JP4962725B2 - マルチplc・分散制御システムにおけるツール装置 - Google Patents

マルチplc・分散制御システムにおけるツール装置 Download PDF

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Description

この発明は、プログラマブル・コントローラ(以下、「PLC」と言う)におけるツール装置に係り、特に、分散配置される複数の被制御システムのそれぞれが、自システムの状態のみならず、他システムの状態までをも考慮することにより、互いに有機的に結合されて制御可能とされたマルチPLC・分散制御システムに適用されるツール装置に関する。
例えば、安全制御の分野においては、分散配置される複数の被制御システムのそれぞれが、自システムの状態のみならず、他システムの状態までをも考慮することにより、互いに有機的に結合されて制御可能とされたマルチPLC・分散制御システムが従来より知られている。
今仮に、非常停止スイッチからのシステム停止信号が入力される1台の入力デバイス(リモートINユニット等で構成される)と、それぞれ論理演算機能を有すると共に被制御システムA,Bの停止動作を制御する2台の制御デバイス(第1の安全PLC、第2の安全PLC)と、被制御システムCの停止動作を制御する1台の出力デバイス(リモートOUTユニット等で構成される)とをネットワークで結んでなるマルチPLC・分散制御システムを想定する。
入力デバイスは非常停止スイッチからシステム停止信号が入力されると、このシステム停止信号をネットワークを介して第1の安全PLCへと受け渡す。
第1の安全PLCは、入力デバイスから受け取ったシステム停止信号に対して所定の論理演算を行うことにより独自のシステム停止信号を生成し、このシステム停止信号を自己が直接に統括する被制御システムAに与えてこれを例えば全停止させ、同時にこのシステム停止信号をネットワークを介して第2の安全PLCへと受け渡す。
第2の安全PLCは、第1の安全PLCから受け取ったシステム停止信号に対して所定の論理演算を行うことにより独自のシステム停止信号を生成し、このシステム停止信号を自己が直接に統括する被制御システムBに与えてこれを例えば部分停止させ、同時にこのシステム停止信号をネットワークを介して出力デバイスへと受け渡す。
出力デバイスは、第2の安全PLCから受け取ったシステム停止信号に基づいて、自己が統括する被制御システムCを全停止させる。
上述のマルチPLC・分散制御システムによれば、非常停止スイッチから生成されるシステム停止信号を個々の安全PLCが、そのときどきの状況に応じて処理して独自のシステム停止信号を生成するため、単一の非常停止スイッチであっても、各安全PLCが統括する被制御システム毎に最適な停止制御が可能となる。
ところで、一般に、PLCの制御プログラムのデバッグ等のためには、当該PLCの入力メモリ、出力メモリ、プログラムメモリ等々の内容を該当するメモリから読み出すと共に、こうして読み出されたメモリの内容に基づいて復元された回路図(ラダー図、ロジックシンボル図等々)を画面に表示するようにしたツール装置(通常、パソコンに所定のツールソフトを組み込んで構成される)が従来より知られている(特許文献1参照)。
特開平09−330250号公報
上述のマルチPLC・制御システムにあっては、個々の安全PLCの制御プログラムの動作は、自己の安全PLCが統括する被制御システム内の入力機器の状態のみならず、他の安全PLCから到来する入力信号の内容によっても変化するため、特定の安全PLCの制御プログラムをデバッグ等するためには、単に、その安全PLCの制御プログラムのみを回路図表示させるのみならず、関連する他の安全PLCの制御プログラムについても、回路図表示させてモニタすることが好ましい。
しかしながら、従来のツール装置における回路図表示は、特定された1台のPLCに関しては行うことができるものの、複数のPLCについて同時に行うことはできないものであったため、分散制御システム全体の制御プログラムの動作をモニタするためには、個々の制御プログラム毎に回路図表示を繰り返さなければならず、使い勝手が悪いという問題点があった。
加えて、仮に、各PLCの回路図表示を記憶させて同時に一括表示するようにしたとしても、個々の回路図表示は分離独立したものであるから、相隣接するPLC間で同一の信号に相当する一対の出力信号と入力信号とは異なるシンボルとして表示されるため、それらの相関を正しく認識することはなかなか容易なことではないと言う問題点もあった。
この発明は、従来のツール装置における上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、上述のマルチPLC・分散制御システムにおいて、複数のPLCに組み込まれる制御プログラム全体の動作を容易に把握することが可能なツール装置を提供することにある。
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上述の技術的な課題は、以下の構成を有するツール装置により解決することができると考えられる。
すなわち、この発明のツール装置は、マルチPLC・分散制御システムの存在を前提とするものである。このマルチPLC・分散制御システムは、複数のデバイスをネットワークで結んでなるものであり、それらのデバイスの少なくとも2以上はPLCであり、かつそれらのPLCのそれぞれには、そのPLCによる直接の制御対象となる被制御対象システムが割り当てられている。すなわち、このマルチPLC・分散制御システムにおいて、入力デバイスや出力デバイスの有無は任意である。
デバイスを構成する各PLCのそれぞれには、入力メモリと出力メモリとプログラムメモリとが設けられる。ここで「メモリ」とあるのは、別個のメモリ素子でもよいし、特定のメモリの一領域であってもよい。
入力メモリには、そのPLCに割り当てられた被制御対象システムに含まれる入力機器から出力される信号、および/または、ネットワークを介して接続される他のデバイスから自機に宛てて出力される信号が入力信号としてデバイス情報と関連づけて格納される。
出力メモリには、そのPLCに割り当てられた被制御対象システムに含まれる出力機器へと出力されるべき信号、および/または、ネットワークを介して接続される他のデバイスに宛てて出力されるべき信号が出力信号としてデバイス情報と関連づけて格納される。
プログラムメモリには、入力メモリに格納される入力信号と出力メモリに格納される出力信号との相関を定義する制御プログラムが格納される。
デバイスを構成する入力デバイス(入力デバイスが存在するシステムの場合)には、その入力デバイスに割り当てられた入力機器から出力される信号が入力信号としてデバイス情報と関連づけて格納される。
デバイスを構成する出力デバイス(出力デバイスが存在するシステムの場合)には、その出力デバイスに割り当てられた出力機器へと出力されるべき信号が出力信号としてデバイス情報と関連づけて格納される。
それにより、分散配置される複数の被制御システムのそれぞれが、自システムの状態のみならず、他システムの状態までをも考慮することにより、互いに有機的に結合されて制御可能とされる。
以上のマルチPLC・分散制御システムを前提として、本発明のツール装置は、各デバイスのそれぞれから取得された入力メモリ、および/または、出力メモリの内容に基づいて、異なるデバイス間で同一の信号に相当する一対の入力信号と出力信号とをそれぞれの信号に付されたデバイス情報に基づいて抽出し、それら一対の入力信号と出力信号との間に紐付け処理を行う紐付け処理手段と、各デバイスのそれぞれから取得された入力メモリ、出力メモリ、および/または、プログラムメモリの内容、及び紐付け結果に基づいて、所定の表示装置の画面上に、各PLCに組み込まれた制御プログラムから復元されたロジックシンボル図を一括してかつ同一の信号に相当する一対の入力信号と出力信号については結線状態で一連に表示する回路図表示手段とを具備する。
このような構成によれば、各デバイスのそれぞれから取得された入力メモリ、出力メモリ、および/または、プログラムメモリの内容、及び紐付け結果に基づいて、所定の表示装置の画面上に、各PLCに組み込まれた制御プログラムから復元されたロジックシンボル図を一括してかつ同一の信号に相当する一対の入力信号と出力信号については、例えば一本の線で結んだ状態で一連に表示することができるから、マルチPLC・分散制御システムを構成する複数のPLCの制御プログラムの全部を画面上において同時に観察することができると共に、そのロジックシンボル図において、異なるPLC間で同一の信号に相当する出力信号と入力信号とは、結線状態として表示されるため、関連する一連の信号の繋がり関係については視覚を通じて直感的に把握することができ、これにより複数のPLCに組み込まれる制御プログラム全体の動作を容易に把握することが可能となる。
なお、上述の発明を安全制御の分野に適用すれば、前記PLCは安全PLCであると共に、前記入力機器は、非常停止スイッチ、ドアスイッチ、リミットスイッチ等の安全入力機器であり、かつ前記出力機器は、セーフティリレー、セーフティコンタクタ等の安全出力機器となる。殊に、安全PLCの制御プログラムは、ロジックシンボル図として表されることが多いので、本発明にとっては好適なものとなるであろう。
本発明によれば、マルチPLC・分散制御システムにおいて、複数のPLCに組み込まれる制御プログラム全体の動作を容易に把握することが可能なツール装置を提供することができるから、PLC毎の個別のデバッグ作業は言わずもがな、システム全系を通した連接調整時のデバッグ作業にも有効であり、システム運用開始に至る作業時間の大幅な短縮が可能となる。さらに、安全制御システムにおいては、複数機(安全PLC)に跨る連接処理を表す回路図が容易に作成できるため、安全基準認証取得作業に費やす作業コストを大幅に削減できる。
以下に、本発明の好適な実施の一形態を添付図面に従って詳細に説明する。複数の制御システムをバス型ネットワークを介して連接させたマルチPLC・分散制御システムの概略図が図1に示されている。
図1に示された分散制御システムは、分散制御システムの基幹を構成するバス型ネットワーク4と、このネットワーク4上に接続された複数のデバイス(入力デバイス2、PLC1a、PLC1b、出力デバイス3)とから構築されており、それぞれのデバイスには、図略する、複数の制御用の入出力機器が端子接続されている。
ここで、入力デバイス2としては、入力ターミナルやリモートI/Oターミナル等がこれに相当する。また、出力デバイス3としては、出力ターミナルやリモートI/Oターミナル等がこれに相当する。さらに、制御用の入力機器としては、例えば非常停止スイッチ、ドアスイッチ、リミットスイッチ等の安全入力機器がこれに相当すると共に、出力機器としては、セーフティリレー、コンタクタ等の安全出力機器がこれに相当する。
図1において、分散制御システムを構成する個々の制御システムとしては、例えば、制御システムAは剪断加工処理を行う製造機器、制御システムBは回転駆動による可動アームを2列に備えた組立ライン、制御システムCは回転駆動による可動アームを備えた梱包ライン等を想定することができる。
そして、このような制御システムを上述した各種入出力機器で停止制御しているものであり、各種入力機器からの検知信号に基づいて所定の論理演算処理を施し、処理された演算結果を各種出力機器に対する所定の制御出力として送出するのがPLC1a、PLC1bである。
分散制御システムが採用する制御手順を示す一例として、非常停止スイッチが押下された場合を想定する。非常停止スイッチの押下によるシステム停止信号は、このスイッチと配線接続された入力端子を備える入力デバイス2経由でネットワーク4上に送出される。PLC1aは、ネットワーク上に送出されたシステム停止信号を検知し、所定の論理演算処理を施した上で自身が管理制御している制御システムAに対して停止信号を出力する。具体的には、剪断加工を行う製造機器の電源ラインに挿入されたコンタクタを引き離す為の「切断」信号を、PLC1aが備える出力端子に配線接続された出力機器(セーフティリレー等)に対して出力する。
同様に、PLC1bはネットワーク4上のシステム停止信号を検知し、この信号に所定の演算処理を施した上で、ネットワーク4上に接続された出力デバイス3宛に、回転駆動による可動アームを備える制御システムCの停止信号を送信すると共に、自身の備える出力端子に配線接続された出力機器(セーフティリレー等)に対して「制御システムB部分停止」信号を出力する。この「部分停止信号」とは、例えば、2列の回転駆動による可動アームに対して「動力切断」を実行し、制御システムAで剪断加工された部品が搬送されるコンベアの動力は通電した状態で維持するように制御された信号である。すなわち、制御システムBの組立ラインに作業員が立ち入った際に危険要因となる可動アームは停止させ、一定量の組立部品を流しきった後にカラ状態となった搬送用コンベアはカラ状態のまま作動している。
PLC1bで生成された「制御システムC停止信号」は、ネットワーク4を経由して出力デバイス3が備える出力端子と配線接続された出力機器(セーフティリレー等)に出力され、制御システムCを構成する製造機器(可動アーム、コンベア等)を全停止させる。
このように、複数の分散された制御システム(しかも各システムに要求される運用制御形態は異なる)が一定の作業環境に従って、全体(分散制御システム全体)として統一的な制御動作を実行する場合に本発明は効果的なものであり、さらに上述した停止例で謂えば、システム停止から運用復帰する際に他の制御システムの動作状態を関連付けている場合、一例として、制御システムCの再起動条件として「制御システムAが停止状態」であることが要求されるような制御処理に効果的である。
図1におけるPLC(1a,1b)の代表的な内部構成図が図3に、PLC内部における演算制御プログラムと、入出力メモリに設けられた所定の記憶領域との関係を表す説明図が図8に示されている。
図3に示された汎用PLCの代表的な内部構成要素としては、ネットワーク4上に接続されたシステム設定支援ツール装置10や他のデバイス(PLC、リモートI/Oターミナル、セーフティPLC、セーフティターミナル等)とのデータ通信を司る通信I/F部20と、PLC全体を統括・制御する中央演算部21と、外部入出力機器(例えば、非常停止スイッチやリミットスイッチ、再起動スイッチ、リレー、コンタクタ等)との配線接続を行うための入出力端子部(22a,22b)とを挙げることができる。これらの構成要素は、PLCの内部バス23によって互いに結ばれている。
このように、分散制御システムに使用されるPLCは、自己が備える入力端子部22a又は通信I/F部20を介することにより、入力機器が検知した検知信号やネットワークに設けられた他PLCからの演算出力を受け、これら入力された信号情報に対して所定の論理演算処理を施し、自己が備える出力端子部22b又はネットワーク4に接続された他デバイス(リレーやコンタクタ等が配線接続される出力端子を備える)に対して所定の制御出力として演算結果を出力する。これらの演算処理は、中央演算部21に設けられたワークRAM21aと入出力メモリ21bとプログラムメモリ21cと図略するMPU等により実行処理されることは当業者にとって良く知られているものである。
各メモリに格納された情報と演算処理との関係を示す説明図が図8に示されている。上述のように、入出力メモリ(図3、21b)が備えるメモリ領域は入力データ、出力データに合わせてアドレス割り付けが為されているのが一般的であり、図8においては、入力メモリエリア(21b−1)に演算用の入力信号、出力メモリエリア(21b−2)に演算結果の出力信号が格納されるように割り付けが為されている。
各メモリエリア(21b−1,21b−2)は経由されるデバイス毎に一定のメモリ領域に分割され、図8に示された説明図においては、それぞれ「入力デバイス1」、「入力デバイス2」、「出力デバイス1」、「出力デバイス2」に対応する領域が例示されている。それらの領域は、例えば自己が備える端子部(図3、22a,22b)や、ネットワーク上の他デバイス(図1、入力デバイス2、出力デバイス3、PLC1a等)に対応するものである。尚、図中の「プログラム演算部」とはプログラムメモリ(図3、21c)に格納された制御プログラムの演算処理を表すものである。
図1に示されるマルチPLC・分散制御システムに接続可能なシステム設定ツール装置10の代表的なハードウェア構成が図2に示されている。ツール装置10は、この例にあっては、汎用ノート型パソコンが標準的に備える内部構成を前提として、これに所定のツールソフトを組み込むことで構成されている。
すなわち、システム設定ツール装置10は、ツール装置全体を統括制御するCPU11と、マウスやキーボード等を含む入力操作部12と、ツール装置が備える画像表示器(スクリーン13a)等を含む画像表示部13と、操作入力処理や所定の内部演算処理、表示画面に対する画像処理等に使用されるワーキングメモリ(RAM)14と、外部機器(図1において、ネットワーク4上に接続されるPLC(1a,1b)、入力デバイス、出力デバイス等を含む)との通信インターフェースを司る通信部16と、HDD等で構成される記憶装置15とが含まれており、これらはツール装置の内部バス17で結ばれている。
さらに、記憶装置15の所定の記憶領域には、プログラム情報連結アプリケーション150が記憶・格納用に割り当てられており、この記憶領域にはさらに、後述する紐付けテーブル生成プログラム150aと、プログラム連結表示に必要なシステム設定情報を格納したシステム設定用テーブル150bと、プログラム統合表示プログラム150cとが格納されている。
尚、図2に示された構成例において、システム設定用テーブル150bには、プログラム連結表示に必要なシステム設定情報(例えば、PLCに組み込まれる制御プログラム情報、分散制御システムを構成する各種デバイス(PLC、入力デバイス、出力デバイス等)の識別情報、通信パラメータ設定情報等)が含まれており、本発明のプログラム情報連結アプリケーションの実行と共に、ワーキングメモリ(RAM)14上に一時的に展開・格納され、各実行プログラム(紐付けテーブル生成プログラム、プログラム統合表示プログラム)の演算処理においては適宜、必要な情報が所定の記憶領域から読み出され、プログラム処理に供されるものである。
次に、本発明の実施形態におけるプログラム情報連結処理の詳細フローを図4〜図7に示されたフローチャートに従って詳細に説明する。図4〜6には、プログラム連結表示アプリケーションの紐付けテーブル生成処理を示すフローチャートが示されており、システム設定ツール装置10の電源を投入すると、PC上の所定のイニシャル処理が行われ、ユーザアプリケーションの起動を待つアイドル状態となる。この起動入力の待ち状態でプログラム情報連結アプリケーションを起動した状態が、図4における「開始」の状態である。
プログラム情報連結アプリケーション150を起動すると、先ず紐付けテーブル生成プログラムが起動・実行され、プログラム情報連結アプリケーション150の実行と共に、記憶装置15の所定の記憶領域から読み出されて展開・格納されたワーキングメモリ上のテーブル情報に対して、デバイス設定データの取得を実行する(ステップ101〜103)。
ここで、記憶装置15の所定の記憶領域に格納され、プログラム情報連結アプリケーション150の実行と共にワーキングメモリ(RAM)14上に展開されたシステム設定用テーブルのデータ構造が図9に示されている。
同図に示されるように、このシステム設定用テーブルのデータ構造は、「システム共通設定データ」と「各デバイス設定情報」とから構成されるものである。ここで、「システム共通設定データ」とは、分散制御システムとしての共通設定事項であり、例えば、制御処理に要する実行周期(サイクルタイム)の設定値やネットワーク上の通信データに対する優先度や特定プログラムに対する上書き禁止(メモリプロテクト)情報やパスワード設定等を含み、対象となるシステムを制御運用及び管理するために必要な上位情報を含むものである。
また、「各デバイス設定情報」とは、マルチCPU・分散制御システムを構成する各デバイス毎に定められ付与される識別情報であり、例えば通信ノードアドレスや識別ID等が特定されれば一意的に定まる情報(デバイス情報)と、制御バス上の通信設定データ(通信データ長(ワードデータ、bitデータ)、通信手順等)や該当するデバイスがPLCの場合には、このPLCで実行されるプログラムデータ(その他デバイス設定データ)が含まれる。
図9において、左側のデータブロックはシステム共通データとこの分散制御システム上に存在する複数のデバイス設定情報とを表示すものであり、さらに、該当するデバイスがPLCであった場合についての具体例とPLC以外の具体例が右側のデータブロックに表示されている。PLC以外のデバイス(図中“デバイスN設定情報”に対応)については、“デバイス情報”と“その他デバイス設定データ”から「デバイス設定情報」が構成されることは先述した通りであり、PLCの場合には、“プログラムデータ”が付加される。尚、この図例にあっては、左側の「各デバイス設定情報」は、例えば、“デバイス情報(識別コード)”順に整列されるものであっても良いし、識別コード以外に通信ノードアドレス順に配列されたものであっても良い。
図9において、該当するデバイスがPLCであった場合には、“プログラムデータ”が付加されることは先述した通りであるが、この“プログラムデータ”はさらに、“入力メモリ情報”と、“プログラムコード”と、“出力メモリ情報”とから構成され、この詳細なデータブロックが図10に示されている。
図10に示されたPLCに対するデバイス設定情報300においては、デバイス情報(識別コード)301が図9右側のデータブロックに表示された“デバイス情報(識別コード)”であり、デバイス設定情報302が同図“その他デバイス設定データ”に対応するものであり、通信設定データ等が含まれる。そして、PLCデータ303が図9右側のデータブロックに表示された“プログラムデータ”に対応するものであり、入力メモリ情報304が同図“入力メモリ情報”、プログラム実行コード305が同図“プログラムコード”、出力メモリ情報306が同図“出力メモリ情報”に対応する。
同図において、入力メモリ情報はさらに、格納された入力信号と、この入力信号がシステム上のどのデバイスに起因するものなのかを識別するデバイス情報(304a,304b)とが対応付けられて格納された構成を備えるものであり、同様に出力メモリ情報も、演算結果として出力する出力信号と、システム上のどのデバイスへ出力するかを識別するデバイス情報(306a,306b)とが対応付けられて格納された構成を備えている。
すなわち、システム設定ツール装置が備えるシステム設定用テーブルデータはこのように、図8に示されたPLCの内部I/Oメモリ領域の入出力信号構造を反映させたものであり、各入力信号に対する送受信デバイス情報とをさらに組み合わせたものであるから、このようなデータ保持構造をシステム設定用テーブルデータの構造として持たせることにより、PLCの演算処理に係る入出力対象が明確となり、後述するPLC間の紐付け情報の抽出が容易になるのである。
図4に示されたプログラム情報連結アプリケーションの紐付けテーブル生成処理を示すフローチャート(その1)に戻り、上述したデータ構造を有するシステム設定用テーブルデータに対して当該分散処理システムを構成する全デバイスデータについて情報取得が終了したら、図5に示されたプログラム情報連結アプリケーションの紐付けテーブル生成処理を示すフローチャート(その2)に移り、図4で取得したデバイス情報に基づき継続して紐付けテーブルの生成処理を実行する。
すなわち、プログラムデータが含まれるデバイス設定情報を備えたデバイスに対して、プログラムデータを構成する入力メモリ情報(図10、304)に含まれるデバイス情報を解析(ステップ104)するのである。既に図4に示されたフローチャートに従って、対象となる分散制御システムがどの様な入出力デバイス(例えば、PLC、入力ターミナル、出力ターミナル、セーフティリモートI/O等)を備えているかが判明しているので、この情報に基づいて、プログラムデータを構成している入力メモリ情報とに関連付けられたデバイス情報との比較判定(ステップ105)を実行するのである。
この比較判定は、各デバイス毎に割り当てられた識別情報に基づくものであってもよいし、実行中の紐付けテーブル生成プログラム150aが内部処理用に割り当てた識別情報に基づくものであってもよい。プログラムデータに含まれた入力メモリ情報に格納される入力信号がどのデバイスに起因するものなのかが明確に確認できる処理形態であればよいと思われる。
そして、この入力信号と関連付けたデバイス情報が、分散制御システムを構成する他のPLCに割り当てられた識別情報と一致した場合(ステップ105、分岐YES)には、該当する(識別情報が一致した)PLCのデバイス設定情報を検索し、同デバイス設定情報に含まれたプログラムコード内の出力メモリ情報と関連付けられた出力デバイス情報(図10、306a,306b)を取得(ステップ106)する。そして、該当するPLC間、すなわち一方はPLC出力信号として、他方はPLC入力信号としてネットワーク上に送受される信号同士を突き合わせ、単一信号レベルでの紐付け処理を実行する(ステップ107)。
この紐付け処理の実行に際しては、既に、システム設定ツール装置のワーキングメモリ14上に展開格納した所定のメモリ領域に記憶されたデバイス設定情報に基づいて実行されるものであり、異なるデバイス情報(識別コード)が割り当てられたPLCの出力メモリ情報と入力メモリ情報に含まれるデバイス情報が一致する入力信号と出力信号とを抽出し、関係付けることで、分散制御システム上に存在する、異なる識別情報を有するPLC間の入出力信号の突き合わせが実施される。この紐付け処理を説明するためのPLC間のデータ構造が図11に示されている。
図11に示された紐付け処理を説明するためのPLC間のデータ構造例は、図1に示される、バス型ネットワーク4を基幹とする分散制御システムの概略図に対応させたシステム設定用データテーブル(図9)例であり、このデータテーブルに格納された各デバイス設定情報を既に並記したものである。
図中、左側から順に、入力デバイス2に対応するデバイス設定情報(2−300)、制御システムAの演算制御を司るPLC1aに対応するデバイス設定情報(1a−300)、制御システムBの演算制御を司るPLC1bに対応するデバイス設定情報(1b−300)、ネットワーク経由で受信した制御信号を制御システムCへ出力する出力デバイス3に対応するデバイス設定情報(3−300)を示している。
尚、各デバイス設定情報(2−300,1a−300,1b−300,3−300)において、デバイス情報表示には説明上、識別しやすいようにデバイス名(入力デバイス、PLC1、PLC2、出力デバイス)を用いているが、先述したように一意的に特定できるものであれば識別IDや通信ノードアドレスによる標記でもよい。
図4〜図6に示されたフローチャートにおける紐付けテーブルの生成処理は、図11の説明図において、破線で囲まれたメモリ情報400の入出力信号に係る対応付けを行うものであり、すなわち、異なる識別ID(デバイス情報)を有するPLC(1a,1b)において、入力メモリ情報(1b−30)に含まれるデバイス情報(PLC1)から該当するPLC1の出力メモリ情報(1a−306)を取得し、この入力メモリ情報(1b−30)と出力メモリ情報(1a−306)との紐付け処理を実行するものである。
これらの処理が図5に示されたフローチャートのステップ104〜ステップ107に示されている。尚、ステップ105の処理において、入力メモリ情報に含まれるデバイス情報が他のPLCに該当しない場合には(分岐、NO)、ステップ106〜ステップ107bの処理はスキップされる。
対象となる分散制御システムが備える全てのPLCに対して、各PLCのプログラムデータに含まれる入力メモリ情報の解析が終了したならば(ステップ108、分岐YES)、図6に示されたフローチャートに移り、継続して解析処理を実行する。一方、未だPLCのプログラムデータに含まれる入力メモリ情報の解析が済んでいない場合には(ステップ108、分岐NO)、ステップ104に戻り、先述したPLC間の入出力メモリ情報の紐付け処理を実行する。
図6に示されたフローチャートは、図5で実行した紐付け処理を今度は、出力メモリ情報に含まれるデバイス情報に基づいて実行するものである。このような、入力メモリ情報に含まれるデバイス情報と、出力メモリ情報に含まれるデバイス情報とからの、2重の処理構成を持たせることにより、生成された紐付けテーブルの情報確度は一層高いものとなり、入力メモリ情報に基づいて作成された紐付け情報を今度は、対応する出力メモリ情報側からチェックできるという利点がある。
出力メモリ情報に含まれるデバイス情報による紐付け処理も入力メモリ情報と同様の紐付け処理が行われ、図11に示された紐付け処理を説明するためのPLC間のデータ構造例に基づいて詳述すると、PLC1(1a)の出力メモリ情報(1a−306)に含まれるデバイス情報を解析(図11では“PLC2”が該当)し、このデバイス情報が自己以外のPLCを示すデバイスであれば(図6、フローチャート、ステップ110、分岐YES)、該当するPLC2(1b)の入力メモリ情報(1b−30)を取得(図6、ステップ111)する。
ここで、既に当該PLC間の入力メモリ情報と出力メモリ情報との紐付け処理が施されている場合には(図6、ステップ112分岐YES)、ステップ113をスキップする。未だ紐付け処理が施されていない場合には(図6、ステップ112分岐NO)、出力メモリ情報(1a−306)に含まれるデバイス情報(“PLC2”が該当)から他PLCの入力メモリ情報(1b−30)との紐付け処理(図6、ステップ113)を実行する。図6のステップ110でデバイス情報がPLCを示すものでない場合(分岐NO)には、ステップ111〜113の処理をスキップする。
尚、図11に示された入力メモリ情報と出力メモリ情報とに割り当てられた“100,・・・,100+N”及び“300,・・・,300+N”は入出力信号が格納されるメモリアドレスを示すものであり、“100”及び“300”が格納された先頭アドレスを表すものであり、各々説明の為のアドレス番号である。
図6に示されたフローチャートに戻り、対象となる分散制御システムが備える全てのPLCに対して、各プログラムデータに含まれる出力メモリ情報について紐付け処理が終了したならば(ステップ114、分岐YES)、紐付け処理は終了する。一方、未だPLCのプログラムデータに含まれる出力メモリ情報の解析が済んでいない場合には(ステップ114、分岐NO)、ステップ109に戻り、既に説明した該当するPLC間の入力メモリ情報と出力メモリ情報との紐付け処理を実行する。
以上の紐付けテーブル生成処理で作成された紐付けテーブルの一例が図12に示されている。図に示されたテーブル情報から解る通り、側には出力側(送信元)のデバイス情報(“PLC1”は、一意的に特定できる識別情報を表す)と、その信号出力に割り付けされたアドレス番号が、側には入力側(受信先)のデバイス情報(“PLC2”は、一意的に特定できる識別情報を表す)と、信号入力に割り付けされたアドレス番号が格納されている。
このように、送信側のPLC(デバイス情報)の識別情報と信号出力が行われるアドレス情報と、受信側のPLC(デバイス情報)の識別情報と信号入力が行われるアドレス情報とを、一対一に対応付けた紐付けテーブル情報を持たせることにより、PLCに組み込まれる制御プログラムの入出力関係が明確になるのである。そして、この入出力処理が明確になるため、特に複数の制御システムを連接して形成される分散制御システムにおいては、PLC相互間の演算情報(PLC1の演算出力がPLC2の演算入力に合致)を反映させたテーブル情報となり、例えば、特定の入力信号に基づいた階層的な信号手順であっても、容易に加工先(PLC演算処理)の特定を行うことができるものである。
さらに、このように紐付け処理したテーブル情報を生成した後に、一旦、記憶してしまえば、このテーブル情報を可搬型の記憶媒体やネットワークバスを介することにより、後述するプログラム連結表示プログラムを備えたPC等(画像表示が可能なPDA等のハンディターミナルを含む)にダウンロードが可能であり、例えば、分散システムの連接調整時において、調整に使用しているPCが備えるスクリーン上にシステム全体のロジック回路図として表示することが可能となるのである。
次に、プログラム情報連結アプリケーションのプログラム統合表示処理について、図7に示されたフローチャート、及び図13〜図14に示されたプログラム統合表示処理による結線図の作成を表す説明図を用いて説明する。なお、この説明においては、紐付けテーブル生成処理後の手順として説明を行うが、先述したように紐付けテーブル情報は所定の媒体経由で提供が可能である。
図7には、プログラム情報連結アプリケーションのプログラム統合表示処理に係るフローチャートが示されており、図6に示されたフローチャートの「処理終了」のフラグを起因として、システム設定ツール装置の記憶装置15に格納されたプログラム統合表示プログラム150c(図2)が起動された状態が図7における「処理開始」の状態である。
このプログラム統合表示プログラムの実行と共に、既にプログラム情報連結アプリケーション150の起動と共に記憶装置15の所定の記憶領域から読み出されて展開・格納されたワーキングメモリ14上のテーブル情報(システム設定用テーブルデータ)のデバイス情報検索を実行し、該当するデバイス情報(PLC1,2)を識別する。そして、このPLCが備えるプログラムデータからシステム設定ツール装置のスクリーン13a(表示画面)上に描画表示するためのロジック回路図データを復元(ステップ202〜204)する。
ロジック回路図へのデータ復元は、ワーキングメモリ14上に展開・格納したプログラムデータに基づくものであり、例えば、該当するPLCが備えるプログラムデータに含まれるプログラム実行コード305(図10)を読み出すことで実行される。すなわち、プログラム実行コードのシンボル表示に必要な情報は、既に展開・格納したテーブル情報に含まれているため、この所定のプログラム実行コードに合致するシンボル情報を、テーブル情報から読み出して対応付けさせる。この対応付けされたシンボル表示情報は、ワーキングメモリ14上の所定の記憶領域に復元データ情報として記憶・保持する。
同様に、ステップ203〜204で処理される入力情報及び出力情報の復元は、プログラム実行コード情報に基づいて行われるものであり、例えば、この実行コードに含まれるオペランド等で対応付けされた入力情報(図10、“入力信号1,・・・,入力信号N”)と、出力情報(図10、“出力信号1,・・・,出力信号N”)とを、該当するPLCに対応した入力メモリ情報及び出力メモリ情報とから読み出すことで実行される。読み出された入力情報及び出力情報は、ワーキングメモリ14上に所定の記憶領域に復元データ情報として記憶・保持される。
図7に示されたフローチャートに戻り、以上の処理を、対象となる分散制御システムが備える全てのPLCに対して実行(ステップ201〜ステップ205)する。このプログラム統合表示処理による結線図の作成の様子が図13〜図14に示されており、各PLCに組み込まれたシンボル標記による回路図が例示されている。
図13に示された、プログラム統合表示処理による結線図の作成を示す説明図は、図1に示された、バス型ネットワーク4上に形成された分散制御システムの概略図に対応させた説明図である。同図(a)は制御システムAの制御を統括するPLC(図1、1a)に組み込まれる制御プログラムの回路図であり、この制御プログラムAの演算に処される入力信号は、非常停止信号(制御バス4上に接続された入力デバイス2経由で検知した非常停止信号)であり、この非常停止信号は所定の2重化処置(非常停止信号A、非常停止信号B)が施されたものである。そして、この非常停止信号入力を受け、PLC1(図1、1a)は、自己が統括制御するシステムAに対して全停止信号(システムA全停止信号1、システムA全停止信号2)を出力する。ここで、“システムA全停止信号1”は、自己(PLC1)が備える出力端子経由で制御システムAの動力を切断する。同時に、“システムA全停止信号2”は、制御システムB及び制御システムCの制御を統括するPLC2(図1、1b)宛に、各システム停止起動を与えるための信号として制御バス(図1、4)上に送出される。
同図(b)は制御システムB及び制御システムCの制御を統括するPLC(図1、1b)に組み込まれる制御プログラムの回路図であり、この制御プログラムB(2)の演算に処される入力信号は、2重化処置が施された非常停止信号(制御バス4上に接続された入力デバイス2経由で検知した非常停止信号)であり、この非常停止信号入力を受け、PLC2(図1、1b)は、自己が統括制御するシステムBに対しては部分停止信号(システムB部分停止信号)を出力し、システムCに対しては全停止信号(システムC全停止信号)を出力する。ここで、“システムB部分停止信号”は、自己(PLC2)が備える出力端子経由で制御システムBが備える回転駆動式の可動アームを備えた製造機器の動力を切断する。同時に、“システムC全停止信号”は、出力デバイス(図1、3)宛に、システムCの全停止信号として制御バス(図1、4)上に送出される。
さらに、PLC2(図1、1b)は、制御バス(図1、4)上に送出された、PLC1(図1、1a)に起因する“システムA全停止信号”入力と、自己(PLC2)が備える入力端子経由で配線接続された“システムB再起動信号”入力とから、制御プログラムB(1)の演算処理により、システムCの異常回復後の正常運用に復帰させるための“システムC再起動許可信号”を生成し、制御バス(図1、4)上の出力デバイス(図1、3)宛に送出する。
以上のような論理回路構成を備えた制御プログラム(A,B(1),B(2))毎に、対応するプログラムデータに含まれるプログラム実行コードと入力メモリ情報と出力メモリ情報とから、システム設定ツール装置のスクリーン13a(表示画面)上に回路図表示を行うための処理が、図7におけるステップ201〜ステップ205の処理である。
図7に示されたフローチャートに戻り、対象となる分散制御システムが備える全てのPLCに対してプログラムデータの取得が終了したら、図4〜図6に示されたフローチャートの処理で生成された紐付けテーブル(図12参照)に基づいて、各PLCが備える独立した制御プログラム(図13、A,B(1),B(2))の演算入出力を結合させ、一枚の結線図として表示するための処理(ステップ207〜208)を実行する。
すなわち、図13に示された説明図において、制御プログラムAの演算結果である“システムA全停止信号2”との出力信号(図13、(a))と、制御プログラムB(1)の演算入力である“システムA全停止信号”との入力信号(図13、(b))とを、連結させて一枚の結線図(処理回路図)が作成されるのである。この連結表示結果が図14に示されており、図中2重線枠で囲まれた“システムA全停止信号”が異なる識別IDを持ったPLC間で紐付けされた入出力信号である。
以上の処理は、システム設定ツール装置のワーキングメモリ14上の所定の記憶領域を介して実行されるものであり、例えば、ステップ202〜204で記憶・保存した復元データ情報に含まれる入出力アドレス情報に、既に生成し、記憶・保存された紐付けテーブルが備えるPLC毎の入出力アドレス情報とを対応させることで、異なるPLC間の入出力信号の紐付けが実現できる。
このように、プログラム情報連結アプリケーションによって作成された結線図は、特にPLCによる演算出力を他のPLCの演算入力として使用している場合に効果的であり、制御システム全体の制御動作を確認する連接調整時に非常に有効である。このような制御システム、特に分散制御システムにあっては、作成された結線図を元にした、システム全系を通した制御処理確認が容易となり、この処理内容を把握した上で、PLC毎の個別のデバッグ作業が可能となるため、作業コストの大幅な軽減が期待できる。さらに、例えば安全基準認証取得時においては、複数機(安全PLC)に跨る連接処理を表す回路図が容易に作成できるため、認証取得作業に費やす作業コストを大幅に削減できる利点がある。
本発明によれば、複数のPLCに跨って実行される連接処理が必要な分散制御システムの制御システム全系を通した連接調整が容易となり、特に個別PLCのプログラム情報から組立られた連結表示による結線図は、実機(実際に作動する制御プログラム)に組み込まれるプログラム情報を反映させたものであるから、PLC毎の個別のデバッグ作業は言わずもがな、システム全系を通した連接調整時のデバッグ作業にも有効であり、システム運用開始に至る作業時間の大幅な短縮が可能となる。さらに、安全制御システムにおいては、複数機(安全PLC)に跨る連接処理を表す回路図が容易に作成できるため、安全基準認証取得作業に費やす作業コストを大幅に削減できる。
マルチPLC・分散制御システムを示す概略図である。 システム設定ツール装置の内部ハードウェア構成を示す概念図である。 汎用PLCの代表的な内部構成を示す概略ブロック図である。 プログラム情報連結アプリケーションの紐付けテーブル生成処理を示すフローチャート(その1)である。 プログラム情報連結アプリケーションの紐付けテーブル生成処理を示すフローチャート(その2)である。 プログラム情報連結アプリケーションの紐付けテーブル生成処理を示すフローチャート(その3)である。 プログラム情報連結アプリケーションのプログラム統合表示処理を示すフローチャートである。 PLC内部における演算制御プログラムと、入出力メモリに設けられた所定の記憶領域との関係を示す説明図である。 システム設定用テーブルに含まれるデータ構造を示す説明図である。 システム設定要テーブルに含まれるPLCに対するデータ構造を示す説明図である。 紐付け処理を説明するためのPLC間のデータ構造例である。 紐付けテーブル生成処理で生成された紐付けテーブルの一例である。 プログラム統合表示処理による結線図の作成を示す説明図(その1)である。 プログラム統合表示処理による結線図の作成を示す説明図(その2)である。
符号の説明
1、1a、1b 汎用PLC
2 入力デバイス
3 出力デバイス
4 制御バス
10 システム設定ツール装置
11 CPU
12 入力操作部
13 画像表示部
13a スクリーン(画像表示器)
14 ワーキングメモリ(RAM)
15 記憶装置
16 通信部
17 内部バス
20 通信I/F部
21 中央演算部
21a ワークRAM
21b 入出力メモリ
21c プログラムメモリ
22a 入力端子部
22b 出力端子部
150 プログラム情報連結アプリケーション格納エリア
150a 紐付けテーブル生成プログラム格納エリア
150b システム設定用データテーブル格納エリア
150c プログラム統合表示プログラム格納エリア
300 デバイス設定情報(PLC)
301 デバイス情報
302 デバイス設定情報
303 PLCデータ
304 入力メモリ情報
304a デバイス情報
304b デバイス情報
305 プログラム実行コード
306 出力メモリ情報
306a デバイス情報
306b デバイス情報
400 紐付け情報エリア
1a−300 デバイス情報(PLC1)
−300 デバイス情報(PLC2)
1a−306 出力メモリ情報(PLC1)
1b−304 入力メモリ情報(PLC2)
2−300 デバイス情報(入力デバイス)
−300 デバイス情報(出力デバイス)
21b−1 入力メモリエリア
21b−2 出力メモリエリア

Claims (2)

  1. 少なくとも、入力デバイスと、出力デバイスと、第1のPLCと、第2のPLCとネットワークで結んでなるマルチPLC・分散制御システムにおいて、
    前記第1のPLC及び第2のPLCには、それぞれのPLCによる直接の制御対象となる被制御対象システムが割り当てられており、
    前記第1のPLC及び前記第2のPLCには、
    PLCに割り当てられた被制御対象システムに含まれる入力機器から出力される信号、および/または、ネットワークを介して接続される入力デバイス、若しくは他のPLCから自機に宛てて出力される信号を入力信号としてデバイス情報と関連づけて格納する入力メモリと、
    PLCに割り当てられた被制御対象システムに含まれる出力機器へと出力されるべき信号、および/または、ネットワークを介して接続される出力デバイス、若しくは他のPLCに宛てて出力されるべき信号を出力信号としてデバイス情報と関連づけて格納する出力メモリと、
    前記入力メモリに格納される入力信号と、前記出力メモリに格納される出力信号とを対応付けるための制御プログラムを格納するプログラムメモリとが設けられ、
    前記入力デバイスには、
    当該入力デバイスに割り当てられた入力機器から出力される信号を入力信号としてネットワークに送出する入力信号送出手段が設けられ、
    前記出力デバイスには、
    当該出力デバイスに割り当てられた出力機器へと出力されるべき信号を出力信号としてネットワークから受け取り、前記割り当てられた出力機器へと送信する出力信号送信手段が設けられており、
    それにより、分散配置される複数の被制御対象システムのそれぞれが、自システムの状態のみならず、他システムの状態までをも考慮することにより、互いに有機的に結合されて制御可能とされた分散制御システムを前提とし、
    前記分散制御システムに適用されるツール装置であって、
    前記第1のPLCから前記第2のPLCに対する信号の送信について、
    前記第1のPLCの出力メモリに格納された出力メモリ情報と、前記第2のPLCの入力メモリに格納された入力メモリ情報とに基づいて、同一の信号に相当する一対の入力信号と出力信号とをそれぞれの信号に付されたデバイス情報と併せて抽出し、それら一対の入力信号と出力信号との間に紐付け処理を行う紐付け処理手段と、
    前記第2のPLCから取得された入力メモリ情報前記第1のメモリから取得された出力メモリ情報、および/または、前記第1のPLCと前記第2のPLCのプログラムメモリの内容、及び紐付け結果に基づいて、所定の表示装置の画面上に、各PLCに組み込まれた制御プログラムから復元されたロジックシンボル図を一括してかつ同一の信号に相当する一対の入力信号と出力信号については結線状態で一連に表示する回路図表示手段とを具備する、ことを特徴とするマルチPLC・分散制御システムにおけるツール装置。
  2. 前記PLCは安全PLCであると共に、前記入力機器は、非常停止スイッチ、ドアスイッチ、リミットスイッチ等の安全入力機器であり、かつ前記出力機器は、セーフティリレー、セーフティコンタクタ等の安全出力機器である、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチPLC・分散制御システムにおけるツール装置。
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