JP4962717B2 - 高周波誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波誘導加熱装置に関し、スパッタリング装置、CVD装置、アッシング装置、エッチング装置、MBE装置、蒸着装置などの装置における基板加熱に適用することができる。
スパッタリング装置、CVD装置、アッシング装置、エッチング装置、MBE装置、蒸着装置では、基板を所定温度に加熱する場合がある。この基板を加熱する加熱機構として、ランプヒータ、シーズヒータ等の発熱体を使用するものが知られている。このような発熱体を使用した加熱機構では、被加熱部以外の温度上昇が避けられないという課題がある。
また、高周波誘導を利用した加熱機構も知られている。高周波誘導加熱による加熱機構は、高周波電流をワークコイル(加熱コイル)に印加して高周波磁束を発生させ、この高周波磁束によって被加熱部に誘導電流(渦電流)を誘導し、この誘導電流が被加熱部を流れることによるジュール損によって発熱させるものである。加熱機構は、この発熱によって被加熱部を加熱し、さらにこの被加熱部を介して基板等の物体を加熱する。このような高周波誘導を使用した加熱装置としては、例えば特許文献1が知られている。
高周波誘導加熱を半導体成膜装置に利用した例として、例えば特許文献2が知られている。この特許文献2に記載される半導体成膜装置では、高周波誘導加熱を利用して固体原料を昇華温度以上まで加熱し、昇華拡散現象を用いて被成膜物上に成膜している。
図8は、スパッタリング装置、CVD装置、アッシング装置、エッチング装置、MBE装置、蒸着装置などに、高周波誘導加熱装置を設けた構成例である。
高周波誘導加熱装置101は真空チャンバ90内に設けられ、真空チャンバ90内に導入された基板100を加熱する。図9は従来の高周波誘導加熱装置101の一構成例を示している。
高周波誘導加熱装置101は、ワークコイル120に高周波電流を供給し、高周波誘導によって被加熱部に誘導電流を誘導させて加熱する。ワークコイル120に対して、被加熱部と反対側には漏洩磁界を遮蔽するシールドケース140を設け、被加熱部以外の部分での誘導電流の発生を抑制している。また、ワークコイル120は冷却水によって冷却される。高周波誘導加熱装置101の真空チャンバ90への取り付けは、Oリング182,183を備えた取付フランジ181によって行われる。また、ワークコイル120の上方には上板150(第1の上板150a、第2の上板150b)が設けられる。
特開2004−342450号 特開2004−47658号 特表2004−500703号
高周波誘導加熱を利用した加熱は、ランプヒータ、シーズヒータ等の発熱体による加熱と比較して高いエネルギー変換効率を得ることができ、急速加熱が可能である。例えば、高周波誘導加熱で利用する電源周波数を100kHzから500kHzをする場合、高周波誘導加熱とすることで加熱効率を良とすることができる他、電源構成を安価とすることができ、また、給電も比較的容易に行うことができるという利点がある。
しかしながら、被加熱部と反対側に配置されるシールドケースがワークコイルの近傍に配置されると、導電体で形成されたシールドケースが加熱される場合があり、ワークコイルとシールドケースとの間に適当なギャップを設ける必要がある。
図10はワークコイルとシールドケースとの位置関係を説明するための図である。図10(a)において、ワークコイル120とシールドケース140との距離dは、ワークコイル120による漏洩磁界で生じる誘導電流(渦電流)によって発熱が生じない程度に設定する。
一方、図10(b)に示すように、ワークコイル120を支持する誘電体ベース130とのシールドケース140との間に空間があるとグロー放電が生じることがあるため、図10(c)に示すように、誘電体ベース130とシールドケース140との空間がなくなるように、シールドケース140内の全空間を誘電体ベース130で充填する必要がある。
このように、シールドケース140内の全空間を誘電体ベース130で充填した場合には、誘電体ベースの厚さが厚くなり、部品重量が増加する他、部品製造の作業性が低下するという問題がある。また、増加した重量を支持するために、重量に見合った支持機構を設ける必要がある。さらに、誘電体ベースの素材は高額であるため、製造コストも増加するという問題もある。
なお、誘導コイルの電界成分を抑制する技術については、例えば高周波誘導結合プラズマ(ICP)において、容量性結合を抑制するために静電的ファラデーシールドを設けることが、例えば、特許文献3で知られている。この特許文献3では、チャンバ内のプラズマと誘電ソースコイルとの間にドーム状の電圧分散電極を設け、プラズマのRFパワーの容量性結合によるチャンバドームのエッチングやチャンバ内のスパッタリング粒子汚染を抑制することが開示されている。しかしながら、この特許文献3には、グロー放電に関する課題やグロー放電の発生を抑制する構成については開示されていない。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、ワークコイルとシールドケースとの空間において、グロー放電の発生を抑制することを目的とする。
本発明の高周波誘導加熱装置は、ワークコイルとシールドケースとの間に電界シールドを設置し、さらにこの電界シールドを接地電位とすることで、誘電体ベースの表面とシールドケースとの間の電位差を低減し、この電位差の低減によって誘電体ベースとシールドケースとの間におけるグロー放電の発生を抑制する。
ワークコイルとシールドケースとの間隔は誘導による渦電流が生じない程度に設定し、このワークコイルとシールドケースとの間に設ける誘電体ベースは、電界シールドアンテナを設けることによって、誘電体ベースとシールドケースとの間の全空間を充填する必要はなくなり、誘電体ベースはワークコイルを支持するに必要な厚さ、強度であれば十分であり、誘電体ベースとシールドケースとの間に空間が存在しても、電界シールドアンテナで高周波誘電は抑制されるため、グロー放電の発生は抑制される。
本発明の高周波誘導加熱装置は、減圧環境で使用する高周波誘導加熱作用を利用した加熱機構において、高周波電力の供給を受け、高周波誘導によって被加熱部に誘導電流を流して加熱するワークコイルと、このワークコイルを保持する誘電体ベースと被加熱部の間を除く周囲を囲むとともに、ワークコイルによる電界遮蔽するシールドケースとを有し、さらに、誘電体ベースとシールドケースとの間に接地電位の電界シールドアンテナを備える。
この電界シールドアンテナは、接地電位とすることで、誘電体ベース表面とシールドケースとの電位差は微少となり、誘電体ベースとシールドケースに囲まれた空間にグロー放電が発生しない程度まで低減される。
電界シールドアンテナは、アンテナのパターンをくし型とすることによって、アンテナ配線において、渦電流が流れるループ回路の形成を無くすことができ、渦電流によって配線が加熱されて焼損することを抑制することができるとともに、漏洩磁界による渦電流の発生が抑制されるため、損失エネルギーを抑制することができる。
電界シールドアンテナは、複数本の互いに交わらない第1の配線と、前記複数本の第1の配線の全てと少なくとも1カ所で交わる1本の第2の配線とにより構成されるくし型アンテナパターンとし、第2の配線の一端を接地することによって、複数の第1の配線を接地電位とする。
本発明の電界シールドは、電界シールドを構成するパターンを最適化することで、電界成分のシールド効果を向上させ、電界成分によるグロー放電の発生を抑制する。また、電界シールドの線幅やピッチの最適化は、ワークコイルに供給する高周波の周波数やパワーに基づいて最適化することができる。
また、ワークコイルと電界シールドとの間の空間はエポキシ樹脂やシリコン樹脂のような誘電体材料で満たす構成とし、電界シールドを形成する配線は、高分子材料又は誘電体上に形成する。ここで、高分子材料は、PTFE、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、PEEK、その他の絶縁性エンジニアリングプラスチックなどから選択した素材とすることができ、また、誘電体は、アルミナセラミックス、ポリエチレンテレフタレート、PEEK、その他の絶縁性エンジニアリングプラスチックなどが使用可能である。
電界シールドの配線を高分子材料又は誘電体上に形成する際、この配線は薄板または箔の導電性材で形成し、粘着剤により高分子材料又は誘電体上に貼り付けることで形成することができる。配線を形成する導電性材は、アルミニウム、銀、金、銅又はそれらの複合材料を用いることができる。
また、電界シールドの配線は、導電性ペーストを塗布またはシルク印刷し、焼成して形成してもよい。導電性ペーストのシルク印刷の焼成による電界シールドのパターン形成は、工業的に信頼性が高くかつ安価とすることができる。このとき、導電性ペーストは、アルミニウム、銀、銅、カーボンまたはそれらの複合材料から選択することができる。導電性ペーストは、銀または銀カーボンをエポキシなどの溶剤と混ぜた材料を用いることができ、70℃から200℃程度の低温で焼成が可能であり、PETなどの安価な材料が基板として使用することができる。
電界シールドは、網目状模様とすることで、電界の遮蔽効果を高めることができる。しかしながら、網目構成とすることによって閉ループが形成されると、この閉ループを磁束が通過すると渦電流が流れ、配線抵抗によって発熱する。本発明の電界シールドはアンテナパターンをくし型とすることによって、閉ループが形成されないようにし、閉ループを磁束が通過することで発生する渦電流を抑制する。
本発明の電界シールドアンテナは、第1の配線は複数のパターンに分割し、各分割パターンが備える配線の配置方向を、分割パターン同士において、ほぼ並行、あるいは、30度から90度の角度範囲内の角度で配置する。
くし型のアンテナパターンでは、大きな面積を1つのパターンで形成した場合、第1の配線を構成するくし歯部分の配線を流れる電流が飽和し、十分な電界シールド効果が得られない場合がある。このアンテナパターンを複数の分割パターンとすることによって、各くし歯部分の配線に流れる電流量を低減し、十分で確実な電界シールドの効果を得ることができる。なお、くし歯部分の配線の線幅や厚さは渦電流が発生しない範囲で拡張することができるが、電源周波数が高くなるに従った配線の線幅を細く、配線の厚さを薄くする必要があり、単に配線の拡張だけでは不十分である。
さらに、電界シールドアンテナを2枚の配線パターンを重ね合わせて構成し、重なり合う配線パターンの第1の配線どうしは30度から90度の角度範囲内の角度で配置する。電界シールドアンテナの第1の配線を30度から90度の角度範囲内の角度で配置することによって模擬的に網目状のパターンを構成する。この構成による網目状のパターンは閉ループを形成しないため、渦電流の発生は抑制される。
また、同一面内で複数のアンテナパターンを組み合わせて1つの電界シールドアンテナを形成することができる。例えば、1枚の誘電体板の表裏に配置された配線パターンによって電界シールドアンテナを形成する。表裏の配線パターンどうしは30度から90度の角度範囲内の角度で配置する。
本発明の態様によれば、電界シールドアンテナを設置することによって、誘電体ベースは適当な厚さの材料を使用することができ、シールドケースの深さよりも薄く形成することができ、部品の軽量化を図ることができる。また、部品素材の選択範囲が広がる他、シールドケースの深さに合わせてシールドケースの全容量を充填する必要がないため、部品製造時や部品の組み込み時における作業性を良好なものとすることができる。また、誘電体ベースの支持機構も簡略化することができる。
本発明の高周波誘導加熱装置によれば、誘電体ベースとシールドケースとの空間において、グロー放電の発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。図1〜図5は、本発明の高周波誘導加熱装置の構成を説明するための図であり、図1は高周波誘導加熱装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は本発明の高周波誘導加熱装置を備える真空チャンバの構成を説明するための断面図であり、図3,4は本発明の高周波誘導加熱装置の構成を説明するための断面図であり、図5は本発明の高周波誘導加熱装置の構成を説明するための分解斜視図である。
図1において、本発明の高周波誘導加熱装置1は、ワークコイル20と、基板100を支持する導電性の平板状のトレイ70と、このトレイ70を支持するトレイ支持部60を備える。ワークコイル20に高周波電流を供給することによってトレイ70に誘導電流を発生させ、この誘導電流によってトレイ70を加熱することによって、トレイ70上に載置する基板100を加熱する。高周波誘導加熱装置1は例えば1000Pa以下の減圧環境で使用される。
ここで、ワークコイル20は、高周波電源22からマッチング回路21を介して高周波電流の供給を受ける。マッチング回路21は、高周波電源22とワークコイル20との間の入力インピーダンス及び出力インピーダンスを整合して、高周波電源22からワークコイル20への高周波電流の供給効率を向上させる。なお、高周波電源22は、例えば、商用電源等の交流電源から取り込む電力を制限する電力制限回路22b、取り込んだ電力の周波数を、例えば、100kHzから500kHzの高周波に高める高周波発生回路22aにより構成することができる。なお、トレイ70はトレイ支持部60によって支持される。トレイ支持部60は、例えば、誘電体材料からなる3本以上のアーム部材で構成することができる。
ワークコイル20のトレイ70側を除く周囲は、誘電体ベースの外周部を設置電位で囲むことでグロー放電の発生を抑制するためにシールドケース40によって囲まれる。本発明のワークコイル20は、シールドケース40内において誘電体ベース30によって保持される。さらに、シールドケース40内において、この誘電体ベース30の表面とシールドケース40との間に電界シールドアンテナ10を設ける。電界シールドアンテナ10は、上板の反対側であり、誘電体ベース30の表面に設置される。
高周波誘導加熱装置1は、誘電体ベース30とシールドケース40との間に電界シールドアンテナ10を設け、電界シールドアンテナ10を接地電位とすることによって、誘電体ベースとシールドケースとの電位差を低減して、グロー放電の発生を抑制する。
図2は、スパッタリング装置、CVD装置、アッシング装置、エッチング装置、MBE装置、蒸着装置などに、高周波誘導加熱装置を設けた構成例である。高周波誘導加熱装置1は真空チャンバ90内に設けられ、真空チャンバ90内に導入された基板100を加熱する。図3、図4は高周波誘導加熱装置1の構成例を示している。図2,図3,図4は、高周波誘導加熱装置1の概略断面図である。なお、図3は誘電体ベースの外周部分および底部分にシールドケースを設ける構成を示し、図4は誘電体ベースの外周部分にシールドケースを設ける構成を示している。
ここでは、高周波誘導加熱1を真空室90内に配置した構成を示している。真空室90は、図示していない排気装置によってチャンバ内を低圧環境とし、低圧環境下において基板100を加熱処理することができる。
ワークコイル20は、外部に設けた高周波電源22から、マッチングボックス21a内に設けたマッチング回路21(図2,図3,図4には示していない)によってインピーダンス整合された後、高周波電力の供給を受ける。このワークコイル20は、誘電体ベース30(第1の誘電体ベース31)内に充填され、その外装部分のコールド側は接地される。また、ワークコイル20の外装部分は冷却管20aによって覆い、内部に冷却水を流すことによってワークコイル20の発熱を冷却することができる。このとき、冷却管20aはフィールドスルー25を介して誘電体30内に導入する。
ワークコイル20を囲む誘電体30は、接地されたアルミニウム等のシールドボックスによって外周を覆い、誘電体の周囲でのグロー放電の発生を抑制する。このシールドボックスはワークコイルが誘起する磁界による誘導加熱作用が起こらない位置に配置される。また、誘電体30の表面には電界シールドアンテナ10が設けられる。この電界シールドアンテナ10は、誘電体30の表面上に形成する構成とする他、シート上に形成した電界シールドアンテナ10を誘電体30に貼り付ける構成としてもよい。
高周波誘導加熱装置1は、ワークコイル20に高周波電流を供給し、高周波誘導によって被加熱部に誘導電流を誘導させて加熱する。ワークコイル20に対して、トレイ70および基板100と反対側には誘電体ベースの外周部を設置電位で囲むことでグロー放電の発生を抑制するシールドケース40を設けている。
高周波誘導加熱装置1の真空チャンバ90への取り付けは、取付フランジ181によって行われ、第1のOリング82および第2のOリング83で気密状態にシールドされる。また、ワークコイル20はフィールドスルー84を通すことによって、外部と間で気密状態に保持される。また、ワークコイル20の上方には上板50(第1の上板50a、第2の上板50b)が設けられる。
シールドケース40へのワークコイル20の取付けは、シールドケース40内の充填部41内に設けられた誘電体ベース31によって行う。シールドケース40の深さは、ワークコイル20を流れる高周波電磁界の周波数と電圧に応じて定めることができ、シールドケースはワークコイル20の漏洩磁界により発生する渦電流により加熱されないような離れた位置に設置する。
シールドケース40内に設ける第1の誘電体ベース31の厚さは、シールドケース40の深さよりも小さいため、シールドケース40内に第1の誘電体ベース31を取り付けた状態では、誘電体ベース31の底部とシールドケース40の内底部との間には空間33が形成される。また、ワークコイル20を外部に連結する部分には、ワークコイル20の周囲を囲むように第2の誘電体ベース32を取り付ける。誘電体ベース30(第1,2の誘電体ベース31,32)は、アルミナセラミックス、PET、テフロン(登録商標)、PEEKなどの絶縁性エンジニアリングプラスチック、ガラスなどを用いることができる
本発明の高周波誘導加熱装置1では、シールドケース40内の誘電体ベース30(第1の誘電体ベース31,第2の誘電体ベース32)とシールドケース40との間においてグロー放電が発生しないように、第1の誘電体ベース31の表面に電界シールドアンテナ11を設け、第2の誘電体ベース32の表面に電界シールドアンテナ12を設ける。
電界シールドアンテナ11,12の配線パターンは、アルミニウム、銀、金、銅又はそれらの複合材料の薄板または箔の導電性材を、高分子材料のシート上に粘着剤によって貼り付けて形成する他に、導電性ペーストを塗布またはシルク印刷し、焼成して形成することができる。導電性ペーストをシルク印刷して焼成することによって電界シールドのパターンを形成する場合には、導電性ペーストは、アルミニウム、銀、銅、カーボンまたはそれらの複合材料から選択することができ、例えば、銀または銀カーボンをエポキシなどの溶剤と混ぜた材料を用いることができ、70℃から200℃程度の低温で焼成が可能である。このとき、高分子材料のシートとしては、PETなどの安価な材料を用いることができる。
電界シールドアンテナを誘電体ベース上に設けるには、電界シールドアンテナを設けた高分子材料のシートを誘電体ベースに貼り付ける他、電界シールドアンテナを誘電体ベースの表面に直接形成してもよい。電界シールドアンテナを誘電体ベースの表面に形成する場合には、電界シールドアンテナの配線は高分子材料のシート上に形成する場合と同様に、導電性材を誘電体上に粘着剤によって貼り付けて形成する他、導電性ペーストを塗布またはシルク印刷し焼成して形成することができる。
以下、電界シールドアンテナ10の配置および構成について、図6,図7を用いて説明する。
はじめに、図6を用いて第1の電界シールドアンテナ11の一構成例について説明する。この第1の電界シールドアンテナ11の構成例は、2枚の配線パターン11A,11Bを重ね合わせることによって構成する例を示している。
図6(a)は配線パターン11Aを示し、図6(b)は配線パターン11Bを示し、図6(c)は配線パターン11Aと配線パターン11Bの2枚の配線パターンを重ね合わせた状態を示している。
また、図6に示す配線パターンは、1面の配線パターンを複数の分割した分割パターンによって構成する例を示している。
図6(a)に示す配線パターン11Aは、1面の配線パターンを複数の分割パターン11Aa,11Ab,11Acに分割した例を示している。
分割パターン11Aaは、複数の配線がくし型に配列された第1の配線13Aaと、この第1の配線13Aaを接続する1本の短絡線13Aaを備え、分割パターン11Abは、複数の配線がくし型に配列された第1の配線13Abと、この第1の配線13Abを接続する1本の短絡線13Abを備え、分割パターン11Acは、複数の配線がくし型に配列された第1の配線13Acと、この第1の配線13Acを接続する1本の短絡線13Acを備える。
一方、図6(b)に示す配線パターン11Bは、1面の配線パターンを複数の分割パターン11Ba,11Bb,11Bcに分割した例を示している。配線パターン11Aと配線パターン11Bとは重ね合わせたときに、例えば30度〜90度の角度範囲で交わるようにし、互いに平行とならないように配列する。
配線パターン11Bにおいて、複数の配線がくし型に配列された第1の配線13Baと、この第1の配線13Baを接続する1本の短絡線13Baを備え、分割パターン11Bbは、複数の配線がくし型に配列された第1の配線13Bbと、この第1の配線13Bbを接続する1本の短絡線13Bbを備え、分割パターン11Acは、複数の配線がくし型に配列された第1の配線13Bcと、この第1の配線13Bcを接続する1本の短絡線13Bcを備える。
図6(d)は、図6(a)に示す配線パターン11A、図6(b)に示す配線パターン11Bとを重ね合わせた状態を示している。
配線パターン11A,11Bは、継ぎ目位置を90度位相が異なるようにして、重ね合わせたときに、シールド効果の弱い部分を無くすことができる。また、配線パターンを互いに逆方向の傾斜とすることによって、重ね合わせたときに網目状として、シールド効果を高めることができる。
次に、図7を用いて第2の電界シールドアンテナ12の一構成例について説明する。この第2の電界シールドアンテナ12の構成例は、2枚の配線パターン12A,12Bを重ね合わせることによって構成する例を示している。
図7(a)は配線パターン12Aを示し、図7(b)は配線パターン12Bを示し、図7(c),図7(d)は配線パターン12Aと配線パターン12Bの2枚の配線パターンを重ね合わせた状態を示し、図7(c)は展開した状態を示し、図7(d)は2枚の配線パターンが重ね合わさった状態を側面方向から見た状態を示している。また、図7(e)は2枚の配線パターンが重ね合わさった状態を端部方向から見た状態を示している。
なお、図7に示す配線パターンは、1面の配線パターンを1つのパターンによって構成する例を示している。
図7(a)に示す配線パターン12Aは、複数の配線がくし型に配列された第1の配線15aと、この第1の配線15aを接続する1本の短絡線16aとを備える。一方、図7(b)に示す配線パターン12Bは、複数の配線がくし型に配列された第1の配線15bと、この第1の配線15bを接続する1本の短絡線16baとを備える。
配線パターン12Aと配線パターン12Bとは重ね合わせたときに、例えば30度〜90度の角度範囲で交わるようにし、互いに平行とならないように配列する。
図7(e)において、配線パターン12Aと配線パターン12Bはそれぞれワークコイル20の周囲を囲むように巻かれるため、配線パターン12Aはつぎ目17a部分で分離し、配線パターン12Bはつぎ目17bで分離している。
このつぎ目17aとつぎ目17bとを反対位置とすることによって、重ね合わせたときにシールド効果の弱い部分を無くすことができる。また、配線パターンを互いに逆方向の傾斜とすることによって、重ね合わせたときに網目状として、シールド効果を高めることができる。
上記した配線パターンは、配線の線幅として例えば0.3mm〜3mm、線間として例えば2mm〜5mm、厚さとして例えば0.2mm〜0.5mmを用い、短絡線の線幅として例えば1mm〜4mm、厚さとして例えば0.2mm〜0.5mmを用いることができ、例えば100kHzから500kHz程度の電源周波数の誘電加熱を真空中で使用することができる。
なお、線幅が広すぎるときには、配線内で渦電流が発生して発熱する場合があり、逆に、線幅が細すぎるときには、配線の抵抗値が高く、シールド電流が飽和して十分な電界シールド効果が得られず、トレイ電位が上昇してグロー放電が発生する場合がある。
そこで、電源周波数等の条件に応じて、渦電流による発熱とグロー放電の発生のおそれがともに抑制される範囲内で設定する。
本発明の態様によれば、本発明が目的とする、誘電体ベースとシールドケースとの空間にけるグロー放電の発生を抑制するという効果を得るともに、誘電体ベース等の部品について、コストを低減する効果、部品製造時における作業性を向上させる効果、組み込み時における作業性を向上させる効果、誘電体ベースを支持する支柱等の周辺機構の部品の簡便化所させる効果等を得ることができる。
本発明の高周波誘導加熱装置は、スパッタリング装置、CVD装置、アッシング装置、エッチング装置、MBE装置、蒸着装置などの基板加熱に適用することができる。
本発明の高周波誘導加熱装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の高周波誘導加熱装置を備える真空チャンバの構成を説明するための断面図である。 本発明の高周波誘導加熱装置の構成を説明するための断面図である。 本発明の高周波誘導加熱装置の構成を説明するための断面図である。 本発明の高周波誘導加熱装置の構成を説明するための分解斜視図である。 本発明の第1の電界シールドアンテナの一構成例を説明するための図である。 本発明の第2の電界シールドアンテナの一構成例を説明するための図である。 高周波誘導加熱装置を設けた装置の構成例を示す図である。 従来の高周波誘導加熱装置の一構成例を示す図である。 ワークコイルとシールドケースとの位置関係を説明するための図である。
符号の説明
1…高周波誘導加熱装置、10…電界シールドアンテナ、11…第1の電界シールドアンテナ、12…第2の電界シールドアンテナ、13…配線、14…短絡線、20…ワークコイル、21…マッチング回路、21a…マッチングボックス、22…高周波電源、22a…高周波発生回路、22b…電力制限回路、30…誘電体ベース、31…第1の誘電体ベース、32…第2の誘電体ベース、33…空間部、40…シールドケース、41…充填部、50、51,52…上板、60…トレイ保持部、70…トレイ、80…支柱、81…取付フランジ、82…第1のOリング、83…第2のOリング、84…フィールドスルー、90…真空室、100…基板、101…高周波誘導加熱装置。

Claims (11)

  1. 減圧環境で使用する高周波誘導加熱作用を利用した加熱機構において、
    高周波電力の供給を受け、高周波誘導によって被加熱部に誘導電流を流して加熱するワークコイルと、
    前記ワークコイルを保持する誘電体ベースと、
    前記被加熱部との間の面を除く周囲に、前記ワークコイルによる電界を遮蔽するシールドケースとを有し、
    前記誘電体ベースの被加熱部側以外の面に接地電位の電界シールドアンテナを密着設置することを特徴とする、高周波誘導加熱装置。
  2. 前記電界シールドアンテナは、複数本の互いに交わらない第1の配線と、前記複数本の第1の配線の全てと少なくとも1カ所で交わる1本の第2の配線とにより構成されるくし型アンテナパターンであり、
    前記第2の配線の一端を接地して複数の第1の配線を接地電位とする請求項1に記載の高周波誘導加熱装置。
  3. 前記電界シールドアンテナを形成する配線は、高分子材料又は誘電体上に形成することを特徴とする、請求項2に記載の高周波誘導加熱装置。
  4. 前記電界シールドアンテナの配線は、薄板または箔の導電性材を粘着剤により高分子材料又は誘電体上に貼り付けて形成されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の高周波誘導加熱装置。
  5. 前記導電性材は、アルミニウム、銀、金、銅又はそれらの複合材料であることを特徴とする、請求項4に記載の高周波誘導加熱装置。
  6. 前記高分子材料は、PTFE、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、シリコンゴム、エポキシ樹脂から選択した素材であり、前記誘電体はガラス、セラミックスから選択した素材であることを特徴とする、請求項3から請求項5の何れか一つに記載の高周波誘導加熱装置。
  7. 前記電界シールドアンテナの配線は、導電性ペーストを塗布または印刷し、焼成して形成することを特徴とする、請求項2又は3に記載の高周波誘導加熱装置。
  8. 前記導電性ペーストは、アルミニウム、銀、銅、カーボンまたはそれらの複合材料から選択することを特徴とする、請求項7に記載の高周波誘導加熱装置。
  9. 前記第1の配線は複数のパターンに分割され、各分割パターンどうしは、配線の配置方向をほぼ並行、あるいは、30度から90度の角度範囲内の角度で配置されることを特徴とする、請求項2から請求項8の何れか一つに記載の高周波誘導加熱装置。
  10. 前記電界シールドアンテナは2枚の配線パターンを重ね合わせて構成し、重なり合う配線パターンの第1の配線どうしは30度から90度の角度範囲内の角度で配置されることを特徴とする、請求項2から請求項9の何れか一つに記載の高周波誘導加熱装置。
  11. 前記電界シールドアンテナは、1枚の誘電体板の表裏に配置された配線パターンにより形成され、
    前記表裏の配線パターンどうしは30度から90度の角度範囲内の角度で配置されることを特徴とする、請求項2から請求項9の何れか一つに記載の高周波誘導加熱装置。
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