JP4966508B2 - アルミナ基板の製造方法、及び回路形成方法 - Google Patents

アルミナ基板の製造方法、及び回路形成方法 Download PDF

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Description

本発明はアルミナを主成分とするアルミナ基板に関し、特に、射出成形により形成する場合に流動性が良く、また、焼結性、熱伝導性、反射性に優れたアルミナ基板に関する。
射出成形により得られる複雑形状の基板表面に回路めっき等を施し、その表面に、例えばLED、撮像素子、焦電素子等の各種デバイスを実装し、電気回路モジュールのダウンサイジングを図るMID(Molded Interconnection Device)技術が知られている。
MID技術の具体例としては、例えば、特許文献1にはMID基板に複数のLEDチップを実装してなる半導体装置が開示されている。特許文献1にはMID基板の材料の詳細については記載されていないが、従来から用いられてきたMID基板は、例えば特許文献2で示されているような液晶ポリエステル樹脂等の樹脂製であった。このような樹脂製のMID基板は成形加工性に優れているために好ましく用いられる。
しかしながら、特許文献1のようにMID基板に複数のLEDチップを実装するような場合、樹脂製のMID基板の表面に熱発生量の多いデバイスを実装する場合には充分に放熱させることができず、デバイスの効率を低下させる原因になっていた。
放熱性を改良する方法としては、例えば、特許文献1の(0023)には、MID基板の成形時に熱伝導性の良い金属材料やセラミックス等の無機材料を同時に成形したり、あるいは後で貼り付けることにより、放熱性を良くする方法が記載されている。
しかしながら、前記方法による場合には、部分的に放熱性を向上させるにすぎないため、デバイスの効率を大幅に向上するためには不充分であった。
一方、従来から、各種デバイスを搭載する回路基板として、放熱性に優れているとともに、電気絶縁性、機械的特性、化学的安定性、寸法安定性等の各種特性に優れた回路基板材料としてアルミナ基板が用いられている。
前記アルミナ基板の製造方法としては、アルミナ粉末組成物を含有するスラリーをドクターブレードとよばれるへらによりシートを成形し、焼結することにより製造するドクターブレード法や前記スラリーよりも水分(ないし溶剤)量の少ないアルミナ粉末組成物を含有する坏土を用いて押出成形することによりシートを成形し、焼結することにより製造する押出成形法が知られている。
例えば、特許文献3には、導体との密着強度等を改良することを目的としてアルミナ粉末と特定の焼結助剤とを混合し、シート成形した後、焼成して純度96重量%のアルミナ基板を製造するアルミナ基板の製造方法において、前記アルミナ粉末として平均粒径が0.8〜1.0μmのアルミナ粉末を使用し、前記焼結助剤として焼成後の組成がSiO2 として64〜73重量%、MgOとして25〜36重量%、CaOとして0〜5重量%である焼結助剤を使用し、1450〜1550℃の温度で焼成するアルミナ基板の製造方法が開示されている。
このような製造方法で得られるアルミナ基板はシート状であるため、射出成形で得られるような複雑な形状の基板・部品は製造できなかった。
前記課題を解決するために、本発明者らは、CIM(Ceramic Injection Molding)技術を用いることにより、従来困難であったセラミックス製のMID基板を製造し、その表面に各種デバイスを実装することを試みた。
しかしながら、複雑な形状を有するMID基板をセラミックスで製造することは、その成形用材料の流動性の点から困難であった。
特許3271542号公報 特開2003−268241号公報 特開平5−301760号公報
本発明は、複雑形状の回路基板において基板の放熱性を高めることにより、基板表面に実装される各種デバイスの効率を高めたアルミナ基板の提供を課題とする。
具体的には、射出成形等によりアルミナ基板を成形して複雑な形状のアルミナ基板を得、その表面に回路を形成させることにより放熱性の良い回路基板の提供を課題とする。
さらに、従来のアルミナ基板よりもアルミナ基板内部に発生する微細な空隙が少なく、緻密なアルミナ基板の提供を課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のアルミナ粉末組成物を用いることにより複雑形状の回路基板であり、放熱性の良い回路基板を製造することができることを見出した。
すなわち本発明は、中心粒径が0.3〜0.7μmの第1のアルミナ粉末20〜40質量%及び中心粒径が1.5〜2.8μmの第2のアルミナ粉末60〜80質量%からなるアルミナ粉末組成物を含有する成形用材料を成形・焼結することにより、アルミナ基板を製造するアルミナ基板の製造方法に関する。さらに、前記成形用材料が前記アルミナ粉末組成物100質量部に対してマグネシア(MgO)0.01〜0.5質量部含有するので、アルミナ基板の開気孔率が低くなり緻密なアルミナ基板を得ることができ、放熱性が改善できる。
また、前記成形用材料が前記アルミナ粉末組成物100質量部に対してシリカ0.1〜1質量部含有する場合には、アルミナ基板の光反射率が高くなり、LEDを実装する場合には特に好ましい。
また、前記焼結時の温度が1600〜1650℃である場合には、さらに、開気孔率が低くなり緻密なアルミナ基板を得ることができ、放熱性が改善できる点から好ましい。
さらに、前記アルミナ基板が射出成形により成形されて得られる成形回路基板である場合には放熱性に優れた成形回路基板が得られる。
また、アルミナ基板の表面を導電性薄膜で被覆する薄膜形成工程、前記導電性薄膜で被覆されたアルミナ基板表面の回路を形成しようとする部分の輪郭部に電磁波を照射して導電性薄膜を除去することにより回路パターンを形成する回路パターン形成工程、前記輪郭部により形成される回路パターン部分に金属メッキを施すことにより回路を形成する回路形成工程及びエッチングにより前記表面に露出している導電性薄膜を除去するエッチング工程を備える回路形成方法により、アルミナ基板表面に回路を形成する場合には、複雑な形状のアルミナ基板上にも容易に回路を形成することができる。
本発明における特定の粒径のアルミナ粉末組成物を用いることにより射出成形等を用いて複雑な形状を有するアルミナ基板を製造することができる。
また、本発明で用いる特定のアルミナ粉末組成物により得られるアルミナ基板は、従来のアルミナ基板よりもアルミナ基板内部に発生する微細な空隙が少なく、緻密なアルミナ基板である。従って、本発明のアルミナ基板は従来のアルミナ基板よりも熱伝導率に優れ、従来のアルミナ基板の表面に熱発生量の多いデバイスを実装する場合に比べて、デバイスの効率を高めることができる。
本発明のアルミナ基板は、中心粒径が0.3〜0.7μmの第1のアルミナ粉末20〜40質量%及び中心粒径が1.5〜2.8μmの第2のアルミナ粉末60〜80質量%からなるアルミナ粉末組成物を含有する成形用材料を成形・焼結することによって得られるものである。
本発明においてはアルミナ粉末組成物として、第1のアルミナ粉末と第2のアルミナ粉末を特定の割合で用いることにより成形流動性に優れた成形用材料が得られるため、複雑形状のアルミナ基板が成形できる。また、第2のアルミナ粉末により形成される空間に粒子径の小さい第1のアルミナ粉末が密にパッキング(充填)されるために、得られるアルミナ基板内部に発生する微細な空隙が少なくなる。
本発明における第1のアルミナ粉末とは、中心粒径が0.3〜0.7μm、好ましくは0.4〜0.6μmのアルミナ粉末である。ここで、中心粒径とは重量累積粒度分布の微粒側からの累積重量が50%となる粒子径を意味する。
前記中心粒径が0.3μm未満の場合にはアルミナ粒子が凝集しやすくなり一部分の粒子においては成形用材料を得るために行なう混合・分散工程を経ても凝集体が残り、第2のアルミナ粉末により形成される空間に密にパッキングすることができなくなるおそれがあり、また、0.7μmを越える場合には大きすぎて第2のアルミナ粉末により形成される空間に密にパッキングしにくくなるため、アルミナ基板内の空隙の発生を充分に抑制できなくなるおそれがある。
また、第1のアルミナ粉末としては、化学合成で析出させる際の条件を制御することにより得られる球状等のものでもよいが、前記析出で得られた比較的大きな粒径のアルミナ粉末を粉砕して得られるものを用いてもよい。粉砕により得られたアルミナ粉末はランダムな形状になるため、前記球状等のものを用いるよりも、第2のアルミナ粉末の粒子の空間に第1のアルミナ粉末の粒子が入りやすくなり、密度が高くなるため焼結性が向上するため好ましい。
一方、第2のアルミナ粉末とは、中心粒径が1.5〜2.8μm、好ましくは2.0〜2.4μmのアルミナ粉末である。本発明においては中心粒径が大きい第2のアルミナ粉末により形成される空隙に第1のアルミナ粉末が密にパッキングされることにより得られるアルミナ基板の開気孔率が低くなり、緻密なアルミナ基板が得られるとともに、適度な粒径分布になることにより成形加工性に優れるものになる。
なお、本発明においては、第1のアルミナ粉末及び第2のアルミナ粉末の中心粒径は前記範囲であれば良いが、さらに、第2のアルミナ粉末の中心粒径が第1のアルミナ粉末の中心粒径の4〜5倍であることが第2のアルミナ粉末により形成される空間に第1のアルミナ粉末が密にパッキングされ、アルミナ基板内部の空隙の存在を抑制することができるため、熱伝導性に優れたアルミナ基板を得ることができる点から好ましい。
本発明におけるアルミナ粉末組成物は、第1のアルミナ粉末20〜40質量%及び第2のアルミナ粉末60〜80質量%からなるものである。第1のアルミナ粉末が20質量%未満の場合には、第2のアルミナ粉末により形成される空間に第1のアルミナ粉末を充分に密にパッキングすることが困難になり、アルミナ基板内部の空隙の存在を充分抑制できないおそれがあり、アルミナ基板の熱伝導性が低下する傾向がある。一方、第1のアルミナ粉末が40質量%を超える場合に結果的にアルミナ粉末の表面積が大きくなり成形加工性がやや不足する傾向がある。
本発明のアルミナ基板は、前記第1のアルミナ粉末と第2のアルミナ粉末からなるアルミナ粉末組成物を含有する成形用材料を成形・焼結することにより得られる。
本発明のアルミナ基板を得るための成形方法としては、特に限定されないが、本発明におけるアルミナ粉末組成物を用いた場合には、射出成形法を用いることができ、それにより複雑形状の成形品を得ることができる。
すなわち、従来、MID基板のような複雑形状の回路基板は流動性の観点から樹脂製であったが、本発明におけるアルミナ粉末組成物を用いることによりアルミナ製の回路基板を射出成形により得ることができる。
射出成形において用いられる射出成形用材料について以下に説明する。
射出成形用材料は所定の割合で混合された第1のアルミナ粉末と第2のアルミナ粉末からなるアルミナ粉末組成物を調製し、前記組成物をバインダー、必要に応じて配合されるシリカ、マグネシア(MgO)、その他添加物とともに混練することにより得られる。
前記バインダーとしては、ポリスチレン、パラフィンワックス、ステアリン酸、ポリエチレン、ポリプロピレン等、CIMの分野で従来から用いられているものが選ばれる。
また、本発明のアルミナ基板上にLED等光電気変換素子を実装する場合には、成形用材料にシリカを配合することが好ましい。シリカを配合することによりアルミナ基板の反射率を向上させることができ、光強度を高めることができる。
シリカの配合量としては、アルミナ粉末組成物100質量部に対して0.1〜1質量部、さらには、0.2〜0.5質量部配合することが好ましい。前記配合量が0.1質量部未満の場合には反射率改善の効果が小さく、1質量部を超える場合には基板上に形成された回路の密着性が弱くなる傾向がある。
さらに、成形用材料中にマグネシア(MgO)を配合することにより焼結性を改善し、基板の空隙をさらに抑制することができる。
マグネシアの配合量としては、アルミナ粉末組成物100質量部に対して0.01〜0.5質量部、さらには、0.02〜0.3質量部配合することが好ましい。前記配合量が0.01質量部未満の場合には焼結性改善効果が小さく、0.5質量部を超える場合には射出成形する際の成形性が低下する傾向がある。
また、前記必要に応じて配合される添加剤としては、CaO(カルシア)等が挙げられる。
成形用材料を得るための混練方法は特に限られず、ニーダー、単軸・二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール等、各種混練法を用いることができ、得られた成形用材料はペレタイズや粉砕処理されて射出成形機に供給するのに適した形状に形成される。
なお、アルミナ粉末組成物等とバインダーとの混練時の配合方法については、特に限定されず、第1のアルミナ粉末と第2のアルミナ粉末を予め乾式で混合した後バインダーと混練する方法、第1のアルミナ粉末と第2のアルミナ粉末とバインダーとを同時に混練する方法、また、第1のアルミナ粉末及び第2のアルミナ粉末のそれぞれを予め別々にバインダーと混練し、それぞれを混練する方法、さらに前記どちらか一方のアルミナ粉末のみをバインダーと予め混練して、その後に他方のアルミナ粉末を前記予め混練されたバインダーに加えて混練する方法等が挙げられる。
前記配合方法の中では、第1のアルミナ粉末と第2のアルミナ粉末とバインダーとを同時に混練する方法を用いた場合には短時間で均一な成形用材料が得られ、また、焼結して得られるアルミナ焼結体中のアルミナ粒子の分布も均一なものを得ることができるために好ましい。また、前記どちらか一方のアルミナ粉末のみをバインダーと予め混練して、その後に他方のアルミナ粉末を前記予め混練された一方のアルミナ粉末とバインダーとの混練物に加えて混練する方法を用いた場合には、2種類のアルミナ粉末は粉末同士の凝集を低く抑えることができ、短時間でより均一に分散させることができるために好ましい。
また、本発明のアルミナ基板の成形方法として、前記射出成形法の他、従来からアルミナ基板の成形方法として知られているドクターブレード法、押出成形法等を用いてもよい。
ドクターブレード法は、原料となるセラミックス粉末に有機溶剤、分散剤、バインダー、可塑剤等を添加し、ボールミル等で粉砕・混合することにより均一なスラリーを作製した後、有機溶媒を所定量除去し、粘度を調整した後にドクターブレードによりグリーンシートとよばれる焼結前のシートを形成し、所望の大きさに切断して成形体を得る方法である。
一方、前記押出成形法は、アルミナ粉末等を乾式混合した後、水や潤滑材等を添加しミキサー等で充分に混合して成形用の坏土を得、前記坏土を押出成形することによりグリーンシートを形成し、所望の大きさに切断して成形体を得る方法である。
前記ドクターブレード法における成形材料はスラリー状、押出成形法で得られる成形材料は坏土状であるのが好ましいので、成形材料の組成は本発明におけるアルミナ粉末組成物及び必要に応じて配合されるシリカ、マグネシア以外の成分は加工性等を考慮して適宜それぞれの製法に適した成分が選ばれる。
前記各種成形方法により得られた成形体を脱脂した後、焼結することによりアルミナ基板が得られる。
脱脂は、500℃程度に加熱することにより行なわれることが好ましく、また、焼結は、1400〜1700℃、さらには1600〜1650℃程度に加熱して行なわれることが好ましい。前記焼結温度が低すぎる場合には充分に焼結が進行せず、比較的基板中の空隙の割合(開気孔率)が高くなり、また基板強度が低くなる傾向があり、高すぎる場合には、粒成長が過剰に進行するためにやはり基板強度が低下する傾向があるとともに高価な焼結炉も必要になりため、製造コストを上昇させることにもなる。
このようにして得られる本発明のアルミナ基板は従来のアルミナ基板よりもアルミナ基板内部に発生する微細な空隙が少なく、開気孔率が0〜0.4%程度の緻密なアルミナ基板である。従って、本発明のアルミナ基板は従来のアルミナ基板よりも熱伝導率に優れ、従来のアルミナ基板の表面に熱発生量の多いデバイスを実装する場合に比べて、デバイスの効率を高めることができる。
また、その成形工程においては、流動性に優れた成形用材料が得られるために、射出成形法により複雑な形状を有するアルミナ基板を得ることができる。
本発明のアルミナ基板はその表面に回路を形成させて用いられる。
図1は回路形成方法の一例として、電磁波照射を用いる方法の工程を示した模式図である。
アルミナ基板の表面を導電性薄膜で被覆する薄膜形成工程(図示せず)、前記導電性薄膜で被覆されたアルミナ基板表面の回路を形成しようとする部分の輪郭部に電磁波を照射して導電性薄膜を除去することにより回路パターンを形成する回路パターン形成工程(図1(A))、前記輪郭部により形成される回路パターン部分に金属メッキを施すことにより回路を形成する回路形成工程(図1(B))及びエッチングにより前記表面に露出している導電性薄膜を除去するエッチング工程(図1(C))を備える回路形成方法等が用いられる。
前記薄膜形成工程は、アルミナ基板1の表面を、必要に応じてプラズマ処理等により表面改質した後に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法(PVD法)を用いることにより導電性薄膜2を形成する工程である。
次に前記薄膜形成工程により形成された導電性薄膜上に電磁波、例えば各種レーザーを照射することにより回路を形成しようとする部分の輪郭部に電磁波を照射し、回路パターン4を形成する(回路パターン形成工程)。なお、電磁波照射は予め形成しようとするパターン及び電磁波走査条件がプログラミングされた電磁波照射機により行なわれる。このような方法を用いた場合には、アルミナ基板が複雑な立体形状を有する場合にも容易に回路形成が可能である。また、従来の焼結前の成形体にタングステンペーストで回路パターンを形成する方法の場合には、焼結時の基板の収縮に伴い回路パターンも収縮するために、高い精度の回路パターンは得られなかったが、本方法によれば、焼結後の基板にパターニングできるために、高い回路パターンが得られる。
そして、前記回路パターン形成工程により得られた回路パターンの輪郭の内部に金属メッキを施すことにより回路5が形成される。前記金属メッキの金属としては銅等が用いられ、その厚みとしては5〜30μm程度、さらには10〜20μm程度であるのが好ましい。
最後に、前記金属メッキにより回路が形成されたアルミナ基板の表面に露出している回路非形成部分の導電性薄膜をエッチングにより除去することで回路が形成される。
このようにして得られる本発明のアルミナ基板は熱伝導率に優れているため、その表面に各種デバイス、例えば、LED等を実装した場合にも高い効率で放熱する性能を発揮することができる。
以下に本発明の内容を更に具体的に実施例を用いて説明する。なお、本発明は実施例の内容に限定されることはない。
なお、本発明で用いた原材料を以下にまとめて示す。
・アルミナ粉末A:中心粒径0.5μmのAES―11(住友化学工業(株)製)
・アルミナ粉末B:中心粒径2.1μmのAL―31−03(住友化学工業(株)製)
・バインダー:ポリスチレン60質量%、パラフィンワックス20質量%及びステアリン酸20質量%からなる混合物
また、本発明で用いた評価方法を以下にまとめて示す。
・流動性
得られた射出成形用樹脂組成物をフローテスター(CFT-500D、(株)島津製作所製)を用いて、その流動性を測定した。評価は直径1mm、長さ1mmのダイスを用い、140℃に加熱したシリンダに射出成形用樹脂組成物を充填した後、ピストンに0.98MPa荷重を掛けたときの1秒あたりの射出成形用樹脂組成物の流出容積を測定した。測定の結果、前記流出容積が0.1ml/秒を超えるものを流動性が良い(○)とし、0.07〜0.1ml/秒の場合を(△)とし、0.07ml/秒未満であるものを流動性不良(×)と評価した。
・開気孔率
焼結後の成形品をJIS R 1634に基づき、開気孔率を計測した。そして、開気孔率が0.5%以下のものを良(○)、0.5%を越えるものを不良(×)とした。
・熱伝導率
焼結後の成形品から直径20mm、長さ1mmの試験片を切り出し、JIS R1611に準拠して熱定数測定装置(TC―3000、真空理工製)を用いて、レーザーフラッシュ法で熱伝導率を測定した。
・反射率
紫外・可視分光光度計(UV3100PC、(株)島津製作所製)を用いて、焼結後の成形品の波長460nmの光に対する反射率を測定した。
・ピール強度
JIS C6481に準拠して、単位幅あたりの回路の引き剥がし強度(90度ピール強度)を測定した。なお、ピール強度の測定は、万能材料試験機(オートグラフ AG10TD、島津製作所(株)製)を用い、室温下において、50mm/秒のクロスヘッドスピードで行なった。
〈実施例1〉
(アルミナ基板の製造)
アルミナ粉末A40質量部及びアルミナ粉末B60質量部に前記バインダー20質量部を配合して加圧ニーダ―に入れて混練し射出成形用組成物を作製した。
得られた射出成形用組成物を前記方法により流動性を測定した。
得られた前記射出成形用組成物を射出成形機(ROBOSHOT−α50iAP、ファナック(株)製)を用いて40×30×2(mm)の矩形状の成形品を得た。
なお、前記射出成形における成形条件は樹脂温度180℃、金型温度20℃、射出率40cc/秒の成形条件で行なった。
次に、前記得られた成形品を脱脂炉内に載置し、20℃から550℃まで72時間かけて昇温させて前記成形品を脱脂し、前記脱脂された成形品を焼結炉に載置して、1600℃、3時間で焼結した。
このようにして得られた焼結された成形品(以下焼結体ともいう)を室温まで冷却した後、前記評価方法により開気孔率、熱伝導率、反射率を測定した。
(回路形成)
前記焼結体を1000℃で1時間保持することにより加熱処理することにより清浄化された焼結体表面をプラズマ処理した後、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いて以下のように導電性薄膜を形成した。
まず、前記清浄化された焼結体をプラズマ処理装置のチャンバ内にセットし、チャンバ内を2〜10Pa程度に減圧した後、150℃で3分間予備加熱した。
その後、チャンバ内に窒素ガスを流通させるとともにチャンバ内のガス圧を10Pa程度に制御する。そして、プラズマ処理装置の電極間に500Wの高周波電圧(RF:13.56MHz)を30秒間印加することによりプラズマ処理を行なった。
次に、チャンバ内の圧力を4〜10Pa以下にして、チャンバ内にアルゴンガスを0.6Paになるように導入し、更に500Vの直流電圧を印加することにより、銅ターゲットをボンバートして、焼結体表面に300nm程度の厚みの銅による導電性薄膜を形成した。
そして、前記導電性薄膜が形成された焼結体表面に大気中でYAGレーザーの第3高調波(THG−YAGレーザー)を使用し、平均出力6W、スポット径40μm、走査速度200mm/秒で5mm間隔でレーザー照射して、回路パターンを形成した。
次に、前記形成された回路パターン上に電解メッキにより銅メッキを施し、厚さ15μmの金属膜を形成した。前記評価方法によりピール強度を測定した。
結果を表1に示す。
(実施例2及び比較例1〜4)
表1に記載した組成でアルミナ基板を製造した以外は実施例1と同様の方法でアルミナ基板を製造し、回路を形成して評価した。
結果を表1に示す。
Figure 0004966508
表1より、本発明における特定のアルミナ粉末組成を用いた実施例1及び実施例2は流動性に優れていることがわかる。また開気孔率も0.1及び0.4であり、緻密なアルミナ基板が得られた。従って熱伝導率も優れたものになっている。
一方、比較例1〜3においては流動性が悪く、射出成形によりアルミナ基板を得る場合においても完充填した成形品はほとんど得られず、生産性の観点からアルミナ基板を射出成形で量産することは困難であると思われる。
また、比較例4においては開気孔率が高いため熱伝導率も悪く、例えば、LEDを実装した場合には発光効率が悪いと思われる。
(実施例3〜8)
シリカ及びマグネシアを配合した表2に記載の組成でアルミナ基板を製造した以外は実施例1と同様の方法でアルミナ基板を製造し、回路を形成して評価した。
結果を表2に示す。
Figure 0004966508
表2より、アルミナ粉末A70質量%及びアルミナ粉末B30質量%含有する成形材料中にさらに、シリカを0.1〜1質量部配合した実施例3及び実施例4では、反射率が84、88%となり、実施例1及び実施例2の79%程度に比べて大きく改善されていることがわかる。一方、シリカを2質量部配合した実施例5ではピール強度が0.5N/mmになり実用上回路の密着性がやや弱くなるため好ましくない。
また、実施例2の成形材料中にさらに、マグネシアを0.01〜0.5質量部配合した実施例6及び実施例7では、開気孔率が0.2〜0.3%となり、実施例2の0.4%に比べて改善されていることがわかる。一方、マグネシアを1%配合した場合には開気孔率は優れているが流動性がやや悪くなる傾向があった。
(実施例9〜11)
実施例2と同様の組成で焼結温度を1500℃から1650℃に変えた以外は実施例2と同様の方法でアルミナ基板を製造し、回路を形成して評価した。
実施例2の焼結温度1600℃で開気孔率が0.4%であったのに対し、焼結温度1500℃の実施例9では開気孔率が2.4%、焼結温度1550℃の実施例10では開気孔率が1.4%、焼結温度1650℃の実施例11では開気孔率が0.1%であった。このことから、1600℃以上の焼結温度においては開気孔率が0.4%以下になり、焼結性に優れたアルミナ基板を得ることができる。一方1650℃では開気孔率0.1%であるため、より焼結性に優れたアルミナ基板を得ることができたがこれ以上焼結温度を高めても開気孔率の大幅な改善は見込めず、逆に、粒成長が過剰に進行するおそれがある。
本発明のアルミナ基板に回路パターンを形成する工程を示した模式図である。
符号の説明
1 アルミナ基板
2 導電性薄膜
3 回路パターン
4 回路を形成しようとする部分の輪郭部
5 回路

Claims (3)

  1. 光電気変換素子を実装するアルミナ基板の製造方法であって、
    中心粒径が0.3〜0.7μmの第1のアルミナ粉末20〜40質量%及び中心粒径が1.5〜2.8μmの第2のアルミナ粉末60〜80質量%からなるアルミナ粉末組成物と、前記アルミナ粉末組成物100質量部に対してシリカ0.1〜1質量部と、前記アルミナ粉末組成物100質量部に対してマグネシア(MgO)0.01〜0.5質量部とを含有する成形用材料を射出成形・焼結することにより、前記アルミナ基板を製造するアルミナ基板の製造方法。
  2. 前記焼結時の温度が1600〜1650℃であることを特徴とする請求項1に記載のアルミナ基板の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のアルミナ基板の製造方法により製造されたアルミナ基板の表面を導電性薄膜で被覆する薄膜形成工程、前記導電性薄膜で被覆されたアルミナ基板表面の回路を形成しようとする部分の輪郭部に電磁波を照射して導電性薄膜を除去することにより回路パターンを形成する回路パターン形成工程、前記輪郭部により形成される回路パターン部分に金属メッキを施すことにより回路を形成する回路形成工程及びエッチングにより前記表面に露出している導電性薄膜を除去するエッチング工程を備える回路形成方法。
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