JP4960607B2 - 開放型mriのための支持構造並びにその方法及びシステム - Google Patents

開放型mriのための支持構造並びにその方法及びシステム Download PDF

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Description

本発明は、全般的には磁気共鳴イメージング(MRI)システムに関し、また具体的には磁気共鳴イメージング・システムの支持構造に関する。
MRIシステムは、対象の組織や臓器の構造を撮像するための診断用ツールとして医療界において広範に使用されている。MRIシステムは、主磁場と、撮像対象内の磁気回転物質に影響を及ぼす一連の傾斜磁場と、を確立させている。撮像の間に、傾斜磁場は所定の撮像プロトコルに従ってパルス動作を受けると共に、無線周波数磁場によって磁気回転物質の分子に運動を生じさせる。次いで、分子の再整列によって得られた信号が検出されかつ処理されて、対象に関する有用な画像が再構成される。MRI磁石の設計には閉鎖型磁石と開放型磁石が含まれる。
閉鎖型磁石は、典型的には、単一で管状のボアを有しており、この内部に撮像のために対象(医療分野では典型的には、患者)を位置決めすることができる。開放型磁石設計は、「C」字形または「V」字形の磁石を含んでおり、典型的には、互いからある間隔だけ分離させた2つの磁石アセンブリを利用し、これら磁石アセンブリ間の間隔によって撮像ボリュームが規定されている。患者は撮像のためにこの撮像ボリューム内に位置決めされる。開放型MRIシステムでは、閉鎖型または管状の磁石設計と異なり、これらの磁石アセンブリ間の間隔が検査の間に患者の快適性を保つのに役立つ。これらの磁石アセンブリは離して位置決めされているため、医療従事者は磁気共鳴イメージングの間に外科的手技やその他任意の医療手技のためにアクセスすることが可能である。
これらの開放型MRIシステムでは、支持構造に直接永久磁石が取り付けられている。現在利用されているMRIシステムでは、その支持構造は大規模な機械加工処理を伴った熱間圧延、鍛造または鋳造によって製作されている。こうした機械加工処理によって余分な材料が除去されるのが一般的である。目下の設計では、かなりの体積の材料がこの方式によって除去されており、これによって後側のエッジに向かってより厚手の区画が残されかつ前面の近くにはより薄手の区画(典型的には、片持ちばり領域(cantilevered areas))が形成される。目下の典型的な設計での有効材料利用は約60〜65%である。したがって目下の設計では、使用に供する原材料だけではなく除去される材料もあるために材料コストが増大する。目下の設計ではさらに、機械加工処理をするために製造コストも増大する。
米国特許第6150819号
したがって、撮像で必要となる高品質で均一な磁場を提供しながらコストの低下が可能であるような開放型MRIシステムの磁石の支持構造のための改良型の設計、並びに対応する製造処理法に対する必要性が存在している。
簡単に述べると、本技法の一態様では、磁場源からの磁束に対して大きな透磁性を提供するように構成された開放型磁気共鳴イメージング(MRI)システム向けの多層式支持構造を提供する。この多層式支持構造は、第1の多層式支持構造及び第2の多層式支持構造を含む。この多層式支持構造はさらに、少なくとも2つの磁石アセンブリを支持するためにこれら第1の多層式支持構造と第2の多層構造を接続している第3の支持構造を含む。これら2つの磁石アセンブリの間に撮像ボリュームが形成される。この多層式支持構造はさらに、撮像で必要となる高品質で均一な磁場を提供するように構成されている。
本技法の別の態様では、開放型MRIシステムの多層式支持構造を製造する方法を提供する。本方法は一般に、複数の構造を製作する工程と、これら複数の構造を結合する工程と、を含む。これら複数の構造には、第1の多層式支持構造、第2の多層式支持構造及び第3の支持構造が含まれる。第3の支持構造は、最終のアセンブリ内でこれらの多層式構造を一緒に結びつけている。
本技法の別の態様では、開放型MRIシステムの多層式支持構造を製造する方法を提供する。この多層式支持構造は、撮像のための均一な磁場を提供するように構成されている。本方法は、開放型MRIシステムの多層式支持構造内の複数の層間にあるギャップのうちの少なくとも1つを調整する工程を含む。
本発明に関するこれらの特徴、態様及び利点、並びにその他の特徴、態様及び利点については、同じ参照符号が図面全体を通じて同じ部分を表している添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによってより理解が深まるであろう。
本技法は開放型磁気共鳴イメージング(MRI)システム向けの支持構造を目的としている。一般に、この支持構造は、開放型MRIシステム内に1対の磁石アセンブリを収容するように構成される。本技法のコンテキストでは、材料や製造コストを削減すると共に、システムの磁場を調整することによって撮像のための均一磁場を提供するために、多層式支持構造が使用される。本技法がさらに別の医療コンテキストや医療以外のコンテキストにも応用できることは当業者であれば理解するであろう。
ここで図面に移って先ず図1を参照すると、開放型MRIシステム10の例示的な一実施形態を本技法と関連させて模式的に表している。図示したように、この開放型MRIシステム10は、多層式支持構造12(より詳細には後の段落で検討することにする)及び少なくとも2つの磁石アセンブリ(第1の磁石アセンブリ14と第2の磁石アセンブリ16)を含む。これらの磁石アセンブリの間に撮像ボリュームが形成される。多層式支持構造は、磁場源からの磁束に対して高い透磁性を提供するように構成されている。医療のコンテキストでは、この撮像ボリューム内に撮像のために患者が位置決めされる。別のコンテキストまたより一般的には、検査中に画像データを収集するために撮像ボリューム内に関心対象物が配置される。これらの磁石アセンブリの間にある開放空間は、患者が閉鎖型の磁石設計で起こすことがあるようなある種の閉鎖恐怖の感覚を克服するのに役立つ。開放型MRIシステムはさらに、医療従事者が磁気共鳴イメージングの間に外科的手技やその他任意の医療手技のためにアクセスすることを可能にしている。開放型MRIシステム10は、0.2テスラ定格から1テスラ定格以上までの範囲にある開放型MRIシステムを含め適当な任意のタイプあるいは定格とすることができる。
図2は、第1の3層式支持構造18と、第2の3層式支持構造20と、これら第1の3層式構造と第2の3層式構造を接続している第3の支持構造22、24と、を備えた多層式支持構造12を表している。この多層式支持構造12はさらに、脚26、28、30及び32を備えている(ただし図2では、脚32は見えていない)。
第1の3層式支持構造18は、第1層の低炭素鋼プレート34、36と、第2層の低炭素鋼プレート38と、第3層の低炭素鋼プレート40と、を備えており、これらは、留め具、リベット、接着剤、溶接及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つによって結合させている。第1の3層式支持構造18はさらに、磁石アセンブリ(図2では図示せず)のための穴または凹部42を備えている。第2の3層式支持構造20は、第1層の低炭素鋼プレート44と、第2層の低炭素鋼プレート46と、第3層の低炭素鋼プレート48、50(プレート50は図2では見えていない)と、を備えており、これらは、留め具、リベット、接着剤、溶接及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つによって結合させている。第2の3層式支持構造20もまた、磁石アセンブリ(図2では図示せず)のための穴または凹部52を備えている。
第1の3層式支持構造18と第2の3層式支持構造20は、留め具、リベット、接着剤、溶接及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つによって第3の支持構造22及び24に結合させている。第3の支持構造22及び24は、低炭素鋼から製作されたプレート、ピラー、支柱及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備えている。脚26、28、30及び32は、留め具、リベット、接着剤、溶接及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つによって第2の3層式支持構造の下側に結合させている。この多層式支持構造12はさらに、MRIシステム内に生成される磁場に対する調整を提供するためのデバイスを含むことがある(これについては、以下でさらに十分に記載することにする)。
図3は、上で詳細に説明したような多層式支持構造12の分解図である。図3から分かるように、上側支持構造及び下側支持構造を構成しているプレートの各層は最終構造に組み付けられるように形成された材料の分離片とすることがある。したがってこの多層式支持構造が、過剰な材料の無駄な提供や、時間及び費用が無駄になるより厚手のプレート材料に対する重量を軽くするための機械加工を回避しながら所望の機械的支持や磁束のチャネリングを提供するような有効な輪郭(例えば、段階式)とすることができることは、当業者であれば理解されよう。
図4は、多層式支持構造56と、少なくとも2つの磁石アセンブリ(第1の磁石アセンブリ58及び第2の磁石アセンブリ60)と、を備えた開放型MRIシステムの別の例示的な実施形態54を表している。多層式支持構造56(さらに詳細には後の段落で検討することにする)は、超伝導磁石及び/または永久磁石機構などの磁場源が発生させた磁束に対して高い透磁性を提供するように構成されている。
図5は、第1の2層式支持構造62と、第2の2層式支持構造64と、これら第1の2層式構造と第2の2層式構造を接続している第3の支持構造66及び68と、を備えた多層式支持構造56を表している。多層式支持構造56はさらに、脚70、72、74及び76(図5では、脚76は図示していない)を備えている。
第1の2層式支持構造62は、第1層の低炭素鋼プレート78及び80と、第2層の低炭素鋼プレート82と、を備えている。上の実施形態の場合と同様に、これらのプレートは、留め具、リベット、接着剤、溶接及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つによって互いに結合させることがある。第1の2層式支持構造62はさらに、磁石アセンブリ(図5では図示せず)のための穴または凹部84を備えている。
第2の2層式支持構造64は、第1層の低炭素鋼プレート86と第2層の低炭素鋼プレート88及び90(プレート90は図5では見えていない)とを備えている。同様にここでも、下側支持構造のプレートは、留め具、リベット、接着剤、溶接及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つによって互いに結合されている。第2の2層式支持構造64はさらに、磁石アセンブリ(図5では図示せず)のための穴または凹部92を備えている。第1の2層式支持構造62と第2の2層式支持構造64は、締結、リベット留め、接着、溶接及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つによって第3の支持構造66、68に結合させている。第3の支持構造66及び68は、低炭素鋼から製作されたプレート、ピラー、支柱及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを備えている。脚70、72、74及び76は、留め具、リベット、接着剤、溶接及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つによって第2の2層式支持構造の下側に結合されている。多層式支持構造56はさらに、システムの磁場に対する調整を提供するためのデバイスを含むことがある(これについては、以下に記載することにする)。
本明細書では支持構造の製作材料用として低炭素鋼について記載しているが、使用される具体的な材料は設計選択によることがあることに留意すべきである。例えば、様々な鋼材や実際上は別の材料が当該の用途に適することがある。しかし多くのコンテキストでは、磁場の送出はその構造に依存することになり、また最上のシステム操作にとってはその磁気特性が重要となることがある。
図6は、多層式C字形支持構造96と、少なくとも2つの磁石アセンブリ(第1の磁石アセンブリ98及び第2の磁石アセンブリ100)と、を備えた開放型MRIシステム94のさらに別の例示的な実施形態を表している。この多層式C字形支持構造96(これについては、後の段落でより詳細に検討することにする)は、上述のように磁場源からの磁束に対して高い透磁性を提供するように構成されている。
図7は、多層式C字形支持構造のための代替的な一構成96を表している。ここでも構造96は、第1の2層式支持構造102と、第2の2層式支持構造104と、これら第1の2層式構造と第2の2層式構造を接続している第3の支持構造106と、を含む。多層式C字形支持構造96はさらに、脚108、110、112及び114(脚114は図7では見えていない)を備えている。
第1の2層式支持構造102は、第1層の低炭素鋼プレート116及び第2層の低炭素鋼プレート118を備えている。これらのプレートは、留め具、リベット、接着剤、溶接及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つによって互いに結合されている。第1の2層式支持構造102はさらに、磁石アセンブリ(図7では図示せず)のための穴または凹部120を備えている。第2の2層式支持構造104は、留め具、リベット、接着剤、溶接及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つによって連結させた第1層の低炭素鋼プレート122及び第2層の低炭素鋼プレート124(図7では図示せず)を備えている。第2の2層式支持構造104はさらに、磁石アセンブリ(図7では図示せず)のための穴または凹部126を備えている。第1の2層式支持構造102と第2の2層式支持構造104は、留め具、リベット、接着剤、溶接及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つなどの組み上げ手段によって第3の支持構造106に結合されている。脚108、110、112及び114は同様の組み上げ手段によって第2の2層式支持構造の下側に結合されている。多層式支持構造96はさらに、磁場に対する調整を提供するための機構を含むことがある(これについては、以下に記載することにする)。
図8は、本技法の態様に従って開放型MRIシステム向けの多層式支持構造を製造するための例示的な方法を表している。この処理は一般に、複数のプレートを所望の形状に切断する工程(工程128に示す)で開始される。次いで、エッジや表面を準備することなどの予備的機械加工が実行される(工程130に示す)。本実施形態では次いで、プレートを貫通するように複数の貫通穿孔穴並びに複数のねじ穴が形成される(工程132に示す)。こうして準備されたプレート及び支持体に関して、積み重ね及び締結によってこれらが組み上げられる(工程134に示す)。本実施形態の1つでは次いで、これらのプレートが溶接される(工程136に示す)。これらの部材の連結のためにこうした溶接を使用する場合、熱処理を介した応力除去を実施することがある(工程138に示す)。こうした熱処理は溶接による応力を除去する役割をする。最後に、所望の最終構成を提供するために機械加工操作を実施することがある(工程140に示す)。こうした操作は、磁石アセンブリ向けの複数の穴の形成を含む穿孔操作やミリング操作を含むことがある。
図9は、開放型MRIシステムの多層式支持構造の例示的な一実施形態142の部分断面図を表している。図9に示すように、この構造は、複数のねじ穴を有する第1のプレート144と、その貫通穴と整列させた複数の貫通穿孔穴を有する第2のプレート146と、同様に複数の貫通穿孔穴を有する第3のプレート148と、を含む。この得られた構造は、以下で検討するようにボルトによって連結されることがある。
図示した機構では、第1のプレート144に対する機械加工は、表面150及び152を仕上げること、溶接のためにエッジ154を準備すること、ねじ穴156及び158を設けること、並びに締結具を受け入れるための貫通穿孔穴160を設けること、を含む。第2のプレート146に対する機械加工は、表面162及び164を仕上げること、溶接のためにエッジ166及び168を準備すること、並びに貫通穿孔穴170、172及び174を設けること、を含む。第3のプレート148に対する機械加工は、表面176及び178を仕上げること、溶接のためにエッジ180を設けること、並びに貫通穿孔穴182及び184を設けること、を含む。構造186に対する機械加工は、表面188を仕上げること、並びに少なくとも1つのねじ穴190を設けること、を含む。ねじ穴156と貫通穿孔穴170は、組み上げ中に互いに整列するように構成されている。同様に、ねじ穴158と貫通穿孔穴172及び182は組み上げ中に互いに整列するように構成されている。貫通穿孔穴160、174及び184と構造186内のねじ穴190とは、組み上げ中に互いに整列するように構成されている。
これらのプレートは、表面152が表面162と境を接し、かつ表面164が表面176と境を接するようにして組み上げられる。第1のプレート144と第2のプレート146は、貫通穿孔穴170及びねじ穴156内まで延びている少なくとも1つの締結具192を用いて結合されている。第3のプレート148は、貫通穿孔穴172及び182とねじ穴158内まで延びている少なくとも1つの締結具194を用いて第2のプレート146を介して第1のプレート144と結合されている。第1のプレート144と第2のプレート146は、エッジ154と166の間の溶接196によって示したように溶接される。同様に、第2のプレート146と第3のプレート148は、エッジ168と180の間の溶接198によって示したように溶接される。上で指摘したように、こうした溶接操作を実施する場合、その多層式支持構造142はさらに熱処理を介した応力除去を受ける。所望の構成を達成するために、磁石アセンブリ(図9では図示せず)のための少なくとも1つの穴200を準備すること、並びに表面150を仕上げることを含む最終的な機械加工が実施される。仕上げ済みの多層式支持構造142は、貫通穿孔穴160、174及び184とねじ穴190内まで延びる少なくとも1つの締結具202を用いて支持構造186に結合されている。
図10は、本技法の態様に従って開放型MRIシステム向けの多層式支持構造を製造するための別の例示的な方法を表している。図10の方法では、複数のプレートが所望の形状になるように切断される(工程204に示す)。次いでエッジ及び表面を準備するために、一連の予備的機械加工の工程が実施される(工程206に示す)。次いで、この複数のプレート内に複数の貫通穿孔穴及び複数のねじ穴が形成される(工程208に示す)。次いで、これらのプレートに接着剤が塗布される(工程210に示す)。この目的のためには、エポキシ樹脂を含む接着剤など適当な任意の接着剤が利用されることがある。次いで、これら複数のプレートは積み重ね及び締結によって組み上げられる(工程212に示す)。こうした締結は、これらのプレートに対する接着剤連結を補完するため、補助的な連結圧力を提供するため、並びに接着剤の硬化を容易にするために使用されることがある。組み上げに続いて、所望の最終構成を提供するためにこれらのプレートに対して機械加工操作を実施することがある(工程214に示す)。またここでも、こうした機械加工操作は一般に、磁石アセンブリのための少なくとも1つの穴を設けること含むことになる。
図11は、開放型MRIシステムの多層式支持構造の別の例示的な実施形態216の例示的な断面図を表している。図11の機構では、第1のプレート218には複数のねじ穴及び1つの貫通穿孔穴が設けられている。第2のプレート220は、これ以外のプレートの穴と整列した複数の貫通穿孔穴を有している。最後に、第3のプレート222は、適当な締結具を介したプレートの組み上げを容易にするために、同じくこれ以外のプレートの穴と整列した複数の貫通穿孔穴を有している。
第1のプレート218に対する機械加工は、表面224及び226を仕上げること、並びにねじ穴228及び230と貫通穿孔穴232を形成すること、を含む。第2のプレート220に対する機械加工は、表面234及び236を仕上げること、並びに貫通穿孔穴238、240及び242を形成すること、を含む。第3のプレート222に対する機械加工は、表面244及び246を仕上げること、並びに貫通穿孔穴248及び250を形成すること、を含む。構造252に対する機械加工は、表面254を仕上げること、並びにねじ穴256を形成すること、を含む。ねじ穴228と貫通穿孔穴238は組み上げ中に互いに整列するように構成されている。同様に、ねじ穴230と貫通穿孔穴240及び248は組み上げ中に互いに整列するように構成されている。貫通穿孔穴232、242及び250と構造252内のねじ穴256とは、組み上げ中に互いに整列させて構成されている。
表面226と234とに共通したエリアには適当な接着剤258の層が付与される。同様に、表面236と244とに共通したエリアには別の接着剤260の層が付与される。これらのプレートは、表面226が表面234と境を接し、かつ表面236が表面244と境を接するようにして組み上げられる。第1のプレート218と第2のプレート220は、貫通穿孔穴238及びねじ穴228内まで延びる少なくとも1つの締結具262を用いて結合されている。第3のプレート222は、貫通穿孔穴240及び248とねじ穴230内まで延びている少なくとも1つの締結具264を用いて第2のプレート220を介して第1のプレート218と結合されている。所望の構成を達成するためには、磁石アセンブリ(図11では図示せず)のための少なくとも1つの穴または凹部266を準備すること、並びに表面224を仕上げること、をさらに含む機械加工が実施される。仕上げ済みの多層式支持構造216は、貫通穿孔穴232、242及び250とねじ穴256内まで延びる図示した締結具268などの締結具によって表面224と254を接触させて支持構造252に結合されている。
図12は、最終の開放型MRIシステムの磁場のチューニングのための調整を可能にさせる構成を備えた多層式支持構造を製造するためのさらに別の例示的な方法を表している。図示した例示的な方法では、先ず複数のプレートが所望の形状になるように切断される(工程270に示す)。次いで、エッジ及び表面の準備などの予備的機械加工の工程が実施される(工程272に示す)。次いで、この複数のプレートの内部に、複数の貫通穿孔穴と複数のねじ穴が形成される(工程274に示す)。次いでこれら複数のプレートは、締結具を用いた積み重ね及び締結によって組み上げられる(工程276に示す)。この実施形態では次いで、これら複数のプレートの間の少なくとも1つのギャップが調整され、支持構造によって影響を受ける磁場がこれに応じて調整される(工程278に示す)。ギャップの調整に続いて、これらのプレートは所望により溶接によって永続的に連結されることがある(工程280に示す)。こうした溶接を実施する場合、熱処理を通じて応力除去を実施することがある(工程282に示す)。次いで、所望の最終構成を提供するために最終的な機械加工を実施することがある(工程284に示す)。ここでもやはり、こうした機械加工には一般に、磁石アセンブリのために少なくとも1つの穴または凹部を準備することが含まれる。
図13は、多層式支持構造のさらに別の例示的な実施形態286の断面図を表している。多層式支持構造286は、撮像のための均一な磁場を提供するために開放型MRIシステムによって生成された磁場に対する影響を修正または調整するように構成可能である。多層式支持構造286は、複数のねじ穴を有する第1のプレート288を備えている。第2のプレート290は1つのねじ穴及び複数の貫通穿孔穴を有している。第3のプレート292は同様に、1つのねじ穴及び複数の貫通穿孔穴を有している。
第1のプレート288に対する機械加工は、表面294及び296を仕上げること、溶接のためのエッジ298を準備すること、並びにねじ穴300及び302と切除304(図14を参照して以下で検討する)を形成すること、を含む。第2のプレート290に対する機械加工は、表面306及び308を仕上げること、溶接のためのエッジ310及び312を準備すること、並びに貫通穿孔穴314及び316、ねじ穴318と切除320(以下で検討する)を形成すること、を含む。第3のプレート292に対する機械加工は、表面322及び324を仕上げること、溶接のためのエッジ326を準備すること、並びに貫通穿孔穴328及び330とねじ穴332を形成すること、を含む。構造334に対する機械加工は、表面336を仕上げること、並びに少なくとも1つのねじ穴338を設けること、を含む。ねじ穴300と貫通穿孔穴314は組み上げ中に互いに整列するように構成されている。同様に、ねじ穴302と貫通穿孔穴316及び328は組み上げ中に互いに整列するように構成されている。貫通穿孔穴330と構造334内のねじ穴338は組み上げ中に互いに整列するように構成されている。
これらのプレートは、表面296が表面306と境を接しかつ表面308が表面322と境を接するようにして組み上げられる。第1のプレート288と第2のプレート290は、貫通穿孔穴314及びねじ穴300内まで延びる図示した締結具340などの締結具を用いて結合されている。第3のプレート292は、貫通穿孔穴316及び328とねじ穴302まで延びる締結具342などの締結具を用いて第2のプレート290を介して第1のプレート288と結合されている。第1のプレート288と第2のプレート290の間のギャップ344は、ねじ穴318内の少なくとも1つの締結具346を用いて調整される。本図において理解できるように、締結具338の下側部分は第1のプレート288の表面296と接触しており、これによりこれらの間のギャップに対する調整を可能としている。同様に、第2のプレート290と第3のプレート292の間のギャップ348は、ねじ穴332内の少なくとも1つの締結具350を用いて調整される。ここでもやはり締結具350の下側部分は第2のプレート290の表面308に接触しており、これによりこれらの間のギャップに対する調整を可能としている。
目下の実施形態では、各ギャップについて0.2mmから5mm(全体では、0.4mm〜10mm)の間の調整によって最終のMRIシステムに得られる磁場の改善が得られるものと考えられる。ある種のMRIシステムでは、所望の中心磁場を提供するために概ね1.8%だけ磁場が調整されることがある。こうした調整に続いて、第1のプレート288と第2のプレート290は、エッジ298と310の間の溶接352で示すように互いに永続性に溶接されることがある。溶接352は、多層式支持構造286の安定性を向上させるためにプレート290の周りに延びることがある。同様に、第2のプレート290と第3のプレート292は、エッジ312と326の間の溶接354によって示したように溶接される。上で言及したように、溶接354は、多層式支持構造286の安定性を向上させるためにプレート292の周りに延びることがある。次いで、多層式支持構造286は熱処理を介した応力除去を受けることがある。引き続いて、所望の構成を達成するために、磁石アセンブリのための少なくとも1つの穴または凹部356を準備することをさらに含む最終の機械加工が実施される。最後に、支持構造286の表面358などの表面に対して仕上げを実施することがある。仕上げ済みの多層式支持構造286は、この構造286の表面358が構造334の表面336と境を接するようにして、貫通穿孔穴330とねじ穴338を接続する少なくとも1つの締結具360を用いて構造334に結合されている。
図14は、図13の構造334の多層式支持構造286に対する組み付けを表している。多層式支持構造286は、切除304を有する第1のプレート288と、切除320を有する第2のプレート290と、第3のプレート292と、を含む。締結具340及び342は、上で言及したように、これらのプレートを互いに結合させるために設けられており、また締結具346及び350はこれらプレート間のギャップを調整するために設けられている。これらの切除は、締結具360を用いて表面336と358を接触させながら支持構造286を構造334に組み付けるために設けられている。
図15は、多層式支持構造のさらに別の例示的な実施形態362の断面図を表している。多層式支持構造362は、撮像のための均一な磁場を提供するように開放型MRIシステムによって生成された磁場に対する影響を修正または調整するように構成することができる。製造及び機能に関して、多層式支持構造362は、図13及び図14に図示しかつ上で説明したような多層式支持構造286と同様である。第1のプレート288は表面294及び296を仕上げること、溶接のためのエッジ298を準備すること、ねじ穴300及び302を形成すること、並びに貫通穿孔穴364を準備すること、によって機械加工される。第2のプレート290に対する機械加工は、表面306及び308を仕上げること、溶接のためのエッジ310及び312を準備すること、並びに貫通穿孔穴314、316及び366とねじ穴318を形成すること、を含む。第3のプレート292は、上述の実施形態で説明したようにして仕上げられる。多層式支持構造362は、上で説明したような多層式支持構造286と実質的に同様に仕上げられる。しかし、多層式支持構造362は、表面336と294を接触させることによって構造368に組み付けられる。次いで、構造362と368は、図示したような貫通穿孔穴330、366及び364とねじ穴338を接続する少なくとも1つの締結具370を用いて結合されている。
本明細書では本発明のある種の特徴についてのみ図示し説明してきたが、当業者によって多くの修正や変更がなされるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の域内にあるこうした修正及び変更のすべてを包含させるように意図したものであることを理解されたい。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
本技法の態様に従った開放型MRIシステムのための磁石構造の斜視図である。 図1に示したタイプの3層式の磁石支持構造の斜視図である。 図2の3層式支持構造の分解斜視図である。 本技法の態様に従った開放型MRIシステムのための磁石構造の斜視図である。 図4に示したタイプの2層式磁石支持構造の斜視図である。 本技法の態様に従ったC字形支持構造を備えた開放型MRIシステムのための磁石構造の斜視図である。 図6に示したタイプの2層式C字形支持構造の斜視図である。 本技法の態様に従った多層式支持構造を製造する例示的な一方法を表した図である。 本技法の態様に従ったボルト留め及び溶接を施した多層式支持構造の最上部の正面断面図である。 本技法の態様に従った多層式支持構造を製造する例示的な一方法を表した図である。 本技法の態様に従ってボルト留めしかつ接着剤によって結合した多層式支持構造の最上部の正面断面図である。 本技法の態様に従った多層式支持構造を製造する例示的な一方法を表した図である。 本技法の態様に従ってB0調整を提供する多層式支持構造の最上部の正面断面図である。 図13のB0調整を提供する多層式支持構造の最上部支持構造の上面図である。 本技法の態様に従ってB0調整を提供する多層式支持構造の最上部の正面断面図である。
符号の説明
10 開放型MRIシステム
12 多層式支持構造
14 第1の磁石アセンブリ
16 第2の磁石アセンブリ
18 第1の3層式支持構造
20 第2の3層式支持構造
22 第3の支持構造
24 第3の支持構造
26 脚
28 脚
30 脚
32 脚
34 第1層の低炭素鋼プレート
36 第1層の低炭素鋼プレート
38 第2層の低炭素鋼プレート
40 第3層の低炭素鋼プレート
42 穴、凹部
44 第1層の低炭素鋼プレート
46 第2層の低炭素鋼プレート
48 第3層の低炭素鋼プレート
50 第3層の低炭素鋼プレート
52 穴、凹部
54 開放型MRIシステム
56 多層式支持構造
58 第1の磁石アセンブリ
60 第2の磁石アセンブリ
62 第1の2層式支持構造
64 第2の2層式支持構造
66 第3の支持構造
68 第3の支持構造
70 脚
72 脚
74 脚
76 脚
78 第1層の低炭素鋼プレート
80 第1層の低炭素鋼プレート
82 第2層の低炭素鋼プレート
84 穴、凹部
86 第1層の低炭素鋼プレート
88 第2層の低炭素鋼プレート
90 第2層の低炭素鋼プレート
92 穴、凹部
94 開放型MRIシステム
96 多層式C字形支持構造
98 第1の磁石アセンブリ
100 第2の磁石アセンブリ
102 第1の2層式支持構造
104 第2の2層式支持構造
106 第3の支持構造
108 脚
110 脚
112 脚
114 脚
116 第1層の低炭素鋼プレート
118 第2層の低炭素鋼プレート
120 穴、凹部
122 第1層の低炭素鋼プレート
124 第2層の低炭素鋼プレート
126 穴、凹部
142 多層式支持構造
144 第1のプレート
146 第2のプレート
148 第3のプレート
150 表面
152 表面
154 エッジ
156 ねじ穴
158 ねじ穴
160 貫通穿孔穴
162 表面
164 表面
166 エッジ
168 エッジ
170 貫通穿孔穴
172 貫通穿孔穴
174 貫通穿孔穴
176 表面
178 表面
180 エッジ
182 貫通穿孔穴
184 貫通穿孔穴
186 支持構造構造
188 表面
190 ねじ穴
192 締結具
194 締結具
196 溶接
198 溶接
200 穴
202 締結具
216 多層式支持構造
218 第1のプレート
220 第2のプレート
222 第3のプレート
224 表面
226 表面
228 ねじ穴
230 ねじ穴
232 貫通穿孔穴
234 表面
236 表面
238 貫通穿孔穴
240 貫通穿孔穴
242 貫通穿孔穴
244 表面
246 表面
248 貫通穿孔穴
250 貫通穿孔穴
252 支持構造
254 表面
256 ねじ穴
258 接着剤層
260 接着剤層
262 締結具
264 締結具
266 穴、凹部
268 締結具
286 多層式支持構造
288 第1のプレート
290 第2のプレート
292 第3のプレート
294 表面
296 表面
298 エッジ
300 ねじ穴
302 ねじ穴
304 切除
306 表面
308 表面
310 エッジ
312 エッジ
314 貫通穿孔穴
316 貫通穿孔穴
318 ねじ穴
320 切除
322 表面
324 表面
326 エッジ
328 貫通穿孔穴
330 貫通穿孔穴
332 ねじ穴
334 構造
336 表面
338 ねじ穴
340 締結具
342 締結具
344 ギャップ
346 締結具
348 ギャップ
350 締結具
352 溶接
354 溶接
356 穴、凹部
358 表面
360 締結具
362 多層式支持構造
364 貫通穿孔穴
366 貫通穿孔穴
368 構造
370 締結具

Claims (10)

  1. 磁気共鳴イメージング・システム内の磁場源のための支持構造を製造する方法であって、
    第1の複数層の鋼を組み上げて第1の支持構造(18)を形成する工程と、
    第2の複数層の鋼を組み上げて第2の支持構造(20)を形成する工程と、
    から製作されたプレート及び支柱の少なくとも一方を設けて第3の支持構造(22及び24)を形成する工程と、
    前記第1の支持構造(18)が前記第3の支持構造(22及び24)を介して前記第2の支持構造(20)と関連付けされるようにして前記第1の支持構造(18)、前記第2の支持構造(20)及び前記第3の支持構造(22及び24)を組み上げる工程と、
    前記第1の支持構造(18)と前記第2の支持構造(20)の少なくとも一方の複数の層間の少なくとも1つのギャップを調整する工程と、
    を含み、
    前記第1の複数層の鋼が、その寸法が順次小さくなり、互いに平行であるように前記第1の支持構造(18)が形成され、
    前記第2の複数層の鋼が、その寸法が順次小さくなり、互いに平行であるように前記第2の支持構造(20)が形成される、
    方法。
  2. 前記第1の支持構造(18)及び前記第2の支持構造(20)の前記複数の層を機械加工する工程をさらに含む請求項に記載の方法。
  3. 前記第3の支持構造(22及び24)を機械加工する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の多層式支持構造(18)、前記第2の多層式支持構造(20)及び前記第3の支持構造(22及び24)は磁束に対して高い透磁性を有する材料から製作されている、請求項1に記載の方法
  5. 前記第1の多層式支持構造(18)は少なくとも層の低炭素鋼プレート(34、36、38及び40)を備えており、
    前記第2の多層式支持構造(20)は少なくとも層の低炭素鋼プレート(44、46、及び48)を備えており、
    前記第3の支持構造(22及び24)は複数の支柱を備えている、請求項1に記載の方法
  6. 前記第1の多層式支持構造(18)及び前記第2の多層式支持構造(20)は、磁気共鳴イメージング・システムの磁場に対する調整を提供するように構成された融通型の組み上げ機構によって一緒に組み上げられている、請求項1に記載の方法
  7. 前記第1の複数層の鋼のプレートを貫通するように複数の貫通穿孔穴並びに複数のねじ穴を形成する工程(132)と、
    前記プレートを積み重ねる工程(134)と、
    前記プレートを溶接する工程(136)と、
    溶接された前記プレートに熱処理を施して溶接による応力を除去する工程(138)と、
    磁石アセンブリ向けの複数の穴を形成する工程(140)と、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第1の複数層の鋼が第1乃至第3のプレート(144、146、148)を含み、
    前記第1の支持構造(18)を形成する工程が、
    前記第1のプレート(144)と前記第2のプレート(146)とを、前記第2のプレート(146)の第1の貫通穿孔穴(170)及び前記第1のプレート(144)の第1のねじ穴(156)内まで延びている第1の締結具(192)を用いて結合する工程と、
    前記第3のプレート(148)を、前記第2および第3のプレート(146、148)の第2の貫通穿孔穴(172及び182)と前記第1のプレート(144)の第2のねじ穴(158)内まで延びている第2の締結具(194)を用いて、前記第2のプレート(146)を介して前記第1のプレート(144)と結合する工程と、
    を含み、
    前記前記第1の支持構造(18)、前記第2の支持構造(20)及び前記第3の支持構造(22及び24)を組み上げる工程が、
    前記第1乃至第3のプレート(144、146、148)の第3の貫通穿孔穴(160、174及び184)と前記前記第3の支持構造(22及び24)のねじ穴(190)内まで延びる第3の締結具(202)を用いて前記第1の支持構造(18)を前記第3の支持構造(22及び24)に結合する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 締結具、溶接、接着剤及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを用いて、前記第1の支持構造(18)及び前記第2の支持構造(20)を前記第3の支持構造(22及び24)に組み付ける工程を含む請求項に記載の方法。
  10. 前記第1の複数層の鋼が第1乃至第3のプレート(144、146、148)を含み、
    前記第1及び第2のプレート(144、146)及び/又は前記第2及び第3のプレート(146、148)の間のギャップ(344、348)を調節する工程と、
    前記第1乃至第3のプレート(144、146、148)を互いに連結する工程と、
    を含む、請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
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