JP4962322B2 - アンテナモジュール、通信装置及び通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、アンテナモジュール、通信装置及び通信システムに関する。
近年、非接触型ICカードやRFID(Radio Frquency IDentification)などの非接触通信を行う通信装置が普及している。この通信装置は、例えばアンテナコイルを有し、このアンテナコイルでの交流磁界を利用した磁界結合により非接触通信を行う。このような通信装置による磁界結合は、例えば近接型などの近距離における非接触通信に適している。
また、非接触通信を行うアンテナとしては、上記アンテナコイルなどの磁界結合を利用したものと、下記特許文献1〜3に開示された通信装置が有するような電界結合を利用したものが知られている。
特開2007−60382号公報 特開2007−28002号公報 特開平3−171385号公報
一方、近年、より多いデータ量を高速に送受信させることも希求されており、例えば異なるデータを同時に送受信するなど、複数の通信系統(例えば複数の通信ライン、複数の通信システム)により送受信する通信装置(複合無線機)が望まれる場合がある。
そこで、例えば非接触型ICカードなどの通信装置内に複数の通信系統を組み込もうとする場合、複数の通信系統のそれぞれに対するアンテナを1つの通信装置内に配置する必要がある。このように複数のアンテナが組み込まれた通信装置では、その通信装置内の各通信系統のアンテナ同士間の結合(例えばループアンテナなどのアンテナコイルにおける磁界結合)が発生し、この結合による干渉が問題となる。
また、通信装置に配置されるアンテナの1つを磁界結合用アンテナとし、もう1つを電界結合用アンテナとした場合、電界結合用アンテナは板状の電極で構成されるので、磁界結合用アンテナの磁束が、この電極に入り込む。このように磁束が電極に入り込むと、電極では、磁束を取り巻く渦電流が発生する。この渦電流は、磁界を打消す方向に発生するので、磁界結合を乱すこととなる。また、渦電流は、電界結合用アンテナにおける電子の動きを妨げるので、電界結合におけるノイズともなる。さらに、渦電流は、熱損失を発生させる。よって、磁界結合用アンテナと電界結合用アンテナとを近接して配置すると、アンテナの効率が低下してし、通信距離が短くなってしまう。
このアンテナ効率の低下は、1つの通信装置内のアンテナ同士間の距離が短いほど顕著である。よって、干渉による影響を抑えるためにアンテナ同士間の距離を長くすれば、通信装置の小型化を阻害する可能性がある。一方、通信装置本体のデザイン等の制約上、アンテナ同士間の距離を十分に長くすることができない場合も少なくない。
また、各通信系統での使用周波数帯を変更し、かつ、ノイズを除去するためにフィルタを使用することも考えられるが、このような方法によっても、干渉による影響を抑えるには限界がある。
近年の例えばノートパソコンや携帯電話などの携帯型の電子機器には、様々な規格に基づいた複数の無線システムが混載されており、このようなアンテナ同士の結合による干渉は益々問題となっている。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、アンテナ効率の低下を抑えつつ、電界結合用アンテナと磁界結合用アンテナとを近接させて実装して、全体の構成を小型化することが可能な、新規かつ改良されたアンテナモジュール、通信装置及び通信システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、各コイル軸が略同一直線上に位置するように配置され、磁界結合により非接触通信を行う2つのソレノイドコイルと、2つのソレノイドコイルが発生させる磁界中に配置され、電界結合により非接触通信を行う平板状の電界結合用電極と、を備え、電界結合用電極は、2つのソレノイドコイルのコイル軸を含む平面上に配置されることを特徴とする、アンテナモジュールが提供される。
かかる構成によれば、2つのソレノイドコイルから発せられる磁界は、コイル軸を含む平面上を通過する。一方、電界結合用電極は、この平面上に配置される。従って、磁界の磁束は、電界結合用電極に平行に入り込む。つまり、磁束は、電界結合用電極と直交する成分が最小限に抑えられる。その結果、磁束を取り巻くように発生する渦電流の発生を抑えることができる。
また、電界結合用電極は、2つのソレノイドコイルの各々から等距離の位置に配置されてもよい。
かかる構成によれば、2つのソレノイドコイルから発生した磁束は、各々から等距離の位置で互いに反発し合うので、各々から等距離の位置の磁束密度は、減少される。よって、この位置に配置された電界結合用電極に入り込む磁束を減少させることができる。
また、電界結合用電極は、2つのソレノイドコイル間の中心に配置されてもよい。
かかる構成によれば、電界結合用電極の中心と、2つのソレノイドコイル間の中心とが一致する。よって、受信側のアンテナと送信側のアンテナの中心を合わせることが容易になる。
また、電界結合用電極は、2つのソレノイドコイルのコイル軸を挟んで対称に2つ配置されてもよい。
かかる構成によれば、2つの電界結合用電極の中心と、2つのソレノイドコイル間の中心とが一致する。よって、受信側のアンテナと送信側のアンテナの中心を合わせることが容易になる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、駆動回路からの駆動信号により、非接触通信を行う通信装置であって、各コイル軸が略同一直線上に位置するように配置され、磁界結合により非接触通信を行う2つのソレノイドコイルと、2つのソレノイドコイルが発生させる磁界中に配置され、電界結合により非接触通信を行う平板状の電界結合用電極と、を備え、電界結合用電極は、2つのソレノイドコイルのコイル軸を含む平面上に配置されることを特徴とする、通信装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、2つの通信装置の間で非接触通信を行う通信システムであって、2つの通信装置のそれぞれは、各コイル軸が略同一直線上に位置するように配置され、磁界結合により非接触通信を行う2つのソレノイドコイルと、2つのソレノイドコイルが発生させる磁界中に配置され、電界結合により非接触通信を行う平板状の電界結合用電極と、を備え、各通信装置内で、電界結合用電極は、2つのソレノイドコイルのコイル軸を含む平面上に配置されることを特徴とする、通信システムが提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、磁界結合により非接触通信を行う第1通信部と、第1通信部が発生させる磁界中に配置された平板状の電界結合用電極を有し、電界結合により非接触通信を行う第2通信部と、第1通信部及び第2通信部の一側に配置され、第1通信部が発生させる磁界を反射する反射板と、を備え、反射板は、第2通信部の電界結合用電極のグランドとなるように第2通信部に接続されることを特徴とする、アンテナモジュールが提供される。
かかる構成によれば、反射板は、第1通信部が発生させる磁界を反射させることができると同時に、第2通信部の電界結合用電極のグランドとなることができる。よって、反射板は、第1通信部の反射板として機能すると同時に、第2通信部の電界が反射板の裏側に回り込むことも抑えることができ、第2通信部のアンテナ効率も高めることができる。また、第1通信部及び第2通信部を効率的に配置することができる。更に、反射板の裏側に配置された電子部品などからのノイズが第1通信部又は第2通信部に入り込んでアンテナ効率が低下することを、防止できる。
また、反射板は、プリント基板として形成され、第1通信部及び第2通信部の少なくとも1つを駆動する駆動回路が、反射板を挟んで第1通信部及び第2通信部とは反対の方向に配置されてもよい。
かかる構成によれば、駆動回路のノイズが第1通信部及び第2通信部のアンテナ効率を低下させることや、第1通信部又は第2通信部の電磁波が駆動回路に与える影響を抑えることができるとともに、アンテナモジュールを含むシステムを小型化が可能となる。
また、第1通信部は、各コイル軸が略同一直線上に位置するように配置された2つのソレノイドコイルを有し、第2通信部の電界結合用電極は、2つのソレノイドコイルのコイル軸を含む平面上に配置され、反射板は、2つのソレノイドコイルのコイル軸を含む平面に略平行に、2つのソレノイドコイル及び電界結合用電極を覆うように配置されてもよい。
また、第1通信部は、磁界結合を行うためのアンテナコイルを有し、第2通信部の電界結合用電極は、アンテナコイルのコイル形成面上に配置され、反射板は、アンテナコイルのコイル形成面に略平行に、アンテナコイル及び電界結合用電極を覆うように配置されてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、駆動回路からの駆動信号により、非接触通信を行う通信装置であって、磁界結合により非接触通信を行う第1通信部と、第1通信部が発生させる磁界中に配置された平板状の電界結合用電極を有し、電界結合により非接触通信を行う第2通信部と、第1通信部及び第2通信部の一側に配置され、第1通信部が発生させる磁界を反射する反射板と、を備え、反射板は、第2通信部の電界結合用電極のグランドとなるように第2通信部に接続されることを特徴とする、通信装置が提供される。
以上説明したように本発明によれば、アンテナ効率の低下を抑えつつ、電界結合用アンテナと磁界結合用アンテナとを近接させて実装して、全体の構成を小型化することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.アンテナについて>
本発明の各実施形態に係る通信装置について説明する前に、まず、図1〜図3を参照しつつ、各実施形態に係る通信装置が有するアンテナについて説明する。各実施形態に係る通信装置は、磁界結合用アンテナと電界結合用アンテナの両方を有する。なお、ここでは、図1及び図2を参照しつつ、2種類の磁界結合用アンテナについて説明し、図3を参照しつつ、1種類の電界結合用アンテナについて説明する。
(1−1.ソレノイドアンテナ)
図1を参照しつつ、磁界結合用アンテナの一例であるソレノイドアンテナについて説明する。図1は、本発明の各実施形態に係る通信装置が有する磁界結合用アンテナの一例について説明するための説明図である。
ソレノイドアンテナ10は、磁界結合用アンテナ及び第1通信部の一例であって、磁界により非接触通信を行う。図1に示すように、ソレノイドアンテナ10は、2つのソレノイドコイル10L、10Rを有する。それぞれのソレノイドコイル10L、10Rは、同様に構成される。そこで、ソレノイドコイル10Lの構成を例に説明する。
ソレノイドコイル10Lは、巻線11Lと、コア12Lと、を有する。
巻線11Lは、ソレノイドコイル10Lのコイル巻線であり、コア12Lに巻き付けられて形成される。一方、コア12Lは、例えば、フェライトなどにより形成される。なお、図1では、コア12Lは、略円筒形状を有するとしているが、例えば、四角柱形状・三角柱形状・多角形柱形状・楕円柱形状など様々な形状に形成されてもよい。更に、このコア12Lは、例えば、対をなすコア12Rとは反対側の端部が、通信方向(図1のz軸方向)に屈折した形状で形成されてもよい。このソレノイドコイル10Lは、入出力端子を介して駆動回路(図示せず)に接続され、駆動回路から駆動信号により、磁界H1を発生させる。また、ソレノイドコイル10Lをコイル軸方向の磁束が貫くと、誘導機電力が発生し、その起電力が受信信号として駆動回路に出力される。
このようなソレノイドコイル10L、10Rは、コイル軸Aが同一直線上となるように配置される。ここでは、互いに対向したコイル端部を「対向端」ともいう。
また、ソレノイドコイル10L、10Rは、図1に示すように、それぞれが発生させる磁界が互いに反発するように駆動される。つまり、ソレノイドコイル10Lが発生させる磁界H1と、ソレノイドコイル10Rが発生させる磁界H2とは、相互に反発しあい、通信方向(z軸方向)に向かう磁界Hとして合成される。よって、このソレノイドアンテナ10は、2つのソレノイドコイル10L、10Rの結合磁界Hによる結合を利用して非接触通信を行う。なお、反発しあう磁界H1、H2を発生させるために、ソレノイドコイル10L、10Rの巻線11L、11Rは、逆向きに巻かれてもよいし、駆動回路の信号が逆方向に入力してもよい。
(1−3.ループアンテナ)
図2を参照しつつ、磁界結合用アンテナの一例であるループアンテナについて説明する。図2は、本発明の各実施形態に係る通信装置が有する磁界結合用アンテナの一例について説明するための説明図である。
ループアンテナ20は、磁界結合用アンテナ及び第1通信部の一例であって、磁界により非接触通信を行う。図2に示すように、ループアンテナ20は、コイルアンテナの一例であって、図2に示すように、xy平面内においてコイル状に形成される。
このループアンテナ20は、入出力端子を介して駆動回路(図示せず)に接続され、この駆動回路からの駆動信号により、磁界Hを発生させる。また、ループアンテナ20のコイル形成面(xy平面のループアンテナ内部)を磁束が貫くと、誘導機電力が発生し、その起電力が受信信号として駆動回路に出力される。なお、図1には、ループアンテナ20が1回巻きのコイルである場合を示しているが、ループアンテナ20の巻数は、これに限定されるものではない。
なお、上記ソレノイドアンテナ10及びループアンテナ20が発生させる磁界Hは、図1及び図2では通信方向(z軸正の方向)に向かい磁界として表した。しかし、駆動回路から供給される駆動信号(電圧又は電流)は、交流であり、磁界Hも交流となる。つまり、磁界Hは、主にz軸方向の上下に振動する。
(1−4.電界カプラ)
図3を参照しつつ、電界結合用アンテナの一例である電界カプラについて説明する。図3は、本発明の各実施形態に係る通信装置が有する電界結合用アンテナの一例について説明するための説明図である。
電界カプラ30は、電界結合用アンテナ及び第2通信部の一例であって、電界により非接触通信を行う。電界カプラ30は、図3に示すように、電界結合用電極(以下単に「電極」ともいう。)31と、接続信号線32と、スタブ(Stub)33と、入出力信号線34と、基板35と、グランド36を有する。
まず、各構成の接続関係等について説明する。
電極31は、平板状に形成され、その平板の中心下方に接続信号線32が接続される。接続信号線32は、電極31とスタブ33とを電気的に接続する。スタブ33は、入出力信号線34と接続信号線32との間に配置される。そして、入出力信号線34は、入出力端子を介して駆動回路(図示せず)に接続され、この駆動回路から出力される駆動信号(電圧又は電流)が印加される。つまり、駆動回路から出力された駆動信号は、入出力端子を介して入出力信号線34に入力し、入出力信号線34により伝達されてスタブ33に入力する。そして、スタブ33に入力した送信信号は、接続信号線32を介して電極31に伝達され、この電極31において電界Eを発生させる。なお、受信側の通信装置の場合、受信信号は、これと逆の経路をたどって駆動回路に伝達される。一方、基板35は、絶縁体などにより形成され、その表面にスタブ33が形成され、かつ、電界カプラ30における各構成を支持する。電界カプラ30は、電極31等を支持するために別途の支持部材(図示せず)を備えてもよいが、この支持部材は、例えば絶縁体で形成されることが好ましい。
なお、接続信号線32が電極31のほぼ中心位置Oから所定距離オフセットした位置に配置された場合、電極31の面内方向に不均等な電流が流れてマイクロストリップ・アンテナのように動作する。つまり、電極31は、不要な電波、例えば、通信方向(z軸方向)に進行する横波の電波を放出してしまう。一方、本実施形態に係る電界カプラ30では、接続信号線32は電極31のほぼ中心位置Oに配置され、電極31の面内方向に均等な電流が流れるので、横波の電波は打消し合う。つまり、電界カプラ30は、通信方向に振動しつつ進行する縦波の電界Eを利用して、非接触通信を行うことができる。
スタブ33は、基板35上に例えば導体パターンとして形成され、他端がグランド接続している。より具体的には、基板35におけるスタブ33の形成面と反対の面には、導電性のグランド36が形成される。そして、スタブ33は、例えば入出力信号線34が接続された端部(図3のx軸正方向の端部)とは反対の端部G(図1のx軸負方向の端部)において、基板35に形成されたスルーホール(図示せず)を介してグランド36に接続されてショートされる。
このスタブ33の信号伝達方向における長さL1は、送受信信号の周波数帯における波長の3分の1程度であることが好ましい。この場合、スタブ33のx軸負方向の端部はショートしているので、スタブ33には送受信信号による定在波が発生しうる。つまり、スタブ33において図3のx軸正負方向の端部(先端)の電圧は略0V(節)となり、中心の電圧は極大値(腹)となる。また、上記の接続信号線32は、このスタブ33の中心の位置(先端から波長の4分の1程度の位置)に接続される。よって、接続信号線32は、振幅が極大値となりうる送信信号を電極31に伝達することができ、電極31は、伝搬効率の高い電界結合を行うことができる。
なお、ここではインピーダンス整合等を行う構成として分布定数回路を使用する場合をしめしているが、集中定数回路を使用することもできる。
ここで、電界カプラ30が発生させる電界Eについて説明する。
一般にアンテナから放出される電界としては、例えばアンテナからの距離に反比例して減衰する「放射電界」と、アンテナからの距離の2乗に反比例して減衰する「誘導電界」と、アンテナからの距離の3乗に反比例して減衰する「準静電界」とがある。一方、任意の電流分布は、微小ダイポールを流れる電流分布の集まりと考えられ、それによって誘導される電界も同様の性質がある(例えば、虫明康人著「アンテナ・電波伝搬」(コロナ社、16頁〜18頁)を参照。)。そこで、電界カプラ30を、通信を行いたい方向、つまりz軸方向(接続信号線32の形成方向)に延長形成された微小ダイポールとして近似する。すると、微小ダイポールから放出される電界Eは、以下の(数式1)及び(数式3)により表される。
Figure 0004962322
ここで、Rは、微小ダイポールからの距離、θは、微小ダイポールの軸方向からの角度、φは、微小ダイポールの軸を中心とした回転角、jは、微小ダイポールを流れる電流密度、εは、誘電率、p及びkは、定数をそれぞれ表す。
上記(数式1)及び(数式3)に示すように、微小ダイポールからは大きく分けて2種類の電界Eθ,Eが放出される。この電界Eθは、伝搬方向と垂直な方向に振動する電界成分(横波成分)であり、電界Eは、伝搬方向と平行な方向に振動する電界成分(縦波成分)である。そして、電界Eθは、上記の放射電界・誘導電界・静電界を含み、電界Eは、放射電界を含まず誘導電界・静電界を含む。
一方、電界カプラ30では、z軸方向を情報の伝搬方向とするためθ=0°となる電界を主に使用する。この場合、上記(数式1)からはEθ=0となる一方、上記(数式3)からはEが極大値となることが判る。
従って、電界カプラ30は、比較的遠くまで伝搬する放射電界を使用することなく非接触通信を行うので、特に近接型の非接触通信に適している。
(1−5.アンテナの配置位置による問題)
磁界結合を行う上記ソレノイドアンテナ10やループアンテナ20が発生させる交流磁界中に、電界結合を行う上記電界カプラ30の電極31が配置される場合、金属で形成された板状の電極31中には、渦電流が発生してしまう。この渦電流は、磁界結合用アンテナの磁界を打消すと共に、損失を発生させてしまう。その結果、磁界結合用アンテナのアンテナ効率は低下する。また、渦電流は、電界カプラ30の電極31中の電子の動きを妨げるため、電界のノイズとなる。よって、アンテナ効率は低下し、通信距離が短くなってしまう。
渦電流は、一般的に磁束を回転軸とする円上に発生する。つまり、電極31に渦電流が発生するのは、電極31を垂直に交差する磁束が存在することに起因する。よって、この電極31を交差する磁束の、電極31に直交する方向(図3のz方向)の成分を減少させることにより、渦電流の発生を抑制することができる。
本発明者らは、非接触通信アンテナ等について鋭意研究を行った結果、上記のように、アンテナの配置位置による問題等を解明し、更に、かかる問題の原因及び解決方法を突き止めて、下記で説明する本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係る通信装置に想到した。以下、この通信装置について説明する。
<2.第1実施形態>
図4は、本発明の第1実施形態に係る通信装置の構成を説明するための説明図である。
図4に示すように、本実施形態に係る通信装置100は、磁界結合用アンテナ及び電界結合用アンテナの2つのアンテナを有する。つまり、通信装置100は、磁界結合用アンテナとしてソレノイドアンテナ10を有し、電界結合用アンテナとして電界カプラ30を有する。このソレノイドアンテナ10と電界カプラ30との位置関係を説明する。
(条件1)
上述の通り、渦電流の発生を抑制するには、電極31を交差する磁束の、電極31に直交する方向(図3のz方向)の成分(以下「直交成分」ともいう。)を減少させればよい。一方、本実施形態に係る通信装置100が有するソレノイドアンテナ10が発生する磁界Hを見ると、磁界Hは、コイル軸Aを含む平面上を伝搬する。
従って、電極31をコイル軸Aを含む平面上に配置すれば、磁界の直交成分が減少する(条件1)。
(条件2)
更に、ソレノイドアンテナ10が発生させる磁界は、図1に示したように反発しあう2つの磁界H1、H2の合成磁界Hである。また、磁界H1、H2は、ソレノイドコイル10Lとソレノイドコイル10Rとの中間を通りコイル軸Aと垂直な平面(yz平面)上で相互に反発し合う。つまり、磁界H1、H2は、2つのソレノイドコイル10L、10Rの各々から等距離の位置上で相互に反発し合う。よって、この等距離の位置では、磁界H1、H2は、どちらも反発しあって弱くなる。
従って、電極31を2つのソレノイドコイル10L、10Rの各々から等距離の位置に配置すれば、電極31に入り込む磁界を減少させることができる(条件2)。
そこで、本実施形態に係る通信装置100では、上記条件1及び条件2を両方とも満たすように電極31が配置される。つまり、図4に示すように、電界カプラ30の電極31は、ソレノイドアンテナ10の2つのソレノイドコイル10L、10Rの間の中心に配置される。つまり、電極31は、コイル軸Aを含む平面上であり、かつ、2つのソレノイドコイル10L、10Rの各々から等距離の位置に配置される。
従って、本実施形態に係る通信装置100は、電極31に入り込む磁界(磁束)Hの直交成分を減少させ、かつ、電極31に入り込む磁界H自体を減少させることができる。よって、電極31に渦電流が発生することを防ぐことができる。
(条件3)
なお、上述の条件2に示したように、2つのソレノイドコイル10L、10Rの各々から等距離の位置では、磁界H1、H2は、どちらも反発しあって弱くなるが、更に、この2つのソレノイドコイル10L、10Rの間の中心の位置、つまり、「等距離であり、かつ、コイル軸A上の位置」では、磁界H1、H2は、更に弱くなる。
従って、電極31を2つのソレノイドコイル10L、10Rの間の中心の位置に配置すれば、電極31に入り込む磁界を更に減少させることができる(条件3)。
上述のように、本実施形態に係る電極31は、更にコイル軸A上に配置される。
従って、通信装置100は、この条件3をも満たし、電極31に入り込む磁界H自体を更に減少させることができる。また、電極31が2つのソレノイドコイル10L、10Rの間の中心に配置されることにより、電界カプラ30の中心(電極31の中心)と、ソレノイドアンテナ10の中心とを一致させることができる。よって、本実施形態に係る通信装置100は、通信相手の通信装置に対する中心あわせが容易である。
なお、非接触通信では、通信距離が短く指向性が高いため、中心が揃っていないと、アンテナ効率が悪いばかりか、通信が行えないこともある。よって、通信を行うアンテナ同士の中心を揃えて通信を行うことが重要である。1つの通信装置が2つのアンテナを有する場合、2つのアンテナの中心を同時に合わせることは難しい。しかしながら、本実施形態に係る通信装置100は、ソレノイドアンテナ10と電界カプラ30との中心位置が一致している。よって、両者の中心を同時に合わせることが容易となる。よって、通信装置100によれば、特性の向上及び通信の安定化を実現できる。
また、この通信装置100によれば、ソレノイドアンテナ10の内部(2つのソレノイドコイル10L、10Rの間)に電界カプラ30を配置することができるので、アンテナの占めるスペースを低減でき、通信装置100を小型化することができる。
(2−1.通信時の電界E及び磁界Hについて)
次に、図5を参照して、通信が行われている際の電界E及び磁界Hについて説明する。
図5は、本実施形態に係る通信装置の通信時の電界E及び磁界Hについて説明するための説明図である。なお、図5では、ソレノイドコイル10L、10R及び電極31の大きさや配置位置と磁界H及び電界Eを、理解しやすいように模式的に誇張して記載している。
図5に示すように、2つの通信装置100が互いの中心位置が一致するように、近接させると、一の通信装置100のソレノイドコイル10L、10Rからは磁界Hが発せられ、電極31からは電界Eが発せられる。この磁界Hは、他の通信装置100のソレノイドコイル10L、10Rをコイル軸A方向に貫通し、このソレノイドコイル10L、10Rでは誘導起電力が発生する。よって、磁界結合による非接触通信が行われる。また、上記電界Eも、他の通信装置100の電極31の電子を振動させる。よって、電界結合による非接触通信が行われる。
一方、図5に示すように、本実施形態に係る通信装置100では、電極31に対する磁界Hの直交成分は少ないばかりか、電極31に入り込む磁界Hすら少ない。よって、この電極31では、渦電流は発生し難い。よって、本実施形態に係る通信装置100は、アンテナ効率が低下することを防ぎつつ、電界結合用アンテナと磁界結合用アンテナとを近接して配置することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る通信装置100はアンテナ効率の低下を防止することができる。しかしながら、通信装置の設計や形状などによる制約上、電極31をソレノイドコイル10L、10Rの中心に配置できない場合がある。その場合には、上記条件1及び条件2を満たしつつ、ソレノイドアンテナ10と電界カプラ30とを配置することにより、上記第1実施形態に係る通信装置100と同様の効果を得ることができる。この場合の例として、以下で説明する第2実施形態に係る通信装置が挙げられる。
<3.第2実施形態>
図6及び図7を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係る通信装置について説明する。
図6及び図7は、本発明の第2実施形態に係る通信装置の構成を説明するための説明図である。
図6に示すように、本実施形態に係る通信装置200は、1つの磁界結合用アンテナ及び2つの電界結合用アンテナを有する。より具体的には、通信装置200は、磁界結合用アンテナとして第1実施形態に係る通信装置100と同様のソレノイドアンテナ10を有し、電界結合用アンテナとして電界カプラ30を2つ有する。ここでは、2つの電界カプラ30のそれぞれを、電界カプラ30A、30Bとして区別する。このソレノイドアンテナ10と電界カプラ30A、30Bとの位置関係を説明する。
本実施形態に係る通信装置200でも、上記条件1及び条件2を両方とも満たすように電界カプラ30Aの電極31A及び電界カプラ30Bの電極31Bが配置される。つまり、図6に示すように、電極31A及び電極31Bは、コイル軸Aを含む平面S上であり、かつ、2つのソレノイドコイル10L、10Rの各々から等距離の位置に配置される。
従って、本実施形態に係る通信装置200も、電極31に入り込む磁界Hの直交成分を減少させ、かつ、電極31に入り込む磁界H自体を減少させることができる。よって、電極31に渦電流が発生することを防ぐことができる。
(条件4)
また、図7に示すように、電極31A、31Bは、コイル軸Aを挟んで対称な位置に配置される(条件4)。このように、2つの電極31A、31Bを対称に配置することにより、2つの電極31A、31Bの間の中心と、ソレノイドアンテナ10の2つのソレノイドコイル10L、10Rの間の中心とを、一致させることができる。よって、本実施形態に係る通信装置200も、通信相手の通信装置に対する中心あわせが容易である。
このような構成を有することにより、本実施形態に係る通信装置200は、上記第1実施形態に係る通信装置100と同様に、電極31A、31Bに対する磁界Hの直交成分を減少させることができるので、アンテナ効率が低下することを防ぎつつ、電界結合用アンテナと磁界結合用アンテナとを近接して配置することができる。
なお、図7に示すように、本実施形態に係る通信装置200は、上記条件3を満たしていないため、多少磁界Hが入り込むが、この磁界Hは、電極31と平行であり、渦電流を発生させ難い。よって、本実施形態に係る通信装置200も、上記第1実施形態に係る通信装置と同様な効果を奏することができる。
<4.第3実施形態>
次に、図8を参照しつつ、本発明の第3実施形態に係る通信装置300について説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係る通信装置の構成を説明するための説明図である。
本実施形態では、上記第1実施形態及び第2実施形態とは異なり、磁界結合用アンテナとして、ループアンテナ20を使用した場合について説明する。つまり、本実施形態に係る通信装置300は、電界結合用アンテナとして第1実施形態などと同様に電界カプラ30を有する一方、磁界結合用アンテナとしてはループアンテナ20を有する。このループアンテナ20と電界カプラ30との位置関係を説明する。
(条件5)
ループアンテナ20は、上記ソレノイドアンテナ10とは異なる構造を有し、両アンテナ共に平面上に形成される。よって、単純に上記条件1及び条件2を満たす位置に、電界カプラ30を配置することは難しい。一方、全体の構成を小型化して効率よく配置するには両アンテナを略同一の平面上に配置することが考えられる。そこで、全体の構成を小型化しつつ、電極31に対する磁界Hの直交成分を減少させて渦電流の発生を抑制するために、電極31に入り込む磁界Hを減少させることが考えれる。一方、ループアンテナ20が発生させる磁界Hは、ループアンテナ20から離れるほど、磁界Hが弱くなる。しかし、ループアンテナ20と電界カプラ30との間の距離を長くして両者を配置することも考えられるが、この場合、同一平面上であっても、アンテナを小型化することは難しい。また、ループアンテナ20が発生させる磁界Hは、ループアンテナ20の巻線から離れるほど弱くなる。よって、ループアンテナ20の中心位置では、磁界Hは弱くなる。
従って、ループアンテナ20の中心位置に電極31を配置すれば、電極31に入り込む磁界Hを減少させることができ、その結果、電極31に対する磁界Hの直交成分を減少させることができる(条件5)。
そこで、本実施形態に係る通信装置300では、上記条件5を満たすように電極31が配置される。つまり、図8に示すように、電界カプラ30の電極31は、ループアンテナ20の形成面上であり、かつ、ループアンテナ20の中心の位置に配置される。従って、本実施形態に係る通信装置300は、電極31に入り込む磁界H自体を減少させることにより、電極31に入り込む磁界Hの直交成分を減少させることができる。よって、電極31に渦電流が発生することを防ぐことができる。
また、電極31は、ループアンテナ20の中心に配置されるので、電極31の中心と、ループアンテナ20の中心とを一致させることができる。よって、本実施形態に係る通信装置300は、通信相手の通信装置に対する中心あわせが容易である。
また、この通信装置300によれば、ループアンテナ20の内部に電界カプラ30を配置することができるので、アンテナの占めるスペースを低減でき、通信装置300を小型化することができる。
(4−1.通信時の電界E及び磁界Hについて)
次に、図9を参照して、通信が行われている際の電界E及び磁界Hについて説明する。
図9は、本実施形態に係る通信装置の通信時の電界E及び磁界Hについて説明するための説明図である。なお、図9では、ループアンテナ20及び電極31の大きさや配置位置と磁界H及び電界Eを、理解しやすいように模式的に誇張して記載している。
図5に示すように、2つの通信装置300が互いの中心位置が一致するように、近接させると、一の通信装置300のループアンテナ20からは磁界Hが発せられ、電極31からは電界Eが発せられる。この磁界Hは、他の通信装置300のループアンテナ20の内部を貫通し、このループアンテナ20では誘導起電力が発生する。よって、磁界結合による非接触通信が行われる。また、上記電界Eも、他の通信装置300の電極31の電子を振動させる。よって、電界結合による非接触通信が行われる。
一方、図5に示すように、本実施形態に係る通信装置300では、ループアンテナ20が発生させる磁界Hは、ループアンテナ20の中心Oに向かうほど小さくなる。よって、電極31に入り込む磁界Hを減少させることができ、その結果、電極31に対する磁界Hの直交成分を減少させることができる。
なお、電極31の端部における磁界Hは、電極31の中心における磁界Hよりも大きいが、電極31の端部では、磁界Hを中心軸とする円状の渦電流は、電極31の端部により切断され流れにくい。一方、電極31が発生させる電界Eは、中心Oに向かうほど大きくなる。よって、上記条件5を満たした配置によっても残存している磁界Hの直交成分がアンテナ効率に与える影響は、少ない。
<5.磁界結合用アンテナについて>
以上、磁界結合用アンテナとして、ソレノイドアンテナ10とループアンテナ20とを例に挙げて、本発明の各実施形態に係る通信装置100〜300について説明した。
上述のように通信装置100〜300では、磁界結合用アンテナと電界結合用アンテナとを近接して配置することにより、通信装置の構成自体を小型化することができる。更に通信装置を小型に配置するには、各アンテナの駆動回路をも、近接して配置する必要がある。しかしながら、駆動回路は、電子回路で構成されており、電界Eや磁界Hによる影響を受けやすい。よって、駆動回路を各アンテナに近接して配置すると、各アンテナが発生させた電界Eや磁界Hが、駆動回路の動作を妨げてしまう場合がある。これとは逆に、駆動回路では、様々な個所で電流が流れたり電圧が印可されているので、駆動回路からは磁界や電界が発生し、その電界や磁界が、各アンテナのノイズとなったり、アンテナの動作を妨げて、アンテナ効率を低下させる場合がある。また、例えば、通信装置が携帯電話に配置する場合には、携帯電話の駆動回路や金属部分も、アンテナコイルの特性に影響を及ぼす場合がある。なお、電界Eは、指向性が強いが、磁界Hは、コイルを取り巻いて発生する。よって、上記のようなアンテナ効率の低下を防止するには、特に磁界Hが遮蔽された位置に駆動回路を配置する必要があり、遮蔽構造が別途必要になる。
よって、この遮蔽構造が、通信装置の小型化を阻害している。
一方、ソレノイドアンテナ10やループアンテナ20は、図1及び図2に示すように、通信方向(z軸正の方向)だけでなく、それとは反対の方向(z軸負の方向)にも磁界Hを発生させる。このため、反対の方向に配置される物質によりアンテナとしての特性が変化してしまう。よって、ソレノイドアンテナ10又はループアンテナ20の一側に、反射板40を配置して、磁界結合用アンテナが発生させた磁界Hを反射することにより、アンテナの特性の変化を抑制する。図11、12に具体例を示す。
しかし、この反射板40も、通信装置の小型化を阻害している。
そこで、以下では、遮蔽構造及び反射板40をも含めた通信装置の小型化を可能にした本発明の第4実施形態〜第6実施形態について説明する。
<6.第4実施形態>
図12は、本発明の第4実施形態に係る通信装置の構成を説明するための断面図である。
なお、図12には、図4に示した第1実施形態に係る通信装置100に駆動回路などを実装してコイル軸Aで切断した場合のy軸方向から見た断面を示している。
図12に示すように、本実施形態に係る通信装置400は、ソレノイドアンテナ10と、電界カプラ30と、反射板40と、駆動回路50と、スルーホール13、37、38とを有し、導電体層60上又は内部に形成される。
反射板40は、ソレノイドアンテナ10及び電界カプラ30を覆う板状にプリント基板により形成される。そして、反射板40は、ソレノイドアンテナ10及び電界カプラ30の一側(z軸負の方向)に沿ってそれらを覆うように配置される。また、反射板40は、電解カプラ30の電極31が配置された電解ソレノイドアンテナ10のコイル軸Aを含む平面Sに平行又は略平行に配置されることが望ましい。この反射板40には孔が形成されている。ソレノイドアンテナ10と駆動回路50とは、この孔を介して形成されたスルーホール13により接続される。電界カプラ30と駆動回路50とも、この孔を介して形成されたスルーホール37により接続される。つまり、スルーホール37が入出力信号線34の役割を担う。
駆動回路50は、反射板40を挟んでソレノイドアンテナ10及び電界カプラ30とは反対側に配置される。従って、反射板40は、駆動回路50の遮蔽構造としても機能することができる。
一方、電界カプラ30は、上述のようにグランド36を有する。このグランド36は、一般的には電極31と同等以上の大きさが必要である。一方、本実施形態に係る通信装置400は、グランド36を有する代わりに、反射板40を有する。スルーホール38は、スタブ33の端部Gと反射板40とを接続する。このような構成によれば、反射板40は、グランド36の代わりに、電界カプラ30のグランドとしても機能することができる。
つまり、本実施形態に係る通信装置400は、ソレノイドアンテナ10の磁界Hの反射板、駆動回路50の遮蔽構造、及び電界カプラ30のグランドの3つの構成を、1つの反射板40に統合することができる。よって、通信装置400は、更に装置の小型化をすることができる。また、反射板40が電界カプラ30のグランドをも兼ねることにより、電界カプラのグランドを大きくとることが可能となり、電界カプラ30の特性を向上させることが可能である。
<7.第5実施形態>
図13は、本発明の第5実施形態に係る通信装置の構成を説明するための断面図である。
なお、図13には、図8に示した第3実施形態に係る通信装置300に駆動回路などを実装してコイル軸Aで切断した場合のy軸方向から見た断面を示している。
図13に示すように、本実施形態に係る通信装置500は、ループアンテナ20と、電界カプラ30と、反射板40と、駆動回路50と、スルーホール13、37、38とを有し、2つの導電体層60上又は内部に形成される。
反射板40は、ループアンテナ20及び電界カプラ30を覆う板状にプリント基板により形成される。そして、反射板40は、ループアンテナ20及び電界カプラ30の一側(z軸負の方向)に沿ってそれらを覆うように配置される。また、反射板40は、ループアンテナ20のコイル形成面に平行又は略平行に配置されることが望ましい。反射板40には孔が形成されている。ループアンテナ20と駆動回路50とは、この孔を介して形成されたスルーホール13により接続される。電界カプラ30と駆動回路50とも、この孔を介して形成されたスルーホール37により接続される。つまり、スルーホール37が入出力信号線34の役割を担う。
この構成を有する本実施形態に係る通信装置500によれば、ソレノイドアンテナ10の代わりにループアンテナ20を備えつつ、上記第4実施形態に係る通信装置400が奏する効果と同様の効果を奏することができる。
本実施形態に係る通信装置500では、2つの導電体層のそれぞれに各構成を形成しているが、この場合には、両者を接続するケーブルが必要になる。このようなケーブルは、製造コストを上昇させるだけでなく、ケーブルで発生する損失等によりアンテナ特性が劣化してします。そこで、以下の第6実施形態のように通信装置を形成することも可能である。
<8.第6実施形態>
図14は、本発明の第6実施形態に係る通信装置の構成を説明するための断面図である。
なお、図14にも、図8に示した第3実施形態に係る通信装置300に駆動回路などを実装してコイル軸Aで切断した場合のy軸方向から見た断面を示している。
なお、本実施形態に係る通信装置600は、上記第5実施形態に係る通信装置500と基本的には同様に形成される。しかしながら、通信装置600は、1つの導電体層60上又は内部に各構成が形成される点が、上記第5実施形態に係る通信装置500とは異なる。
この構成を有する本実施形態に係る通信装置600によれば、上記第5実施形態に係る通信装置500が奏する効果と同様の効果を奏することができるだけでなく、安価に製造することができ、かつ、特性を更に安定させることができる。なお、ソレノイドアンテナ10を有するものではあるが上記第4実施形態に係る通信装置400も、本実施形態に係る通信装置600と同様に、安価に製造することができ、かつ、特性を更に安定させることができることは言うまでもない。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、磁界結合用アンテナの一例として、ソレノイドアンテナ10及びループアンテナ20を挙げたが、磁界結合用アンテナは、これらの例に限定されるものではなく、磁界結合により近接型の非接触通信を行うことが可能な如何なる形態のアンテナであってもよい。
また、上記実施形態では、通信装置単体について説明した。しかしながら、例えば、第1実施形態の図5に示した2つの通信装置100のように、送信側の通信装置と受信側の通信装置とが1つのシステムを構成することももちろん可能である。
本発明の各実施形態に係る通信装置が有する磁界結合用アンテナの一例について説明するための説明図である。 本発明の各実施形態に係る通信装置が有する磁界結合用アンテナの一例について説明するための説明図である。 本発明の各実施形態に係る通信装置が有する電界結合用アンテナの一例について説明するための説明図である。 本発明の第1実施形態に係る通信装置の構成を説明するための説明図である。 同実施形態に係る通信装置の通信時の電界E及び磁界Hについて説明するための説明図である。 本発明の第2実施形態に係る通信装置の構成を説明するための説明図である。 本発明の第2実施形態に係る通信装置の構成を説明するための説明図である。 本発明の第3実施形態に係る通信装置の構成を説明するための説明図である。 同実施形態に係る通信装置の通信時の電界E及び磁界Hについて説明するための説明図である。 本発明の各実施形態に係る通信装置が有する磁界結合用アンテナの一例について説明するための説明図である。 本発明の各実施形態に係る通信装置が有する磁界結合用アンテナの一例について説明するための説明図である。 本発明の第4実施形態に係る通信装置の構成を説明するための断面図である。 本発明の第5実施形態に係る通信装置の構成を説明するための断面図である。 本発明の第6実施形態に係る通信装置の構成を説明するための断面図である。
符号の説明
10 ソレノイドアンテナ
10L、10R ソレノイドコイル
11L、11R 巻線
12L、12R コア
13、37、38 スルーホール
20 ループアンテナ
30、30A、30B 電界カプラ
31、31A、31B 電極
32 接続信号線
33 スタブ
34 入出力信号線
35 基板
36 グランド
40 反射板
50 駆動回路
60 導電体層
100、200、300 通信装置
400、500、600 通信装置
A コイル軸
H、H1、H2 磁界
E 電界
S 平面

Claims (8)

  1. 各コイル軸が略同一直線上に位置するように配置され、磁界結合により非接触通信を行う2つのソレノイドコイルと、
    前記2つのソレノイドコイルが発生させる磁界中に配置され、電界結合により非接触通信を行う平板状の電界結合用電極と、
    を備え、
    前記電界結合用電極は、前記2つのソレノイドコイルの前記コイル軸を含む平面上に配置されることを特徴とする、アンテナモジュール。
  2. 前記電界結合用電極は、前記2つのソレノイドコイルの各々から等距離の位置に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のアンテナモジュール。
  3. 前記電界結合用電極は、前記2つのソレノイドコイル間の中心に配置されることを特徴とする、請求項2に記載のアンテナモジュール
  4. 前記電界結合用電極は、前記2つのソレノイドコイルの前記コイル軸を挟んで対称に2つ配置されることを特徴とする、請求項1に記載のアンテナモジュール。
  5. 駆動回路からの駆動信号により、非接触通信を行う通信装置であって、
    各コイル軸が略同一直線上に位置するように配置され、磁界結合により非接触通信を行う2つのソレノイドコイルと、
    前記2つのソレノイドコイルが発生させる磁界中に配置され、電界結合により非接触通信を行う平板状の電界結合用電極と、
    を備え、
    前記電界結合用電極は、前記2つのソレノイドコイルの前記コイル軸を含む平面上に配置されることを特徴とする、通信装置。
  6. 2つの通信装置の間で非接触通信を行う通信システムであって、
    前記2つの通信装置のそれぞれは、
    各コイル軸が略同一直線上に位置するように配置され、磁界結合により非接触通信を行う2つのソレノイドコイルと、
    前記2つのソレノイドコイルが発生させる磁界中に配置され、電界結合により非接触通信を行う平板状の電界結合用電極と、
    を備え、
    前記各通信装置内で、前記電界結合用電極は、前記2つのソレノイドコイルの前記コイル軸を含む平面上に配置されることを特徴とする、通信システム。
  7. 磁界結合により非接触通信を行う第1通信部と、
    前記第1通信部が発生させる磁界中に配置された平板状の電界結合用電極を有し、電界結合により非接触通信を行う第2通信部と、
    前記第1通信部及び前記第2通信部の一側に配置され、前記第1通信部が発生させる磁界を反射する反射板と、
    を備え、
    前記反射板は、前記第2通信部の電界結合用電極のグランドとなるように前記第2通信部に接続され、
    前記第1通信部は、各コイル軸が略同一直線上に位置するように配置された2つのソレノイドコイルを有し、
    前記第2通信部の電界結合用電極は、前記2つのソレノイドコイルの前記コイル軸を含む平面上に配置され、
    前記反射板は、前記2つのソレノイドコイルの前記コイル軸を含む前記平面に略平行に、前記2つのソレノイドコイル及び前記電界結合用電極を覆うように配置される
    アンテナモジュール。
  8. 駆動回路からの駆動信号により、非接触通信を行う通信装置であって、
    磁界結合により非接触通信を行う第1通信部と、
    前記第1通信部が発生させる磁界中に配置された平板状の電界結合用電極を有し、電界結合により非接触通信を行う第2通信部と、
    前記第1通信部及び前記第2通信部の一側に配置され、前記第1通信部が発生させる磁界を反射する反射板と、
    を備え、
    前記反射板は、前記第2通信部の電界結合用電極のグランドとなるように前記第2通信部に接続され、
    前記第1通信部は、各コイル軸が略同一直線上に位置するように配置された2つのソレノイドコイルを有し、
    前記第2通信部の電界結合用電極は、前記2つのソレノイドコイルの前記コイル軸を含む平面上に配置され、
    前記反射板は、前記2つのソレノイドコイルの前記コイル軸を含む前記平面に略平行に、前記2つのソレノイドコイル及び前記電界結合用電極を覆うように配置される、
    通信装置。
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