JP4962696B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機やスロット機に代表される遊技機に関し、詳しくは、遊技機において電力供給や信号伝達を行うワイヤハーネスに関する。
パチンコ機やスロット機(パチスロ機、パロット機)等の遊技機には、電源装置と、主制御装置、サブ制御基板及び払出制御基板等の電源装置からの供給電力によって動作する複数の制御装置とが設けられていた。
電源装置は、外部電力(例えば交流24V)を遊技機の動作に必要な複数の所定の電圧(例えば、機器の駆動電圧12V、制御装置の駆動電圧5V)に変換し、それらの所定の電圧で各制御装置に電力を供給する。また、各制御装置間で基準電位を統一するために、アース電位が各制御装置に伝達されている。つまり、各制御装置は接地されている。
主制御装置は、遊技進行の主要な処理を行う基板であり、演算処理装置と主制御プログラム等を保持する不揮発性ROM(リードオンリーメモリ)と一時的に処理データ等を保持する揮発性RAMとを含むMPU(マイクロプロセッシングユニット:通常は1チップ型マイクロコンピュータ)を備えている。ここで、遊技進行の主要な処理とは、遊技球や遊技メダルの機械割り(平均出球率等)や遊技球や遊技メダルの入賞に関連する処理を意味する。例えば、特定の図柄が揃う大当たり状態を得ることによって、役物が連続動作して大量の遊技媒体を獲得できる遊技機にあっては、大当たり抽選や大当たり抽選に応じた特別図柄の表示や大当たり状態中の役物の連続動作を制御する処理等を意味する。
サブ制御装置は、音演出や光演出等の演出処理を行う遊技進行の補助的な処理を行う基板であり、演算処理装置とサブ制御プログラム等を保持する不揮発性メモリと一時的に処理データ等を保持する揮発性メモリとを含むMPUを備えている。
電源装置及び複数の制御装置の各々には、少なくとも1つのオス型コネクタが設けられており、それらのオス型コネクタ間はワイヤハーネスで接続されていた。ワイヤハーネスを介して、電力の供給やアース電位の共通化や電気信号の送受信が行われていた。
ここで、従来の遊技機に用いられていたオス型コネクタ及びワイヤハーネスの構造について、図面を参照しながら説明する。図30はオス型コネクタとワイヤハーネスとの構造例を示す分解斜視図であり、図31はワイヤハーネスの一端の構造例を示す図30におけるA−A’断面図であり、図32はワイヤハーネスの一端の構造例を示す図30におけるB−B’断面図である。
図30に示されたように、オス型コネクタ800は、6個のオス型接触子(オス型ターミナル)801と、6個のオス型接触子801を配列させて固定するオス型ハウジング(オス型カプラ)802とを備えている。また、ワイヤハーネス810は、複数のケーブル811と、各ケーブル811の両端に1つずつ圧着されたメス型接触子812(メス型ターミナル)(図32参照)と、複数のケーブル811のメス型接触子812を配列させて固定するメス型ハウジング(メス型カプラ)813とを備えている。
オス型ハウジング802の上部には凹凸が設けられ、一方、メス型ハウジング813にはオス型ハウジング802の凹凸に対応する凹凸が設けられており、メス型ハウジング813が反転した状態でオス型ハウジング802に挿入されることを防止している。また、オス型ハウジング802の上面には脱離防止孔803が形成され、かつ、メス型ハウジング813には脱離防止爪831を有する脱離弁832が形成されている。脱離防止爪831が脱離防止孔803に挿入されることによって、不測の応力に対するメス型ハウジング813の脱離を防止している。また、必要に応じた意図的なメス型ハウジング813の脱離においては、脱離弁832を押下して脱離防止孔803から脱離防止爪831を外すことによって、メス型ハウジング813を簡便に脱離させることができる。また、オス型ハウジング802の内側面には陥没した挿入ガイド804が形成され、かつ、メス型ハウジング813の側面には挿入ガイド804の凹凸に対応する挿入ガイド833が形成されており、接続方向のずれを所定の範囲内に抑制している。また、メス型ハウジング813の上面及び下面には、固定丘834(下面側は図示せず)が形成されており、オス型ハウジング802の内面が固定丘834に乗り上げることによって、メス型ハウジング813がオス型ハウジング802に対して所定の位置に強固に固定される。なお、オス型ハウジング802とメス型ハウジング813とに「あそび」があるために、オス型ハウジング802が固定丘834に乗り上げるまでは、上下方向のメス型ハウジングの位置は厳密には決まらない。
複数のオス型接触子801は、全て同一の構造である。また、複数のオス型接触子801のワイヤハーネス810側の先端は、全て、接続方向に垂直な同一平面内に配置されている。
図31及び図32に示されたように、複数のメス型接触子812は、全て同一の構造である。各メス型接触子812は、ケーブル811を固定するケーブル固定部821と、ケーブルの芯線814とメス型接触子812との導通をとる芯線接続部822と、挿入されるオス型接触子801(図30参照)とメス型接触子812との導通をとる接続部823とを含む。複数のメス型接触子812の接続部823のオス型コネクタ800側(図31及び図32において右側)の先端は、全て、接続方向に垂直な同一の平面内に配置されている。更に、各メス型接触子812には、脱離防止爪824が形成されている。
メス型ハウジング813には、メス型接触子812が配置される複数の接触子挿入室835と、誘導孔836とが形成されている。メス型接触子812にオス型接触子801を接続する際には、オス型接触子801は、誘導孔836を通して接触挿入室835内に進入する。更に、メス型ハウジング813には、脱離防止穴837を有する脱離弁838が形成されており、メス型接触子812の脱離防止爪824が脱離防止穴837に挿入されることによって、不測の応力によってメス型接触子812がメス型ハウジング813から脱離することを防止できる。なお、必要に応じた意図的なメス型接触子812の脱離においては、脱離弁838を下方に下げて脱離防止穴803から脱離防止爪824を外すことによって、メス型接触子812をメス型ハウジング813から簡便に脱離させることができる。
なお、図30〜図32において、複数のオス型接触子801と複数のメス型接触子812とを、それぞれ、一列に配列させた1段構成の場合について例示したが、上下方向に2段以上積層させて多段構成であってもよい。オス型接触子801の配列及びメス型接触子812の配列は、通常、その個数に応じて決定される。
従来の遊技機において、電源装置は、一般的に、バックアップ回路を更に含んでおり、停電等で外部電力が遮断された後においても、遮断直前の遊技状態を保持するためのバックアップ駆動電力を主制御装置及び払出制御装置に供給し、遊技者が不測の不利益を被ることを防止していた。なお、その他の制御装置には、通常、バックアップ駆動電力が供給されない。ただし、電源装置から主制御装置や払出制御装置へ他の制御装置を経由してバックアップ駆動電力が供給される場合には、経由する他の制御装置にもバックアップ駆動電力が供給される。具体的には、従来の遊技機においては、バックアップ駆動電力が電源装置から直接に主制御装置に供給され、また、電源装置から直接に払出制御装置に供給する構成が知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。
特開2005−312592号公報
従来の遊技機においては、通常、複数の制御装置のいずれかに不測の故障が発生した場合に備えて、複数の制御装置を1又は2以上の制御装置を含む複数のユニットに分散し、ユニット単位での着脱ができるように構成している。なお、特定のユニット内に2以上の制御装置を含む場合には、ユニット単位で離脱させた後に、制御装置単位での離脱が行えるように構成されている。これによって、修理の必要な制御装置を簡便に取り出すことができる。
また、従来の遊技機がパチンコ機である場合、通常、機種に依存しないユニットは遊技機の遊技盤を固定する枠体(内枠)に固定され、一方、機種に依存するユニットは遊技盤に固定されている。これによって、遊技ホール等における遊技機の機種変更の際に、機種に依存する構成のみを交換すること(一般的に「板替え」と称される)が簡便にできるからである。この板替えにおいて、遊技盤、主制御装置及びサブ制御装置は必ず交換されるが、電源装置は、設計の大幅な変更が無い限り交換されない。なお、従来の遊技機がスロット機である場合にも、板替えを行う場合には、電源装置と主制御装置との電気的な接続は切断される。
所望の制御装置を遊技機から取り外すためには、所望の制御装置とそれを含むユニット以外のユニットとを接続するワイヤハーネスを外す。例えば、故障や板替え等によって主制御装置を遊技機から取り外す場合には、主制御装置と電源装置との電気的な接続を切らなければならない。つまり、主制御装置と電源装置と間の電力供給路となるワイヤハーネスを取り外さなければならない。なお、板替え用に遊技機の一部を出荷する際には、一般的に、遊技機の動作確認を行うために、出荷前においても主制御装置と電源装置との電力供給路となるワイヤハーネスの着脱が行われる。
主制御装置又はそれを含むユニットの遊技機からの取り外しにおいて、外部電力を遮断した(遊技機のプラグを抜く又は電源スイッチを切る等)としても、上述のように主制御装置には電源装置のバックアップ回路からバックアップ駆動電力が供給されているために、電気的な衝撃が主制御装置と電源装置に与えられる。特に、ワイヤハーネスを外すことによって電気的に浮遊する主制御装置に与える影響が大きい。また、アース電位を決定するケーブルに対応するオス型接触子とワイヤハーネスのメス型接触子との接続が、バックアップ駆動電力を供給するケーブルに対応するオス型接触子とワイヤハーネスのメス型接触子との接続よりも先に絶たれた場合、アース電位が浮遊電位となるために、電源装置からのバックアップ駆動電力に対応する電圧が、主制御装置においては実際とは異なる電圧として感知される。これによって、主制御装置に与えられる電気的な衝撃が更に大きくなる場合もある。例えば、実質的に許容範囲を超える電圧や逆極性の電圧が印加された場合には、主制御装置を破壊する場合もあり、その被害は甚大となる。このような電気的な衝撃の発生は、主制御装置又は主制御装置を含むユニットを遊技機へ装着する場合において、アース電位を決定するケーブルに対応するオス型接触子とワイヤハーネスのメス型接触子との接続が、バックアップ駆動電力を供給するケーブルに対応するオス型接触子とワイヤハーネスのメス型接触子との接続よりも後に行われた場合も同様である。また、このような電気的な衝撃の発生は、バックアップ駆動電力が供給される払出制御装置においても同様である。なお、払出制御装置を遊技機から取り外すことは、主制御装置の場合よりもはるかに少ない。
バックアップ回路のコンデンサに保持された電荷(バックアップ電力)が自己放電によって十分に減衰するには、一般的には、数日から数週間程度を要するために、自己放電の完了を待つのは現実的ではない。また、各種の制御装置にアース電位を決定する個別の配線を施すことは、配線を複雑化するので好ましくなく、また、配線の順序を間違えれば、上記の場合と同様の問題が発生するため好ましくない。更に、この場合には、所望の制御装置を着脱する際の作業効率が大幅に減少するので現実的な改良方法ではない。例えば、板替えであれば、一度に数10台の遊技機に対して作業を行わなければならないために、作業の効率及び確実性は重要な要素となるからである。
主制御装置と電源装置との電力供給路となるワイヤハーネスとして、従来のワイヤハーネスを用いた場合、コネクタにワイヤハーネスを接続する際に、コネクタの複数の接触子と、ワイヤハーネスの複数の接触子とが必ずしも同時に接触状態になるとは限らなかった。同様に、コネクタからワイヤハーネスを取り外す場合にも、必ずしも同時に非接触状態になるとは限らなかった。これは、オス型コネクタやワイヤハーネスの作製誤差等によって、全ての接触子の先端が、厳密には、接続方向に垂直な同一平面内に配置されていなかったり、また、全ての接触子の先端が、厳密には、接続方向に垂直な同一平面内に配置されていなかったりするからである。更に、着脱の操作性を向上させるために、コネクタのハウジングとワイヤハーネスのハウジングとに「あそび」が設けられており、挿入許容位置及び挿入許容角度等の範囲に幅があるからである。したがって、従来のワイヤハーネスを用いた場合、上記のような主制御装置に対する電気的な衝撃が発生し易かった。
なお、上記においては、遊技機が主にパチンコ機である場合について説明したが、同様の課題は、電源装置とバックアップ駆動電力の供給される制御装置とを含む遊技機一般についても発生する。
そこで、本発明は、ワイヤハーネスの着脱において、バックアップ駆動電力に起因する制御装置への電気的な衝撃を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、
外部電力に基づいて基準電位に対する所定の電圧で駆動電力を供給する電源回路、前記外部電力の一部をバックアップ電力として貯留し、前記バックアップ電力に基づいてバックアップ駆動電力を供給するバックアップ回路、及び、第1基準電位用接触子と前記バックアップ駆動電力を出力する第1バックアップ駆動電力用接触子とを含む第1コネクタを備えた電源装置と、
第1ケーブルと、前記第1ケーブルの一端に固定された第1接触子と、前記第1ケーブルの他端に固定された第2接触子と、第2ケーブルと、前記第2ケーブルの一端に固定された第3接触子と、前記第2ケーブルの他端に固定された第4接触子と、前記第1接触子と前記第3接触子とを固定する第1ハウジングと、前記第2接触子と前記第4接触子とを固定する第2ハウジングとを含む第1ワイヤハーネスと、
少なくとも前記第1ケーブル、前記第1接触子及び前記第2接触子を介して、前記第1基準電位用接触子と電気的に接続される第2基準電位用接触子と、少なくとも前記第2ケーブル、前記第3接触子及び前記第4接触子を介して、前記第1バックアップ駆動電力用接触子と電気的に接続される第2バックアップ駆動電力用接触子とを含む第2コネクタを備える制御装置と、
を備えた遊技機であって、
前記第1接触子及び前記第3接触子が、メス型接触子であり、
前記第1ハウジングが、メス型ハウジングであり、
前記第1接触子の先端が、前記第3接触子の先端より前記第1ハウジングの先端側に突出し、
前記第1接触子の長さが、前記第3接触子の長さより長く、
前記第1ハウジングが、実質的に前記第1ハウジングの接続方向に垂直な同一平面上に配列させて設けられた複数の固定部を有し、
前記第1接触子及び前記第3接触子の各々が、前記第1ハウジングの前記複数の固定部のいずれに対しても着脱自在に係止される係止部を有し、
前記第1接触子の先端から前記第1接触子の係止部までの距離が、前記第3接触子の先端から前記第3接触子の係止部までの距離より長
前記第1ハウジングにおいて、前記第1接触子より前記接続方向の前方側の先端部位は、前記第3接触子より前記接続方向の前方側の先端部位よりも前記接続方向の前方側に突ことを特徴としている。
本発明によれば、ワイヤハーネスの着脱において、バックアップ駆動電力に起因する制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。
本発明の遊技機は、以下の構成をとる。
手段1.
外部電力に基づいて基準電位に対する所定の電圧で駆動電力を供給する電源回路、前記外部電力の一部をバックアップ電力として貯留し、前記バックアップ電力に基づいてバックアップ駆動電力を供給するバックアップ回路、及び、第1基準電位用接触子と前記バックアップ駆動電力を出力する第1バックアップ駆動電力用接触子とを含む第1コネクタを備えた電源装置と、
第1ケーブルと、前記第1ケーブルの一端に固定された第1接触子と、前記第1ケーブルの他端に固定された第2接触子と、第2ケーブルと、前記第2ケーブルの一端に固定された第3接触子と、前記第2ケーブルの他端に固定された第4接触子と、前記第1接触子と前記第3接触子とを固定する第1ハウジングと、前記第2接触子と前記第4接触子とを固定する第2ハウジングとを含む第1ワイヤハーネスと、
少なくとも前記第1ケーブル、前記第1接触子及び前記第2接触子を介して、前記第1基準電位用接触子と電気的に接続される第2基準電位用接触子と、少なくとも前記第2ケーブル、前記第3接触子及び前記第4接触子を介して、前記第1バックアップ駆動電力用接触子と電気的に接続される第2バックアップ駆動電力用接触子とを含む第2コネクタを備える主制御装置と、
を備えた遊技機であって、
前記第1接触子及び前記第3接触子が、メス型接触子であり、
前記第1ハウジングが、メス型ハウジングであり、
前記第1接触子の先端が、前記第3接触子の先端より前記第1ハウジングの先端側に突出し、
前記第1ハウジングが、前記第1接触子の前方に形成された第1誘導孔と、前記第3接触子の前方に形成された第2誘導孔とを有することを特徴とする。
「基準電位」とは、各制御装置で共通の電位であり、通常、アース電位(0V)である。また、「基準電位用接触子」とは、電気的に接続される制御装置間の基準電位を共通化するために設けられる接触子である。通常時において、基準電位用接触子の電位(基準電位)は、アース電位(0V)である。
「バックアップ電力」とは、電源装置のバックアップ回路に蓄電される電力であり、外部電力から供給される。なお、電源装置は、外部電力が直接にバックアップ回路に入力されてその一部を貯留する構成であってもよいし、電源回路を介してバックアップ回路に入力される構成であってもよい。「バックアップ駆動電力」とは、バックアップ電力に基づいて供給される電力であり、バックアップ駆動電力には、バックアップ回路から直接に出力される電力及びバックアップ回路から電源回路を経て出力される電力を含意する。
第i接触子(i=1,2,・・・)等の表記における「第i」は個体を識別するための識別子であり、第i接触子(i=1,2,・・・)と第j接触子(j≠i,j=1,2,・・・)とは別個体であることを意味する。なお、第1ケーブル、第2ケーブルという場合や第1基準電位用端子、第2基準電位用接触子という場合等においても同様である。接触子は、「オス型接触子」と「メス型接触子」とに分類される。単に「接触子」という場合には、その接触子は、オス型接触子であってもよいし、メス型接触子であってもよい。ただし、2つの接触子が接続される場合には、一方の接触子はオス型接触子であり、他方の接触子はメス型接触子であるとする。例えば、上記のように第1接触子及び第3接触子がメス型接触子である場合には、それらに接続される2つの接触子の各々は、オス型接触子である。「メス型ハウジング」とは、メス型接触子を固定するハウジングを意味する。一方、オス型接触子を固定するハウジングを以下において「オス型ハウジング」とも称する。
「電気的に接続する」とは、電力の供給や電気信号の伝達等の電気的な伝達ができるように接続されていることを意味する。また、「第1ハウジングの先端側」とは、第1ワイヤハーネスの第1ハウジングを着脱する際のコネクタ側、つまり、第1ケーブルと反対側を意味する。
上記の構成であれば、第1ハウジングを引き抜く場合に、アース電位の供給路の一部を構成する第1接触子が、バックアップ駆動電力の供給路の一部を構成する第3接触子よりも後に、離脱させることができる。したがって、電源装置と主制御装置との電気的な接続を絶つ場合に、最初に第1ワイヤハーネスの第1ハウジングを引き抜くことによって、その引き抜きの際の主制御装置への電気的な衝撃を抑制することができる。また、電源装置と主制御装置との電気的な接続を行う場合に、最後に電源装置の第1コネクタ、主制御装置の第2コネクタ又は電源装置の第1コネクタ若しくは主制御装置の第2コネクタと電気的に接続された他の制御装置のコネクタに第1ワイヤハーネスの第1ハウジングを挿入することによって、その挿入の際の主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。
また、上記の構成であれば、第1接触子及び第3接触子がメス型であり、それらを固定する第1ハウジングが第1接触子及び第3接触子に対応する第1誘導孔及び第2誘導孔を備えたメス型であることによって、第1接触子及び第3接触子がオス型であり、かつ第1ハウジングがオス型である場合(逆型の構成)よりも、第1接触子の破損を確実に抑制できる。これは、逆型の構成である場合には、第1ハウジングが挿入されるコネクタのハウジングが誘導孔を有するメス型となり、挿入の際に突出した第1接触子のみが、コネクタのハウジングの先端側の表面に衝突したり、誘導孔の内面に衝突したりすることによって、折れ曲がりが発生しやすくなるからである。また、第1接触子とそれに対応するコネクタの接触子との接続不良も起こしやすくなるからである。
上記の構成においては、電源装置の第1基準電位用接触子と主制御装置の第2基準電位用接触子とが、第1ワイヤハーネスを介して直接に接続されている場合のみならず、他の制御装置等の電気回路や他のワイヤハーネスやコネクタ付きフラットケーブルや他の配線群等のコネクタ接続体を更に介して電気的に接続されている場合を含意する。例えば、電源装置と主制御装置とが、他の第1制御装置と、電源装置と他の第1制御装置とを接続するワイヤハーネスと、他の第2制御装置と、第1制御装置と第2制御装置とを接続するワイヤハーネスと、第2制御装置と主制御装置とを接続するワイヤハーネスとを介して接続されている場合において、少なくとも1つのワイヤハーネスが、本発明の第1ワイヤハーネスであればよい。
また、上記の構成においては、第1ハウジングが電源装置の第1コネクタに挿入されている場合、第1ハウジングが主制御装置の第2コネクタに挿入されている場合、第2ハウジングが電源装置の第1コネクタに挿入されている場合及び第2ハウジングが主制御装置の第2コネクタに挿入されている場合等が包含されていることに注意を要する。なお、これは、第1ハウジングが電源装置の第1コネクタと主制御装置の第2コネクタとの双方に対応する共通の構造であって第1ハウジングの挿入箇所を電源装置の第1コネクタから主制御装置の第2コネクタへ入れ替えできること、又は、その逆の入れ替えができることを意味するのではない。
遊技機の作動時には、バックアップ回路を介さない通常の駆動電力が電源装置から主制御装置へ供給される。通常の駆動電力の供給路とバックアップ駆動電力の供給路とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。したがって、バックアップ駆動電力用接触子では、バックアップ駆動電力のみが入出力されてもよいし、バックアップ駆動電力及び通常の駆動電力が入出力されてもよい。
バックアップ駆動電力は、外部電力に基づいてバックアップ回路に貯留されたバックアップ電力に基づく電力であって、その電圧は、コンデンサからの出力後に電源回路における変圧等によって規制された電圧であってもよいし、バックアップ回路で規制された電圧であってもよい。つまり、バックアップ駆動電力用接触子は、電源回路を介してバックアップ回路に接続されていてもよいし、電源回路を介さずにバックアップ回路に接続されていてもよい。なお、一般的に、外部電力は交流であるので、バックアップ回路には、外部電力が電源回路を介して直流変換された後に、その一部が蓄電される。なお、バックアップ駆動電力を供給する際の電圧は、通常の駆動電力を供給する際の電圧と同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、主制御装置を作動させるために3V以上の電圧が必要であり、通常時には5Vの電圧で駆動電力を供給する場合において、主制御装置のバックアップ機能を作動させる際に5Vの電圧でバックアップ駆動電圧を供給する構成やその際に3.3Vの電圧でバックアップ駆動電圧を供給する構成であってもよい。
第1接触子及び第3接触子は、第1ハウジングに対して固定されてさえいれば、着脱自在に固定されていてもよいし、着脱できないように固定されていてもよい。同様に、第2接触子及び第4接触子は、第2ハウジングに対して固定されてさえいればよい。他の接触子や他のハウジングに対しても、接触子がハウジングに固定されるという場合には、上記と同一の意味とする。
第1ワイヤハーネスは、第1ケーブル及び第2ケーブルと異なる他のケーブルと、他のケーブルの一端に固定され、かつ第1ハウジングに固定された接触子と、他のケーブルの他端に固定され、かつ、第2ハウジングに固定された接触子とを更に含む構成であってもよい。他のケーブルは、バックアップ駆動電力と異なる他の電力を供給する供給路を構成してもよいし、電気信号を伝達する信号伝達路を構成してもよいし、基準電位を伝達する他の伝達路を構成してもよい。なお、この場合には、第1ワイヤハーネスに対応するコネクタにも他のケーブル用の接触子が更にもうけられる。
手段2.
手段1の遊技機において、
前記第1接触子の長さが、前記第3接触子の長さよりも長いことを特徴とする。
この構成であれば、第1ハウジングにおいて、簡便に、第1接触子を第3接触子よりも突出させて固定させることができ、第1コネクタの着脱において、バックアップ駆動電力に起因する主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。
手段3.
手段2の遊技機において、
前記第1接触子の後端及び前記第3接触子の後端が、実質的に接続方向に垂直な同一平面内に配置されていることを特徴とする。
上記の構成であれば、確実に、第1ハウジングにおいて、第1接触子を第3接触子よりも突出させて固定させることができ、第1コネクタの着脱において、バックアップ駆動電力による主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。
手段4.
手段1〜3の遊技機において、
前記第1バックアップ駆動電力用接触子が、前記駆動電力を供給することを特徴とする。
この構成であれば、電源装置と主制御装置との電気的な接続を絶つ場合に、外部電力を遮断せずに第1ハウジングを引き抜いたとしても、駆動電力に基づく主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。また、駆動電力の供給路とバックアップ駆動電力の供給路が共通化できるために、電源装置や主制御装置等のコネクタの構造及び供給路を構成するワイヤハーネス等の構造を簡素化できる。
手段5.
手段1〜3の遊技機において、
前記第1コネクタが、前記駆動電力を出力する第1駆動電力用接触子を備え、
前記第1ワイヤハーネスが、第3ケーブルと、前記第3ケーブルの一端に固定され、かつ前記第1ハウジングに固定された第5接触子と、前記第3ケーブルの他端に固定され、かつ前記第2ハウジングに固定された第6接触子とを含み、
前記第2コネクタが、少なくとも前記第3ケーブル、前記第5接触子及び前記第6接触子を介して、前記第1駆動電力用接触子と電気的に接続される第2駆動電力用接触子を備え、
前記第5接触子が、メス型接触子であることを特徴とする。
この構成であれば、駆動電力の供給路とバックアップ駆動電力の供給路とを異ならせることができる。バックアップ駆動電力が供給される際の電圧が、駆動電力が供給される際の電圧と異なる場合に好ましい構成である。
第5接触子の先端は、第1接触子の先端よりも第1ハウジングの先端側に突出していないことが好ましい。この場合、第3接触子の場合と同様に、メス型の第1ハウジングを対応するオス型コネクタから引き抜く際に、通常の駆動電力の供給路の一部を構成するメス型の第5接触子を基準電位の伝達路の一部を構成するメス型の第1接触子よりも前に離脱させることができるからである。これによって、電源装置と主制御装置との電気的な接続を絶つ場合に、外部電力を遮断せずに、第1ハウジングを対応するコネクタから引き抜いたとしても、通常の駆動電力及びバックアップ駆動電力に基づく主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。また、第3接触子の場合と同様に、メス型の第1ハウジングを対応するオス型のコネクタに挿入する際に、通常の駆動電力の供給路の一部を構成する第5接触子を基準電位の伝達路の一部を構成する第1接触子よりも後に接続できるからである。更に、電源装置の駆動電力用接触子や主制御装置の駆動電力用接触子に電気的に接続された回路のコンデンサ素子に保持された電荷に基づく主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。第1駆動電力用接触子及び第2駆動電力用接触子に電気的に接続された回路にコンデンサ素子が含まれており、外部電力が遮断されていたとしても、そのコンデンサ素子には、バックアップ回路のバックアップ用コンデンサ素子に比べて極めて小さい蓄積量ではあるが電荷が保持されている。したがって、外部電力を遮断した直後(自己放電完了前)に主制御装置を離脱させる場合には、駆動電力用接触子を介しても電気的な衝撃が発生する。しかし、上記の構成であれば、このような電気的な衝撃も抑制できる。また、電源装置と主制御装置とを電気的に接続する場合にも、外部電力を遮断せずに、第1ハウジングを対応するコネクタに挿入したとしても、主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。
手段6.
手段5の遊技機において、
前記第5接触子の構造が、前記第3接触子の構造と実質的に同一であり、
前記第5接触子の先端が、前記第3接触子の先端と前記第1ハウジングの接続方向に垂直な同一平面内に配置されていることを特徴とする。
この構成であれば、第1ワイヤハーネスの第1ハウジングを引き抜く場合に、駆動電力の供給路の一部を構成する第5接触子を、確実に、基準電位の伝達路の一部を構成するメス型の第1接触子よりも前に離脱させることができ、また、第1ハウジングを挿入する場合に、駆動電力の供給路の一部を構成する第5接触子を、確実に、基準電位の伝達路の一部を構成するメス型の第1接触子よりも後に接続することができる。
本発明においては、電源装置から主制御装置へ、他の駆動電力が更に供給されていてもよい。駆動電力と他の駆動電力とは供給の際の電圧が異なる。このような場合において、駆動電圧用接触子の場合と同様に、第1ワイヤハーネスの第1ハウジングに固定され、他の駆動電力の供給路の一部を構成する接触子は、その先端が第1接触子の先端よりも第1ハウジングの先端側に突出していないことが好ましい。
手段7.
手段1〜6の遊技機において、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが、前記第1ワイヤハーネスのみを介して接続されていることを特徴とする。
この構成であれば、電源装置と主制御装置との電気的な接続を絶つ場合に、最初に、第1ワイヤハーネスの第1ハウジングを引き抜くことによって、主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。また、電源装置と主制御装置とを電気的に接続する場合に、最後に、第1ハウジングに対応付けられたコネクタに第1ハウジングを挿入することによって、主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。
手段8.
手段7の遊技機において、
前記第1基準電位用接触子及び第1バックアップ駆動電力用接触子が、オス型接触子であり、
前記第1接触子と前記第1基準電位用接触子とが接続され、
前記第3接触子と前記第1バックアップ駆動電力用接触子とが接続され、
前記第2接触子と前記第2基準電位用接触子とが接続され、
前記第4接触子と前記第2バックアップ駆動電力用接触子とが接続されていることを特徴とする。
上記の構成は、電源装置のコネクタに第1ワイヤハーネスの第1ハウジングが挿入された構成である。この構成であれば、電源装置と主制御装置との電気的な接続を絶つ場合に、電源装置と第1ワイヤハーネスとの接続を絶つことによって、主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。また、電源装置と主制御装置とを電気的に接続する場合に、電源装置の第1コネクタに第1ハウジングを挿入することによって、主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。
手段9.
手段8の遊技機において、
前記第1コネクタにおいて、前記第1基準電位用接触子の先端及び前記第1バックアップ駆動電力用接触子の先端が、実質的に接続方向に垂直な同一平面内に配置されていることを特徴とする。
「実質的に接続方向に垂直な同一平面内に配置されている」とは、第1基準電位用接触子の先端及び第1バックアップ駆動電力用接触子の先端を意図的には接続方向に垂直な同一平面内以外に配置させないことを意味し、第1コネクタの作製誤差等によって、厳密にはそれらの先端が同一平面内に配置されていなくてもよいことを意味する。
上記の構成であれば、電源装置の第1コネクタとして従来と同様のコネクタを用いることができ、本発明の実施が容易となる。また、第1コネクタに第1ワイヤハーネスの第1ハウジングを挿入する場合における第1コネクタの破損を抑制できる。これは、第1コネクタが接続側に突出した接触子を有する場合、第1ハウジングを挿入する際に、突出した接触子のみが第1ハウジングの先端側の表面に衝突したり、誘導孔の内面に衝突したりすることによって、突出した接触子に折れ曲がりが発生しやすくなるからである。また、突出した接触子とコネクタの接触子との接続不良も起こしやすくなるからである。なお、第1バックアップ駆動電力用接触子の先端が、第1コネクタの第1基準電位用接触子の先端よりも突出していたとしても、その差が第1ハウジングにおける第1接触子の先端と第2接触子の先端との差未満であれば、本発明の効果を得ることができる。なお、第1コネクタに固定される全ての接触子の先端が、実質的に、第1コネクタの接続方向に垂直な同一平面内に配置されていることが好ましい。
手段10.
手段7の遊技機において、
前記第2基準電位用接触子及び第2バックアップ駆動電力用接触子が、オス型接触子であり、
前記第1接触子と前記第2基準電位用接触子とが接続され、
前記第3接触子と前記第2バックアップ駆動電力用接触子とが接続され、
前記第2接触子と前記第1基準電位用接触子とが接続され、
前記第4接触子と前記第1バックアップ駆動電力用接触子とが接続されていることを特徴とする。
上記の構成は、主制御装置のコネクタに第1ワイヤハーネスの第1ハウジングが挿入された構成である。この構成であれば、電源装置と主制御装置との電気的な接続を絶つ場合に、主制御装置と第1ワイヤハーネスとの接続を絶つことによって、主制御装置への電気的な衝撃を抑制することができる。また、電源装置と主制御装置とを電気的に接続する場合に、最後に、主制御装置のコネクタに第1ハウジングを挿入することによって、主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。
手段11.
手段10の遊技機において、
前記第1基準電位用接触子及び前記第1バックアップ駆動電力用接触子が、メス型接触子であり、
前記第2接触子及び前記第4接触子が、オス型接触子であり、
前記第1コネクタが、前記第1基準電位用接触子及び前記第1バックアップ駆動電力用接触子の各々に対応する誘導孔を有するメス型ハウジングを備えることを特徴とする。
上記の構成であれば、着脱作業中における不測の電源装置の破損を抑制できる。これは、第1基準電位用接触子及び第1バックアップ駆動電力用接触子がメス型接触子であるので、電源装置と第1ワイヤケーブルとの接続が断たれた場合であっても、それらのメス型接触子が表面に露出されることがなく、第1基準電位用接触子と第1バックアップ駆動電力用接触子との不測の短絡を抑制できるからである。
手段12.
手段10又は11の遊技機において、
前記第2コネクタにおいて、前記第2基準電位用接触子の先端及び前記第2バックアップ駆動電力用接触子の先端が、実質的に接続方向に垂直な同一平面内に配置されていることを特徴とする。
この構成であれば、第1ワイヤハーネスの第1ハウジングが第1コネクタに挿入される場合と同様に、電源装置の第1コネクタとして従来と同様のコネクタを用いることができると共に、第2コネクタに第1ハウジングを挿入する場合における第2コネクタの破損を抑制できる。
手段13.
手段1〜12の遊技機において、
第3基準電位用接触子と第3バックアップ駆動電力用接触子とを含む第3コネクタ及び第4基準電位用接触子と第4バックアップ駆動電力用接触子とを含む第4コネクタと、前記第3基準電位用接触子と前記第4基準電位用接触子とを接続し、かつ前記第3バックアップ駆動電力用接触子と前記第4バックアップ駆動電力用接触子とを接続する中継回路と、前記電源装置からの電力供給を監視する停電監視回路とを備える電源監視装置と、前記第4コネクタと前記第2コネクタとを接続するコネクタ接続体とを更に備え、
前記第1基準電位用接触子と前記第2基準電位用接触子とが、前記第1ワイヤハーネス、前記電源監視装置及び前記コネクタ接続体を介して電気的に接続され、
前記第1バックアップ駆動電力用接触子と前記第2バックアップ駆動電力用接触子とが、前記第1ワイヤハーネス、前記電源監視装置及び前記コネクタ接続体を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
上記の構成は、電源監視装置を経由して電源装置から主制御装置へ、基準電位が伝達され、かつバックアップ駆動電力が供給される。上記の構成であれば、電源装置と主制御装置との電気的な接続を絶つ場合に、最初に、第1ワイヤハーネスの第1ハウジングを第1ハウジングに対応付けられたコネクタから引き抜くことによって、主制御装置への電気的な衝撃を抑制することができる。また、電源装置と主制御装置との電気的な接続を行う場合に、最後に、第1ハウジングを第1ハウジングに対応付けられたコネクタに挿入することによって、主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。上記の構成においては、第1ハウジングが、電源装置の第1コネクタに挿入されている場合、主制御装置の第2コネクタに挿入されている場合及び第1ハウジングが電源監視装置の第3コネクタ又は第4コネクタに挿入されている場合等が包含されていることに注意を要する。
手段14.
手段13の遊技機において、
前記第1基準電位用接触子及び第1バックアップ駆動電力用接触子が、オス型接触子であり、
前記第1接触子と前記第1基準電位用接触子とが接続され、
前記第3接触子と前記第1バックアップ駆動電力用接触子とが接続され、
前記第2接触子と前記第4接触子とが前記第3コネクタに接続されていることを特徴とする。
上記の構成は、電源装置の第1コネクタに第1ワイヤハーネスの第1ハウジングが接続された構成である。この構成であれば、電源装置と主制御装置との電気的な接続を絶つ場合に、最初に、電源装置と第1ワイヤハーネスとの接続を絶つことによって、主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。また、電源装置と主制御装置とを電気的に接続する場合に、最後に、電源装置の第1コネクタに第1ワイヤハーネスの第1ハウジングを挿入することによって、主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。
手段15.
手段14の遊技機において、
前記第1コネクタにおいて、前記第1基準電位用接触子の先端及び前記第1バックアップ駆動電力用接触子の先端が、実質的に接続方向に垂直な同一平面内に配置されていることを特徴とする。
上記の構成であれば、電源装置と主制御装置とを第1ワイヤハーネスのみを介して接続する場合において説明したのと同様に、電源装置の第1コネクタとして従来と同様のオス型コネクタを用いることができると共に、第1コネクタに第1ハウジングを挿入する場合における第1コネクタの破損を抑制できる。
手段16.
手段7の遊技機において、
前記第3コネクタが、オス型コネクタであり、
前記第2接触子と前記第1基準電位用接触子とが接続され、
前記第4接触子と前記第1バックアップ駆動電力用接触子とが接続され、
前記第1接触子と前記第3接触子とが前記第3コネクタに接続されていることを特徴とする。
上記の構成は、電源監視装置のコネクタに第1ワイヤハーネスの第1ハウジングが挿入された構成である。この構成であれば、電源装置と主制御装置との電気的な接続を絶つ場合に、最初に、電源監視装置と第1ワイヤハーネスとの接続を絶つことによって、主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。また、電源装置と主制御装置とを電気的に接続する場合に、最後に、電源監視装置のオス型コネクタに第1ワイヤハーネスの第1ハウジングを挿入することによって、主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。
手段17.
手段16の遊技機において、
前記第3コネクタにおいて、前記第3基準電位用接触子の先端及び前記第3バックアップ駆動電力用接触子の先端が、実質的に、接続方向に垂直な同一平面内に配置されていることを特徴とする。
上記の構成であれば、電源装置と主制御装置とを第1ワイヤハーネスのみを介して接続する場合において説明したのと同様に、電源監視装置の第3コネクタとして従来と同様のオス型コネクタを用いることができると共に、電源監視装置の第3コネクタの破損を抑制できる。
手段18.
手段1〜17の遊技機において、
前記第1ハウジングの先端側の表面が、実質的に平坦であることを特徴とする。
「実質的に平坦」とは、意図的には、誘導孔の形成や面取り等による凹凸以外の凹凸を設けないことを意味し、作製誤差等によって厳密には平坦でない場合であってもよいことを意味する。
上記の構成であれば、電源装置と主制御装置とを電気的に接続する場合に、第1ワイヤハーネスの第1接触子及び第3接触子が、所定のオス型接触子以外と接続されることを抑制できる。
手段19.
手段18の遊技機において、
前記第2誘導孔の長さが、前記第1誘導孔の長さより長いことを特徴とする。
この構成であれば、第1ハウジングにおいて、第3接触子の先端と第2誘導孔との間の無用な空隙を削減できる。これによって、第3接触子とそれに対応するコネクタの接触子との接続の確実性を向上させることができる。
手段20.
手段19の遊技機において、
前記第1誘導孔の長さと前記第2の誘導孔の長さとの差と前記第1ハウジングの接続方向に沿った前記第1接触子の先端位置と前記第2接触子の先端位置との差が、実質的に同一であることを特徴とする。
上記の構成であれば、第1ハウジングにおいて、第3接触子の先端と第2誘導孔との間の無用な空間を最大限に削減できる。また、第1接触子の場合と同様に、第1ハウジングの先端側の表面から第3接触子の先端近傍まで第2誘導孔が形成されるために、第3接触子とそれに対応するコネクタの接触子との接続の確実性を更に向上させることができる。
手段21.
手段1〜20の遊技機において、
前記第1ハウジングの先端側と反対側の表面が、実質的に平坦であることを特徴とする。
この構成であれば、第1ハウジングとして、従来と同様の外形状のハウジングを用いることができる。
手段22.
手段1〜21の遊技機において、
前記第1接触子及び前記第3接触子が、前記第1ハウジングに対して着脱自在であることを特徴とする。
上記の構成であれば、板替え等において、新たな主制御装置のコネクタやそのコネクタに電気的に接続されたコネクタの接触子の配列が、従前の接触子の配列と異なる場合であっても、第1ワイヤハーネスの接触子の配列を変更することによって対応できる。つまり、第1ワイヤハーネスを再利用できる。なお、第1ハウジングの構造によって、第1接触子の配置は変更できない場合もあるが、一般的に、基準電位の伝達される接触子の配置位置が変更されることはないので、汎用性は極めて高い。なお、着脱自在に固定する方法については、公知のいかなる方法を援用してもよい。
手段23.
手段22の遊技機において、
前記第1ハウジングが、実質的に前記第1ハウジングの接続方向に垂直な同一平面上に配列させて設けられた前記第1固定部及び前記第2固定部を有し、
前記第1接触子が、前記第1固定部に係止された第1係止部を有し、
前記第3接触子が、前記第2固定部に係止された第2係止部を有することを特徴とする。
上記の構成であれば、第1固定部に第1係止部が係止することによって、第1接触子を固定し、第1固定部を押し下げる等により第1係止部を第1固定部から外すことによって、第1接触子を第1ハウジングから取り外すことができる。同様に、第1ハウジングに対して第3接触子を固定すること及び第3接触子を取り外すことができる。例えば、固定部が陥没穴又は貫通孔であって、係止部が陥没穴又は貫通孔に係止される突出爪であってもよいし、逆に、固定部が突出爪であって、係止部が陥没穴又は貫通孔であってもよい。
手段24.
手段1〜23の遊技機において、
前記第1接触子及び前記第3接触子が、前記第1ハウジングに対して着脱自在であり、
前記第1ハウジングが、実質的に前記第1ハウジングの接続方向に垂直な同一平面上に配列させて設けられた前記第1固定部及び前記第2固定部を有し、
前記第1接触子が、前記第1固定部に係止された第1係止部を有し、
前記第3接触子が、前記第2固定部に係止された第2係止部を有し、
前記第1接触子の後端から前記第1係止部までの距離と前記第3接触子の後端から前記第2係止部までの距離とが実質的に同一であることを特徴とする。
上記の構成であれば、第1ハウジングに対して第1接触子と第3接触子とを着脱自在に固定できると共に、第1接触子の先端が第3接触子の先端よりも第1ハウジングの先端側に突出し、かつ第1接触子の後端と第3接触子の後端とが実質的に第1ハウジングの接続方向に垂直な同一平面内に位置するように、第1接触子と第3接触子とを配置させることができる。
手段25.
手段1〜24の遊技機において、
前記第1ワイヤハーネスが、前記第1ケーブル及び前記第2ケーブルと異なる少なくとも1つのケーブルと、前記少なくとも1つのケーブルの各々の一端に固定され、かつ第1ハウジングに固定された接触子と、前記少なくとも1つのケーブルの各々の他端に固定され、かつ第2ハウジングに固定された接触子とを更に含み、
前記第1ハウジングに固定された全ての接触子のうち前記第1基準電位用接触子のみが、前記第1ハウジングの先端側に突出していることを特徴とする。
上記の構成であれば、第1ワイヤハーネスに他の電力供給路や他の信号伝達路が含まれていたとしても、第1ワイヤハーネスの取り外しにおいて、最後に基準電位の伝達路を電気的に遮断でき、また、第1ワイヤハーネスの挿入において、最初に基準電位の伝達路を接続することができる。これによって、他の電力供給路や他の信号伝達路を構成する接触子の着脱における主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。また、この場合には、外部電力の供給を遮断せずに第1ワイヤハーネスの着脱を行ったとしても、確実に、主制御装置への電気的な衝撃を抑制できる。
手段26.
手段1〜25の遊技機において、
前記第2接触子及び前記第4接触子が、メス型接触子であり、
前記第2ハウジングが、メス型ハウジングであり、
前記第2接触子の先端が、前記第4接触子の先端より前記第2ハウジングの先端側に突出し、
前記第2ハウジングが、前記第2接触子の前方に形成された第3誘導孔と前記第4接触子の前方に形成された第4誘導孔とを有することを特徴とする。
上記の構成であれば、第1ワイヤハーネスの着脱において第1ハウジングと第2ハウジングとの着脱順序を区別する必要が無くなるために、電源装置と主制御装置との電気的な接続を絶つ場合及び電源装置と主制御装置とを電気的に接続する場合に、着脱作業の効率及び安全性を向上させることができる。
手段27.
手段1〜26の遊技機において、
第2ワイヤハーネスと、前記主制御装置からの命令に応じて遊技媒体の払出を制御する払出制御装置とを更に備え、
前記電源装置が、第5基準電位用接触子と前記バックアップ駆動電力を出力する第5バックアップ駆動電力用接触子とを含む第5コネクタを更に備え、
前記第2ワイヤハーネスが、第4ケーブルと、前記第4ケーブルの一端に固定された第7接触子と、前記第4ケーブルの他端に固定された第8接触子と、第5ケーブルと、前記第5ケーブルの一端に固定された第9接触子と、前記第5ケーブルの他端に固定された第10接触子と、前記第7接触子と前記第9接触子とを固定する第3ハウジングと、前記第8接触子と前記第10接触子とを固定する第4ハウジングとを含み、
前記払出制御装置が、少なくとも前記第4ケーブル、前記第7接触子及び前記第8接触子を介して前記第5基準電位用接触子と電気的に接続された第6基準電位用接触子と、少なくとも前記第5ケーブル、前記第9接触子及び前記第10接触子を介して前記第5バックアップ駆動電力用接触子と電気的に接続された第6バックアップ駆動電力用接触子とを含む第6コネクタを備えた払出制御装置を更に備え、
前記第7接触子及び前記第9接触子が、メス型接触子であり、
前記第3ハウジングが、メス型ハウジングであり、
前記第7接触子の先端が、前記第9接触子の先端より前記第3ハウジングの先端側に突出し、
前記第3ハウジングが、前記第7接触子の前方に形成された第3誘導孔と、前記第3接触子の前方に形成された第4誘導孔とを有することを特徴とする。
上記の構成は、電源装置と払出制御装置との間が、第1ワイヤハーネスと同様のワイヤハーネスを少なくとも介して電気的に接続されている構成である。この構成であれば、電源装置と払出制御装置との電気的な接続を絶つ場合及び電源装置と払出制御装置との電気的に接続する場合と同様に、バックアップ駆動電力に起因して払出制御装置に与えられる電気的な衝撃を抑制できる。また、上記の構成であれば、第1接触子及び第3接触子がメス型であり、かつ、それらを固定する第3ハウジングが接触子に対応する誘導孔を備えたメス型であることによって、逆型の構成の場合よりも、第7接触子の破損を確実に抑制できる。
上記の構成においては、第3ハウジングが電源装置のコネクタに挿入されている場合、第3ハウジングが主制御装置のコネクタに挿入されている場合、第4ハウジングが電源装置のコネクタに挿入されている場合及び第4ハウジングが主制御装置のコネクタに挿入されている場合等が包含されていることに注意を要する。
第2ワイヤハーネスは、第1ワイヤハーネスについて説明した種々の構造と同一の構造であってもよい。また、第2ワイヤハーネスが装着されるコネクタは、第1ワイヤハーネスに装着されるコネクタについて説明した種々の構造と同一の構造であってもよい。
以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げるが、本発明は、パチンコ機の入賞装置の他に、球体を用いて遊技盤上で遊技を行う遊技機一般の入賞装置を対象とすることができる。なお、実施形態は、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜設計変更可能なものである。
〔第1の形態〕
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の斜視図である。図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
また、内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、図示しない樹脂ベースと、この樹脂ベースの後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。上記音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片待ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行なうための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図3〜図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図3は遊技盤30の構成を示す正面図であり、図4は大入賞口61付近を模式的に示す図であり、図5は遊技盤30の構成を示す斜視図である。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、上始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)とから成る第1の始動口33、第2の始動口34(スルーゲートで構成)、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、装飾図柄表示装置42等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33、第2の始動口34、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、下始動口33bの入口には、図5に示すように一対の開閉羽根60が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる。開閉羽根60は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL1によって駆動される。また、下始動口33bの下方には、大入賞口61が配置されている。大入賞口61は常時はシャッタ62が閉塞されており、特別遊技状態となると開放される。シャッタ62は遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL2によって駆動される。大入賞口61内には、入球検出スイッチSW1が設けられている。
前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(役物)が配設されている。
上記特別図柄表示装置38は、第1の始動口33への入賞をトリガとして識別情報としての特別図柄を変動表示し、上記装飾図柄表示装置42は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し、上記普通図柄表示装置41は第2の始動口34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する。
上記特別図柄表示装置38は2色のLED38a,38bで構成されており、後述する主制御装置261により表示内容が制御される。各LED38a,38bは、例えば赤色と緑色との可変表示がなされるようになっている。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は例えば10インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備えている。
上記普通図柄表示装置41は、普通図柄用のランプ41a,41bを備えている。この実施例では、普通図柄用のランプ41aは、例えば、装飾図柄表示装置42の表示両面の上方に設けられ、その外観形状は「○」形状となっている一方、普通図柄用のランプ41bは、ランプ41aの右上側に隣接して設けられ、その外観形状は「×」形状となっている。普通図柄表示装置41は、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えばランプ41a、41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、具体的には、ランプ41a,41bが交互に光り、ランプ41aで停止した場合に第1の始動口33の下始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ720aにて点灯表示されるようになっている。なお、ランプ41a,41bは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される複数個の表示部としても良い。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示装置38が特定の表示態様となった場合(装飾図柄表示装置42の停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組み合せとなった場合)に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32の大入賞口61が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間(例えば30秒)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口61が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ720aにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ720aは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図3及び図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図3及び図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球を図示しないファール球通路に導くための役目をなす。
尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領城が従来よりもはるかに大きく構成されている。
(パチンコ機の背面構成)
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図6はパチンコ機10の背面図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板(装置)、電源監視基板(装置)、及びサブ制御基板(装置)を一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板(装置)、発射制御基板(装置)及び電源基板(装置)を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構および保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
ここで、上記第1制御基板ユニット201は、遊技の進行を統括する主制御基板及び電源の監視を司る電源監視基板と、主制御基板からの指示に従い前記装飾図柄表示装置42の表示制御と音声ランプ制御とを司るサブ制御基板とを有する。上記主制御基板と電源監視基板とは透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。この基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、これらボックスベースとボックスカバーとは後述の封印ユニット805によって開封不能に連結されることにより、基板ボックス263が封印される。
尚、封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用でき、また、封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期にかつ容易に発見可能とするものである。
次に、前記第2制御基板ユニット202は、払出制御基板、発射制御基板、電源基板及びカードユニット接続基板を有している。上記払出制御基板により賞品球や貸出球の払出が制御され、上記発射制御基板により遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射ソレノイドの制御が行われ、上記電源基板により各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。また、上記カードユニット接続基板は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御基板に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板は不要である。
上記払出制御基板は、透明樹脂材料等よりなる払出制御基板ケース280内に収納されており、上記電源基板は、透明樹脂材料等よりなる電源基板ケース281内に収納されている。また、上記カードユニット接続基板は透明樹脂材料等よりなるカードユニット接続基板ケース314内に収納され、上記発射制御基板は透明樹脂材料等よりなる図示しない発射制御基板ケース内に収納されている。特に、払出制御基板では、前述した主制御基板と同様、基板ケース(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結されることにより、基板ボックスが封印される。
上記払出制御基板は状態復帰スイッチ321と電気的に接続されており、例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータがゆっくりと正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面および上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも電動役物ユニット(センター役物)を囲むのに十分な大きさを有する(但し本形態では、前述のサブ制御基板も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図示しない払出通路等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とが一体するようにユニット化されており、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
上記払出機構部352には、前記払出制御基板から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ONまたは電源OFFとされるようになっている。
なお、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられており、内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、上記内枠開検出スイッチ388の左方には、前面枠開検出スイッチ389が設けられており、前面枠セット14が開かれると、前面枠開検出スイッチ389からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図7を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機10は、電源装置313と、電源監視装置540と、主制御装置261と、サブ制御装置262と、払出制御装置311と、表示制御装置45等を備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。尚、電源監視装置540と主制御装置261とは、上記したように封印ユニット805で封印されている。
次いで、主制御装置261の構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図16参照)が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、電源監視装置540内のRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、特別図柄保留表示装置720、普通図柄保留表示装置721や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。なお、特別図柄表示装置38は上記したように特別図柄表示ランプ38a,38bで構成されており、普通図柄表示装置41は上記したように普通図柄表示ランプ41a,41bで構成されており、特別図柄保留表示装置720は上記したように特別図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ720aで構成されており、普通図柄保留表示装置721は上記したように普通図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ721aで構成されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、払出モータ358aがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射ソレノイドによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射ソレノイドは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311からカードユニットとの接続状態であることを示す接続信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射制御装置312は発射許可信号を主制御装置261に出力する。発射許可信号を入力した主制御装置261は、発射ソレノイド制御信号を発射制御装置312に出力する。これにより発射制御装置312は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイドを駆動し、その結果、遊技球発射ハンドルの操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ710等の鳴動制御及び演出用ランプ711の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262のMPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えている。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための演出用ボタン79、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出用ボタン79としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。なお、演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、ワークRAM等として使用されるRAM523を有するMPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529とを備えている。
MPU521は、サブ制御装置262から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し、又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行って画像コントローラ526の制御(具体的には画像コントローラ526に対する内部コマンドの生成)を実施する。プログラムROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値を記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。RAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
画像コントローラ526は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)で構成されている。VDPは、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路であり、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は描画処理専用のソフトウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して、出力ポート529を介して装飾図柄表示装置42に出力して表示させる。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き換えることにより装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM525には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM525を複数設け、各キャラクタROM525に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM525に記憶する構成とすることも可能である。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541を備えている。この電源部541は、電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を、電源監視装置540、サブ制御装置262、払出制御装置311、表示制御装置45等に対して供給する。なお、主制御装置261に対しては、電源監視装置540を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。また、発射制御装置312に対しては、主制御装置261を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
停電監視装置540は、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、リセット信号を出力するリセット回路544とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチが押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアする。
リセット回路544は、主制御装置261、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45を初期化するため、リセット信号を出力する回路である。なお、リセット回路544からのリセット信号は、主制御装置261に対しては直接与えられるが、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45に対しては、電源装置313を介して与えられるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、及び装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として特別図柄表示装置38で表示される特別図柄と、装飾図柄表示装置42で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。
先ず、特別図柄表示装置38の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、特別図柄表示ランプ38a,38bの色変化(赤色・緑色の変化)や点滅等の点灯パターンの変化により表現される。この特別図柄の変動表示は遊技球の第1の始動口33への入賞に基づいて開始され、一定時間後に特別図柄の変動表示が同時に停止する。その停止後に、特別図柄が揃っている場合、即ち、特別図柄表示ランプ38a,38bが同一色の点灯状態となっているときは大当たりとなり、変動表示の停止時に特別図柄が揃っていなければ、即ち、特別図柄表示ランプ38a,38bが異色の点灯状態となっているときは、外れとなり、第1の始動口33への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。遊技球が第1の始動口33に入賞した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が特別図柄保留表示装置720の保留ランプ720aにて点灯表示されるようになっている。なお、本形態では、変動表示の停止時において、特別図柄表示ランプ38a,38bが共に赤色の点灯状態であれば、特定図柄(確率変動図柄)とみなされ、特別図柄表示ランプ38a,38bが共に緑色の点灯状態であれば、非特定図柄(非確率変動図柄)とみなされる。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。装飾図柄表示装置42の表示画面には、例えば、図8に示すように、上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの装飾図柄列Z1〜Z3が表示される。これら装飾図柄列Z1〜Z3は、右から左にスクロール表示される。装飾図柄は、例えば「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。第1の33への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、装飾図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直方向又は斜め方向の一直線上に同一の主図柄が3つ揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち垂直方向及び斜め方向のいずれの一直線上にも同一の主図柄が3つ揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。
次いで、普通図柄表示装置41の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、普通図柄表示ランプ41a(外観が○形状)と、普通図柄表示ランプ41b(外観が×形状)とが交互に点灯することにより表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球が第2の始動口34を通過することを条件として開始され、一定時間後に普通図柄の変動表示が停止する。そして、表示ランプ41aで停止した場合に第1の始動口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置721の保留ランプ721aにて点灯表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置38の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、図9に示すように、特別図柄に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、特別図柄表示装置38の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、特別図柄表示装置38が外れ変動する際の停止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全外れとするかのリーチ抽選に相当する)に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する種別を決定する変動種別カウンタCS1〜CS3とを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI1,CS1〜CS3、は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア700が設けられており、これらの各エリアには、第1の始動口33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組み合せが予め定められた確率変動図柄である特定図柄の組み合せ(本実施形態においては特定図柄表示ランプ38a,38bが共に緑色で点灯する場合)によって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない場合(本実施形態においては特定図柄表示ランプ38a,38bが共に赤色で点灯する場合)をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、特別図柄表示装置38における特別図柄の変動停止時の図柄を決定するものであり、例えば0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」、「1」の場合の停止図柄は、特別図柄表示ランプ38a,38bが共に緑色で停止し、この場合の停止図柄の組み合せは非特定図柄(通常の大当たり図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2の値が「2」、「3」、「4」の場合の停止図柄は、特別図柄表示ランプ38a,38bが共に赤色で停止し、この場合の停止図柄の組み合せは特定図柄(確率変動図柄)を意味する。
大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本形態では、特別図柄の変動表示は、2つの表示ランプ38a,38bで表現するように構成されているので、特別図柄の場合にはリーチという概念はなく、リーチに相当する停止パターンを停止パターン選択カウンタC3によって、決定することとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止パターン選択カウンタC3によって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチ発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、停止パターン選択カウンタC3=0〜201が完全外れに該当し、停止パターン選択カウンタC3=202〜208が前後外れリーチに該当し、停止パターン選択カウンタC3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。
ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置42の表示画面に表示される装飾図柄が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組み合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組み合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、停止パターン選択カウンタC3は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS3は、例えば0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばすべり停止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。
カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置38による特別図柄及び装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してカウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウンタ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC4と、当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI2とを備えている。
上記当たり乱数カウンタC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア701が設けられており、これらの各エリアには、第2の始動口34への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次いで、上記当たり乱数カウンタC4,初期値乱数CINI2の具体的な内容について詳述する。当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタCINI2の値が当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI2は、当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタC4は定期的に(本形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動口34を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリア701に格納される。当たり乱数カウンタC4の当たりとなる乱数の値の数は149で、その値は「5〜153」である。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、当たり乱数カウンタC4、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
次に、図10から図16のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図14はタイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置261のMPU501により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチを除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、乱数初期値カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S602)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本形態ではそれぞれ738,250)に達した際0にクリアする。そして、各カウンタCIN1,CIN2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B4,B9に格納する。
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3及び当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3及び当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B1〜B4に格納する。次いで、第1の始動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S604)。その後、発射制御装置312に、発射ソレノイド制御信号や球送りソレノイド制御信号等を出力して発射制御処理を実行する(S605)。
図16のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が第1の始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチの検出情報により判別する(S701)。遊技球が第1の始動口33に入賞したと判別されると(S701:Yes)、特別図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。第1の始動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS703で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリア700の空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。一方、第1の始動口33への入賞がないか(S701:No)、或いは、第1の始動口33への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、S703及びS704の各処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理の終了後は、MPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図16はNMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電監視装置540内の停電監視回路542から停電信号SG1が主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。本形態におけるNMI割込処理を具体的説明すると、MPU501は電源遮断の発生情報の設定(具体的には停電フラグを論理「1」に設定)する(S801)。この停電フラグが論理「1」であるときは電源遮断(停電)状態であることを示し、停電フラグが論理「0」であるときは電源遮断(停電)でない通常状態であることを示す。なお、以下の説明において、「電源遮断の発生情報」とは停電フラグを意味するものである。
なお、図16のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後の所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源装置313から停電監視装置540を介してバックアップ電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行されるようになっている。
そして、NMI割込処理が行われた後は、通常処理に戻り、後述するように通常処理中において、最終処理プログラムまで処理の実行を行った後、電源断の発生情報を確認して、電源断の発生情報が設定されている場合は、停電処理に移行する。このようにして、停電時にはNMI割込処理を停電フラグの設定のみとし、通常処理をその最終処理プログラムまで実行した後に電源断の発生情報の設定を確認して停電処理に移行することにより、処理の圧縮、制御の簡略化を実現できる。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、また、停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部から電源供給がなされるのも同様である。
図10は主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。次いで、払出制御装置311及びサブ制御装置262が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する(S102)。そして、ウェイト後は、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
その後は、RAM消去スイッチがオンされているか否かを判別(具体的には電源監視装置からのRAM消去信号を入力したか否かで判別)し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS113へ移行する。一方、RAM消去スイッチがオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503に電源断の発生情報の設定がなされているか否かを判別し(S105)、設定されていなければ(S105:No)、この場合にも、処理をS113へ移行する。電源断の発生情報が設定されている場合は(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、RAMに格納されているデータ(RAMにデータと称する)は破壊されているので、かかる場合にも処理をS113へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりRAMデータの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えば遊技機の設置ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチが押されていれば、RAMの初期化処理(S113)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりRAMデータの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理等(S113〜S117)に移行する。即ち、S113からのRAMの初期化処理等では、RAM503の使用領域を0にクリアし,RAM503の初期値を設定する(S113)。次いで、払出制御装置311に対して払出初期化コマンドを送信し(S114)、次いで、電源投入時のコマンドを送信し(S115)、次いで、カウンタ及びタイマの初期設定を行う(S116)。その後、割込みを許可して(S117)、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチがオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が設定されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して、電源断の発生情報をクリア(停電フラグを「0」に設定)する。次に、払出制御装置311に対して払出復帰コマンドを送信し(S109)、次いで、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復帰時のコマンドを送信し(S110)、次いで、カウンタ及びタイマの初期設定を行う(S111)。その後、割込みを許可して(S112),後述する通常処理に移行する。
次に、図11のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S209の各処理が実行され、その残余時間処理内で停電フラグを監視し電源断の処理(S213〜S217)を実行する構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置等に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の図柄変動態様に関するコマンド)、装飾図柄の停止図柄コード情報指定コマンド(特定当たり指定、非特定当たり指定、外れ指定の何れかを内容とするコマンドであり、以下、「装飾停止図柄コード情報指定コマンド」と略称する)、演出コマンド(演出時間加算指定コマンド等が含まれる)演出停止コマンド(確定コマンドとも称する)等をサブ制御装置262に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1〜CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本形態では198)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。次いで、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号や下皿満タン信号を読み込み(S203)、特別図柄表示装置38による特別図柄の変動表示を行うための特別図柄変動処理を実行する(S204)。なお、この特別図柄変動処理により、大当たり判定や特別図柄の変動パターンの設定に加えて、装飾図柄の表示演出のための変動パターンコマンド、装飾停止図柄コード情報指定コマンド、及び演出時間加算指定コマンドの決定なども行われる。なお、特別図柄変動処理の詳細は図12を参照して後述する。
特別図柄変動処理の終了後は、大当たり状態である場合においては、可変入賞装置32の大入賞口61を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口61を開放し、大入賞口61の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口61に遊技球が規定個数(例えば10球)入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口61を閉鎖する。これを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本パチンコ機では、大入賞口61の連続開放のための特定領域(Vゾーン)は設けられておらず、従って、大当たり状態時には、所定ラウンド数の途中で終了することはなく、必ず所定ラウンド数(例えば16ラウンド)全てが実行されるようになっている。
次いで、ステップS206では、普通図柄表示装置41による普通図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口34を通過したことを条件に、その都度、当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、普通図柄表示装置41の表示ランプ41a,41bにて普通図柄の変動表示が実施される。そして、当たり乱数カウンタC4の値により普通図柄の抽選が実施され、普通図柄の当たり状態(「○」表示された状態)になると、第1の始動口33が所定時間開放される(S207)。
次いで、電源断の発生情報の設定がなされているか否かを判別し(S208)、設定されていれば(S208:Yes)、処理をS213へ移行し、割込み禁止を設定し(S212)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信し(S213)、その後、制御信号の出力を停止する(S214)。次いで、RAM判定値を算出し、保存する(S215)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S216)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
電源断の発生情報の設定がなされていない場合は(S208:No)、処理はステップS209に移り、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S209)、既に所定時間が経過していれば(S209:Yes)、処理はステップS201に戻る。
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S209:No)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1、及び当たり初期値乱数カウンタCINI2並びに、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を繰り返し実行する(S211,S212)。まず、初期値乱数カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S210)。具体的には、カウンタCINI1,CINI2をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本形態では738、250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、カウンタCINI1,CINI2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B4,B9にそれぞれ格納する。次に、カウンタ変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する(S211)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値をRAM503の該当するバッファ領域B5,B6,B7にそれぞれ格納する。
このようにして、S201〜S208の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)及び当たり初期値乱数カウンタCINI2(即ち、当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1〜CS3についてもランダムに更新することができる。
次に、図12のフローチャートを参照して、特別図柄変動処理(S204)を説明する。特別図柄変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S401)。大当たり中としては、大当たりの際に装飾図柄表示装置42で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S401:No)、特別図柄表示装置38による特別図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S402)、特別図柄の変動表示中でなければ(S402:No)、特別図柄表示装置38の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S403)。作動保留球数Nが0であれば(S403:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S403:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S404)、保留球格納エリア700に格納されたデータをシフト処理する(S405)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア700の保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具体に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、特別図柄の変動開始処理を実行する(S406)。なお、変動開始処理については図13を参照して後述する。
S402の処理において、特別図柄の変動表示中である場合には(S402:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S407)。特別図柄の変動時間はその特別図柄の変動パターンに応じて決められており、変動時間が経過していない場合は(S407:No)、特別図柄の表示図柄を更新し(S408)、本処理を終了する。ここで、「特別図柄の表示図柄を更新」とは、特別図柄表示ランプ38a,38bを現在の点灯状態と異なる点灯状態に変化させることを意味する。例えば、特別図柄表示ランプ38a,38bの点灯色を変化させる場合が該当する。変動時間が経過した場合は(S407:Yes)、特別図柄の停止図柄を表示図柄に設定する(S409)。ここで、「特別図柄の停止図柄を表示図柄に設定」とは、特別図柄表示ランプ38a,38bを停止図柄(特定図柄、非特定図柄、外れ図柄にそれぞれ対応するランプの点灯色)で点灯状態とすることを意味する。次いで、演出パターン停止コマンドを設定して(S410)、本処理を終了する。
次に、図13のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S406)では、まず、保留球格納エリア700の実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S501:Yes)、保留球格納エリア700の実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、即ち大当たり図柄を大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表す図示しないテーブルに基づいて求め、その図柄(特定図柄、又は非特定図柄の何れか)を停止図柄に設定する(S502)。次いで、変動種別カウンタCS1,CS2のカウント値を確認にして大当たり演出パターンを決定する(S503)。
次に、変動種別カウンタCS3の値を確認して演出時間加算を決定する(S504)。次に、ステップS503で決定された大当たり演出パターンにより、演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンドとも称する)を設定し(S505)、大当たり図柄カウンタC2の値により装飾停止図柄コード情報コマンドを設定し(S506)、ステップS504で演出時間加算を決定したときは演出時間加算指定コマンドを設定する(S507)。このようにして、ステップS501〜S507により、大当たりの場合における、演出パターン指定コマンド、装飾停止図柄コード情報コマンド、演出時間加算指定コマンドがそれぞれ設定される。
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:No)、外れ図柄を停止図柄に設定する(S508)。外れ演出パターンを決定する(S509)。そして、ステップS504〜S507の処理により、大当たりでない場合における、演出パターン指定コマンド、装飾図柄コマンド、演出時間加算指定コマンドがそれぞれ設定される。
次に、図17及び図18を参照して、サブ制御装置262のMPU550により実行される各処理について説明する。図17は、サブ制御装置262のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
サブ制御装置262のメイン処理は、まず電源投入に伴う初期設定処理を実行し(S911)、I/Oやタイマの初期化、及び、タイマ割込等の各割込の設定を行う。次いで、電源断処理が全て完了しているか否か、即ち、ランプが全て消灯されているか、スピーカが消音されているか等が判別される(S912)。電源断処理が全て完了している場合(S912:Yes)は、処理はS914に移行する。電源断処理が全て完了していない場合(S912:No)は、RAM552が破壊されているおそれがあるので、RAM552が破壊されているか否かを判定する(S913)。具体的には、RAM552にはRAM破壊チェックデータが予め設定されており、このRAM破壊チェックデータによって判定するようになっている。RAM552が破壊されていないと判定されたときは(S913:No)、処理はステップS917に移る。一方、RAM552が破壊されていると判定されたときは(S913:Yes)、RAM552の各領域について読み書きチェックを行い(S914)、この読み書きチェックの結果に基づきRAM552が正常に機能するか否かを判別する(S915)。RAM552が正常でない場合(S915:No)は、所定のランプを点灯させてRAMの異常を報知する(S921)。
一方、RAM552が正常であれば(S915:Yes)、RAM552にRAM破壊チェックデータを設定する(S916)。次いで、電源断後の電源投入か否かが判断され(S917)、電源断後の電源投入でない場合(S917:No)は、RAM522の未初期化領域以外の領域をクリアする(S918)。これにより、主制御装置261から送信されたコマンドのうち電源コマンド以外は全てクリアされる。次いで、タイマ割込や主制御装置261からのコマンドの受信処理等の割込みを許可状態とする(S919)。次いで、RAM522の初期値設定を行い(S920)、その後、後述する通常処理に移行する。一方、ステップS917で電源断後の電源投入であれば、処理はステップS919に移る。
次いで、図18を参照して、サブ制御装置262の通常処理について説明する。先ず1ms以上経過したか否かが判断される(S1031)。1ms経過前であれば(S1031:No)、装飾図柄に関連する、外れ図柄や大当たり図柄、予告図柄等の生成のための乱数を更新する(S1040)。具体的には、大当たり装飾図柄(特定図柄用)カウンタ、大当たり装飾図柄(非特定図柄用)カウンタ、リーチ装飾図柄カウンタ、完全外れ装飾図柄カウンタ、予告図柄等の演出用図柄カウンタ等が設けられており、これら装飾図柄に関連するカウンタの値を更新する。なお、これらのカウンタの値はランダムに更新する。即ち、MPU550に内蔵のRレジスタの値を用いることにより、これらのカウンタの値をランダムに更新する。即ち、これらのカウンタの更新時には、前回値にRレジスタの下位2ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に「6」が減算されて今回値が決定される。
乱数の更新処理(S1040)後は、主制御装置261からのコマンド受信し、各コマンドに対応した処理を行う(S1041)。ここで、主制御装置261からのコマンドが、装飾図柄の表示に関連するコマンドの場合は、そのコマンドを基に表示制御装置45へのコマンドを編集し、その編集したコマンドを表示制御装置45に送信する。具体的に説明すると、主制御装置261からの表示コマンドとしては、変動パターン指定コマンド(停止パターン選択カウンタC3と変動種別カウンタCS1,CS2とに基づき生成されたコマンドであって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の図柄変動態様を指定するコマンド)、装飾停止図柄コード情報コマンド(特定当たり指定、非特定当たり指定、外れ指定の何れかのコマンド)、演出コマンド(変動種別カウンタCS3に基づき生成された変動時間の変更等コマンド)、及び全停止コマンド(装飾図柄停止のコマンド、いわゆる確定コマンド)等が該当する。一方、サブ制御装置262は、主制御装置261からの変動パターン指定コマンドはそのまま表示制御装置45に送信するが、装飾停止図柄コード情報コマンドでは特定当たり指定、非特定当たり指定、外れ指定それぞれの具体的な装飾図柄(停止図柄)を決定したコマンドに編集する。この編集に当たっては、MPU550内の装飾図柄カウンタにより停止図柄が決定されるようになっている。
また、主制御装置261からの演出コマンドは、変動時間の変更等に加えて、各種演出の指定をも含むコマンドに編集する。そして、サブ制御装置262は、これらのコマンドを表示制御装置45に送信する。これにより、表示制御装置45では、受信したコマンドを解析し、そのコマンドに応じて装飾図柄の画像生成を行い、装飾図柄表示装置42に出力することにより、装飾図柄表示装置42では所定の演出表示で変動表示が実行されることになる。
その後、RAM552が破壊されているか否かを確認し(S1042)、破壊されていなければ(S1042:No)、処理はステップS1031に戻る。破壊されていれば(S1042:Yes)、無限ループ処理となる。
一方、ステップS1031において、1ms以上経過していれば(S1031:Yes)、装飾図柄表示装置42の演出パターンに対応したランプ点灯パターンを演出用ランプ711に出力し、演出用ランプ711を点灯する(S1032)。なお、ランプ点灯パターンの作成は、具体的には後述するステップS1037の処理により行われる。次いで、電源投入コマンドにより、所定ランプを30秒間点灯させ、報知する(S1033)。次いで、装飾図柄のタイトルと静止画の切り替えを行うための客待ち演出コマンドを生成して表示制御装置45に送信する(S1034)。次いで、特別図柄の保留個数を装飾図柄表示装置42で表示する場合は、その保留個数表示更新時にはそのためのコマンドを生成して表示制御装置45に送信する(S1035)。
次いで、演出ボタン79の入力操作を確認し、入力操作があったときは、その演出ボタン79に応じた所定の演出が装飾図柄表示装置42において表示演出されるように演出コマンドを生成して、表示制御装置45に送信する(S1036)。次いで、装飾図柄表示装置42の演出パターンに対応したランプ点灯パターンを編集する(S1037)。次いで、主制御装置261から受信したコマンドに対応したスピーカ710で出力される鳴動パターンを編集し、その鳴動パターンの情報をスピーカ710に出力する(S1038)。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示演出を実行するための種々の時間管理を行う(S1038)。その後、ステップS1040、S1041、S1042を経て、ステップS1031に戻る。
このようにして、サブ制御装置262では、装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ710の鳴動制御及び演出用ランプ711の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する。
次いで、表示制御装置45における表示制御について説明する。図19は表示制御装置45内のMPU521により実行される表示制御処理を示すフローチャートである。MPU521は、図18に示す手順に従ってサブ制御装置262から提供される各種コマンドを処理しつつ装飾図柄表示装置42の表示制御を実行する。
先ず、サブ制御装置262から表示コマンドを受信したか否かを判別する(S1151)。受信していない場合(S1151:No)は、何らかのコマンドを受信するまで待機する。そして、表示コマンドを受信すると(S1151:Yes)、その表示コマンドの内容をRAM523に格納する(S1152)。次いで、RAM523に格納された情報に基づき、画像コントローラ526に対する内部コマンドを生成する等の各種の演算処理を開始する(S1153)。これにより、画像コントローラ526は、MPU521からの指令(内部コマンド)に応じて描画処理を開始する。なお、表示コマンドを一旦受信するとその後に確定コマンドを受信するまでの間、MPU521と画像コントローラ526との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。その間、MPU521は、画像コントローラ526の制御と図19に示すコマンド受信処理とを並行して行う。
その後、サブ制御装置262から確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1154)。そして、確定コマンドを受信したことを条件に、ステップS1155に進み、画像コントローラ526に対して停止図柄での確定表示を指示する。これにより、画像コントローラ526は変動していた図柄を停止図柄で確定表示させる。こうして、図柄の変動開始から変動停止(確定表示)までの1ラウンドの表示処理が行われる。表示制御装置45は、図柄の変動開始時及び変動停止時にサブ制御装置262によるコントロールを受けるが、その間の図柄の継続的な変動については、表示制御装置45内のMPU521及び画像コントローラ526による自立的な画像制御によって担保されている。
次に、図20を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出制御について説明する。図20は、払出制御装置311のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
先ず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、RAMアクセスを許可すると共に(S1202)、外部割込ベクタの設定を行う(S1203)。
その後は、RAM513に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1204)、記憶されていなければ(S1204:No)、処理をS1210へ移行する。RAM513に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1204:Yes)、RAM判定値を算出し(S1205)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1206:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、RAM513に保存されているデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1210へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりRAM513に保存されているデータの有効性を判断するようにしても良い。
ステップS1210からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S1210)、RAM513の初期値を設定する(S1211)。その後、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S1208)、割込みを許可して(S1209)、後述する払出制御処理に移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S1204:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1206:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、RAM513の初期値を設定し(S1207)、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S1208)、割込みを許可して(S1209)、後述する払出制御処理に移行する。
次に、図21のフローチャートを参照して、払出制御処理を説明する。この払出制御処理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、総賞球個数として記憶する(S1301)。ここで、主制御装置261からのコマンドが、正規コマンドであれば全て払出を許可する。なお、主制御装置261からのコマンドが、賞球コマンド、払出復帰コマンド、払出初期化コマンドであればそれに応じた処理を行う。
次いで、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信しているか否かが判定される(S1302:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S1302:Yes)、状態復帰スイッチ321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1303)。
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1304)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1305)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には、主制御装置261へ状態を報知する信号を送信すると共に、払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1306)。
次に、S1307、S1308、S1315の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1301の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1307:No,S1308:No)、図22に示す賞球制御処理を開始する(S1315)。一方、賞球の払出不可状態(S1307:Yes)または総賞球個数が0であれば(S1308:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
S1309、S1310、S1316の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1309:No,S1310:Yes)、図23に示す貸球制御処理を開始する(S1316)。なお、貸球制御処理は後述する。
一方、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していなければ(S1309:No,S1310:No)、または、貸球の払出不可状態であれば(S1309:Yes)、球詰まり状態解除のためバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する(S1311)。その後は、停電発生か否かを判定し(S1312)、停電発生でなければ(S1312:No)、処理はステップS1301に戻る。停電発生であれば(S1312:Yes)、電源断の発生情報を設定し(S1313)、RAM判定値を作成し(S1314)、その後はリセット信号の入力待ちのため無限ループに移る。
次いで、図22に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1401)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1402)、正常でなければ(S1402:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1403)、その後、図21の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1402:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1404)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1404:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1405)、その後、図21の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1404:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1406)、払出が完了していれば(S1406:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1407)、その後、図22の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1406:No)、そのまま、図21の払出制御処理に戻る。
次いで、図23に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1501)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1502)、正常でなければ(S1502:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1503)、その後、図21の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1502:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1504)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1504:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1505)、その後、図21の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1504:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1506)、払出が完了していれば(S1506:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1507)、その後、図21の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1506:No)、そのまま、図21の払出制御処理に戻る。
(主制御装置及び払出制御装置への電力供給路に関連する主たる構成)
ここで、電源装置と主制御装置との電気的な接続及び電源装置と払出制御装置との電気的な接続について説明する。図24は、電源装置と主制御装置及び払出制御装置との電気的な構成を表すブロック図である。
電源装置313と主制御装置261とは、ワイヤハーネス(第1ワイヤハーネス)910、電源監視装置540及びワイヤハーネス(コネクタ接続体)980を介して接続されている。また、電源装置313と払出制御装置311とは、ワイヤハーネス(第2ワイヤハーネス)990を介して接続されている。電源装置313は、ワイヤハーネス910の一端に対応するメス型コネクタ(第1コネクタ)941とワイヤハーネス990の一端に対応するメス型コネクタ(第5コネクタ)945とを備えている。電源監視装置540は、ワイヤハーネス910の一端に対応するオス型コネクタ(第3コネクタ)943と、ワイヤハーネス980の一端に対応するオス型コネクタ(第4コネクタ)944とを備えている。主制御装置261は、ワイヤハーネス980の一端に対応するオス型コネクタ(第2コネクタ)942を備えている。また、払出制御装置311は、ワイヤハーネス920の一端に対応するオス型コネクタ(第6コネクタ)946を備えている。
ワイヤハーネス910の電源装置313側のハウジング(第2ハウジング)はオス型であり、そのハウジングに固定された全ての接触子(第2接触子及び第4接触子等)はオス型である。一方、ワイヤハーネス910の電源監視装置540側のハウジング(第1ハウジング)はメス型であり、そのハウジングに固定された全ての接触子(第1接触子及び第3接触子を含む)はメス型である。また、ワイヤハーネス990の電源装置側のハウジング(第3ハウジング)はオス型であり、そのハウジングに固定された全ての接触子(第8接触子及び第10接触子を含む)はオス型である。一方、ワイヤハーネス990の電源監視装置側のハウジング(第4ハウジング)はメス型であり、そのハウジングに固定された全ての接触子(第7接触子及び第9接触子を含む)はメス型である。
電源装置313は、電源回路545とバックアップ回路546と信号中継回路547とを備えている。電源回路545では、上述のように、外部電力に基づいて、ロジック回路用の駆動電力(直流5V)と、機器用の駆動電力(直流12V)とを生成する。また、外部電力に基づいて、外部電力の供給を監視するための電力監視信号(直流24V)を生成する。なお、電源装置313内における電力や信号の各電圧は、基準電位(アース電位GND)に対する電位差である。バックアップ回路546は、ロジック回路用の駆動電力の一部を、その構成要素であるコンデンサにバックアップ駆動電力として蓄電する。外部電力の供給が遮断された場合には、バックアップ駆動電力に基づいて、ロジック回路用の駆動電力を供給する経路と同一経路で、また、ロジック用の駆動電力と同一の電圧(5V)で、バックアップ駆動電力を供給する。なお、外部電力の供給が遮断された場合には、電源回路545からのロジック回路用の駆動電力や機器用の駆動電力の供給は行われない。信号中継回路540は、電源監視装置540におけるリセット回路544からのリセット信号及び停電監視回路542からの停電信号を中継する。
電源装置313のメス型コネクタ941は、アース電位を共通化するためのアース電位用接触子(第1基準電位用接触子)(図示せず)と、通常時におけるロジック回路用の駆動電力及び外部電力の遮断時におけるバックアップ駆動電力を供給するロジック電力用接触子(第1バックアップ駆動電力用接触子)(図示せず)と、機器用の駆動電力を供給する機器電力用接触子(図示せず)と、電力監視信号を伝達する電力監視信号用接触子(図示せず)と、リセット信号及び停電信号を伝達する2つの信号用接触子(図示せず)と、それらの接触子を内包するメス型ハウジング(図示せず)を含んでいる。電源装置313のメス型コネクタ945は、電力監視信号を伝達する電力監視信号用接触子を含まないこと以外は、メス型コネクタ941と同様の構成である。なお、メス型コネクタ941及びメス型コネクタ945は、従来のメス型コネクタと同様の構成である。
電源監視装置540のオス型コネクタ943は、電源装置313のメス型コネクタ941と同様に、基準電位用接触子(第3基準電位用接触子)(図示せず)と、ロジック電力用接触子(第3バックアップ駆動電力用接触子)(図示せず)と、機器電力用接触子(図示せず)と、電力監視信号用接触子(図示せず)と、2つの信号用接触子(図示せず)とを含んでいる。一方、電源監視装置540のオス型コネクタ944は、RAM消去スイッチ回路からのRAM消去信号を伝達する他の信号用接触子(図示せず)を更に含む。オス型コネクタ943は、従来のオス型コネクタと同様の構成であるが、全てのオス型接触子及びそれらを固定するハウジングの長さを従来よりも全体的に長くしている。オス型コネクタ943の接触子の長さを長くする理由については、ワイヤハーネス910の構造の説明と共に下述する。電源装置313から電源監視装置540へは、ワイヤハーネス910を介して、機器用の駆動電力、ロジック回路用の駆動電力及びバックアップ駆動電力が供給され、かつ、アース電位、電力監視信号、リセット信号及び停電信号が伝達される。
電源監視装置540のオス型コネクタ944は、アース電位用接触子(第4基準電位用接触子)(図示せず)と、ロジック電力用接触子(第4バックアップ駆動電力用接触子)(図示せず)と、機器電力用接触子(図示せず)と、電力監視信号用接触子(図示せず)と、リセット回路544からのリセット信号、停電監視回路からの停電信号及びRAM消去回路からのRAM消去信号を伝達する3つの信号用接触子(図示せず)とを含んでいる。なお、オス型コネクタ944のアース電位用接触子、ロジック電力用接触子及び機器電力用接触子は、それぞれ、オス型コネクタ945のアース電位用接触子、ロジック電力用接触子及び機器電力用接触子に、電力中継回路548を介して電気的に接続されている。
主制御装置261のオス型コネクタ942は、電源監視装置540のオス型コネクタ944と同様に、アース電位用接触子(第2基準電位用接触子)(図示せず)と、ロジック電力用接触子(第2バックアップ駆動電力用接触子)(図示せず)と、機器電力用接触子(図示せず)と、電力監視信号用接触子(図示せず)と、リセット信号、停電信号及びRAM消去信号を伝達する3つの信号用接触子(図示せず)とを含んでいる。なお、オス型コネクタ942としては、従来と同一の長さのオス型コネクタを用いている。電源監視装置540から主制御装置261へは、ワイヤハーネス980を介して、機器用の駆動電力、ロジック回路用の駆動電力及びバックアップ駆動電力が供給され、かつ、アース電位、リセット信号、停電信号及びRAM消去信号が伝達される。
払出制御装置311のオス型コネクタ946は、アース電位用接触子(第6基準電位用接触子)(図示せず)と、ロジック電力用接触子(第6バックアップ駆動電力用接触子)(図示せず)と、機器電力用接触子(図示せず)と、電力監視信号用接触子(図示せず)と、信号中継回路547を介してオス型コネクタ941の2つの信号用接触子と電気的に接続された2つの信号用接触子(図示せず)とを含んでいる。オス型コネクタ946は、電源監視装置540のオス型コネクタ943と同様に、全てのオス型接触子及びそれらを固定するハウジングの長さを従来よりも全体的に長くしている。電源装置313から払出制御装置311へは、ワイヤハーネス990を介して、機器用の駆動電力、ロジック回路用の駆動電力及びバックアップ駆動電力が供給され、かつ、アース電位、リセット信号及び停電信号が伝達される。
ここで、ワイヤハーネス910の構成について具体的に説明する。図25は、ワイヤハーネスの一端の構造の一例を表す平面断面図であり、図26は、ワイヤハーネスの一端の構造の一例を表す縦断面図である。なお、図25において、図30〜図32に記載された従来と実質的に同一部材には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。本形態では、ワイヤハーネス910及びワイヤハーネス990において電源装置313側と反対側の端部が、電気的な衝撃を抑制できる構造(以下、「衝撃抑制構造」とも称する)である。なお、以下においては、ワイヤハーネス910の衝撃抑制構造とワイヤハーネス990の衝撃抑制構造とは実質的に同一であるために、ワイヤハーネス910の衝撃抑制構造についてのみ説明する。
ワイヤハーネス910における電源監視装置540側の端部は、図25及び図26に示されたように、複数のメス型接触子(第2接触子等)812と、それらよりも長いメス型接触子(第1接触子)912と、メス型ハウジング913とを備えている。なお、各短いメス型接触子812は、従来と同一の構成であり、長いメス型接触子912は、その接続部923の長さが、短いメス型接触子812の接続部823の長さよりも長いこと以外は、短いメス型接触子812と同一の構成である。長いメス型接触子912の先端(図25及び図26における右端)を、短いメス型接触子812の先端(図25における右端)よりもメス型ハウジング913の先端側(図25及び図26における右側)に突出させている。また、長いメス型接触子912及び短いメス型接触子812の後端(図25及び図26における左端)は、メス型ハウジング913の接続方向(図25及び図26における左右方向)に垂直な同一平面内に配置されている。したがって、本形態では、メス型ハウジング913の接続方向に沿った長いメス型接触子912の先端位置と短いメス型接触子812の先端位置との差D1が、長いメス型接触子912と短いメス型接触子812との長さの差と実質的に同一である。
メス型ハウジング913の先端側及び後端側の表面は、実質的に平坦である。メス型ハウジング913は、長いメス型接触子912の前方に形成された誘導孔(第1誘導孔)836と、各短いメス型接触子812の前方に形成された誘導孔(第2誘導孔等)936が形成されている。誘導孔836の長さと誘導孔936の長さとの差D2が、メス型ハウジング913の接続方向に沿った長いメス型接触子912の先端位置と短いメス型接触子812の先端位置との差D1と実質的に同一になるように、誘導孔836と誘導孔936の長さは異ならせている。
長いメス型接触子912及び各短いメス型接触子812は、メス型ハウジング913に対して着脱自在である。メス型ハウジング913には、長いメス型接触子912及び各短いメス型接触子812の各々に対応する脱離弁838(図26参照)が形成されている。また、各脱離弁838には、脱離防止穴837(第1固定部、第2固定部等)(図26参照)が形成されており、長いメス型接触子912及び各短いメス型接触子812に対応する脱離防止穴837は、実質的にメス型ハウジング913の接続方向に垂直な同一平面上に配列させている。一方、長いメス型接触子912及び各短いメス型接触子812には、脱離防止爪(第1係止部、第2係止部等)824が設けられており、各脱離防止爪824は、脱離防止穴837に係止されている。なお、長いメス型接触子912の後端から脱離防止爪824までの距離と各短いメス型接触子812の後端から脱離防止爪824までの距離とが実質的に同一である。
ワイヤハーネス910における電源装置313側の端部(図示せず)は、従来と同一の構成である。具体的には、各ケーブル811の端部に固定されたオス型接触子(図示せず)と、各オス型接触子を固定するオス型ハウジング(図示せず)とを備える。このオス型ハウジングに固定された全てのオス型接触子は、それらの先端が実質的にオス型ハウジングの接続方向に垂直な同一平面上に配列するように配置されている。
ここで、ワイヤハーネス910を電源監視装置540のオス型コネクタ943に装着する過程について説明する。図27は、ワイヤハーネスと電源監視装置とを接続する過程を表す平面断面図であり、図27(a)が接続前の状態を示し、図27(b)が、接続途中の状態を示し、図27(c)が接続完了の状態を示している。
図27(a)に示されような、ワイヤハーネス910の接続前の状態から挿入を開始すると、図27(b)に示されたように、まず、長いメス型接触子912とそれに対応するオス型接触子801aとが接触する。挿入を続けると短いメス型接触端子812とそれに対応するオス型接触子801bとが接触する。更に挿入を続けることによって、図27(c)に示されたように、ワイヤハーネス910とオス型コネクタ900との接続が完了する。
ワイヤハーネス910の一端において、長いメス型接触子912及びそれが固定されたケーブル811とは、アース電位の伝達路を構成し、短いメス型接触子812のいずれか1つ及びそれが固定されたケーブル811とは、バックアップ駆動電力の供給路を構成する。つまり、長いメス型接触子912は、オス型コネクタ943のオス型接触子(アース電位用接触子)801aに接続され、短いメス型接触子812のいずれか1つがオス型コネクタ943のオス型接触子801b(ロジック電力用接触子)に接続される。ワイヤハーネス910に接続されるオス型コネクタ943に含まれる各オス型接触子801a,801bの長さは、実質的に、ワイヤハーネス910における長いメス型接触子912の先端位置と短いメス型接触子812の先端位置との差D1だけ従来よりも一律に長い。なお、この場合、従来と同様に、それらのオス型接触子801a,801bの各々の先端は、実質的に、オス型ハウジング802の接続方向に垂直な同一平面内に位置している。図27(c)から容易に推察できるように、従来と同様の長さのオス型コネクタを用いた場合には、短いメス型接触子812とオス型接触子との接触面積が小さくなってしまい、導通特性が低下するからである。
本形態であれば、長いメス型接触端子912を含む配線がアース電位の伝達路として用いられるので、まず、ワイヤハーネス910を電源監視装置540から外せば、電源装置313の基準電位と主制御装置261の基準電位とをアース電位に保ったまま、電源装置313から主制御装置261へのバックアップ駆動電力を遮断できる。これによって、バックアップ駆動電力の遮断時における主制御装置261への電気的な衝撃を抑制できる。また、予め、電源装置313のオス型コネクタ941とワイヤハーネス980とを接続し、かつ電源監視装置540と主制御装置261とをワイヤハーネス980で接続した後に、ワイヤハーネス910を電源監視装置540のオス型コネクタ941とを接続すれば、電源装置313の基準電位と主制御装置261の基準電位とをアース電位に保ったまま、電源装置313と主制御装置261とを接続できるために、電源監視装置540及び主制御装置261への電気的な衝撃を抑制できる。同様に、電源装置313と払出制御装置311との電気的な接続を絶つ際、及び、電源装置313と払出制御装置311との電気的な接続を行う際には、払出制御装置311への電気的な衝撃を抑制できる。
以下において、本実施の形態の種々の変化例について説明する。
上記においては、ワイヤハーネス910のメス型ハウジング913の先端側の表面が、図25及び図26に示されたように、実質的に平坦な場合について説明したが、図2に示されたように、メス型ハウジング913’の先端側の表面に凹凸が形成されていてもよい。なお、突出した部分が電源監視装置313の所定の接触子以外のオス型接触子801bに挿入できる場合があるため、ワイヤハーネス910の衝撃抑制構造側のメス型ハウジングとしては、図2に示されたメス型ハウジング913’よりも図25及び図26に示されたメス型ハウジング913が好ましい。ワイヤハーネス990についても同様である。
上記においては、メス型ハウジング913の後端側の表面が実質的に平坦な場合について説明したが、その表面に凹凸が形成されていてもよい。また、上記においては、長いメス型接触子912と短いメス型接触子812とが、それらの後端が実質的にメス型ハウジング913の接続方向に垂直な同一平面内となるように配置される場合について説明したが、長いメス型接触子912の先端が、短いメス型接触子812の先端よりもメス型ハウジング913の先端側に突出する限りにおいて、それらの後端は、メス型ハウジング913の接続方向に垂直な同一平面内となるように配置されていなくてもよい。また、メス型ハウジング913に形成された全ての脱離防止孔837が、メス型ハウジング913の接続方向に垂直な同一平面内に配置され、メス型ハウジング913に固定された全てのメス型接触子812,912の脱離防止爪824が、メス型ハウジング913の接続方向に垂直な同一平面内に配置されている場合について説明したが、それらの脱離防止孔及びそれらの脱離防止爪は、メス型ハウジング913の接続方向に垂直な同一平面内に配置されていなくてもよい。また、メス型ハウジング913に固定された各メス型接触子812,912の脱離防止爪824が、メス型接触子812,912の後端から実質的に同一の距離の位置に形成されている場合について説明したが、脱離防止爪824の形成位置は、各メス型接触子812,912ごとに異なっていてもよい。
上記においては、ワイヤハーネス910の一端が衝撃抑制構造である場合について説明したが、本発明においては、ワイヤハーネス910の両端が衝撃抑制構造であってもよい。これは、両側が衝撃抑制構造である場合には、ワイヤハーネス910のどちら側から着脱を行ってもよく、つまり、どちら側から着脱を行わないといけないかを確認しながら作業しなくてもよいからである。したがって、作業の効率及び安全性が向上する。この場合には、電源装置313において第1ワイヤハーネスと接続されるコネクタをオス型コネクタとし、そのオス型コネクタにおけるオス型接触子の長さを従来よりも一律に長くすることが好ましい。更に好ましくは、電源監視装置540のオス型コネクタ943の場合と同様に、ワイヤハーネス910の電源装置側の端部における長いメス型接触子の先端位置と短いメス型接触子の先端位置との差だけ長くする場合である。
上記においては、ワイヤハーネス910がアース電位の伝達路及びバックアップ駆動電力の供給路以外に、機器用の駆動電力の供給路や電気信号の伝達路を構成する場合について説明したが、機器用の駆動電力の供給や電気信号の伝達は、他のワイヤハーネスによって行われてもよい。また、上記においては、電源装置から主制御装置まで、バックアップ駆動電力と通常時のロジック回路用の駆動電力とを同一の経路で供給したが、それらの電力を異なる経路で供給してもよい。また、バックアップ駆動電力を供給する際の電圧と通常時にロジック回路用の駆動電力を供給する際の電圧とが同一である場合について説明したが、それらは異なる電圧であってもよい。また、上記においては、ワイヤハーネス910のメス型ハウジング913に固定される全てのメス型接触子のうち長いメス型接触子912以外をメス型ハウジング913の接続方向に垂直な同一平面内に配置させたが、バックアップ駆動電力の供給される短いメス型接触子と他のメス型接触子の長さを異ならせること等によって、バックアップ駆動電力の供給路を構成する短いメス型接触子の先端と他のメス型接触子の先端とを同一平面以外に配置させてもよい。この場合、他のメス型接触子の長さは、長いメス型接触子912よりも長くてもよいし、短いメス型接触子812よりも短くてもよいが、長いメス型接触子912よりも短いことが好ましい。
上記において、ワイヤハーネス990の一端は衝撃抑制構造であるが、電源装置313と払出制御装置311とを接続するワイヤハーネスは、その両端に衝撃抑制構造を有していない構造であってもよい。上記の「発明が解決する課題」で説明したように、主制御装置261に比べて払出制御装置311を電源装置313から電気的に断絶しなければならない場合が極めて少ないからである。ワイヤハーネス990についても、ワイヤハーネス910と同様の変化例を採用できる。
上記においては、ワイヤハーネス910の衝撃抑制構造として、アース電位の伝達路となる長いメス型接触子912の先端をバックアップ駆動電力の供給路となる短いメス型接触子812の先端よりもメス型ハウジング913の先端側に突出させているが、メス型ハウジングに固定される全てのメス型接触子の先端をメス型ハウジング913に垂直な同一平面内に配置し、かつ電源監視装置540のオス型コネクタにおいて、アース電位の伝達路となるオス型接触子の先端をバックアップ駆動電力の供給路となるオス型接触子の先端よりもオス型ハウジングの先端側に突出させても同様の効果が得られることがわかる。しかし、この場合、ワイヤハーネス910に接続される電源監視装置540のオス型コネクタにおいて、アース電位の供給路となるオス型接触子のみが他のオス型接触子よりも突出するために、アース電位の供給路となるオス型接触子が変形したり、折れたりし易くなり、実用的ではない。また、変形等を起こさないように気をつけながら作業を行うと作業効率が大幅に減少するために好ましくない。
上記においては、電源装置313と主制御装置261とを電源監視装置540を介して電気的に接続したが、それらが電源監視装置540と異なる他の制御装置を更に介して電気的に接続されていてもよい。また、電源装置313と払出制御装置311とをワイヤハーネス990のみを介して電気的に接続したが、電源装置313と払出制御装置311とが、他の制御装置等を介して電気的に接続されていてもよい。また、電源監視装置540と主制御装置261とを接続するワイヤハーネス980に代えて、電源監視装置540と主制御装置261とをワイヤハーネス910と同様の構成のワイヤハーネスで接続してもよい。
〔第2の形態〕
第2の形態の遊技機は、上記の第1の形態のように独立した電源監視装置は備えておらず、その機能が電源装置に吸収されている構成である。図29は、第2の形態における電源装置と主制御装置及び払出制御装置との電気的な構成を表すブロック図である。なお、上記の第1の形態と実質的に同一の構成には、同一参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
電源装置313は、電源回路545とバックアップ回路546とリセット回路544と停電監視回路542とRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源装置313のメス型コネクタ941は、アース電位用接触子(第1基準電位用接触子)(図示せず)と、ロジック電力用接触子(第1バックアップ駆動電力用接触子)(図示せず)と、機器電力用接触子(図示せず)と、リセット信号、停電信号及びRAM消去信号を伝達する3つの信号用接触子(図示せず)と、それらの接触子を内包するメス型ハウジング(図示せず)を含んでいる。電源装置313のメス型コネクタ945は、メス型コネクタ941と同一の構成である。なお、メス型コネクタ941及びメス型コネクタ945は、従来のメス型コネクタと同様の構成である。
主制御装置261のオス型コネクタ942は、電源装置313のメス型コネクタ941と同様に、基準電位用接触子(第2基準電位用接触子)(図示せず)と、ロジック電力用接触子(第2バックアップ駆動電力用接触子)(図示せず)と、機器電力用接触子(図示せず)と、リセット信号、停電信号及びRAM消去信号を伝達する3つの信号用接触子(図示せず)とを含んでいる。オス型コネクタ942では、上記の実施の形態1における電源監視装置540のオス型コネクタ943と同様に、全てのオス型接触子及びそれらを固定するハウジングの長さが従来よりも全体的に長い。電源装置313から主制御装置261へは、ワイヤハーネス991を介して、機器用の駆動電力、ロジック回路用の駆動電力及びバックアップ駆動電力が供給され、かつ、アース電位、リセット信号、停電信号及びRAM消去信号が伝達される。
払出制御装置311のオス型コネクタ946は、アース電位用接触子(図示せず)と、ロジック電力用接触子(図示せず)と、機器電力用接触子(図示せず)と、電力監視信号用接触子(図示せず)と、信号中継回路547を介してオス型コネクタ941の2つの信号用接触子と電気的に接続された2つの信号用接触子(図示せず)とを含んでいる。オス型コネクタ946では、上記の第1の形態と同様に、電源監視装置540のオス型コネクタ943と同様に、全てのオス型接触子及びそれらを固定するハウジングの長さが従来よりも全体的に長い。電源装置313から払出制御装置311へは、ワイヤハーネス992を介して、機器用の駆動電力、ロジック回路用の駆動電力及びバックアップ駆動電力が供給され、かつ、アース電位、リセット信号、停電信号及びRAM消去信号が伝達される。
本形態の遊技機において、電源装置313と主制御装置261とを接続するワイヤハーネス(第1ワイヤハーネス)991の一方の端部が、上記の実施の形態1の衝撃抑制構造と同一であって、かつ、長いメス型接触子(第1接触子)を含む配線が、アース電位の伝達路を構成する。ワイヤハーネス991において衝撃抑制構造を有する端部は、主制御装置261のオス型コネクタ(第2コネクタ)942に接続されている。また、電源装置313と払出制御装置311とを接続するワイヤハーネス(第2ワイヤハーネス)992の一方の端部は、上記の実施の形態1の衝撃抑制構造と同一であって、かつ、長いメス型接触子(第7接触子)を含む配線が、アース電位の伝達路を構成する。ワイヤハーネス992において衝撃抑制構造を有する端部は、払出制御装置311のオス型コネクタ(第6コネクタ)946に接続されている。この場合、本形態の遊技機は、上記の第1の形態の遊技機と同様の効果を奏する。なお、本形態の遊技機に対しても、上記の第1の形態で説明した種々の変化例を適用してもよい。
以上のように、本発明は、パチンコ機及びパチスロ機等の遊技機に適している。
パチンコ機の一例を示す正面図。 パチンコ機の一例を示す正面側の斜視図。 遊技盤の一例を示す正面図。 遊技盤の大入賞口付近の構成の一例を模式的に示す正面図。 遊技盤の一例を示す斜視図。 パチンコ機の一例を示す背面図。 パチンコ機の電気的構成の一例を示すブロック図。 装飾図柄表示装置の表示画面の一例を示す模式図。 主制御装置内の各種カウンタの概要を説明する概念図。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理の一例を示したフローチャート。 主制御装置内のMPUにより実行される通常処理の一例を示したフローチャート。 図11の通常処理の中で実行される特別図柄変動処理の一例を示したフローチャート。 図12の特別図柄変動処理の中で実行される変動開始処理の一例を示すフローチャート。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理の一例を示すフローチャート。 図14のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理の一例を示すフローチャート。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理の一例を示すフローチャート。 サブ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理の一例を示すフローチャート。 サブ制御装置内のMPUにより実行される通常処理の一例を示すフローチャート。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示制御処理の一例を示すフローチャート。 払出制御装置のメイン処理の一例を示すフローチャート。 払出制御処理の一例を示すフローチャート。 賞球制御処理の一例を示すフローチャート。 貸球制御処理の一例を示すフローチャート。 電源装置と主制御装置及び払出制御装置との電気的な構成を示すブロック図。 ワイヤハーネスの構造の一例を示す平面断面図。 ワイヤハーネスの構造の一例を示す縦断面図。 図27(a)が、本発明のワイヤハーネスと電源監視装置をと接続する過程における接続前の状態を示す平面断面図、図27(b)が、その過程における接続途中の状態を示す平面断面図、及び、図27(c)が、その過程における接続完了の状態を示す平面断面図。 ワイヤハーネスの構造の一例を示す平面断面図。 第2の形態における電源装置と主制御装置及び払出制御装置との電気的な構成を示すブロック図。 従来のオス型コネクタ及びワイヤハーネスの一例を示す斜視図。 従来のワイヤハーネスの構造の一例を示す図30におけるA−A’平面断面図。 従来のワイヤハーネスの構造の一例を示す図30におけるB−B’縦断面図。
10: パチンコ機
261: 主制御装置
262: サブ制御装置
311: 払出制御装置
540: 電源監視装置
542: 停電監視回路
543: RAM消去スイッチ回路
544: リセット回路
545: 電源回路
546: バックアップ回路
547: 信号中継回路
548: 電力中継回路
800: オス型コネクタ
801,801a,801b: オス型接触子
802: オス型ハウジング
803: 脱離防止孔
804: 挿入ガイド
810: ワイヤハーネス
811: ケーブル
812: メス型接触子,短いメス型接触子
813,913,913’: メス型ハウジング
814: 芯線
821: ケーブル固定部
822: 芯線接続部
823: 接続部
824: 脱離防止爪
831: 脱離防止爪
832: 脱離弁
833: 挿入ガイド
834: 固定丘
835,935: 接触子挿入室
836,936: 誘導孔
837: 脱離防止穴
838: 脱離弁
910,991: ワイヤハーネス(第1ワイヤハーネス)
980: ワイヤハーネス(コネクタ接続体)
990,992: ワイヤハーネス(第2ワイヤハーネス)
912: 長いメス型接触子
941: メス型コネクタ(第1コネクタ)
942: オス型コネクタ(第2コネクタ)
943: オス型コネクタ(第3コネクタ)
944: オス型コネクタ(第4コネクタ)
945: メス型コネクタ(第5コネクタ)
946: オス型コネクタ(第6コネクタ)

Claims (1)

  1. 外部電力に基づいて基準電位に対する所定の電圧で駆動電力を供給する電源回路、前記外部電力の一部をバックアップ電力として貯留し、前記バックアップ電力に基づいてバックアップ駆動電力を供給するバックアップ回路、及び、第1基準電位用接触子と前記バックアップ駆動電力を出力する第1バックアップ駆動電力用接触子とを含む第1コネクタを備えた電源装置と、
    第1ケーブルと、前記第1ケーブルの一端に固定された第1接触子と、前記第1ケーブルの他端に固定された第2接触子と、第2ケーブルと、前記第2ケーブルの一端に固定された第3接触子と、前記第2ケーブルの他端に固定された第4接触子と、前記第1接触子と前記第3接触子とを固定する第1ハウジングと、前記第2接触子と前記第4接触子とを固定する第2ハウジングとを含む第1ワイヤハーネスと、
    少なくとも前記第1ケーブル、前記第1接触子及び前記第2接触子を介して、前記第1基準電位用接触子と電気的に接続される第2基準電位用接触子と、少なくとも前記第2ケーブル、前記第3接触子及び前記第4接触子を介して、前記第1バックアップ駆動電力用接触子と電気的に接続される第2バックアップ駆動電力用接触子とを含む第2コネクタを備える制御装置と、
    を備えた遊技機であって、
    前記第1接触子及び前記第3接触子が、メス型接触子であり、
    前記第1ハウジングが、メス型ハウジングであり、
    前記第1接触子の先端が、前記第3接触子の先端より前記第1ハウジングの先端側に突出し、
    前記第1接触子の長さが、前記第3接触子の長さより長く、
    前記第1ハウジングが、実質的に前記第1ハウジングの接続方向に垂直な同一平面上に配列させて設けられた複数の固定部を有し、
    前記第1接触子及び前記第3接触子の各々が、前記第1ハウジングの前記複数の固定部のいずれに対しても着脱自在に係止される係止部を有し、
    前記第1接触子の先端から前記第1接触子の係止部までの距離が、前記第3接触子の先端から前記第3接触子の係止部までの距離より長
    前記第1ハウジングにおいて、前記第1接触子より前記接続方向の前方側の先端部位は、前記第3接触子より前記接続方向の前方側の先端部位よりも前記接続方向の前方側に突出している、
    ことを特徴とする遊技機。
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