以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。以下に説明する各実施形態において、同一構成要素には同一参照番号を付け、重複する説明は省略する。最初に図1ないし図9により第1の実施の形態を説明する。
図1は第1の実施形態におけるシステム全体の処理フローの概要を説明する図である。同図では、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)1と、複写、印刷、ファクシミリ送受信などの機能を備えた複合機2と、紙文書を粉砕するシュレッダ3との間で処理するシステムとなっている。
この第1の実施形態では、PC1にて作成された文書がプリンターとして機能する複合機2でRFIDタグが付加された紙にプリントされ、その紙がシュレッダ3で粉砕される時に、文書IDをその文書が作成されたPC1へ通知するようにしている。すなわち、PC1のユーザはPC1に存在している文書(文書名をXXXとする)を複合機2へプリント依頼する時に、本発明の動作を行う紙文書のセキュリティ管理モードを選択すると、PC1は文書名:XXXの文書に文書ID(ID番号を10とする)を付与し、これらの文書名と文書IDを対応付けて記憶する。
そして、PC1は文書名:XXXの文書データとともに、文書ID(=10)とPC1のユーザアドレスも複合機2へ送信する(図1:(1)・・・なお図では丸付き数字で表している)。複合機2は受信した文書データをRFIDタグが付加されたプリント用紙5にプリントするとともに、内蔵されたRFIDライタを利用してプリント用紙である紙文書5に付加されたRFIDタグへ受信した文書ID(=10)とPC1のユーザアドレスを書き込む(図1:(2))。
文書名:XXXの文書データがプリントされた紙文書5は、その後、1人または複数のユーザにより適宜閲覧され、紙文書5が不要となった場合に、ユーザは紙文書5をシュレッダ3にて粉砕する。この時のシュレッダ3の動作として、紙文書5がシュレッダ3の紙挿入口にセットされると、シュレッダ3は内蔵されたRFIDリーダにより紙文書5に付加されたRFIDタグから文書ID(=10)とPC1のユーザアドレスを読み取る(図1:(3))。そして、シュレッダ3は紙文書5を粉砕すると、文書ID(=10)を含めた紙文書粉砕通知メッセージをPC1のユーザアドレス宛に送信する(図1:(4))。
PC1はこのメッセージを受信すると、文書のプリント依頼時に記憶した文書名と文書IDとの対応リストを照合して、文書ID(=10)に対応した文書名:XXXを特定して、この文書名の紙文書が粉砕されたことをモニタに表示する(図1:(5))。
図2は上記のシステムの構成を示すブロック図である。このシステムは、PC1、複合機2、シュレッダ3、そして呼制御プロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)サーバ4がイーサネット(登録商標)を介して接続された構成である。
図3は複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態に係る複合機2は、CPU10、メインメモリ11、ROM(Read Only Memory)12、クロック(発生器)13、バスコントローラ14、PCI(Peripheral Component Interconnect)ブリッジ15、キャッシュメモリ16、スキャナコントローラ17、スキャナ18、プリントコントローラ19、プリントエンジン20、ハードディスク21、HD(Hard Disk)コントローラ22、LCD表示コントローラ23、LCD24、LANコントローラ25、LAN I/F26、RFIDタグ37のRFIDリーダ/ライタ27、アンテナ28、キー入力コントローラ29、ハードキー30、タッチパネルコントローラ31、タッチパネル32、RTC(Real Time Clock)33、CPUバス34、PCIバス35、Xバス(内部バス)36等から構成されている。
CPU10は、ROM12に記憶された制御処理プログラムやOS(Operating System)を実行、処理する。メインメモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)より構成されており、CPU10のワークエリア等で使用される。ROM12は、電源オン時のシステム立ち上げや複合機2の機能を実現するための各種プログラムが予め書き込まれている。クロック13は、水晶発振子と分周回路から構成されており、CPU10やバスコントローラ14の動作タイミングを制御するためのクロックを生成している。バスコントローラ14は、CPUバス34とXバス36でのデータ転送を制御する。
PCIブリッジ15は、キャッシュメモリ16を使用して、PCIバス35とCPU10との間のデータ転送を行う。キャッシュメモリ16は、DRAMより構成されており、PCIブリッジ15により使用される。
スキャナコントローラ17はスキャナ18の原稿読み取り動作を制御する。スキャナ18は、CCDラインセンサにより紙面画像を読み取る。プリントコントローラ19はプリントエンジン20の動作を制御する。プリントエンジン20はトナーを使用して、紙面にカラー画像またはモノクロ画像をプリントする。
ハードディスク21は、スキャナ18から入力された画像データや通信により受信した画像データ、またカラー画像やモノクロ画像をプリントした紙の識別情報等を記憶する。HDコントローラ22は、ハードディスク21とのインタフェースとして例えばIDE(Integrated Device Electronics)インタフェースを持ち、ハードディスク21と高速データ転送を行う。LCD表示コントローラ23は、文字データやグラフィックデータ等をD/A変換するとともに、これらのデータをLCD24に表示するための制御を行う。
LANコントローラ25は例えばIEEE802.3規格に準拠した通信プロトコルを実行して、LAN I/F26を介してイーサネット(登録商標)に接続された他の機器との通信を制御する。RFIDリーダ/ライタ27はISO/IEC18000−6で規定された通信仕様に従った動作を行い、アンテナ28から860〜960MHzの周波数帯(UHF帯)の電波を発生し(日本では950〜956MHz、米国では902〜928MHz)、RFIDタグ37からデータを読み取る機能とRFIDタグ37にデータを書き込む機能を併せ持っている。このRFIDリーダ/ライタ27は複合機2の排紙部近傍に取り付けられており、本実施の形態ではプリントエンジン20にてプリントされた紙が排紙される時に、UHF帯の電波を発生してそのプリント紙に付加されたRFIDタグ37に文書IDとPCユーザのアドレスを書き込む。
キー入力コントローラ29は、ハードキー30から入力されたシリアルデータからパラレルデータへの変換を行う。タッチパネルコントローラ31は、タッチパネル32上で指等の物体が接触した部分を検出し、その位置情報を取り込む。タッチパネル32はLCD24と重ね合わせて密着している。RTC33は日付時計であり、図示していないバッテリーによりバックアップされている。
RFIDタグ37はアンテナとIC回路(不揮発メモリを含む)からなるインレットであり、ISO/IEC18000−6で規定された通信仕様に従った動作を行い、RFIDリーダ/ライタ27とアンテナ28から発生された電波を受信すると、この電波によって生じた起電力を用いて内蔵されたIC回路を動作させ、RFIDリーダ/ライタ27から送られて来たデータを不揮発メモリに書き込む。このRFIDタグ37(インレット)はラベルに埋め込まれており、このラベルはプリント用紙に予め貼り付けられている。なお、複合機2のユーザは、このラベルが付いている面が、画像がプリントされる面の裏側になるようにプリント用紙を複合機2にセットする。
図4はシュレッダ3のハードウェア構成を示す図である。シュレッダ3は、CPU40、クロック41、メインメモリ42、フラッシュROM43、RTC44、粉砕機構コントローラ45、粉砕機構46、キー入力コントローラ47、ハードキー48、LCD表示コントローラ49、LCD50、LANコントローラ51、LAN I/F52、RFIDリーダ/ライタ53、アンテナ54、システムバス55等から構成されている。
CPU40は、フラッシュROM43に記憶された制御処理プログラムやOSを実行、処理する。クロック41は、水晶発振子と分周回路から構成されており、CPU40の動作タイミングを制御するためのクロックを生成している。メインメモリ42は、DRAMより構成されており、CPU40のワークエリア等で使用される。フラッシュROM43は、電源オン時のシステム立ち上げやシュレッダ3の機能を実現するための各種プログラムが予め書き込まれており、また、後述する粉砕履歴データを記憶する。RTC44は日付時計であり、図示していないバッテリーによりバックアップされている。
粉砕機構コントローラ45はカッター(図示しない)により紙を粉砕する粉砕機構46を制御する。粉砕機構46は多数のカッターを回転させて紙を粉砕する。
キー入力コントローラ47からLAN I/F52の各構成要素は、図2に示したキー入力コントローラ29、ハードキー30、及びLCD表示コントローラ23からLAN I/F26の各構成要素と同じであるため、その説明を省略する。
RFIDリーダ/ライタ53はISO/IEC18000−6で規定された通信仕様に従った動作を行い、アンテナ54から860〜960MHzの周波数帯(UHF帯)の電波を発生し、RFIDタグ37から送信された同周波数帯の電波をアンテナ54で受信してRFIDタグ37に記憶されたデータを取得し、あるいは日時情報をRFIDタグ37に送信して、RFIDタグ37にこの情報を書き込む。
図5はシュレッダの外観を示す斜視図である。上記のRFIDリーダ/ライタ53はシュレッダ3の紙挿入口56の近傍に設けられた収納部57内に取り付けられている。58はシュレッダ3の電源スイッチである。
図6は本実施の形態に関係するシュレッダ3の機能構成図である。シュレッダ3の機能構成としては、紙記録データ取得部60、紙データ書込部61、粉砕処理部62、メッセージ送信部63、履歴記憶部64等から構成されている。紙記録データ取得部60はRFIDリーダ/ライタ53を動作させてアンテナ54からUHF帯の電波を発生して、紙文書5に付加されたRFIDタグ37から文書IDと紙文書粉砕通知メッセージの送信先アドレスを読み取る。紙データ書込部61はRFIDリーダ/ライタ53を動作させてアンテナ54からUHF帯の電波を発生して、紙文書5に付加されたRFIDタグ37に日時情報を書き込む。粉砕処理部62は粉砕機構コントローラ45、粉砕機構46を動作させて、紙文書5を粉砕する。メッセージ送信部63は紙文書粉砕通知メッセージをRFIDタグ37から読み取ったアドレス宛に送信する。履歴記憶部64は粉砕した紙文書の文書ID等の情報を履歴として記憶する。
次に、図1を用いて概要説明した個々の処理について詳細に説明する。
ユーザはPC1にて作成された文書(ファイル)名「patent.doc」の文書をプリントするためにプリント依頼操作を行うウィンドウを開くと、紙文書のセキュリティ管理モードの選択スイッチが表示される。このスイッチにより紙文書のセキュリティ管理モードがオンにされると、PC1は文書「patent.doc」がプリントされた紙がシュレッダ3で粉砕される時に通知される紙文書粉砕通知メッセージの送信宛先を入力するウィンドウを表示する。ここで、ユーザは自分のユーザアドレスであるSIP URI(Session Initiation Protocol Uniform Resource Identifier)を入力する。このSIP URIの例を以下に示す。
sip:pc1@aaa.com
そして、ユーザがプリント依頼の実行を操作すると、PC1は文書名「patent.doc」の文書に文書ID(例えば10)を付与し、これらの文書名と文書IDを対応付けて内蔵されたHDDに記憶する。続いて、PC1は文書「patent.doc」の文書データとともに、文書ID(=10)とユーザのSIP URIも複合機2へ送信する。複合機2は受信した文書データをプリントエンジン20にてRFIDタグ37が付加されたプリント用紙にプリントする。そして、複合機2はこのプリントした紙を機械内部から外へ排出する時に、RFIDリーダ/ライタ27を動作させてアンテナ28からUHF帯の電波を発生して、そのプリント紙に付加されたRFIDタグ37へ受信した文書ID(=10)とユーザのSIP URIを書き込む。なお、RFIDリーダ/ライタ27は1枚のプリント紙に付加されたRFIDタグ37のみにデータを書き込む程度に電波の出力を抑える。(プリント排出中でないプリント用紙に付加されたRFIDタグ37へはデータを書き込まない。)
文書ID(=10)とユーザのSIP URIの情報が付加された紙文書5は、その後、不要になった時にシュレッダ3にて粉砕される。例えば、この紙文書5が、複数のユーザにより閲覧回覧される場合は、回覧の最終者がシュレッダ3にて粉砕することになっている。
次に、紙文書5の最終閲覧者がこの紙文書5をシュレッダ3にて粉砕する時のシュレッダ3の動作について説明する。紙文書5がシュレッダ3の紙挿入口にセットされると、紙記録データ取得部60はRFIDリーダ53を動作させてアンテナ54からUHF帯の電波を発生して、紙文書5に付加されたRFIDタグ37から文書ID(=10)とユーザのSIP URIを読み取る。続いて、紙データ書込部61はRFIDリーダ/ライタ53を動作させてアンテナ54からUHF帯の電波を発生して、紙文書5に付加されたRFIDタグ37に日時情報を書き込む。続いて、粉砕処理部62は粉砕機構コントローラ45、粉砕機構46を動作させて、紙文書5を粉砕する。そして、メッセージ送信部63は先に読み取った文書ID(=10)を含めた紙文書粉砕通知メッセージをユーザのSIP URI宛にSIPのインスタントメッセージにより送信する。なお、このSIPのインスタントメッセージはSIPサーバ4を経由してPC1へ送信されるようになっている。SIPサーバ4は1つのハードウェア上に、プロキシサーバ、レジストラサーバ、ロケーションサーバの各サーバプロセスが存在しており、受信したSIP URI宛のメッセージをそのSIP URIに対応付けて登録されたIPアドレス宛に転送する。
正常に粉砕された場合の紙文書粉砕通知メッセージのフォーマット例を図7(a)に示す。紙文書粉砕通知メッセージはSIPのMESSAGEメソッドの形式で表されており、1行目はリクエストライン(リクエストの場合)またはステータスライン(レスポンスの場合)であり、メソッド名またはステータスコードを含んでいる。この場合、メソッド種別はMESSAGEである。2行目から空白行の直前まではメッセージヘッダで、経由装置(SIPプロキシサーバ)を表す「Via」、リクエストが宛先に向かう過程で通過することができるホップ数を制限する「Max−Forwards」、送信元の「SIP URI」と送信元を特定する乱数である「tag」を含む「From」、送信先の「SIP URI」を含む「To」、SIPセッションを一意に特定するための「Call−ID」、リクエストのシーケンス番号である「CSeq」、メッセージボディがテキストであることを表す「Content−Type」、メッセージボディに入れたメッセージの文字数を示す「Content−Length」の各パラメータを含んでいる。空白行の次の行はメッセージボディであり、文書IDの通知を表すメッセージ「Document:ID=文書ID」と粉砕処理結果「Result:OK」(処理正常)がテキスト形式(アスキー文字)で記載されている。
PC1はこのメッセージを受信すると、文書のプリント依頼時にHDDに記憶した文書IDと文書名の対応リストを照合して、このメッセージに含まれた文書ID(=10)に対応した文書名(patent.doc)を特定して、この文書名の紙文書が粉砕されたことをモニタに表示する。
なお、シュレッダ3が紙文書5を粉砕中にエラーが発生して紙文書5を完全に粉砕できていない場合は、粉砕処理結果を「Result:NG」(処理異常)とした紙文書粉砕通知メッセージをPC1へ送信する。この時の紙文書粉砕通知メッセージのフォーマット例を図7(b)に示す。PC1は粉砕処理結果が処理異常のメッセージを受信すると、文書のプリント依頼時にHDDに記憶した文書IDと文書名の対応リストを照合して、このメッセージに含まれた文書ID(=10)に対応した文書名(patent.doc)を特定して、この文書名の紙文書の粉砕時にエラーが発生したことをモニタに表示する。この表示例を図8に示す。
シュレッダ3は紙文書粉砕通知メッセージを送信すると、このメッセージに含めた文書ID(=10)を、このメッセージの送信先SIP URI、この文書IDの紙文書を粉砕した日時、粉砕処理結果、紙文書粉砕通知メッセージの送信結果と対応付けて履歴記憶部64に記憶する。
図9は上記シュレッダ3の動作を説明するためのフローチャートである。すなわち、紙文書5がシュレッダ3の紙挿入口56にセットされたか否かをチェックする(ステップS101)。セットされたことが確認されたら紙記録データ取得部60が紙文書5に付加されたRFIDタグ37から文書IDとユーザのSIP URIを読み取る(ステップS102)。次に紙データ書込部61が紙文書5に付加されたRFIDタグ37に日時情報を書き込み(ステップS103)、粉砕処理部62は紙文書5を粉砕する(ステップS104)。次いで、メッセージ送信部63は文書IDを含めた紙文書粉砕通知メッセージをSIP URI宛に送信し(ステップS105)、文書ID、SIP URI、粉砕日時、粉砕処理結果、紙文書粉砕通知メッセージの送信結果を対応付けて履歴記憶部64に記憶する(ステップS106)。ステップS101において、紙文書5がシュレッダ3の紙挿入口56にセットされたことが確認できなかった場合は再度確認チェックを行う。
以上のように、上記第1の実施形態では、不要となった場合に粉砕されるべき機密文書がプリントされた紙に、プリントされている文書の文書IDとその紙が粉砕されたことを通知する任意の宛先アドレス(粉砕通知アドレス)等の情報を付加しておき、その紙がシュレッダで粉砕される時に、シュレッダがその紙に付加された文書IDや粉砕通知アドレス等の情報を読み取って、その文書IDを含めた粉砕通知メッセージを任意の粉砕通知アドレス宛に送信できるため、文書管理者は機密文書の電子データを持っている端末によって前記機密文書のプリント紙が粉砕されたことを容易に把握でき、文書のセキュリティ管理の利便性の向上を図ることができる。
更に、文書IDや粉砕通知アドレス等の情報をバーコード等の画像として紙にプリントして、この画像を光学的に読み取る方法であると、画像認識処理が必要となり、この認識精度が課題となる場合があるが、この第1の実施の形態ではRFIDタグに記録しているので、紙文書からのこれらの情報の読み取り精度が向上でき、文書のセキュリティ管理の利便性の向上を図ることができる。
図10ないし図12は本発明の第2の実施形態を示す図である。図10はシュレッダの機能構成を示すブロック図、図11は紙文書が指定した粉砕期限までに粉砕されなかったことをモニタに表示する表示例を示す図、図12はシュレッダの動作を説明するためのフローチャートである。
この第2の実施形態では、シュレッダ3に粉砕予定の文書IDとメッセージの送信先アドレス(例えば文書管理者のアドレス)を粉砕期限とともに記憶させておき、その粉砕期限を過ぎても粉砕予定の文書IDを持った紙が粉砕されない場合は、記憶されたアドレス宛に粉砕が未実施であるメッセージを送信するものである。
この場合のシュレッダ3は、図10に示すように、第1の実施形態で示した機能構成に対して、粉砕期限を受信するメッセージ受信部65と粉砕期限を記憶する粉砕期限記憶部66を追加したものである。他の機器構成は第1の実施形態と同様である。
本実施形態では、第1の実施形態で示したPC1のユーザが文書管理者であるとする。文書管理者はPC1にインストールされた粉砕期限設定アプリケーションを使用してシュレッダ3で粉砕予定の紙文書の文書IDと粉砕期限を設定する。粉砕期限設定アプリケーションは、ユーザがプリント依頼操作をした時にHDDに記憶した文書名と文書IDとの対応リストを表示し、ユーザはこの中から粉砕期限を設定したい文書を選択できるようになっている。
ここで、例えば、文書名「patent.doc」の文書(文書ID=10)が選択されると、粉砕期限(年月日時分)と対象のシュレッダのアドレスを入力する画面となる。ユーザは粉砕期限とシュレッダ3のアドレスを入力して、「設定」ボタンを押すと、PC1は選択された文書ID(=10)と粉砕期限情報を粉砕期限設定メッセージに含めてシュレッダ3へ送信する。このメッセージ送信は、SIPのインスタントメッセージを使用する。シュレッダ3のメッセージ受信部65はこのメッセージを受信すると、受信した文書ID(=10)と粉砕期限(年月日時分)をこのメッセージの送信元アドレスとともに粉砕期限記憶部66に記憶する。その後、シュレッダ3は文書ID(=10)を持った紙文書が指定された粉砕期限までに粉砕されるか否かをチェックする。
そして、粉砕期限が設定された文書ID(=10)が粉砕期限を過ぎても粉砕されない場合は、粉砕が未実施であることを通知する未粉砕通知メッセージを粉砕期限記憶部66に文書ID(=10)と対応付けて記憶されたアドレス(PC1のユーザのSIP URI)宛に送信する。なお、この未粉砕通知メッセージには、粉砕期限が設定されていた文書ID(=10)を含める。PC1はこのメッセージを受信すると、HDDに記憶した文書IDと文書名の対応リストを照合して、このメッセージに含まれた文書ID(=10)に対応した文書名(patent.doc)を特定して、この文書名の紙文書が指定した粉砕期限までに粉砕されなかったことをモニタに表示する。この表示例を図11に示す。
この第2の実施形態におけるシュレッダ3の動作を図12のフローチャートにより説明する。図12において、最初に粉砕期限設定メッセージを受信したか否かをチェックする(ステップS201)。粉砕期限設定メッセージを受信した場合は、メッセージ受信部65は受信した文書IDと粉砕期限をメッセージ送信元アドレスとともに粉砕期限記憶部66に記憶し(ステップS202)、紙文書5がシュレッダ3の紙挿入口56にセットされたか否かをチェックする(ステップS203)。ステップS201において、粉砕期限設定メッセージが受信されなかった場合はステップS203に進む。
ステップS203において、紙文書5がシュレッダ3の紙挿入口56にセットされたことが確認されたら、紙記録データ取得部60が紙文書5に付加されたRFIDタグ37から文書IDとユーザのSIP URIを読み取り(ステップS204)文書IDが粉砕期限記憶部66に記憶されているか否をチェックする(ステップS205)。記憶されている場合は、この文書ID及びこれと対応付けて記憶されているデータを粉砕期限記憶部66から消去し(ステップS206)、紙データ書込部61が紙文書5に付加されたRFIDタグ37に日時情報を書き込む(ステップS207)。ステップ205において、文書IDが粉砕期限記憶部66に記憶されていない場合はステップS207に進む。
ステップS207において日時情報を書き込んだ後、粉砕処理部62は紙文書5を粉砕し(ステップS208)、メッセージ送信部63は文書IDを含めた紙文書粉砕通知メッセージをSIP URI宛に送信し(ステップS209)、文書ID、SIP URI、粉砕日時、粉砕処理結果、紙文書粉砕通知メッセージの送信結果を対応付けて履歴記憶部64に記憶し(ステップS210)、ステップS201に戻す。
ステップS203において、紙文書5がシュレッダ3の紙挿入口56にセットされたことが確認できなかった場合は、粉砕期限記憶部66に記憶された粉砕期限をチェックし(ステップS211)、粉砕期限が過ぎたものがあるか否かをチェックする(ステップS212)。粉砕期限が過ぎたものがある場合は、未粉砕通知メッセージを送信し(ステップS213)、この文書ID及びこれと対応付けて記憶されているデータを粉砕期限記憶部66から消去し(ステップS214)、ステップS201に戻す。ステップ212において、粉砕期限が過ぎたものがない場合もステップS201に戻す。
以上のように、上記第2の実施形態においては、シュレッダに粉砕予定の文書IDと文書管理者のアドレスを粉砕期限とともに記憶させておき、その粉砕期限を過ぎても粉砕予定の文書IDを持った紙が粉砕されない場合は、文書管理者のアドレス宛に粉砕が未実施であるメッセージを送信するため、文書管理者は機密文書が未だ粉砕されていないことを知ることができ、文書のセキュリティ管理の利便性が向上できる。
図13ないし図18は本発明の第3の実施形態を示す図である。図13はシュレッダのハードウェア構成を示すブロック図、図14はシュレッダの機能構成図、図15はプリント画像を示す図、図16はシュレッダの動作を説明するためのフローチャート、図17はプリント画像の他の例を示す図である。
この第3の実施形態では、文書IDや紙文書粉砕通知メッセージの送信先アドレス等の情報をRFIDタグに記憶させるのではなく、2次元コードにコード化して紙にプリントするようにしている。
本実施形態で使用される複合機のハードウェア構成は、図3に示した複合機2からRFIDリーダ/ライタ27とアンテナ28を省いた以外は全く同じ構成であるので、図示は省略する。
一方、本実施形態におけるシュレッダ71のハードウェア構成は図13に示すように、図4のシュレッダ3に対してRFIDリーダ/ライタ53とアンテナ54を削除し、代わりに画像入力コントローラ80と1次元CCD81,82が設けられている以外は、図4の構成と同じである。1次元CCD81、82は、図示していないが、シュレッダ3の紙挿入口56に平行にかつ対向して配置され、粉砕される紙文書5の両面全体の画像を画像データとして入力する。
この第3の実施形態におけるシュレッダ71は、図14に示すように、2次元コード読取部90、粉砕処理部91、メッセージ送信部92、履歴記憶部93から構成されている。2次元コード読取部90は、1次元CCD81及び1次元CCD82にて読み取った画像データから2次元コード画像を抽出して、2次元コードのデコード処理を行う。粉砕処理部91とメッセージ送信部92及び履歴記憶部93は、図6の粉砕処理部62、メッセージ送信部63、履歴記憶部64と同じものである。
この第3の実施形態におけるPC1のユーザの操作とPC1の動作は、第1の実施形態で示したものと同じである。第1の実施形態と同様に、ユーザが文書名「patent.doc」の文書のプリント依頼操作を実行すると、PC1は文書名「patent.doc」の文書に文書ID(例えば10)を付与し、これらの文書名と文書IDを対応付けて内蔵されたHDDに記憶する。続いて、PC1は文書「patent.doc」の文書データとともに、文書ID(=10)とユーザのSIP URIも複合機2へ送信する。複合機70は受信した文書ID(=10)とユーザのSIP URIを2次元コードであるQRコード(JIS−X−0510、ISO/IEC 18004)の仕様に従って符号化して、QRコード画像データを生成する。
そして、このQRコード画像データを受信した文書データと合成してプリントエンジン20にてプリント用紙にプリントする。このプリント画像の例を図15に示す。この例では紙文書72の下方の隅にQRコード73がプリントされている。
文書ID(=10)とユーザのSIP URIの情報がQRコードとして付加された紙文書72は、その後、不要になった時にシュレッダ71にて粉砕される。例えば、この紙文書72は、複数のユーザにより閲覧回覧された後、回覧の最終者がシュレッダ71にて粉砕することになっている。
次に、紙文書72の最終閲覧者がこの紙文書72をシュレッダ71にて粉砕する時のシュレッダ71の動作について説明する。紙文書72がシュレッダ71で粉砕される時、紙文書72はシュレッダ71の紙挿入口からシュレッダ71の内部に搬送されながらシュレッダ71の内部に配置された粉砕機構46にて粉砕される。この搬送時に、紙挿入口に配置された1次元CCD81、82は、紙の両面全体の画像を画像データとして入力する。2次元コード読取部90は、1次元CCD81及び1次元CCD82にて読み取った画像データからQRコード画像を抽出する。このQRコード画像の認識方法は、例えば、特開2001−256425号公報に記載されたような公知の方法を使用する。そして、QRコードのデコード処理を行って、文書ID(=10)とユーザのSIP URIを取得する。そして、粉砕処理部62が粉砕処理を終了すると、メッセージ送信部63は紙文書72から取得した文書ID(=10)を含めた紙文書粉砕通知メッセージをユーザのSIP URI宛にSIPのインスタントメッセージにより送信する。この送信先であるPC1はこのメッセージを受信すると、文書のプリント依頼時にHDDに記憶した文書IDと文書名の対応リストを照合して、このメッセージに含まれた文書ID(=10)に対応した文書名(patent.doc)を特定して、この文書名の紙文書が粉砕されたことをモニタに表示する。
シュレッダ71は紙文書粉砕通知メッセージを送信すると、このメッセージに含めた文書ID(=10)を、このメッセージの送信先SIP URI、この文書IDの紙文書を粉砕した日時、粉砕処理結果、紙文書粉砕通知メッセージの送信結果と対応付けて履歴記憶部64に記憶する。
上記のシュレッダ71の動作を図16のフローチャートにより説明する。最初に紙文書72の粉砕処理を開始したか否かをチェックし(ステップS301)、開始した場合は1次元CCD81および1次元CCD82から紙面画像データを入力する(ステップS302)。開始していない場合は再度チェックする。紙面画像データを入力したら、2次元コード読取部90が入力された画像データからQRコード画像を抽出して、QRコードのデコード処理を行って、文書ID(=10)とユーザのSIP URIを取得する(ステップS303)。次に粉砕処理部91が紙文書72の粉砕処理を終了したか否かをチェックし(ステップS304)、終了した場合、メッセージ送信部92は文書IDを含めた紙文書粉砕通知メッセージをSIP URI宛に送信する(ステップS305)。粉砕処理が終了していない場合は再度チェックする。
ステップS305において、紙文書粉砕通知メッセージをSIP URI宛に送信した後は、文書ID、SIP URI、粉砕日時、粉砕処理結果、紙文書粉砕通知メッセージの送信結果を対応付けて履歴記憶部93に記憶し(ステップS306)、終了する。
なお、本実施形態で使用される複合機は、図17に示すように、QRコード73の画像の合成位置を紙面の対角付近の2カ所とすると、シュレッダ71はこの2個のQRコード画像を検出することによって、その紙文書全体が粉砕されたと判断するので、その紙文書全体が粉砕されたことを確実に判断でき、文書のセキュリティ管理の利便性の向上を図ることができる。
また、複合機が文書データを紙の片面のみにプリントする場合には、文書ID等を符号化したQRコードを文書データと合成せずに、文書データのプリント面の裏面にプリントするようにすると、文書画像の情報は損なわずに済む。
更に、複合機70がQRコード画像を赤外線のみ反射するようなインクでプリントし、シュレッダ71が赤外線発光素子と赤外線領域に高い感度を持つ1次元CCDを使用してこのQRコード画像を検出できるようにすると、プリントされた文書画像にQRコード画像を重畳してプリントしても文書画像の可視情報は損なわずに済む。
以上のように、上記第3の実施形態においては、文書IDや粉砕通知アドレス等の情報を2次元コードとして紙にプリントするため、紙への付加情報の付加を容易とし、また、記録紙はプリントできるものであれば何でもよく、記録紙を限定しないようにできるため、文書のセキュリティ管理の利便性が向上できる。
図18は本発明の第4の実施形態における不正コピーの表示例を示す図、図19は第4の実施形態におけるシュレッダの動作を説明するためのフローチャートである。この第4の実施形態では、第3の実施形態で示したシュレッダ71が紙文書72から取得した文書IDが履歴記憶部93に既に記憶されている場合には、文書が紙に不正にコピーまたはプリントされたと判断して、紙文書72から取得したアドレス宛に紙文書複製通知メッセージを送信する。
この第4の実施形態に関係する機器及びその構成は第3の実施形態で示したものと同じであるので、図示は省略する。
すなわち、文書ID(=10)とユーザのSIP URIの情報がQRコードとして付加された紙文書72が、第3の実施形態の処理フローに従ってシュレッダ71にて粉砕される処理ステップにおいて、シュレッダ71の2次元コード読取部90がQRコードのデコード処理を行って、文書ID(=10)とユーザのSIP URIを取得すると、この文書IDが履歴記憶部64に既に記憶されているか否かをチェックする。記憶されている場合は、メッセージ送信部63は文書が不正にコピーまたはプリントされたことを表す紙文書複製通知メッセージを紙文書72から取得した通知先であるSIP URI宛に送信する。なお、この紙文書複製通知メッセージには今チェックした文書IDを含める。PC1はこのメッセージを受信すると、HDDに記憶した文書IDと文書名の対応リストを照合して、このメッセージに含まれた文書ID(=10)に対応した文書名(patent.doc)を特定して、この文書名の紙文書が不正にコピーまたはプリントされたことをモニタに表示する。この表示例が図18である。
シュレッダ71は紙文書粉砕通知メッセージを送信すると、このメッセージに含めた文書ID(=10)を、このメッセージの送信先SIP URI、この文書IDの紙文書を粉砕した日時、粉砕処理結果、紙文書が複製されている情報、紙文書複製通知メッセージの送信結果と対応付けて履歴記憶部64に記憶する。
上記のシュレッダ71の動作を図19のフローチャートにより説明する。図19において、最初に紙文書72の粉砕処理を開始したか否かをチェックし(ステップS401)、開始した場合は1次元CCD81および1次元CCD82から紙面画像データを入力し(ステップS402)、開始していない場合は再度チェックする。紙面画像データを入力したら、2次元コード読取部90が入力された画像データからQRコード画像を抽出して、QRコードのデコード処理を行って、文書ID(=10)とユーザのSIP URIを取得する(ステップS403)。
次に粉砕処理部91が紙文書72の粉砕処理を終了したか否かをチェックし(ステップS404)、終了した場合は文書IDが履歴記憶部93に既に記憶されているか否かをチェックし(ステップS405)、終了していない場合は再度チェックする。ステップS405に続けて、同じ文書IDがあるか否かをチェックする(ステップS406)。同じ文書IDがある場合は、メッセージ送信部92は文書IDを含めた紙文書複製通知メッセージをSIP URI宛に送信し(ステップS407)、文書ID、SIP URI、粉砕日時、粉砕処理結果、紙文書複製情報、紙文書複製通知メッセージの送信結果を対応付けて履歴記憶部93に記憶し(ステップS408)、終了する。
ステップS406において、同じ文書IDがない場合は、メッセージ送信部92は文書IDを含めた紙文書粉砕通知メッセージをSIP URI宛に送信し(ステップS409)、文書ID、SIP URI、粉砕日時、粉砕処理結果、紙文書粉砕通知メッセージの送信結果を対応付けて履歴記憶部93に記憶し(ステップS410)、終了する。
以上のように、第4の実施形態においては、シュレッダが粉砕する紙に付加された文書IDを読み取った時に、その文書IDが既に粉砕履歴として記憶されている場合、その文書が紙に不正にコピーまたはプリントされたと判断して、その紙に付加された文書管理者のアドレス宛に文書複製通知メッセージを送信するため、文書管理者は機密文書が紙に不正にコピーまたはプリントされたことを知ることができ、文書のセキュリティ管理の利便性の向上を図ることができる。
図20ないし図23は本発明の第5の実施例を示す図である。図20はシュレッダのハードウェア構成を示すブロック図、図21はシュレッダの機能構成図、図22は粉砕履歴の表示例を示す図、図23はシュレッダの動作を説明するためのフローチャートである。この第5の実施形態では、紙文書がシュレッダで粉砕されたことを文書管理者がPCにて確認するのではなく、シュレッダにて確認するようにしている。
この第5の実施形態に関係する機器は、第1の実施形態で示したものと同じであるが、機器の接続構成はシュレッダがネットワークに接続されていない点が異なる。
本実施形態におけるシュレッダ100のハードウェア構成は図20に示すようになる。シュレッダ100は第1の実施形態で示したシュレッダ3に対してLANコントローラ51とLAN I/F52がない構成になっている。
また、シュレッダ100の本実施形態に関係する機能構成を図21に示す。シュレッダ100は第1の実施形態で示したシュレッダ3に対してメッセージ送信部63がなく、替わりに表示制御部65が追加されている。
この第5の実施形態においては、ユーザ(文書管理者)はPC1にて作成された文書(ファイル)名「patent.doc」の文書をプリントするためにプリント依頼操作を行うウィンドウを開くと、紙文書のセキュリティ管理モードの選択スイッチが表示される。ユーザがこのスイッチにより紙文書のセキュリティ管理モードをオンにしてプリント依頼の実行を操作すると、PC1は文書名「patent.doc」の文書に文書ID(例えば10)を付与し、これらの文書名と文書IDを対応付けて内蔵されたHDDに記憶する。続いて、PC1は文書「patent.doc」の文書データとともに、文書ID(=10)も複合機2へ送信する。複合機2はこの文書データをRFIDタグ37が付加された紙にプリントする。
複合機2においてRFIDタグ37が付加された紙に文書データがプリントされた紙文書5は、複数のユーザにより閲覧回覧された後、回覧の最終者がシュレッダ100にて粉砕することになっている。
紙文書5の最終閲覧者がこの紙文書5をシュレッダ100にて粉砕する時のシュレッダ100の動作について説明する。紙文書5がシュレッダ100の紙挿入口にセットされると、紙記録データ取得部60はRFIDリーダ53を動作させてアンテナ54からUHF帯の電波を発生して、紙文書5に付加されたRFIDタグ37から文書ID(=10)を読み取る。続いて、紙データ書込部61はRFIDリーダ/ライタ53を動作させてアンテナ54からUHF帯の電波を発生して、紙文書5に付加されたRFIDタグ37に日時情報を書き込む。続いて、粉砕処理部62は粉砕機構コントローラ45、粉砕機構46を動作させて、紙文書5を粉砕する。
粉砕処理が終了すると、シュレッダ100は文書ID(=10)を、現在の日時、粉砕処理結果と対応付けて履歴記憶部64に記憶する。
その後、ユーザ(文書管理者)がシュレッダ100にて粉砕履歴の表示操作を行うと、表示制御部65は履歴記憶部64に記憶された文書ID、粉砕日時、粉砕処理結果をリストとしてLCD50に表示する。この粉砕履歴の表示例を図22に示す。なお、履歴データはLCD50の横に配置されたスクロールボタン69(図示は省略)により、1つずつ表示させることができる。
また、上記のシュレッダ100の動作を図23のフローチャートにより説明する。図23において、まず、紙文書5がシュレッダ100の紙挿入口にセットされたか否かをチェックする(ステップS501)。セットされたことが確認されたら紙記録データ取得部60が紙文書5に付加されたRFIDタグ37から文書IDを読み取り(ステップS502)、次に紙データ書込部61が紙文書5に付加されたRFIDタグ37に日時情報を書き込み(ステップS503)、粉砕処理部62は紙文書5を粉砕する(ステップS504)。次いで、文書ID、粉砕日時、粉砕処理結果を対応付けて履歴記憶部64に記憶し(ステップS505)、粉砕履歴の表示操作があったか否かをチェックする(ステップS506)。粉砕履歴の表示操作があった場合は、表示制御部65は履歴記憶部64に記憶された文書ID、粉砕日時、粉砕処理結果をリストとしてLCD50に表示して(ステップS507)、終了する。ステップS501及びS506において、紙文書のセットの確認や粉砕履歴の表示操作が確認できなかった場合は再度確認チェックを行う。
以上のように、第5の実施形態においては、粉砕した紙文書の文書IDと粉砕通知アドレスとを対応付けてシュレッダに記憶して、文書管理者が機密文書の粉砕履歴を容易に確認できるようにして、文書のセキュリティ管理の利便性の向上を図ることができる。
図24は本発明の第6の実施形態におけるシュレッダの動作を説明するためのフローチャートである。この第6の実施形態では、紙文書に付加されたRFIDタグに文書IDを書き込むのではなく、RFIDタグに紙を一意に特定する紙IDが予め記憶されている。
本実施形態に関係する機器はシュレッダの機能が異なる以外は、第1の実施形態で示したものと同じである。
すなわち、ユーザはPC1にて作成された文書(ファイル)名「patent.doc」の文書をプリントするためにプリント依頼操作を行うウィンドウを開くと、紙文書のセキュリティ管理モードの選択スイッチが表示される。このスイッチにより紙文書のセキュリティ管理モードがオンにされると、PC1は文書「patent.doc」がプリントされた紙がシュレッダ3で粉砕される時に通知される紙文書粉砕通知メッセージの送信宛先を入力するウィンドウを表示する。ここで、ユーザは自分のユーザアドレスを入力する。そして、ユーザがプリント依頼の実行を操作すると、PC1は文書名「patent.doc」の文書に文書ID(例えば10)を付与し、これらの文書名と文書IDを対応付けて内蔵されたHDDに記憶する。続いて、PC1は文書「patent.doc」の文書データとともに、ユーザのSIP URIも複合機2へ送信する。複合機2は受信した文書データをプリントエンジン20にてRFIDタグ37が付加されたプリント用紙にプリントする。そして、複合機2はこのプリントした紙を機械内部から外へ排出する時に、RFIDリーダ/ライタ27を動作させてアンテナ28からUHF帯の電波を発生して、そのプリント紙に付加されたRFIDタグ37から紙IDを読み取るとともに、受信したユーザのSIP URIをRFIDタグ37に書き込む。なお、RFIDリーダ/ライタ27は1枚のプリント紙に付加されたRFIDタグ37のみにデータを読み書きできる程度に電波の出力を抑える。(プリント排出中でないプリント用紙に付加されたRFIDタグ37へはデータの読み書きをしない。)続いて、複合機2はRFIDタグ37から読み取った紙IDをPC1へ送信する。PC1は受信した紙IDを、先にHDDに記憶した文書名と文書IDとに対応付けてHDDに記憶する。
ユーザのSIP URIの情報が付加された紙(紙文書)5は、その後、不要になった時にシュレッダ110にて粉砕される。例えば、この紙文書5は、複数のユーザにより閲覧回覧された後、回覧の最終者がシュレッダ110にて粉砕することになっている。
次に、紙文書5の最終閲覧者がこの紙文書5をシュレッダ110にて粉砕する時のシュレッダ110の動作について説明する。紙文書5がシュレッダ110の紙挿入口にセットされると、紙記録データ取得部60はRFIDリーダ53を動作させてアンテナ54からUHF帯の電波を発生して、紙文書5に付加されたRFIDタグ37から紙IDとユーザのSIP URIを読み取る。続いて、紙データ書込部61はRFIDリーダ/ライタ53を動作させてアンテナ54からUHF帯の電波を発生して、紙文書5に付加されたRFIDタグ37に日時情報を書き込む。続いて、粉砕処理部62は粉砕機構コントローラ45、粉砕機構46を動作させて、紙文書5を粉砕する。そして、メッセージ送信部63は先に読み取った紙IDを含めた紙文書粉砕通知メッセージをユーザのSIP URI宛にSIPのインスタントメッセージにより送信する。
PC1はこのメッセージを受信すると、HDDに記憶した文書ID、文書名、紙IDの対応リストを照合して、このメッセージに含まれた紙IDに対応した文書名(patent.doc)を特定して、この文書名の紙文書が粉砕されたことをモニタに表示する。
上記のシュレッダ100の動作フローを図24に示す。最初に紙文書5がシュレッダ100の紙挿入口にセットされたか否かをチェックする(ステップS601)。セットされたことが確認されたら紙記録データ取得部60が紙文書5に付加されたRFIDタグ37から紙IDとユーザのSIP URIを読み取り(ステップS602)、紙データ書込部61が紙文書5に付加されたRFIDタグ37に日時情報を書き込み(ステップS603)、粉砕処理部62は紙文書5を粉砕する(ステップS604)。次いで、メッセージ送信部63は紙IDを含めた紙文書粉砕メッセージをSIP URI宛に送信する(ステップS605)。次に、紙ID、SIP URI、粉砕日時、粉砕処理結果、紙文書粉砕通知メッセージの送信結果を対応付けて履歴記憶部64に記憶して(ステップS606)、終了する。ステップS601において、紙文書のセットが確認できなかった場合は再度確認チェックを行う。
このように第6の実施形態においては、同じ文書を複数の紙へプリントする場合に、プリント紙毎に粉砕情報を管理できるため、文書のセキュリティ管理の利便性の向上を図ることができる。
上記のRFIDタグ37を使用した各実施形態では、紙文書5に付加されたRFIDタグ37に記憶させる付加情報として、文書IDと紙文書粉砕通知メッセージの送信先アドレスを示したが、これらに加えて、文書作成者の氏名やアドレス(文書管理者のアドレスと異なる場合)等も記憶させることができる。
また、2次元コードを使用した各実施形態では、紙文書72に合成する画像は2次元コードに限らず、地紋や電子透かし等を適用させることも可能である。
更に、シュレッダが各通知メッセージを送信する宛先アドレスを、メールアドレス(Eメールアドレス)等、任意の形態のアドレスを使用することも可能である。