JP2015099910A - 面発光レーザアレイ、光走査装置、画像形成装置、及び面発光レーザアレイの製造方法 - Google Patents

面発光レーザアレイ、光走査装置、画像形成装置、及び面発光レーザアレイの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】射出される光の強度むらを抑制することができる面発光レーザアレイを提供する。【解決手段】 複数の発光部は、Aタイプの発光部とBタイプの発光部とから構成されている。そして、x軸方向及びy軸方向に関して隣接する2つの発光部は、互いにタイプが異なるように配置されている。各発光部は、複数の溝が発振波長の1/2以下のピッチで形成された微細周期構造を有する複屈折層が光射出面上に形成されている。そして、Aタイプの発光部とBタイプの発光部とでは、微細周期構造における複数の溝の配列方向が直交している。この場合、複数の発光部におけるx軸方向及びy軸方向に関して互いに隣接する2つの発光部から射出される光の偏光方向は互いに直交する。【選択図】図8

Description

本発明は、面発光レーザアレイ、光走査装置、画像形成装置、及び面発光レーザアレイの製造方法に係り、更に詳しくは、複数の発光部を有する面発光レーザアレイ、該面発光レーザアレイを有する光走査装置、該光走査装置を備える画像形成装置、及び前記面発光レーザアレイの製造方法に関する。
電子写真方式の画像記録では、レーザを用いた画像形成装置が広く用いられている。この画像形成装置は、一般的に光走査装置を備え、光偏向器(例えば、ポリゴンミラー)を用いて、感光性を有するドラムの表面をレーザ光で走査し、該ドラムの表面に潜像(静電潜像)を形成している。
光源としては一般に半導体レーザが用いられており、従来は端面発光レーザがその主流であったが、近年、垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;「VCSEL」とも呼ばれている。)が登場してきた。なお、以下では、垂直共振器型の面発光レーザを、単に面発光レーザともいう。
端面発光レーザでは4発光部から8発光部程度が限界であったアレイ化に対して、面発光レーザではそれ以上のアレイ化が可能となっている。そのため、画像形成装置における高速化及び高密度化を達成するための光源として期待されている。
例えば、特許文献1には、面発光レーザ素子が集積された面発光レーザアレイ、該面発光レーザアレイを有する光走査装置、及び該光走査装置を備える画像形成装置が開示されている。
ところで、特許文献2及び特許文献3には、複数ビームを出射する半導体レーザを用いた場合の光量変動を抑えることを目的としたマルチビームレーザ出射ユニット、及び画像形成装置が開示されている。
画像形成装置における画像品質に対する要求は、年々高くなってきている。しかしながら、特許文献1〜特許文献3に開示されている画像形成装置では、光源から射出される光に強度むらがあり、要求されるレベルの画像品質を得るのは困難であった。
本発明は、複数の発光部を有する面発光レーザアレイにおいて、前記複数の発光部における互いに隣接する少なくとも一部の2つの発光部から射出される光の偏光状態が互いに異なることを特徴とする面発光レーザアレイである。
本発明の面発光レーザアレイによれば、射出される光の強度むらを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を説明するための図である。 図1における光走査装置を説明するための図(その1)である。 図1における光走査装置を説明するための図(その2)である。 図1における光走査装置を説明するための図(その3)である。 図1における光走査装置を説明するための図(その4)である。 面発光レーザアレイを説明するための図である。 複数の発光部の配置状態を説明するための図(その1)である。 複数の発光部の配置状態を説明するための図(その2)である。 図6の一部を拡大した図である。 図9におけるA−A断面図である。 図9におけるB−B断面図である。 微細周期構造体を説明するための図である。 面発光レーザアレイの製造方法を説明するための図(その1)である。 面発光レーザアレイの製造方法を説明するための図(その2)である。 面発光レーザアレイの製造方法を説明するための図(その3)である。 面発光レーザアレイの製造方法を説明するための図(その4)である。 図17(A)及び図17(B)は、それぞれライン&スペースパターンを説明するための図である。 面発光レーザアレイの製造方法を説明するための図(その5)である。 面発光レーザアレイの製造方法を説明するための図(その6)である。 面発光レーザアレイの製造方法を説明するための図(その7)である。 面発光レーザアレイの製造方法を説明するための図(その8)である。 面発光レーザアレイの製造方法を説明するための図(その9)である。 面発光レーザアレイの製造方法を説明するための図(その10)である。 面発光レーザアレイの変形例1を説明するための図(その1)である。 面発光レーザアレイの変形例1を説明するための図(その2)である。 面発光レーザアレイの変形例2を説明するための図(その1)である。 面発光レーザアレイの変形例2を説明するための図(その2)である。 変形例2の面発光レーザアレイにおけるbタイプの発光部を説明するための図(その1)である。 変形例2の面発光レーザアレイにおけるbタイプの発光部を説明するための図(その2)である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図23に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着装置2050、給紙コロ2054、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、通信制御装置2080を介して受信した上位装置からの多色の画像情報を光走査装置2010に通知する。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。そして、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて色毎に変調された光束で、対応する帯電された感光体ドラムの表面を走査する。これにより、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。すなわち、ここでは、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。また、各感光体ドラムが像担持体である。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像装置の方向に移動する。なお、光走査装置の構成については後述する。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジ(図示省略)からのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出す。該記録紙は、所定のタイミングで転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出される。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。カラー画像が転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、光偏向器2104、4つの走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、6枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108b、2108c)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向(回転軸方向)に沿った方向をX軸方向、光偏向器2104の回転軸に平行な方向をZ軸方向として説明する。
また、以下では、各光学部材において、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源2200aとカップリングレンズ2201aと開口板2202aとシリンドリカルレンズ2204aと走査レンズ2105aと折り返しミラー2106aは、感光体ドラム2030aに潜像を形成するための光学部材である。
光源2200bとカップリングレンズ2201bと開口板2202bとシリンドリカルレンズ2204bと走査レンズ2105bと折り返しミラー2106bと折り返しミラー2108bは、感光体ドラム2030bに潜像を形成するための光学部材である。
光源2200cとカップリングレンズ2201cと開口板2202cとシリンドリカルレンズ2204cと走査レンズ2105cと折り返しミラー2106cと折り返しミラー2108cは、感光体ドラム2030cに潜像を形成するための光学部材である。
光源2200dとカップリングレンズ2201dと開口板2202dとシリンドリカルレンズ2204dと走査レンズ2105dと折り返しミラー2106dは、感光体ドラム2030dに潜像を形成するための光学部材である。
各カップリングレンズは、対応する光源から射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
各開口板は、開口部を有し、対応するカップリングレンズを介した光束を整形する。
各シリンドリカルレンズは、対応する開口板の開口部を通過した光束を、光偏向器2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
各光源と光偏向器2104との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。
光偏向器2104は、2段構造のポリゴンミラーを有している。各ポリゴンミラーは、4面の偏向反射面を有している。そして、1段目(下段)のポリゴンミラーではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)のポリゴンミラーではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目のポリゴンミラー及び2段目のポリゴンミラーは、互いに位相が略45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、走査レンズ2105a、及び折り返しミラー2106aを介して、感光体ドラム2030aに導光される。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、走査レンズ2105b、及び2枚の折り返しミラー(2106b、2108b)を介して、感光体ドラム2030bに導光される。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、走査レンズ2105c、及び2枚の折り返しミラー(2106c、2108c)を介して、感光体ドラム2030cに導光される。
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、走査レンズ2105d、及び折り返しミラー2106dを介して、感光体ドラム2030dに導光される。
各感光体ドラム表面の光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラムの長手方向に沿って移動する。
各感光体ドラムにおける光スポットの移動方向が「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が「副走査方向」である。
光偏向器2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。
各光源は、一例として図6に示される面発光レーザアレイ10を含んでいる。ここでは、説明を分かりやすくするため、面発光レーザアレイ10において、副走査対応方向に平行な軸方向をx軸方向、主走査対応方向に平行な軸方向をy軸方向、レーザ発振方向に平行な軸方向をz軸方向とする。
この面発光レーザアレイ10は、2次元的に配列されている32個の発光部、及び32個の発光部の周囲に設けられ、各発光部に対応した32個の電極パッドを有している。また、各電極パッドは、対応する発光部と配線部材によって電気的に接続されている。
32個の発光部は、図7に示されるように、全ての発光部をx軸方向に延びる仮想線上に正射影したときに、発光部間隔が等しく(図7では「d2」)なるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。
各発光部は、発振波長が780nm帯の面発光レーザである。すなわち、面発光レーザアレイ10は、32個の面発光レーザが集積されたものである。
32個の発光部は、図8に示されるように、Aタイプの発光部とBタイプの発光部とから構成されている。そして、x軸方向及びy軸方向に関して隣接する2つの発光部は、互いにタイプが異なるように配置されている。
図9は、図6の一部を拡大した図である。そして、図9におけるA−A断面図が図10に示され、B−B断面図が図11に示されている。
Aタイプの発光部は、図10に示されるように、基板101、バッファ層102、下部半導体DBR103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、上部半導体DBR107、被選択酸化層108、コンタクト層109、保護層111、p側電極113、n側電極114、及び複屈折層115Aなどを有している。
Bタイプの発光部は、図11に示されるように、基板101、バッファ層102、下部半導体DBR103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、上部半導体DBR107、被選択酸化層108、コンタクト層109、保護層111、p側電極113、n側電極114、及び複屈折層115Bなどを有している。
すなわち、Aタイプの発光部とBタイプの発光部との違いは、複屈折層のみである。
基板101は、n−GaAs単結晶基板である。バッファ層102は、基板101の+z側の面上に積層され、n−GaAsからなる層である。
下部半導体DBR103は、バッファ層102の+z側に積層され、n−Al0.9Ga0.1Asからなる低屈折率層と、n−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層のペアを40.5ペア有している。各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた厚さ20nmの組成傾斜層が設けられている。そして、各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、発振波長をλとするとλ/4の光学的厚さとなるように設定されている。なお、光学的厚さがλ/4のとき、その層の実際の厚さDは、D=λ/4n(但し、nはその層の媒質の屈折率)である。
下部スペーサ層104は、下部半導体DBR103の+z側に積層され、ノンドープのAl0.6Ga0.4Asからなる層である。
活性層105は、下部スペーサ層104の+z側に積層され、Al0.15Ga0.85As/Al0.3Ga0.7Asからなる3重量子井戸構造の活性層である。
上部スペーサ層106は、活性層105の+z側に積層され、ノンドープのAl0.6Ga0.4Asからなる層である。
下部スペーサ層104と活性層105と上部スペーサ層106とからなる部分は、共振器構造体とも呼ばれている。そして、該共振器構造体は、その光学的厚さが発振波長と等しくなるように設定されている。なお、活性層105は、高い誘導放出確率が得られるように、電界の定在波分布における腹に対応する位置である共振器構造体の中央に設けられている。
上部半導体DBR107は、上部スペーサ層106の+z側に積層され、p−Al0.9Ga0.1Asからなる低屈折率層とp−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層のペアを25ペア有している。各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層が設けられている。そして、各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、λ/4の光学的厚さとなるように設定されている。
上部半導体DBR107における低屈折率層の1つには、AlAsからなる被選択酸化層108が厚さ30nmで挿入されている。この被選択酸化層108の挿入位置は、上部スペーサ層106から2ペア目の低屈折率層中である。なお、煩雑さを避けるため、被選択酸化層108と上部スペーサ層106との間にある屈折率層については、図示を省略する。
コンタクト層109は、上部半導体DBR107の+z側に積層され、p−GaAsからなる層である。
複屈折層115A及び複屈折層115Bは、いずれも複屈折性を有する層であり、光射出面におけるコンタクト層109の+z側に積層されている。
ところで、本来複屈折性を有しない屈折率の異なる2つの物質を光の波長λより十分小さい(<λ/2)ピッチで並べた微細周期構造体は、複屈折性を有することが知られている(例えば、Max Born and Emil Wolf、「Principle of Optics」、PERGAMON PRESS LTD.参照)。
そこで、一例として図12に示されるように、複数の平板(板厚w1)がピッチw3(<λ/2)で一の方向に沿って配列されている微細周期構造体を考えると、偏光方向が平板に平行な光の屈折率nは次の(1)式で示され、偏光方向が平板に直交する光の屈折率nは次の(2)式で示される。この微細周期構造体は、複数の溝(厚さw2)がピッチw3で一の方向に沿って形成されているとみることもできる。
Figure 2015099910
なお、上記(1)式及び(2)式におけるnは平板の屈折率であり、nは平板の間を埋める物質の屈折率である。また、tは微細周期構造のデューティ(duty)比であり、次の(3)式から求められる。
t=w1/w3 ……(3)
このように、平板の材質(屈折率)、平板の間を埋める物質の材質(屈折率)、及び微細周期構造のデューティ比の少なくともいずれかによって、偏光方向が平板に平行な光の屈折率、及び偏光方向が平板に直交する光の屈折率を調整することができる。
そこで、微細周期構造体では、偏光方向が平板に平行な光と偏光方向が平板に直交する光とで、光学長が異なり、かつ、それぞれの光学長を任意の値に設定することができる。
本実施形態では、複屈折層115A及び複屈折層115Bは、偏光方向が平板と平行な光に対しては光学長が「発振波長/4」の奇数倍となり、偏光方向が平板に直交する光に対しては光学長が「発振波長/4」の偶数倍となるように設定された微細周期構造体を有している。なお、光学長は、複屈折層の光学的厚さに対応している。そして、複屈折層115Aと複屈折層115Bとでは、平板の配列方向が90°異なるように形成されている。ここでは、複屈折層115Aにおける平板の配列方向はx軸方向であり、複屈折層115Bにおける平板の配列方向はy軸方向である。なお、微細周期構造体における平板の配列方向は、微細周期構造体の周期方向とも呼ばれている。
この場合、偏光方向が平板と平行な光に対しては、レーザ光の射出部が反射率の低い層で覆われていることになり、偏光方向が平板と平行なレーザ光はほとんど発振せず、発光部から射出されない。一方、偏光方向が平板に直交する光に対しては、レーザ光の射出部が、反射率の高い層で覆われていることになり、偏光方向が平板に直交する光は発振し、発光部から射出される。
Aタイプの発光部とBタイプの発光部とでは、微細周期構造体における平板の配列方向が90°異なるように形成されているので、Aタイプの発光部から射出される光の偏光方向と、Bタイプの発光部から射出される光の偏光方向とは、90°異なることとなる。ここでは、Aタイプの発光部から射出される光の偏光方向はx軸方向であり、Bタイプの発光部から射出される光の偏光方向はy軸方向である。すなわち、x軸方向及びy軸方向に関して互いに隣接する2つの発光部から射出される光の偏光方向は互いに直交する。
具体的には、上記微細周期構造体において、屈折率が2.0のSiNからなる平板を用い、w1=150nm、w3=300nm、d=616.6nmとしている。この場合、t=0.5、n=2.0、n=1.0である。
ここでは、上記微細周期構造体は、偏光方向が平板と平行な光に対して、上記(1)式から屈折率n=1.58となり、光学的厚さが975nm(=d×n)となる。この光学的厚さは、「発振波長/4」×5である。すなわち、「発振波長/4」の奇数倍である。
また、上記微細周期構造体は、偏光方向が平板に直交する光に対して、上記(2)式から屈折率n=1.26となり、光学的厚さが780nm(=d×n)となる。この光学的厚さは、「発振波長/4」×4である。すなわち、「発振波長/4」の偶数倍である。
次に、面発光レーザアレイ10の製造方法について説明する。なお、通常では、一枚の基板101を用いて複数個の面発光レーザアレイ10が同時に製造される。
(1)有機金属気相成長法(MOCVD法)あるいは分子線エピタキシャル成長法(MBE法)などにより、基板101上に、バッファ層102、下部半導体DBR103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、被選択酸化層108、上部半導体DBR107、及びコンタクト層109を結晶成長させる(図13参照)。ここで形成されたものを、便宜上「積層体」ともいう。
III族の原料には、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)を用い、V族の原料には、フォスフィン(PH)、アルシン(AsH)を用いている。また、p型ドーパントの原料には四臭化炭素(CBr)、ジメチルジンク(DMZn)を用い、n型ドーパントの原料にはセレン化水素(HSe)を用いている。
なお、一枚の基板101上には、複数個の発光部が形成されるが、煩雑さを避けるため、以下では、1つの発光部について説明する。
(2)コンタクト層109の表面に、発光部となるメサ構造体(以下では、便宜上、「メサ」と略述する)の外形を規定するためのレジストパターンなどを形成する。本実施形態では、メサ形状を四角柱状とする。
(3)Clガスを用いるECR(Electron Cyclotron Resonance)方式、若しくはICP(Inductively Coupled Plasma)方式のドライエッチング法により、上述したレジストパターンをエッチングマスクとして積層体をエッチングし、少なくとも被選択酸化層108が側面に露出しているメサを形成する。ここでは、エッチングの底面は下部スペーサ層104の途中に位置するようにした。
(4)アセトン液に浸漬し、超音波洗浄によってエッチングマスクを除去する(図14参照)。
(5)メサが形成された積層体を水蒸気中で熱処理する。これにより、被選択酸化層108中のAl(アルミニウム)がメサの外周部から選択的に酸化され、メサの中央部に、Alの酸化物108aによって囲まれた酸化されていない領域108bが残留する(図15参照)。これにより、発光部の駆動電流の経路をメサの中央部だけに制限する、いわゆる酸化狭窄構造体が形成される。上記酸化されていない領域108bが電流通過領域である。
(6)気相化学堆積法(CVD法)を用いて、全面にSiNからなる膜(SiN膜)を形成する(図16参照)。
(7)メサ上面のSiN膜に、EB描画法又はインプリント法などにより、樹脂でL1=150nm、L3=300nmのライン&スペースパターン(図17(A)及び図17(B)参照)を形成する。このとき、Aタイプの発光部となるメサとBタイプの発光部となるメサとでは、ライン&スペースパターンの配列方向を90°異ならせる。具体的には、Aタイプの発光部となるメサでは、ライン&スペースパターンの配列方向をx軸方向とし、Bタイプの発光部となるメサでは、ライン&スペースパターンの配列方向をy軸方向とする。
(8)クロムを蒸着し、リフトオフ法でクロムのライン&スペースパターンを形成する。
(9)クロムのライン&スペースパターンをマスクにし、ドライエッチング法により、メサ上面に微細周期構造体を形成する(図18及び図19参照)。Aタイプの発光部となるメサ上面に形成された微細周期構造体が複屈折層115Aであり、Bタイプの発光部となるメサ上面に形成された微細周期構造体が複屈折層115Bである。
(10)フォトリソグラフィによって微細周期構造体上にマスクを形成し、ドライエッチング法により、SiN膜をエッチングして薄くし保護層111とする(図20参照)。
(11)コンタクト層109とp側電極113とをコンタクトさせるための窓パターンを、メサ上部のSiN膜に形成し、ウエットエッチングにてエッチングして窓を開ける(図21参照)。
(12)メサ上部にフォトリソグラフィによって電極パターンを形成し、電極材料を蒸着した後、リフトオフを行い、p側電極113を形成する(図22参照)。ここでは、p側電極113はTi/Pt/Auからなる多層膜である。なお、このとき、電極パッド及び配線部材も同時に形成される。
(13)基板101の裏側を所定の厚さ(例えば100μm程度)まで研磨した後、n側電極114を形成する(図23参照)。ここでは、n側電極114はAuGe/Ni/Auからなる多層膜である。
(14)アニールによって、p側電極113とn側電極114のオーミック導通をとる。これにより、各メサは発光部となる。
(15)チップ毎に切断する。
そして、種々の後工程を経て、面発光レーザアレイ10となる。
このようにして製造された面発光レーザアレイ10は、複数の発光部を同時に点灯させても、射出される光の強度むらは非常に小さかった。
ところで、特許文献1に開示されている面発光レーザアレイでは、各発光部から射出される光の偏光方向がすべて同一方向に揃っているため、隣接した発光部から射出された光が干渉し、感光体ドラム上で強度むらを生じさせ、画像品質を低下させてしまうという不都合があった。
また、特許文献2に開示されているマルチビームレーザ出射ユニットでは、レーザ光の干渉を回避するために、レーザを駆動する信号に高周波信号を重畳しマルチ縦モードで発振させている。しかしながら、この場合、駆動回路に高周波信号を生成する回路が必要になり、コストアップを招くという不都合があった。
また、特許文献3に開示されているマルチビームレーザ出射ユニットでは、レーザ光の干渉を回避するために、隣接する発光部の間隔、コリメータレンズの焦点距離及びアパーチャの開口幅を規定している。しかしながら、この場合、発光部の間隔やコリメータレンズに制限があり自由に設計できないという不都合があった。
一方、本実施形態に係る面発光レーザアレイ10には、上記不都合はない。そして、光走査装置2010は、各感光体ドラムに高品質の潜像を形成することができ、カラープリンタ2000は、高品質の画像を形成することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る面発光レーザアレイ10によると、複数の発光部は、Aタイプの発光部とBタイプの発光部とから構成されている。そして、x軸方向及びy軸方向に関して隣接する2つの発光部は、互いにタイプが異なるように配置されている。各発光部は、複数の溝が発振波長の1/2以下のピッチで形成された微細周期構造を有する複屈折層が光射出面上に形成されている。そして、Aタイプの発光部とBタイプの発光部とでは、微細周期構造における複数の溝の配列方向が直交している。この場合、複数の発光部におけるx軸方向及びy軸方向に関して互いに隣接する2つの発光部から射出される光の偏光方向は互いに直交する。そこで、複数の発光部を同時に点灯させても、隣接する発光部から射出された光が干渉するのを抑制でき、光源から射出される光の強度むらを小さくすることができる。
そして、光走査装置2010は、各光源が面発光レーザアレイ10を有しているため、各感光体ドラム上での光の強度むらが非常に小さくなり、その結果として高品質の潜像を各感光体ドラム上に形成することができる。
また、カラープリンタ2000は、光走査装置2010を備えているため、高コスト化を招くことなく、高速化及び高密度化を実現することができる。
なお、上記実施形態では、複屈折層115Aと複屈折層115Bとで、複数の平板(溝)の配列方向が90°異なる場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、複屈折層115Aと複屈折層115Bとで、複数の平板(溝)の配列方向が異なっていれば良い。この場合であっても、隣接する発光部から射出された光が干渉するのを抑制することができる。
また、上記実施形態において、複屈折層115Aと複屈折層115Bとで、複数の平板(溝)の配列方向を異ならせるのに代えて、あるいは異ならせるとともに、微細周期構造におけるピッチに対する溝の幅を異ならせても良い。この場合であっても、隣接する発光部から射出された光が干渉するのを抑制することができる。
また、上記実施形態では、Aタイプの発光部とBタイプの発光部とで射出される光の偏光方向が互いに90°異なる場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、Aタイプの発光部とBタイプの発光部とで射出される光の偏光方向が互いに異なっていれば良い。この場合であっても、隣接する発光部から射出された光が干渉するのを抑制することができる。
また、上記実施形態では、全ての発光部について、x軸方向及びy軸方向に関して隣接する2つの発光部のタイプが異なる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、一部の発光部について、x軸方向及びy軸方向に関して隣接する2つの発光部のタイプが異なっていても良い。この場合、発光部間隔が最も近い2つの発光部のタイプが異なっているのが好ましい。
また、上記実施形態では、面発光レーザアレイが2つのタイプ(AタイプとBタイプ)の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、3つ以上のタイプの発光部を有していても良い。
図24には、4つのタイプ(Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、Dタイプ)の発光部を有する面発光レーザアレイの一例が示されている。
Aタイプの発光部及びBタイプの発光部は、上記実施形態と同じである。Cタイプの発光部は、微細周期構造体における平板の配列方向がx軸方向に対して時計まわりに60°回転した方向である複屈折層を有している(図25参照)。Dタイプの発光部は、微細周期構造体における平板の配列方向がx軸方向に対して反時計まわりに30°回転した方向である複屈折層を有している(図25参照)。
そして、最も近接した2つの発光部では、微細周期構造体における平板の配列方向が90°異なるように形成され、2番目に近接した2つの発光部では、微細周期構造体における平板の配列方向が60°異なるように形成され、3番目に近接した2つの発光部では、微細周期構造体における平板の配列方向が30°異なるように形成されている。
例えば、Aタイプの発光部に注目すると、最も近接する発光部はBタイプの発光部であり、微細周期構造体における平板の配列方向は90°異なっている。そして、2番目に近接する発光部はCタイプの発光部であり、微細周期構造体における平板の配列方向は60°異なっている。3番目に近接する発光部はDタイプの発光部であり、微細周期構造体における平板の配列方向は30°異なっている。
また、Bタイプの発光部に注目すると、最も近接する発光部はAタイプの発光部であり、微細周期構造体における平板の配列方向は90°異なっている。そして、2番目に近接する発光部はDタイプの発光部であり、微細周期構造体における平板の配列方向は60°異なっている。3番目に近接する発光部はCタイプの発光部であり、微細周期構造体における平板の配列方向は30°異なっている。
また、Cタイプの発光部に注目すると、最も近接する発光部はDタイプの発光部であり、微細周期構造体における平板の配列方向は90°異なっている。そして、2番目に近接する発光部はAタイプの発光部であり、微細周期構造体における平板の配列方向は60°異なっている。3番目に近接する発光部はBタイプの発光部であり、微細周期構造体における平板の配列方向は30°異なっている。
また、Dタイプの発光部に注目すると、最も近接する発光部はCタイプの発光部であり、微細周期構造体における平板の配列方向は90°異なっている。そして、2番目に近接する発光部はBタイプの発光部であり、微細周期構造体における平板の配列方向は60°異なっている。3番目に近接する発光部はAタイプの発光部であり、微細周期構造体における平板の配列方向は30°異なっている。
この場合、複数の発光部における最も近接した2つの発光部から射出される光の偏光方向の差が最も大きく、その値は90°である。
ところで、面発光レーザから射出される光は、断面形状が円形であることが好ましい。射出光の断面形状を円形にするには、高次横モードの発振を抑制する必要がある。
例えば、特許第3566902号公報には、発振横モードを制御することを目的とした面発光半導体レーザ素子が開示されている。この面発光半導体レーザ素子では、円環形状をした上部電極の内側の開口部に、膜厚が発振波長の(2i+1)/4n倍の誘電体膜を形成している。
また、特許第5376104号公報には、高次横モードの発振制御と偏光方向の制御とを両立させることを目的とする面発光型半導体レーザが開示されている。この面発光型半導体レーザでは、四辺形状の電流注入領域の一方の対角線に対応する領域に光出射口を設け、光出射口を間にして一対のトレンチを設け、横モード調整層の発光中心を除く領域の反射率を低くしている。
また、特許第5261754号公報には、高次横モードの発振を制御しつつ、偏光方向を安定させることを目的とする面発光レーザ素子が開示されている。この面発光レーザ素子では、射出面内の中心部以外の領域に、直交する方向で異方性があるように反射率を低くする誘電体層を設けている。
しかしながら、特許第3566902号に開示されている面発光半導体レーザ素子では、偏光方向の制御が困難であるという不都合があった。また、特許第5376104号公報に開示されている面発光型半導体レーザでは、電気抵抗の増加や電流密度の増加により寿命が低下するという不都合があった。また、特許第5261754号公報に開示されている面発光レーザ素子では、射出光の断面形状が楕円形状になってしまうという不都合があった。
電気抵抗や電流密度の増加をすることなく、高次横モードの発振制御と偏光方向の制御が可能であり、かつ、射出光の断面形状を円形にすることができる面発光レーザアレイの一例が図26に示されている。
この面発光レーザアレイは、各発光部の光射出面上に微細周期構造を有する複屈折層と誘電体膜が設けられている。複屈折層の形状は、円柱状であり、光射出面の中央部に形成されている。誘電体膜は該複屈折層の周囲に形成されている。すなわち、各発光部の光射出面は、中央部が複屈折性を有し、周囲が等方性の屈折性を有している。なお、各発光部におけるその他の部分については、上記実施形態と同じである。
ここでは、この面発光レーザアレイは、4つのタイプ(aタイプ、bタイプ、cタイプ、dタイプ)の発光部を有している(図27参照)。bタイプの発光部の例が、図28及び図29に示されている。図28における符号116は、誘電体膜である。なお、発光部のタイプの数は4つに限定されるものではなく、例えば、2つ(aタイプとbタイプ)であっても良い。
発光部のタイプの違いは、微細周期構造体における平板の配列方向の違いである。aタイプの発光部では、微細周期構造体における平板の配列方向はx軸方向に平行であり、bタイプの発光部では、微細周期構造体における平板の配列方向はy軸方向に平行である。cタイプの発光部では、微細周期構造体における平板の配列方向はx軸方向に対して時計まわりに60°回転した方向であり、dタイプの発光部は、微細周期構造体における平板の配列方向がx軸方向に対して反時計まわりに30°回転した方向である。
微細周期構造体の材質及び寸法は、上記実施形態と同様である。誘電体膜は、例えば、SiNからなり、光学長が「発振波長/4」の奇数倍となるように設定されている。
この場合、偏光方向が平板と平行な光に対しては、射出領域の全てが、光学長が「発振波長/4」の奇数倍の層、つまり、反射率の低い層で覆われていることになり、偏光方向が平板と平行なレーザ光はほとんど発振せず、発光部から射出されない。
一方、偏光方向が平板と直交する光に対しては、微細周期構造が形成されている射出領域の中央部は、光学長が「発振波長/4」の偶数倍で反射率が高く、周囲は反射率が低くなっているので、射出領域の中央部でのみ発振することになる。
そこで、各発光部は、単一横モードで、偏光方向が一定、かつ、断面形状が円形である、高品質のレーザ光を射出することができる。
また、この場合、複数の発光部を同時に点灯させても、隣接する発光部から射出された光が干渉するのを抑制でき、光源から射出される光の強度むらを小さくすることができる。なお、最も近接した2つの発光部から射出される光の偏光方向の差が最も大きく、その値は90°である。
また、上記実施形態では、平板がSiNからなる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、平板がSiN以外の誘電体からなっていても良い。
また、上記実施形態では、面発光レーザアレイ10が32個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、各発光部の発振波長が780nm帯の場合について説明したが、これに限定されるものではない。感光体の特性に応じて、各発光部の発振波長を変更しても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、モノクロ画像を形成するレーザプリンタであっても良い。
また、例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
10…面発光レーザアレイ、101…基板、102…バッファ層、103…下部半導体DBR、104…下部スペーサ層、105…活性層、106…上部スペーサ層、107…上部半導体DBR、108…被選択酸化層、108a…酸化物、108b…電流通過領域、109…コンタクト層、111…保護層、113…p側電極、114…n側電極、115A…複屈折層(複屈折性を有する層)、115B…複屈折層(複屈折性を有する層)、116…誘電体膜(等方性の屈折性を有する部材)、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a,2030b,2030c,2030d…感光体ドラム、2104…光偏向器、2105a,2105b,2105c,2105d…走査レンズ(走査光学系の一部)、2106a,2106b,2106c,2106d,2108b,2108c…折り返しミラー(走査光学系の一部)、2200a,2200b,2200c,2200d…光源、2201a,2201b,2201c,2201d…カップリングレンズ、2202a,2202b,2202c,2202d…開口板、2204a,2204b,2204c,2204d…シリンドリカルレンズ。
特開2009−302512号公報 特開2005−55538号公報 特許第4225021号公報

Claims (12)

  1. 複数の発光部を有する面発光レーザアレイにおいて、
    前記複数の発光部における互いに隣接する少なくとも一部の2つの発光部から射出される光の偏光状態が互いに異なることを特徴とする面発光レーザアレイ。
  2. 前記複数の発光部は、複屈折性を有する層が光射出面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザアレイ。
  3. 前記互いに隣接する2つの発光部の一方は、前記複屈折性を有する層の光学的厚さが、第1の偏光方向の光に対して発振波長の1/4の偶数倍であり、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向の光に対して発振波長の1/4の奇数倍であり、
    前記互いに隣接する2つの発光部の他方は、前記複屈折性を有する層の光学的厚さが、前記第1の偏光方向の光に対して発振波長の1/4の奇数倍であり、前記第2の偏光方向の光に対して発振波長の1/4の偶数倍であることを特徴とする請求項2に記載の面発光レーザアレイ。
  4. 前記複屈折性を有する層は、複数の溝が発振波長の1/2以下のピッチで形成されている微細周期構造を有し、
    前記互いに隣接する2つの発光部は、前記ピッチに対する前記溝の幅及び前記複数の溝の配列方向の少なくとも一方が異なることを特徴とする請求項2又は3に記載の面発光レーザアレイ。
  5. 前記複屈折性を有する層は、光出射面の中央部に設けられ、等方性の屈折性を有する部材で囲まれていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の面発光レーザアレイ。
  6. 前記等方性の屈折性を有する部材の光学的厚さは、いずれの偏光方向の光に対しても発振波長の1/4の奇数倍であることを特徴とする請求項5に記載の面発光レーザアレイ。
  7. 前記互いに隣接する2つの発光部から射出される光の偏光方向が互いに直交していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の面発光レーザアレイ。
  8. 前記複数の発光部における最も近接した2つの発光部から射出される光の偏光方向の差が最も大きいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の面発光レーザアレイ。
  9. 前記複数の発光部における最も近接した2つの発光部から射出される光の偏光方向の差が90°であることを特徴とする請求項8に記載の面発光レーザアレイ。
  10. 光によって被走査面を走査する光走査装置であって、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の面発光レーザアレイを有する光源と、
    前記光源からの光を偏向する光偏向器と、
    前記光偏向器で偏向された光を前記被走査面に集光する走査光学系と、を備える光走査装置。
  11. 像担持体と、
    画像情報が含まれる光によって前記像担持体を走査する請求項10に記載の光走査装置と、を備える画像形成装置。
  12. 複数の発光部を有する面発光レーザアレイの製造方法において、
    前記複数の発光部の光射出面となる複数の領域に、複数の溝が発振波長の1/2以下のピッチで配列された微細周期構造体を形成する工程を含み、該工程では、前記複数の領域における互いに隣接する2つの領域について、前記ピッチに対する前記溝の幅及び前記複数の溝の配列方向の少なくとも一方を異ならせることを特徴とする面発光レーザアレイの製造方法。
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