JP4962587B2 - スパッタリングターゲット、スパッタリングターゲットの製造方法、及び、光メディアの製造方法 - Google Patents

スパッタリングターゲット、スパッタリングターゲットの製造方法、及び、光メディアの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スパッタリングターゲット、その製造方法、及び、光メディアの製造方法に関する。
反射層を基板上に形成し、この反射層上に光記録層や、読取や書込み時に光が透過する透明カバー層等をさらに形成することにより製造される光ディスク(例えば、BD(ブルーレイ・ディスク)−ROM、BD−R、BD−RE等)、光カード等の光メディアが知られている。このような光メディアにおいて、記録層として、酸化ビスマスを含む酸化物材料が知られている。
そして、このような記録層は、通常、酸化ビスマスを含む酸化物材料からなるスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により製造する。そして、例えば特許文献1〜4に示すようなスパッタリングターゲットが知られている。
開示されている。
特開2008−254245号公報 特開2008−210492号公報 特許2007−169779号公報 特許2008−273167号公報
しかしながら、従来のスパッタリングターゲットに対して、高速で成膜すべく、例えば直径200mmの円形のターゲットに対して3kW程度の電力を投入すると、スパッタリングターゲットが割れてしまうという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、耐電力特性の高いスパッタリングターゲット及びその製造方法等を提供することを目的とする。
本発明に係るスパッタリングターゲットは、酸化マグネシウム又は酸化ゲルマニウムを主成分とするマトリクス、及び、前記マトリクス中に分散した酸化ビスマス粒子を備え、酸化ビスマス粒子の平均粒径が0.2〜0.7μmである。
本発明にかかるスパッタリングターゲットは、高い電力を印加しても割れ難くい。
ここで、酸化ビスマスと、酸化マグネシウム又は酸化ゲルマニウムと、の合計に対する酸化ビスマスのモル分率が、15〜90%であることが好ましい。
本発明に係るスパッタリングターゲットは、酸化マグネシウム粒子又は酸化ゲルマニウム粒子と、平均粒径0.05〜0.5μmの酸化ビスマス粒子との混合物を等方プレスすることにより成形体を得る工程と、
前記成形体を500℃から700℃までの昇温速度が0.1〜1℃/minとなるように焼成する工程と、を備える。
本発明によれば、上述のスパッタリングターゲットを容易に製造できる。
本発明に係る光メディアの製造方法は、光記録層を備える光メディアの製造方法であって、上述のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリングにより前記光記録層を成膜する工程を備える。
本発明によれば、耐電力特性が高く、高い成膜速度での成膜が可能なスパッタリングターゲット及びその製造方法等が提供される。
図1は、実施形態に係る光ディスク200の断面図である。 図2は、実施例1で得られたターゲットの断面SEM写真である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(スパッタリングターゲット)
本実施形態に係るスパッタリングターゲットについて説明する。本実施形態に係るスパッタリングターゲットは、酸化マグネシウム又は酸化ゲルマニウムを主成分とするマトリクス中に、酸化ビスマス粒子が分散している。
マトリクスは、酸化マグネシウム、又は、酸化ゲルマニウムを99質量%以上含む。酸化マグネシウムは、通常MgOである。酸化ゲルマニウムは、通常GeOである。マトリクス中に添加可能な他の材料としては、SiO、CaO、NaO等が挙げられ、上限濃度は2000mass ppm程度である。
酸化ビスマス粒子は、好ましくは、Bi粒子である。特に、酸化ビスマス粒子として、α型すなわち単斜晶系のBi粒子が好ましい。
マトリクス中に分散する酸化ビスマス粒子の平均粒径は、0.2〜0.7μmである。なお、平均粒径は、例えば、断面SEM写真の定方向接線径の平均値より取得できる。
酸化ビスマス、及び、酸化マグネシウム又は酸化ゲルマニウムの合計に対する、酸化ビスマスのモル分率は特に限定されないが、15〜90%が好ましく、より好ましくは、20〜50%である。
このスパッタリングターゲットは、酸化ビスマス粒子以外の不可避的不純物粒子を含むことができる。不可避不純物粒子としては、例えば、SiO、Al、Fe等の粒子が挙げられ、それぞれ、1000mass ppm程度まで許容することができる。
ターゲットの形状や大きさ等は特に限定されず、例えば、直径127〜300mm程度の円板とすることができる。
本実施形態によれば、例えば直径200mmの円形のターゲットに対して3kW程度の高電力を投入してスパッタリングを行なっても、スパッタリングターゲットの割れが少ない。従って、成膜速度を向上することができ、光メディア等の生産性を高めることができる。この理由は明らかではないが、マトリクス中に分散する酸化ビスマス粒子の平均粒径が従来よりも小さいことがその一因として考えられる。
(スパッタリングターゲットの製造方法)
まず、本実施形態にかかるスパッタリングターゲットの製造方法の一例について説明する。
まず、酸化マグネシウム粒子又は酸化ゲルマニウム粒子を用意する。
これらの粒子の純度は99.95質量%以上であることが好ましい。酸化マグネシウム粒子(例えば、MgO粒子)及び酸化ゲルマニウム粒子(例えば、GeO粒子)の平均粒径は特に限定されないが、0.1〜0.5μmが好ましい。
続いて、酸化ビスマス粒子(例えば、Bi粒子)を用意する。酸化ビスマス粒子の純度は99.95質量%以上であることが好ましい。酸化ビスマス粒子の平均粒径は、0.05〜0.5μmである必要がある。
続いて、酸化マグネシウム粒子又は酸化ゲルマニウム粒子と、酸化ビスマス粒子とを混合する。混合方法は特に限定されないが、ボールミル中で混合することが好ましい。ボールミル中での混合は、乾式でも、湿式でもよい。湿式の場合には、溶媒として、例えばエタノール、アセトンなどを使用できる。
混合時の、マトリクス成分である酸化マグネシウム又は酸化ゲルマニウム粒子と、分散成分である酸化ビスマス粒子との比率は、酸化ビスマス粒子がマトリクス中に分散できれば特に限定されないが、酸化ビスマス、及び、酸化マグネシウム又は酸化ゲルマニウムの合計に対する、酸化ビスマスのモル分率が15〜90%となるように混合することが好ましく、20〜50%とすることがより好ましい。
続いて、得られた混合物を等方プレスすることにより成形体を得る。等方プレスとは、水などの圧力媒体を用いて粉体に対して等方的に圧力を印加することである。このような等方プレスは、例えば、冷間等方プレス(CIP)装置により実現できる。等方プレスの条件は、特に限定されないが、プレス圧:1500〜5000kgf/cm、温度:10〜80℃とすることができる。
その後、得られた成形体を焼成する。ここで、500℃から700℃までの昇温速度が0.1〜1℃/minとなるように成形体を焼成する。焼成最高温度は900℃以下が好ましい。700℃以上に昇温する際の昇温速度は特に限定されない。また、500℃までの昇温速度はスパッタリングターゲットの微構造にはあまり影響しない。
焼成雰囲気は特に限定されないが、空気中等の酸素含有雰囲気が好ましい。焼成時に等方圧力を印加する必要は無い。
続いて、得られた焼成体を所定の大きさに切断等の加工をして、スパッタリングターゲットが完成する。ターゲットの形状や大きさ等は特に限定されず、例えば、直径127〜300mm程度の円板とすることができる。
このようにして得られた光メディア用スパッタリングターゲットは、酸化マグネシウム又は酸化ゲルマニウムを主成分とするマトリクス中に、酸化ビスマスの粒子が分散している。そして、酸化ビスマスの粒子の平均粒径を0.2〜0.7μmとすることができる。
本実施形態によって、酸化ビスマスの粒子の平均粒径が上述の範囲に維持される理由は明らかではないが、以下のことがその一因として考えられる。
従来は、非等方プレスにより成形した成形体を焼成していたが、本実施形態のように、等方プレスにより成形した成形体は、充填率が高くなってマトリクス焼成時の酸化ビスマスの粒成長を抑制できることが考えられる。また、500〜700℃の範囲で、酸化ビスマスが特に粒成長する温度範囲である500〜700℃の範囲内における昇温速度を低い特定の範囲にすることにより、粒成長抑制効果があるものと考えられる。
(光ディスク200)
図1を参照して、本実施形態に係る光ディスク(光メディア)200について説明する。
光ディスク200は、例えば、BD−RやBD−REといわれる書き込みが可能なディスクである。具体的なサイズとしては、例えば、外径が約120mm、厚みが約1.2mmである円盤状をなすことができる。この光ディスク200は、支持基板(基板)10、反射層20A、干渉層22、光記録層24、干渉層22、中間層30、反射層20B、干渉層22、光記録層24、干渉層22、透明カバー層40、及び、トップコート層50、を備えて構成されているものである。すなわち、この光ディスク200は、干渉層22/光記録層24/干渉層22という積層体を2層有する。本実施態様にかかる光ディスク200は、波長λが380nm〜450nm、好ましくは約405nmであるレーザビームLBを支持基板10とは反対側のトップコート層50側から入射することによってデータの記録や、必要に応じて読み取りを行うことが可能な光ディスクである。
支持基板10は、光ディスク200に求められる厚み(約1.2mm)を確保するために用いられる円盤状の基板であり、その一方の面には、その中心部近傍から外縁部に向けて、レーザビームLBをガイドしたり記録用の凹凸の下地となるためのグルーブG及びランドLが螺旋状に形成されている。支持基板10の材料としては種々の材料を用いることが可能である。例えば、ガラス、セラミックス、あるいは樹脂を用いることができる。これらのうち、成形の容易性の観点から樹脂が好ましい。このような樹脂としてはポリカーボネート樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。中でも、加工性などの点からポリカーボネート樹脂やオレフィン樹脂が特に好ましい。
反射層20Aは、トップコート層50の表面である光入射面SSから入射されるレーザビームLBを反射し、再びトップコート層50の表面である光入射面SSから出射させる役割を果たすとともに、レーザビームLBによる熱を速やかに放熱する役割を果たす。これにより、レーザビームLBに対する光反射率が高められるため再生特性を向上させることができる。反射層20Aの組成は、特に限定されないが、例えば、アルミニウム合金とすることができる。
反射層20Aの厚さは特に限定されないが、例えば、5〜300nmに設定することができる。
干渉層22、22は、記録の前後における光記録層24の光学特性の差を拡大する役割を果たすものである。また、干渉層22は、記録の前後における光学特性の差を拡大する役割をも果たし、これを容易に達成するためには、使用されるレーザビームLBの波長領域、すなわち、380nm〜450nm、特に約405nmの波長領域において高い屈折率(n)を有する材料を選択することが好ましい。さらに、レーザビームLBを照射した場合に、干渉層22に吸収されるエネルギーが大きいと記録感度が低下することから、これを防止するためには、380nm〜450nm、特に約405nmの波長領域において低い消衰係数(k)を有する材料を選択することが好ましい。なお、光記録層24の両側に干渉層22がそれぞれ配置されているが、光記録層24のいずれか一方側のみに配置されていてもよく、光記録層24のいずれの面にも干渉層が配置されていなくても実施は可能である。
例えば、干渉層22の材料として、例えば、酸化物、窒化物、硫化物、炭化物、フッ化物又はこれらの混合物を用いることができる。
酸化物としては、タンタル(Ta),アルミニウム(Al),シリコン(Si),チタン(Ti),ゲルマニウム(Ge),ニオブ(Nb),錫(Sn),亜鉛(Zn),セリウム(Ce),イットリウム(Y)又はランタン(La)の酸化物、すなわち、Ta,Al,SiO,TiO,GeO,Nb,SnO,ZnO,CeO,Y又はLaが用いられ、窒化物としてはアルミニウム(Al),シリコン(Si)又はゲルマニウム(Ge)の窒化物、すなわち、AlN,Si又はGeNが用いられ、硫化物としては、亜鉛(Zn)の硫化物、すなわちZnSが用いられ、炭化物としてはシリコン(Si)の炭化物、すなわちSiCが用いられ、フッ化物としてはマグネシウム(Mg)のフッ化物、すなわちMgFが用いられる。また、これらの混合物としては、SiAlON(SiO,Al,Si及びAlNの混合物)、LaSiON(La,SiO及びSiの混合物)等が挙げられる。
尚、光記録層24を挟む一対の干渉層22、22は、互いに同じ材料で構成されてもよいが、異なる材料で構成されてもよい。また、一対の干渉層22、22の少なくとも一方が、複数の誘電体層からなる多層構造であっても構わない。
干渉層22の厚みは特に限定されないが、光記録層24を2層以上に多層化する観点からは、好ましくは3〜200nm程度の薄型のものが好ましく、より好ましくは10〜150nmである。
なお、本実施形態では、光記録層24の両側に干渉層22がそれぞれ配置されているが、干渉層22が光記録層24のいずれか一方側のみに配置されていても実施は可能である。
また、干渉層22は、光記録層24を物理的及び/又は化学的に保護する役割をも果たす場合もある。この場合、光記録層24はこれら干渉層22間に覆われることによって、光記録後、長期間にわたって記録情報の劣化が効果的に防止されることができる。
尚、光記録層24を挟む一対の干渉層22、22は、互いに同じ組成で構成されてもよいが、異なる組成で構成されてもよい。また、一対の干渉層22、22の少なくとも一方が、さらに他の干渉層を有する多層構造であっても構わない。
光記録層24は記録マークが形成されうる層であり、上述のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により形成される層である。したがって、その組成は、Ge又はMgと、Biとを含む酸化物であり、光記録層24は、酸素との反応性スパッタリングによって成膜を行っており過酸化物として存在する。
記録用のレーザビームLBの焦点が光記録層24にフォーカスされると、光記録層24が加熱され、過酸化物である光記録層24から酸素が放出されることによる材料の金属元素の価数変化、光記録層24の屈折率変化、記録層の膜厚変化等が起こることで、光記録層24に物理的な変化が起こる。かかる変化部分は不可逆的な記録マークとなり、その反射率はそれ以外の部分(ブランク領域)の反射率と異なった値となることから、これを利用してデータの記録・再生を行うことが可能となる。
光記録層24に対して500nm以下の波長域の光に対して光吸収率が高いBiを含ませることで、レーザビームLBのエネルギーを光記録層24に十分吸収させることができ、さらに光記録層24に対してGe又はMgを含ませることで、光記録層24の記録・再生特性が向上する。すなわち、スパッタリング法により形成された複合酸化物である光記録層24は、酸素との反応性スパッタによって成膜を行っており過酸化物として存在している。そしてこの光記録層24にレーザビームLBを照射し温度を上昇させることにより、光記録層24から酸素を放出しBi元素の価数変化や形状変化を行なわせることで情報を記録することができる。レーザビームLBで記録を行ったマークは熱処理によっても消去されることはなく、また酸化により情報が破壊されることもなく保存性にも優れている。
このような光記録層24の膜厚は、特に限定されないが、厚くなればなるほどレーザビームのビームスポットが照射される表面の平坦性が悪化し、これに伴って再生信号のノイズレベルが高くなると共に、記録感度も低下する。また薄くしすぎると、記録前後のおける反射率の差が小さくなり、再生時に高いレベルの再生信号(C/N比)を得ることが出来なくなる。この点を考慮すれば、光記録層24の膜厚は、2〜200nmに設定する事が好ましく、5〜100nmであることがより好ましく、10〜50nmであることがさらに好ましい。
中間層30は、レーザビームLBに対して透明な層である。中間層30の材料も特に限定されないが、例えば、樹脂材料が挙げられ、特に、UV硬化樹脂が挙げられる。中間層30の厚みは、平均20〜30μm程度であることが好ましい。中間層30の表面にも、支持基板10と同様に、グルーブGとランドLとが形成されている。
反射層20Bも反射層20Aと同様の膜である。反射層20Bは、レーザビームLBの一部を透過させる必要があるので、反射層20Aよりも薄いことが好ましい。
透明カバー層40は、レーザビームLBに対して透明な層である。透明カバー層40の材料としては、例えば、紫外線硬化型アクリル樹脂等の樹脂材料が挙げられる。厚みは、例えば、50〜100μm程度である。
トップコート層50は、光ディスク200の表面の保護を行うものである。トップコート層50の材料としては、例えば、紫外線硬化型アクリル樹脂等を利用できる。
次に、このような追記型の光ディスク200に対するデータの記録原理について図1を参照して説明する。このような光ディスク200に対してデータを記録する場合、光ディスク200に対して強度変調されたレーザビームLBをトップコート層50等の光透過層側から入射し光記録層24に照射する。
このとき、レーザビームLBを集束するための対物レンズの開口数(NA)は、通常、0.7以上、レーザビームLBの波長λは380nm〜450nmに設定され、好ましくは、対物レンズの開口数(NA)は0.85程度、レーザビームLBの波長λは405nm程度に設定される。通常、このようにして、(λ/NA)<640nmに設定される。
このようなレーザビームLBが光記録層24に照射されると、光記録層24が加熱され、光記録層24の材料を構成する金属元素の価数変化、光記録層24の屈折率変化等が起こることで、光記録層24に物理的な変化が起こる。かかる変化部分は記録マークとなり、その反射率はそれ以外の部分(ブランク領域)の反射率と異なった値となることから、これを利用してデータの記録・再生を行うことが可能となる。
そして、このような光ディスク200は、上述の光メディア用スパッタリングターゲットを用いて製造された光記録層24を有していることから、製造時にターゲットへの投入電力を高めて成膜速度を高めることができる。したがって、光メディアの生産性を高めることができる。
なお、上記の光ディスク200は、光記録層24及びこれを挟む一対の干渉層22を有する積層体を2組有する、いわゆる2層記録型のものであるが、この組合せを1つのみ有する1層記録型のものや、3つ以上有する多層記録型のものでも実施は可能である。
本発明は上記実施形態に限られずさまざまな変形態様が可能である。例えば、上記実施形態では光メディアとしてBDを例示しているが、BD以外の光ディスクでもよい。また、上記実施形態では光メディアとして円板形状の光ディスクを例示しているが、光メディアの平面形状は特に限定されず、例えば、矩形形状をした光カードでもよい。
(実施例1)
平均粒径0.3μmのBi粒子と、平均粒径0.4μmのGeO粒子とを用意した。そして、Bi粒子とGeO粒子とのモル比が50:50となるようにそれぞれを秤量し、ボールミル中でアセトンを溶媒として湿式混合した。
続いて、混合粒子をCIP装置により、等方プレスして成形体を得た。成形条件は、圧力2000kgf/cm、温度は室温とした。
その後、得られた成形体を、炉内でプレスすることなく加熱して焼成した。150〜700℃の間の昇温速度を0.5℃/minとし、最高温度は810℃とした。
そして、得られた焼成体を、平面研削盤と円筒研磨機により200mmφ、厚さ6mmに成形してスパッタリング用ターゲットを得た。得られたターゲットのSEM写真を図2に示す。なお、図中の白っぽい部分がBi粒子、グレーの部分がGeOマトリクス、黒い部分は空孔である。
(実施例2)
Bi粒子とGeO粒子とのモル比を35:65とし、150〜700℃の間の昇温速度を0.7℃/minとし、焼成最高温度を800℃とし、それら以外は実施例1と同様にした。
(実施例3)
GeO粒子に変えて、平均粒径0.3μmのMgO粒子を用い、Bi粒子とMgO粒子とのモル比を20:80とし、150〜700℃の間の昇温速度を0.5℃/minとし、焼成最高温度を870℃とし、それら以外は実施例1と同様にした。
(実施例4)
Bi粒子とMgO粒子とのモル比を30:70とし、150〜700℃の間の昇温速度を0.3℃/minとし、焼成最高温度を860℃とし、それら以外は実施例3と同様にした。
(比較例1)
等方プレス成形でなく、1200kgf/cmで一軸加圧成形し、150〜700℃の間の昇温速度を3℃/minとしたとする以外は実施例1と同様とした。
(比較例2)
150〜700℃の間の昇温速度を2℃/minとする以外は実施例2と同様とした。
(比較例3)
等方プレス成形でなく、一軸プレス成形し、150〜700℃の間の昇温速度を5℃/minとするとする以外は実施例3と同様とした。
(比較例4)
等方プレス成形でなく、一軸プレス成形し、150〜700℃の間の昇温速度を3℃/minとするとする以外は実施例4と同様とした。
[酸化ビスマス粒子の評価]
スパッタリングターゲットのSEM写真を撮影し、100個の定方向接線径の算術平均から平均粒径を求めた。なお、全ての実施例及び比較例とも、酸化マグネシウム又は酸化ゲルマニウムのマトリクス中に、酸化ビスマス粒子が分散していた。
[最大投入可能電力の評価]
スパッタリングターゲットをスパッタリング装置にセットし、RF電源により電力を3kWまで徐々に印加して、スパッタリングターゲットが割れるか否かを観察した。割れた場合は割れた時の電圧を、割れなかった場合には3kWを最大投入可能電圧とした。
これらの結果を表1に示す。
10…支持基板、20A,20B…反射層、24…光記録層、200…光ディスク。

Claims (4)

  1. 酸化マグネシウム又は酸化ゲルマニウムを主成分とするマトリクス、及び、前記マトリクス中に分散した酸化ビスマス粒子を備え、
    前記酸化ビスマス粒子の平均粒径が0.2〜0.7μmであるスパッタリングターゲット。
  2. 酸化ビスマスと、酸化マグネシウム又は酸化ゲルマニウムと、の合計に対する酸化ビスマスのモル分率が、15〜90%である請求項1記載のスパッタリングターゲット。
  3. 酸化マグネシウム粒子又は酸化ゲルマニウム粒子と、平均粒径が0.05〜0.5μmの酸化ビスマス粒子との混合物を等方プレスすることにより成形体を得る工程と、
    前記成形体を500℃から700℃までの昇温速度が0.1〜1℃/minとなるように焼成する工程と、を備えたスパッタリングターゲットの製造方法。
  4. 光記録層を備える光メディアの製造方法であって、
    請求項1又は2記載のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリングにより前記光記録層を成膜する工程を備える光メディアの製造方法。
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