JP4963350B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、少なくともタイヤ周方向に延びる複数本の溝をトレッド部に有し、溝によって形成された複数のブロックを有する空気入りタイヤに関する。
従来、トレッド部に形成されたブロックに、細い溝であるサイプを有する空気入りタイヤが知られている。
また、近年においては、タイヤ幅方向、タイヤ周方向及びタイヤ径方向にジグザグ状に形成された3次元サイプを有する空気入りタイヤがある(例えば、特許文献1)。
特開2004−203128号公報
しかしながら、上記のような3次元サイプを有する空気入りタイヤにおいては、ブロックの表面がタイヤ幅方向に分断されているため、雪上における発進制動性を向上することはできるが、ブロックの剛性が不十分であることによって、乾燥路面上における直進安定性が不十分であるという問題があった。
そのため、乾燥路面上における直進安定性を向上させるために、上記のような3次元サイプの深さ(タイヤ径方向長さ)を浅くすることによって、ブロックの剛性を向上させることも考えられた。しかしながら、この場合、ブロックの摩耗が進行することによって3次元サイプの深さがより浅くなり、ブロックの剛性が向上しすぎてしまうため、雪上における発進制動性能を低下させるという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑み、乾燥路面上における直進安定性と、雪上における発進制動性能とを高度に両立させることができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の特徴は、少なくともタイヤ周方向に延びる複数本の溝をトレッド部に有し、溝によって形成された複数のブロックを有する空気入りタイヤにおいて、トレッド部の中央域を構成するブロックに形成されたサイプの溝幅は、トレッド部の端部域を構成するブロックに形成されたサイプの溝幅よりも厚く、中央域を構成するブロックに形成されたサイプは、少なくともタイヤ周方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向に延び、中央域を構成するブロックにおいて、タイヤ周方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向に延びる振幅をφ1とし、タイヤ周方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延びる振幅をφ2とし、タイヤ幅方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延びる振幅をφ3とした場合、下記式(I)
剛性指数F=(1+φ1)×(1+φ2)×(1+φ3)・・・(I)
によって算出される剛性指数がサイプ内でタイヤ幅方向に異なることを特徴とする空気入りタイヤであることを要旨とする。
本発明の特徴に係る空気入りタイヤによると、トレッド部の中央域を構成するブロックに形成されたサイプの溝幅が、トレッド部の端部域を構成するブロックに形成されたサイプの溝幅よりも厚いため、該溝幅が厚いサイプが溝と同様の働きを行うことができる。即ち、雪上を走行する場合において、該溝幅が厚いサイプが溝と同様に雪を踏み固め、トレッド部と路面との摩擦を増大させるため、発進制動性能を向上させることができる。
一方、トレッド部の中央域を構成するブロックに形成されたサイプの溝幅が、トレッド部の端部域を構成するブロックに形成されたサイプの溝幅よりも厚いことによって、ブロックの剛性が低下し、乾燥路面上における直進安定性が低下するが、中央域を構成するブロックに形成されたサイプが、少なくともタイヤ周方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向に延びるため、ブロックが倒れ込む際に隣り合う部分が引っ掛かることにより、ブロックの剛性を向上させ、乾燥路面上における直進安定性を向上させることができる。
また、タイヤ周方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向に延びる振幅をφ1とし、タイヤ周方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延びる振幅をφ2とし、タイヤ幅方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延びる振幅をφ3とした場合、下記式(I)
剛性指数F=(1+φ1)×(1+φ2)×(1+φ3)・・・(I)
によって算出される剛性指数がサイプ内でタイヤ幅方向に異なるため、サイプの部位毎に異なる剛性を持たせることによって、剛性を向上させながらも剛性が向上しすぎることを抑制することができることにより、雪上における発進制動性能と、乾燥路面上における直進安定性とを両立することができる。
また、剛性指数は、サイプのトレッド端部側よりもサイプのタイヤ赤道線側の方が高いことが好ましい。剛性指数が、サイプのトレッド端部側よりもサイプのタイヤ赤道線側の方が高いため、ブロックにおけるタイヤ赤道線側の剛性を更に大きくすることができ、乾燥路面上における直進安定性が低下することを抑制することができる。
また、φ1、φ2及びφ3の少なくとも1つは、サイプのトレッド端部側よりもサイプのタイヤ赤道線側の方が大きいことが好ましい。φ1、φ2及びφ3の少なくとも1つが、サイプのトレッド端部側よりもサイプのタイヤ赤道線側の方が大きいため、サイプのトレッド端部側の剛性指数よりもサイプのタイヤ赤道線側の剛性指数を高くし易くすることができる。
また、φ1は、サイプのトレッド端部側よりもサイプのタイヤ赤道線側の方が大きいことが好ましい。φ1が、サイプのトレッド端部側よりもサイプのタイヤ赤道線側の方が大きいため、サイプのトレッド端部側の剛性指数よりもサイプのタイヤ赤道線側の剛性指数を高くし易くすることができる。
また、φ1、φ2及びφ3は、サイプのトレッド端部側よりもサイプのタイヤ赤道線側の方が大きいことが好ましい。φ1、φ2及びφ3が、サイプのトレッド端部側よりもサイプのタイヤ赤道線側の方が大きいため、サイプのトレッド端部側の剛性指数よりもサイプのタイヤ赤道線側の剛性指数を高くすることができる。
本発明によれば、乾燥路面上における直進安定性と、雪上における発進制動性能とを高度に両立させることができる空気入りタイヤを提供することを課題とする。
以下において、本実施形態に係る空気入りタイヤ1に形成されたサイプ5について説明する。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部を示す図である。
空気入りタイヤ1のトレッド部には、周方向溝2と、幅方向溝3と、ブロック4とが形成されている。
周方向溝2は、タイヤ周方向(矢印S方向)に延びる溝である。
幅方向溝3は、タイヤ幅方向(矢印W方向)に延びる溝である。
ブロック4は、周方向溝2と幅方向溝3とが交差することによって区画され、サイプ5を有するブロックである。また、ブロック4は、中央域ブロック4aと、端部域ブロック4bとから構成されている。
中央域ブロック4aは、トレッド部における中央域Aに形成されたブロックである。
端部域ブロック4bは、トレッド部における端部域Bに形成されたブロックである。
中央域ブロック4aに形成されたサイプ5の溝幅は、端部域ブロック4bに形成されたサイプ5の溝幅よりも厚い。また、中央域を構成するブロックに形成されたサイプ5は、少なくともタイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向Wに延びている。以下において、上記のように、タイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向Wに延びるサイプ5を2次元サイプ5aとする。この2次元サイプ5aについては、後に詳述する。
また、同図において、端部域ブロック4bに形成されているサイプ5は、タイヤ幅方向に直線である直線状サイプ5bであるが、これに限定されるものではなく、2次元サイプ5aであってもよい。
また、本実施形態において、ブロック4は、少なくとも周方向溝2によって区画されたブロックであればよく、トレッド部に幅方向溝3が形成されていなくてもよい。
また、中央域ブロック4aに形成されているサイプ5は、少なくともタイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向Wに延びていればよく、更にタイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に、若しくは、タイヤ幅方向Wにジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延びてもよい。また、タイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向Wに延び、更に、タイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延び、更にタイヤ幅方向Wにジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延びてもよい。この形状を有するサイプ5については、後に詳述する。
図2は、本実施形態における2次元サイプ5aの拡大図である。
正確には、2次元サイプ5aは溝であり、形状を有していないため、同図が示す形状は、該2次元サイプ5aを形成するブレードの形状である。該ブレードをブロック4から外すことにより、該形状の2次元サイプ5aが形成される。
同図に示すように、2次元サイプ5aは、タイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向Wに延びるサイプ5である。
また、サイプにおけるタイヤ赤道線CL側とトレッド端部側とは、異なる剛性指数を有する。
ここで、剛性指数とは、下記式(I)
剛性指数F=(1+φ1)×(1+φ2)×(1+φ3)・・・(I)
にて算出される指数である。なお、φ1はタイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向Wに延びる振幅であり、φ2はタイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延びる振幅であり、φ3はタイヤ幅方向Wにジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延びる振幅である。
即ち、同図におけるタイヤ赤道線CL側のφ1が4mmであり、トレッド端部側のφ1が2mmである場合において、この2次元サイプ5aのタイヤ赤道線CL側の剛性指数は5となり、トレッド端部側の剛性指数は3となる。
このように、剛性指数は、サイプ5のトレッド端部側よりもサイプ5のタイヤ赤道線CL側の方が高い。サイプ5のトレッド端部側の剛性指数よりもサイプ5のタイヤ赤道線CL側の剛性指数を高くするためには、サイプ5のトレッド端部側のφ1よりもサイプ5のタイヤ赤道線CL側のφ1を大きくすることが好ましい。若しくは、φ1、φ2及びφ3の少なくとも1つを、サイプ5のトレッド端部側よりもサイプ5のタイヤ赤道線CL側を大きくすることが好ましい。更には、φ1、φ2及びφ3を、サイプ5のトレッド端部側よりもサイプ5のタイヤ赤道線CL側を大きくすることが好ましい。
(変更例1)
以下において、本実施形態における中央域ブロック4aに形成されたサイプ5の変更例について、図3を用いて説明する。
なお、この変更例は、図2に示す2次元サイプ5aの変更例であるため、この図2に示す2次元サイプ5aと重複する説明については、省略する。
図3(a)に示すように、中央域ブロック4aに形成されたサイプ5は、タイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向Wに延び、更にタイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延び、更にタイヤ幅方向Wにジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向Dに延びてもよい。以下において、上記のような形状を有するサイプ5は、3次元サイプ5cとする。
図3(b)は、図3(a)のAにおける断面図及びBにおける断面図である。
同図におけるタイヤ赤道線CL側のφ1が4mmであり、φ2が4mmであり、φ3も4mmである場合、この3次元サイプ5cのタイヤ赤道線CL側の剛性指数は、125となる。また、
トレッド端部側のφ1が2mmであり、φ2が2mmであり、φ3も2mmである場合、この3次元サイプ5cのトレッド端部側の剛性指数は、27となる。
即ち、3次元サイプ5cが形成されている場合においても、剛性指数は、3次元サイプ5cのトレッド端部側よりも3次元サイプ5cのタイヤ赤道線CL側の方が高い。
(本実施形態に係る空気入りタイヤの作用・効果)
本実施形態に係る空気入りタイヤ1によると、トレッド部の中央域Aを構成するブロック4に形成されたサイプ5の溝幅が、トレッド部の端部域Bを構成するブロック4に形成されたサイプ5の溝幅よりも厚いため、該溝幅が厚いサイプ5が溝と同様の働きを行うことができる。即ち、雪上を走行する場合において、該溝幅が厚いサイプ5が溝と同様に雪を踏み固め、トレッド部と路面との摩擦を増大させるため、発進制動性能を向上させることができる。
一方、トレッド部の中央域Aを構成するブロック4に形成されたサイプ5の溝幅が、トレッド部の端部域Bを構成するブロック4に形成されたサイプ5の溝幅よりも厚いことによって、ブロック4の剛性が低下し、乾燥路面上における直進安定性が低下するが、中央域Aを構成するブロック4に形成されたサイプ5が、少なくともタイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向Wに延びるため、ブロック4が倒れ込む際に隣り合う部分が引っ掛かることにより、ブロック4の剛性を向上させ、乾燥路面上における直進安定性を向上させることができる。
また、タイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向Wに延びる振幅をφ1とし、タイヤ周方向Sにジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向Dに延びる振幅をφ2とし、タイヤ幅方向Wにジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向Dに延びる振幅をφ3とした場合、下記式(I)
剛性指数F=(1+φ1)×(1+φ2)×(1+φ3)・・・(I)
によって算出される剛性指数がサイプ5内でタイヤ幅方向に異なるため、サイプ5の部位毎に異なる剛性を持たせることによって、剛性を向上させながらも剛性が向上しすぎることを抑制することができることにより、雪上における発進制動性能と、乾燥路面上における直進安定性とを両立することができる。
また、剛性指数が、サイプ5のトレッド端部側よりもサイプ5のタイヤ赤道線CL側の方が高いため、ブロック4におけるタイヤ赤道線CL側の剛性を更に大きくすることができ、乾燥路面上における直進安定性が低下することを抑制することができる。
また、φ1、φ2及びφ3の少なくとも1つが、サイプ5のトレッド端部側よりもサイプ5のタイヤ赤道線CL側の方が大きいため、サイプ5のトレッド端部側の剛性指数よりもサイプ5のタイヤ赤道線CL側の剛性指数を高くし易くすることができる。
また、φ1が、サイプ5のトレッド端部側よりもサイプ5のタイヤ赤道線CL側の方が大きいため、サイプ5のトレッド端部側の剛性指数よりもサイプ5のタイヤ赤道線CL側の剛性指数を高くし易くすることができる。
また、φ1、φ2及びφ3が、サイプ5のトレッド端部側よりもサイプ5のタイヤ赤道線CL側の方が大きいため、サイプ5のトレッド端部側の剛性指数よりもサイプ5のタイヤ赤道線CL側の剛性指数を高くすることができる。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1の実施例1について、以下詳細に説明する。
本発明のトレッド部を備える空気入りタイヤ(実施例1及び実施例2)を製造し、この空気入りタイヤ1をホイールに取り付けて、排気量1800ccのFF車に装着し、雪上における発進性、制動性、及び乾燥路面上における直進安定性において試験を行い、評価した。なお、比較のため、比較例1、比較例2及び比較例3を製造し、同一条件で試験を行った。
(実施例1)
本発明の空気入りタイヤであり、中央域ブロック4aには2次元サイプ5aを有し、端部域ブロック4bには直線状サイプ5bを有する。中央域ブロック4aに形成された2次元サイプ5aは、図2に示す形状であり、中央域ブロック4aに形成された2次元サイプ5aの溝幅は2.0mmであり、端部域ブロック4bに形成された直線状サイプ5bの溝幅は0.7mmであった。また、2次元サイプ5aのタイヤ赤道線CL側のφ1は4mmであるため、剛性指数は5であり、トレッド端部側のφ1は2mmであるため、剛性指数は3であった。
(実施例2)
本発明の空気入りタイヤであり、中央域ブロック4aには3次元サイプ5cを有し、端部域ブロック4bには直線状サイプ5bを有する。中央域ブロック4aに形成された3次元サイプ5cは、図3に示す形状であり、中央域ブロック4aに形成された3次元サイプ5cの溝幅は2.0mmであり、端部域ブロック4bに形成された直線状サイプ5bの溝幅は0.7mmであった。また、3次元サイプ5cのタイヤ赤道線CL側のφ1、φ2及びφ3は4mmであるため、剛性指数は125であり、トレッド端部側のφ1、φ2及びφ3は2mmであるため、剛性指数は27であった。
(比較例1)
図4(a)に示すように、中央域ブロック40a及び端部域ブロック40bは、共に直線状サイプ50(50a及び50b)を有する。また、図4(b)に示すように、中央域ブロック40aに形成された直線状サイプ50aと、端部域ブロック40bに形成された直線状サイプ50bとは、共に溝幅が0.7mmであった。また、この中央域ブロック40aに形成された直線状サイプ50aは、φ1、φ2及びφ3を有しないため、剛性指数は1であった。
(比較例2)
図5(a)に示すように、中央域ブロック40a及び端部域ブロック40bは、共に直線状サイプ50(50a及び50b)を有する。また、図5(b)に示すように、中央域ブロック40aに形成された直線状サイプ50aの溝幅は2.0mmであり、端部域ブロック40bに形成された直線状サイプ50bの溝幅は0.7mmであった。また、この中央域ブロック40aに形成された直線状サイプ50aは、φ1、φ2及びφ3を有しないため、剛性指数は1であった。
(比較例3)
図6(a)に示すように、中央域ブロック40aは3次元サイプ50cを有し、端部域ブロック40bは、直線状サイプ50bを有する。また、図6(b)に示すように、中央域ブロック40aに形成された3次元サイプ50cの溝幅は2.0mmであり、端部域ブロック40bに形成された直線状サイプ50bの溝幅は0.7mmであった。また、3次元サイプ50cのタイヤ赤道線CL側のφ1、φ2及びφ3は2mmであるため、剛性指数は27であり、トレッド端部側のφ1、φ2及びφ3も2mmであるため、剛性指数は27であった。
Figure 0004963350
また、リムのサイズは、15×6 Jであり、タイヤのサイズは、205/60R15 91Tであった。
<雪上発進性>
車輪を発進させ、速度が0km/hから25km/hになるまでの時間を測定した。なお、時間が短い程、雪上発進性に優れるということである。
<雪上制動性>
車輪にブレーキをかけ、車輪速度が25km/hから0km/hになるまでの距離を測定した。なお、距離が短い程、雪上制動性に優れるということである。
<乾燥路面上直進安定性>
プロのテストドライバーが運転し、直進走行時における車輪の安定性を10点満点で評価した。なお、数値が高い程、乾燥路面上における直進安定性に優れるということである。
得られた結果を表2に記載する。
Figure 0004963350
表2の結果より、実施例1及び2、比較例1に比べ、乾燥路面上における直進安定性については略同等であるが、雪上における発進性及び制動性(以下、雪上における発進制動性)については著しく向上していることが分かった。
また、実施例1及び2は、比較例2に比べ、雪上における発進制動性については略同等であるが、乾燥路面における直進安定性については著しく向上していることが分かった。
また、実施例1及び2は、比較例3に比べ、雪上における発進制動性については略同等であるが、乾燥路面における直進安定性については向上していることが分かった。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部を示す図である。 本発明の実施形態に係る2次元サイプの拡大図である。 本発明の実施形態に係る3次元サイプの拡大図である。 本発明の比較例1に係るトレッド部を示す図である。 本発明の比較例2に係るトレッド部を示す図である。 本発明の比較例3に係るトレッド部を示す図である。
符号の説明
1…空気入りタイヤ
2…周方向溝
3…幅方向溝
4…ブロック
4a…中央域ブロック
4b…端部域ブロック
5…サイプ
5a…2次元サイプ
5b…直線状サイプ
5c…3次元サイプ

Claims (1)

  1. 少なくともタイヤ周方向に延びる複数本の溝をトレッド部に有し、前記溝によって形成された複数のブロックを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッド部の中央域を構成するブロックに形成されたサイプの溝幅は、前記トレッド部の端部域を構成するブロックに形成されたサイプの溝幅よりも厚く、
    前記中央域を構成するブロックに形成された前記サイプは、少なくともタイヤ周方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向に延び、
    前記中央域を構成するブロックにおいて、
    タイヤ周方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向に延びる振幅をφ1とし、タイヤ周方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延びる振幅をφ2とし、タイヤ幅方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延びる振幅をφ3とした場合、下記式(I)
    剛性指数F=(1+φ1)×(1+φ2)×(1+φ3)・・・(I)
    によって算出される剛性指数が前記サイプ内でタイヤ幅方向に異なり、
    前記サイプは、
    タイヤ周方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ幅方向に延び、
    タイヤ周方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延び、
    タイヤ幅方向にジグザグ状を繰り返してタイヤ径方向に延びる
    3次元サイプであり、
    前記φ1、前記φ2及び前記φ3は、前記サイプのトレッド端部側よりも前記サイプのタイヤ赤道線側の方が大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。
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