JP4965175B2 - サリニヴィブリオ属の新種微生物 - Google Patents
サリニヴィブリオ属の新種微生物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4965175B2 JP4965175B2 JP2006191861A JP2006191861A JP4965175B2 JP 4965175 B2 JP4965175 B2 JP 4965175B2 JP 2006191861 A JP2006191861 A JP 2006191861A JP 2006191861 A JP2006191861 A JP 2006191861A JP 4965175 B2 JP4965175 B2 JP 4965175B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ammonia
- toa1
- medium
- bacteria
- genus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/20—Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
Landscapes
- Treatment Of Sludge (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Treating Waste Gases (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
Description
アンモニアは下水処理場、し尿処理場や家畜の糞尿堆肥化工場での悪臭源として問題になっている。また、家庭用生ゴミ処理装置においても同様の問題がある。
一般に、アンモニアの脱臭に用いられる微生物は、主に硝化細菌、脱窒細菌であり、たとえば、硝化細菌である耐塩性のアンモニア酸化細菌が提案されている(例えば特許文献1)。
また、硝化細菌や脱窒細菌は多くの通性嫌気性細菌にくらべ増殖速度が極めて小さいため、培養槽に他の細菌が混入した場合、最終的に硝化による脱臭の効果が失われるという問題がある。
請求項2に記載の発明は、塩濃度6%以上で、サリニヴィブリオ・コスチコラ・TOA1(FERM P−20904)を含むことを特徴とするアンモニア処理剤である。
請求項3に記載の発明は、サリニヴィブリオ・コスチコラ・TOA1(FERM P−20904)により塩濃度6%以上でアンモニアを処理ことを特徴とするアンモニア処理方法である。
また、アンモニアを直接菌体タンパクに資化することができることから、炭素供給がなされるだけで、増殖可能である。すなわち、窒素供給を必要とせず、増殖するとともに、アンモニアを処理することができる。
さらに、本発明によるアンモニア処理剤にあっては、堆肥化装置のアンモニア除去にも適用することができる。
そして、本発明のアンモニア処理方法にあっては、効率よくアンモニアを除去することができる。
このTOA1株は、独立行政法人産業技術総合研究所・特許生物寄託センターにFERM P―20904として寄託されている。
各地において検体を採集し、検体からの菌株分離のために、表1に示す基礎培地を用いた。
予め2%の濃度でグルコース(Wako)又は炭酸水素ナトリウム(Wako)を添加した基礎培地をそれぞれ用意した。
検体をそれぞれの培地に添加し、よく混和した後、37℃、96時間静置培養した。
培養後、菌が増殖して明らかに培地が混濁したものについて、塩濃度8%に調整したハートインフュージョン寒天培地(以下「HI寒天培地」という)(日水化学)に接種し、37℃、48時間培養後、コロニーで単離可能なものを釣菌し、再度、前記の培地にて37℃、48時間培養した。
これにより明かに培地が混濁したものをHI寒天培地に再度接種し、37℃、24時間培養して純化し分離株とした。
塩濃度6%以下でも、12%以上でも菌株の増殖力は低下するからである。
微生物が生育する環境のpHは重要であり、ある微生物の生育のためには、生育環境のpHを調節することが必要となるときもあり、かかるpH調整剤としては、例えば、リン酸塩、炭酸塩等が挙げられる。
培地は、微生物の増殖、維持に必要な栄養素を含有していることが必要であり、栄養素が培地成分となる。かかる培地成分としては、例えば、炭素源たるグルコース等が挙げられる。
半固体状とは、例えば、寒天ゼリー、ゼラチンゼリー、ペクチンゼリー等のように、ある条件下でゲル・ゾルの状態を示すものである。
固体状とは、例えば、菌そのものを凍結乾燥したものや、多孔質のセラミックに本願発明の微生物を含む液体を担持させたものが挙げられる。
接触方法としては、液体中にアンモニアを溶解すると同時に菌と接触させてもよく(例えば、曝気法)、アンモニアを気体状で培地に接触させてもよい(例えば、通風循環方式)。
好ましくは、曝気法である。菌とアンモニアの接触効率がよく、管理も容易だからである。
オーストラリア、南オーストラリア州内の塩湖、湖沼及び海の計14ヶ所より、塩の結晶、塩水及び海水の検体を採集した。
検体からの菌株分離のために、表1に示す基礎培地を用いた。
予め2%の濃度でグルコース(Wako)又は炭酸水素ナトリウム(Wako)を添加した基礎培地27mLをそれぞれ用意した。
検体が液体である場合は3mL、固体である場合は3gをそれぞれの培地に添加し、よく混和した後、37℃、96時間聖地培養した。
培養後、菌が増殖して明らかに培地が混濁したものについて、塩濃度8%に調整したHI寒天培地(日水化学)に接種し、37℃、48時間培養後、コロニーで単離可能なものを釣菌し、再度、前記の培地にて37℃、48時間培養した。
これにより明かに培地が混濁したものをHI寒天培地に再度接種し、37℃、24時間培養して純化分離株とした。
(1)形態的性質
細胞の形及び大きさ:栄養細胞の大きさは5〜10μmの桿菌である。
細胞の多形性の有無:無
運動性の有無:有 鞭毛の着生状態:有
(2)培養的性質
肉汁寒天平板培養:本菌は、HI寒天培地において、37℃で生育する。コロニーの色調はクリーム色、形状は円形、隆起状態は扁平状、周縁は全縁、表面の形状等はスムーズで、透明度は半透明、粘稠度はバター様である。
肉汁液体培養:本菌は、HIブイヨンにおいて、37℃で生育する。
(3)生理学的性質
グラム染色性:陰性
硝酸塩の還元:陰性
脱窒反応:陰性
VPテスト:陰性
インドール生成:陰性
硫化水素の生成:陰性
クエン酸の利用:陰性
無機窒素源の利用:アンモニア
色素の生成:無
ウレアーゼ:陰性
オキシダーゼ:陽性
生育の範囲(pH、温度等):NaCl濃度4%以上(2%未満では生存できない)、pHは5.2〜8.9、温度は15〜45℃である。
酸素に対する態度:好気性
糖類からの酸、ガスの生成の有無(ガスの発生は無)
L−アラビノース:陰性
D−ガラクトース:陰性
ラクトース:陰性
D−ソルビトール:陰性
D−マンニトール:陰性
新種の特徴を示す必要なもの
ア)TSI培地(栄研化学)を用いた糖分解性試験、SIM培地(栄研化学)を用いた硫化水素・インドール産生性試験、リジン脱炭酸能試験の結果を表2に示す。
ア)Salinivibrio属の属を同定するPCR(Polymerase Chain Reaction)法
Salinivibrio.costicola ATCC33508Tを含む参考株計5株と分離株について、16srRNA遺伝子部分でSalinivibrio属に特異的な塩基配列を標的としたPCR法を行った結果を図1に示す。図1よりSalinivibrio.costicola ATCC33508TとTOA1株で増幅が確認され、TOA1株がSalinivibrio属と同定された。
なお、図1中、1:TOA1、S:S.costicola ATCC33508T、C:V.choleraeKVC88008、P:V.parhaemolyticusKE10464、F:V.fluvialisKIH01-143、A:V.alginolyticusAKO101、E:E.coliJM109、M:マーカーを示す。
イ)DNA−DNAハイブリダイゼーションによる相同性
PCR法でSalinivibrio属と同定されたTOA1について、Salinivibrio.costicola ATCC33508Tを基準株として用いたときの、DNA−DNAハイブリダイゼーションの結果は、本菌株とSalinivibrio.costicola ATCC33508Tとの相同性は40.8%であった。
従って、本菌株は新種であると判断した。
1)供試菌株:サリニヴィブリオ・コスチコラ・TOA1 FERM P−20904 株を塩濃度8%に調整したHIブイヨンで37℃、24時間培養し、これをHI寒天培地(日水化学)に接種し、37℃、24時間培養した。培地上に増殖した菌集落を供試菌株とした。
2)培養液組成:培養液は炭素源を含み、窒素源を含まないNaCl濃度8%の200mMのリン酸緩衝液である。
組成を表5に示す。
装置には送風量2.1L/分で、アンモニア濃度を約200ppmに調整した。
培養槽は有効容量5Lのものを用い、4Lの培養液を加えた。
なお、アンモニア発生槽と培養槽は温度を一定にするために、恒温槽(23℃)中に設置した。
4)脱臭効率測定:流入アンモニア濃度と流出アンモニア濃度を1日ごとに検知管式気体採取機(GV100;GASTEC)及びアンモニア検知管(GASTEC No.3La アンモニア)を用いた。
アンモニア濃度測定直後に培養液を10mL採取し、pHと生菌数の推移を測定した。
なお、測定pHが7.0以上のとき、培養液50mL抜き取り、スクロース4gを添加した基礎培地50mLを添加した。
結果を図3に示す。
アンモニア処理1と同様に供試菌株を培養し、図4に示す仮想動物飼育室(室内容積約8m3)にてアンモニア除去率を測定した。
なお、室内空気は1時間に4循環するようにし、通風量毎分5.5L中のアンモニア濃度を25ppmとなるように調整した。
脱臭槽内に接触装置として、2000mLのビーカーを設置した。
脱臭装置の概要を図5−1、図5−2に示す。
また、脱臭能の持続性ををも検討した。なお、脱臭能の持続性の検討においては、培地のpHが7を超えた時点でスクロース2gを添加した。
結果を図6、図7に示す。
Claims (3)
- 塩濃度6%以上で、アンモニアを資化するサリニヴィブリオ・コスチコラ属(Salinivibrio.costicola)に属する微生物であって、該微生物がサリニヴィブリオ・コスチコラ・TOA1(FERM P−20904)である微生物。
- 塩濃度6%以上で、サリニヴィブリオ・コスチコラ・TOA1(FERM P−20904)を含むことを特徴とするアンモニア処理剤。
- サリニヴィブリオ・コスチコラ・TOA1(FERM P−20904)により塩濃度6%以上でアンモニアを処理することを特徴とするアンモニア処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006191861A JP4965175B2 (ja) | 2006-07-12 | 2006-07-12 | サリニヴィブリオ属の新種微生物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006191861A JP4965175B2 (ja) | 2006-07-12 | 2006-07-12 | サリニヴィブリオ属の新種微生物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008017757A JP2008017757A (ja) | 2008-01-31 |
JP4965175B2 true JP4965175B2 (ja) | 2012-07-04 |
Family
ID=39074227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006191861A Active JP4965175B2 (ja) | 2006-07-12 | 2006-07-12 | サリニヴィブリオ属の新種微生物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4965175B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102747014A (zh) * | 2012-05-29 | 2012-10-24 | 北京盖雅技术中心有限公司 | 一株高盐生物脱氮的盐弧菌菌株及其在废水处理中的应用 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101658761B1 (ko) * | 2014-10-23 | 2016-09-30 | 한국식품연구원 | 내염성 및 단백질 분해 활성을 갖는 균주 및 이의 용도 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3553252B2 (ja) * | 1996-01-24 | 2004-08-11 | 三菱重工業株式会社 | 耐塩性アンモニア酸化細菌 |
JP3766050B2 (ja) * | 2002-08-27 | 2006-04-12 | 株式会社関門海 | 浄化用放線菌 |
-
2006
- 2006-07-12 JP JP2006191861A patent/JP4965175B2/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102747014A (zh) * | 2012-05-29 | 2012-10-24 | 北京盖雅技术中心有限公司 | 一株高盐生物脱氮的盐弧菌菌株及其在废水处理中的应用 |
CN102747014B (zh) * | 2012-05-29 | 2013-06-26 | 北京盖雅技术中心有限公司 | 一株高盐生物脱氮的盐弧菌菌株及其在废水处理中的应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008017757A (ja) | 2008-01-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Szekeres et al. | Microbial population in a hydrogen-dependent denitrification reactor | |
Chitapornpan et al. | Organic carbon recovery and photosynthetic bacteria population in an anaerobic membrane photo-bioreactor treating food processing wastewater | |
CN111733113B (zh) | 一种cod降解菌种及其应用 | |
CN113699057B (zh) | 一株具有异养硝化-好氧反硝化功能的椿象红球菌及其应用 | |
CN109337832A (zh) | 一种耐高氨氮异养硝化-好氧反硝化的苍白杆菌及其应用 | |
JP5959755B2 (ja) | 排水処理方法 | |
CN115386520B (zh) | 一株嗜吡啶红球菌rl-gz01菌株及其应用 | |
JP4939509B2 (ja) | バチルス属細菌の簡易測定法 | |
JP4904086B2 (ja) | クラゲ類の分解廃液の処理装置及び処理方法、並びに微生物 | |
CN101348772B (zh) | 水生丛毛单胞菌属菌株及其在废水生物脱氮中的应用 | |
CN117568235B (zh) | 一种产亚硝酸盐氧化还原酶的枯草芽孢杆菌及其应用 | |
JP6975701B2 (ja) | 枯草菌の単離方法、その枯草菌、枯草菌を含む微生物製剤、枯草菌単離用培地セット | |
CN109534518A (zh) | 一种利用嗜盐菌yl5-2的高盐废水生物膜处理工艺 | |
JP4965175B2 (ja) | サリニヴィブリオ属の新種微生物 | |
CN101993838A (zh) | 具有氯苯胺降解能力的代尔夫特菌h1及其应用 | |
Liu et al. | Combined process of urea nitrogen removal in anaerobic Anammox co-culture reactor | |
CN110184217A (zh) | 一株以亚硝酸盐为氮源的耐盐反硝化细菌及其应用 | |
CN113583924B (zh) | 一种河道水体cod降解菌种及其应用 | |
CN113215027B (zh) | 水生产碱杆菌as1及其在污水处理中的应用 | |
JP4675695B2 (ja) | メチルチオ化トリアジンの分解能を有する新規な微生物 | |
CN113234608A (zh) | 一株可降解亚硝酸盐的异常威克汉姆酵母菌 | |
Shivsharan et al. | Isolation of microorganism from dairy effluent for activated sludge treatment | |
CN115029275B (zh) | 一种氯苯降解菌及其应用 | |
CN109593673A (zh) | 一种黄杆菌jx-1及其在污水治理中的应用 | |
CN113005063B (zh) | 食多种树脂假单胞菌gy13及其在污水处理中的应用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090410 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111206 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120123 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20120123 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120228 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120329 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150406 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |