以下に添付図面を参照して、この発明にかかるポイント付与装置、ポイント付与方法、ポイント付与プログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(遊技システム100のシステム構成)
まず、この発明の実施の形態1にかかる遊技システム100のシステム構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態1にかかる遊技システム100のシステム構成図である。図1において、遊技システム100は、複数の遊技機M−1〜M−nと、複数の遊技媒体貸出装置110−1〜110−nと、ホストコンピュータ120とを備え、それぞれをインターネット、LANおよびWANなどのネットワークを介して接続したものである。
遊技機M−1〜M−nは、遊技場に設置されるパチンコ遊技機である。なお、遊技機M−1〜M−nは、回胴式遊技機(いわゆるスロット遊技機)であってもよい。また、遊技の進行にともなって発生する遊技情報を外部のコンピュータ装置(たとえば、遊技媒体貸出装置110−1〜110−n)に配信する機能を有している。遊技情報とは、図柄の変動開始、リーチ演出の発生、大当たりの発生、確率変動状態の発生、スタート回数などを示す情報などのほか、発射された遊技媒体の数(アウト玉数)や、遊技機M−1〜M−nが払い出した遊技媒体の数(セーフ玉数)などを示す情報である。
遊技媒体貸出装置110−1〜110−nは、それぞれ隣接する遊技機M−1〜M−nと一対一で設置/接続されており、その遊技機M−1〜M−nの遊技に使用される遊技球や遊技メダルなどの遊技媒体を貸し出すコンピュータ装置である。この遊技媒体貸出装置110−1〜110−nは、遊技中の入金額、遊技媒体の貸出金額、貸出数量としての遊技媒体の貸し玉数、再リプレイ玉数、遊技時間などの遊技情報をホストコンピュータ120に配信する機能を有している。
また、遊技媒体貸出装置110−1〜110−nは、隣接する遊技機M−1〜M−nの種別を特定するための遊技機情報を送信する機能を有している。さらに、遊技媒体貸出装置110−1〜110−nは、後述する会員カードを基に、遊技者を特定するための遊技者情報を送信する機能を有している。本実施の形態においては、遊技媒体貸出装置110−1〜110−nによって上述した各機能を実現しているが、遊技機M−1〜M−nごとに設置される台コンピュータによってその機能を実現してもよい。
なお、上述したように、遊技情報は、遊技機M−1〜M−nからのアウト玉数やセーフ玉数などの情報や、遊技媒体貸出装置110−1〜110−nからの貸出金額、貸し玉数、遊技時間などの情報等、遊技に関する情報である。
ホストコンピュータ120は、格納部としての管理DB(データベース)121を備え、各遊技者に対して所定のサービスを提供するためのポイントを付与し、付与したポイント情報を管理するコンピュータ装置である。本実施の形態では、遊技者がポイントを放棄することが可能になっており、管理DB121には、放棄したポイント数の累積が格納されるようになっている。また、このポイントは、詳細については後述するが、管理DB121に格納される放棄したポイント数の累積に基づいて算出される。また、ホストコンピュータ120は、公衆回線によって接続されたWebサーバを用いることも可能である。
(管理DB121のデータ構造)
つぎに、管理DB121のデータ構造について説明する。図2は、管理DB121のデータ構造を示す説明図である。図2において、管理DB121には、遊技場の会員ごとのポイント数を集計したポイント情報200が格納されている。
管理DB121には、ポイント情報200として、「会員番号」210と、「累積放棄ポイント数」220と、「累積獲得ポイント数」230とが格納されている。「会員番号」210は、遊技者ごとに割り当てられた遊技者を特定するための番号である。
ここで、本実施の形態において、遊技者は、付与されるポイント(基準ポイント)に対して、「獲得」(または「抽選による獲得」)、「寄付」、「放棄」のいずれか一つを選択できるようになっている。「獲得」とは、基準ポイントを、自らのポイントにすることである。また、「寄付」とは、たとえば、基準ポイントを金額に換算して、福祉団体などに寄贈することである。「放棄」とは、基準ポイントを受け取らないことである。「抽選による獲得」とは、詳細については後述するが、基準ポイントのポイント数を基に、抽選により変更したポイント数を獲得することである。
「累積放棄ポイント数」220は、遊技者が今までに放棄したポイント数の累積である。「累積獲得ポイント数」230は、遊技者が今までに獲得したポイント数の累積であり、遊技者は、このポイント数に対応した各種サービスの提供を受けることができる。なお、管理DB121には、このほかにも、遊技者が今までに寄付したポイント数の累積として、累積寄付ポイントを格納させてもよい。
(遊技媒体貸出装置110の外観)
つぎに、この発明の実施の形態1にかかる遊技媒体貸出装置110−1〜110−n(以下、単に「遊技媒体貸出装置110」と表記する)の外観について説明する。図3は、遊技媒体貸出装置110の一例を示す外観図である。図3において、遊技媒体貸出装置110は、紙幣投入口301と、ディスプレイ302と、操作ボタン303と、会員カード投入口304と、精算コイン投入口305と、精算コイン返却口306と、第1のアンテナ307と、第2のアンテナ308とを備えている。
紙幣投入口301は、遊技媒体の借り入れに使用される紙幣の投入を受け付ける。ディスプレイ302は、紙幣投入口301に投入された紙幣の投入金額やポイント情報などを表示する。操作ボタン303は、機能設定に関する各種の入力や遊技者による暗証番号入力などを受け付ける。
会員カード投入口304は、遊技場の会員に対して発行される会員カード(後述する可搬型ICタグ522に相当)の挿入を受け付け、また、挿入された会員カードの返却をおこなう。精算コイン投入口305は、たとえば、会員以外の遊技者、いわゆるビジターである遊技者が使用する精算コインの投入を受け付ける。精算コイン返却口306は、遊技終了時などに、残額のある精算コインを返却する。
第1のアンテナ307は、会員カード投入口304と精算コイン投入口305との間の装置内部に配設されており、会員情報などを読み取る読取部521(図5参照)に接続されている。この第1のアンテナ307は、会員カード投入口304に挿入された会員カード、および精算コイン投入口305に投入された精算コインから電波を受信する機能を有している。
第2のアンテナ308は、装置本体に配線されており、上記読取部521に接続されている。この第2のアンテナ308は、遊技機内部の部品に貼付された非接触ICタグ531(図5参照)の近傍に配設され、非接触ICタグ531からの電波を受信する機能を有している。また、第2のアンテナ308は、遊技機M−1〜M−n(以下、単に「遊技機M」と表記する)が入れ替えられると、非接触ICタグ531の近傍から取り外され、入れ替えられた遊技機Mの非接触ICタグ531の近傍に再度取り付けられる。
(コンピュータ装置のハードウェア構成)
つぎに、図1に示したコンピュータ装置(遊技媒体貸出装置110およびホストコンピュータ120)のハードウェア構成について説明する。図4は、コンピュータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、コンピュータ装置は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、音声I/F(インタフェース)408と、スピーカ409と、入力デバイス410と、映像I/F411と、ディスプレイ412と、通信I/F413とを備えている。また、各構成部401〜413はバス420によってそれぞれ接続されている。
CPU401は、コンピュータ装置全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラム、通信プログラム、データ解析プログラムなどのプログラムを記録している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって、磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク405としては、たとえば、HD(ハードディスク)や、FD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって、光ディスク407に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク407は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク407のほかに、MO、メモリカードなどであってもよい。
音声I/F408は、音声出力用のスピーカ409に接続される。スピーカ409は、音声を出力する。入力デバイス410は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
映像I/F411は、ディスプレイ412と接続される。映像I/F411は、具体的には、たとえば、ディスプレイ412全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ412を表示制御する制御ICなどによって構成される。
ディスプレイ412には、アイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、または文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ412は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。通信I/F413は、ネットワークに接続され、CPU401とのインタフェースとして機能する。
(ホストコンピュータ120の機能的構成)
つぎに、この発明の実施の形態1かかるホストコンピュータ120の機能的構成について説明する。図5は、この発明の実施の形態1にかかるホストコンピュータ120の機能的構成を示すブロック図である。図5において、ホストコンピュータ120は、遊技媒体貸出装置110と、遊技媒体貸出装置110を介して遊技機Mとに接続されている。
ホストコンピュータ120は、取得部501と、算出部502と、入力部503と、判断部504と、変更部505と、設定部506と、通知部507とを備えて構成される。これら各機能501〜507は、ROM402やRAM403などのメモリに格納された当該機能に関するプログラムをCPU401に実行させることにより、当該機能を実現することができる。
取得部501は、遊技機Mにおける遊技者の遊技によって発生する遊技情報を、遊技媒体貸出装置110の外部出力制御部520から取得する。遊技情報は、貸出金額、貸し玉数、遊技開始時間、遊技終了時間、遊技した情報(来店した情報)などである。なお、取得部501は、遊技機Mの外部出力制御部532から送信される、アウト玉数、セーフ玉数などの遊技情報を、遊技媒体貸出装置110を介して取得する。また、取得部501は、たとえば、遊技者が台を移動するごとに、具体的には、会員カードの出し入れがおこなわれるごとに、その都度、遊技情報を取得してもよいし、たとえば、閉店後に遊技者の1日分の遊技情報を一括して取得してもよい。なお、閉店後に遊技者の1日分の遊技情報を一括して取得する場合は、たとえば、遊技者の遊技した台ごとの遊技情報を管理DB121に格納しておき、閉店後に管理DB121から一括して取得すればよい。
また、取得部501は、遊技者を特定するための遊技者情報(会員番号)を読取部521から取得する。遊技者情報は、遊技場の会員に発行される会員カードなどの可搬型ICタグ522に記録されている。この遊技者情報は、会員カードが会員カード投入口304(図3参照)に挿入されると、第1のアンテナ307を介して、読取部521により読み取られるものである。
また、取得部501は、遊技機Mを特定するための遊技機情報を読取部521から取得する。遊技機情報は、遊技機Mを特定するための遊技機Mの台番号、機種名、メーカ名を示す情報が含まれている。
また、本実施の形態において、取得部501は、遊技媒体貸出装置110を介して遊技情報を取得するようにしているが、遊技機Mから直接、遊技情報を取得してもよい。さらに、取得部501は、遊技機Mの遊技情報を収集する他のコンピュータ装置(たとえば、データカウンタ)を介して、遊技機Mの遊技情報を取得してもよい。
算出部502は、取得部501が取得した遊技情報を基に、通常時のポイント数(基準ポイント数)を算出する。詳細については、図6を用いて後述するが、算出部502は、設定部506に設定されるテーブルを用いて基準ポイント数を算出する。この基準ポイント数は、取得部501が取得した遊技情報に含まれる貸出金額と遊技時間を基に算出されるものであり、貸出金額と遊技時間にそれぞれ比例して大きくなる値である。
入力部503は、算出部502によって算出された基準ポイント数に対する、遊技者からの「放棄」(または「抽選による獲得」)、「獲得」、「寄付」の選択を受け付ける。入力部503が基準ポイント数に対する「放棄」の選択を受け付けた際には、格納部としての管理DB121に、基準ポイント数を放棄ポイント数として格納する。また、入力部503が基準ポイント数に対する「獲得」の選択を受け付けた際には、遊技者の累積獲得ポイント230(図2参照)に、基準ポイント数を累積する。
また、入力部503が基準ポイント数に対する「寄付」の選択を受け付けた際には、基準ポイント数を金額に換算して、福祉団体などに寄贈する。また、入力部503が基準ポイント数に対する「抽選による獲得」の選択を受け付けた際には、詳細については後述するが、図7に示すテーブルを用いて、基準ポイント数を基に抽選によって変更した抽選ポイント数を、累積獲得ポイント230に累積する。
判断部504は、取得部501によって取得された遊技情報に含まれる、貸出金額または貸し玉数を用いて、遊技者の遊技成績の良否を判断する。遊技成績の良否の判断は、たとえば、遊技成績としての収支金額に基づいておこなわれる。ここで、収支金額について説明する。たとえば、遊技球が1球あたり4円で貸し出される場合、1000円分の貸出金額に対して、遊技球は250球貸し出されることになる。そして、遊技により、後述する獲得玉数が、1000球になったとする。この獲得玉数は、たとえば、1球あたり4円分の景品と交換できる遊技場の場合、4000円に相当する景品と交換できる。このような場合、収支金額をプラス3000円とする。
また、たとえば、1球あたり3円分の景品と交換できる遊技場の場合、1000球の獲得玉数は3000円に相当する景品と交換できる。このような場合、収支金額をプラス2000円とする。つまり、収支金額は、遊技媒体を景品交換した際の当該景品に相当する金額と、貸出金額との収支であり、1球あたり何円分の景品に交換できるかによって、遊技場ごとに異なる値である。
収支金額の算定手法としては、取得部501が取得した遊技情報のうち、たとえば、アウト玉数、セーフ玉数、貸し玉数、貸出金額などに基づいておこなわれる。具体的には、たとえば、セーフ玉数から、アウト玉数および貸し玉数を減じた獲得玉数を導き、当該獲得玉数を景品に交換した際の当該景品に相当する金額分と、貸出金額との差から、収支金額を算定すればよい。また、このほかにも、収支金額の算定手法としては、遊技媒体貸出装置110からの貸出金額と、ホール内に設置される景品交換用コンピュータからの景品交換時における当該景品に相当する金額とに基づいて、収支金額を算定してもよい。
したがって、判断部504は、このような収支金額の算定結果に基づき、たとえば、収支金額がプラスのときに、遊技成績が良好なものと判断し、収支金額がマイナスのときに、遊技成績が悪いものと判断する。なお、遊技成績の判断は、これに限らず、たとえば、収支金額がプラス1000円以上のときに、遊技成績が良好なものと判断し、収支金額が1000円を下回るときに、遊技成績が悪いものと判断するようにしてもよいし、良否の2段階の分類に限らず、3段階以上の分類にしてもよく、任意に設定することが可能である。
変更部505は、管理DB121に格納される、基準ポイント数と、過去に放棄したポイント数(累積放棄ポイント数220(図2参照))とに基づいて、基準ポイント数を、基準ポイント数とは異なる抽選ポイント数に変更する。詳細については、図7を用いて後述するが、変更部505は、予め設定部506に設定されるテーブルを用いて、基準ポイント数を抽選ポイント数に変更する。
設定部506には、以下の図6および図7に示す各種テーブルが設定されている。なお、図5に図示した通知部507、遊技機M、および遊技媒体貸出装置110の詳細については、後述する。
(設定部506に設定される基準ポイント算出テーブル600の一例)
図6は、設定部506に設定される基準ポイント算出テーブル600の一例を示す説明図である。図6に示す基準ポイント算出テーブル600には、貸出金額610と、遊技時間620とが記載されている。基準ポイント算出テーブル600内に記載される数字は、基準ポイント数である。貸出金額610は、遊技者の1日の貸出金額である。なお、貸出金額610は、1回の遊技における1台の遊技機Mごとの貸出金額としてもよい。遊技時間620は、1日の遊技した時間である。具体的には、遊技開始時間から遊技終了時間までの遊技した1日の実時間であり、複数の遊技機Mにて遊技した場合には、各遊技機Mにおける遊技時間の合計となる。なお、遊技時間についても、1台の遊技機Mごとの遊技時間としてもよい。
ここで、基準ポイント算出テーブル600を用い、具体例を挙げて説明すると、たとえば、貸出金額610を25000円とし、遊技時間を5時間30分とした場合、基準ポイント算出テーブル600に当てはめると、貸出金額610が、符号611に示す「2〜3」となり、遊技時間620が、符号621に示す「5.0〜6.0」となることから、基準ポイント数が「10」となる。このようにして、算出部502による基準ポイント数の算出がおこなわれる。
(設定部506に設定されるポイント抽選テーブル700の一例)
つぎに、図7を用いて、設定部506に設定されるポイント抽選テーブル700の一例について、説明する。図7は、設定部506に設定されるポイント抽選テーブル700の一例を示す説明図である。図7において、ポイント抽選テーブル700には、基準ポイント数701と、累積放棄ポイント数702と、ランク703とが記載されている。ポイント抽選テーブル700内に記載される数字は、変更部505による変更後のポイント数(以下、抽選ポイント数という)である。
基準ポイント数701は、図6に示した基準ポイント算出テーブル600を用いて算出されたポイント数である。累積放棄ポイント数702は、図2に示した累積放棄ポイント数220に相当し、今までに遊技者が放棄したポイント数の累積であり、5ポイントごとのピッチで記載されている。ランク703は、たとえば、a〜eまでの5段階に設定されている。このランク703に設定されるa〜eの中から、抽選により一つが選択され、選択されたランク703に対応する抽選ポイント数に変更される。各ランクa〜eにおいて、抽選ポイント数は、変更幅704に記載されるように、ランクaの抽選ポイント数に対して、ランクbがプラス1となり、ランクcがプラス2となり、ランクdがプラス3となり、ランクeがプラス4となっている。
また、抽選ポイント数は、累積放棄ポイント数702が高くなるにつれて、高くなっており、たとえば、基準ポイント数701を、符号705に示す「10」とし、抽選により選択された各ランク703を、符号706〜710に示すランクaとした場合、累積放棄ポイント数702に対応してそれぞれ「8,9,10,11,12」になっている。なお、変更幅704は、符号711〜713に示すように、累積放棄ポイント数702が「0〜5」のランクa,b、および累積放棄ポイント数702が「6〜10」のランクaについて、マイナスとなっている。つまり、抽選ポイント数が基準ポイント数701に対して減少することを示しているが、これは、一例に過ぎず、抽選ポイント数が全てプラスになるようにしてもよい。
また、累積放棄ポイント数702は、ポイント数が21以上については、全て同様の抽選ポイント数としているが、これは一例に過ぎず、ポイント数が21以上についても、たとえば、5ポイントごとのピッチで、100ポイントまでの抽選ポイント数を設定してもよい。また、イベント時などにおいては、抽選ポイント数を倍にするなど、適宜変更することも可能である。
ここで、ポイント抽選テーブル700を用い、具体例を挙げて説明すると、たとえば、基準ポイント数701を「10」(符号705)とし、累積放棄ポイント数702を「13」(符号720)とした場合、ランクa〜eに対応して、抽選ポイント数が「10,11,12,13,14」になっており、この中からランダムに、いずれか一つの抽選ポイント数が獲得されるようになっている。たとえば、抽選によりランクcが選択されると、抽選ポイント数が「12」になる。つまり、遊技結果に基づいて算出された基準ポイント数701が「10」であった場合でも、累積放棄ポイント数702と、ランク703の抽選結果とに応じて、獲得されるポイント数が「12」になる可能性があることを示している。このようにして、変更部505は、基準ポイント数701を抽選ポイント数に変更する。
なお、このポイント抽選テーブル700の、基準ポイント数701、累積放棄ポイント数702、およびランク703に示す各値や、ピッチ、分類、抽選ポイント数等に、他の値を用いることは、勿論可能である。また、累積放棄ポイント数702に限らず、寄付されたポイント数の累積を用い、このポイントに応じて、抽選ポイント数を変更するようにしてもよい。
また、上述した説明では、ポイント抽選テーブル700にランク703を設定し、抽選をおこなうようにしたが、ランク703を設けないようにしてもよい。つまり、変更部505は、単に、基準ポイント数701と、累積放棄ポイント数702とに基づいて、基準ポイント数701から抽選ポイント数への変更をおこなうようにしてもよい。
さらに、上述した説明では、基準ポイント数701から抽選ポイント数への変更にあたり、累積放棄ポイント数702を用いるようにしているが、これに限らず、前回の選択にて放棄または寄付した際の、1回のポイント数を用いてもよい。
ここで、図5に戻って説明する。本実施の形態では、判断部504によって遊技者の遊技成績が悪いと判断された場合に、入力部503は、算出部502によって算出された基準ポイント数に対する「抽選による獲得」を受け付ける。つまり、具体的には、遊技成績が悪い場合には、通知部507としてのディスプレイ302などの表示画面に、「抽選による獲得」、「放棄」、「寄付」が表示され、これらのいずれか一つの選択を受け付ける画面が表示される。そして、「抽選による獲得」が選択されると、変更部505は、上述したポイント抽選テーブル700(図7参照)を用いて、抽選をおこない、基準ポイントから抽選ポイントへのポイント数の変更をおこなう。
一方、判断部504によって遊技者の遊技成績が良好であると判断された場合、入力部は、「放棄」、「獲得」、「寄付」のいずれか一つの選択を受け付ける。つまり、具体的には、遊技成績が良好な場合には、ディスプレイ302などの表示画面に、「獲得」、「放棄」、「寄付」が表示され、これらのいずれか一つの選択を受け付ける画面が表示される。そして、「獲得」が選択されると、上述した基準ポイント算出テーブル600(図6参照)を用いて算出された基準ポイント数が獲得される。
なお、本実施の形態においては、判断部504を備え、判断部504による遊技成績の判断に応じて、「抽選による獲得」、または「獲得」のいずれかを表示するようにしているが、判断部504を備えない構成としてもよい。つまり、この場合、基準ポイント数に対する入力の選択を受け付ける表示において、常に、「獲得」または「抽選による獲得」のいずれかを表示するようにしてもよい。
また、管理DB121は、入力部503がポイントの寄付の選択を受け付けた際に、寄付されたポイント数(寄付ポイント数)を格納してもよい。この場合、上述したように、たとえば、変更部505は、管理DB121に格納される寄付ポイント数の累積に基づいて、基準ポイント数を抽選ポイント数に変更するようにしてもよい。
また、通知部507は、各ポイント数を通知する。具体的には、通知部507は、算出部502によって算出された基準ポイント数、変更部505によって変更された抽選ポイント数、管理DB121に格納される、累積放棄ポイント数、累積獲得ポイント数、累積寄付ポイント数などを通知する情報を出力する。通知部507から出力される情報は、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302によって表示される。ディスプレイ302に表示される表示画面は、具体的には、図13に示す表示画面であり、詳細については後述する。また、通知部507は、ホストコンピュータ120のディスプレイ412によって実現してもよいし、たとえば、遊技機Mの上方に取り付けられ、遊技情報を表示出力するデータカウンタによって実現してもよいし、遊技中の遊技者から見やすい位置に配置されてテレビなどの表示画面を出力する他のディスプレイなどによって実現してもよい。
遊技媒体貸出装置110の読取部521は、遊技者を特定するための遊技者情報が記録された可搬型ICタグ522から、当該遊技者情報を読み取る機能を有する。可搬型ICタグ522は、任意に持ち運びが可能な記録媒体であり、たとえば、上述した会員カードに相当する。可搬型ICタグ522には、遊技者情報や有価価値が付与された有価情報などが記録されたICタグが埋め込まれている。
遊技者情報には、可搬型ICタグ522を識別するためのタグIDや遊技場の会員を識別するための会員IDなどが含まれている。また、有価情報には、遊技媒体の借り入れに使用可能な残額を示す残額情報、および、獲得された遊技媒体数(いわゆる、「貯玉情報」)などが含まれている。本実施の形態において、ポイント情報は、管理DB121にて一括管理されるものとして説明しているが、可搬型ICタグ522に記録される有価情報にポイント情報を含ませることは勿論可能である。
この可搬型ICタグ522は、内部に埋設されている送受信アンテナ(不図示)を介して遊技媒体貸出装置110と非接触型の通信をおこなう。たとえば、図3に示した会員カード投入口304に可搬型ICタグ522(会員カード)が挿入されると、可搬型ICタグ522と遊技媒体貸出装置110との間で無線通信がおこなわれ、可搬型ICタグ522に対する各種情報の読み取りや書き込みがおこなわれる。
具体的には、会員カード投入口304に可搬型ICタグ522が挿入されると、読取部521によって可搬型ICタグ522から遊技者情報が読み取られる。読取部521によって読み取られた遊技者情報は、遊技機Mの遊技情報とともに、遊技媒体貸出装置110からホストコンピュータ120の取得部501に送信される。なお、会員を識別するためには、上述した会員カードによる認証のほかにも、携帯電話などの情報端末を利用した認証や、指紋認証、静脈認証、虹彩認証などの生体認証を用いてもよい。また、この可搬型ICタグ522には、読み取られた日時が記録され、たとえば、当日1回目の読み取りがおこなわれたことが識別できるようになっている。
また、読取部521は、遊技機Mに設けられた非接触ICタグ531の所定範囲内に配設された第2のアンテナ308を用いて、非接触ICタグ531から遊技機Mを特定するための遊技機情報を読み取る機能を有する。非接触ICタグ531は、電磁誘導または電波を利用して非接触通信をおこなうICタグであり、たとえば、遊技機Mの制御を司る主基板、当該主基板に実装されているROM、または当該主基板を被覆する基板ケースなどに貼付されている。識別情報は、非接触ICタグ531に一意的に割り当てられ、たとえば、遊技機Mを識別するための遊技機ID、遊技場を識別するための遊技場ID、および遊技機Mのメーカを特定するためのメーカIDなどを含んでいる。読取部521によって読み取られた識別情報は、遊技機Mの遊技機情報として遊技媒体貸出装置110からホストコンピュータ120の取得部501に送信される。
また、設定情報は、遊技機Mに設けられた非接触ICタグ531に記録されている識別情報と対応付けて設定される情報であり、ROM402やRAM403などのメモリに予め記憶されている。具体的には、設定情報は、識別情報(正規の非接触ICタグ531に記録されている識別情報)を含む情報(遊技機ID、遊技場ID、およびメーカIDなど)である。このように、設定情報および識別情報を用いることにより、遊技機Mを特定することができるだけでなく、たとえば、設定情報と識別情報の各IDが異なる場合に、遊技機Mの入れ替えがあったことを検出することや、ROMの不正改造や裏ロムに交換されるなどの不正行為を検出することができる。
(ホストコンピュータ120による放棄ポイントの格納処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態1にかかるホストコンピュータ120による放棄ポイントの格納処理手順について説明する。図8は、この発明の実施の形態1にかかるホストコンピュータ120による放棄ポイントの格納処理手順を示すフローチャートである。なお、図8に示すフローチャートにおいては、主に、放棄ポイントの格納について説明するため、判断部504による遊技成績の判断や、変更部505による基準ポイント数から抽選ポイント数への変更については、図9にて説明するものとし、ここでは、その説明を省略する。
図8において、まず、取得部501が、遊技情報を取得する(ステップS801)。遊技情報は、上述したように、貸出金額および遊技時間を含む情報である。そして、算出部502は、図6に示した基準ポイント算出テーブル600を用いて、基準ポイント数を算出する(ステップS802)。そして、通知部507は、たとえば、「獲得」、「放棄」、「寄付」の選択を受け付ける画面情報を出力する(ステップS803)。なお、ステップS803の画面情報は、遊技成績によっては、「放棄」に代わって、「抽選による獲得」とした画面情報が出力される場合もある。また、ステップS803における画面情報は、具体的には、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302によって表示出力される。なお、この画面情報の詳細については、図11を用いて後述する。
そして、遊技者からの操作入力により、入力部503を介して「獲得」を受け付けたか否かを判断する(ステップS804)。ステップS804において、「獲得」を受け付けていないと判断した場合(ステップS804:No)、「放棄」を受け付けたか否かを判断する(ステップS805)。ステップS805において、「放棄」を受け付けたと判断した場合(ステップS805:Yes)、放棄ポイント数を累積する(ステップS806)。そして、各ポイント数を格納し(ステップS807)、一連の処理を終了する。
一方、ステップ804において、「獲得」を受け付けたと判断した場合(ステップS804:Yes)、基準ポイント数を獲得させ(ステップS808)、ステップS807に移行する。また、ステップS805において、「放棄」を受け付けていないと判断した場合(ステップS805:No)、つまり、「寄付」を受け付けた場合、寄付ポイント数を送信し(ステップS809)、ステップS807に移行する。なお、ステップS809における寄付ポイント数の送信は、たとえば、寄付ポイント数を金額に換算し、ネットワークなどを通じて、たとえば、福祉団体などの外部の機器に送信される。
図8に示した処理において、取得部501が遊技情報を取得するタイミングや、算出部502による基準ポイント数の算出のタイミングや、通知部507による選択画面の表示のタイミングは、特に限られるものではない。つまり、たとえば、遊技者の来店した日に、取得部501が1日分の遊技情報を一括して取得するとともに、算出部502による基準ポイント数の算出をおこなうようにし、次回、遊技者が来店したときに、通知部507による選択画面の表示をおこなってもよい。なお、以下、図9に示すフローチャートにおいても、これら処理のタイミングが任意である点については、同様である。
(ホストコンピュータ120の抽選によるポイントの獲得処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態1にかかるホストコンピュータ120の抽選によるポイントの獲得処理手順について説明する。図9は、この発明の実施の形態1にかかるホストコンピュータ120の抽選によるポイントの獲得処理手順を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートは、図8に示した放棄ポイントの格納処理により、管理DB121に、放棄ポイントが格納されていることを前提とする。
図9において、まず、取得部501が、遊技情報を取得する(ステップS901)。遊技情報は、上述したように、貸出金額および遊技時間を含む情報である。そして、算出部502は、図6に示した基準ポイント算出テーブル600を用い、遊技情報に基づいて、基準ポイント数を算出する(ステップS902)。そして、判断部504は、遊技情報を基に、遊技成績が悪いか否かを判断する(ステップS903)。ステップS903において、遊技成績が悪いと判断した場合(ステップS903:Yes)、通知部507は、「抽選による獲得」、「放棄」、「寄付」の選択を受け付ける画面情報を出力する(ステップS904)。ステップS904における画面情報は、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302によって表示され、詳細については、図12を用いて説明する。
そして、遊技者からの操作入力により、入力部503を介して「抽選による獲得」を受け付けたか否かを判断する(ステップS905)。ステップS905において、「抽選による獲得」を受け付けたと判断した場合(ステップS905:Yes)、変更部505は、図7に示したポイント抽選テーブル700を用いて、抽選によりランクを選択する(ステップS906)。そして、選択したランクの抽選ポイント数を獲得させる(ステップS907)。このあと、各ポイント数を格納し(ステップS908)、一連の処理を終了する。
一方、ステップS903において、判断部504は、遊技成績が悪くないと判断した場合(ステップS903:No)、つまり、遊技成績が良好であると判断した場合、図8に示したステップS803に移行する。また、ステップS905において、「抽選による獲得」を受け付けていないと判断した場合(ステップS905:No)、図8に示したステップS805に移行する。
図9に示した処理においても、上述したように、取得部501が遊技情報を取得するタイミングや、算出部502による基準ポイント数の算出のタイミングや、通知部507による選択画面の表示のタイミングは、特に限られるものではない。以下、図10を基に、遊技者が次回に来店した際に、ステップS904以降の処理をおこなう場合について、遊技媒体貸出装置110の処理、および遊技機Mの処理と併せて、相対的に説明する。
(ホストコンピュータ120によるポイントの選択処理手順)
図10は、この発明の実施の形態1にかかるホストコンピュータ120によるポイントの選択処理手順を示すシーケンス図である。図10に示すシーケンス図は、図9に示したホストコンピュータ120によるポイントの獲得処理を用い、昨日、閉店後に取得した1日分の遊技情報を基に判断した遊技成績に基づき、翌日、遊技媒体貸出装置110に会員カードが挿入された際におこなわれるポイントの選択処理である。つまり、前提として、ホストコンピュータ120では、図9におけるステップS903(遊技成績の判断)までの処理がおこなわれ、遊技成績が悪いことが判断されているものとする。
図10において、遊技媒体貸出装置110は、会員カードが挿入されるまで待機状態にあり(ステップS1001:Noのループ)、会員カードが挿入されると(ステップS1001:Yes)、会員番号の読み取りをおこなう(ステップS1002)。そして、台番号と会員番号をホストコンピュータ120に送信する(ステップS1003)。
一方、遊技機Mでは、遊技開始の状態となる(ステップS1004)。また、ホストコンピュータ120は、台ごとの遊技情報を更新する(ステップS1005)。なお、ステップS905における台ごとの遊技情報の更新は、具体的には、遊技開始時間の更新である。そして、当日の遊技が1回目か否かを判断する(ステップS1006)。なお、ステップS1006における判断は、たとえば、当日初めて遊技開始時刻の更新をしたか否かに基づいておこなってもよいし、会員カードに記録される1回目の遊技か否かの情報に基づいておこなってもよい。
ステップS1006において、当日の遊技が1回目であると判断した場合(ステップS1006:Yes)、遊技媒体貸出装置110へ、基準ポイントに対する選択を受け付ける画面情報を送信する(ステップS1007)。ステップS1007における画面情報の送信は、具体的には、「抽選による獲得」、「放棄」、「寄付」の選択を受け付ける画面情報である。
一方、遊技媒体貸出装置110では、ステップS1003にて、台番号と会員番号をホストコンピュータ120に送信したあと、たとえば、会員カードに記録される情報により、当日の遊技が1回目か否かを判断する(ステップS1008)。ステップS1008において、当日の遊技が1回目であると判断した場合(ステップS1008:Yes)、ステップS1007にてホストコンピュータ120から送信された選択を受け付ける画面情報を表示する(ステップS1009)。ステップS1009の画面情報の詳細については、図12を用いて説明する。そして、基準ポイントに対する選択を受け付けたか否かを判断する(ステップS1010)。ステップS1010において、基準ポイントに対する選択を受け付けるまで(ステップS1010:Noのループ)、ステップS1009に移行し、基準ポイントに対する選択を受け付けた場合(ステップS1010:Yes)、ホストコンピュータ120へ、受け付けた選択に関する情報を送信する(ステップS1011)。
そして、ホストコンピュータ120では、「抽選による獲得」が選択されたか否かを判断する(ステップS1012)。ステップS1012において、「抽選による獲得」が選択されたと判断した場合(ステップS1012:Yes)、抽選により選択した抽選ポイント数を獲得させる(ステップS1013)。そして、遊技媒体貸出装置110へ、各ポイント数の累積を送信し(ステップS1014)、各ポイント数を更新する(ステップS1015)。
このあと、遊技媒体貸出装置110は、ディスプレイ302を用いて、各ポイント数を表示する(ステップS1016)。そして、会員カードが排出されるまで待機状態にあり(ステップS1017:Noのループ)、ステップS1017において、会員カードが排出されると(ステップS1017:Yes)、遊技機Mから遊技媒体貸出装置110に対して、アウト玉数、セーフ玉数などの遊技情報が送信される(ステップS1018)。そして、遊技媒体貸出装置110は、ホストコンピュータ120へ、台番号、会員番号、および遊技情報を送信し(ステップS1019)、一連の処理を終了する。なお、ステップS1019において送信される遊技情報は、遊技機Mからのアウト玉数、セーフ玉数などの遊技情報のほか、遊技媒体貸出装置110からの貸出金額や貸し玉数などの情報である。
そして、ホストコンピュータ120は、台ごとの遊技情報を更新し(ステップS1020)、一連の処理を終了する。また、遊技機Mは、ステップS1018にて、遊技情報を送信した後、遊技終了の状態となり(ステップS1021)、一連の処理を終了する。
一方、ホストコンピュータ120では、ステップS1006において、当日の遊技が1回目ではないと判断した場合(ステップS1006:No)、ステップS1020に移行する。また、ステップS1012において、「抽選による獲得」が選択されていないと判断した場合(ステップS1012:No)、つまり、「放棄」または「寄付」が選択された場合、ステップS1014に移行する。
また、遊技媒体貸出装置110では、ステップS1008において、当日の遊技が1回目ではないと判断した場合(ステップS1008:No)、ステップS1017に移行する。
上述した処理のあと、ホストコンピュータ120では、ステップS1020にて更新された遊技情報を基に、閉店後に、図9に示したステップS903(遊技成績の判断)までの処理がおこなわれる。そして、遊技者がつぎに来店したときに、遊技者からの操作入力に基づき、ポイントの放棄や獲得などの処理がおこなわれる。
(ディスプレイ302に表示される表示画面の一例)
つぎに、この発明の実施の形態1において、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302に表示される表示画面の一例について説明する。図11は、この発明の実施の形態1において、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図11に示す表示画面は、図8のステップS803、または、遊技成績が良好な場合における図10のステップS1009において出力される画面情報である。
ディスプレイ302には、「獲得」1101、「放棄」1102、「寄付」1103がタッチパネルにより選択可能に表示されている。「獲得」1101が選択されると、基準ポイント数が獲得される。「放棄」1102が選択されると、放棄ポイントとして累積される。「放棄」1102の選択画面には、たとえば、「次回、抽選の可能性あり」などの文言を表示し、ポイントを放棄することにより、何らかのメリットがあることを、遊技者に通知するようにしてもよい。また、具体的に放棄ポイントの累積に応じて獲得できるポイント数が変わる旨の通知をしてもよい。また、「寄付」1103が選択されると、たとえば、基準ポイント数を金額に換算して、福祉団体などに寄贈される。このように、本実施の形態では、付与されるポイントを選択することが可能になっている。
(ディスプレイ302に表示される表示画面の一例)
つぎに、この発明の実施の形態1において、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302に表示される表示画面の一例について説明する。図12は、この発明の実施の形態1において、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図12に示す説明図は、図9のステップS904、または、遊技成績が悪い場合における図10のステップS1009において出力される画面情報である。
ディスプレイ302には、「抽選による獲得」1201、「放棄」1202、「寄付」1203がタッチパネルにより選択可能に表示されている。つまり、図12に示す表示画面は、遊技成績が悪かった場合に、図11に示した「獲得」1101に代わり、「抽選による獲得」1201が表示される画面を示している。「抽選による獲得」1201が選択されると、抽選によって選択された抽選ポイント数が獲得される。「放棄」1202が選択されると、放棄ポイントとして累積される。また、「寄付」1303が選択されると、たとえば、付与されるポイントを金額に換算して、ユニセフや福祉団体などに寄贈される。このように、本実施の形態では、付与されるポイントを選択することが可能になっている。
(ディスプレイ302に表示される表示画面の一例)
つぎに、この発明の実施の形態1において、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302に表示される表示画面の一例について説明する。図13は、この発明の実施の形態1において、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図13に示す説明図は、図11または図12において、遊技者からの選択を受け付けたあと、ポイントが獲得された際に表示される、各ポイントを集計した画面である。このように、本実施の形態では、「獲得」、「放棄」、または「寄付」の選択されたポイントを表示するとともに、各ポイントの累積を表示することが可能になっている。
以上説明したように、この発明の実施の形態1にかかるホストコンピュータ120は、「放棄」、または「獲得」の選択を受け付けるようにし、管理DB121に格納されている、過去に放棄した放棄ポイント数に基づいて、基準ポイント数を変更するようにした。したがって、遊技者に、「放棄」、または「獲得」を選択させることができ、遊技者の意思を反映させることができる。また、遊技者は「放棄」を選択することにより、優越感を得ることができる。また、放棄されたポイント数が、放棄ポイント数として格納され、当該放棄ポイント数に基づいてポイント数が変更されるため、「放棄」を選択した際に得た優越感が一時の感情として終わってしまうのでなく、遊技者にとって有効利用されることになる。このように、遊技者は、「放棄」を選択した際の優越感を得ることができるとともに、ポイントの獲得に際して、おもしろみを感じることができる。これにより、遊技場では、遊技機Mの稼働率の向上を図ることができる。
また、本実施の形態において、遊技者の遊技成績の良否に応じて、基準ポイント数を変更するようにした。したがって、遊技成績に応じて、ポイント数を変更できるので、たとえば、遊技成績の良好な遊技者に対しては、獲得させるポイント数を減少させ、一方、遊技成績の悪い遊技者に対しては、獲得させるポイント数を増加させることができる。したがって、遊技場にとってみれば、ポイントの還元状況や、遊技者のニーズに応じて、適宜、獲得させるポイント数を変更することができる。また、遊技者は、遊技とともにポイントの獲得に対しても、楽しみを得ることができる。
特に、本実施の形態においては、遊技者の遊技成績が悪いと判断された場合に、基準ポイント数を概ね増加させるようにした。これにより、遊技成績が悪い遊技者に対して、高いポイント数を獲得させることができる。したがって、遊技者は遊技成績が悪い場合であっても、基準ポイント数よりも高いポイント数を獲得することにより、遊技以外の娯楽性を享受できる。なお、上述したポイント抽選テーブル700を用いた抽選結果によっては、ポイント数が減少する場合がある(図7符号711〜713参照)。このようにポイント数が減少することにより、遊技者はゲーム性を得ることができる。なお、上述したように、ポイント抽選テーブル700に示した抽選ポイント数は一例に過ぎず、ポイント抽選テーブル700内の抽選ポイント数を全て基準ポイント数よりも多く設定してもよい。
また、本実施の形態において、管理DB121は、放棄ポイント数の累積を格納し、管理DB121に格納される累積放棄ポイント数が多いほど、基準ポイント数を増加させるようにした。このように、1回の放棄ポイント数ではなく、放棄ポイント数の累積に応じて、獲得させるポイント数を変更することにより、常連の遊技客を優遇できるとともに、遊技者の再来店の促進につながる。
また、本実施の形態において、放棄ポイント数の累積に対応して基準ポイント数が予め設定されるポイント抽選テーブル700(図7参照)を用い、基準ポイント数を抽選ポイント数に変更するようにした。したがって、基準ポイント数と累積放棄ポイント数とに基づき、基準ポイントから抽選ポイントにポイント数を簡単に変更することができる。
特に、累積放棄ポイント数ごとに、基準ポイント数に対応し、かつ、異なる抽選ポイント数が設定された複数のランクが設定されたポイント抽選テーブル700を用い、複数のランクの中から、抽選により一つが選択され、選択されたランクに対応して設定される基準ポイント数に基づいて、基準ポイント数を抽選ポイント数に変更するようにした。このように、抽選を行うことにより、獲得される抽選ポイント数が遊技者によって推測され難くなるとともに、遊技者は娯楽性やゲーム性を享受することができる。
また、本実施の形態において、遊技者の遊技成績が悪く、「抽選による獲得」の選択を受け付けた場合に、ポイント抽選テーブル700を用いて、基準ポイント数から抽選ポイント数への変更をおこなうようにした。したがって、遊技者は遊技成績が悪い場合であっても、抽選に基づく抽選ポイント数を獲得することにより、遊技以外の娯楽性を享受できる。
また、本実施の形態において、基準ポイント数に対する寄付の選択を受け付けるようにした。したがって、遊技者は、社会に貢献することができ、優越感や満足感を得ることができる。
また、本実施の形態において、管理DB121に、寄付ポイント数を格納し、格納される寄付ポイント数に基づいて、基準ポイント数を変更するようにしてもよい。このような構成によれば、寄付したポイントが、寄付ポイント数として格納され、当該寄付ポイント数に基づいて基準ポイント数が変更されるため、「寄付」を選択した際に得た優越感や満足感が一時の感情として終わってしまうのでなく、遊技者にとって有効利用されることになる。このように、遊技者は、「寄付」を選択した際の優越感や満足感を得ることができるとともに、ポイントの獲得に際して、おもしろみを感じることができる。
また、本実施の形態において、各ポイント数を通知するようにした。これにより、遊技者は、獲得、放棄、または寄付されたポイント数のほか、各累積ポイント数を知ることができる。
また、本実施の形態において、「放棄」、「寄付」、「獲得」(または「抽選による獲得」)の選択を受け付ける画面情報を出力するようにした。これにより、遊技者は、「放棄」、「寄付」、「獲得」(または「抽選による獲得」)のいずれかを選択することができ、遊技者の意思を反映させることができる。
また、本実施の形態では、閉店後に、遊技者が遊技した1日分の遊技情報を取得するようにした。このような構成によれば、各遊技者に対する基準ポイント数の算出を閉店後に一括しておこなうことができる。したがって、1日に1回、基準ポイント数の算出や、基準ポイントに対する選択の受け付けなどをおこなうことができる。本構成は、遊技者にとってみれば、ポイントの選択や、各累積ポイントの更新は1日に1回確認できれば十分であるということに基づくものであり、各累積ポイントの変更やポイントの選択の回数を抑えることができる。
(実施の形態2)
(「抽選による獲得」を受け付け可能にする際の別の例)
つぎに、図14を用いて、「抽選による獲得」を受け付け可能にする際の別の例について説明する。図14は、実施の形態2において、「抽選による獲得」を受け付け可能にする際の別の例を示す説明図である。上述した説明においては、「抽選による獲得」を受け付けるための判断要素として、遊技成績のみを用いたが、実施の形態2は、遊技成績に加えて、前回の遊技成績と、前回の基準ポイントに対して選択した情報を用いるようにした。なお、実施の形態2の基本的構成は、実施の形態1と同様であるため、その説明は省略する。
図14に示す一覧表1400には、「前回の基準ポイントに対する選択」1410と、「前回の遊技成績」1420と、「今回の遊技成績」1430と、「抽選による獲得を受け付けるか否か」1440とが記載されている。「前回の基準ポイントに対する選択」1410と、「前回の遊技成績」1420とは、管理DB121に格納されている情報である。「前回の基準ポイントに対する選択」1410には、前回、遊技者が基準ポイントに対して選択した「放棄」、「寄付」、「獲得」(または「抽選による獲得」)のいずれか一つが記載されている。また、「前回の遊技成績」1420には、前回の遊技成績の良否が記載されている。また、「今回の遊技成績」1430には、今回の遊技成績の良否が記載されている。そして、「前回の基準ポイントに対する選択」1410と、「前回の遊技成績」1420と、「今回の遊技成績」1430とに基づいて、「抽選による獲得を受け付けるか否か」1440が決定される。
具体例を挙げて説明すると、符号1450に示すように、「前回の基準ポイントに対する選択」1410が「放棄」であり、「前回の遊技成績」1420が「良」であり、「今回の遊技成績」1430が「悪」の場合、「抽選による獲得を受け付けるか否か」1440は「受付」となる。つまり、前回、遊技成績が良好でありながら、基準ポイントを放棄し、今回、遊技成績が悪かった場合に、「抽選による獲得」が選択可能に表示されることを示している。
一方、「前回の基準ポイントに対する選択」1410が「放棄」以外の場合や、「前回の遊技成績」1420が「悪」の場合のほか、「今回の遊技成績」1430が「良」の場合には、「抽選による獲得を受け付けるか否か」1440は「否」となる。なお、このような、図14に示した一覧表1400は、一例であり、適宜変更することが可能である。つまり、たとえば、「前回の基準ポイントに対する選択」1410が「寄付」の場合には、「前回の遊技成績」1420や、「今回の遊技成績」1430にかかわらず、「抽選による獲得を受け付けるか否か」1440を「受付」とするなど、他の設定にすることも可能である。
(ホストコンピュータ120の抽選によるポイントの獲得処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態2にかかるホストコンピュータ120の抽選によるポイントの獲得処理手順について説明する。図15は、この発明の実施の形態2にかかるホストコンピュータ120の抽選によるポイントの獲得処理手順を示すフローチャートである。図15に示すフローチャートは、図14に示した一覧表1400に基づくものであり、つまり、前回の遊技成績が良好であり、前回、ポイントを放棄しており、さらに、今回の遊技成績が悪い場合に、獲得されるポイントが抽選によって選択される処理を示す。
図15において、まず、取得部501が、遊技情報を取得する(ステップS1501)。遊技情報は、上述したように、貸出金額および遊技時間を含む情報である。そして、算出部502は、図6に示した基準ポイント算出テーブル600を用い、遊技情報に基づいて、基準ポイント数を算出する(ステップS1502)。そして、管理DB121に格納されている情報に基づき、前回の遊技成績が良好か否かを判断する(ステップS1503)。ステップS1503において、前回の遊技成績が良好であると判断した場合(ステップS1503:Yes)、管理DB121に格納されている情報に基づき、前回、基準ポイントを放棄したか否かを判断する(ステップS1504)。
ステップS1504において、前回、基準ポイントを放棄したと判断した場合(ステップS1504:Yes)、判断部504は、今回の成績が悪いか否かを判断する(ステップS1505)。ステップS1505において、今回の遊技成績が悪いと判断した場合(ステップS1505:Yes)、通知部507は、「抽選による獲得」、「放棄」、「寄付」の選択を受け付ける画面情報を出力する(ステップS1506)。ステップS1506における画面情報は、具体的には、遊技媒体貸出装置110のディスプレイ302によって表示される。
そして、遊技者からの操作入力により、入力部503を介して「抽選による獲得」を受け付けたか否かを判断する(ステップS1507)。ステップS1507において、「抽選による獲得」を受け付けたと判断した場合(ステップS1507:Yes)、変更部505は、図7に示したポイント抽選テーブル700を用いて、抽選によりランクを選択する(ステップS1508)。そして、選択したランクの抽選ポイント数を獲得させる(ステップS1509)。このあと、各ポイント数を格納し(ステップS1510)、一連の処理を終了する。
一方、ステップS1503において、遊技成績が良好ではないと判断した場合(ステップS1503:No)、つまり、遊技成績が悪いと判断した場合、図8に示したステップS803に移行する。また、ステップS1504において、前回、基準ポイントを放棄していないと判断した場合(ステップS1504:No)、つまり、基準ポイントを獲得または寄付した場合、図8に示したステップS803に移行する。また、ステップS1505において、今回の遊技成績が悪くないと判断した場合(ステップS1505:No)、つまり、遊技成績が良好であると判断した場合も、図8に示したステップS803に移行する。またステップS1507において、「抽選による獲得」を受け付けていないと判断した場合(ステップS1507:No)、図8に示したステップS805に移行する。
図15に示した処理において、取得部501が遊技情報を取得するタイミング、算出部502による基準ポイント数を算出するタイミング、判断部504による遊技成績の判断のタイミング、および通知部507による遊技者からの選択を受け付ける画面表示のタイミングは、特に限られるものではなく、たとえば、閉店後に、取得部501が遊技情報を一括して取得するとともに、判断部504による今回の遊技成績の判断(ステップS1505)までをおこなうようにし、次回、来店した際に、通知部507による遊技者からの選択を受け付ける画面表示をおこなってもよい。なお、この場合、ステップS1503、およびステップS1504における「前回」の文言については、正確には、「前々回」ということになる。また、ステップS1505における「今回」の文言については、正確には、「前回」ということになる。
以上説明したように、この発明の実施の形態2にかかるホストコンピュータ120は、管理DB121に、前回、ポイントを放棄した旨の情報が格納されている場合に、今回の遊技にて算出される遊技者の基準ポイント数を変更するようにした。したがって、遊技者は、基準ポイントを前回放棄した場合、つぎに基準ポイントに対する選択をおこなう際にポイント数が増加する楽しみを得ることができる。また、遊技場にとってみれば、ポイントの還元状況や、遊技者のニーズに応じて、適宜、獲得させるポイント数を変更することができる。
また、本実施の形態において、前回、遊技成績が良好でありながら、基準ポイントを放棄し、今回、遊技成績が悪かった場合に、「抽選による獲得」を受け付けることが可能な設定とした。したがって、遊技成績が良好なときに、基準ポイントを放棄し、遊技成績が悪いときにポイントを獲得すると、抽選により基準ポイント数よりも多いポイント数を獲得することが可能となる。なお、このような条件下でポイントを獲得すれば、最もポイント数が増加するようにしてもよい。つまり、この場合、ポイント抽選テーブル700(図7参照)に設定される抽選ポイント数を倍にするなどして、基準ポイントから抽選ポイントへの変更をおこなえばよい。このような構成によれば、遊技成績が悪い場合であっても、ポイント獲得時のゲーム性を享受でき、遊技者の再来店の促進につながる。
以上説明したように、ポイント付与装置、ポイント付与方法、ポイント付与プログラム、および記録媒体によれば、遊技者に対するポイントの付与に際し、遊技者の意思を反映させることができるとともに、遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
なお、実施の形態1,2で説明したポイント付与方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。