JP2009251059A - 検査装置、検査システム、検査装置の制御方法、検査装置制御プログラム、及び該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示装置の表示画素の中から動的な表示欠陥を有する表示画素を短時間で効率よく検出する。
【解決手段】検査制御装置7は、撮像装置2の撮像領域に含まれる各表示画素を黒色表示状態に設定し、1フレーム期間の経過後に各表示画素を白色表示状態に設定し、さらに1フレーム期間の経過後に各表示画素を黒色表示状態に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行う表示制御部11と、上記1周期の時間に、上記撮像領域の移動方向の幅に等しい距離だけ、上記撮像領域が上記画像表示面上を移動するようにパネル走査装置3を制御するパネル走査制御部13とを備えているので、表示パネルの表示画素の中から動的な表示欠陥を有する表示画素を短時間で効率よく検出することができる。
【選択図】図1
【解決手段】検査制御装置7は、撮像装置2の撮像領域に含まれる各表示画素を黒色表示状態に設定し、1フレーム期間の経過後に各表示画素を白色表示状態に設定し、さらに1フレーム期間の経過後に各表示画素を黒色表示状態に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行う表示制御部11と、上記1周期の時間に、上記撮像領域の移動方向の幅に等しい距離だけ、上記撮像領域が上記画像表示面上を移動するようにパネル走査装置3を制御するパネル走査制御部13とを備えているので、表示パネルの表示画素の中から動的な表示欠陥を有する表示画素を短時間で効率よく検出することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、表示装置の表示欠陥を検出する検査装置等に関する。
従来から、液晶表示パネル等のフラットパネルディスプレイ(FPD)が広く用いられている。FPDは、その品質を確保するために、その製造工程において、表示面内の微小な点欠陥、異物欠陥、シミ・ムラなどの欠陥の有無が検査されている。
具体的には、上記のような欠陥を検出するために、検査対象のFPDに、駆動信号を与えて、予め定めた検査用点灯パターンを順次表示させている。そして、表示させた検査用点灯パターンが正常に点灯されるか否かを確認することで、上記のような欠陥の有無を確認している。
ところで、上記のような、予め定めた点灯パターンを順次表示させることで行われる欠陥検査では、表示された静止画像を目視、または表示された静止画像を撮像した画像データを画像処理装置にて解析することによって欠陥の有無が検査される。すなわち、上記従来の欠陥検査では、静止画像に現れる静的な欠陥のみが検出される。このような静的な欠陥は、FPD上の電気回路の断線、短絡、異物の混入などが原因で発生することが知られている。
例えば、下記の特許文献1では、検査対象の液晶表示パネルに駆動信号を与えて所定の画像を表示させた状態にて、上記液晶表示パネルを撮像している。そして、撮像にて得られた画像を解析することによって、上記液晶表示パネルの表示欠陥を検出している。
ここで、FPDには、静的な欠陥以外にも欠陥が生じる。すなわち、FPDには、点灯パターンを点灯、または消灯するときの数十ミリ秒〜数秒の間だけ現れる動的な欠陥が存在する。動的な欠陥は、FPD上の電気回路の不良、及びFPD駆動用ICの不良等によって発生することが知られている。従来、FPDは、コンピュータの画面など動きの少ない映像の表示を主に使用されていたので、動的な欠陥の検出はさほど重要視されていなかった。
しかしながら、近年では、FPDは、TV放送や映画のような、動きの多い映像の表示に使用されることが多くなってきている。そのため、FPDの動的な欠陥を検出することの必要性が増している。
動的な欠陥を検出する技術としては、例えば下記の特許文献2が挙げられる。特許文献2では、表示装置に、所定の表示パターンが画面上を一定速度で移動する動画を表示させている。そして、表示装置に表示されている動画の全面を連続して複数回撮像し、撮像された画像を上記所定の表示パターンの移動方向にずらしながら合成(積分)することによって、人間の目に知覚される画像を再現している。
また、下記の特許文献3にも、動的な欠陥を検出する技術が開示されている。具体的には、特許文献3では、評価対象のディスプレイに標識画像が移動する動画を表示させ、移動する標識画像を撮像装置にて追従撮像している。そして、上記標識画像の撮像時間(シャッタースピード)を人間の目の積分時間より長い時間に設定している。これにより、人間の肉眼による動画の視認像を再現し、撮像された画像の像ボケや色割れの程度から、動画性能の評価を行っている。
すなわち、上記特許文献2及び3では、FPD等の表示装置に動画を表示させたときに、当該動画が人間の目に知覚される画像を再現することにより、表示装置の動画性能を評価している。これにより、表示装置に動画を表示したときの像ボケや色割れの程度を検査することができる。
特開2002−98651(2002年4月5日公開)
特開2001−204049(2001年7月27日公開)
特開2006−42376(2006年2月9日公開)
しかしながら、上記特許文献2及び3は、表示装置に動画を表示したときの像ボケや色割れの程度を検査するものであり、点灯パターンを点灯、または消灯するときの数十ミリ秒〜数秒の間だけ現れる動的な欠陥を検出することはできない。より詳細には、上記特許文献2及び3の技術では、FPD全体としての動画表示性能を評価することはできるが、FPDの表示画素の中から動的な欠陥を有する表示画素を特定することができない。
これについて、図8に基づいて説明する。図8は、上記特許文献2及び3に記載の技術を説明する図である。具体的には、同図(a)は、表示装置に動画を表示させた場合に、特許文献2の技術にて撮像される画像を示す図であり、同図(b)は、表示装置に動画を表示させた場合に、特許文献3の技術にて撮像される画像を示す図である。
なお、図8では、全面黒色表示状態から、白色表示領域が同図の左向きに一定の速度で拡張し、最終的には全面白色表示状態となる動画を表示装置に表示させる例について説明する。すなわち、同図は、表示装置に表示される画像の経時変化を示すものであり、同図の下方に位置する画像ほど後に表示される画像ということになる。また、同図では、撮像装置にて撮像される画像の領域(以下、撮像領域と呼ぶ)を破線で示している。
同図(a)に示す特許文献2の技術では、表示装置に表示された画像の全面が撮像領域に設定されている。そして、図示のように、動画が表示されている期間に、一定時間おきに表示装置に表示された画像の撮像を行う。ここで、特許文献2の技術では、撮像された画像を移動方向にずらしながら合成(積分)する。したがって、図示のような、白色表示領域と黒色表示領域との境界領域を示す合成画像が生成される。
一方、同図(b)に示す特許文献3の技術では、表示装置に表示された画像における、白色表示領域と黒色表示領域との境界領域が撮像領域に設定されている。そして、動画が表示されている期間に、人間の目の積分時間より長い時間だけ露光して表示装置に表示された画像の撮像を行う。なお、図示の例では、1番上の図から4番目の図までの画像を連続して露光することを想定している。これにより、図示のような、白色表示領域と黒色表示領域との境界領域を示す合成画像が生成される。
このように、上記特許文献2及び3に記載の技術では、白色表示領域と黒色表示領域との境界領域を示す合成画像が生成されるので、この合成画像に基づいて、動画の像ボケや色割れを判定することができる。しかしながら、上記特許文献2の技術では、各撮像タイミングにおける画像を積分し、上記特許文献3の技術では動画の撮像期間中、連続して露光を行う。
したがって、上記特許文献2及び3の技術にて生成された画像では、動画像を表示する各表示画素における表示状態の変化が平均化されていることになり、それゆえ表示画素の中から動的な欠陥を有する表示画素を特定することができない。
また、特許文献2の技術では、表示装置の大型化への対応が難しいという問題がある。すなわち、特許文献2の技術では、表示装置の表示領域全体を撮像しているので、一定の検査精度を保つためには、表示領域の大きさに合わせて撮像装置の解像度を向上させる必要がある。
例えば、検査対象の液晶表示パネルが、横1920×縦1080の表示画素を備えている場合には、各表示画素にR,G,Bの三色の副画素が含まれているので、1920×縦1080×3個の副画素がそれぞれ判別できる解像度で撮像を行う必要がある。したがって、この液晶表示パネルの検査に用いる画像は、最低でも5760×3240画素の撮像装置で撮像される必要がある。
また、撮像画素数が増加することにより、撮像時間も長くなってしまう。例えば、4000×2600画素の画像を撮像可能な撮像装置では、1秒間に5枚程度しか撮像することができない。
さらに、撮像画素数が増加することにより、画像処理に要する時間も長くなってしまう。例えば、5760×3240画素の撮像装置を用いて、モノクロ256階調で撮像した場合には、1枚の画像のデータ容量は、19MByteにも及ぶ。そして、このような画像を例えば32枚用いた場合には、595Mbyteもの大容量になるため、高速に画像処理することは難しくなる。
また、上記特許文献1の技術では、表示画素の中から欠陥を有する表示画素を特定することはできるが、特許文献1では静止画を表示させることで検出される静的な欠陥を検出することを想定しているので、表示装置に動画を表示させることは記載されていない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示装置の表示画素の中から動的な表示欠陥を有する表示画素を短時間で効率よく検出することができる検査装置等実現することにある。
本発明の検査装置は、上記課題を解決するために、走査装置を制御して、直線状に配列した撮像素子を有する撮像装置と表示装置とを、上記直線状に配列した撮像素子の列と、上記表示装置の画像表示面にマトリクス状に配列した各列の表示画素とが平行となる状態で相対的に移動させて上記各表示画素を撮像して得た画像に基づいて、表示欠陥を有する表示画素を検出する検査装置であって、上記撮像装置の撮像領域に含まれる各表示画素の輝度を第1輝度値に設定し、一定時間の経過後に各表示画素の輝度を上記第1輝度値とは異なる第2輝度値に設定し、さらに上記一定時間の経過後に各表示画素の輝度値を第1輝度値に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行う表示制御手段と、上記1周期の整数倍の時間に、上記撮像領域の移動方向の幅に等しい距離だけ、上記撮像領域が上記画像表示面上を移動するように上記走査装置を制御する走査制御手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の検査装置の制御方法は、上記課題を解決するために、走査装置を制御して、直線状に配列した撮像素子を有する撮像装置と表示装置とを、上記直線状に配列した撮像素子の列と、上記表示装置の画像表示面にマトリクス状に配列した各列の表示画素とが平行となる状態で相対的に移動させて上記各表示画素を撮像して得た画像に基づいて、表示欠陥を有する表示画素を検出する検査装置の制御方法であって、上記撮像装置の撮像領域に含まれる各表示画素の輝度を第1輝度値に設定し、一定時間の経過後に各表示画素の輝度を上記第1輝度値とは異なる第2輝度値に設定し、さらに上記一定時間の経過後に各表示画素の輝度値を第1輝度値に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行う表示制御ステップと、上記1周期の整数倍の時間に、上記撮像領域の移動方向の幅に等しい距離だけ、上記撮像領域が上記画像表示面上を移動するように上記走査装置を制御する走査制御ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、輝度の設定値が切り換わる1周期の整数倍の時間に、撮像領域の移動方向の幅に等しい距離だけ、撮像領域が画像表示面上を移動する。これにより、各撮像画素は、1周期の整数倍の時間だけ撮像される。
また、上記の構成によれば、各表示画素の輝度の設定値は、一定の周期で第1輝度値と第2輝度値とで交互に切り換わる。したがって、1周期の整数倍の時間には、各表示画素の輝度が第1輝度値に設定されている時間と第2輝度値に設定されている時間とが等しく含まれることになる。
すなわち、上記の構成によれば、各表示画素は、輝度が第1輝度値に設定されている時間と第2輝度値に設定されている時間とが等しく撮像される。したがって、全ての表示画素が動的な表示欠陥を有していない場合には、上記の構成にて撮像された画像において、全ての表示画素の輝度値は等しくなる。一方、動的な表示欠陥を有している表示画素は、動的な表示欠陥を有していない表示画素と輝度値が異なる値となる。
このように、動的な表示欠陥を有している表示画素は、輝度の設定値が切り換えられた後、切り換え後の輝度値となるまでの時間が、動的な表示欠陥を有していない表示画素とは異なっている。したがって、撮像時間中における第1輝度値に設定されている時間と第2輝度値に設定されている時間とが等しい場合には、輝度の設定値が切り換えられた後、切り換え後の輝度値となるまでの時間の差異が、撮像画像における輝度値の差異として表れる。
例えば、輝度の設定値が第1輝度値から第2輝度値へ切り換えられた場合に、第2輝度値の表示状態になるまでの時間が、正常な表示画素よりも遅い欠陥表示画素を上記検査装置及び撮像装置を用いて撮像したときを考える。この場合には、上記欠陥表示画素は、第1輝度値で表示されている時間が正常な表示画素と比べて長くなるので、撮像された画像における、上記欠陥表示画素の輝度値は、正常な表示画素の輝度値と比べて、第1輝度値寄りの値となる。
したがって、正常な表示画素とみなすことのできる輝度値の範囲を予め定めておくことにより、正常な表示画素の輝度値の下限値よりも輝度値が低い表示画素、及び正常な表示画素の輝度値の上限値よりも輝度値が高い表示画素を、動的な表示欠陥を有する表示画素として検出することができる。
以上のように、上記本発明の構成によれば、表示装置の各表示画素を撮像装置にて1回走査及び撮像するだけで、上記各表示画素が動的な表示欠陥を有するか否かを判断するための画像を取得することができる。したがって、上記の構成によれば、表示装置の表示画素の中から動的な表示欠陥を有する表示画素を短時間で効率よく検出することができる。
また、上記の構成によれば、輝度の設定値の切り換えタイミングと、走査速度とを同期させない場合であっても、各表示画素は、輝度が第1輝度値に設定されている時間と第2輝度値に設定されている時間とが等しく撮像される。したがって、上記の構成によれば、高度な同期制御を行うことなく、動的な表示欠陥を有する表示画素を容易に検出することができる。
さらに、上記の構成によれば、各表示画素が撮像されている期間において、輝度の設定値が第1輝度値から第2輝度値へと切り換えられる回数と、輝度の設定値が第2輝度値から第1輝度値へと切り換えられる回数とが等しくなる。したがって、輝度の設定値が第1輝度値から第2輝度値へと切り換えられる速度に異常がある表示画素と、輝度の設定値が第2輝度値から第1輝度値へと切り換えられる速度に異常がある表示画素とを共に検出することができる。
また、上記表示装置は、フレーム毎に極性を反転させて駆動する表示装置であり、上記一定時間は、上記表示装置の1フレームの表示時間の整数倍に等しいことが好ましい。
フレーム毎に極性を反転させて駆動する表示装置では、表示画素の輝度を同じ輝度値に設定している場合であっても、極性の反転の前後において実際に表示される輝度が異なることがある。なお、フレームとは、動画像を表示する際に最小時間に表示される静止画を指す。
ここで、上記の構成のように、1フレーム表示時間の整数倍の時間で、各表示画素の輝度の設定値を切り換えた場合には、各表示画素が撮像されている期間において、正極性で表示されている期間と、負極性で表示されている期間とが等しくなる。したがって、上記の構成によれば、フレーム毎に極性を反転させて駆動する表示装置の動的な表示欠陥を高精度に検出することができる。
また、上記検査装置は、上記撮像された画像中の各表示画素のうち、予め定めた上限値よりも輝度値が高い表示画素を検出すると共に、該検出した表示画素のうち、予め輝点欠陥を有すると特定された表示画素以外の表示画素を特定する欠陥検出手段を備えていることが好ましい。
上記〔背景技術〕で述べたように、表示装置の表示欠陥には、表示画素の表示状態を切り換えた時に現れる動的な表示欠陥と、静止画像を表示させたときに現れる静的な表示欠陥とがある。
静的な表示欠陥としては、表示画素が常に点灯状態となってしまう輝点欠陥が知られている。ここで、表示装置に輝点欠陥を有する表示画素が含まれている場合に、その表示画素の表示状態を変化させて遷移状態を撮像したときには、撮像画像において上記表示画素は正常な表示画素と比べて輝度値が高くなる。
すなわち、上記本発明の構成にて表示装置の各表示画素を撮像して得られる撮像画像から、予め定めた上限値よりも輝度値が高い表示画素を検出した場合には、検出された表示画素の中に、動的な表示欠陥の他に輝点欠陥が含まれている可能性がある。
そこで、上記の構成によれば、予め定めた上限値よりも輝度値が高い表示画素のうち、予め輝点欠陥を有すると特定された表示画素とそれ以外の表示画素とを、それぞれ特定している。すなわち、上記の構成によれば、動的な表示欠陥を有する表示画素と輝点欠陥を有する表示画素とが区別して検出される。
動的な表示欠陥と輝点欠陥とはそれぞれ発生の原因が異なっており、欠陥の補修方法も異なっているので、検査装置において動的な表示欠陥を有する表示画素と輝点欠陥を有する表示画素とが区別して検出されることによって、欠陥の種類に応じた適切な補修を行うことが可能になる。また、検出された欠陥の種類等を表示装置の製造工程にフィードバックすることにより、同じ欠陥の再発を防ぐこともできる。
なお、輝点欠陥を有する表示画素の特定には、公知の方法を適宜用いることができる。例えば、表示装置の全表示画素を全て黒色表示状態として各表示画素を撮像し、該撮像された画像から、輝度値が予め定めた上限値を超えている表示画素を検出することによって、輝点欠陥を有する表示画素を特定することができる。
そして、例えば、動的な表示欠陥を有する表示画素を検出するために撮像した画像上において、予め定めた上限値よりも輝度値が高い表示画素の座標を取得すると共に、輝点欠陥を検出するために撮像した画像上において、予め定めた上限値よりも輝度値が高い表示画素の座標を取得すればよい。
これにより、上記取得したそれぞれの座標が重なる位置の表示画素を、輝点欠陥を有する画素として特定することができ、動的な表示欠陥を有する表示画素を検出するために撮像した画像上でのみ取得された座標の表示画素を動的な表示欠陥を有する表示画素として特定することができる。
また、上記表示装置は、上記撮像された画像中の各表示画素のうち、予め定めた上限値よりも輝度値が高い表示画素を検出すると共に、該検出した表示画素のうち、予め輝点欠陥を有すると特定された表示画素以外の表示画素を特定する欠陥検出手段を備えていることが好ましい。
輝点欠陥以外の静的な表示欠陥としては、表示画素が常に黒色表示状態となる黒点欠陥が知られている。表示装置に黒点欠陥を有する表示画素が含まれている場合に、その表示画素の表示状態を変化させて遷移状態を撮像したときには、撮像画像において上記表示画素は正常な表示画素と比べて輝度値が低くなる。
すなわち、上記本発明の構成にて表示装置の各表示画素を撮像して得られる撮像画像から、予め定めた下限値よりも輝度値が低い表示画素を検出した場合には、検出された表示画素の中に、動的な表示欠陥と黒点欠陥とが含まれている可能性がある。
そこで、上記の構成によれば、予め定めた下限値よりも輝度値が低い表示画素のうち、黒点欠陥を有する表示画素と、それ以外の表示画素とを、それぞれ特定している。すなわち、上記の構成によれば、動的な表示欠陥を有する表示画素と黒点欠陥を有する表示画素とが区別して検出される。
動的な表示欠陥と黒点欠陥とはそれぞれ発生の原因が異なっており、欠陥の補修方法も異なっているので、検査装置において動的な表示欠陥を有する表示画素と黒点欠陥を有する表示画素とが区別して検出されることによって、欠陥の種類に応じた適切な補修を行うことが可能になる。また、検出された欠陥の種類等を表示装置の製造工程にフィードバックすることにより、同じ欠陥の再発を防ぐこともできる。
なお、黒点欠陥を有する表示画素の検出には、公知の方法を適宜用いることができる。例えば、表示装置の全表示画素を全て白色表示状態として各表示画素を撮像し、該撮像した画像において輝度値が予め定めた下限値を下回っている表示画素を検出することによって、黒点欠陥を有する表示画素を検出することができる。
また、上記検査装置と、上記撮像装置と、上記走査装置とを備えている検査システムであれば、上記検査装置または検査装置の制御方法と同様の効果を奏する。
また、上記撮像装置は、上記直線状に配列した撮像素子の列が、上記撮像領域の移動方向に複数列配列した時間遅延積分型のラインセンサであり、上記1周期の整数倍の時間毎に上記撮像装置に時間遅延積分を実行させる撮像制御手段を備えていることが好ましい。
時間遅延積分型のラインセンサ(TDIセンサ)は、直線状に配列した撮像素子の列で構成されるラインセンサが走査方向(撮像領域の移動方向)に複数段配列した構成を備え、同じ箇所を段数回撮像するので、撮像対象を高い撮像感度で高速に撮像することができる。したがって、上記検査システムの撮像装置として、TDIセンサを用いることにより、表示装置の表示画素の動的な表示欠陥の有無をより短時間でさらに高精度に検査することができる。
すなわち、TDIセンサを用いた場合には、通常のラインセンサを用いた場合と比べて、撮像領域の幅が当該TDIセンサの段数倍になる。上記本発明の構成によれば、1周期の整数倍の時間に、撮像領域の幅に等しい距離だけ、撮像領域が画像表示面上を移動するように制御されるので、撮像領域の幅に比例して走査速度が速くなる。したがって、撮像装置としてTDIセンサを用いた場合には、通常のラインセンサを用いた場合と比べて、表示欠陥の有無をより短時間で検出することが可能になる。
また、TDIセンサは、ラインセンサと比べて、撮像素子毎の感度差に起因するノイズの影響が少ないという利点もある。すなわち、ラインセンサ及びTDIセンサに用いられる撮像素子は、撮像素子毎にそれぞれ感度が異なっている。したがって、ラインセンサで撮像を行った場合には、撮像素子個々の感度差がノイズとして画像に表れる。これに対し、TDIセンサでは、各段数の撮像素子の検出信号が積算されて、撮像素子毎の感度差が平均化されるため、感度差の影響は少なく、ノイズの少ない画像が生成されるので、表示欠陥の有無をより高精度に検出することが可能になる。
さらに、上記検査装置と、上記走査装置と、直線状に配列した撮像素子を有する複数の撮像装置が、各撮像装置の撮像素子の列が互いに平行となるように固定された撮像ユニットとを備え、上記走査制御手段は、上記走査装置を制御して上記撮像ユニットと上記表示装置とを相対的に移動させ、上記表示制御手段は、1つの上記撮像装置の撮像領域に含まれる各表示画素の輝度を上記第1輝度値に設定し、一定時間の経過後に上記第2輝度値に設定し、さらに上記一定時間の経過後に各表示画素の輝度値を第1輝度値に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行うと共に、他の上記撮像装置の各撮像領域のそれぞれについて、該撮像領域に含まれる各表示画素の輝度を上記表示装置の他の表示欠陥を検出するための輝度値に設定する検査システムであれば、複数種類の表示欠陥の有無を迅速に検査することができる。
すなわち、上記の構成によれば、1つの撮像ユニットに含まれる各撮像装置の撮像領域において、それぞれ異なる表示欠陥を検出するための点灯が行われ、それぞれ異なる表示欠陥を検出するための点灯が行われている各表示画素が各撮像装置にて撮像される。したがって、上記の構成によれば、複数種類の表示欠陥を検出するための画像を同時に撮像することができるので、複数種類の表示欠陥の有無を迅速に検査することができる。
なお、上記検査装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記検査装置の各手段として動作させることにより、上記検査装置をコンピュータにて実現させるプログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
以上のように、本発明の検査装置は、上記撮像装置の撮像領域に含まれる各表示画素の輝度を第1輝度値に設定し、一定時間の経過後に各表示画素の輝度を上記第1輝度値とは異なる第2輝度値に設定し、さらに上記一定時間の経過後に各表示画素の輝度値を第1輝度値に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行う表示制御手段と、上記1周期の整数倍の時間に、上記撮像領域の移動方向の幅に等しい距離だけ、上記撮像領域が上記画像表示面上を移動するように上記走査装置を制御する走査制御手段とを備えている構成である。
また、本発明の検査装置の制御方法は、以上のように、上記撮像装置の撮像領域に含まれる各表示画素の輝度を第1輝度値に設定し、一定時間の経過後に各表示画素の輝度を上記第1輝度値とは異なる第2輝度値に設定し、さらに上記一定時間の経過後に各表示画素の輝度値を第1輝度値に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行う表示制御ステップと、上記1周期の整数倍の時間に、上記撮像領域の移動方向の幅に等しい距離だけ、上記撮像領域が上記画像表示面上を移動するように上記走査装置を制御する走査制御ステップとを含む構成である。
したがって、表示装置の表示画素の中から動的な表示欠陥を有する表示画素を短時間で効率よく検出することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1から図7に基づいて説明すると以下の通りである。
〔検査システムの概要〕
まず、本発明の検査システムの概要について、図2に基づいて説明する。図2は、本発明の検査システム1の概略構成を示す斜視図である。図示のように、検査システム1は、撮像装置2、パネル走査装置(走査装置)3、パネル搬送装置4、液晶駆動装置5、バックライトユニット6、及び検査制御装置(検査装置)7を備えている構成である。また、図示のように、パネル搬送装置4には、液晶表示パネルPが、その画像表示面がXZ平面に平行となるように載置されている。
まず、本発明の検査システムの概要について、図2に基づいて説明する。図2は、本発明の検査システム1の概略構成を示す斜視図である。図示のように、検査システム1は、撮像装置2、パネル走査装置(走査装置)3、パネル搬送装置4、液晶駆動装置5、バックライトユニット6、及び検査制御装置(検査装置)7を備えている構成である。また、図示のように、パネル搬送装置4には、液晶表示パネルPが、その画像表示面がXZ平面に平行となるように載置されている。
すなわち、ここでは、検査システム1を用いて、液晶表示パネルPの表示欠陥の有無を検査することを想定している。液晶表示パネルPの画像表示面には、R,G,Bの3色の副画素から成る表示画素がマトリクス状に配列している。そして、バックライトユニット6が照射した光が表示画素を透過する透過光によって、画像表示面に画像が表示されるようになっている。なお、検査システム1では、液晶表示パネルに限らず、EL(Electro Luminescence)表示装置、プラズマ表示装置、FED(Field Emission Display)等の様々な表示装置の表示欠陥検査を行うことができる。
撮像装置2は、液晶表示パネルPを撮像する装置である。具体的には、撮像装置2は、一直線上に配列した複数の撮像素子にて撮像を行うラインセンサである。同図では、撮像装置2の撮像領域を撮像領域Aとして図示している。そして、検査システム1では、撮像装置2の撮像領域AがZ軸に平行であり、かつ液晶表示パネルPのZ軸方向の全幅を含むように配置されている。
なお、検査システム1では、撮像装置2が液晶表示パネルPを撮像した撮像画像を解析することによって、上記撮像された液晶表示パネルPの表示画素に生じた表示欠陥を検出する。したがって、撮像装置2は、液晶表示パネルPのZ軸方向に配列する各表示画素の輝度値を判別できる程度の解像度を備えている必要がある。
また、撮像装置2としては、ラインセンサであれば任意のものを適用することができるが、撮像装置2としてTDI(Time Delay and Integration)センサを用いることが好ましい。本実施形態では、撮像装置2は、TDIセンサであることを想定している。なお、TDIセンサとは、時間遅延積分型のラインセンサを指す。TDIセンサの構成、及びTDIセンサを用いることが好ましい理由については後述する。
パネル走査装置3は、検査制御装置7の指示に従って、撮像装置2に液晶表示パネルPの画像表示面を走査させる装置である。図示のように、パネル走査装置3は、上面にX軸に平行な搬送レールを備えた本体部分3bと、搬送レール上をX軸方向に移動可能な走査ステージ3aとで構成されている。そして、走査ステージ3a上には、撮像領域AがZ軸方向に水平となり、かつ液晶表示パネルPのZ軸方向の全幅を撮像できるように、撮像装置2が載置されている。すなわち、走査ステージ3aがX軸方向に移動することによって、液晶表示パネルPの画像表示面の全面が、撮像装置2に撮像されるようになっている。
なお、本実施形態では、液晶表示パネルPを固定し、撮像装置2を移動させることによって、撮像装置2にて液晶表示パネルPの全面を撮像する態様を示しているが、撮像装置2を固定して、液晶表示パネルPを移動させることで、撮像装置2にて液晶表示パネルPの全面を撮像するようにしてもよい。
パネル搬送装置4は、検査制御装置7の指示に従って、液晶表示パネルPを搬送する装置である。図示のように、パネル搬送装置4は、上面にX軸に平行な搬送レールを備えた本体部分4bと、搬送レール上をX軸方向に移動可能な複数の搬送台車4aとで構成されている。
また、図示のように、各搬送台車4a上には、液晶表示パネルPが、その画像表示面がXZ平面に平行となるように載置されている。パネル搬送装置4は、検査対象となる液晶表示パネルPを予め定めた検査位置に搬送し、検査終了後の液晶表示パネルPを検査位置から次の製造工程へと搬送する。なお、ここでは、同図のX軸の正方向に液晶表示パネルPを搬送することを想定している。
液晶駆動装置5は、検査制御装置7の指示に従って、液晶表示パネルPに画像を表示させる装置であり、例えば電子回路で構成することができる。液晶駆動装置5は、例えばパネル搬送装置4の搬送レールを介して電力の供給を受けて動作するようにすればよい。また、図示の例では、液晶駆動装置5と検査制御装置7とが有線接続されている態様を示しているが、赤外線または電波等の無線にて、検査制御装置7からの指示を受けるようにしてもよい。
詳細については後述するが、検査システム1では、液晶駆動装置5が液晶表示パネルPに表示させる画像を撮像装置2が撮像した撮像画像を解析することによって、液晶表示パネルPの、例えば液晶の動作不良等によって生じる動的な表示欠陥、及び輝点欠陥や黒点欠陥等のような静的な表示欠陥を検出するようになっている。
バックライトユニット6は、液晶表示パネルPに光を照射する照明装置である。バックライトユニット6は、光を発する面が液晶表示パネルPの画像表示面に平行となるように設置されており、検査位置に搬送された液晶表示パネルPの全面に均一に光を照射する。すなわち、検査システム1では、バックライトユニット6が照射する光が、液晶表示パネルPを透過した透過光を撮像装置2にて撮像するようになっている。したがって、バックライトユニット6は、少なくとも撮像装置2の撮像領域Aを含む範囲に光を照射することができるものであればよく、図示の例のように、液晶表示パネルPの全面に光を照射するものに限られない。
検査制御装置7は、検査システム1を構成する各装置の動作を統括して制御する装置である。また、検査制御装置7は、撮像装置2にて撮像された液晶表示パネルPの撮像画像を解析して、該液晶表示パネルPの表示欠陥を検出する。
具体的には、検査制御装置7は、パネル搬送装置4に指示して液晶表示パネルPを検査位置に移動させる。続いて、検査制御装置7は、パネル走査装置3、液晶駆動装置5、バックライトユニット6、及び撮像装置2に指示して液晶表示パネルPに予め定めた点灯パターンを表示させると共に、表示された点灯パターンを撮像装置2に撮像させる。そして、検査制御装置7は、このようにして撮像された液晶表示パネルPの撮像画像を解析し、液晶表示パネルPの表示欠陥を検出する。なお、検査制御装置7のより詳細な構成及び動作については後述する。
〔TDIセンサの構成ついて〕
ここで、検査システム1の撮像装置2として用いるTDIセンサについて、図3に基づいて説明する。図3は、TDIセンサの撮像方法を説明する図であり、同図(a)は通常のラインセンサの撮像方法を示し、同図(b)はTDIセンサの撮像方法を示している。
ここで、検査システム1の撮像装置2として用いるTDIセンサについて、図3に基づいて説明する。図3は、TDIセンサの撮像方法を説明する図であり、同図(a)は通常のラインセンサの撮像方法を示し、同図(b)はTDIセンサの撮像方法を示している。
なお、図3(a)(b)では、「A」の文字が描かれた画像を、通常のラインセンサまたはTDIセンサにて、図中白抜き矢印で示す走査方向に走査して撮像する例を示している。そして、図3(a)(b)では、ラインセンサまたはTDIセンサの各撮像位置において出力される撮像画像を、各図の右側に示している。
同図(a)に示すように、通常のラインセンサでは、当該ラインセンサで取得した1次元データを出力し、1次元データを連結し2次元の画像データとすることで画像を出力している。したがって、図示のように、ラインセンサの撮像領域に含まれる画像が順次撮像されて出力される。したがって、図示のように、ラインセンサの位置に対応する撮像画像が順次出力されることになる。
これに対し、同図(b)に示すように、TDIセンサは、ラインセンサ(a)〜(c)が走査方向に並列して連結された構成となっている。ラインセンサが走査方向に連結している数を段数といい、同図の場合は、3段のTDIセンサとなる。
TDIセンサは、1段目のセンサが取得した1次元データに、次の段のセンサが同じ箇所を撮像した1次元データを加算するようになっている。そして、1次元データの加算をTDIセンサの段数分繰り返すことによって撮像箇所の像を生成する。すなわち、TDIセンサは、1つの撮像箇所を段数回撮像し、各撮像にて得られた像を積分することにより、撮像箇所の像を生成する。
例えば、同図の一番上の図に示すように、ラインセンサ(a)が「A」の文字の一番上の列を撮像した段階では「A」の文字における一番上の列の像は生成されない。同様に、同図の上から2番目の図に示すように、ラインセンサ(b)が「A」の文字の一番上の列を撮像した段階でも「A」の文字における一番上の列の像は生成されない。ここで、同図の上から3番目の図に示すように、ラインセンサ(c)が「A」の文字の一番上の列を撮像した段階で「A」の文字における一番上の列の像が生成される。
より詳細には、ラインセンサ(a)が「A」の文字の一番上の列を撮像して得られた検出信号と、ラインセンサ(b)が「A」の文字の一番上の列を撮像して得られた検出信号とが蓄積されている。そして、ラインセンサ(c)が「A」の文字の一番上の列を撮像したときに、上記蓄積されている検出信号と、ラインセンサ(c)が「A」の文字の一番上の列を撮像することで得られた検出信号とが積算されて「A」の文字における一番上の列の像が生成される。
このように、TDIセンサでは、同じ箇所を段数回撮像するので、高い撮像感度で高速に撮像することができる。具体的には、TDIセンサでは、ラインセンサと同じ速度で走査を行った場合には、ラインセンサの露光時間に対し、TDIセンサの段数倍の露光時間で撮像が行われることになるので、TDIセンサの段数倍の検出信号を得ることができる。また、TDIセンサの段数倍の速度で走査を行った場合であっても、ラインセンサと同等の検出信号を得ることができる。
さらに、TDIセンサは、ラインセンサと比べて、撮像素子毎の感度差に起因するノイズの影響が少ないという利点もある。すなわち、ラインセンサ及びTDIセンサに用いられる撮像素子は、撮像素子毎にそれぞれ感度が異なっている。したがって、ラインセンサで撮像を行った場合には、撮像素子個々の感度差がノイズとして画像に表れる。これに対し、TDIセンサでは、各段数の撮像素子の検出信号が積算されて、撮像素子毎の感度差が平均化されるため、感度差の影響は少なく、ノイズの少ない画像が生成される。
このように、撮像装置2としてTDIセンサを用いることによって、高精度な撮像画像を高速に得ることができる。したがって、撮像装置2としてTDIセンサを用いた場合には、検査システム1における検査時間を短縮することができると共に、欠陥検出の精度を向上させることができる。
〔検査制御装置の構成〕
続いて、検査制御装置7の詳細な構成について、図1に基づいて説明する。図1は、検査制御装置7の要部構成を示すブロック図である。図示のように、検査制御装置7は、表示制御部(表示制御手段)11、パネル搬送制御部12、パネル走査制御部(走査制御手段)13、撮像制御部14、及び欠陥検出部(欠陥検出手段)15を備えている。
続いて、検査制御装置7の詳細な構成について、図1に基づいて説明する。図1は、検査制御装置7の要部構成を示すブロック図である。図示のように、検査制御装置7は、表示制御部(表示制御手段)11、パネル搬送制御部12、パネル走査制御部(走査制御手段)13、撮像制御部14、及び欠陥検出部(欠陥検出手段)15を備えている。
表示制御部11は、液晶駆動装置5に指示して所定の画像を液晶表示パネルPに表示させる。すなわち、表示制御部11の指示によって、液晶表示パネルPに任意の画像または動画が表示される。検査システム1では、表示制御部11の指示で液晶表示パネルPに欠陥検査用の点灯パターンが表示される。表示制御部11が液晶表示パネルPに表示させる点灯パターンについては後述する。
パネル搬送制御部12は、パネル搬送装置4に指示して、検査対象の液晶表示パネルPを予め定めた検査位置に移動させる。そして、パネル搬送制御部12は、検査が終了した液晶表示パネルPを上記検査位置から移動させ、次に検査を行う液晶表示パネルPを検査位置に移動させる。
パネル走査制御部13は、パネル走査装置3に指示して撮像装置2を予め定めた初期位置に移動させる。そして、パネル走査制御部13は、表示制御部11が液晶表示パネルPに表示させる点灯パターン毎に予め定めた速度で撮像装置2を移動させる。なお、点灯パターン毎の走査速度については後述する。
撮像制御部14は、撮像装置2に指示して撮像を開始または停止させる。また、撮像制御部14は、撮像装置2の露光時間や時間遅延積分を行う積分時間、及び時間遅延積分を行うタイミング等の撮像装置2における各種撮像設定の制御を行う。
欠陥検出部15は、撮像装置2にて撮像された撮像画像を解析することによって、液晶表示パネルPの表示画素の中から、表示欠陥を有する表示画素を検出する。具体的には、欠陥検出部15は、上記撮像画像から各表示画素の輝度値を求め、求めた輝度値と予め定めた閾値とを比較することによって、表示欠陥を有する表示画素を特定する。
〔動的な表示欠陥を検出する点灯パターンについて〕
ここで、動的な表示欠陥を検出するために、液晶表示パネルPに表示させる点灯パターンについて説明する。動的な表示欠陥を検出するために、表示制御部11は、撮像装置2の撮像領域に含まれる液晶表示パネルPの各表示画素の輝度を第1輝度値に設定し、一定時間の経過後に各表示画素の輝度を上記第1輝度値とは異なる第2輝度値に設定し、さらに上記一定時間の経過後に各表示画素の輝度値を第1輝度値に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行う。
ここで、動的な表示欠陥を検出するために、液晶表示パネルPに表示させる点灯パターンについて説明する。動的な表示欠陥を検出するために、表示制御部11は、撮像装置2の撮像領域に含まれる液晶表示パネルPの各表示画素の輝度を第1輝度値に設定し、一定時間の経過後に各表示画素の輝度を上記第1輝度値とは異なる第2輝度値に設定し、さらに上記一定時間の経過後に各表示画素の輝度値を第1輝度値に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行う。
上記第1輝度値と第2輝度値とは異なる値であればよく、特に限定されないが、ここでは簡単のため、第1輝度値は液晶表示パネルPが表示可能な最小の輝度値(黒色を表示するときの輝度値)であり、第2輝度値は液晶表示パネルPが表示可能な最大の輝度値(白色を表示するときの輝度値)である例について説明する。また、点灯は、液晶表示パネルP上において、少なくとも撮像装置2の撮像領域に含まれる各表示画素で行われるようにすればよいが、ここでは、簡単のため、液晶表示パネルPの全表示画素の表示状態を上記のように制御して切り換える例について説明する。
なお、ここでは、上記一定時間は1フレームの表示時間と等しい時間に設定することを想定している。フレームとは、表示装置に動画を表示する際に、最小時間に表示する1つの静止画である。動画は、通常1/60秒ごとに静止画を切り換えて表示することで表現される。すなわち、1秒に60フレーム(60枚の静止画)が順次表示されることによって、静止画が動いているように見えるのである。
検査システム1では、パネル走査制御部13は、各表示画素が2フレームの整数倍の時間だけ撮像されるように撮像装置2を移動させる。なお、以下では、簡単のため、各表示画素が2フレーム期間だけ撮像されるように撮像装置2を移動させる例について説明するが、2フレーム期間の整数倍の時間撮像する場合についても同様である。
具体的には、パネル走査制御部13は、2フレームの整数倍の時間に撮像領域の走査方向の幅に等しい距離だけ移動する速度で撮像領域が液晶表示パネルP上を移動するように、撮像装置2をX軸方向に移動させる。
例えば、撮像装置2が積分段数4段のTDIセンサであり、撮像装置2の液晶表示パネルP上における撮像領域の走査方向(X軸方向)の幅が0.3mmであり、そして全表示画素が黒色の表示状態と全表示画素が白色の表示状態とが1フレーム(1/60秒)毎に切り換えられる場合を考える。
この場合には、パネル走査制御部13は、パネル走査装置3を制御して、撮像装置2を、2フレーム(2/60秒)で撮像領域が走査方向(X軸方向)の幅(0.3mm)だけ進む速度、すなわち9mm/秒の一定速度でX軸の正方向に向かって移動させる。また、撮像制御部14は、撮像装置2を制御して、2フレーム(2/60秒)毎に時間遅延積分を実行させる。
これにより、液晶表示パネルPの全ての表示画素が、それぞれ2/60秒だけ撮像されることになる。また、この場合には、2/60秒の間に、各表示画素の表示状態は、黒から白に切り換わり、また黒に戻るので、液晶表示パネルPの全ての表示画素は、黒から白に切り換わり、また黒に戻るまでの時間だけ撮像されることになる。
ここで、撮像装置2が上記点灯パターンを撮像することによって得られる撮像画像について、図4に基づいて説明する。図4は、検査システム1において撮像画像が生成される仕組みについて説明する図である。同図では、液晶表示パネルPの表示画素のうち、X軸方向に配列した(A)〜(L)の12個の表示画素における、1フレーム目から5フレーム目までの表示状態の変化を示している。同図では、上下方向が時間軸であり、左右方向が走査方向である。
なお、1フレームの表示時間は特に限定されないが、ここでは1フレームの表示時間が1/60秒であることを想定している。すなわち、図示の例では、1フレーム目の全表示画素が黒色の表示状態から1/60秒後には2フレーム目にて全表示画素が白色の画像が表示され、さらに1/60秒後には3フレーム目の全表示画素が黒色の表示状態となる。以下、同様に5フレーム目まで上記の点灯が繰り返される。
また、図4では、各フレームの画像が切り換わる中間時点の点灯状態も示している。図示のように、各フレームが切り換わる中間時点では、白色と黒色との中間階調が表示されている。
ここで、各フレームが切り換わる中間時点で中間階調が表示される理由について説明する。すなわち、液晶表示パネルPの各表示画素における表示状態は、表示制御部11及び液晶駆動装置5によって制御されている。具体的には、表示制御部11が黒色表示を指示した場合には、液晶駆動装置5は、バックライトユニット6からの光を遮断するように液晶を駆動し、表示制御部11が白色表示を指示した場合には、液晶駆動装置5は、バックライトユニット6からの光を透過させるように液晶を駆動することによって、表示画素が黒色表示または白色表示となる。
したがって、黒色から白色へと表示状態を変化させる場合には、液晶はバックライトユニット6からの光を遮断する状態から透過する状態へと変化することになる。そのため、完全な黒色表示から完全な白色表示に切り換わるまでにタイムラグが生じ、それゆえ黒色と白色との中間階調が表示されることになる。
なお、同図では、撮像装置2が(a)〜(d)の4段のTDIセンサである例を示している。すなわち、図示の例では、(a)〜(d)の4段のラインセンサのそれぞれにて、液晶表示パネルPを撮像し、各ラインセンサが撮像によって得た検出信号を積分することによって、液晶表示パネルPの撮像画像を生成することを想定している。
図示の例において、1フレーム目では、ラインセンサ(a)〜(d)のそれぞれにて表示画素(I)〜(L)が撮像されている。そして、1フレーム目と2フレーム目との中間のフレーム(1.5フレーム目)には、表示画素(A)〜(L)の表示状態が黒からグレーへと切り換わると共に、ラインセンサ(a)〜(d)が、その走査方向の幅の1/4に等しい距離だけ走査方向左向きに移動する。
これにより、1.5フレーム目では、ラインセンサ(a)〜(d)のそれぞれにて表示画素(H)〜(K)が撮像される。以下同様に、ラインセンサ(a)〜(d)は、0.5フレームに走査方向の幅の1/4に等しい距離だけ走査方向左向きに移動を続け、5フレーム目には表示画素(A)〜(D)が撮像される。
ここでは、撮像装置2が(a)〜(d)の4段のTDIセンサであることを想定しているので、各表示画素の輝度値は、(a)〜(d)の各ラインセンサが検出した輝度値を積分して算出される。例えば、表示画素(I)に着目すれば、表示画素(I)は、1フレーム目では(a)に、1.5フレーム目では(b)に、2フレーム目では(c)に、2.5フレーム目では(d)に撮像される。そして、(a)〜(d)の各ラインセンサが検出した輝度値を積分することにより、表示画素(I)の輝度値が算出される。
したがって、図示のように、各表示画素の輝度値は、黒から白、そしてまた黒へと表示状態が切り換わる過程の輝度値が平均化された、白と黒との中間階調の輝度値となる。なお、同図では、表示画素(D)〜(I)についてのみ、積分後の輝度値を示しているが、他の表示画素についても同様に積分後の輝度値が算出される。
ここで、図示の例において、表示画素(F)は、1フレーム目から5フレーム目までの輝度値の変動が他の表示画素と異なっている。すなわち、1.5フレーム目の輝度値が他の表示画素よりも低く、2フレーム目においては他の表示画素が白色表示状態に切り換わっているのに対して表示画素(F)は未だグレー表示のままである。
これは、表示画素(F)の動画応答特性が他の表示画素と比べて劣っていることによる。すなわち、図示の例では、全ての表示画素を同時に黒から白、白から黒へと連続的に切り換える制御を行っているのに対し、表示画素(F)は表示状態の切り換え速度が遅いため、他の表示画素と異なる表示状態となっているのである。このような表示画素は、液晶表示パネルの製品品質を落とすものであるから、検査段階で検出し、欠陥状態のまま製品として流通することを防ぐ必要がある。
ここで、図示のように、表示画素(F)の積分後の輝度値は、他の表示画素における積分後の輝度値よりも低くなっている。これは、表示画素(F)は、2.5フレーム目から4フレーム目まで撮像されているが、3.5〜4フレーム目の輝度値が他の表示画素より低くなっているためである。
このように、各表示画素の表示状態が切り換わる間の輝度値を積分した値は、動的な表示欠陥を有する表示画素と正常な表示画素とで異なる値となる。したがって、上述の撮像方法にて撮像された画像を用いることにより、表示状態の切り換え速度に以上のある表示画素を検出することができる。
〔積分時間を2フレームの整数倍の時間に設定する理由〕
ここで、検査システム1において、各画素が2フレームの整数倍の時間だけ撮像されるように撮像装置2を移動させる理由について、上記特許文献1の技術と対比しながら、図5及び図6に基づいて説明する。図5は、特許文献1が開示する表示欠陥の検出方法を説明する図であり、図6は、検査システム1における表示欠陥の検出方法を説明する図である。図5及び図6では、左右方向が時間軸を示している。
ここで、検査システム1において、各画素が2フレームの整数倍の時間だけ撮像されるように撮像装置2を移動させる理由について、上記特許文献1の技術と対比しながら、図5及び図6に基づいて説明する。図5は、特許文献1が開示する表示欠陥の検出方法を説明する図であり、図6は、検査システム1における表示欠陥の検出方法を説明する図である。図5及び図6では、左右方向が時間軸を示している。
図5の上段は、検査対象となる液晶表示パネルに印加されるゲート電圧のフレーム毎の変化を示しており、中段は上記液晶表示パネルに印加されるソース電圧のフレーム毎の変化を示しており、下段は上記液晶表示パネルが備える液晶の透過率を示している。図示のように、ゲート電圧は、フレーム毎に正負が交互に切り換わっている。これは、液晶表示パネルが交流電流で駆動されていることによる。一方、ソース電圧はフレーム切り換えの有無に関わらず常に一定である。
すなわち、特許文献1では静止画像を表示した状態で表示欠陥の検出を行っている。より詳細には、特許文献1では、静止画像を表示した場合に、1フレーム期間に保持される信号量が減少することによって1フレーム期間中に輝度値が低下する表示画素を検出している。
そのため、特許文献1では、同図の下段に示すように、各表示画素を1フレーム期間だけ撮像し、1フレーム期間の輝度値を積分した値(透過率のグラフと時間軸とで囲まれた領域から1フレーム期間だけ切り出した領域の面積)が予め設定した閾値を下回る画素を欠陥画素として検出している。
これに対し、検査システム1では、動的な表示欠陥を検出することを目的としているので、表示状態の切り換えを行う。しかしながら、1回の切り換えの間に液晶表示パネルPの全面を撮像することは困難である。そこで、検査システム1では、図6の上段に示すように、ソース電圧を定期的に切り換える。なお、図6には示していないが、検査システム1においても、液晶表示パネルを交流電流で駆動することを想定しているので、ゲート電圧は、図5の場合と同様に1フレーム毎に切り換えられる。
ここでは、表示画素の表示状態を白から黒、黒から白へと切り換えることを想定しているので、図示のように、ソース電圧は、1フレーム毎に最大電圧と最小電圧とで切り換えられる。しかしながら、検査システム1で使用する点灯パターンは、表示画素の表示状態が所定の期間毎に切り換わるものであればよく、この例に限られない。例えば、黒と中間階調とが切り換わる点灯パターンや、白と中間階調とが切り換わる点灯パターンを適用することもできる。また、点灯パターンの切り換えタイミングも、1フレームの整数倍であれば任意のタイミングで切り換えることができる。
ただし、点灯パターンの切り換えタイミングを延ばした場合には、液晶表示パネルPの撮像に要する時間が増加するので、点灯パターンは1フレーム周期で切り換えることが好ましい。また、上記の方法にて動的な表示欠陥を検出する場合には、表示状態切り換えの前後における輝度値の変動が大きいほど、正常な表示画素における輝度値の積分値と、欠陥のある表示画素における輝度値の積分値との差異が大きくなる。そのため、検査システム1では、白と黒とが周期的に切り換えられる点灯パターンを用いることが好ましい。
このように、ソース電圧を切り換えることにより、液晶の透過率は、図6の下段に示すように、ソース電圧の切り換えに連動して定期的に変化することになる。すなわち、液晶の透過率は、ソース電圧が印加されることにより上昇を開始し、ソース電圧の印加から一定時間後に一定の値に収束する。また、液晶の透過率は、ソース電圧の印加が停止したときに下降を開始し、ソース電圧の印加停止から一定時間後に一定の値に収束する。
ここで、特許文献1のように、各表示画素を1フレーム期間だけ撮像した場合には、白から黒へと切り換わる間の表示状態が撮像される表示画素と、黒から白へと切り換わる間の表示状態が撮像される表示画素とが現れることになる。図示のように、黒から白へと切り換わる間と、白から黒へと切り換わる間とでは、明らかに輝度値の積分値(透過率のグラフと時間軸とで囲まれる領域の面積)が異なるので、特許文献1のように各表示画素を1フレーム期間だけ撮像した場合には、撮像にて得られた画像から、一律の閾値を用いて欠陥のある表示画素を検出することはできない。
そこで、検査システム1では、各表示画素を2フレーム期間だけ撮像している。図示のように、2フレームの期間には、黒色表示となるように輝度値が設定されている期間と、白色表示となるように輝度値が設定されている期間とが同じ時間だけ含まれる。
したがって、各表示画素が2フレーム期間だけ撮像される速度で撮像装置2を移動させながら撮像した場合に、各表示画素が表示欠陥を有していないときには、撮像された画像における各表示画素の輝度値(透過率のグラフと時間軸とで囲まれる領域の面積)は全て等しくなり、動的な表示欠陥を有している表示画素は正常な表示画素と異なる輝度値で撮像される。
その結果、検査システム1によれば、撮像画像から一律の閾値を用いて欠陥のある表示画素を検出することができる。例えば、黒から白へと切り換わる速度が正常な表示画素と比べて遅い表示画素であれば、透過率のグラフの立ち上がりが緩やかになるため、2フレーム期間の輝度値の積分値(透過率のグラフと時間軸とで囲まれる領域の面積)は小さくなる。これにより、この表示画素は、撮像画像において正常な表示画素よりも輝度値が低くなるので、予め輝度値の下限値を設定しておくことにより、撮像画像に基づいて、黒から白へと切り換わる速度が正常な表示画素と比べて遅い表示画素を検出することができる。
また、検査システム1では、表示画素の表示状態を一定周期で切り換えると共に、各表示画素が2フレーム期間だけ撮像されるように撮像装置2を移動させながら液晶表示パネルPの全面を撮像している。したがって、検査システム1によれば、液晶表示パネルPの全表示画素を高速に撮像することができる。特に、撮像装置2をTDIセンサとした場合には、TDIセンサの段数に比例して走査速度が速くなるので、液晶表示パネルPの撮像に要する時間を飛躍的に短縮することができる。
さらに、検査システム1では、撮像装置2の走査速度を調整することによって、各表示画素のそれぞれが2フレーム期間だけ撮像されるように制御し、各表示画素の2フレーム期間の積分値を当該画素の輝度値として算出している。これにより、各表示画素の表示状態を切り換えるタイミングと撮像開始タイミングとを同期させることなく、簡易な方法で各表示画素を、同一の撮像開始タイミング及び撮像終了タイミングで撮像することができる。
なお、検査システム1では、パネル走査制御部13が撮像装置2を一定速度で移動させ、表示制御部11が撮像装置2の撮像領域に含まれる各表示画素の輝度の設定値を、撮像領域が該撮像領域の走査方向の幅だけ移動する時間毎に第1輝度値と該第1輝度値とは異なる第2輝度値とで切り換える制御を繰り返し行う場合であっても、上記と同様の効果を奏する。
〔欠陥の検出について〕
検査システム1では、予め輝度値の下限値を設定しておき、欠陥検出部15が、上記撮像方法にて撮像された画像中から、上記下限値よりも輝度値の低い表示画素を検出することにより、黒から白へと表示状態が切り換わる速度が遅い表示画素を特定する。
検査システム1では、予め輝度値の下限値を設定しておき、欠陥検出部15が、上記撮像方法にて撮像された画像中から、上記下限値よりも輝度値の低い表示画素を検出することにより、黒から白へと表示状態が切り換わる速度が遅い表示画素を特定する。
また、同様に、予め輝度値の上限値を設定しておき、欠陥検出部15が、上記撮像方法にて撮像された撮像画像中から、上記上限値よりも輝度値の高い表示画素を検出することにより、白から黒へと表示状態が切り換わる速度が遅い表示画素を特定する。
なお、ここでは、液晶への電圧印加を停止することによって、白から黒へと表示状態を切り換えることを想定している。すなわち、白から黒へと表示状態を切り換えるときには、液晶に外的な制御を加えないので、白から黒へと表示状態が切り換わる速度は、欠陥の有無に関わらずほぼ一定となる。
ところで、〔背景技術〕において説明したように、液晶表示パネルの表示欠陥には動的な表示欠陥の他に、静的な表示欠陥も存在する。静的な表示欠陥としては、例えば表示画素が常に白色表示状態となる輝点欠陥、及び表示画素が常に黒色表示状態となる黒点欠陥が挙げられる。
検査システム1では、動的な表示欠陥に加えて、輝点欠陥及び黒点欠陥も検出し、動的な表示欠陥と輝点欠陥及び黒点欠陥とを区別して検出する。ここで、輝点欠陥を有する表示画素は、常に白色表示状態となるので、撮像画像においても白色となる。同様に、黒点欠陥を有する表示画素は、常に黒色表示状態となるので、撮像画像においても黒色となる。
一方、表示欠陥の無い表示画素は、図4に示すように白と黒との中間階調となる。ここでは、表示欠陥の無い表示画素の撮像画像中における輝度値を標準輝度値と呼ぶ。また、動的な表示欠陥を有する表示画素は、上記標準輝度値よりも黒寄りまたは白寄りの輝度値となる。例えば、図4の例では、表示画素(F)の輝度値は、標準輝度値よりも低く(黒寄りに)なっている。
したがって、検査システム1では、標準輝度値を基準として第1及び第2の上限値を設定し、さらに標準輝度値を基準として第1及び第2の下限値を予め設定しておくことで、動的な表示欠陥、輝点欠陥、及び黒点欠陥をそれぞれ区別して検出することができる。なお、第1の上限値及び第1の下限値は、それぞれ正常な範囲とみなすことのできる輝度値の上限及び下限であり、予め設定しておくものとする。
また、第2の上限値は、白色の表示状態のまま変化していないとみなすことのできる下限の輝度値であり、第2の下限値は、黒色の表示状態のまま変化していないとみなすことのできる上限の輝度値である。これら、第2の上限値及び下限値についても予め設定しておく。
すなわち、欠陥検出部15は、撮像された画像において、第1の上限値より大きく、第2の上限値以下の輝度値を有する表示画素は、白から黒へと表示状態が切り換わる速度が遅い表示画素と判断することができる。同様に、欠陥検出部15は、撮像された画像において、第1の下限値より小さく、第2の下限値以上の輝度値を有する表示画素は、黒から白へと表示状態が切り換わる速度が遅い表示画素と判断することができる。そして、欠陥検出部15は、撮像された画像において、第2の上限値以上の輝度値を有する表示画素は、輝点欠陥を有すると判断することができ、第2の下限値以下の輝度値を有する表示画素は、黒点欠陥を有すると判断することができる。
ただし、表示状態が切り換わる速度が極めて遅い表示画素が存在した場合には、当該表示画素が動的な表示欠陥を有しているのか、あるいは静的な表示欠陥を有しているのかを判断することが困難となることも考えられる。例えば、黒から白へと表示状態が切り換わる速度が極めて遅い表示画素を撮像した場合には、当該表示画素の輝度値は限りなく黒に近いものとなるので、常に黒色表示状態となる黒点欠陥と区別がつき難くなる。
そこで、検査システム1では、上述のように表示状態を一定時間で切り換えながら行う撮像とは別に、輝点欠陥を検出するための点灯を行いながら液晶表示パネルPを撮像し、また黒点欠陥を検出するための点灯を行いながら液晶表示パネルPを撮像する。
そして、欠陥検出部15は、上述のように表示状態を一定時間で切り換えながら撮像した画像を解析し、該画像中において、予め定めた上限値を超える輝度値を有する表示画素の位置と、予め定めた下限値を下回る輝度値を有する表示画素の位置とをそれぞれ上記画像平面上の座標として取得する。
続いて、欠陥検出部15は、輝点欠陥を検出するための点灯を行いながら液晶表示パネルPを撮像した画像を解析し、該画像中において、予め定めた上限値(輝点欠陥を検出するための閾値)を超える輝度値を有する表示画素の位置を上記画像平面上の座標として取得する。これにより、欠陥検出部15は、輝点欠陥を有する表示画素の位置を上記画像平面上の座標として取得することができる。
同様に、欠陥検出部15は、黒点欠陥を検出するための点灯を行いながら液晶表示パネルPを撮像した画像を解析し、該画像中において、予め定めた下限値(黒点欠陥を検出するための閾値)を超える輝度値を有する表示画素の位置を上記画像平面上の座標として取得する。これにより、欠陥検出部15は、黒点欠陥を有する表示画素の位置を上記画像平面上の座標として取得することができる。
そして、欠陥検出部15は、表示状態を一定時間で切り換えながら撮像した画像において、予め定めた上限値を超える輝度値を有する、または予め定めた下限値を下回る輝度値を有するとして検出された座標に対応する表示画素のうち、輝点欠陥として検出された座標の表示画素及び黒点欠陥として検出された座標と重ならない位置の座標に対応する表示画素を、動的な表示欠陥を有する表示画素として特定することができる。
これにより、輝点欠陥、黒点欠陥、及び動的な表示欠陥を有する表示画素のそれぞれを確実に区別して検出することができる。なお、輝点欠陥を検出するための点灯としては、例えば全表示画素を黒色表示状態とする点灯パターンを適用することができ、黒点欠陥を検出するための点灯としては、例えば全表示画素を白色表示状態とする点灯パターンを適用することができる。
〔処理の流れ〕
検査システム1における処理の流れについて、図7に基づいて説明する。図7は、検査システム1における処理の一例を示すフローチャートである。検査システム1にて液晶表示パネルPの欠陥検査を行う場合には、まずパネル搬送制御部12が、パネル搬送装置4に指示して、液晶表示パネルPを載置した搬送台車4aを予め定めた検査位置に移動させる(S1)。そして、搬送台車4aが検査位置に到着すると、搬送レールから検査制御装置7へと、搬送台車4aの検査位置到着を示す信号が送られる。
検査システム1における処理の流れについて、図7に基づいて説明する。図7は、検査システム1における処理の一例を示すフローチャートである。検査システム1にて液晶表示パネルPの欠陥検査を行う場合には、まずパネル搬送制御部12が、パネル搬送装置4に指示して、液晶表示パネルPを載置した搬送台車4aを予め定めた検査位置に移動させる(S1)。そして、搬送台車4aが検査位置に到着すると、搬送レールから検査制御装置7へと、搬送台車4aの検査位置到着を示す信号が送られる。
なお、検査位置は、図2に示すように、バックライトユニット6から照射される光を液晶表示パネルPが受光できる位置であり、走査ステージ3a上に固定された撮像装置2をX軸方向に移動させることによって、液晶表示パネルPの画像表示面の全面を撮像できる位置である。また、表示制御部11は、バックライトユニット6に点灯を指示する信号を送り、バックライトを点灯させる。
次に、パネル走査制御部13は、搬送台車4aの検査位置到着を示す信号を確認すると、走査ステージ3aを予め定めた位置に移動させることによって、撮像装置2を初期位置に移動させる(S2)。初期位置は、撮像装置2がX軸方向の正または負の向きに移動することによって、上記検査位置に配置された液晶表示パネルPの画像表示面の全面を撮像できる位置である(図2参照)。
なお、ここでは、一定の速度で撮像装置2を移動させながら液晶表示パネルPを撮像することを想定しているので、走査ステージ3aの加減速に必用な距離だけ液晶表示パネルPの外側の位置を初期位置としている。走査ステージ3aが上記予め定めた位置に到着すると、走査ステージ3aから検査制御装置7へと到着を示す信号が送られる。
ここで、走査ステージ3aの到着を示す信号を受信すると、パネル走査制御部13、撮像制御部14、及び表示制御部11は、同期して予め定められた処理を開始する(S3)。すなわち、パネル走査制御部13は、パネル走査装置3に指示して走査ステージ3aの移動を開始させ、走査ステージ3aを予め定めた速度で移動させる。なお、ここでは、図2におけるX軸方向の正の向きに走査ステージ3aを移動させる例について説明するが、X軸方向の負の向きに場合も検査制御装置7の動作は同様である。
また、撮像制御部14は、撮像装置2に指示して撮像を開始させる。そして、表示制御部11は、撮像装置2の撮像領域が液晶表示パネルPの画像表示領域に入る前に、予め定めた点灯パターンの表示を開始する。なお、ここで表示する点灯パターンは、図4に示すような、全表示画素の表示状態が、黒と白とで1フレーム毎に交互に切り換わる点灯パターンである。
そして、パネル走査装置3は、2フレームの期間に撮像装置2の液晶表示パネルP上における撮像領域の走査方向の幅に等しい距離だけ撮像領域が走査方向に移動する速度で、撮像装置2を移動させる。なお、撮像装置2にて撮像された撮像画像は、順次検査制御装置7に送られるようになっている。
そして、検査制御装置7の欠陥検出部15は、上記撮像画像に基づいて、液晶表示パネルPの表示欠陥を検出する。具体的には、欠陥検出部15は、上記出力された撮像画像から、予め定めた上限値より大きい輝度値の表示画素及び予め定めた下限値より小さい輝度値の表示画素を、表示欠陥を有する表示画素として検出する。そして、欠陥検出部15は、検出した表示画素の液晶表示パネルP上における位置を記憶しておく。なお、輝度値の上限値及び下限値は、検査に要求される精度等に応じて適宜設定すればよく、例えば、撮像画像の輝度値の平均値を基準に上記上限値及び下限値を設定すればよい。
また、ここでは、撮像画像が順次検査制御装置7に送られることを想定しているが、液晶表示パネルPの全面の走査終了後に、撮像画像が検査制御装置7に送られるようにしてもよい。ただし、撮像画像が順次検査制御装置7に送られるようにした場合には、欠陥の検出と液晶表示パネルPの撮像とを平行して行うことができるので、検査時間を短縮することができるという利点がある。
そして、撮像装置2の撮像領域が液晶表示パネルPを通過すると、液晶表示パネルPの全面の撮像が終了したと判断し(S4でYES)、撮像制御部14が撮像装置2に指示して撮像を停止させると共に、パネル走査制御部13がパネル走査装置3に指示して走査ステージ3aを停止させる。これにより、動的な表示欠陥を検出するための点灯パターンの撮像は終了する(S5)。なお、液晶表示パネルPの全面の撮像が終了したことは、例えば走査ステージ3aの移動距離から判断することができる。
検査システム1では、続いて液晶表示パネルPの黒点欠陥の検出を行う。上述のように、黒点欠陥は、表示画素が常に黒色表示状態となる欠陥である。したがって、黒点欠陥は、液晶表示パネルPの全表示画素を白色表示状態にすることで検出することができる。
黒点欠陥を検出するための点灯パターンを撮像するときには、走査ステージ3aを再度初期位置に戻して撮像を行うようにしてもよいが、往復走査が可能な撮像装置2を用いる場合には、走査ステージ3aをX軸方向の負の向きに一定の速度で移動させながら撮像を行うようにしてもよい。なお、この場合には、積分方向が逆になるので、撮像制御部14は、撮像装置2に指示して、積分方向を逆向きにさせる。
また、このときには、パネル走査制御部13は、撮像装置2の走査速度を、例えば1フレーム表示する時間(この場合には1/60秒)に、撮像装置2の時間遅延積分幅(撮像装置2の撮像領域の液晶表示パネルP上における走査方向の幅)だけ移動する速度とすればよい。液晶表示パネルPに表示された静止画像を撮像する場合には、このように速度の制御を行うことによって、静止画像を高精度に撮像することができる。
すなわち、液晶表示パネルPが備えている液晶は、交流電流によって駆動されているため、電流の流れる方向が逆転する瞬間には、上記液晶に印加される電流がゼロになる。ここで、印加電流がゼロになった状態では液晶が移動することがあり、液晶が移動した場合には、該液晶を透過する光の量が変わってしまう。
このように、液晶表示パネルPは、静止画像を表示させた場合であっても、液晶を駆動する交流電流の周期(この場合には1/60秒)で、その明るさが変動する。したがって、液晶表示パネルPの各表示画素を同一の撮像条件で撮像するためには、各表示画素を、液晶を駆動する交流電流の周期(フレーム切り替えの周期)の整数倍の時間で撮像する必要がある。
そこで、パネル走査制御部13は、黒点欠陥を検出するための点灯パターンのような静止画像を撮像する場合には、撮像装置2の走査速度を、1フレーム期間の整数倍の時間に、撮像装置2の時間遅延積分幅(撮像領域の走査方向の幅)だけ移動する速度としている。これにより、液晶表示パネルPの全ての表示画素を同じ条件で撮像することができ、液晶表示パネルPの全表示画素を白色表示状態とした場合の静的な状態を、各表示画素の実際の明るさや色味等を正確に反映させた高精度な画像データとして取得することができる。
また、撮像画像は、動的な表示欠陥を検出するための点灯パターンを撮像する場合と同様に、順次検査制御装置7の欠陥検出部15に送られる。そして、欠陥検出部15では、受け取った撮像画像から、輝度値が予め定めた下限値よりも小さい画素、すなわち正常な範囲を超えて暗い画素を検出し、これにより黒点欠陥のような、表示制御部11に指示された表示状態よりも低輝度の表示状態となる表示欠陥を有する表示画素を特定する。そして、欠陥検出部15は、特定した表示画素の位置を記憶しておく。
また、撮像装置2の撮像領域が液晶表示パネルPを通過すると、撮像制御部14が撮像装置2に指示して撮像を停止させると共に、パネル走査制御部13がパネル走査装置3に指示して走査ステージ3aを停止させる。これにより、黒点欠陥を検出するための点灯パターンの撮像は終了する。
検査システム1では、最後に輝点欠陥の検出を行う。具体的には、黒点欠陥を検出するための点灯パターンの撮像が終了すると、表示制御部11は、液晶駆動装置5に指示して、液晶表示パネルPの全表示画素を黒色表示状態にさせる。すなわち、全面黒色表示となる点灯パターンが輝点欠陥を検出するための点灯パターンということになる。
続いて、撮像装置2は、黒点欠陥を検出するための点灯パターンを撮像する場合と同様にして、輝点欠陥を検出するための点灯パターンを撮像し、撮像画像は欠陥検出部15に送られる。欠陥検出部15では、受け取った撮像画像から、輝度値が予め定めた上限値よりも大きい画素、すなわち正常な範囲を超えて明るい画素を検出し、これにより輝点欠陥のような、表示制御部11に指示された表示状態よりも高輝度の表示状態となる表示欠陥を有する表示画素を特定する。欠陥検出部15は、特定した表示画素の位置を記憶しておく。
そして、撮像装置2の撮像領域が液晶表示パネルPを通過すると、撮像制御部14が撮像装置2に指示して撮像を停止させると共に、パネル走査制御部13がパネル走査装置3に指示して走査ステージ3aを停止させる。これにより、輝点欠陥を検出するための点灯パターンの撮像は終了し、輝点欠陥を検出するための点灯パターンの撮像終了を以って、全ての点灯パターンの撮像が終了する。
以上のようにして、3種類の点灯パターンの表示及び撮像が終了すると(S6でYES)、得られた撮像画像から表示欠陥を有する表示画素が検出される(S7)。ここで、動的な表示欠陥を検出するための点灯パターンにて欠陥ありとして検出された表示画素のうち、黒点欠陥でも輝点欠陥でもないものは、動的な表示欠陥を有していると判断することができる。
すなわち、欠陥検出部15は、全ての点灯パターンの撮像画像から、それぞれ表示欠陥を検出した後、動的な表示欠陥を検出するための点灯パターンにて欠陥ありとして検出された表示画素のうち、黒点欠陥でも輝点欠陥でもないものは、動的な表示欠陥を有していると判断する。これにより、動的な表示欠陥、黒点欠陥、及び輝点欠陥の3種類の表示欠陥が区別して検出される。
なお、図7は、動的な表示欠陥の検出の後に、黒点欠陥及び輝点欠陥を順次検出する例を示しているが、各欠陥の検出順は適宜変更することができる。また、動的な表示欠陥を検出すると共に、黒点欠陥や輝点欠陥以外の欠陥を検出してもよい。さらに、上記の例では、黒点欠陥を、全表示画素を白色表示状態とする点灯パターンにて検出し、輝点欠陥を、全表示画素を白色表示状態とする点灯パターンにて検出する例を示したが、黒点欠陥や輝点欠陥の検出には、上記以外の公知の点灯パターンを用いてもよい。
〔変形例〕
上記実施形態では、動的な表示欠陥を検出するための点灯パターンと、輝点欠陥を検出するための点灯パターンと、黒点欠陥を検出するための点灯パターンとを順次表示させて欠陥の検出を行う例を示したが、これらの点灯パターンを同時に点灯させて複数種類の欠陥を平行して検出するようにしてもよい。
上記実施形態では、動的な表示欠陥を検出するための点灯パターンと、輝点欠陥を検出するための点灯パターンと、黒点欠陥を検出するための点灯パターンとを順次表示させて欠陥の検出を行う例を示したが、これらの点灯パターンを同時に点灯させて複数種類の欠陥を平行して検出するようにしてもよい。
すなわち、検査システム1では、1つの液晶表示パネルPの異なる位置に異なる点灯パターンを表示させて、各点灯パターンをそれぞれ別の撮像装置2を用いて撮像することにより、検査時間を短縮することができる。なお、撮像装置2は、ラインセンサであるから、点灯パターンも撮像装置2の撮像領域の移動に追従して移動させる必要がある。
そこで、本変形例では、上記実施形態における撮像装置2の代わりに、複数の撮像装置2を各撮像装置の撮像素子の列が互いに平行となるように固定した撮像ユニットとを使用する。
また、表示制御部11は、上記撮像ユニットに含まれる、1つの撮像装置2の撮像領域に含まれる各表示画素の輝度を第1輝度値に設定し、一定時間後に各表示画素の輝度を第1輝度値とは異なる第2輝度値に設定し、さらに上記一定時間の経過後に各表示画素の輝度値を第1輝度値に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行うと共に、上記撮像ユニットに含まれる、他の撮像装置2の各撮像領域のそれぞれについて、該撮像領域に含まれる各表示画素の輝度を上記表示装置の他の表示欠陥を検出するための輝度値に設定する。
なお、パネル走査制御部13は、パネル走査装置3を制御して、上記1周期の整数倍の時間に、1つの撮像装置の撮像領域の移動方向の幅に等しい距離だけ、各撮像領域が液晶表示パネルPの画像表示面上を移動するように、上記撮像ユニットを移動させる。
また、各撮像領域間の走査方向の距離が、液晶表示パネルPの走査方向の幅よりも広くなると、複数種類の点灯パターンを同時に撮像できなくなり、また撮像領域間の走査方向の距離が近すぎると、静的な表示欠陥が正確に検出されない。したがって、撮像ユニットにおいて、各撮像装置2は、液晶表示パネルPの走査方向の幅よりも短く、静的な表示欠陥が正確に検出される程度の間隔で配置することが好ましい。
上記構成によれば、例えば黒点欠陥を検出するための点灯パターンと、動的な表示欠陥を検出するための点灯パターンと、輝点欠陥を検出するための点灯パターンとを、互いに異なる撮像装置2にて連続して撮像することが可能になる。これにより、撮像装置2を往復走査させることなく、短時間で、黒点欠陥、輝点欠陥、及び動的な表示欠陥をそれぞれ区別して検出することが可能になる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、検査制御装置7の各ブロック、特に表示制御部11、パネル搬送制御部12、パネル走査制御部13、撮像制御部14、及び欠陥検出部15は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、検査制御装置7は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである検査制御装置7の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記検査制御装置7に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、検査制御装置7を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は、液晶表示パネル、プラズマ表示パネル、EL表示パネル、及びFED等の様々な表示装置の製造工程における点灯検査に利用可能である。
1 検査システム
2 撮像装置
3 パネル走査装置(走査装置)
4 パネル搬送装置
5 液晶駆動装置
6 バックライトユニット
7 検査制御装置(検査装置)
11 表示制御部(表示制御手段)
12 パネル搬送制御部
13 パネル走査制御部(走査制御手段)
14 撮像制御部
15 欠陥検出部(欠陥検出手段)
2 撮像装置
3 パネル走査装置(走査装置)
4 パネル搬送装置
5 液晶駆動装置
6 バックライトユニット
7 検査制御装置(検査装置)
11 表示制御部(表示制御手段)
12 パネル搬送制御部
13 パネル走査制御部(走査制御手段)
14 撮像制御部
15 欠陥検出部(欠陥検出手段)
Claims (10)
- 走査装置を制御して、直線状に配列した撮像素子を有する撮像装置と表示装置とを、上記直線状に配列した撮像素子の列と、上記表示装置の画像表示面にマトリクス状に配列した各列の表示画素とが平行となる状態で相対的に移動させて上記各表示画素を撮像して得た画像に基づいて、表示欠陥を有する表示画素を検出する検査装置であって、
上記撮像装置の撮像領域に含まれる各表示画素の輝度を第1輝度値に設定し、一定時間の経過後に各表示画素の輝度を上記第1輝度値とは異なる第2輝度値に設定し、さらに上記一定時間の経過後に各表示画素の輝度値を第1輝度値に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行う表示制御手段と、
上記1周期の整数倍の時間に、上記撮像領域の移動方向の幅に等しい距離だけ、上記撮像領域が上記画像表示面上を移動するように上記走査装置を制御する走査制御手段とを備えていることを特徴とする検査装置。 - 上記表示装置は、フレーム毎に極性を反転させて駆動する表示装置であり、
上記一定時間は、上記表示装置の1フレームの表示時間の整数倍に等しいことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。 - 上記撮像された画像中の各表示画素のうち、予め定めた上限値よりも輝度値が高い表示画素を検出すると共に、該検出した表示画素のうち、予め輝点欠陥を有すると特定された表示画素以外の表示画素を特定する欠陥検出手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の検査装置。
- 上記撮像された画像中の各表示画素のうち、予め定めた上限値よりも輝度値が高い表示画素を検出すると共に、該検出した表示画素のうち、予め輝点欠陥を有すると特定された表示画素以外の表示画素を特定することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の検査装置。
- 請求項1から4の何れか1項に記載の検査装置と、
上記撮像装置と、
上記走査装置とを備えていることを特徴とする検査システム。 - 上記撮像装置は、上記直線状に配列した撮像素子の列が、上記撮像領域の移動方向に複数列配列した時間遅延積分型のラインセンサであり、
上記撮像装置を制御して、上記1周期の整数倍の時間毎に時間遅延積分を実行させる撮像制御手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の検査システム。 - 請求項1から4の何れか1項に記載の検査装置と、
上記走査装置と、
直線状に配列した撮像素子を有する複数の撮像装置が、各撮像装置の撮像素子の列が互いに平行となるように固定された撮像ユニットとを備え、
上記走査制御手段は、上記走査装置を制御して上記撮像ユニットと上記表示装置とを相対的に移動させ、
上記表示制御手段は、1つの上記撮像装置の撮像領域に含まれる各表示画素の輝度を上記第1輝度値に設定し、一定時間の経過後に上記第2輝度値に設定し、さらに上記一定時間の経過後に各表示画素の輝度値を第1輝度値に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行うと共に、他の上記撮像装置の各撮像領域のそれぞれについて、該撮像領域に含まれる各表示画素の輝度を上記表示装置の他の表示欠陥を検出するための輝度値に設定することを特徴とする検査システム。 - 走査装置を制御して、直線状に配列した撮像素子を有する撮像装置と表示装置とを、上記直線状に配列した撮像素子の列と、上記表示装置の画像表示面にマトリクス状に配列した各列の表示画素とが平行となる状態で相対的に移動させて上記各表示画素を撮像して得た画像に基づいて、表示欠陥を有する表示画素を検出する検査装置の制御方法であって、
上記撮像装置の撮像領域に含まれる各表示画素の輝度を第1輝度値に設定し、一定時間の経過後に各表示画素の輝度を上記第1輝度値とは異なる第2輝度値に設定し、さらに上記一定時間の経過後に各表示画素の輝度値を第1輝度値に設定する処理を1周期とする制御を繰り返し行う表示制御ステップと、
上記1周期の整数倍の時間に、上記撮像領域の移動方向の幅に等しい距離だけ、上記撮像領域が上記画像表示面上を移動するように上記走査装置を制御する走査制御ステップとを含むことを特徴とする検査装置の制御方法。 - 請求項1から4の何れか1項に記載の検査装置を動作させるための検査装置制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための検査装置制御プログラム。
- 請求項9に記載の検査装置制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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