℃に加温し均一な溶液とした。その後、AIBN(アゾイソブチロニトリル)0.8gを投入した。その後65℃で6時間反応させた。反応後、反応混合物をヘキサン300gに投入しデカンテーションで溶剤を除くことにより白色固体を得た。得られた固体を60℃で4時間真空乾燥することにより重合体(H−1)を得た(収率55質量%)。
得られた重合体(H−1)は、13C−NMR測定の結果、シクロヘキシルアクリレート由来の繰り返し単位/単量体(M−3)由来の繰り返し単位/同(M−4)由来の繰り返し単位=55/10/35(モル比)からなる重合体であった。また、Mw18000、Mw/Mn1.9であった。
この重合体(H−1)5gを4-メチル-2-ペンタノール95gに溶解し比較用液浸上層膜形成樹脂組成物(C−1)を得た。
重合体(H−2)の合成と比較用液浸上層膜形成樹脂組成物(C−2)の調製
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(M−1)9.296g、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート(M−2)10.518g、2-アクリルアミド-2-メチルメタクリル酸1.71g、2-プロパノール60gをフラスコに投入し、65℃に加温し均一な溶液とした。その後、AIBN(アゾイソブチロニトリル)0.8gを投入した。その後65℃で6時間反応させた。反応後、反応混合物をヘキサン300gに投入しデカンテーションで溶剤を除くことにより白色固体を得た。得られた固体を60℃で4時間真空乾燥することにより重合体(H−2)を得た(収率57質量%)。
得られた重合体(H−2)は、13C−NMR測定の結果、単量体(M−1)由来の繰り返し単位/同(M−2)由来の繰り返し単位/2-アクリルアミド-2-メチルメタクリル酸由来の繰り返し単位=20/70/10(モル比)からなる重合体であった。また、Mw15000、Mw/Mn1.8であった。
この重合体(H−2)5gを4-メチル-2-ペンタノール95gに溶解し比較用液浸上層膜形成樹脂組成物(C−2)を得た。
波長193nmにおける屈折率が1.6〜1.8であり、透過率が98%/mm以上である液浸用液体として、trans−デカヒドロナフタレン、1,1−ビシクロヘキシル、およびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンをそれぞれ以下の方法で調製した。
なお、液浸用液体の吸光度は0.5ppm以下に管理した窒素雰囲気のグローブボックス中でポリテトラフルオロエチレン製蓋付の光路長1cmおよび2cmのセルに液体のサンプリングを行ない、日本分光社製JASCO V7100を用いて、上記液体の入ったセルをサンプル、空気をリファレンスとして吸光度を測定し、両者の差を1cmあたりの吸光度とした。この値を元にランベルトベールの法則により1mmあたりの透過率を算出した。サンプルの透過光強度をI0、リファレンスの透過光強度をIとすると、吸光度はlog10(I0/I)で示される。各液浸用液体の値はセルの反射を計算により補正した値である。
trans−デカヒドロナフタレンの調製
窒素雰囲気下で、市販品のtrans−デカヒドロナフタレン100mlに対してシリカアルミナ(日揮化学社製、N633L)を5g用いて吸着ろ過した。この液体は193nmにおける透過率が91.20%/mmであった。表1においてDHNで表す。
1,1−ビシクロヘキシルの調製
窒素雰囲気下で、市販品の1,1−ビシクロヘキシル100mlに対してゼオライト(東ソー社製、HSZ-341NHA)を5g用いて吸着ろ過した。この液体は193nmにおける透過率が98.69%/mmであった。表1においてBH1で表す。
比較用1,1−ビシクロヘキシルの調製
窒素雰囲気下で、市販品の1,1−ビシクロヘキシル100mlに対してシリカアルミナ(日揮化学社製、N633L)を20g用いて吸着ろ過した。この液体は193nmにおける透過率が97.74%/mmであった。表1においてBH2で表す。
exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン
窒素雰囲気下で、市販品のexo−テトラヒドロジシクロペンタジエン100mlに対してシリカアルミナ(日揮化学社製、N633L)を5g用いて吸着ろ過した。その後、新たなシリカアルミナ(日揮化学社製、N633L)を5g用いて再度吸着ろ過した。この液体は193nmにおける透過率が99.14%/mmであった。表1においてTHDCで表す。
実施例1〜3、比較例1〜3
基板として、表面に膜厚77nmの下層反射防止膜(「ARC29A」、ブルワー・サイエンス社製)を形成した12インチシリコンウエハを用いた。なお、この反射防止膜の形成には、「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン株式会社製)を用いた。
次いで、ArFレジストAR1244J(JSR社製)を上記基板上に、上記CLEAN TRACK ACT8にて、スピンコートし、90℃で1分間の条件でベーク(PB)を行なうことにより、膜厚80nmのレジスト被膜を形成した。
次いで、レジスト被膜上に上記CLEAN TRACK ACT8にて、表1に示す液浸上層膜形成樹脂組成物をスピンコートし、150℃で5分間の条件でベーク(PB)を行なうことにより、膜厚29nmの上層膜を形成し、レジスト膜と上層膜との2層膜が形成された基板を得た。なお、表1において使用材料は*印同士を組み合わせてレジストパターンを形成した。
この基板を用いてArFエキシマレーザ露光装置(照明条件;NA1.55)により、表1に示す液浸液体が満たされた状態でマスクパターンを介して露光した。ArFエキシマレーザ露光装置の最終レンズはBaLiF3を用いた。
その後、115℃で1分間の条件でPEBを行なった後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、23℃で30秒間現像し、水洗し、乾燥して、上層膜を溶解除去すると共にポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、線幅32nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。なお、この測長には走査型電子顕微鏡(「S−9380」、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた。
線幅32nmライン・アンド・スペースパターンの断面形状を、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製「S−4800」にて観察してパターンの断面形状を評価した。図1に示すように、基板1の上に形成されたレジストパターン2の中間での線幅Lbと、膜の上部での線幅Laを測り、0.9≦(La−Lb)/Lb≦1.1の範囲内である場合を「良好」とし、範囲外である場合を「不良」とした。
上層膜と液浸液体との接触角は、KRUS社製DSA−10を用いて、上層膜上に0.05mlの液浸液体を滴下し、滴下後3〜10秒後の接触角を1秒おきに測定し、平均値を接触角として求めた。測定温度25℃である。フォトレジスト膜、上層膜および液浸用液体の193nmにおける屈折率は分光エリプソメータを用いて25℃で測定した。結果を表1に示す。
Figure 2008306074
上述した本発明の重合体は、撥油性を有し高速スキャン時に上層膜上への液浸用液体残りが少なく、高NA露光に対応する十分高い屈折率を有する上層膜を形成できるので、液浸露光時に、高速でスキャン露光しても液浸用液体の切れがよいことで「しみ」が残り難くなる。また、その上層膜は液浸露光時に、レンズおよびレジストを保護し、解像度、現像性等にも優れたレジストパターンを形成することができる。そのため、今後更に微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。
ライン・アンド・スペースパターンの断面形状を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 レジストパターン

Claims (5)

  1. 基板上に形成されたフォトレジスト膜上に上層膜を形成して2層膜とする工程と、
    前記上層膜とレンズとの間に飽和炭化水素化合物からなる液浸用液体が満たされた状態で光を前記2層膜に照射してパターンを形成する露光工程と、
    前記2層膜を加熱する加熱工程と、
    加熱工程後の前記2層膜を現像液を用いて現像する現像工程とを備えてなるレジストパターン形成方法であって、
    前記フォトレジスト膜、前記上層膜および前記液浸用液体の波長193nmにおける屈折率が1.6〜1.8であり、かつ前記液浸用液体の波長193nmにおける透過率が98%/mm以上であることを特徴とするレジストパターン形成方法。
  2. 前記上層膜と前記液浸用液体との接触角が65°以上、90°未満であることを特徴とする請求項1記載のレジストパターン形成方法。
  3. 前記上層膜はフッ素原子を含む基をその側鎖に有する繰返し単位と、硫黄原子を含む基をその側鎖に有する繰返し単位とを含む重合体を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載のレジストパターン形成方法。
  4. 前記飽和炭化水素化合物は、trans−デカヒドロナフタレン、1,1−ビシクロヘキシル、およびexo−テトラヒドロジシクロペンタジエンから選ばれる少なくとも1つの飽和炭化水素化合物であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載のレジストパターン形成方法。
  5. 前記レンズのうち、前記液浸用液体と接する最終レンズの材質がLu3Al512、またはBaLiF3であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載のレジストパターン形成方法。
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