JP4966884B2 - 濾過集水装置及びガス放出管 - Google Patents
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Description
この種の濾過集水装置は、濾過媒体を含む濾過層を備え、種々の水を濾過しうるものであるが、この濾過層に懸濁物質等が蓄積して濾過能力が低下した場合、空気等のガスや水による逆流洗浄(逆洗)を行うことにより懸濁物質等を除去することが可能な構成を有している(例えば、特許文献1参照。)。
前記ガス放出装置の前記集水管内のガス流路には、放出時のガスの流れが上昇から下降に折り返される折返部と、該折返部からガスの流れ方向下流側に移行するにつれて下降する下降経路とが形成されており、該下降経路の距離が30mm以上であることを特徴とする濾過集水装置を提供する。
斯かる濾過集水装置に於いては、集水管内に於ける水位の上昇に伴って、集水管内に配されたガス放出口から濾過水がガス流路内に浸入することとなり、ガス流路の折返部よりもガス放出口側の領域で且つ放出時のガスの流れが下降に向く領域に於いては、水位の上昇に伴ってガス流路内の水位も上昇することとなるが、それに伴って、ガス流路内の内圧も上昇することとなる。
従って、内圧の上昇分だけガス流路内への濾過水の浸入を抑制することができ、ガス流路内に濾過水が流入し難いものとなる。
斯かる濾過集水装置に於いては、下部水路内の濾過水の水位が全ての内殻連通孔よりも上位にくることが殆ど無いことから、ガス放出口から濾過水が浸入しても折返部を越えて水が浸入する虞もほとんど無い。
斯かる濾過集水装置に於いては、ガス放出口の最上点が最上位に配された内殻連通孔よりも下位となるように配されていることから、ガス放出口が水面下に位置して水封されることが多くなり、集水管内の悪臭がガス流路を介してガス放出口の反対側(通常、ブロアが備えられている)に到達することが抑制されることとなる。
図1は、本実施形態の濾過集水装置(ガス放出管を含む)及びその使用態様を示す一部破断を含む概略斜視図である。
図1に示すように本実施形態の濾過集水装置は、生活廃水、工業廃水、埋立余水、上水、用水、海水等の被濾過水を貯留する濾過池に設置されて使用されるものであり、被濾過水を濾過する濾過層4と、該濾過層4の下方に配され且つ該濾過層4で濾過された濾過水を内側に集めて下流側に流すべく内側に水路が形成された複数の集水管2と、各集水管2内にそれぞれガスを放出しうるように少なくともガス放出口31が前記集水管2内に配されたガス放出装置30とを備え、ガス放出装置30によるガス放出によって、ガスを上昇させて前記濾過層4を逆流洗浄しうるように構成されてなる。
尚、本実施形態に於いて、ガスとしては、空気等が用いられうる。
更に、前記一対の内殻体12は、中央下部に配された中央下部水路13と側方上部に配された左右一対の側方上部水路14とを区画形成するとともに、前記集水管2の強度を補強してなる。
尚、前記外殻体11の上壁11aであって前記中央下部水路13の上壁11aとなる部分は、通水孔11a1が設けられておらず、気密に閉塞されている。
詳しくは、前記上壁11aの通水孔11a1を濾過媒体が通過しないように、前記外殻体11の上面に、多孔プレート20が載置され固定手段のビス21によって固定されている。
尚、本発明に於いては、多孔プレート20の代わりに砂利を用いることも可能であり、砂利を用いた場合、固定手段は不要となる。
詳しくは、集水管2の一端側には、集水された濾過水を中央下部水路13から排出するための排水開口部11c1が外殻体11の底壁11cに設けられており(図4参照)、この排水開口部11c1から集水された濾過水が下降し、濾過水集水槽40内で更に集められた水が、集水槽40に設けられた配水管41を介して外部に排出されるようになっている。
尚、図1に於いて、前記ガス放出装置30としては、濾過水集水槽40内の排水開口部11c1下方に配され集水管2の水路方向と直交する方向に延在するガス分散管35と該ガス分散管35から上方に伸びるように立設され、各排水開口部11c1を通って先端のガス放出口31が各中央下部水路13内に進入した複数のガス放出管37と、一端側がガス分散管35と連結され、他端側が濾過水集水槽40の外部に伸び且つブロア38が取り付けられるとともに弁36が介装されて密封される主ガス管39とによってガス流路が形成されてなるものが示されている。
図4に示すように、本実施形態に於いて、前記集水管2内におけるガス流路には、ガス流路を形成するガス放出管37を屈曲させることにより、放出時のガスの流れが上昇から下降に折り返される折返部32が形成されている。
即ち、前記ガス流路は、ガスの流れ方向下流側に移行するにつれて上昇する上昇経路33と下降する下降経路34とこれらの境界線部である折返部32とを有している。
更に、ガス流路に於けるガスの放出方向は、好ましくは、水面の脈動や波立ちを防止するために水平方向で且つ集水管2の長手方向上流側に向くように設定されている。詳しくは、前記ガス放出管37のガス放出口31は、水平で且つ集水管2の長手方向の上流方向に向けて開口している。
本実施形態に於いて、下降経路34の距離L1(即ち、折返部32の最下点32aから下降経路34終端部の最上点34aまでの距離)は30mm以上であるように設定されている。
更に、好ましくは、前記ガス流路は、この折返部32の最下点32aが集水管2の内殻体12に設けられた全ての内殻連通孔12aの最上点12a1よりも上位に位置するように、より好ましくは、その差L2が10mm以上であるように配されている。
その際、本実施形態の濾過集水装置は、上記の如く折返部32を有し、好ましくは、下降距離L1が30mm以上であることから、水位が上昇した際に於けるガス流路内への水の進入量をより一層低減することができる。
特に、折返部32の最下点が集水管2の内殻体12に設けられた全ての内殻連通孔12aの最上点12a1よりも上位で、その差L2が10mm以上であるように配されている場合には、水位が上昇した際に於けるガス流路内への水の進入量をより一層低減することができる。
この逆洗処理は、ブロア38等によって加圧ガスをガス放出口31から中央下部水路13に放出し、内殻連通孔を透過させて側方上部水路14に放出し、更に、外殻体11の通水孔11a1及び多孔プレート20を介して濾過媒体に噴出させることにより実施される。即ち、この噴出された逆流ガスによって、濾過媒体を水中に流動させることで、濾過層4に詰まっていた異物が取り除かれることとなる。また、本実施形態に於いては、内殻体12により、中央下部水路13と左右一対の側方上部水路14とが区画形成されてなることから、逆洗処理時における圧力バランスの偏差が補正され、バランス良く濾過層4が洗浄されることとなる。
例えば、本実施形態に於いては、ガス流路を形成するガス管を屈曲させることにより、折返部32が形成されたが、本発明に於いては、図5に示す構成により折返部32が形成されていてもよい。
即ち、図5に示すように、立設されたガス管の上縁側にドーム状のキャップ52が装着され、該キャップ52は側面下部に対向する一対のガス放出口31を備え且つガス放出口31以外閉塞されてなるとともに、ガス管の上縁が前記ガス放出口31の最上点よりも上位になるように配されてなり、ガス管上縁の上方部分が折返部32となる態様であっても本発明の意図する範囲内である。
尚、斯かる実施形態に於いても、本実施形態と同様に、下降経路34の距離L1が30mm以上であること、折返部32の最下点32aたるガス管の上縁と集水管2の内殻体12に設けられた全ての内殻連通孔12aの最上点12a1との差L2が10mm以上であること、更には、ガス放出口31の最上点31aが、少なくとも最上位に配された内殻連通孔12aの最下点12a2よりも下位に位置し、その差L3が20mm以上であることは、好ましいことである。
尚、斯かる実施形態に於いても、本実施形態と同様に、下降経路34の距離L1が30mm以上であること、折返部32の最下点32aと集水管2の内殻体12に設けられた全ての内殻連通孔12aの最上点12a1との差L2が10mm以上であること、更には、ガス放出口31の最上点31aが、少なくとも最上位に配された内殻連通孔12aの最下点12a2よりも下位に位置し、その差L3が20mm以上であることは、好ましいことである。
4・・・濾過層
11・・・外殻体
11a・・・上壁
11a1・・・通水孔
12・・・内殻体
12a・・・内殻連通孔
30・・・ガス放出装置
31・・・ガス放出口
32・・・折返部
Claims (4)
- 水を濾過する濾過層と、該濾過層の下方に配され且つ該濾過層で濾過された濾過水を内側に集めて下流側に流すべく内側に水路が形成された集水管と、該集水管内にガスを放出しうるように少なくともガス放出口が前記集水管内に配されたガス放出装置とを備え、ガス放出装置によるガス放出によって、ガスを上昇させて前記濾過層を逆流洗浄しうるように構成されてなる濾過集水装置であって、
前記ガス放出装置の前記集水管内におけるガス流路には、放出時のガスの流れが上昇から下降に折り返される折返部と、該折返部からガスの流れ方向下流側に移行するにつれて下降する下降経路とが形成されており、該下降経路の距離が30mm以上であることを特徴とする濾過集水装置。 - 前記集水管は、中空筒状の外殻体と該外殻体内に傾斜するように配された内殻体とを備え、該内殻体によって内部に下部水路と上部水路とが区画形成されてなり、更に、前記外殻体の上壁には、濾過水を上部水路内に流入させる複数の通水孔が設けられ、前記内殻体には、前記上部水路と下部水路とを連通させる複数の内殻連通孔が設けられてなり、
前記ガス放出装置の前記集水管内のガス流路は、前記折返部の最下点が全ての前記内殻連通孔よりも上位となるように前記下部水路内に配されている請求項1記載の濾過集水装置。 - 前記ガス放出装置の前記集水管内のガス流路は、前記ガス放出口の最上点が最上位に配された前記内殻連通孔よりも下位となるように配されている請求項2記載の濾過集水装置。
- 請求項1乃至3の何れかに記載の濾過集水装置に用いられ、集水管内にガスを放出するように少なくともガス放出口が前記集水管内に配されるガス放出管であって、
前記集水管内における領域には、放出時のガスの流れが上昇から下降に折り返すように形成された折返部と、該折返部からガスの流れ方向下流側に移行するにつれて下降する下降経路とが備えられており、該下降経路の距離が30mm以上であることを特徴とするガス放出管。
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