JP4960776B2 - 有機金属気相成長法、有機金属気相成長装置、プログラム、記録媒体及び半導体レーザ製造方法 - Google Patents

有機金属気相成長法、有機金属気相成長装置、プログラム、記録媒体及び半導体レーザ製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機金属気相成長法、有機金属気相成長装置、プログラム、記録媒体及び半導体レーザ製造方法に係り、さらに詳しくは、組成が均一な均一層と、該均一層上に積層され、その厚さ方向に関して組成が徐々に変化している不均一層とを含む複数の層を積層する有機金属気相成長法、該有機金属気相成長法の実施に好適な有機金属気相成長装置、前記有機金属気相成長装置に用いられるプログラム、該プログラムが記録された記録媒体及び前記有機金属気相成長法を用いる半導体レーザ製造方法に関する。
近年、光LANや光インターコネクション用の光源、及びコピー機用の光源として、垂直共振器型面発光半導体レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)が使用されるようになってきている。VCSELは、従来の端面発光型半導体レーザに比べて低消費電力である。また、VCSELは、製造時において劈開の工程が不要であり、かつウエハ状態での検査が可能であるため、低コスト化に優れた特徴を有している。
VCSELは、半導体基板上に複数の半導体層をエピタキシャル成長によって積層して製造されている。従来は通常、本番のエピタキシャル成長に先立って、テスト用の半導体層を半導体基板上に成長させ、これをいったん装置から取り出して反射スペクトルを測定し、半導体層の光学厚さを計測している。そして、その計測結果に基づいて半導体層の成長速度を求め、その成長速度を用いて本番のエピタキシャル成長を行っている。
しかしながら、この方法では、ロット毎に結晶の成長速度にばらつきがあると、複数の半導体層の膜厚にロット間変動が生じることとなる。特にVCSELでは、上部反射鏡、共振器構造体、下部反射鏡などの各部の膜厚がいずれも所望の膜厚となることで、初めて設計どおりの光出力特性を得ることができるため、各半導体層が、正確に設計値どおりに成長することは非常に重要である。
例えば、特許文献1には、第1導電型の化合物半導体からなる基板上に、少なくとも、第1導電型の分布反射型多層膜ミラー、第1導電型の第1クラッド層、活性層、第2導電型の第2クラッド層および第2導電型のコンタクト層を含む半導体層をエピタキシャル成長によって形成する工程を含み、分布反射型多層膜ミラーは、成膜時に、所定波長の第1のモニタ光を基板に向けて照射してその反射強度を測定し、この反射強度の極値で屈折率の異なる一方の半導体層の堆積から他方の半導体層の堆積に切り替えることによって、低屈折率の半導体層と高屈折率の半導体層とを交互に積層して形成され、かつ所定の波長帯域において98%以上の反射率を有し、第1クラッド層は、分布反射型多層膜ミラーにおける所定の波長帯域と異なる波長を有する第2のモニタ光を基板に向けて照射し、その反射強度の極値をモニタすることによって光学的膜厚を制御しながら形成され、第2のモニタ光は、所定の波長帯域より小さい波長を有する半導体レーザ装置の製造方法が開示されている。すなわち、この半導体レーザ装置の製造方法では、互いに波長が異なる2つのモニタ光を使い、各波長における反射光をモニタしている。
また、特許文献2では、特定波長におけるファブリペロ振動(Fabry−Perot oscillations)を計測することで成長時の膜厚をモニタしている。
特許第3624476号公報 米国特許出願公開第2002/0113971A1号明細書
ところで、有機金属気相成長法(以下では、「MOCVD法」ともいう)を用いて、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層した反射鏡(DBR)を形成する際に、抵抗を小さくするため、高屈折率層と低屈折率層の間に、組成が徐々に変化する中間層(例えば、組成傾斜層(grading)やステップ状に組成が変化する組成変化層)を設けることが一般的に行われている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されているモニタ方法では、反射鏡が中間層を含む場合に、必ずしも所望の特性の反射鏡とならないことがあった。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、組成が均一な均一層上に、その厚さ方向に関して組成が徐々に変化している不均一層を精度良く積層することができる有機金属気相成長法及び有機金属気相成長装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、有機金属気相成長装置の制御用コンピュータにて実行され、組成が均一な均一層上に、その厚さ方向に関して組成が徐々に変化している不均一層を精度良く積層することができるプログラム、及びそのプログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、所望の光出力特性を有する半導体レーザを製造することができる半導体レーザ製造方法を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、組成が均一な均一層と、該均一層上に積層され、厚さ方向に関して組成が徐々に変化する不均一層とを含む複数の層を積層する有機金属気相成長法であって、前記不均一層における計算上の組成プロファイルを修正しつつ前記不均一層の積層時間を算出する工程と;前記均一層を形成する工程と;前記均一層上に、前記算出された積層時間に基づいて、前記不均一層を積層する工程と;を含む有機金属気相成長法である。
これによれば、不均一層における計算上の組成プロファイルを修正しつつ不均一層の積層時間が算出され、該算出された積層時間に基づいて、均一層上に不均一層が積層される。従って、均一層上に不均一層を精度良く積層することが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、組成が均一な均一層と、該均一層上に積層され、厚さ方向に関して組成が徐々に変化する不均一層とを含む複数の層を基板上に積層する有機金属気相成長装置であって、所定波長の光を照射し、反射光の強度変化を計測する光モニタ装置と;前記基板が収容される反応室と;前記反応室への複数の原料の供給を調整する複数の調整器と;前記複数の調整器を個別に制御して前記基板上に前記複数の層を積層する制御装置と;を備え、前記制御装置は、前記不均一層における計算上の組成プロファイルを修正しつつ、前記複数の層を積層する際の、前記所定波長の光の反射光の強度変化及び前記不均一層の積層時間をそれぞれ算出し、前記均一層の積層中に、前記光モニタ装置の計測結果と前記算出された反射光の強度変化に基づいて、前記均一層の積層終了タイミングを求めるとともに、前記積層終了タイミングに応じて前記均一層の積層を終了すると、前記算出された積層時間に基づいて、前記不均一層を積層することを特徴とする有機金属気相成長装置である。
これによれば、制御装置により、不均一層における計算上の組成プロファイルを修正しつつ、複数の層を積層する際の、所定波長の光の反射光の強度変化及び不均一層の積層時間がそれぞれ算出される。そして、制御装置により、均一層の積層中に、光モニタ装置の計測結果と算出された強度変化に基づいて、均一層の積層終了タイミングが求められ、該積層終了タイミングに応じて均一層の積層が終了されると、算出された積層時間に基づいて、不均一層が積層される。従って、均一層を精度良く積層するとともに、均一層上に不均一層を精度良く積層することが可能となる。
本発明は、第3の観点からすると、所定波長の光を照射し、反射光の強度変化を計測する光モニタ装置を備え、組成が均一な均一層と、該均一層上に積層され、厚さ方向に関して組成が徐々に変化する不均一層とを含む複数の層を基板上に積層する有機金属気相成長装置に用いられるプログラムであって、前記不均一層における計算上の組成プロファイルを修正しつつ、前記複数の層を積層する際の、前記所定波長の光の反射光の強度変化及び前記不均一層の積層時間をそれぞれ算出する手順と;前記均一層の積層中に、前記光モニタ装置の計測結果と前記算出された反射光の強度変化に基づいて、前記均一層の積層終了タイミングを求める手順と;前記積層終了タイミングに応じて前記均一層の積層を終了すると、前記算出された積層時間に基づいて、前記不均一層を積層する手順と;を前記有機金属気相成長装置の制御用コンピュータに実行させるプログラムである。
これによれば、本発明のプログラムが所定のメモリにロードされ、その先頭アドレスがプログラムカウンタにセットされると、有機金属気相成長装置の制御用コンピュータは、不均一層における計算上の組成プロファイルを修正しつつ、複数の層を積層する際の、所定波長の光の反射光の強度変化及び不均一層の積層時間をそれぞれ算出する。そして、均一層の積層中に、光モニタ装置の計測結果と算出された反射光の強度変化に基づいて、均一層の積層終了タイミングを求め、積層終了タイミングに応じて均一層の積層を終了すると、算出された積層時間に基づいて、不均一層を積層する。従って、均一層を精度良く積層するとともに、均一層上に不均一層を精度良く積層することが可能となる。
本発明は、第4の観点からすると、本発明のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これによれば、本発明のプログラムが記録されているために、コンピュータに実行させることにより、均一層を精度良く積層するとともに、均一層上に不均一層を精度良く積層することが可能となる。
本発明は、第5の観点からすると、面発光レーザを製造する半導体レーザ製造方法であって、本発明の有機金属気相成長法によって、基板上に複数の半導体層が積層された積層体を作成する工程と;前記積層体における発光部となる領域の周囲を、前記基板と反対側の面である積層体表面から前記複数の半導体層の途中までエッチングする工程と;を含む半導体レーザ製造方法である。
これによれば、本発明の有機金属気相成長法によって、積層体が作成されているため、結果として、所望の光出力特性を有する半導体レーザを製造することが可能となる。
《半導体レーザ製造方法》
以下、本発明の半導体レーザ製造方法の一実施形態として、780nm帯の面発光型半導体レーザの製造方法について図1〜図13(B)を用いて説明する。
(1)有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いた結晶成長によって、n−GaAs基板101上に、下部反射鏡103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、被選択酸化層107、上部反射鏡108などの半導体層を、順次積層する(図1参照)。なお、以下では、これら複数の半導体層が積層されているものを「半導体積層体」ともいう。
下部反射鏡103は、n−AlAsからなる低屈折率層とn−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層とをペアとして、40.5ペア有している。そして、低屈折率層と高屈折率層との間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた厚さ20nmの組成傾斜層(grading)が設けられている。なお、各屈折率層はいずれも、組成傾斜層の1/2を含んで、発振波長をλとするとλ/4の光学厚さとなるように設定されている。
下部スペーサ層104は、ノンドープAl0.3Ga0.7Asからなる層である。
活性層105は、AlGaAs/Al0.3Ga0.7As多重量子井戸活性層である。
上部スペーサ層106は、ノンドープAl0.3Ga0.7Asからなる層である。
下部スペーサ層104と活性層105と上部スペーサ層106とからなる部分は、共振器構造体とも呼ばれており、その厚さが1波長光学厚さとなるように設定されている。なお、活性層105は、高い誘導放出確率が得られるように、電界の定在波分布の腹に対応する位置である共振器構造体の中央に設けられている。
上部反射鏡108は、p−AlAsからなる低屈折率層とp−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層とをペアとして、24ペア有している。そして、低屈折率層と高屈折率層との間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた厚さ20nmの組成傾斜層(grading)が設けられている。なお、各屈折率層はいずれも、組成傾斜層の1/2を含んで、発振波長をλとするとλ/4の光学厚さとなるように設定されている。
上部反射鏡108における共振器構造体からλ/4離れた位置には、p−AlAsからなる被選択酸化層107が設けられている。
図2には、上記半導体積層体を作成するためのMOCVD装置200が示されている。このMOCVD装置200は、反応室201、複数の原料ガス源202、各原料ガスの流量を個別に調節するための複数のマスフローコントローラ(MFC)203、光モニタ装置204、入力装置205、表示装置206、排気ポンプ207、排ガス処理装置208、及び主制御装置209などを備えている。
ここでは、III族の原料には、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)を用い、V族の原料にはアルシン(AsH)ガスを用いている。また、p型ドーパントの原料には四臭化炭素(CBr)を用い、n型ドーパントの原料にはセレン化水素(HSe)を用いている。
表示装置206は、例えばCRT、液晶ディスプレイ(LCD)及びプラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)などを用いた表示部(図示省略)を備え、主制御装置209から指示された各種情報を表示する。
入力装置205は、例えばキーボード、マウス、タブレット、ライトペン及びタッチパネルなどのうち少なくとも1つの入力媒体(図示省略)を備え、作業者から入力された各種情報を主制御装置209に通知する。なお、入力媒体からの情報はワイヤレス方式で入力されても良い。また、表示装置206と入力装置205とが一体化されたものとして、例えばタッチパネル付きLCDなどがある。
反応室201内には、基板101が載置されるサセプタ201aが設けられている。また、反応室201の天井の一部には、光学窓201bが設けられている。さらに、反応室201の壁面の一部には、原料ガスの供給口201c、及び原料ガスの排気口201dが設けられている。
光モニタ装置204は、光源204a、ハーフミラー204b、光検出器204c、モニタ制御装置204dなどを備えている。光源204aは、モニタ制御装置204dの指示に基づいて所定の波長(例えば、600nm)の光を射出する。なお、反射スペクトルを計測するときには、射出される光の波長が所定範囲内で変化するようになっている。光源204aから射出された光は、ハーフミラー204b及び光学窓201bを介して、基板101に積層された半導体層に照射される。基板101に積層された半導体層で反射され、光学窓201bを介してハーフミラー204bに入射した光の一部は、ハーフミラー204bで反射され、光検出器204cに入射する。光検出器204cは、入射光量に応じた信号(光電変換信号)をモニタ制御装置204dに出力する。
複数のマスフローコントローラ203及び排気ポンプ207は、それぞれ主制御装置209によって制御される。
モニタ制御装置204dは、主制御装置209の指示に応じて、光源204aを駆動するとともに、光検出器204cの出力信号に基づいて、反射光強度、及び反射スペクトルを求める。
主制御装置209は、不図示のCPU、該CPUにて解読可能なコードで記述された各種プログラムが格納されているフラッシュメモリ、及び作業用メモリなどを有している。
主制御装置209とモニタ制御装置204dは、互いに双方向の通信が可能である。
ここで、MOCVD装置200における前記半導体積層体の作成処理について図3〜図8を用いて説明する。図3、図7及び図8のフローチャートは、主制御装置209のCPUによって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。入力装置205から半導体積層体の作成要求を受信すると、主制御装置209のフラッシュメモリに格納されている図3、図7及び図8のフローチャートに対応するプログラム(以下、「積層体作成プログラム」という)の先頭アドレスがCPUのプログラムカウンタにセットされ、半導体積層体の作成処理がスタートする。
なお、サセプタ201aには、作業者によって、すでに事前計測用の基板が載置されているものとする。
最初のステップS401では、各層の目標組成、目標膜厚、成長温度などの成膜条件の入力要求画面を表示装置206の表示部に表示する。これにより、作業者は、入力装置205を介して成膜条件を入力する。
次のステップS403では、成膜条件の入力が完了しているか否かを判断する。成膜条件の入力が完了していなければ、ここでの判断は否定され、一定時間経過後に再度判断する。成膜条件の入力が完了していれば、ここでの判断は肯定され、ステップS405に移行する。
このステップS405では、入力された成膜条件に基づいて、下部反射鏡103の組成傾斜層における計算上の組成プロファイル(以下では、便宜上、「組成プロファイルA」ともいう)を仮定する。なお、ここでは、一例として図4に示されるように、組成プロファイルAとして、直線状の組成プロファイル(profile1)が仮定されたものとする。
次のステップS407では、入力された成膜条件に基づいて、上部反射鏡108の組成傾斜層における計算上の組成プロファイル(以下では、便宜上、「組成プロファイルB」ともいう)を仮定する。
次のステップS409では、入力された成膜条件、仮定した組成プロファイルA、及び仮定した組成プロファイルBに基づいて、前記複数の半導体層を成膜する際の各層の積層時間及び波長600nmの光の反射光の強度変化をそれぞれ計算する(図5参照)。
次のステップS413では、反射光強度の計測開始をモニタ制御装置204dに指示する。これにより、モニタ制御装置204dは、光源204aを駆動し、所定のタイミング毎に反射光強度の計測結果を主制御装置209に通知する。
次のステップS415では、下部反射鏡103の事前成膜を開始する。
次のステップS417では、算出された下部反射鏡103の各層の積層時間に従って複数のマスフローコントローラ203を制御する。
次のステップS419では、下部反射鏡103の事前成膜が完了したか否かを判断する。低屈折率層と組成傾斜層と高屈折率層の3層をペアとし、予め設定されたペア数が積層されていなければ、ここでの判断は否定され、上記ステップS417に戻る。一方、予め設定されたペア数が積層されていれば、ここでの判断は肯定され、ステップS421に移行する。
次のステップS421では、反射光強度の計測停止をモニタ制御装置204dに指示する。
次のステップS423では、反射光強度の計測結果から反射光の強度変化を求める(図5参照)。
次のステップS425では、反射光の強度変化の計算結果と計測結果とのずれが小さくなるように、前記仮定した組成プロファイルAを修正する。ここでは、一例として図6に示されるように、組成プロファイルAは、非線形形状の組成プロファイルに修正される。
次のステップS427では、入力された成膜条件、修正された組成プロファイルA、及び仮定した組成プロファイルBに基づいて、前記複数の半導体層を成膜する際の各層の積層時間及び波長600nmの光の反射光の強度変化をそれぞれ計算する。
次のステップS431では、反射光強度の計測開始をモニタ制御装置204dに指示する。
次のステップS433では、上部反射鏡108の事前成膜を開始する。なお、上部反射鏡108の事前成膜は、事前計測用の基板上の新たな場所で行われる。
次のステップS435では、算出された上部反射鏡108の各層の積層時間に従って複数のマスフローコントローラ203を制御する。
次のステップS437では、上部反射鏡108の事前成膜が完了したか否かを判断する。低屈折率層と組成傾斜層と高屈折率層の3層をペアとし、予め設定されたペア数が積層されていなければ、ここでの判断は否定され、上記ステップS435に戻る。一方、予め設定されたペア数が積層されていれば、ここでの判断は肯定され、ステップS439に移行する。
次のステップS439では、反射光強度の計測停止をモニタ制御装置204dに指示する。
次のステップS441では、反射光の光強度の計測結果から反射光の強度変化を求める。
次のステップS443では、反射光の強度変化の計算結果(ステップS427での計算結果)と計測結果(ステップS441での計測結果)とのずれが小さくなるように、前記仮定した組成プロファイルBを修正する。
次のステップS445では、入力された成膜条件、修正された組成プロファイルA、及び修正された組成プロファイルBに基づいて、前記複数の半導体層を成膜する際の各層の積層時間及び波長600nmの光の反射光の強度変化をそれぞれ計算する。
次のステップS447では、事前計測の終了を表示装置206の表示部に表示する。
次のステップS449では、本番用の基板のセット要求を表示装置206の表示部に表示する。
次のステップS451では、本番用の基板がセットされているか否かを判断する。基板が交換されていなければ、ここでの判断は否定され、一定時間経過後に再度判断する。基板が交換されていれば、ここでの判断は肯定され、ステップS461に移行する。
このステップS461では、反射光強度の計測開始をモニタ制御装置204dに指示する。
次のステップS463では、下部反射鏡103を成膜する。ここでは、各屈折率層の積層中には、所定のタイミング毎に反射光の強度変化の計測結果と計算結果(ステップS445での計算結果)とに基づいて終了タイミングを予測し、最も確からしい終了タイミングで積層が終了するようにマスフローコントローラ203を制御する。また、組成傾斜層を積層するときには、積層開始からの経過時間が計算された積層時間(ステップS445で計算された積層時間)と一致するタイミングで積層が終了するようにマスフローコントローラ203を制御する。
次のステップS465では、共振器構造体を成膜する。ここでは、各層の積層中に、所定のタイミング毎に反射光の強度変化の計測結果と計算結果(ステップS445での計算結果)とに基づいて終了タイミングを予測し、最も確からしい終了タイミングで積層が終了するようにマスフローコントローラ203を制御する。
次のステップS467では、上部反射鏡108を成膜する。ここでは、各屈折率層の積層中には、所定のタイミング毎に反射光の強度変化の計測結果と計算結果(ステップS445での計算結果)とに基づいて終了タイミングを予測し、最も確からしい終了タイミングで積層が終了するようにマスフローコントローラ203を制御する。また、組成傾斜層を積層するときには、積層開始からの経過時間が計算された積層時間(ステップS445で計算された積層時間)と一致するタイミングで積層が終了するようにマスフローコントローラ203を制御する。なお、所定の位置に被選択酸化層107が積層される。
次のステップS469では、複数の半導体層の成膜の終了を表示装置206の表示部に表示する。そして、半導体積層体の作成処理を終了する。
(2)半導体積層体における表面(基板1と反対側の面)である積層体表面に、フォトリソグラフィー法により発光部に対応するフォトマスク109を含むフォトマスクをパターニングする(図9参照)。ここでは、一例として、図10に示されるように、面発光型半導体レーザは、40個の発光部を有するものとする。すなわち、いわゆる面発光レーザアレイである。
(3)フォトマスクをエッチングマスクとして、ドライエッチング法によりメサ形状を形成する(図11(A)参照)。なお、以下では、便宜上、メサ形状の部分(構造体)を「メサ」と略述する。ここでは、エッチングは、エッチング底面が下部反射鏡103に達するまで行われる。
(4)フォトマスクを除去する(図11(B)参照)。
(5)半導体積層体を水蒸気中で熱処理し、メサにおける被選択酸化層108を選択的に酸化する。そして、メサの中央部に、被選択酸化層108における酸化されていない領域を残留させる。これにより、発光部の駆動電流の経路をメサの中央部だけに制限する、いわゆる電流狭窄構造が形成される(図11(C)参照)。
(6)気相化学堆積法(CVD法)を用いて、パッシベーション膜として、SiOからなる絶縁膜111を形成する(図12(A)参照)。
(7)ポリイミド112で平坦化する(図12(B)参照)。
(8)メサ上部にP側電極コンタクトの窓開けを行う(図12(C)参照)。ここでは、フォトレジストによるマスクを施した後、メサ上部の開口部を露光してその部分のフォトレジストを除去した後、BHFにてポリイミド112及び絶縁膜111をエッチングして開口する。
(9)メサ上部の光出射部となる領域にレジストパターンを形成し、p側の電極材料の蒸着を行なう。p側の電極材料としてはCr/AuZn/Auからなる多層膜、もしくはTi/Pt/Auからなる多層膜が用いられる。
(10)光出射部の電極材料をリフトオフし、p側の電極113を形成する(図13(A)参照)。
(11)基板101の裏側を所定の厚さ(例えば100μm程度)まで研磨した後、n側の電極114を形成する(図13(B)参照)。ここでは、n側の電極114はAuGe/Ni/Auからなる多層膜である。
(12)アニールによって、p側の電極113とn側の電極114のオーミック導通を取る。これにより、各メサは、それぞれ発光部となる。
(13)半導体積層体をチップ毎に切断する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るMOCVD装置200では、主制御装置209のCPU及び該CPUによって実行されるプログラムとによって、制御装置が構成されている。なお、CPUによるプログラムに従う処理の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
そして、本実施形態では、上記半導体積層体の作成処理にて、本発明に係る有機金属気相成長法が実施されている。
また、本実施形態では、記録媒体としてのフラッシュメモリに記録されているプログラムのうち、図3、図7及び図8に対応するプログラムによって、本発明に係るプログラムが実行されている。
以上説明したように、本実施形態に係る半導体レーザ製造方法によると、有機金属気相成長法を用いた結晶成長によって、半導体積層体を作成する際に、成膜条件に基づいて、組成プロファイルA及び組成プロファイルBを仮定し、複数の半導体層を成膜する際の各層の積層時間及び波長600nmの光の反射光の強度変化をそれぞれ計算している。そして、波長600nmの光の反射光強度を計測しながら下部反射鏡103及び上部反射鏡108を事前成膜し、反射光の強度変化の計測結果と計算結果の差が小さくなるように組成プロファイルA及び組成プロファイルBをそれぞれ修正し、複数の半導体層を成膜する際の各層の積層時間及び波長600nmの光の反射光の強度変化をそれぞれ再計算する。そして、本番では、組成が均一な層の積層中には、所定のタイミング毎に反射光の強度変化の計測結果と再計算結果とに基づいて終了タイミングを予測し、該終了タイミングで積層が終了するようにマスフローコントローラ203を制御している。また、各組成傾斜層を積層するときには、積層開始からの経過時間が再計算された積層時間と一致するタイミングで積層が終了するようにマスフローコントローラ203を制御している。従って、複数の半導体層を精度良く積層することが可能となる。そして、その結果、所望の光出力特性を有する面発光レーザを製造することが可能となる。
なお、上記実施形態において、一例として図14及び図15に示されるように、低屈折率層と高屈折率層との間に前記組成傾斜層に代えて、ステップ状に組成が変化する組成変化層が設けられても良い。なお、図14は、仮定した計算上の組成プロファイルであり、図15は、修正された計算上の組成プロファイルである。
また、上記実施形態では、半導体積層体の作成処理において、複数の半導体層を成膜する際の各層の積層時間及び波長600nmの光の反射光の強度変化を、事前にそれぞれ計算しておく場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、複数の半導体層の一部を積層する際に計測された反射光強度に基づいて、複数の半導体層の残りの成膜する際の各層の積層時間及び波長600nmの光の反射光の強度変化を、それぞれ計算しても良い。これにより、作成時間を短縮することができる。この場合について、図16〜図18のフローチャートを用いて説明する。
ステップS501〜S517では、上記ステップS401〜S417と同様な処理を行う。
次のステップS519では、予め設定されている中断ポイント(例えば、下部反射鏡103の3ペア目)に達したか否かを判断する。まだ中断ポイントに達していなければ、ここでの判断は否定され、上記ステップS517に戻る。中断ポイントに達していれば、ここでの判断は肯定され、ステップS521に移行する。
このステップS521では、成膜を中断する。
次のステップS523及びS525では、上記ステップS421及びS423と同様な処理を行う。
次のステップS533では、上記ステップS425と同様な処理を行う。
次のステップS535では、下部反射鏡103の残りの37.5ペアと共振器構造体を成膜する際の各層の積層時間及び波長600nmの光の反射光の強度変化をそれぞれ計算する。
次のステップS537では、上記ステップS431と同様な処理を行う。
次のステップS539では、下部反射鏡103の成膜を再開する。ここでは、残りの37.5ペアに対して、上記ステップS463と同様に、各屈折率層の積層中には、所定のタイミング毎に反射光の強度変化の計測結果と計算結果(ステップS535での計算結果)とに基づいて終了タイミングを予測し、最も確からしい終了タイミングで積層が終了するようにマスフローコントローラ203を制御する。また、組成傾斜層を積層するときには、積層開始からの経過時間が計算された積層時間(ステップS535で計算された積層時間)と一致するタイミングで積層が終了するようにマスフローコントローラ203を制御する。
次のステップS541では、上記ステップS465と同様な処理を行う。
次のステップS543では、上部反射鏡108の成膜を開始する。
次のステップS545では、算出された積層時間(ステップS509で計算された積層時間)に従って複数のマスフローコントローラ203を制御する。
次のステップS547では、予め設定されている中断ポイント(例えば、上部反射鏡108の5ペア目)に達したか否かを判断する。まだ中断ポイントに達していなければ、ここでの判断は否定され、上記ステップS545に戻る。中断ポイントに達していれば、ここでの判断は肯定され、ステップS549に移行する。
このステップS549では、成膜を中断する。
次のステップS551では、反射光強度の計測停止をモニタ制御装置204dに指示する。
次のステップS561〜S563では、上記ステップS441〜S443と同様な処理を行う。
次のステップS565では、上部反射鏡108の残りの19ペアを成膜する際の各層の積層時間及び波長600nmの光の反射光の強度変化をそれぞれ計算する。
次のステップS567では、反射光強度の計測再開をモニタ制御装置204dに指示する。
次のステップS569では、上部反射鏡108の成膜を再開する。ここでは、残りの19ペアに対して、上記ステップS467と同様に、各屈折率層の積層中には、所定のタイミング毎に反射光の強度変化の計測結果と計算結果(ステップS565での計算結果)とに基づいて終了タイミングを予測し、最も確からしい終了タイミングで積層が終了するようにマスフローコントローラ203を制御する。また、組成傾斜層を積層するときには、積層開始からの経過時間が計算された積層時間(ステップS565で計算された積層時間)と一致するタイミングで積層が終了するようにマスフローコントローラ203を制御する。
次のステップS571では、複数の半導体層の成膜の終了を表示装置206の表示部に表示する。そして、半導体積層体の作成処理を終了する。
なお、この場合に、組成傾斜層の計算上の組成プロファイルを修正する際に反射スペクトルも考慮しても良い。これにより、さらに精度を向上させることができる。この場合について、図19及び図20のフローチャート(ステップS531、S534_1〜S534_3、S562、S564_1〜S564_3)を用いて説明する。
ステップS531では、反射スペクトルの計測をモニタ制御装置204dに指示する。
ステップS534_1では、上記ステップS533で修正された組成プロファイルAを用いて反射スペクトルを計算する(図21参照)。
ステップS534_2では、反射スペクトルの計算結果と計測結果(図22参照)の差が小さくなるように組成プロファイルAを再修正する。
ステップS534_3では、反射スペクトルの計算結果と計測結果の差が予め設定されているレベル(Δp)よりも小さいか否かを判断する。差がΔpよりも小さくなければ、ここでの判断は否定され、上記ステップS533に戻る。ここでは、一例として、反射スペクトルの計算値と計測値の差の積算値を用いるが、これに限定されるものではない。例えば、反射スペクトルの計算値と計測値の差の最大値を用いても良い。
この場合には、ステップS533では、再修正された組成プロファイルAを考慮して、反射光の強度変化を計算し、反射光の強度変化の計算結果と測定結果の差がさらに小さくなるように組成プロファイルAをさらに修正する。一方、差がΔpよりも小さければ、ここでの判断は肯定され、上記ステップS535に移行する。
ステップS562では、反射スペクトルの計測をモニタ制御装置204dに指示する。
ステップS564_1では、上記ステップS563で修正された組成プロファイルBを用いて反射スペクトルを計算する。
ステップS564_2では、反射スペクトルの計算結果と計測結果の差が小さくなるように組成プロファイルBを再修正する。
ステップS564_3では、反射スペクトルの計算結果と計測結果の差が予め設定されているレベル(Δp)よりも小さいか否かを判断する。差がΔpよりも小さくなければ、ここでの判断は否定され、上記ステップS563に戻る。この場合には、ステップS563では、再修正された組成プロファイルBを考慮して、反射光の強度変化を計算し、反射光の強度変化の計算結果と測定結果の差がさらに小さくなるように組成プロファイルBをさらに修正する。一方、差がΔpよりも小さければ、ここでの判断は肯定され、上記ステップS565に移行する。
また、上記実施形態では、1つのチップに含まれる発光部の数が40個の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、各メサの形状が円形状の場合について説明したが、これに限らず、例えば正方形状、楕円形状、長方形状など任意の形状であっても良い。
また、上記実施形態において、主制御装置209での処理の一部をモニタ制御装置204dが行っても良い。
また、上記実施形態では、積層体作成プログラムは、主制御装置209のフラッシュメモリに記録されているが、他の記録媒体(CD、光磁気ディスク、DVD、メモリカード、USBメモリ、フレキシブルディスク等)に記録されていても良い。この場合には、各記録媒体に対応する再生装置(又は専用インターフェース)を介して積層体作成プログラムをフラッシュメモリにロードすることとなる。また、ネットワーク(LAN、イントラネット、インターネットなど)を介して積層体作成プログラムをフラッシュメモリに転送しても良い。要するに、積層体作成プログラムがフラッシュメモリにロードされれば良い。
《画像形成装置》
次に、本発明の画像形成装置の一実施形態を説明する。図23には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングブレード1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、及び排紙トレイ1043などを備えている。
感光体ドラム1030の表面には、感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。ここでは、感光体ドラム1030は、図23における矢印方向に回転するようになっている。
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングブレード1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に関して、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングブレード1035の順に配置されている。
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面に、上位装置(例えばパソコン)からの画像情報に基づいて変調された光を照射する。これにより、感光体ドラム1030の表面では、画像情報に対応した潜像が感光体ドラム1030の表面に形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚づつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面上のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
この定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングブレード1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。なお、除去された残留トナーは、再度利用されるようになっている。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031の位置に戻る。
《光走査装置》
次に、前記光走査装置1010の構成について説明する。
この光走査装置1010は、図24に示されるように、光源ユニット10、カップリングレンズ11、開口板12、シリンドリカルレンズ13、ポリゴンミラー14、fθレンズ15、トロイダルレンズ16、2つのミラー(17、18)、及び上記各部を統括的に制御する不図示の制御装置を備えている。
光源ユニット10は、一例として図25に示されるように、40個の発光部が2次元配列されている面発光レーザアレイ10Aを有している。この面発光レーザアレイ10Aは、前記半導体レーザ製造方法と同様にして製造されている。なお、図25におけるM方向は、主走査方向に対応する方向を示し、S方向は、副走査方向に対応する方向を示している。
面発光レーザアレイ10Aでは、M方向に対して角度θだけ傾斜した方向(以下、便宜上「T方向」という)に沿って一列に等間隔で配列された10個の発光部からなる発光部列が、S方向に等間隔d1で4列配置されている。また、40個の発光部をS方向に延びる仮想線上に正射影したときの発光部間隔は等間隔d2である。
図24に戻り、カップリングレンズ11は、光源ユニット10から射出された光を略平行光に整形する。
開口板12は、開口部を有し、カップリングレンズ11を介した光のビーム径を規定する。
シリンドリカルレンズ13は、開口板12の開口部を通過した光をミラー17を介してポリゴンミラー14の偏向反射面近傍に集光する。
ポリゴンミラー14は、高さの低い正六角柱状部材からなり、側面には6面の偏向反射面が形成されている。そして、不図示の回転機構により、図24に示される矢印の方向に一定の角速度で回転されている。従って、光源ユニット10から射出され、シリンドリカルレンズ13によってポリゴンミラー14の偏向反射面近傍に集光された光は、ポリゴンミラー14の回転により一定の角速度で偏向される。
fθレンズ15は、ポリゴンミラー14からの光の入射角に比例した像高をもち、ポリゴンミラー14により一定の角速度で偏向される光の像面を、主走査方向に関して等速移動させる。
トロイダルレンズ16は、fθレンズ15からの光をミラー18を介して、感光体ドラム1030の表面に結像する。
この場合に、面発光レーザアレイ10Aでは、各発光部をS軸方向に延びる仮想線上に正射影したときの発光部間隔が等間隔d2であるので、点灯のタイミングを調整することで感光体ドラム1030上では副走査方向に等間隔で光源が並んでいる場合と同様な構成と捉えることができる。例えば、前記間隔d1が26.5μmであれば、前記間隔d2は2.65μmとなる。そして、光学系の倍率を2倍とすれば、感光体ドラム1030上では副走査方向に5.3μm間隔で書き込みドットを形成することができる。これは、4800dpi(ドット/インチ)に対応している。すなわち、4800dpi(ドット/インチ)の高密度書込みができる。もちろん、T方向の発光部数を増加したり、前記間隔d1を狭くして間隔d2を更に小さくするアレイ配置としたり、光学系の倍率を下げる等を行えばより高密度化でき、より高品質の印刷が可能となる。なお、主走査方向の書き込み間隔は、光源の点灯のタイミングで容易に制御できる。
また、この場合には、レーザプリンタ1000では書きこみドット密度が上昇しても印刷速度を落とすことなく印刷することができる。また、同じ書きこみドット密度の場合には印刷速度を更に速くすることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置1010によると、光源ユニット10が、前記半導体レーザ製造方法と同様にして製造された面発光レーザアレイ10Aを有している。従って、高パワーのレーザ光を出力することができ、結果として光走査を高速で行うことが可能となる。
また、本実施形態に係るレーザプリンタ1000によると、光走査を高速で行うことができる光走査装置1010を備えているため、結果として、画像を高速で形成することが可能となる。
なお、上記実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、光走査装置1010を備えた画像形成装置であれば、画像を高速で形成することが可能となる。
例えば、前記光走査装置1010を備え、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、多色のカラー画像を形成する画像形成装置であっても、カラー画像に対応した光走査装置を用いることにより、高精細な画像を高速で形成することが可能となる。
例えば、図26に示されるように、カラー画像に対応し、複数の感光体ドラムを備えるタンデムカラー機1500であっても良い。このタンデムカラー機1500は、ブラック(K)用の感光体ドラムK1、帯電器K2、現像器K4、クリーニング手段K5、及び転写用帯電手段K6と、シアン(C)用の感光体ドラムC1、帯電器C2、現像器C4、クリーニング手段C5、及び転写用帯電手段C6と、マゼンタ(M)用の感光体ドラムM1、帯電器M2、現像器M4、クリーニング手段M5、及び転写用帯電手段M6と、イエロー(Y)用の感光体ドラムY1、帯電器Y2、現像器Y4、クリーニング手段Y5、及び転写用帯電手段Y6と、光走査装置1010Aと、転写ベルト80と、定着手段30などを備えている。
光走査装置1010Aは、ブラック用の面発光レーザアレイ、シアン用の面発光レーザアレイ、マゼンタ用の面発光レーザアレイ、イエロー用の面発光レーザアレイを有している。各面発光レーザアレイは、前記半導体レーザ製造方法と同様にして製造されている。そして、ブラック用の面発光レーザアレイからの光はブラック用の走査光学系を介して感光体ドラムK1に照射され、シアン用の面発光レーザアレイからの光はシアン用の走査光学系を介して感光体ドラムC1に照射され、マゼンタ用の面発光レーザアレイからの光はマゼンタ用の走査光学系を介して感光体ドラムM1に照射され、イエロー用の面発光レーザアレイからの光はイエロー用の走査光学系を介して感光体ドラムY1に照射されるようになっている。
各感光体ドラムは、図26の矢印の方向に回転し、回転順にそれぞれ帯電器、現像器、転写用帯電手段、クリーニング手段が配置されている。各帯電器は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。この帯電器によって帯電された感光体ドラム表面に光走査装置1010Aにより光が照射され、感光体ドラムに静電潜像が形成されるようになっている。そして、対応する現像器により感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写用帯電手段により、記録紙に各色のトナー像が転写され、最終的に定着手段30により記録紙に画像が定着される。
タンデムカラー機では、機械精度等で各色の色ずれが発生する場合があるが、点灯させる発光部を選択することで各色の色ずれの修正精度を高めることができる。
なお、このタンデムカラー機1500において、光走査装置1010Aに代えて、ブラック用の光走査装置とシアン用の光走査装置とマゼンタ用の光走査装置とイエロー用の光走査装置を用いても良い。要するに、各面発光レーザアレイが、前記半導体レーザ製造方法と同様にして製造されていれば良い。
《光伝送システム》
図27には、本発明の一実施形態に係る光伝送システム2000の概略構成が示されている。この光伝送システム2000は、光送信モジュール2001と光受信モジュール2005が光ファイバケーブル2004で接続されており、光送信モジュール2001から光受信モジュール2005への一方向の光通信が可能となっている。
光送信モジュール2001は、前記半導体レーザ製造方法と同様にして製造された面発光レーザアレイを含む光源2002と、外部から入力された電気信号に応じて、光源2002から出力されるレーザ光の光強度を変調する駆動回路2003とを有している。
光源2002から出力された光信号は、光ファイバケーブル2004に結合し、該光ファイバケーブル2004を導波して光受信モジュール2005に入力される。
光受信モジュール2005は、光信号を電気信号に変換する受光素子2006と、受光素子2006から出力された電気信号に対して信号増幅、及び波形整形等を行う受信回路2007とを有している。
本実施形態に係る光送信モジュール2001によると、光源2002が前記半導体レーザ製造方法と同様にして製造された面発光レーザアレイを有しているため、結果として高品質の光信号を安定して生成することが可能となる。
また、本実施形態に係る光伝送システム2000によると、高品質の光信号を安定して生成することができる光送信モジュール2001を備えているため、結果として低消費電力で、高品質の光伝送を安定して行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、単チャンネルの一方向通信の構成例を示しているが、双方向通信、並列伝送方式、波長分割多重伝送方式等の構成をとることもできる。要するに、光源2002が前記半導体レーザ製造方法と同様にして製造された面発光レーザアレイを有していれば良い。
以上説明したように、本発明の有機金属気相成長法及び有機金属気相成長装置によれば、組成が均一な均一層上に、その厚さ方向に関して組成が徐々に変化している不均一層を精度良く積層するのに適している。また、本発明のプログラム及び記録媒体によれば、有機金属気相成長装置の制御用コンピュータに、組成が均一な均一層上に、その厚さ方向に関して組成が徐々に変化している不均一層を精度良く積層させるのに適している。また、本発明の半導体レーザ製造方法によれば、所望の光出力特性を有する半導体レーザを製造するのに適している。
面発光レーザの製造方法を説明するための図(その1)である。 MOCVD装置の概略構成を説明するための図である。 MOCVD装置の動作を説明するためのフローチャート(その1)である。 組成傾斜層における計算上の組成プロファイルの一例を示す図である。 反射光の強度変化を説明するための図である。 図4の組成プロファイルの修正例を示す図である。 MOCVD装置の動作を説明するためのフローチャート(その2)である。 MOCVD装置の動作を説明するためのフローチャート(その3)である。 面発光レーザの製造方法を説明するための図(その2)である。 面発光レーザにおける発光部を説明するための図である。 図11(A)〜図11(C)は、それぞれ面発光レーザの製造方法を説明するための図(その3)である。 図12(A)〜図12(C)は、それぞれ面発光レーザの製造方法を説明するための図(その4)である。 図13(A)及び図13(B)は、それぞれ面発光レーザの製造方法を説明するための図(その5)である。 組成変化層における計算上の組成プロファイルの一例を示す図である。 図14の組成プロファイルの修正例を示す図である。 MOCVD装置の動作の変形例を説明するためのフローチャート(その1)である。 MOCVD装置の動作の変形例を説明するためのフローチャート(その2)である。 MOCVD装置の動作の変形例を説明するためのフローチャート(その3)である。 反射スペクトルを利用する場合のフローチャート(その1)である。 反射スペクトルを利用する場合のフローチャート(その2)である。 反射スペクトルを説明するための図(その1)である。 反射スペクトルを説明するための図(その2)である。 本発明の一実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を説明するための図である。 図23における光走査装置を示す概略図である。 図24における光源ユニットに含まれる面発光レーザを説明するための図である。 タンデムカラー機の概略構成を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る光伝送モジュール及び光伝送システムの概略構成を説明するための図である。
符号の説明
10…光源ユニット、10A…面発光レーザ、14…ポリゴンミラー(偏向器)、15…fθレンズ(走査光学系の一部)、16…トロイダルレンズ(走査光学系の一部)、200…MOCVD装置(有機金属気相成長装置)、201…反応室、203…マスフローコントローラ(調整器)、204…光モニタ装置、209…主制御装置(制御装置)、1500…タンデムカラー機(画像形成装置)、2000…光伝送システム、2001…光送信モジュール(光伝送モジュール)、2003…駆動回路(駆動装置)、2004…光ファイバケーブル(光伝達媒体)、2006…受光素子(変換器の一部)、2007…受信回路(変換器の一部)、K1,C1,M1,Y1…感光体ドラム(像担持体)。

Claims (12)

  1. 組成が均一な均一層と、該均一層上に積層され、厚さ方向に関して組成が徐々に変化する不均一層とを含む複数の層を積層する有機金属気相成長法であって、
    前記不均一層における計算上の組成プロファイルを修正しつつ前記不均一層の積層時間を算出する工程と;
    前記均一層を形成する工程と;
    前記均一層上に、前記算出された積層時間に基づいて、前記不均一層を積層する工程と;を含む有機金属気相成長法。
  2. 前記算出する工程では、前記不均一層における計算上の組成プロファイルを修正しつつ前記複数の層を積層する際の所定波長の光の反射光の強度変化を更に算出し、
    前記均一層を形成する工程では、形成中に、前記所定波長の光を照射して、その反射光の強度変化を測定し、該測定結果と前記算出された反射光の強度変化に基づいて、前記均一層の形成終了タイミングを求めることを特徴とする請求項1に記載の有機金属気相成長法。
  3. 前記算出する工程は、
    前記不均一層における計算上の組成プロファイルを仮定し、目標膜厚及び目標組成に応じて、前記均一層と前記不均一層を積層する際の各積層時間及び前記所定波長の光の反射光の強度変化をそれぞれ算出する予備計算工程と;
    前記所定波長の光を照射して反射光強度を計測しつつ、前記算出された各積層時間に応じて、前記均一層及び前記不均一層を評価用に積層する評価積層工程と;
    前記反射光強度の計測結果から得られる反射光の強度変化と前記算出された反射光の強度変化とのずれが小さくなるように、前記仮定した計算上の組成プロファイルを修正する修正工程と;
    前記修正された計算上の組成プロファイルを用いて、前記複数の層を積層する際の前記所定波長の光の反射光の強度変化、及び前記不均一層の積層時間をそれぞれ計算する実計算工程と;を含むことを特徴とする請求項2に記載の有機金属気相成長法。
  4. 前記複数の層は、前記均一層と前記不均一層の組を複数組含み、
    前記算出する工程は、
    前記不均一層における計算上の組成プロファイルを仮定し、目標膜厚及び目標組成に応じて、前記複数組のうちの少なくとも1組を含む前記複数の層の一部を積層する際の各積層時間及び前記所定波長の光の反射光の強度変化をそれぞれ算出する予備計算工程と;
    前記所定波長の光を照射して反射光強度を計測しつつ、前記算出された各積層時間に応じて、前記複数の層の一部を積層する部分積層工程と;
    前記反射光強度の計測結果から得られる反射光の強度変化と前記算出された反射光の強度変化とのずれが小さくなるように、前記仮定した計算上の組成プロファイルを修正する修正工程と;
    前記修正された組成プロファイルを用いて、前記複数の層の残りを積層する際の前記所定波長の光の反射光の強度変化、及び前記不均一層の積層時間をそれぞれ算出する実計算工程と;を含むことを特徴とする請求項2に記載の有機金属気相成長法。
  5. 前記複数の層は、前記均一層と前記不均一層の組を複数組含み、
    前記算出する工程は、
    前記不均一層における計算上の組成プロファイルを仮定し、目標膜厚及び目標組成に応じて、前記複数組のうちの少なくとも1組を含む前記複数の層の一部を積層する際の各積層時間及び前記所定波長の光の反射光の強度変化をそれぞれ算出する予備計算工程と;
    前記所定波長の光を照射して反射光強度を計測しつつ、前記算出された各積層時間に応じて、前記複数の層の一部を積層する部分積層工程と;
    前記反射光強度の計測結果から得られる反射光の強度変化と前記算出された反射光の強度変化とのずれが小さくなるように、前記仮定した計算上の組成プロファイルを修正する第1修正工程と;
    前記部分積層工程で積層された前記複数の層の一部の反射スペクトルを計測する工程と;
    前記修正された計算上の組成プロファイルを用いて、前記複数の層の一部の反射スペクトルを算出する工程と;
    前記計測された反射スペクトルと前記算出された反射スペクトルとのずれが小さくなるように、前記修正された計算上の組成プロファイルを再度修正する第2修正工程と;
    前記再度修正された計算上の組成プロファイルを用いて、前記複数の層の残りを積層する際の前記所定波長の光の反射光の強度変化、及び前記不均一層の積層時間をそれぞれ算出する実計算工程と;を含むことを特徴とする請求項2に記載の有機金属気相成長法。
  6. 組成が均一な均一層と、該均一層上に積層され、厚さ方向に関して組成が徐々に変化する不均一層とを含む複数の層を基板上に積層する有機金属気相成長装置であって、
    所定波長の光を照射し、反射光の強度変化を計測する光モニタ装置と;
    前記基板が収容される反応室と;
    前記反応室への複数の原料の供給を調整する複数の調整器と;
    前記複数の調整器を個別に制御して前記基板上に前記複数の層を積層する制御装置と;を備え、
    前記制御装置は、前記不均一層における計算上の組成プロファイルを修正しつつ、前記複数の層を積層する際の、前記所定波長の光の反射光の強度変化及び前記不均一層の積層時間をそれぞれ算出し、前記均一層の積層中に、前記光モニタ装置の計測結果と前記算出された反射光の強度変化に基づいて、前記均一層の積層終了タイミングを求めるとともに、前記積層終了タイミングに応じて前記均一層の積層を終了すると、前記算出された積層時間に基づいて、前記不均一層を積層することを特徴とする有機金属気相成長装置。
  7. 前記制御装置は、
    前記不均一層における計算上の組成プロファイルを仮定し、目標膜厚及び目標組成に応じて、前記均一層と前記不均一層を積層する際の各積層時間及び前記所定波長の光の反射光の強度変化をそれぞれ算出し、
    前記光モニタ装置を介して反射光の強度変化を計測しつつ、前記算出された各積層時間に応じて、前記均一層及び前記不均一層を評価用に積層し、
    前記計測された反射光の強度変化と前記算出された反射光の強度変化とのずれが小さくなるように、前記仮定した計算上の組成プロファイルを修正し、
    前記修正された計算上の組成プロファイルを用いて、前記複数の層を積層する際の前記所定波長の光の反射光の強度変化、及び前記不均一層の積層時間をそれぞれ計算することを特徴とする請求項6に記載の有機金属気相成長装置。
  8. 前記複数の層は、前記均一層と前記不均一層の組を複数組含み、
    前記制御装置は、
    前記不均一層における計算上の組成プロファイルを仮定し、目標膜厚及び目標組成に応じて、前記複数組のうちの少なくとも1組を含む前記複数の層の一部を積層する際の各積層時間及び前記所定波長の光の反射光の強度変化をそれぞれ算出し、
    前記光モニタ装置を介して反射光の強度変化を計測しつつ、前記算出された各積層時間に応じて、前記複数の層の一部を積層し、
    前記計測された反射光の強度変化と前記算出された反射光の強度変化とのずれが小さくなるように、前記仮定した計算上の組成プロファイルを修正し、
    前記修正された組成プロファイルを用いて、前記複数の層の残りを積層する際の前記所定波長の光の反射光の強度変化、及び前記不均一層の積層時間をそれぞれ算出することを特徴とする請求項6に記載の有機金属気相成長装置。
  9. 前記複数の層は、前記均一層と前記不均一層の組を複数組含み、
    前記制御装置は、
    前記不均一層における計算上の組成プロファイルを仮定し、目標膜厚及び目標組成に応じて、前記複数組のうちの少なくとも1組を含む前記複数の層の一部を積層する際の各積層時間及び前記所定波長の光の反射光の強度変化をそれぞれ算出し、
    前記光モニタ装置を介して反射光の強度変化を計測しつつ、前記算出された各積層時間に応じて、前記複数の層の一部を積層し、
    前記計測された反射光の強度変化と前記算出された反射光の強度変化とのずれが小さくなるように、前記仮定した計算上の組成プロファイルを修正し、
    前記積層された前記複数の層の一部の反射スペクトルを前記光モニタ装置を介して計測し、
    前記修正された計算上の組成プロファイルを用いて、前記複数の層の一部の反射スペクトルを算出し、
    前記計測された反射スペクトルと前記算出された反射スペクトルとのずれが小さくなるように、前記修正された計算上の組成プロファイルを再度修正し、
    前記再度修正された計算上の組成プロファイルを用いて、前記複数の層の残りを積層する際の前記所定波長の光の反射光の強度変化、及び前記不均一層の積層時間をそれぞれ算出することを特徴とする請求項6に記載の有機金属気相成長装置。
  10. 所定波長の光を照射し、反射光の強度変化を計測する光モニタ装置を備え、組成が均一な均一層と、該均一層上に積層され、厚さ方向に関して組成が徐々に変化する不均一層とを含む複数の層を基板上に積層する有機金属気相成長装置に用いられるプログラムであって、
    前記不均一層における計算上の組成プロファイルを修正しつつ、前記複数の層を積層する際の、前記所定波長の光の反射光の強度変化及び前記不均一層の積層時間をそれぞれ算出する手順と;
    前記均一層の積層中に、前記光モニタ装置の計測結果と前記算出された反射光の強度変化に基づいて、前記均一層の積層終了タイミングを求める手順と;
    前記積層終了タイミングに応じて前記均一層の積層を終了すると、前記算出された積層時間に基づいて、前記不均一層を積層する手順と;を前記有機金属気相成長装置の制御用コンピュータに実行させるプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  12. 面発光レーザを製造する半導体レーザ製造方法であって、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機金属気相成長法によって、基板上に複数の半導体層が積層された積層体を作成する工程と;
    前記積層体における発光部となる領域の周囲を、前記基板と反対側の面である積層体表面から前記複数の半導体層の途中までエッチングする工程と;を含む半導体レーザ製造方法。
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