JP4966462B2 - 光開始剤配合剤 - Google Patents

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    • C08F2/48Polymerisation initiated by wave energy or particle radiation by ultraviolet or visible light
    • C08F2/50Polymerisation initiated by wave energy or particle radiation by ultraviolet or visible light with sensitising agents

Description

【0001】
本発明は、光開始剤の水性懸濁液ならびにそれらの調製及び使用に関する。
【0002】
分散した形態で、換言すれば、乳濁液又は懸濁液の形態で、重合可能配合剤に、特にこれらの配合剤中への添加剤の取り込みを促進するために、添加剤を加えることは、該技術において知られている。添加剤は、その目的のために、普通、一つの相に均一に溶解させるか、又は互いに融解させて、次に水に分散させる。例えば、米国特許第5,196,142号及び第5,116,534号に、抗酸化剤の水性乳濁液が記載され、米国特許第5,549,847号に、腐食抑制剤の水性分散液が開示されている。米国特許第4,965,294号及び第5,168,087号に、光開始剤の水性乳濁液、特にヒドロキシケトンが公表されている。
【0003】
該技術では、容易に取り込まれ得る、有効で、安定した光開始剤が必要とされている。
【0004】
本発明は、
(a)式(I):
【0005】
【化6】
Figure 0004966462
【0006】
(式中、
1は、C1〜C20アルキル;1個以上の酸素原子によって中断されたC2〜C20アルキル;C1〜C12アルコキシ;フェニル−C1〜C4アルキル;又は、非置換であるか、若しくはC1〜C20アルキル、C1〜C12アルコキシ、ハロゲン、シクロペンチル、シクロヘキシル、C2〜C12アルケニル、1個以上の酸素原子によって中断されたC2〜C18アルキル、及び/若しくはフェニル−C1〜C4アルキルで置換されたフェニル;あるいはR1は、ビフェニルリルであり、
2は、基:
【0007】
【化7】
Figure 0004966462
【0008】
であるか、又はR1に与えられた意味の一つを有し;
3とR4は、それぞれ他から独立して、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ又はハロゲンであり;そして、
5は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ又はハロゲンである。)
の少なくとも1個のモノ又はビスアシルホスフィンオキシド、
(b)少なくとも1個の分散剤、
(c)水、
及び、場合により、
(d)さらなる添加剤
を含む、水性で、貯蔵安定な、非沈降の懸濁液に関する。
【0009】
1〜C20アルキルは、直鎖状又は分枝鎖状の、例えば、C1〜C12−、C1〜C8−、C1〜C6−又はC1〜C4−アルキルである。例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシルがある。例えば、R1は、C1〜C12アルキル、特にC1〜C8アルキル、好ましくは分枝鎖状のオクチル、例えば、2,4,4−トリメチルペンチルである。
3、R4及びR5は、例えば、C1〜C8アルキル、特にC1〜C4アルキルである。ブチル、及び、特にメチルが好ましい。
1〜C12アルキル、C1〜C8アルキル及びC1〜C4アルキルも同様に、直鎖状又は分枝鎖状で、例えば、その対応する炭素原子の数に至るまで、先に与えられた意味を有する。
【0010】
1回以上、−O−によって中断されたC2〜C20アルキルは、例えば、1〜9回、例えば、1〜7回又は1回もしくは2回、−O−によって中断されている。もし、基が1個を超える−O−によって中断されれば、その時は、酸素原子は、それぞれ、少なくとも1個のメチレン基によって、他のものと分離され、例えば、CH2−O−CH3、−CH2CH2−O−CH2CH3、−〔CH2CH2O〕y−CH3(ここで、y=1〜9)、−(CH2CH2O)7CH2CH3、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH2CH3又は−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3などの構造単位をもたらす。
1個以上の酸素原子によって中断されたC2〜C18アルキルは、その対応する炭素原子の数に至るまで、上に定義されたとおりである。
【0011】
1〜C12アルコキシは、直鎖状又は分枝鎖状の基で、例えば、C1〜C8−、C1〜C6−又はC1〜C4−アルコキシである。例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ及びドデシルオキシ、特に、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、イソブチルオキシ及びtert−ブチルオキシ、好ましくは、メトキシがある。
1〜C8アルコキシ、C1〜C6アルコキシ及びC1〜C4アルコキシも同様に、直鎖状又は分枝鎖状で、例えば、その対応する炭素原子の数に至るまで、上に与えられた意味を有する。
1は、例えば、C1〜C4アルコキシ、特にメトキシ又はエトキシ、好ましくはエトキシである。
3、R4及びR5は、例えば、C1〜C4アルコキシ、特にメトキシである。
【0012】
フェニル−C1〜C4アルキルは、フェニル置換されたC1〜C4アルキル、例えば、ベンジル、フェニルエチル、α−メチルベンジル、フェニルプロピル又はα、α−ジメチルベンジル、特にベンジルであり、フェニル−C1〜C4アルキルでが好ましい。
【0013】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、特に塩素又は臭素、好ましくは塩素である。
【0014】
2〜C12アルケニル基は、モノ又はポリの不飽和かつ、直鎖状又は分枝鎖状であってよく、例えば、C2〜C8、C2〜C6又はC2〜C4アルケニルでもよい。例として、アリル、メタリル、1,1−ジメチルアリル、1−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ペンタジエニル、1−ヘキセニル、1−オクテニル、デセニル及びドデセニル、特に、アリルである。C2〜C12アルケニル基としてのR1は、例えば、C2〜C8−、C2〜C6−又は特にC2〜C4−アルケニルである。
【0015】
置換されたフェニルとしてのR1は、フェニル環上において、一〜五置換、例えば、一、二又は三置換、特に一又は二置換されている。
置換されたフェニルとしてのR1について、好ましい置換基は、C1〜C4アルキル、特にメチルであり、ならびにC1〜C6アルコキシ、特にペンチルオキシ及びメトキシである。
【0016】
2が、基
【0017】
【化8】
Figure 0004966462
【0018】
であるとき、その基における、R3、R4及びR5の意味は、必ずしも、式(I)の化合物における他のベンゾイル基の基R3、R4及びR5のそれと同一である必要はなく、換言すれば、式(I)の適切な化合物は、非対称なビスアシルホスフィンオキシドも含む。
【0019】
本発明の定義に関して、「及び/又は」の表現は、1個の限定された選択枝(置換基)だけでなく、数個の限定された選択枝(置換基)もまた、共に存在してもよいことを示し、換言すれば、異なる選択枝(置換基)の混合物が存在してもよいことを示す。
「少なくとも1個」の表現は、「1個」または「1個を越える」ことを、例えば、1個、2個又は3個、好ましくは1個又は2個を定義する。
【0020】
式(I)の化合物の調製は、当業者に知られていて、幅広く文献に記載されている。例えば、対応する工程は次の米国特許第4,737,593号、第4,792,632号、第5,218,009号、第4,298,738号、第5,504,236号、第5,399,770号、第5,767,169号の明細書に記載されている。
【0021】
例えば、2個のベンゾイル基を有する式(I)の化合物(ビスアシルホスフィンオキシド)が、例えば、少なくとも二当量の塩基の存在下、少なくとも二当量の酸塩化物を使用する第一級ホスフィンの二度のアシル化と生成されたジアシルホスフィンの次に起こる酸化よって調製できる。この反応の条件は、前記の文献から得ることができる。
モノアシルホスフィンオキシドは、類似の方法で得ることができる。
【0022】
式(I)の化合物のいくつかは、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド(登録商標 Lucirin TPO,BASF);ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(登録商標 Irgacure 819、Ciba Spezialitaetenchemie)及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(Ciba Spezialitatenchemieからα−ヒドロキシケトンとの混合物中の登録商標 Irgacure 1700、登録商標 Irgacure 1800及び登録商標 Irgacure 1850として)などのように、商業的にも得られる。
【0023】
本発明に従った懸濁液中では、式(I)の化合物
(式中、
1は、C1〜C20アルキル;C1〜C4アルコキシ;又は非置換もしくはC1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ及び/又はハロゲンで置換されたフェニル;
2は、基
【0024】
【化9】
Figure 0004966462
【0025】
であるか、又はR1に与えられた意味の一つを有し;
3とR4は、それぞれ他から独立して、C1〜C4アルキル又はC1〜C4アルコキシであり;そして、
5は、水素、C1〜C12アルキル又はC1〜C12アルコキシである。)
が好ましい。
【0026】
式(I)の化合物
(式中、
1は、C1〜C20アルキル;1個以上の酸素原子によって中断されたC2〜C20アルキル;ベンジル;又は非置換であるか、もしくはC1〜C20アルキル、C1〜C12アルコキシ及び/又はハロゲンで置換されたフェニル;
2は、基
【0027】
【化10】
Figure 0004966462
【0028】
であるか、又はR1に与えられた意味の一つを有し;
3とR4は、それぞれ他から独立して、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ又はハロゲンであり;そして、
5は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ又はハロゲンである。)を成分(a)として含む水性懸濁液もまた好ましい。
【0029】
本発明に従った懸濁液中において、光開始剤として特に関心があるのは、R2が、基
【0030】
【化11】
Figure 0004966462
【0031】
である式(I)の化合物、換言すると、ビスアシルホスフィンオキシドである。
【0032】
特に言及するのは、R1がフェニル又はC1〜C8アルキルである式(I)の化合物である。
【0033】
特に好ましいのは、R3とR4が、C1〜C12アルキル、特にC1〜C4アルキル、又はC1〜C12アルコキシ、特にC1〜C4アルコキシである式(I)の化合物である。
【0034】
式(I)の化合物中、R5は、特にC1〜C4アルキル又はハロゲンである。
【0035】
関心のある式(I)の化合物は、R3、R4及びR5が、C1〜C4アルキル、特にメチルのものである。R3及びR4が、C1〜C4アルコキシ、特にメトキシであり、R5が、水素である式(I)の化合物もまた関心がある。
【0036】
本発明に従った懸濁液中において、光開始剤として使用される特に好ましい式(I)の化合物は、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド;
ビス(2,4、6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペンチルオキシフェニルホスフィンオキシド;
ビス(2,4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド;及び2,4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド
である。
【0037】
特に、固形の物理的な形態の光開始剤が、本発明にしたがった懸濁液中で使用される。
本発明にしたがった懸濁液はまた、式(I)の化合物の複数を含んでもよいことが理解される。例えば、モノアシルホスフィンオキシドを、ビスアシルホスフィンオキシドと組み合わせて含む、又はビスアシルホスフィンオキシドの複数を含む懸濁液は関心があり、例えば、2,4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド及びビス(2,4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、又は2,4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、又はビス(2,4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドの混合物である。
【0038】
好ましい本発明にしたがった懸濁液は、
(a)が式(I)の化合物
(式中、
1は、フェニル又はC1〜C12アルキル;
2は、
【0039】
【化12】
Figure 0004966462
【0040】
3及びR4は、C1〜C4アルキル又はC1〜C4アルコキシ;並びに、
5は水素又はC1〜C4アルキル
である。);そして、
(b)が、カルボン酸ポリマーのアルカリ塩であるか、又はポリビニルアルコールもしくは修飾されたポリアクリレートである
懸濁液である。
【0041】
適切な分散剤(b)は、界面活性化合物、好ましくはアニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤である。次の種類の化合物が本発明にしたがって使用できる分散剤の例である。
【0042】
1.アニオン界面活性剤
1.1 芳香族スルホン酸のホルムアルデヒドとの縮合物、例えば、ホルムアルデヒド及びナフタレンスルホン酸の縮合物、ホルムアルデヒド、ナフタレンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸の縮合物、又はクルードクレゾール、ホルムアルデヒド及びナフタレンスルホン酸の混合物。
【0043】
1.2 リグノスルホネート、例えば、サルフィット又はクラフト工程によって得られるもの。好ましくはこれらのいくらかが、既知の工程で、加水分解、酸化又は脱スルホン化され、そして、例えば、分子量又はスルホン化の程度にしたがって分別された生成物である。サルフィット−及びクラフト−リグノスルホネートの混合物は、非常に有効である。
【0044】
1.3 アルキル部分が、直鎖状又は分枝鎖状であるジアルキルスルホサクシネート、例えば、ジプロピルスルホサクシネート、ジイソブチルスルホサクシネート、ジアミルスルホサクシネート、ビス(2−エチルヘキシル)スルホサクシネート又はジオクチルスルホサクシネート。
【0045】
1.4 硫酸化もしくはスルホン化脂肪酸、又は脂肪酸の脂肪酸エステル、例えば、硫酸化オレイン酸、エライジン酸又はリシノール酸及びそれらの低級アルキルエステル、例えば、エチル、プロピル又はブチルエステル。また非常に適切なのは、相当する硫酸化油、例えば、オリーブ油、ナタネ油及び、特に、ひまし油である。
【0046】
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、飽和又は不飽和の脂肪酸、脂肪アルコール、脂環式アルコール又は脂肪族−芳香族炭化水素で、末端が無機の酸素を含有する酸又は多塩基性カルボン酸でエステル化されたものとの反応生成物。そのような化合物は、好ましくは、式
R−A−(CH22HO)p−Q
(式中、
Rは、8〜22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基又は10〜22個の炭素原子を有する環式脂肪族もしくは脂肪族−芳香族炭化水素基であり、
Aは、−O−、−NH−又は−CO−O−であり、
Qは、無機多塩基酸の酸基又は多塩基カルボン酸の基であり、
pは1〜20の数字で、好ましくは1〜5である。)
の化合物である。
基R−A−は、例えば、以下のものに由来する;
デシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキジルアルコール、ヒドロアビエチルアルコール又はベヘニルアルコールのような高級アルコール、
ステアリルアミン、パルミチルアミン又はオレイルアミンのような脂肪アミン、
カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ヤシ脂肪(C8〜C18)酸、デセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコセン酸、ドコセン酸又はイワシ酸のような脂肪酸、
ブチルフェノール、ヘキシルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−tert−ノニルフェノール、デシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール又はヘキサデシルフェノールのようなアルキルフェノール。
【0047】
酸基Qは、通常は、マレイン酸、マロン酸、コハク酸又はスルホコハク酸のような低分子量のジカルボン酸に由来し、基R−A−(CH2CH2O)p−にエステル架橋によって結合する。しかしながら、好ましくはQが、オルトリン酸又は硫酸のような無機多塩基酸に由来する。酸基Qは、好ましくは塩の形態で、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩の形態で存在する。そのような塩の例として、ナトリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、トリメチルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩及びトリエタノールアミン塩がある。
【0048】
アニオン分散剤は、通常は、アルカリ金属塩、アンモニウム塩又は可溶性のアミン塩の形態で存在する。分散剤は、好ましくは低電解質量と共に使用される。
【0049】
2.非イオン界面活性剤
高級脂肪酸、飽和又は不飽和脂肪アルコール、脂肪アミン、メルカプタン(チオール)、脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミドもしくは脂肪アミンとの、又はアルキルフェノールもしくはアルキルチオフェノールとの、エチレンオキシドの付加生成物の種類からのエチレンオキソド付加物(その付加物は、好ましくは言及した化合物1モルあたりエチレンオキシド5〜100モルを含む)、かつ、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー及びエチレンジアミンエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物。そのような非イオン界面活性剤は、以下のものを含む;
【0050】
2.1 アルコール1モルあたりエチレンオキシド20〜100モルを含む8〜20個の炭素原子を有する飽和及び/又は不飽和脂肪アルコール、好ましくはアルコール1モルあたりエチレンオキシド25〜80モル、好ましくは25モルを含む飽和直鎖状C16〜C18アルコールの反応生成物;
【0051】
2.2 酸1モルあたりエチレンオキシド5〜20モルを含む8〜20個の炭素原子を有する飽和及び/又は不飽和脂肪酸の反応生成物;
【0052】
2.3 フェノール性ヒドロキシ基1モルあたりエチレンオキシド5〜25モルを含む7〜12個の炭素原子を有するアルキルフェノールの反応生成物、好ましくはフェノール性ヒドロキシル基1モルあたりエチレンオキシド10〜20モルを含むモノ又はジアルキルフェノール;
【0053】
2.4 酸アミド1モルあたりエチレンオキシド5〜20モルを含む20個までの炭素原子を有する飽和及び/又は不飽和脂肪酸アミド、好ましくは酸アミド1モルあたりエチレンオキシド8〜15モルを含むオレイルアミドの反応生成物;
【0054】
2.5 アミン1モルあたりエチレンオキシド5〜20モルを含む8〜20個の炭素原子を有する飽和及び/又は不飽和脂肪酸アミン、好ましくはアミン1モルあたりエチレンオキシド8〜15モルを含むオレイルアミンの反応生成物;
【0055】
2.6 エチレンオキシド10〜80%を含み、1,000〜80,000の分子量を有するエチレンオキシド−プロピレンオキシドブロックコポリマー;
【0056】
2.7 エチレンオキシド−プロピレンオキシドのエチレンジアミンとの付加物。
【0057】
3.高分子分散剤及び保護コロイド
安定な高分子分散剤は、例えば、両極親和性のコポリマー、ブロックコポリマー及びグラフト又はくし形ポリマー、特にアクリル酸、メタクリル酸もしくはそれらの塩、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸、アミノアルキル(メタ)アクリル酸、もしくはそれらの塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)もしくはその塩、無水マレイン酸もしくはその塩、(メタ)アクリルアミド、置換された(メタ)アクリルアミド、例えば、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾールのようなビニル複素環を基礎とするもの、及び、PEOもしくはEO/POコポリマーのセグメントを含有する両親媒性のポリマーも含む。
好適な保護コロイドは、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びそれらのコポリマーである。
合成単量体の、特にカルボキシル基を含む単量体のコポリマー、例えば、2−ビニルピロリドンと3−ビニルプロピオン酸とのコポリマー又はマレイン酸コポリマー及びそれらの塩もまた好適である。
【0058】
好ましい分散剤は、無水マレイン酸、ポリビニルアルコール又は修飾されたポリアクリレートを基礎としたポリマー、例えば、カルボン酸コポリマーのアルカリ塩、特にナトリウム塩、又はポリビニルアルコールである。
【0059】
したがって、本発明は、成分(b)として、無水マレイン酸、ポリビニルアルコール又は修飾されたポリアクリレート、特にカルボン酸コポリマーのアルカリ塩、特にナトリウム塩、又はポリビニルアルコールを基礎とするポリマーを含む水性懸濁液にも関する。
本発明にしたがった懸濁液はさまざまな分散剤の混合物もまた含んでもよい。
【0060】
また、さらなる添加剤(d)が、本発明にしたがった懸濁液に加えられてもよい。そのような添加剤の例として、分散液を安定化させる増粘剤を含む。好適な増粘剤の例として、特にキサンタン、アルジネート、グアー(Guar)又はセルロースタイプの修飾された多糖類、及びポリアクリレート増粘剤がある。これらの増粘剤は、例えば、セルロースエーテル、例えば、メチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース、及び側鎖にマンノース又はグルクロン酸基を含有するヘテロ多糖類を含む。そのような増粘剤は、商業的に利用できる。
分散剤と増粘剤に加えて、本発明にしたがった懸濁液は、尿素もしくはキシレンスルホン酸ナトリウムを例とするヒドロトロピー剤、エチレングリコールもしくはポリピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロール又はソルビトールのような凍結防止剤、ポリエチレングリコール又はグリセロールのような湿潤剤、クロロアセトアミド、ホルマリン又は1,2−ベンシゾイソチアゾリン−3−オンのような殺生物剤、あるいはニトリロトリ酢酸三ナトリウムのようなキレート剤のような、さらなるアジュバンド(d)を含んでもよい。
特に重要なのは、殺生物剤、特に殺真菌剤の、成分(d)としての添加である。殺生物剤は、好ましくは分散液を基礎として0.05〜0.5重量%の量で使用される。
したがって、本発明はまた、成分(d)として少なくとも一つの殺生物剤を含む水性分散液にも関する。
【0061】
本発明にしたがった分散液はまた、適切な光安定剤も含む。特に適切なのは、分散液中の特に光開始剤に不利に影響しない成分である。そのような光開始剤と光安定剤の組み合わせは当業者に知られ、多くの刊行物に記載されている。例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン又はベンゾトリアゾールの部類からの化合物が推奨され、好ましくはヒドロキシフェニルトリアジンである。これらのUV吸収剤(UVA)は、適切には、立体的に束縛されたアミン(HALS)と組み合わせて使用される。UV吸収剤と立体的に束縛されたアミンの例は、以下に示したリストに見出してもよい。例えば、本発明にしたがった懸濁液中、
UVAとして、
(a)2−〔4−〔(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ〕−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン及び2−〔4−〔(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ〕−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(登録商標 TINUVIN 400、Ciba Spezialitatenchemie AG)の混合物、及び
HALSとして、
(b)ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート(登録商標 TINUVIN 292、Ciba Spezialitatenchemie)
の組み合わせの使用がある。UVA及び/又はHALSの選択は、UVA/HALSのスペクトルと連携して使用される光開始化合物の吸収特性によって定められる。適切な化合物の選択は当業者には明確であり、既に言及されたように、刊行物、例えば、A.Valet, D.Wostratzkyによる「Rad. Technol. Rep. 11/12(1996) 18」及びA.Valetによる「Progress in Organic Coatings 35(1999) 223-233」に記載されている。
したがって、本発明はまた、追加の成分(d)として少なくとも一つのUV吸収剤及び/又は立体的に束縛されたアミンを含む、上に記載されたような懸濁液にも関する。
【0062】
本発明にしたがった懸濁液に存在する水(c)は、有利には脱イオン又は蒸留された形態で、好ましくは脱イオンされた形態で加えられる。
【0063】
本発明にしたがった光開始剤懸濁液中の成分a)の量は、例えば、10〜80部又は20〜70部、特に10〜50部、例えば、25〜45部、好ましくは40〜50部、例えば、40〜45部である。成分(b)は、懸濁液に、例えば、0.1〜40部、0.1〜10部、10〜40部、15〜40部、1〜10部、例えば、3〜8部又は4〜5部の量で加えられる。成分(a)と(b)の量に依存して、全組成が100部に達するのに、十分な部数の成分(c)が懸濁液に加えられる。成分c)は、このように、例えば、全混合物を100%に調合するために使用される。
【0064】
任意の成分(d)の量は、使用される特定の添加剤に依存する。該技術分野で慣用の量は、当業者に熟知され、特定の意図した使用により定められる。
【0065】
本発明はまた、成分(a)10〜80部、成分(b)1〜40部及び全組成が100部に達するのに十分な部数の成分(c)を含む水性懸濁液にも関する。
【0066】
本発明にしたがった懸濁液は、
(1)上記成分(a)、(b)及び(c)、並びに、場合により、例えば、増粘剤、光安定剤(適切な化合物は、光重合可能組成物に関しての下にさらに記載される)又は殺生物剤のようなさらなるアジュバンド(d)を一緒に混合して調製される。該混合物は、次いで、固形物質が水性相にできるだけ均一に分散されるまで、先ず攪拌される。
攪拌は、従来の混合装置、特に、比較的強い圧力が攪拌されている物質に及ぶ混合装置で行なうことができる。例えば、攪拌棒を有するミキサー、アンカーミキサー(anchor mixer)、タービンミキサー(turbine mixer)、トゥースドミル(toothed mills)又はスクリューミキサー(screw mixer)を使用してもよい。
【0067】
採用したミキサーの型にしたがい、成分の効果的な混和に到達するのに必要な時間は、約30分から1時間である。攪拌は、好ましくは室温で行なわれるが、特定の場合は、混合物を少し冷却するのが有利なこともありうる。
【0068】
成分を混合する最初の工程の後、混合物は、例えば、さらなる工程(2)において、粗く粉砕される。その目的のために混合物は適切な粉砕機に導入される。粉砕の工程及び下に記載される粉砕の工程において、適切な粉砕機は、当業者に一般的に知られている。工程(2)に適切な粉砕機は、例えば、トゥースドコロイドミル(toothed colloid mills)、例えば、固定子/回転子原理にしたがって働くFryma(Rheinfelden、Switzeland)の製品がある。これに関連して「粗く粉砕された」とは、固形物質が粉砕操作によって、ほぼ50〜150μm、例えば、50〜100μm、特に50〜60μmの粒子サイズにされることを示す。
【0069】
粉砕操作の間、温度は有利には10〜30℃、特に20〜25℃、すなわち室温で維持される。3回繰り返された振り子手順(pendulum procedure)において、言及された粒子サイズに到達するのに通常ほぼ10分が必要とされる。粉砕時間は重要でなく、所望の粒子サイズに達するための唯一の決定的な要因である、粉砕される混合物の量によって、変えることができる。
【0070】
最終的に、本発明にしたがった懸濁液中における固形物の粒子サイズは、微細粉砕工程(3)によりほぼ0.1〜12.0μm、例えば、0.1〜6μm、特に0.1〜4μmにされる。微細粉砕の終了時点での平均値は、有利には最大2.5μmで、もっとも大きな粒子(0.1%の比率)は約12μmである。粉砕は、有利には、当業者に知られる適切な粉砕機、例えば、粉砕シリンダーを有する連続運転攪拌ボールミルのようなボールミルを使用して行なわれる。ボールミルは、有利には、例えば1mmの直径の、ガラスビーズ、メノウビーズ又は高品質の合金鋼のビーズで充満される。有利には所望の粒子サイズの分布を成し遂げるために、例えば3〜5回又は例えば3回のような2〜6回の複数の粉砕操作が、懸濁液1kgあたり各々約5〜10分、例えば約7〜8分持続して行われる。粉砕時間は、一般的には重要でなく、所望の粒子サイズの分布に達するための唯一の決定的な要因である粉砕される混合物の量によって、変えることができる。
粉砕は、一般的には例えば20〜30℃の室温で、粉砕中に普通わずかに上昇する温度、例えば30〜35℃で行われる。
【0071】
本発明によれば、水性懸濁液はまた、0.1〜12μm、特に0.1〜4μmの、懸濁液中の固形物又は固形物群の粒子サイズによっても区別される。
【0072】
したがって、本発明はまた、
(a)式(I):
【0073】
【化13】
Figure 0004966462
【0074】
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上で定義されたとおりである)
の少なくとも1個のモノ又はビスアシルホスフィンオキシド、
(b)少なくとも1個の分散剤、
(c)水、
及び、場合により、
(d)さらなる添加剤
を含む水性で、貯蔵安定な、非沈降の光開始剤の懸濁液の、
(1)成分(a)、(b)及び(c)並びに、任意の(d)を攪拌によって懸濁すること、
(2)懸濁液中の固形物質の粒子サイズが約60μmになるように、生成された混合物を粗く粉砕すること、及び
(3)懸濁液中の固形物質の粒子サイズが12μm未満になるように、1回以上の粉砕操作によって混合物を微細粉砕すること、
による調製方法にも関する。
【0075】
使用される構成成分によって、懸濁液は、攪拌作業の後、すでにもう所望の粒子サイズの分布又は安定性を有し得る。そのような場合において、工程(2)及び(3)は、本発明にしたがった懸濁液の調製に不必要である。
【0076】
そのようにして得られた本発明にしたがった懸濁液は、室温で長期間、貯蔵安定であり、その形態で、重合されるべき水性配合剤に非常に容易に取り込ませることができる。それらは、不均一な相中に光開始剤を含み、換言すれば、配合剤の構成成分ではなく、固形物の形態で溶解される。
水性媒体中での懸濁液の使用のため、それらが、流動体として取り扱うことができ、そして、例えば、定量的に追加するためポンプで注入できることは有利である。水性媒体であっても、その中に存在するモノ−及びビス−アシルホスフィンオキシド化合物は安定であり反応性のままである。
【0077】
本発明にしたがって、アシルホスフィンオキシド化合物の懸濁液は、光開始剤として、エチレン不飽和を有する化合物の又はそのような化合物を含む混合物の光重合化に使用することができる。
そのような使用はまた、ほかの光開始剤と組み合わせて行うこともできる。しかしながら、好ましくは、本発明にしたがった懸濁液は、ただ一つの光開始剤として使用される。
【0078】
したがって、本発明はまた、
(A)少なくとも1個のエチレン不飽和の光重合可能化合物、及び
(B)光開始剤として、上で記載されたような懸濁液、
を含む光重合性組成物にも関する。該懸濁液は、成分(B)に加えて、さらなる添加剤(C)を含むことも可能である。
【0079】
不飽和化合物(A)は,1個以上のオレフィン二重結合を含んでもよい。それらは、低分子量(モノマー)又は高分子量(オリゴマー)であってもよい。二重結合を有するモノマーの例として、アルキル及びヒドロキシアルキルアクリレート並びにメタクリレート、例えば、メチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル及び2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート並びにメチル及びエチルメタクリレートがある。また関心のあるのはシリコンアクリレートである。さらなる例として、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニルのようなビニルエステル、イソブチルビニルエーテルのようなビニルエーテル、スチレン、アルキル及びハロスチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、並びに塩化ビニリデンがある。
【0080】
複数の二重結合を有するモノマーの例として、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート及びビスフェノール−Aジアクリレート、4,4′−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート及びペンタエリトリトールテトラアクリレート、ビニルアクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルサクシネート、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、トリアリルイソシアヌレート、並びにトリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレートがある。
【0081】
高分子量(オリゴマー)の多価不飽和化合物の例として、アクリル化されたエポキシ樹脂、アクリル化されているか、又はビニルエーテル基若しくはエポキシ基を含有する、ポリエステル、ポリウレタン及びポリエーテルがある。不飽和オリゴマーのさらなる例として、不飽和ポリエステル樹脂があり、これは通常マレイン酸、フタル酸及び1個以上のジオールから製造され、約500〜3000の分子量を有する。さらに、ビニルエーテルモノマー及びオリゴマーを、及びポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリビニルエーテル及びエポキシド主鎖を有するマリエート末端のオリゴマーをも、使用することができる。国際公開公報第90/01512号に記載されたように、ビニルエーテル基を担持するオリゴマー及びポリマーの組み合わせが、特に適切であるが、ビニルエーテル及びマレイン酸で官能化されたモノマーのコポリマーもまた考慮に入られる。そのような不飽和オリゴマーはまた、プレポリマーと呼ぶこともできる。
特に適切なのは、例えば、エチレン不飽和カルボン酸とポリオール又はポリエポキシドのエステル、及び鎖又は側鎖にエチレン不飽和基を有するポリマー、例えば、不飽和ポリエステル、ポリアミド及びポリウレタン並びにこれらのコポリマー、アルキド樹脂、ポリブタジエンとブタジエンのコポリマー、ポリイソプレンとイソプレンのコポリマー、側鎖にアクリル基及びメタクリル基を有するポリマーおよびコポリマー、そしてまた、そうようなポリマーの1個以上の混合物である。
【0082】
不飽和カルボン酸の例として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、及びリノレン酸又はオレイン酸のような不飽和脂肪酸がある。アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
【0083】
適切なポリオールは、芳香族並びに特に脂肪族及び環式脂肪族のポリオールである。芳香族ポリオールの例として、ヒドロキノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、2,2′−ジ(4−ヒドロキシフェニール)プロパン、及びノボラック(novolak)及びレゾールがある。ポリエポキシドの例として、上記ポリオール、特に芳香族ポリオール及びエピクロロヒドリンに基づくものがある。またポリオールとして適切なものは、ポリマー鎖及び側鎖にヒドロキシル基を含むポリマー及びコポリマー、例えば、ポリビニルアルコール及びそのコポリマー並びにポリメタクリル酸ヒドロキシルアルキルエステル又はそのコポリマーである。さらなる適切なポリオールは、ヒドロキシ末端基を有するオリゴエステルである。
【0084】
脂肪族及び環式脂肪族ポリオールの例は、好ましくは2〜12個の炭素原子を有するアルキレンジオール、すなわちエチレングリコール、1,2−もしくは1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−もしくは1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、好ましくは分子量が200〜1500のポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−もしくは1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール及びソルビトールなどを含む。
【0085】
ポリオールは、部分的に又は完全に、1個の又は異なる不飽和カルボン酸(類)でエステル化されてもよく、部分的にエステル中の、遊離したヒドロキシル基は修飾されていてもよく、例えば、エーテル化、又は他のカルボン酸でエステル化されることができる。
【0086】
エステルの例は:
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリトリトールオクタアクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリレート、トリペンタエリトリトールオクタメタクリレート、ペンタエリトリトールジイタコネート、ジペンタエリトリトールトリイタコネート、ジペンタエリトリトールペンタイタコネート、ジペンタエリトリトールヘキサイタコネート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトール修飾トリアクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びメタクリレート、グリセロールジ−及びトリアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコールのビスアクリレート及びビスメタクリレート、並びにそれらの混合物である。
【0087】
また成分(a)として適切なのは、同一の又は異なる不飽和カルボン酸及び好ましくは2〜6個、特に2〜4個のアミノ基を有する芳香族、環式脂肪族及び脂肪族ポリアミンである。そのようなポリアミンの例として、エチレンジアミン、1,2−又は1,3−プロピレンジアミン、1,2−、1,3−もしくは1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ジ−β−アミノエチルエーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン及びジ(β−アミノエトキシ)−及びジ(β−アミノプロポキシ)−エタンがある。
さらなる適切なポリアミンは、側鎖に付加アミノ基を有してもよいポリマー及びコポリマー並びにアミノ末端基を有するオリゴアミドである。そのような不飽和アミドの例として、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミン、トリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、β−メタクリルアミドエチルメタクリレート及びN−〔(β−ヒドロキシエトキシ)エチル〕−アクリルアミドがある。
【0088】
適切な不飽和ポリエステル及びポリアミドは、例えば、マレイン酸及びジオール又はジアミンから誘導される。マレイン酸は、他のジカルボン酸により部分的に置換されてもよい。それらは、エチレン不飽和コモノマー、例えば、スチレンと一緒に使用されてもよい。ポリエステル及びポリアミドはまた、ジカルボン酸及びエチレン不飽和ジオール又はジアミン、特により長鎖、例えば、6〜20個の炭素原子を有するものからも誘導される。ポリウレタンの例として、飽和ジイソシアネート及び不飽和ジオール又は不飽和ジイソシアネートおよび飽和ジオールからなるものがある。
【0089】
ポリブタジエン及びポリイソプレン並びにそれらのコポリマーが知られている。適切なコモノマーは、例えば、エチレン、プロペン、ブテン及びヘキセンのようなオレフィン、(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、スチレン及び塩化ビニルがある。側鎖にアクリレート基又はメタクリレート基を有するポリマーも同じく知られている。例として、ノボラック(novolak)を基礎としたエポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸との反応生成物;(メタ)アクリル酸でエステル化されたビニルアルコール又はそれらのヒドロキシアルキル誘導体のホモ−又はコポリマー;及びヒドロキシアルキルアクリレート又はヒドロキシアルキルメタクリレートでエステル化されたアクリレート又はメタクリレートのホモ−又はコポリマーがある。
【0090】
光重合可能化合物(A)は、独立して、又はいかなる所望の混合物中で使用することができる。好ましくは、ポリオール(メタ)アクリレートの混合物が使用される
【0091】
バインダーはまた、本発明にしたがった組成物に添加されてもよく、これは、光重合可能化合物が液体又は粘性物質の時、特に有利である。バインダーの量は、例えば、全固形物群に基づいて5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%、特に40〜90重量%であってもよい。バインダーの選択は、利用分野及びそのために必要とされる、水性又は有機溶媒系中での展開性(developability)、基質への付着性及び酸素感受性のような特性にしたがって行われる。
【0092】
適切なバインダーは、例えば、約5,000〜2,000,000、好ましくは10,000〜1,000,000の分子量を有するポリマーである。例として、アクリレート及びメタクリレートのホモ−及びコポリマー、例えば、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマー、ポリ(メタクリル酸アルキルエステル)、ポリ(アクリル酸アルキルエステル);セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、メチルセルロース、エチルセルロースのようなセルロースエステル及びエーテル;ポリビニルブチラル、ポリビニルホルマル、環化天然ゴム、ポリエーテル(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフランなど);ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、塩素化ポリオレフィン、塩化ポリビニル、塩化ビニル/塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニリデンのアクリロニトリル、メチルメタクリレート及びビニルアセテートとのコポリマー、ポリビニルアセテート、コポリ(エチレン/ビニルアセテート)、ポリマー(ポリカプロラクタム及びポリ(ヘキサメチレンアジポアミド)など)、ポリエステル(ポリ(エチレングリコールテレフタレート))及びポリ(ヘキサメチレングリコールスクシネート)である。
【0093】
該不飽和化合物はまた、非光重合に適していない被膜形成成分と混合して使用されることもできる。これらは、例えば、物理的に乾燥できるポリマー又はそれらの有機溶媒中での溶液で、例えば、ニトロセルロース又はセルロースアセトブチレートあってもよいが、それらはまた、化学的に、又は熱的に硬化可能な樹脂、例えば、ポリイソシアネート、ポリエポキシド又はメラミン樹脂であってもよい。付随した、熱的に硬化可能な樹脂の使用は、1回目の工程で光重合され、2回目の工程における熱的な後処理によって架橋されるいわゆるハイブリッドシステムにおいて使用するために重要である。
【0094】
本発明にしたがった光開始剤懸濁液はまた、「Lehrbuch der Lacke und Beschichtungen Volume III, 269-328,Verlag W.A. Colomb in der Heenemann GmbH, Berlin-Oberschwandorf (1976)」に記載されたように、酸化的乾燥システムの硬化用の開始剤としても適切である。
【0095】
好ましくは、本発明にしたがった水性光開始剤懸濁液は、重合されるべき水性配合剤中の光開始剤として使用される
本発明はしたがって、特に成分(A)として、水に溶解又は乳濁させた少なくとも一つのエチレン不飽和光重合可能化合物を含む組成物に関する。
【0096】
そのような水性の放射線硬化可能プレポリマー分散液は、多くのバリエーションで商業的に入手可能であり、文献に記載されている。それらは、水及びその中で分散する少なくとも一つのプレポリマーからなるものとして理解される。そのような系において、水の濃度は、例えば、5〜80重量%、特に30〜60重量%である。放射線硬化可能プレポリマー又はプレポリマーの混合物は、例えば、95〜20重量%、特に70〜40重量%の濃度で存在する。そのような組成物において、水とプレポリマーに関して言及したパーセンテージの和は、各々の場合、意図した使用にしたがって様々な量で存在するであろう助剤及び添加剤がそれに加えられて、100となる
【0097】
水中で分散するか又は多くの場合溶解する放射線硬化可能被膜形成プレポリマーは、例えば、上で記載されたようなモノ又はポリ機能性エチレン不飽和プレポリマーであり、これは、フリーラジカルによって反応が開始され得、それ自体が水性プレポリマー分散液として知られており、例えば、プレポリマー100gあたり重合可能二重結合0.01〜1.0molを含み、そして、例えば、少なくとも400、特に500〜10,000の平均分子量を有する。より高い分子量を有するプレポリマーもまた意図される使用によっては好適である。
例えば、ヨーロッパ特許第12,339号に記載されているように、最大10の酸価を有する重合可能C−C二重結合含有ポリエステル、重合可能C−C二重結合含有ポリエーテル、1分子あたり少なくとも2個のエポキシ基を含むポリエポキシドと、少なくとも1個のα,β−エチレン不飽和カルボン酸とのヒドロキシ基含有反応生成物、ポリウレタン(メタ)アクリレート及びα,β−エチレン不飽和アクリルラジカルを有するアクリル酸のコポリマーがある。これらポリマーの混合物がまた、使用されてもよい。また適切なのは、ヨーロッパ特許第33,896号に記載されている重合可能プレポリマーであって、少なくとも600の平均分子量、0.2〜15%のカルボキシル基含量及びプレポリマー100gあたり0.01〜0.8molの重合可能C−C二重結合量を有する重合性プレポリマーのチオエーテル付加物ある。特殊なアクリル酸(又はメタクリル酸)アルキルエステル重合生産物に基づいた他の適切な水性分散液が、ヨーロッパ特許第41,125号に記載され、そしてウレタンアクリレートの適切な水分散可能で放射線硬化可能なプレポリマーが、ドイツ国番号2,936,039号に見出されることができる。さらなる水性の放射線硬化可能配合剤の記載が、例えば、H. Langeによる「Farbe + Lack, 99. Jahrgang, 7/93, 597 - 601頁」、及びW. Reich、K. Menzel及びW. Schrofによる「Farbe + Lack, 104. Jahrgang, 12/98, 73 - 80頁」に公表されている。
【0098】
さらなる添加剤として、放射線硬化可能水性プレポリマー分散液は、分散助剤、乳化剤、抗酸化剤、光安定化剤、着色剤、顔料、賦形剤、例えば、滑石、セッコウ、ケイ酸、ルチル、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化鉄、反応促進剤、流動剤(flow agent)、グリダント(glidants)、湿潤剤、増粘剤、艶消剤、消泡剤および表面塗装技術で慣用の他のアジュバンドを含んでもよい。適切な分散助剤は、極性基を有する水可溶性高分子量有機化合物、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びセルロースエステルを含む。乳化剤として、非イオン性及び適切にはイオン性の乳化剤も使用できる。
【0099】
本発明にしたがった光開始剤分散液は、さらに上で記載された非水性塗料系における光開始剤としてまさに著しく適切である。
【0100】
該光重合可能混合物はまた、光開始剤(B)に加えて、さまざまな添加剤(C)をも含んでもよい。それらの例として、早期重合を防止することを目的とする熱阻害剤、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p−メトキシフェノール、β−ナフトール又は立体的に束縛されたフェノール、例えば、2,6−ジ(tert−ブチル)−p−クレゾールがある。暗所貯蔵安定性を増大させるため、例えば、ナフタレン酸銅、ステアリン酸銅およびオクタ酸銅のような銅化合物、リン化合物、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト又はトリベンジルホスファイト、4級アンモニウム化合物、例えば、塩化テトラメチルアンモニウム又は塩化トリメチルベンジルアンモニウム、並びにヒドロキシルアミン誘導体、例えば、N−ジエチルヒドロキシルアミンを使用することができる。重合化中に大気中の酸素を排除する目的のため、ポリマーに不溶であり、重合化の開始時に表面に移動し、透明な層を形成し、酸素の進入を防ぐパラフィン又は類似のワックス様物質を加えることができる。酸素が通り抜けられない層の適用も同様に可能である。光安定化剤として、UV吸収剤、例えば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン、シュウ酸アミド又はヒドロキシフェニル−s−トリアジンタイプのものを添加することができる。そうような化合物が、それ単独で又は混合物の形態で、立体的に束縛されたアミン(HALS)の使用を伴う又は伴わないで、使用されることができる。
【0101】
下記はそのようなUV吸収剤及び光安定化剤の例である。
1.2−(2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(5′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ‐5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−sec−ブチル−5′−tert‐ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクチルオキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−tert−アミル−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、並びに
2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ‐5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3′−tert−ブチル−5′−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル〕−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3′−tert−ブチル−5′−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル〕−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3′−ドデシル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール及び2−(3′−tert−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)−フェニル−ベンゾトリアゾールの混合物、2,2′−メチレン−ビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェノール〕;
2−〔3′−tert−ブチル−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;
〔R−CH2CH2−COO(CH232−(式中、Rは、3′−tert−ブチル−4′−ヒドロキシ−5′−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェニルである。)である。
【0102】
2.2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2′,4′−トリヒドロキシ又は2′−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ誘導体である。
【0103】
3.非置換又は置換安息香酸のエステル、例えば、4−tert−ブチル−フェニルサリシレート、フェニルサリシレート、オクチルフェニルサリシレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)−レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸オクタデシルエステル及び3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニルエステルである。
【0104】
4.アクリレート、例えば、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸エチルエステル又はイソオクチルエステル、α−メトキシ−カルボニルケイ皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシケイ皮酸メチルエステル又はブチルエステル、α−メトキシカルボニル−p−メトキシケイ皮酸メチルエステル及びN−(β−メトキシカルボニル−β−シアノビニル)−2−メチル−インドリンである。
【0105】
5.立体的に束縛されたアミン、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)サクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)セバケート、n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)エステル、並びに
1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン及びコハク酸の濃縮生成物並びに
N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン及び4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの濃縮生産物、
トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラオエート、1,1′−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジンオン、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)−マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)サクシネート、
並びに
N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン及び4−モルホリン−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの濃縮生産物、
2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジン及び1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの濃縮生産物、
並びに
2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジン及び1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの濃縮物、
並びに
8−アセチル−3−ドテシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕デカン−2,4−ジオン、3−ドテシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ピロリジン−2,5−ジオン、並びに3−ドテシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−ピロリジン−2,5−ジオンである。
【0106】
6.シュウ酸ジアミン、例えば、4,4′−ジオクチルオキシ−オキサニリド、2,2′−ジエトキシ−オキサニリド、2,2′−ジオクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2,2′−ジドテシルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2′ジオクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2′エチルオキサニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサルアミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エチルオキサニリド、それらの2−エトキシ−2′エチル−5,4′−ジ−tert−ブチルオキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、並びにo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物である。
【0107】
7.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシ−プロピルオキシ)−フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシ−プロピルオキシ)−フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン及び2−〔4−ドテシルオキシ/トリデシルオキシ−(2−ヒドロキシプロピル)オキシ−2−ヒドロキシ−フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどである。
【0108】
8.ホスファイト及びホスホナイト、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステリアル−ペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス−イソデシルオキシ−ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4、6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンジホスファイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンゾ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスフォカイン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスフォカイン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト及びビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイトである。
【0109】
また、この点について関心のあるのは、特に水溶性NOR−HALS安定化剤化合物であり、これは、添加剤として、本発明にしたがった光開始剤懸濁液に直接取り込まれることができ、又は添加剤として、重合可能混合物に加えられることができる。
そのような水溶性NOR−HALS安定化剤化合物の例は、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール誘導体及びそれらヒドロキシルアミンの塩で、例えば、式:
【0110】
【化14】
Figure 0004966462
【0111】
(式中、
1及びG2は、それぞれ独立して、もう一方のC1〜C4アルキル又は共にペンタメチレンであり、
1及びZ2は、それぞれメチルであるか、又は一緒に結合基を形成し、その上エステル、エーテル、ヒドロキシ、オキソ、シアノヒドリン、アミド、アミノカルボキシ又はウレタン基により置換されてもよく、
Eは、オキシル、ヒドロキシ、ヒドロゲン、アルキル、アルキル(ヒドロキシ、オキソ又はカルボキシにより置換されているか、又は酸素又はカルボキシによって中断されている)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、アルコキシ、アルコキシ(ヒドロキシ、オキソ又はカルボキシにより置換されているか、又は酸素又はカルボキシによって中断されている)、シクロアルコキシ、アルケニルオキシ、シクロアルケニルオキシ、アラルキル、アラルコキシ、アシル、R′(C=O)O−、R′O(C=O)O−、R′N(C=O)又は塩素であり、ここで、R′は、脂肪族又は芳香族ラジカルであり、
Xは、無機又は有機アニオンであり、そして、
ここで、カチオンの総電荷hはアニオンの総電荷jと等しい)
の化合物がある。
【0112】
そのような化合物の例は、以下のとおりである。
ビス(1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジニウムシトレート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトアミドピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトアミドピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセアミドピペリジニウムビサルフェート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−ピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−ピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−ピペリジニウムアセテート、1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−メトキシ−ピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−メトキシ−ピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−メトキシ−ピペリジニウムアセテート、1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−プロポキシピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−プロポキシピペリジニウムアセテート、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−プロポキシ−ピペリジン、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−(2−ヒドロキシ−4−オキサペンチルオキシ)ピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−(2−ヒドロキシ−4−オキサペンチルオキシ)ピペリジニウムアセテート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニウムクロリド、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニウムアセテート、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニウムビサルフェート、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジウムシトレート、ビス(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニウム)シトレート、トリス(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニウム)シトレート、テトラ(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニウム)エチレンジアミンテトラアセテート、テトラ(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトアミドピペリジニウム)エチレンジアミンテトラアセテート、テトラ(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソピペリジニウム)エチレンジアミンテトラアセテート、ペンタ(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニウム)ジエチレントリアミンペンタアセテート、ペンタ(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトアミドピペリジニウム)ジエチレントリアミンペンタアセテート、ペンタ(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソピペリジニウム)ジエチレントリアミンペンタアセテート、トリ(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニウム)ニトリロトリアセテート、トリ(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトアミドピペリジニウム)ニトリロトリアセテート、トリ(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソピペリジニウム)ニトリロトリアセテート、ペンタ(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニウム)ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート、ペンタ(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトアミドピペリジニウム)ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート、ペンタ(1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソピペリジニウム)ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネートである。
【0113】
また有利なのは、さらなる添加剤(C)として、殺生物剤の本発明にしたがった組成物への添加である。当業者に知られた、該技術分野で慣用の化合物が適切である。例として、クロロアセトアミド、ホルマリン及び1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、又は殺真菌剤も含む。殺生物剤は、例えば、0.05〜0.5重量%の量で添加される。
殺生物剤はまた、上記の本発明にしたがった光開始剤分散液に直接加えられ、その分散液と共に、重合されるべき組成物に取り込まれることもできる。
【0114】
例えば、帯電防止剤、流動性向上剤及び定着剤のような、該技術分野の慣用の添加剤がまた、使用されてもよい。
【0115】
光重合を促進させるために、さらなる添加剤(C)として、例えば、トリエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル又はミヒラーケトンのようなアミンが加えられてもよい。アミンの作用は、ベンゾフェノン型の芳香族ケトンの添加によって高めることができる。酸素捕捉剤(oxygen capture)として使用するのに適したアミンは、例えば、ヨーロッパ特許第339,841号に記載されたような、置換されたN,N−ジアルキルアニリンである。さらなる促進剤、コイニシエータ及び自動酸化剤は、ヨーロッパ特許第438,123号及び英国特許第2,180,358号に記載されたようなチオール、チオエーテル、ジスルフィド及びホスフィンである。
該技術分野で慣用の連鎖移動反応剤を本発明にしたがった組成物に加えることもまた可能である。例として、メルカプタン、アミン及びベンゾチアゾールが含まれる。
【0116】
光重合はまた、さらなる添加剤(C)として、分光感度をシフト又は広げる光増感剤の添加によって促進されることもできる。これらは、特に芳香族性カルボニル化合物、例えば、ベンゾフェノン、チオキサントン、特に、イソプロピルチオキサントン、アントラキノン及び3−アシルクマリン誘導体、テルフェニル、スチリルケトン、そしてまた3−(アロイルメチレン)−チアゾリン、ショウノウキノン、そしてまたエオシン、ローダミン及びエリトロシン染料を含む。
光増感剤として、例えば、上で言及されたアミンが考慮されてもよい。
【0117】
硬化工程は、特に着色組成物(たとえば、二酸化チタンで着色された組成物)において、追加の添加物(C)として、温熱条件下でフリーラジカルを形成する成分、たとえば、ヨーロッパ特許第245,639号に記載されたように、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、トリアゼン、ジアゾスルフィド、ペンタアザジエン又はペルオキシ化合物、例えば、ヒドロペルオキシド又はペルオキシカーボネート、例えば、tert−ブチルヒドロペルオキシドのようなアゾ化合物の添加によって補助されてもよい。
【0118】
本発明にしたがった組成物はまた、さらなる添加剤(C)として、光再生染料、例えば、キサンテン、ベンゾキサンテン、ベンゾチオキサンテン、チアジン、ピロニン、ポルフィリン又はアクリジン染料、及び/又は放射線開裂可能トリハロメチル化合物を含んでもよい。類似の化合物は、例えば、ヨーロッパ特許第445,624号に記載される。
【0119】
さらなる慣用の添加剤(C)は、意図された使用に依存し、蛍光増白剤、賦形剤、増粘剤、顔料、着色剤、湿潤剤及び流動性向上剤である。
ガラスミクロビーズ又は粉末化されたガラス繊維の添加は、例えば、米国特許第5,013,768号に記載されたように、粘度の高い、着色塗料の硬化に適切である。
【0120】
添加剤の選択は、応用分野及びその分野で望まれる特性に依存する。上で記載された添加剤(C)は、該技術分野で慣用であり、したがって該技術分野の慣用の量で使用される。
【0121】
配合剤はまた、追加の添加剤として、着色剤及び/又は白色もしくは有色顔料を含んでもよい。意図された使用に依存して、無機及び有機顔料が使用されてもよい。そのような添加剤は、当業者に知られていて、少しの例として、二酸化チタン顔料、例えば、ルチル又はアナターゼタイプ、カーボンブラック、亜鉛華のような酸化亜鉛、黄色酸化鉄、べんがらのような酸化鉄、黄鉛、酸化クロムグリーン、黄色ニッケルチタン、群青、コバルトブルー、バナジウム酸ビスマス、カドミウム黄及びカドミウム赤がある。有機顔料の例として、モノ又はビス−アゾ顔料、そしてまたそれらの錯塩、フタロシアニン顔料、多環式顔料、例えば、ペリレン、アントラキノン、チオインジゴ、キナクリドン又はトリフェニルメタン顔料、そしてまたジケト−ピロロ−ピロール、イソインドリノン、例えば、テトラクロロイソインドリノン、イソインドリン、ジオキサジン、ベンズイミダゾロン及びキノフタロン顔料である。
顔料は、配合剤中、単独で又は混合して使用されてもよい。
意図された使用に依存して、顔料は、該技術の慣用の量、例えば、総重量を基にして、0.1〜60重量%の量、例えば、1〜60重量%、例えば、10〜50重量%又は10〜40重量%の量で配合剤に加えられる。
【0122】
該配合剤はまた、例えば、極めて広い多様な種類の有機染料も含んでもよい。例として、アゾ染料、メチン染料、アントラキノン染料及び金属錯塩染料がある。慣用濃度は、例えば、総重量を基にして、0.1〜20重量%、特に1〜5重量%である。
【0123】
特定の場合、さらなる既知の光開始剤を、さらなる添加剤として使用するのが、有利であり得る。そのような化合物の例は、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾフェエノン、2−メチルベンソフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4,4′−ビス(クロロメチル)ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、〔4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル〕−フェニルメタノン、メチル2−ベンゾイルベンゾエート、アセトフェノン、アセトフェノン誘導体、例えば、α−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトン又は2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェノン−プロパノン、ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシ−又はα−アミノ−アセトフェノン、例えば、(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノ−エタン、(4−モルホリノ−ベンゾイル)−1−ベンゾイル−1−ジメチルアミノプロパン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンゾインアルキルエーテル及びベンジルケタール、例えば、ベンジルジメチルケタール、フェニルグリオキサレート及びそれらの誘導体、二量体のフェニルグリオキサレート、さらなるモノアシルホスフィンオキシド、例えば、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニル−ホスフィンオキシド、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)エトキシ−ホスフィンオキシド、さらなるビスアシルホスフィンオキシド、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンタ−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニル−ホスフィンオキシド又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(2,4−ジペンチルオキシフェニル)ホスフィンオキシド、トリスアシルホスフィンオキシド、フェロセニウム化合物又はチタノセン、例えば、ジシクロペンタジエニル−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピロロ−フェニル)チタンがある。
本発明にしたがった光開始剤懸濁液が、フリーラジカル重合可能及びカチオン重合性成分の両方を含む系で使用される時、フリーラジカル硬化剤を含む本発明にしたがった懸濁液に、さらに、カチオン光開始剤、例えば、芳香族スルホニウム、ホスホニウム又はヨードニウム塩が、例えば、米国特許第4,950,581号の18段目の60行から19段目の10行に記載されているように加えられ、又はシクロペンタジエニルアレーン−鉄(II)錯塩、例えば、(η6−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)−鉄(II)ヘキサフルオロホスフェートが加えられる。またペルオキシド、例えば、ペンゾイルペルオキシドが加えられることも可能である(他の適切なペルオキシドは、米国特許第4,950,581号の19段目の17〜25行に記載されている)。
【0124】
光重合可能組成物は、有利には光開始剤(a)を、組成物に基づいて、0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜5重量%の量で含む。したがって、それぞれの場合、本発明にしたがった添加される光開始剤懸濁液の、適切に計算された量が必要である。それぞれ特定の場合における、懸濁液の必要量の計算は、当業者に平凡なことである。
上で示した光開始剤の量は、それらの混合物が使用される時、添加されるすべての光開始剤化合物の総量に関係し、換言すれば、光開始剤が付加的な添加物(C)として加えられた場合、それらは上で示した量で含まれる。
【0125】
光重合可能組成物は、有利にはさまざまな目的のため、例えば、印刷インキとして、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷及びフレキソ印刷のために、クリヤラッカーとして、白色表面塗料組成物として、例えば、木材又は金属に、塗料として、なかんずく紙、木材、金属またはプラスチックに、日光硬化可能ペイントとして、建造物及び道路に印を付けるのに、写真複製工程に、又は光レジストとして、有機溶媒を使用するもしくは水性アルカリ媒体を使用する版面の製造に使用されてもよい。
【0126】
本発明にしたがった光開始剤懸濁液はまた、乳化重合、粒状重合又は懸濁重合における開始剤として、重合の開始剤として液晶モノマー及びオリゴマーの配向状態を固定するために、又は開始剤として有機物質上で染料を固定するために使用されてもよい。本発明にしたがった光開始剤懸濁液はまた、開始剤として、溶液、特に水溶液中、例えば、水可溶モノマー、例えばアクリル酸及びその塩の重合に使用されることができる。この結果、ポリマーが大量の水を吸収することができる(超吸収体)。そのようなポリマーは、広く多様な用途、たとえば、「Chemische Industrie 11, 12頁, (1996)」に記載されているようにたとえば、衛生用品、例えば、おむつ、水の精製及び水処理、又は地面の水分貯蔵の用途を有する。
【0127】
不飽和ポリエステル樹脂は、一般にモノ不飽和モノマー、好ましくはスチレンと一緒に二成分系に使用される。光レジストには、特定の一成分系、例えば、ドイツ国特許第2,308,830号に記載されているように、ポリマレインイミド、ポリカルコン又はポリイミドが、しばしば使用される。
【0128】
本発明にしたがった光硬化性組成物は、例えば、塗料としてあらゆる種類の基材、例えば、木材、織物、紙、陶器、ガラス、プラスチック、すなわちポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン及びセルロースアセテートなど、特に、被膜の形態で適切であり、そしてまた、金属、すなわち、Al、Cu、Ni、Fe、Zn、Mg又はCo及びGaAs、Si又SiO2など、保護層が適用されるべき、又はイメージ方式露光によってイメージが適用されるべきものに適切である。
【0129】
基材は、液状組成物、溶液又は懸濁液を基材に適用することによって塗布されることができる。溶媒及び濃度の選択は組成物及び塗布方法の性質で主に定められる。溶媒は、不活性であるべきで、換言すれば、成分とのどんな化学反応にも加わるべきでなく、塗布操作後、乾燥中に再び取り除かれることができるべきである。適切な溶媒は、例えば、水、ケトン、エーテル及びエステル、すなわち、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−ジメトキシエタン、エチルアセテート、n−ブチルアセテート及びエチル3−エトキシプロピオネートを含む。
【0130】
配合剤は、既知の塗布方法、例えば、スピン塗布(spin-coating)、浸漬、ナイフ塗布、流し塗、ブラシ塗布(brush application)又は吹付、特に、静電吹付及びリバースロール塗布、又は電気泳動塗装によって、基材に一様に適用される。感光性層を一時的に柔軟な支持体に適用し、次いで、最終的な基材、例えば、銅張り回路板を、ラミネーションによって層を転写することにより塗布することもまた可能である。
【0131】
適用される量(層の厚さ)及び基材(層支持体)の性質は、所望の利用分野に依存する。層の厚さの範囲は、一般的には、例えば、およそ0.1μm〜100mm、又はたとえば、0.02〜2cmの値を含む。好ましくは、本発明にしたがった光開始剤懸濁液は、水性表面塗料配合剤に使用される。その適用における層の厚さの範囲は、例えば、0.1〜500μm、特に、1〜200μmを含む。
【0132】
すでに言及されたように、本発明にしたがった組成物はまた、光レジストを製造するのに使用されることもでき、この光レジストは、「イメージ方式」露光、換言すれば、先に決めたパターンを有する光マスク、例えば、透明画を使用する露光、又は塗布された支持体の表面上をコンピュータ制御の下で移動させられるレーザービームを使用する露光、および、そのようにしてイメージを創り、又はコンピュータ制御された電子ビームでの照射、そしてその後の現像、および場合により熱処理によって得られる。そのような方法は、当業者に知られている。
【0133】
光硬化は、バインダーの乾燥時間が、グラフィック製品の製造速度の決定的な要因であり、1秒の何分のいくつかということから、印刷インキにも重要性が大きい。本発明にしたがった光硬化剤懸濁液を含むUV硬化可能インキは、特にスクリーン印刷、オフセット印刷及びフレキソ印刷に重要である。
【0134】
他の光硬化剤の使用分野は、金属塗装であり、例えば、シート及び管、缶、ボトルクロージャーへの仕上げ材料の適用があり、そしてまた、プラスチック塗料の光硬化、例えば、PVCを基礎とした床及び壁装材がある。紙の光硬化の例として、ラベル、レコードの紙ジャケット又は本のカバーがある。
【0135】
本発明にしたがった光開始剤懸濁液は、もっとも特に塗料として水性配合剤中で、又は塗料の調製に、特に日光で硬化させる「外光硬化」もまた特に重要である外面適用(固定物)にも適切である。そのような場合、水分が蒸発した後、拭き取り抵抗性及び非粘着性の塗料をもたらすバインダーが好ましい。特に、外面適用の場合、表面塗料層と支持体を光分解から保護する光安定剤が使用されてもよいことが理解されるだろう。光安定化剤は、水性光開始剤懸濁液を調製する際、直接取り込まれてもよく、また、さらなる添加剤(C)として、光重合される配合剤と混合させてもよい。
本発明にしたがった水性光開始剤懸濁液はまた、外面使用、例えば、屋外用ペイント又はルーフコーティング用の配合剤中の光開始剤としても重要である。そのような使用のため、ラッテクス型の塗料の場合、外光による光架橋する比較的短時間の後、表面が非粘着性であるということは重要であり、ゆえに、ゴミの粒子が附着できない。そのような配合剤はまた、UV吸収剤又は立体的に束縛されたアミン(HALS)タイプの光安定剤も含んでもよい。
【0136】
本発明にしたがった水性光開始剤懸濁液はまた、開始剤として、「二重硬化」工程おいても適切である。このような関係において、「二重硬化」は、異なる化学的機構を含む表面塗料系の二つの硬化工程の組み合わせとして理解されるべきである。そのような「二重硬化」系は、上で記載されたようなタイプの光安定化剤を同様に含んでもよい。そのようにして、高度な耐候性を有する比較的柔軟で、順応性のある塗料が得られる。
【0137】
さらなる利点は、本発明にしたがった水性光開始剤懸濁液が使用されるとき、水溶液中のモノマーの光重合が、比較的簡単な日光様光源を使用して可能であることである。そのような工程は、例えば、大量の水を吸収することができるポリマー(超吸収剤)の調製において関心がもたれる。
【0138】
一般的に物理的に乾燥させることができるアクリル酸分散は、水や有機性液体(例.エタノール)に対する低い抵抗性を有し、同様に、そのような配合剤の耐ブロッキング性(圧力を被った際の固着の傾向)は、普通低い。抵抗性及び耐ブロッキング性は、本発明にしたがった水性光開始剤懸濁液を含む水性のUV硬化性バインダー配合剤の添加により増加させることができる。そのような配合剤は、二つの異なる架橋工程が、換言すると、物理的及び化学的架橋工程が組み合わされていることから、ハイブリッド系と呼ばれる。
【0139】
本発明にしたがった好ましい水性光硬化可能組成物の感光性は、およそ200nmからおよそ600nm(UV範囲)に広がる。適切な放射線は、例えば、日光又は人工光源からの光を含む。したがって、多量のもっとも多様な形式の光源が、使用のために考慮に入れられる。点光源と扁平な発光体(ランプカーペット)の両方が適切である。例として、カーボンアークランプ、キセノンアークランプ、中圧、高圧及び低圧水銀発光体、適切な場合はメタルハライドで、ドープ処理された(メタルハライドランプ)、極超短波励起された金属蒸気ランプ、エキシマランプ、高次アクチニド蛍光灯、蛍光ランプ、アルゴン白熱ランプ、フラッシュランプ、写真用投光照明ランプ、発光ダイオード(LED)、電子ビーム及びX線がある。ランプと本発明にしたがった露光されるべき支持体との距離は、使用目的及びランプのタイプと強さにしたがって変化し、例えば、2〜150cmであってもよい。また、248nmの露光に適切なものは、例えば、レーザー光源で、例えば、クリプトンFレーザーのようなエキシマレーザーである。可視範囲のレーザーもまた、使用されてもよい。この方法を使用するとで、エレクトロニクス産業用の印刷回路、石版オフセット印刷版又は凸版印刷版を、そしてまた画像記録物質を製造することが可能である。
【0140】
本発明は、したがって、少なくとも1個のエチレン不飽和二重結合を有する不揮発性のモノマー、オリゴマー又はポリマー化合物の光重合のための工程にも関係し、その工程は、上で記載されたような組成物に、200〜600nmの範囲の光を照射することを含む。
【0141】
本発明はまた、上で記載した組成物の、表面塗料、印刷インキ、スクリーン印刷インキ、オフセット印刷インキ、フレキソ印刷インキ、レジスト材料又は画像記録物質、特に対応する水性系の製造において、およびそのための工程への使用にも関する。
【0142】
本発明は、同様に上で記載されたような組成物で少なくとも一つの表面上を塗装された被膜化基材に関する。
【0143】
以下の実施例は、本発明をさらに説明する。特に示されていない限り、部およびパーセンテージは、残余の記載と特許請求項の両方において、重量に関する。3個を越える炭素原子数を有するアルキル又はアルコキシラジカルが、それらの異性体に関係なく言及されたときは、その記述は、それぞれのn−異性体に関する。
【0144】
【実施例】
実施例1:水性光開始剤配合剤(D1)の調製
〔40%ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、登録商標 IRGACURE 819、Ciba Spezialitatenchemie AG;4%分散剤、カルボン酸コポリマーのナトリウム塩、登録商標 OROTAN 731 DP、Rohm+Haas Company;0.1%殺菌剤、1,2−ベンゾイソチアゾール−3−オン、登録商標 PROXEL BD、Novartis AG;55,9%水(脱イオン化)〕
【0145】
1.1 懸濁液の調製
アンカー攪拌機を備えたガラスビーカ中で、
殺菌剤(登録商標 PROXEL BD)0.65g及び
分散剤(登録商標 OROTAN DP 731)26.00gを
脱イオン水363.40gに室温で、攪拌しながら溶かし、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド260.0gを、結果として得られた溶液に導入し、このバッチをおよそ1時間攪拌し、水性懸濁液650gを得た。
【0146】
1.2 予備的な粉砕
室温で、実施例1.1にしたがって得られた懸濁液を、もっとも狭い粉砕隙間設定で、振り子手順(pendulum procedure)においてクロス−トゥースドコロイドミル(cross-toothed colloid mills、固定子/回転子原理、水冷却;Fryma AG Maschinenbau、Rheinfelden、Switzeland)によって3回、あらかじめ粉砕した。該作業の経過中において、懸濁液の温度は、35℃は越えなかった。粉砕操作後、ビスアシルホスフィンオキシドのもっとも大きい粒子は、およそ60μmの直径を有した。
【0147】
1.3 微細粉砕
攪拌ボールミル(0.6リットルの粉砕シリンダーを有するBachofen KDL type)を、直径1mmのガラスビーズ82容量%(=粉砕シリンダー容積に基づいたガラスビーズ500g)で満たし、ミルの水冷却を開始した。室温で、実施例1.2にしたがってあらかじめ粉砕された水性懸濁液を、シャフト速度2000rpmで、攪拌ボールミルにより、振り子手順(pendulum procedure)において、3回微細に粉砕した。処理量は、懸濁液約8リットル/時間であった。粉砕物の温度は、該手順の経過中、最大32℃まで増大した。3回の粉砕操作後、要求される粒子サイズの細かさの程度に達した。懸濁液中のビスアシルホスフィンオキシドの粒子サイズの細かさの分布を、レーザー粒子計測器で確認した。50%中央値は、およそ、2.5μmであり、もっとも大きい粒子は、およそ12μmの直径を有した。その結果、室温でよく流動し、20〜25℃での貯蔵安定性が1ヶ月以上の配合剤(換言すると、沈降のない、上澄みのない配合剤)が得られた。
【0148】
実施例2:水性光開始剤配合剤(D2)の調製
〔40%ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、登録商標 IRGACURE819、Ciba Spezialitatenchemie AG;4%分散剤、けん化の程度が88mol%のポリビニルアルコール、登録商標 MOWIOL 8-88、Hoechest AG;0.1%殺菌剤、1,2−ベンゾイソチアゾール−3−オン、登録商標 PROXEL BD、Novartis AG;55,9%水(脱イオン化)〕
アンカー攪拌機を備えたガラスビーカ中で、
殺菌剤(登録商標 PROXEL BD)0.65g及び
分散剤(登録商標 MOWIOL8-88)26.00gを
脱イオン水363.40g中に、攪拌しながら導入した。
65℃まで加熱して、穏やかに攪拌しながらその温度をおよそ30分間維持することにより、溶液を得た。該溶液をゆっくりと攪拌しながら、25℃まで冷却した後、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド260.0gを導入した。結果として得られた混合物を室温でおよそ30分間攪拌し、水性懸濁液650gを得た。
予備的な粉砕および微細粉砕を、実施例1(1.2−1.3)に記載したように行った。
【0149】
実施例3:水性光開始剤配合剤(D3)の調製
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(登録商標 IRGACURE 819、Ciba Spezialitatenchemie)33.3%、
分散剤として、修飾ポリアクリレート(登録商標 EFKA 4550、efka Chemicals、オランダ王国)33.3%、
脱イオン水33.3%
消泡剤(登録商標 BYK 023、Byk Chemie)0.3%
該成分は、分散機(Disperser)中でガラスビーズと一緒に振盪させることで混合させる。その目的のため、該成分を、ガラス容器中に導入し、直径1mmのガラスビーズ(該配合剤の総重量の1〜2倍量)をそこに加えた。ガラス容器の容積は、総容積のおよそ30%が満たされない程度であった(配合剤容積/ガラスビーズ/気積=1:1:1)。この粉砕バッチを、1時間、ISO8780−3:1990にしたがった振動振盪で分散させた。
【0150】
実施例4:水性光開始剤配合剤(D4)の調製
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(登録商標 IRGACURE 819、Ciba Spezialitatenchemie)50.0%、
分散剤として、修飾ポリアクリレート(登録商標 EFKA 4550、efka Chemicals、オランダ王国)25.0%、
脱イオン水25.0%
消泡剤(登録商標 BYK 023、Byk)0.3%
該成分を、実施例3に記載されたように混合した。
【0151】
実施例5:水性白色表面塗料の硬化
白色表面塗料配合剤を、室温で、以下の
中和された、モノマー及び溶媒を含まないアクリル及びウレタン修飾ポリマー(登録商標 VIAKTIN VTE 6155w/50WA、Vianova Resins AG)55.8%、
ブチルグリコールおよびソルベントナフサ150/180と一緒にペーストの形態をとったアルキド樹脂(登録商標 ADDITOL XL 280、Vianova Resins AG)3.3%、
水10.2%、
ルチル二酸化チタン(登録商標 KRONOS 2310、Kronos)27.9%、
流動剤(登録商標 BYK 307、Byk Chemie)0.4%、
流動剤(登録商標 BYK 348、Byk Chemie)0.4%、及び
光開始剤(水分量を含むバインダー配合剤に基づく)2.0%
を一緒に混合することにより、調製した。
2%光開始剤は、実施例2及び3で言及された水性配合剤の成分として、1−ベンゾイル−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン(登録商標 DAROCUR 1173、Ciba Spezialitatenchemie)1.6%及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(登録商標 IRGACURE 819、Ciba Spezialitatenchemie)0.4%から構成される。
層を、100μmの溝のあるへらを使用して、光着色された下塗りを有するクリップボードパネルに適用し、そして、該層を、10分間、40℃で乾燥させ、二つの80W/cmの中圧水銀ランプを使用して、10m/分のベルト速度で、AETEKのUV暴露装置中で硬化させた。硬化され、拭き取り抵抗性の層の、ケーニッヒ(DIN53157)にしたがった振り子硬度、黄色度指数(ASTMD1925−88)及び光沢度(ASTMD532)を測定した。非塗装のクリップボードパネルの黄色度指数値は5.0であった。結果を以下の表1に表した。
【0152】
【表1】
Figure 0004966462
【0153】
実施例6:水溶液中の光重合
1%ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(実施例1〜4に言及された水性配合剤の成分として)は、50%水性アクリルアミド溶液又はアクリル酸のアンモニウム塩(25%の水酸化アンモニウム溶液で中和されたアクリル酸)を光重合させるのに使用される。
試料20gに、穏やかに回転させながら、TL40/30蛍光灯(Philips)下で、照射した。照射時間は、反応塊がゲル化した後、記録した。結果は、以下の表2に示した。
【0154】
【表2】
Figure 0004966462
【0155】
実施例7:外光による塗料の硬化
実施例1(D1)にしたがった水性光開始剤配合剤1%を、室温で攪拌しながら、以下の水性UVバインダー分散液A−F:
A:水含有ウレタンオリゴマー(登録商標 NEORAD R-440、ICI Resinels)
B:水性脂肪族ウレタン分散液(登録商標 LUX 241 VP、Alberdingk Boley)
C:水性UV架橋可能プラスチック分散液(登録商標 LUX 242 VP、Alberdingk Boley)
D:水性UV架橋可能プラスチック分散液(登録商標 LUX 382 VP、Alberdingk Boley)
E:水性UV架橋可能プラスチック分散液(登録商標 LUX 390 VP、Alberdingk Boley)
F:脂肪族ポリウレタンを基礎とした、溶媒のない、放射線架橋可能プラスチック分散液(登録商標 JAGALUX UV 8035W、E.Jager Fabrik Chemischer Rohstoffe)
のそれぞれと混合させた。
層を、100μmの溝をつけたへらを使用して、光着色された下塗りで塗装されたクリップボードパネルに適用し、そして、該層を、一晩、室温で乾燥させた。該グリップボードパネルを、傾けた姿勢で、外光中、数時間、保管した(Basle、May)。ケーニッヒ(DIN53157)にしたがった振り子硬度を、外光による硬化の前(0)及び30分後及び3時間後に測定した。すべての場合において、硬度の有意な増大が、すでに30分後に、検出できた。結果を以下の表3に示した。
【0156】
【表3】
Figure 0004966462
【0157】
実施例8:光安定化剤の添加を伴う、外光を使用する、木材の塗料の硬化
実施例1(D1)で言及された光開始剤配合剤1%及びUV吸収剤UV−1*1(登録商標 TINUVIN 1130、Ciba Spezialitatenchemie)を、水性バインダー分散剤Aに加えた。塗装ブラシを用いてトウヒ材のいたに塗装を施した。
さらなる試験で、配合剤Aの適用前に、板を、立体的に束縛されたアミン−N−オキシドの1%水溶液で、前処理した。
外光中で(実施例7に記載されたように)6日間保管した後、黄色度指数を測定した。
未塗装(非露光及び露光された)の板及び水性バインダー分散液A(実施例1に言及された光開始剤配合剤を伴う及び伴わない)を含む塗料は、参照とした。
得られた結果を、以下の表4に与える。
*1UV吸収剤UV−1は、
【0158】
【化15】
Figure 0004966462
【0159】
12%ポリエチレングリコールの混合物である。
【0160】
【表4】
Figure 0004966462
【0161】
*使用されたアミン−N−オキシド:
【0162】
【化16】
Figure 0004966462
【0163】
実施例9:外光による水性ハイブリッド系の硬化
この例は、物理的に乾燥され得る成分(アニオンアクリルコポリマーの水性乳濁液、登録商標 GLASCOL C36、Ciba Spezialitatenchemie AG)と光硬化可能成分(水性バインダー分散液A)の混合に関する。
試験配合剤は、以下の表5に列挙した。それぞれの場合において、実施例1(D1)にしたがった水性開始剤配合剤1%を、光開始剤を含む配合剤と混合させた。純粋なバインダーの、光開始剤を伴う及び伴わない配合剤を、参照として使用した。
外光による硬化は、実施例8に記載されたように行われた。硬化後、溶媒抵抗性は、エタノールを含浸させたフェルトの硬化を使用して試験した。フェルトの硬化は、表面塗料層上に、カバーの下で、一晩、置いたままにし、次いで、層の状態を、以下の方法:
+ =作用なし
− =わずかな作用
−− =明らかな作用
−−− =層の全溶解
で、評価した。
結果は、表5に与えた。
【0164】
【表5】
Figure 0004966462
【0165】
実施例10:水性「二重硬化」系の硬化
配合剤は、
ポリアクリレート(登録商標 BAYHYDROL VP LS 2271、Bayer)36.2部、
流動化剤(登録商標 BYK 345、Byk Chemie)0.3部
流動化剤(登録商標 BYK 333、Byk Chemie)0.3部
脱イオン水16.9部
イソシアネート基を有するウレタンアクリレート(登録商標 ROSKYDAL FWO 2545E、Bayer)52.6部
トリメチロールプロパントリアクリレート(UCB)8.9部、及び
1−メトキシ−2−プロパノール(Fluka)9.3部
から調製される。
光開始剤混合物2%を、該配合剤に加えた。光開始剤混合物は、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(登録商標 IRGACURE 2959、Ciba Spezialitatenchemie)(PI-1)87.5%、及び、それぞれの場合において実施例1〜4の一つにしたがった水性光開始剤配合剤(D1〜D4)12.5%から構成された。
加えて、UV吸収剤UV−2*2(登録商標 TINUVIN400、Ciba Spezialitatenchemie)1%及び立体的に束縛されたアミンHALS−1*3(登録商標 TINUVIN 292、Ciba Spezialitatenchemie)0.6%を、該混合液のいくつかに加えた。 層を、コイル被覆アルミニウムシートに、100μmの螺旋形ナイフ(spiral knife)を使用して適用し、次いで、5分間、室温で乾燥させ、続いて10分間、80℃まで加熱して乾燥させた。次いで、ベルト速度5m/分で、二つの120W/cmの中圧水銀ランプを使用して露光を行った。拭き取り抵抗性の層が得られ、その振り子硬度(PH)を、硬化45分後に測定した。結果を以下の表6に与えた。
2 UV吸収剤UV−2の活性物質は、2−〔4−〔(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ〕−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン及び2−〔4−〔(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ〕−2−ヒドロキシフェニル
〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの混合物である。
3 立体的に束縛されたアミンHSALS−1は、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート(Chem.Abstr.No.41556-26-7)及びメチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート(Chem.Abstr.No.82919-37-7)の混合物である。
【0166】
【表6】
Figure 0004966462
【0167】
実施例11:水性白色表面塗料配合剤の硬化
さまざまな光開始剤分散液を、実施例5に記載されたように、水性白色表面塗料配合剤中に取り込ませ、該配合剤を、実施例5に記載されたように、適用させ、硬化させた。2%光開始剤は、水性分散液の成分として、1−ベンゾイル−1−ヒドロキシ−1−メチル−エタン(登録商標 DAROCUR 1173、Ciba Spezialitatenchemie)1.6%及びモノ又はビスアシルホスフィンオキシド0.4%から構成される。硬化後、該塗装のその振り子硬度を、測定した。使用された光開始剤分散液(実施例3に記載された方法と同じように調製された)を、表7aに与え、そして、硬化は表7bの結果となった。
【0168】
【表7】
Figure 0004966462
【0169】
実施例12:非水性白色表面塗料配合剤の硬化
配合剤は、
スチレン36%を含む不飽和ポリエステル(登録商標 ROSKYDAL S502、Bayer AG)74.0部、
二酸化チタン(登録商標 RTC2、Tioxide、フランス国)24.5部、
流動化剤(登録商標 BYK300)0.5部、及び
光開始剤1.0部
から調製された。
光開始剤は、分散液(D7)の状態で添加され、実施例3に記載された方法と同様に調製され、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(登録商標 IRGACURE 819、Ciba Spezialitatenchemie、スイス国)45.0部、
分散剤(登録商標 OROTAN DP731、Rohm+Haas)4.5部、
殺菌剤:1,2−ベンゾイソチアゾール−3−オン(登録商標 PROXEL BD、Novartis)0.1部、及び
脱イオン水50.4部
を含む。
該配合剤を、150μmの溝のあるへらを使用して、光着色された下塗りで塗装されたクリップボードパネルに適用した。二つの80W/cmの中圧水銀ランプを使用して、3m/分のベルト速度で、AETEKのUV露光装置中で硬化を行った。硬化され、拭き取り抵抗性の層の、ケーニッヒ(DIN53157)にしたがった振り子硬度、黄色度指数(ASTMD1925-88)及び光沢度(ASTMD532)を測定した。結果を以下の表8に与えた。
【0170】
【表8】
Figure 0004966462

Claims (10)

  1. (a)式(I):
    Figure 0004966462
    (式中、
    1は、C1〜C20アルキル;1個以上の酸素原子によって中断されたC2〜C20アルキル;C1〜C12アルコキシ;フェニル−C1〜C4アルキル;又は非置換か、若しくはC1〜C20アルキル、C1〜C12アルコキシ、ハロゲン、シクロペンチル、シクロヘキシル、C2〜C12アルケニル、1個以上の酸素原子によって中断されたC2〜C18アルキル、及び/又はフェニル−C1〜C4アルキルで置換されたフェニル;あるいはR1は、ビフェニリルであり、
    2は、基:
    Figure 0004966462
    であるか、又はR1に与えられた意味の一つを有し;
    3とR4は、それぞれ他から独立して、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ又はハロゲンであり;そして、
    5は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ又はハロゲンである。)
    の少なくとも1個のモノ又はビスアシルホスフィンオキシド、
    (b)少なくとも1個の分散剤、
    (c)水、
    及び、場合により、
    (d)さらなる添加剤
    を含む、水性で、貯蔵安定な、非沈降の懸濁液であって、
    懸濁液中の固形物の粒子サイズが、0.1〜12μmである水性懸濁液
  2. 成分(a)として、
    ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、
    ビス(2,46−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペンチルオキシフェニルホスフィンオキシド、
    ビス(2,46−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド又は
    2,46−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド
    を含む、請求項1に記載の水性懸濁液。
  3. 成分(a)10〜80部、成分(b)1〜40部及び全組成が100部に達するのに十分な部数の成分(c)を含む、請求項1に記載の水性懸濁液。
  4. 成分(b)として、無水マレイン酸、ポリビニルアルコール又は修飾されたポリアクリレートを基礎とするポリマーを含む、請求項1に記載の水性懸濁液。
  5. (a)式(I):
    Figure 0004966462
    (式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、請求項1に記載されたとおりである。)
    の少なくとも1個のモノ又はビスアシルホスフィンオキシド、
    (b)少なくとも1個の分散剤、
    (c)水、
    及び、場合により、
    (d)さらなる添加剤
    を含む、水性で、貯蔵安定な、非沈降の光開始剤の懸濁液の、
    (1)成分(a)、(b)及び(c)並びに、場合により(d)を、攪拌によって懸濁すること、
    (2)懸濁液中の固形物質の粒子サイズがほぼ60μmになるように生成した混合物を粗く粉砕すること、及び
    (3)懸濁液中の固形物質の粒子サイズが12μm未満になるように、1回以上の粉砕操作によって混合物を微細粉砕すること
    による調製方法。
  6. (A)少なくとも1個のエチレン不飽和の光重合性化合物、及び
    (B)光開始剤として、請求項1に記載された水性懸濁液
    を含む光重合可能組成物。
  7. 成分(A)及び(B)に付け加えて、さらなる添加剤(C)を含む請求項6に記載された光重合可能組成物。
  8. 光開始剤として、エチレン不飽和二重結合を有する化合物の光重合化に有用な、請求項1に記載された水性懸濁液。
  9. 表面塗料、印刷インキ、スクリーン印刷インキ、オフセット印刷インキ、フレキソ印刷インキ、レジスト材料又は画像記録物質の製造に有用な、請求項6に記載された光重合可能組成物。
  10. 請求項6に記載された組成物で、少なくとも一つの表面上を塗装された被膜化基材。
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