本発明の一実施形態について図1ないし図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本実施の形態の表示パネルとしての液晶パネルの検査を行うための検査装置としての液晶パネル検査装置の構成を図2に基づいて説明する。図2は、上記液晶パネル検査装置10の構成を示すブロック図である。
上記液晶パネル検査装置10は、図2に示すように、検査対象である例えば透過型の液晶パネル11に背面から光を照射させる例えば5本の光源としての蛍光管1aとこの蛍光管1aの光を拡散させる拡散板1bとからなる照射手段としてのバックライトユニット1と、上記バックライトユニット1の点灯を制御する光量制御手段としてのバックライト制御装置2と、上記液晶パネル11の点灯を制御する検査パターン表示手段としての液晶パネル点灯信号発生装置20と、液晶パネル11を正面から撮像する撮像装置としてのカメラ3と、上記カメラ3の走査ステージ4と、上記カメラ3にて撮像した液晶パネル11の像を画像処理する画像処理装置5と、検査制御装置30と、搬送手段としての図示しない搬送コンベアと、工場情報系との図示しない通信装置とを備えている。
上記検査制御装置30は、液晶パネル検査装置10全体を制御するものであり、搬送コンベア又は工場情報系からの検査要求に対して、検査準備を開始し、検査対象となる機種情報の取得、検査レシピの設定、カメラ撮像条件の設定、及び検査を行う検査パターンの表示を行うために、上記バックライト制御装置2、液晶パネル点灯信号発生装置20、カメラ3の撮像条件の設定、カメラ3の走査ステージ4上での駆動、及び画像処理装置5を制御する。
本実施の形態では、上記液晶パネル検査装置10は、検査対象である液晶パネル11とは独立して設けられており、製造装置の一部として固定されている。そして、液晶パネル11は、例えば搬送コンベアによる搬送ライン上を移動して順次液晶パネル検査装置10におけるカメラ3の対向位置及びバックライトユニット1の前面位置に設置されるようになっている。
上記液晶パネル11は、画面としての表示画面11a、額縁11b、図示しない配線接続部及び各ドライバ基板等からなっている。
本実施の形態では、高速駆動を行うために、ソースドライバを分割構造として分割駆動するようになっている。
したがって、本実施の形態では、液晶パネル11の表示画面11aは上下に複数分割としての例えば2分割されていると共に、液晶パネル11の額縁11bには、図1に示すように、階調を制御する2つのソースドライバ12a・12bが設けられている。ソースドライバ12aは、例えば、液晶パネル11の上側(図2において紙面上側)の額縁11bに設けられていると共に、ソースドライバ12bは液晶パネル11の下側(図2において紙面下側)の額縁11bに設けられている。なお、本実施の形態では、説明を簡単にするために液晶パネル11は上下方向において2分割されているが、必ずしもこれに限らず、3分割、4分割…等のより多くの分割数に分割されていてもよい。また、本実施の形態では、上下方向に分割されているが、必ずしもこれに限らず、左右方向に分割されていてもよい。さらに、上下分割と左右分割とが組み合わされていてもよい。
また、液晶パネル11の例えば左側(図2において紙面左側)の額縁11bには、走査線を制御するゲートドライバ13が設けられている。本発明では、上記ソースドライバ12a・12b及びゲートドライバ13は、画面分割駆動手段としての機能を有している。
なお、本実施の形態では、後述するように、ソースドライバ12a・12b及びゲートドライバ13を制御するコントロール回路である制御回路26を上記液晶パネル点灯信号発生装置20に設けている。ただし、必ずしもこれに限らず、ソースドライバ12a・12b及びゲートドライバ13を制御するコントロール回路を液晶パネル11に含んでいてもよい。
また、液晶パネル11には、製品となるときに必要となるバックライトは含まれていない。
上記の液晶パネル検査装置10に設置された液晶パネル11に対しては、背面からバックライトユニット1における独立に輝度を制御可能な5本の蛍光管1aにて光を照射させ、この光を拡散板1bにて拡散させて液晶パネル11に入光させる。次いで、液晶パネル11の透過光を、この液晶パネル11の正面に設置したカメラ3によって観測する。
上記カメラ3は、検査制御装置30により制御されており、カメラ3によって液晶パネル11の正面から撮像した検査用画像は、画像処理装置5によって画像処理され、濃淡比較を行うことによって、欠陥の判別が行われる。
本実施の形態では、上記のカメラ3は、TDI(Time Drey Integrated)機能を有する走査型のTDIセンサ型カメラにてなっており、図3に示すように、1×m個(mは自然数)のフォトダイオードからなる受光素子である撮像素子3aで構成されたラインセンサを備えていると共に、撮像素子3aの電荷を、n個(nは、n≦mを満たす自然数)の撮像素子3a毎に増幅する感度調整手段としてのアンプ部3bを備えている。上記TDI機能を有するラインセンサは、数10ラインのラインセンサからなっており、走査速度を露光周期に合わせることによって1露光周期当たり液晶パネル11の縦1列〜縦複数列のピクセル(pixel)を撮像することができる。
そして、各アンプ部3bを制御することにより、上記表示画面11aの階調の段階的変化パターンの変化方向と垂直な方向に複数の撮像素子3aの領域毎に感度調整であるゲイン調整が可能となる。したがって、このアンプ部3bのアンプ1〜アンプnにおけるnが例えば16の場合には、後述する図12(b)に示すように、走査方向に互いに平行な撮像領域TAP1〜TAP16毎にゲイン調整が可能となる。
なお、各撮像領域TAP1〜TAP16は、階調の段階的変化パターンにおける各段階と対応している必要はない。例えば、後述する図11に示すように、撮像領域TAP1〜TAP16(アンプ1〜アンプ16)は16個であるが、段階的変化パターン数の方が多い状態となっている(例えば8bit、256階調)。また、隣り合う段階的変化の差が1つのアンプnで調整できる範囲であれば、段階的変化の境界部分に1つのアンプnが跨っていても構わない。
この走査型のTDIセンサ型カメラは、一般に、検査対象物に光量の濃淡が存在すると高光量領域でハレーション(飽和)或いは低光量領域で感度不足が発生する可能性がある。この場合にも、本実施の形態では、検査パターンの表示方法の変更することによって、及び独立に輝度を制御可能な5本の蛍光管1aを備えたバックライトユニット1にてハレーション及び感度不足領域の光量を制御することによって、検査対象物全域で高感度の検査を行うことができる。
上記のバックライト制御装置2、液晶パネル点灯信号発生装置20及びカメラ3は、いずれも検査制御装置30によって同期を取りながら制御される。
このような構成をとることにより、最終製品のバックライト仕様に関わりなく液晶パネル11の欠陥検査を提供できるようになる。
ここで、検査に際して、欠陥原因を求めるためには、一般的に、液晶パネル11の表示画面11aに種々の表示パターンである検査パターンを表示させて行う。
本実施の形態では、液晶パネル11の表示画面11aの表示は、液晶パネル点灯信号発生装置20によって制御することができるようになっている。
ところで、液晶パネル11の欠陥として、例えば、黒点、輝点等のドット画素欠陥、黒線、輝線等の線欠陥、又はシミ・ムラとしての現象が現れるが、これらの現象に対する欠陥原因は、一律ではなく種々のものがある。
例えば、微小な点欠陥は、例えば、液晶パネル11の表示素子を構成するTFT(Thin Film Transistor)の異常により、表示信号を与えて駆動した際に所望の輝度レベルよりも輝度の高い点が表示されたり、又は所望の輝度レベルよりも輝度の低い点が表示されたりして生じる。また、液晶層内、偏光板群とTFT基板との間、又は偏光板群とCF(Color Filter)基板との間の微小異物の存在により偏光状態が乱れて、同様に所望の輝度レベルよりも輝度の高い点又は輝度の低い点が表示されることがある。なお、カラーの液晶パネル11における1つの絵素は一般的に3つのドットから構成され、これらのドットは1つの絵素内に赤(R)ドット、緑(G)ドット及び青(B)ドットの3色を持つ。また、本実施の形態の説明に関しては、赤(R)ドット、緑(G)ドット及び青(B)ドットの図示は省略するが、本発明の適用対象パネルを制限するものではない。
次に、線欠陥は、前記TFTを駆動するドライバの異常や信号線の断線・ショート等により、同様に所望の輝度レベルよりも輝度の高い線、又は輝度の低い線が表示されるものである。
シミ・ムラ等は、TFT基板及びCF基板の製造工程での薄膜の膜厚異常や、TFT基板とCF基板との間における液晶層のセルギャップの異常等により発生する。
上記液晶パネル11の検査を行うために液晶パネル11に表示される表示パターンである検査パターンについて、図4〜図8に基づいて詳述する。
例えば、図4(a)に示すように、全面白表示D1の検査パターンを表示させる。この全面白表示D1の検査パターンでは、例えばノーマリブラックモードにおいて、液晶パネル11の画素を例えば階調255の状態、つまり光透過量100%の透過状態となっており、そのときに、黒点が出現する場合には、そのドットが常時消灯状態であり、そのドットに欠陥が存在していることが把握できる。また、図4(a)において、黒線が出現する場合には、そのドット列が常時消灯状態であり、そのドット列にデータを供給するソースバスラインに欠陥が存在していることが把握できる。
同様に、図4(b)に示すように、全面黒表示D2の検査パターンにおいては、例えばノーマリブラックモードにおいて、液晶パネル11の全ドットを例えば階調0の状態、つまり光透過量0%の透過状態となっており、このときに、輝点が出現する場合には、そのドットが常時点灯状態であり、そのドットに欠陥が存在していることが把握できる。また、図4(b)において、輝線が出現する場合には、そのドット列が常時点灯状態であり、そのドット列にデータを供給するソースバスラインに欠陥が存在していることが把握できる。
また、欠陥の原因として、例えば、液晶パネル11における縦方向の該当ドット以外のドットに電荷がかかっている場合に、配線のリークによって電荷が該ドットに流れ込むリーク欠陥がある。
このようなリーク欠陥を発見するために、図5(a)(b)に示すように、液晶パネル11の半面を白表示し、液晶パネル11の残り半面を黒表示した白黒表示D3又は黒白表示D4にて検査を行う。
例えば、ソース(S)方向の電荷がドレイン(D)に漏出して発生するいわゆるSDリークの欠陥を発見するためには、図5(a)(b)に示すように、液晶パネル11の全ドットのソース(S)に例えば階調255の電圧を印加すると共に、液晶パネル11の表示を上下2分割し、ゲート(G)を半面毎にオフして検査を行う。
この検査パターンにおいて、ドットのソース(S)とドレイン(D)とが短絡している場合には、図5(a)(b)に示すように、黒表示の部分に輝点欠陥(当該255階調を示す明るさの輝点)が発生する。
すなわち、ゲート(G)がオフとなっている半面黒表示において、ドットにSDリークが存在すると、ソース(S)電圧の電圧変化がドレイン(D)を介してそのままドットの電圧変化となる。したがって、ゲート(G)オフ期間における黒表示領域中に輝点欠陥が存在すれば、その欠陥は、SDリークの欠陥であることが把握できる。
なお、図5(a)(b)に示す白黒表示D3又は黒白表示D4にて検査を行う場合において、白黒表示D3における白表示部分の隅部は、液晶パネル11の位置合わせを行うときに、液晶パネル11の隅角が、所定位置と一致しているかの確認を行う必要がある。その場合に、白黒表示D3における白表示部分の隅部が明る過ぎると、該位置の確認が困難となる。したがって、白表示部分においては、液晶パネル11の隅角の位置合わせを行う場合においても、蛍光管1aの光量調整することによって、位置合わせを容易に行うことができるものとなる。
次に、ソースドライバの不具合により特定の階調表示が異常となる欠陥がある。このようなドライバ欠陥を発見するためには、例えば、図6に示すように、画面上辺から下辺にかけて階調の段階的変化パターン(グラデーション)をつけた全階調表示D5の検査パターンを表示させる。その結果、特定の階調でコントラストが目立つ線欠陥である特定階調線欠陥F1、又はドライバにおける特定のビットの動作不良によって生じる特定階調不良F2の線欠陥を発見することができる。例えば、最小階調0〜最大階調255の場合、8ビットで表される。このため、この8ビットのうちの1つのビットに欠陥があると、その欠陥ビットを用いる階調範囲で輝線欠陥が出現する。
簡単のため、階調表示数が3bit、かつソースバスラインと平行な方向の絵素数が8個の状態であり、液晶パネル11の上縁側から順に階調の段階的表示(昇順)を行う場合を例にとって、図7(a)〜(d)に基づいて説明する。
ソースドライバが正常な場合、図7(a)に示すように、液晶パネル11の上縁側の絵素から順に階調0、1、2、3、・・・6、7と表示される。しかし、ソースドライバ内の不具合により、1bit目に異常があると、図7(b)のように表示される。同様に、2bit目、3bit目に異常がある場合を、図7(c)(d)に示す。したがって、このようなソースドライバの不具合により特定の階調表示が異常となる特定階調不良の検査を行うには、ソースバスラインと平行方向に階調分布として階調の段階的表示を行う。例えば、ソースバスラインと平行方向に1080ピクセル(pixel)の絵素に256階調の階調分布を表示させる場合、図8(a)(b)に示すように、1階調当たり例えば4絵素使用して階調の段階的変化パターンの表示を行う。
本実施の形態では、上述したように、液晶パネル11の表示パターンである検査パターンは簡易のために、全面白表示D1、全面黒表示D2、白黒表示D3、黒白表示D4、全階調表示D5の5パターンとしている。しかし、必ずしもこれに限らず、より多くの検査パターンを用いることができる。
ところで、このような液晶パネル11の欠陥の発生により、人間の目視検査により、当該点欠陥及び線欠陥を認識することができるが、例えば全面白表示D1における黒点欠陥検査時において、バックライトユニット1における蛍光管1aの光量が一定である場合には、ドットは液晶パネル11に比べて微細であるので、見落とす可能性がある。また、逆に、全面黒表示D2における輝点欠陥検査時において、バックライトユニット1における蛍光管1aの光量が一定である場合にも、ドットは液晶パネル11に比べて微細であるので、見落とす可能性がある。
また、目視検査に限らず、カメラ3にて液晶パネル11の像を撮像するときにも、カメラ3には、明るさに対する感度に一定の範囲が存在するので、全面白表示D1における黒点等が写らない可能性がある。すなわち、検査員が目視で検査を行う場合は、人の目の光量調整機能により上記のようなパネル輝度の差があっても対応可能であるが、カメラ等の機械的手段を用いて検査を行う場合はダイナミックレンジの制限により、検査精度が向上する領域と検査精度が低下する領域とが混在することになる。
そこで、例えば、前記特許文献1では、全面黒表示D2においてはバックライトの強度を上げることによって輝点の背景に対する相対強度を上げ、全面白表示D1においてはバックライトの強度を下げることにより黒点の背景に対する相対強度を下げている。これにより、検査員が欠陥を発見するのを容易にしている。
しかしながら、本実施の形態のように、白黒表示D3、黒白表示D4及び全階調表示D5を行う場合には、バックライトユニット1の強度を上下しても全表示画面11aにおいては輝点又は黒点の背景に対する適切な相対強度を得ることができない。例えば、暗い領域を強調するために明るい領域がハレーションを起こす一方、その逆に、明るい領域を抑制するために暗い領域の輝度が低下するという問題点を有している。
そこで、本実施の形態では、液晶パネル11の検査を行うときに、欠陥を出現させる検査パターンの濃淡を緩和するように検査パターンに対応した領域別に、バックライト制御装置2にて、バックライトユニット1における蛍光管1aの光量出力を制御するようになっている。すなわち、バックライトユニット1における複数としての例えば5本の蛍光管1aは、それぞれが出射光量を大きくしたり又は小さくしたりの個別制御ができるようになっている。なお、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、液晶パネル11の縦方向に5個の領域で個別に、蛍光管1aの制御が可能となっているが、これは検査対象である液晶パネル11のドライバが液晶パネル11の縦方向に共通であるためである。
ここで、バックライト制御装置2は、液晶パネル11の光透過量が多い表示領域ほど蛍光管1aの出射光量を小さくすると共に、液晶パネル11の光透過量が少ない表示領域ほど蛍光管1aの出射光量を大きくするように、バックライトユニット1を制御するようになっている。
具体的には、図4(a)に示す全面白表示D1の場合には、図9(a)に示すように、全ての蛍光管1aの光量を例えば輝度50%にした点灯パターンLP1とする。すなわち、図4(a)に示す全面白表示D1では、蛍光管1aの光量は多くなくても、液晶パネル11の欠陥を認識できるので、図9(a)に示すように、蛍光管1aの輝度を小さく抑えることができる。
また、図4(b)に示す全面黒表示D2の場合には、図9(b)に示すように、全ての蛍光管1aの光量を例えば輝度100%にした点灯パターンLP2とする。すなわち、図4(b)に示す全面黒表示D2では、蛍光管1aの光量が多くなければ、液晶パネル11の欠陥の認識が困難となるので、図9(b)に示すように、蛍光管1aの輝度を例えば、最大限の100%にする。
同様の考え方にて、図5(a)に示す白黒表示D3の場合には、図9(c)に示すように、白表示部位に近い領域1及び領域2の蛍光管1aの光量を例えば輝度50%とし、黒表示部位に近い領域3〜領域5の蛍光管1aの光量を例えば輝度100%とした点灯パターンLP3とする。図5(b)に示す黒白表示D4の場合には、図9(d)に示すように、黒表示部位に近い領域1〜領域3の蛍光管1aの光量を例えば輝度100%とし、白表示部位に近い領域4及び領域5の蛍光管1aの光量を例えば輝度50%とした点灯パターンLP4とする。最後に、図6に示す全階調表示D5の場合には、図9(e)に示すように、白表示から黒表示の順に、領域1の蛍光管1aの光量を例えば輝度50%とし、領域2の蛍光管1aの光量を例えば輝度62.5%とし、領域3の蛍光管1aの光量を例えば輝度75%とし、領域4の蛍光管1aの光量を例えば輝度87.5%とし、領域5の蛍光管1aの光量を例えば輝度100%とした点灯パターンLP5とする。このように、階調の大きさとは逆になるようにバックライトユニット1の蛍光管1aの出力値を制御する。
これらにより、液晶パネル11の白表示部分においては黒点の背景の光量が低減され、液晶パネル11の黒表示部分においては輝点の光量が増加される。したがって、人間の目視検査において、検査員が欠陥を発見するのが容易となる。また、カメラ3による液晶パネル11の像の撮像においても、カメラ3の感度範囲となり、カメラ3による機械的な自動検出を可能とすることができる。
ところで、前述したように、本実施の形態では、ソースドライバ12a・12bを分割構造として液晶パネル11の表示画面11aを分割駆動するようになっている。このソースドライバ12a・12bによる分割駆動において上記全階調表示D5を2つに分割された画面に表示させると、従来の説明図である図19(a)(b)に示すように、階調の段階的階調パターンが繰り返されて表示されることになる。なお、階調の段階的変化パターンは、昇順又は降順のいずれであっても良い。
この場合、目視検査にて特定階調不良を検査する場合、人間の目のダイナミックレンジは優れており、明るい階調から暗い階調まで一度に検査を行うことが可能である。しかしながら、カメラ3を用いて検査を行う場合、明るい階調に感度を合わせると暗い階調での感度が不足し、暗い階調に感度を合わせると明るい階調でハレーションを起こしてしまう。したがって、一旦、明るい階調に感度を合わせた画像を撮像し、再度暗い階調に感度を合わせて撮像して検査を行う必要があった。
ここで、TDIセンサ型カメラにてこの表示画面を撮像するために、図20に示すように、例えば、液晶パネル211よりも少し広い範囲が撮像される。そして、この液晶パネル211よりも少し広い範囲は、TDIセンサ型カメラの撮像可能領域に対応して、例えば、該範囲の上側から下側まで例えば16分割した撮像領域TAP1〜TAP16に分けられる。
そして、バックライトユニットにおける5本の蛍光管の照射光量が一定である場合、カメラの感度であるゲインは、階調の大きさに合わせて調整される。具体的には、図21(a)に示すように、階調が高い(白側)程ゲインを低く設定し、階調が低い(黒側)程ゲインを高く設定する。
この結果、階調とゲインとの関係は、図21(b)に示すものとなる。このとき、カメラの撮像領域TAP9においては、図20に示すように、階調が最大の場合と最小の場合との両方に跨っている。この結果、前述したバックライトユニットの蛍光管の照射光量を領域毎に制御する方法を用いて、液晶パネル211の中央部の照射光量を調整したとしても、一度に撮像することは不可能である。この理由は、明るい階調部分と暗い階調部分とを一度に適切に感度調整できないためである。
この問題を解決するために、本実施の形態では、液晶パネル11の各分割画面に表示される階調の段階的変化パターンを、分割画面毎に交互に昇順及び降順、又は降順及び昇順となるように配設するようにしている。
これにより、図19(a)に示すように、階調の段階的変化パターンが分割画面毎に液晶パネル211の上側から降順→降順となっているのを、図10(a)に示すように、降順→昇順とする。また、図19(b)に示すように、階調の段階的変化パターンが分割画面毎に液晶パネル211の上側から昇順→昇順となっているのを、図10(b)に示すように、昇順→降順とする。この結果、図10(a)に示すように、降順→昇順とした場合には液晶パネル11の中央部が黒表示となる一方、図10(b)に示すように、昇順→降順とした場合には液晶パネル11の中央部が白表示となる。
したがって、例えば、図10(a)に示すように、降順→昇順とした場合に、この液晶パネル11の表示画面11aにおいては、図11に示すように、撮像領域TAP9の全領域において、黒表示となっている。すなわち、上側、又は下側の領域の検査パターンを反転させて表示させることにより、表示画面11aの中央部においては急激な階調変化がない検査パターンとなる。この結果、表示画面11aの中央部において黒表示の感度であるゲインを設定することができる。
また、例えば、図10(b)に示すように、昇順→降順とした場合に、この液晶パネル11の表示画面11aにおいては、図12(a)に示すように、中央部が白表示となっている。したがって、図12(b)に示すように、撮像領域TAP9の全領域において白表示となっている。
このように、液晶パネル11の上側の領域の検査パターン又は下側の領域の検査パターンを反転させて表示させることにより、表示画面11aの中央部においては急激な階調変化がない検査パターンとなる。この結果、表示画面11aの中央部において白表示の感度であるゲインにて適切に撮像することができる。
上記液晶パネル11の分割画面における階調の段階的変化パターンを、分割画面毎に交互に昇順及び降順、又は降順及び昇順となるように配設するのは、本実施の形態では検査パターン表示手段としての液晶パネル点灯信号発生装置20の昇降順序配設手段が行う。
上記液晶パネル点灯信号発生装置20の構成について、図1に基づいて説明する。図1は、液晶パネル点灯信号発生装置20の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、液晶パネル点灯信号発生装置20は、機種情報手段としての機種情報入力部21と、信号データ記憶部22と、正信号データ取得手段としての信号データロード部23と、昇降順序配設手段及び反転データ作成手段としての反転データ作成回路24と、昇降順序配設手段及び正・反転信号データ切替手段としての入力選択回路25と、制御信号出力手段としての制御回路26とを有している。
上記機種情報入力部21は、検査対象の液晶パネル11の機種情報を入力操作できるようになっており、この機種情報入力部21から、検査対象の液晶パネル11の機種情報を入力することにより、ソースドライバ数が入力選択回路25に入力されると共に、表示させる検査パターンに対応する信号IDが信号データロード部23に入力される。
本実施の形態では、表示させる検査パターンのデータを予め液晶パネル点灯信号発生装置20内の信号データ記憶部22に登録しておき、検査の度にそれをロードする。ただし、必ずしもこれに限らず、表示させる検査パターンのデータを外部から入力するようにしてもよい。また、ソースドライバ12a・12bの分割数は、例えば上下2分割のように機種が固定されているならば、入力しないようにしてもよい。
上記信号データロード部23では、例えば、階調の段階的変化パターンとして降順のグラデーションの検査パターンを信号データ記憶部22から読み出す。そして、読み出された階調の段階的変化パターンとして降順のグラデーションの検査パターンは、通常信号として入力選択回路25に入力されると共に、反転データ作成回路24にも入力される。
反転データ作成回路24では、上記の階調の段階的変化パターンとして降順のグラデーションの検査パターンに対して反転した検査パターンである階調の段階的変化パターンとして昇順のグラデーションの検査パターンを作成して、入力選択回路25に入力する。例えば3bitの場合、通常信号は、(0、1、2、3、4、5、6、7)であり、反転信号は、(7、6、5、4、3、2、1、0)となる。
入力選択回路25では、通常信号と反転信号とを上側ソースドライバであるソースドライバ12a、及び下側ソースドライバであるソースドライバ12bへと振り分ける。ここで、ソースドライバが3個以上ある場合、例えば、偶数番目のソースドライバに通常信号を振り分け、奇数番目のソースドライバに反転信号を振り分ける。これにより、例えば、3分割等の奇数分割の場合には、分割画面毎に交互に昇順→降順→昇順となるか、又は降順→昇順→降順となるように、昇順と降順とが交互に配設される。したがって、各分割画面の境界は、白→白、又は黒→黒となり、白→黒、又は黒→白となることはない。
上記入力選択回路25では、機種情報入力部21から入力されたソースドライバ数に基づいて、分割画面毎に交互に昇順及び降順、又は降順及び昇順となるように選択して、それぞれ通常信号と反転信号とをソースドライバ12a・12bに振り分けて出力する。
これによって、液晶パネル11では、図10(a)(b)に示すように、中央部が黒表示となるように、階調の段階的変化パターンが分割画面毎に交互に昇順及び降順、又は降順及び昇順となるように表示される。
最後に、制御回路26にて映像信号、クロック信号、及びタイミング信号等の各種制御信号、基準電圧等を出力する。
ところで、本実施の形態では、前述したように、バックライトユニット1の各蛍光管1aは個別に照射光量の設定が可能となっている。そこで、このバックライトユニット1における各蛍光管1aの個別の照射光量設定と、液晶パネル11の分割画面における階調の段階的変化パターンを分割画面毎に交互に昇順及び降順、又は降順及び昇順となるように配設することとを組み合わせた場合の動作について、以下に説明する。
すなわち、図13(a)に示すように、階調が高い(白側)程、バックライトユニット1の蛍光管1aの輝度を低く設定し、階調が低い(黒側)程、バックライトユニット1の蛍光管1aの輝度を高く設定する必要がある。
しかし、階調の段階的変化パターンが分割画面毎に昇順及び昇順、又は降順及び降順となっていた場合には、図13(b)に示すように、2分割の場合には、中央の領域3の蛍光管1aの照明光量の制御が困難である。
これに対して、本実施の形態では、図14(a)に示すように、例えば、階調の段階的変化パターンを分割画面毎に昇順及び降順となっていた場合には中央の領域3が白表示となるので、図14(b)に示すように、中央の領域3の蛍光管1aの照明光量の制御も容易となる。
また、ゲインを設定した後、上記蛍光管1aの照明光量の設定することにより、さらに適切な撮像条件を得ることができる。
このような一連の処理の制御は、検査制御装置30が行う。この処理の制御の流れについて、図15に基づいて説明する。
図15に示すように、検査制御装置30は、工場情報系から検査処理要求があると、例えば信号データ記憶部22から検査情報を取得する(S1)。
次いで、撮像の準備として、カメラ3のゲイン設定等を行う(S2)。また、このとき、バックライト制御装置2を制御して(S3)、蛍光管1aの点灯切り替えを行う(S4)と共に、液晶パネル点灯信号発生装置20を制御して(S5)、液晶パネル11に検査パターンを表示させる(S6)。
次いで、走査ステージ4を制御しながら(S7)、カメラ3にて撮像を行う(S8)。そして、カメラ3の撮像データを画像処理して、検査処理を行い(S9)、例えば信号データ記憶部22に検査結果を出力する(S10)。
その後、他の検査パターンによる検査を行うために、再度、S2及びS3に戻って、S2〜S10の処理を繰り返す。そして、全ての対象領域の検査処理が終わると、当該液晶パネル11の検査が終了し、次の液晶パネル11の検査に移行する。
すなわち、一般的に、点灯検査では複数の検査パターンで検査を行う必要があり、その検査パターン数に応じて、カメラ撮像条件の設定、検査を行う検査パターンの表示を予め行う。そして、全ての検査パターンの検査を完了すると、検査結果を工場情報系に送信し、液晶パネル11は搬出される。
なお、S1及びS10においては、例えば信号データ記憶部22から検査情報を取得し、例えば信号データ記憶部22に検査結果を出力するとしているが、必ずしもこれに限らず、例えば工場情報系から検査情報を取得し、例えば工場情報系に検査結果を出力するとすることも可能である。
以上のように、本実施の形態の液晶パネル検査装置10は、液晶パネル11の検査パターンを制御する液晶パネル点灯信号発生装置20と、この液晶パネル点灯信号発生装置20により制御された表示画面11aを撮像する手段であるカメラ3を備えている。そして、液晶パネル検査装置10における信号発生器である液晶パネル点灯信号発生装置20においては、ソースドライバ12a・12bを液晶パネル11の表示画面11aの少なくとも一方向に分割して同時動作させる。この液晶パネル11は、画面分割数を含む機種情報を入力する手段である機種情報入力部21と、予め設定された階調を有する検査パターンの信号データをロードする手段である信号データロード部23と、信号データを反転した反転データを作成する手段である反転データ作成回路24と、通常信号データと反転信号データとを液晶パネル11を駆動するタイミングで奇数・偶数順に各ソースドライバ12a・12b及びゲートドライバ13へと出力する手段である入力選択回路25と、各ソースドライバ12a・12b及びゲートドライバ13にタイミング信号を出力する手段である制御回路26とを備えている。
また、カメラ3は、階調の段階的変化パターンにおける階調の変化方向と垂直な方向の複数の撮像領域TAP1〜TAP16毎にゲイン調整を行う。さらに、液晶パネル点灯信号発生装置20により制御された表示画面11aにおいて、階調分布と逆になるようにバックライトユニット1の出力値を制御するバックライト制御装置2を有している。そして、液晶パネル11の表示画面11aをカメラ3で撮像し、良否判定を行う。
これにより、特に信号線の長さに起因するドットの保持電圧の低下を防ぎ、表示画面11aの輝度を均一化するために、ソースドライバを分割して、表示画面11aの上下領域を上下のソースドライバ12a・12bにて駆動させる液晶パネル11の液晶パネル検査装置10において、階調分布を持つ検査パターンを表示させた際に、ハレーションを起こすことや感度不足になることなく、一度の撮像で検査を行うことが可能となる。
なお、本実施の形態では、液晶パネル11は透過型としているが、本発明では、反射型の液晶パネル11であってもよい。また、本発明では、表示パネルは発光素子を利用する表示パネルであってもよい。これらの場合には、バックライトユニット1は不要である。
最後に、液晶パネル検査装置10の各ブロック、特に検査制御装置30、液晶パネル点灯信号発生装置20、及びバックライト制御装置2は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、液晶パネル検査装置10は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit )、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである液晶パネル検査装置10の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記液晶パネル検査装置10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、液晶パネル検査装置10を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
このように、本実施の形態の液晶パネル検査装置10は、液晶パネル11の表示画面11aをカメラ3にて撮像して液晶パネル11の欠陥検査を行う。そして、液晶パネル検査装置10には、液晶パネル11の表示画面11aを少なくとも一方向に複数に分割して互いに独立して同時駆動させるソースドライバ12a・12b及びゲートドライバ13と、液晶パネル11の各分割画面に、検査パターンとして階調の段階的変化パターンを表示させる液晶パネル点灯信号発生装置20とが設けられていると共に、液晶パネル点灯信号発生装置20は、液晶パネル11の各分割画面に表示される階調の段階的変化パターンを、分割画面毎に交互に昇順及び降順、又は降順及び昇順となるように配設する昇降順序配設手段を備えている。
また、本実施の形態の液晶パネル11の検査方法は、液晶パネル11の表示画面11aを撮像装置にて撮像して上記表示パネルの欠陥検査を行う液晶パネル11の検査方法において、液晶パネル11の表示画面11aを少なくとも一方向に複数に分割して互いに独立して同時駆動させる画面分割駆動工程と、液晶パネル11の各分割画面に、検査パターンとして階調の段階的変化パターンを表示させる検査パターン表示工程と、液晶パネル11の各分割画面に表示される階調の段階的変化パターンを、分割画面毎に交互に昇順及び降順、又は降順及び昇順となるように配設する昇降順序配設工程とを含んでいる。
また、本実施の形態の液晶パネル11の製造方法は、前記記載の液晶パネル検査装置10におけるカメラ3の対向位置に液晶パネル11を配置する工程と、液晶パネル検査装置10におけるカメラ3の対向位置に配置された液晶パネル11を、前記記載の液晶パネル11の検査方法により、欠陥検査する工程とを含んでいる。
上記の構成によれば、表示画面11aを少なくとも一方向に複数に分割して互いに独立して同時駆動させる液晶パネル11の表示画面11aをカメラ3にて撮像して液晶パネル11の欠陥検査を行う。そして、本実施の形態では、液晶パネル11の各分割画面に検査パターンとして階調の段階的変化パターンを表示させる。
この場合、従来では、液晶パネル211の各分割画面に表示される階調の段階的変化パターンは分割画面毎に同じ順序の繰り返しであった。そのため、カメラにおける分割画面の境界を含む撮像領域では、白表示部分と黒表示部分とが混在しているので、一度に両方を満たす感度調整ができず、白表示部分ではハレーションを生じ、黒表示部分では感度不足を生じることになっていた。
これに対して、本実施の形態では、液晶パネル点灯信号発生装置20は、液晶パネル11の各分割画面に表示される階調の段階的変化パターンを、分割画面毎に交互に昇順及び降順、又は降順及び昇順となるように配設する昇降順序配設手段としての反転データ作成回路24及び入力選択回路25を備えている。
この結果、カメラ3における分割画面の境界を含む撮像領域を、白表示部分又は黒表示部分とすることが可能となる。
したがって、表示画面11aを分割駆動する液晶パネル11において分割画面毎に階調が段階的変化パターンにて表示される検査パターンをカメラ3にて撮像して欠陥検査する場合に、ハレーション及び感度不足を生じることなく一度の撮像で検査を行い得る液晶パネル検査装置10、液晶パネル11の検査方法、液晶パネル11の製造方法を提供することができる。
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、液晶パネル点灯信号発生装置20は、画面分割数を含む機種情報を入力する機種情報入力部21と、予め設定された階調を表示する検査パターンの正信号データを取得する信号データロード部23と、ソースドライバ12a・12b及びゲートドライバ13に検査パターンを表示させる制御信号を出力する制御回路26とを備えていると共に、前記昇降順序配設手段は、正信号データを反転した反転データを作成する反転データ作成回路24と、制御回路26がソースドライバ12a・12b及びゲートドライバ13に上記検査パターンを表示させる制御信号を出力するときに、正信号データ及び反転信号データを、液晶パネル11の分割画面毎に交互に出力するように切り替える入力選択回路25とを備えている。
これにより、具体的に、液晶パネル11の各分割画面に表示される階調の段階的変化パターンを、分割画面毎に交互に昇順及び降順、又は降順及び昇順となるように配設することができる。
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、カメラ3は、階調の段階的変化パターンにおける階調変化方向に沿う複数の撮像素子3a毎に感度調整を行うアンプ部3bを備えている。
これにより、カメラ3のアンプ部3bは、階調の段階的変化パターンにおける階調変化方向に沿う複数の撮像素子3a毎に感度調整を行うので、階調に適した感度を得ることができる。したがって、ハレーション及び感度不足を生じることなく検査を行うことができる。
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、カメラ3は、TDIセンサ型カメラからなっている。
上記TDIセンサ型カメラは走査型のカメラであり、走査速度と露光周期とを合わせることにより、幅の長い表示パネルであっても、均一かつ精度の高い撮像画像を一度の走査で得ることができる。
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、液晶パネル11を背後から照射する複数の光源を有し、かつ各光源の液晶パネル11への照射光量を増減制御するバックライトユニット1と、階調が高い表示領域ほど光源の液晶パネル11への照射光量を小さくすると共に、階調が低い表示領域ほど光源の液晶パネル11への照射光量を大きくするようにバックライトユニット1を制御するバックライト制御装置2とを備えている。
従来、全面白表示の検査パターンによる検査において、バックライトユニット1の輝度が大きい場合には黒点が目立たなくなり、欠陥の発見が困難となると共に、全面黒表示の検査パターンによる検査において、バックライトユニット1の輝度が小さい場合には輝点が目立たなくなり、欠陥の発見が困難となっていた。
そこで、例えば特許文献1に開示する表示パネルの検査方法では、例えば、全面黒表示の検査パターンにおける輝点欠陥検査時にはバックライト全体の強度を上げることによって輝点の背景に対する相対強度を上げる等により、複数の表示モード及び検査の目的に適したバックライト強度の制御を行っていた。
しかし、検査パターンには、種々のものがあり、例えば、階調の段階的変化パターンを用いた検査パターンにおいては、上記特許文献1によるバックライト全体の強度を増減する方法では、撮像装置の適正感度に合わすことができない。
そこで、本実施の形態では、バックライトユニット1は、液晶パネル11を背後から照射する複数の例えば蛍光管1aを有し、かつ各蛍光管1aの液晶パネル11への照射光量を増減制御すると共に、バックライト制御装置2は、階調が高い表示領域ほど蛍光管1aの液晶パネル11への照射光量を小さくすると共に、階調が低い表示領域ほど蛍光管1aの液晶パネル11への照射光量を大きくするようにバックライトユニット1を制御する。
したがって、2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを有する場合において、表示領域毎の欠陥を高精度に検出することができる。
ところで、本実施の形態において、表示画面11aを少なくとも一方向に複数に分割して互いに独立して同時駆動させる液晶パネル11の表示画面11aをカメラ3にて撮像して液晶パネル11の欠陥検査を行うときに、液晶パネル11の各分割画面に検査パターンとして階調の段階的変化パターンを表示させる場合には、問題が生じる。
すなわち、従来では、液晶パネル211の各分割画面に表示される階調の段階的変化パターンは分割画面毎に同じ順序の繰り返しであった。そのため、カメラにおける分割画面の境界を含む撮像領域では、白表示部分と黒表示部分とが混在しているので、一度に両方を満たす光量調整ができなかった。
これに対して、本実施の形態では、液晶パネル点灯信号発生装置20は、表示パネルの各分割画面に表示される階調の段階的変化パターンを、分割画面毎に交互に昇順及び降順、又は降順及び昇順となるように配設する反転データ作成回路24及び入力選択回路25を備えている。
この結果、分割画面の境界を含む撮像領域を、白表示部分又は黒表示部分とすることが可能となる。
したがって、分割画面の境界を含む撮像領域における白表示部分又は黒表示部分を照射するバックライトユニット1を適切に光量調整することができる。
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、光源は、蛍光管1aからなると共に、バックライト制御装置2は、蛍光管1aの液晶パネル11への照射光量を制御する。
これにより、光源は蛍光管1aからなるので、液晶パネル11の光源として一般的な蛍光管1aを用いる場合に、液晶パネル11に、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを有する場合において、表示領域毎の欠陥を高精度に検出することが可能となる。
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、光源は、発光素子からなると共に、バックライト制御装置2は、発光素子の液晶パネル11への照射光量を制御することができる。
これにより、光源は発光素子からなるので、近年、液晶パネル11の光源として用いられるようになってきた発光素子を用いる場合に、液晶パネル11に、少なくとも2種類以上の異なる階調の表示領域を同時に有する検査パターンを有する場合において、表示領域毎の欠陥を高精度に検出することができる。
また、本実施の形態の液晶パネル検査装置10では、液晶パネル11をバックライト制御装置2の前面位置かつカメラ3の対向位置に搬送配置する搬送手段としての搬送コンベアを備えている。
これにより、液晶パネル11とカメラ3及びその他の構成要素とを分離することが可能である。したがって、液晶パネル11以外の構成要素を固定し、液晶パネル11を順次交換しながら検査を行うことができる。
なお、本実施の形態の液晶パネル検査装置10は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより液晶パネル検査装置10をコンピュータにて実現させる液晶パネル検査装置10の検査プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本実施の形態の範疇に入る。
また、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。