JP3676082B2 - 永久磁石磁気回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石型MRI装置のバイアス磁場発生用に用いて最適な永久磁石磁気回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石型磁気回路をバイアス磁場発生用マグネットとして用いたMRI装置は、磁場発生のための電力などのランニングコストが不要で、超電導マグネットのように液体ヘリウムの補給も必要ないため、非常に使用しやすい装置である。ただし、永久磁石型マグネットによる磁場強度は超電導マグネットほど高くできないため、相補的に使用される。
永久磁石型マグネットとしては、磁石対向型とダイポールリング型が良く知られている。ダイポールリング型は本質的に永久磁石のみにより構成されているので、磁石構成が簡素化でき、全体重量も小さくすることができる。しかし磁石対向型と比較したとき、0.2 T前後まではダイポールリング型の方が永久磁石の使用重量が多く、コスト面で不利になる。またダイポールリング型は円筒マグネット内部の空間を使用するため、磁石対向型よりも、開放性の点で劣っている。これらの点から、現在では磁石対向型の方が主に用いられている。
【0003】
MRIシステムのバイアス磁場発生に用いられる磁石対向型マグネットの概略構成を図2に示す。磁石対向型では磁場均一性を得るために、永久磁石5、6の空隙側表面に整磁板7、8と呼ばれる軟磁性ヨークが用いられている。
整磁板の一般的形状は円盤状で、外周部に環状の突起(第1シムまたはローズシム)16を有し、凹部(空隙側表面)にも必要に応じて段差を設けている。外周部の第1シムは、空隙空間における均一領域の赤道部の磁場均一性を得るため必要である。また、該整磁板のさらに空隙側表面に勾配コイル10が配置されている。該勾配コイルには矩形波状のパルス電流が印加され、空隙空間内に短時間の間、勾配磁場を発生させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
該磁石対向型マグネットは磁束の流れに関して閉磁路が形成された磁気回路であるため、空隙部を除いて外部への磁束の漏れが少なく、磁気効率の良い回路である。しかし程度の問題はあれ磁束の漏洩は生じる。該マグネットにおいて磁束の漏洩が起きやすい箇所は、上下部の平板継鉄から柱部に磁束が流れ、柱部と平板継鉄が接する近傍の磁束が集中する部分である。磁束の外部への漏洩を低減するためには、平板継鉄と柱部の厚みと断面積を充分大きく取って磁束の通り道を確保し、継鉄の磁気飽和を抑えればよい。しかしむやみに継鉄体積を増やすとMRIマグネット全体の重量が大幅に増加するため、設置重量の制約、搬送の問題やコストの点から望ましくない。
従来は磁束漏洩を低減するため、磁束集中部のみ継鉄体積を増やして、磁気回路全体重量の増加を抑制することが行なわれていた。しかし漏洩磁場強度の制限が厳しくなってきたため、継鉄体積の更なる増加が避けられなくなってきた。
以上のような背景に鑑みて、継鉄重量をこれ以上増加させることなく漏洩磁場を低減することが望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解決するため、本発明者らは、鋭意検討した結果、熱処理した継鉄を永久磁石磁気回路に用いると、残留ひずみによる継鉄の磁気特性劣化が改善され、磁束漏洩が低減されることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明は、空隙を介して一対の永久磁石が対向し、各永久磁石の空隙側表面に整磁作用を有する磁性ヨークとコイルを配置し、該磁石を継鉄で結合してなる永久磁石磁気回路において、該継鉄が 600℃以上 900℃以下で5分以上保持された後 0.5℃/分以上10℃/分以下の冷却速度で冷却したものであることを特徴とする。
以下に、これをさらに詳述する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の永久磁石磁気回路の基本構造は、図1に示すように継鉄の上下平板1、2と該平板をつなぐ柱3、4よりなり、空隙中に希土類永久磁石5、6と整磁板7、8が配置され、整磁板中に勾配コイル9、10が固着されている一般的な磁石対向型磁気回路である。図1は二本柱型であるが、柱または壁の数が一本以上の複数であってもよい。平板1、2の柱と接する端部付近に付加鉄板11、12、13、14が設置されている。
永久磁石5、6より発生した磁束Bは平板1、2を通って、柱3、4に分配され集中する。したがって平板の柱と接する近傍は磁束が集中し、漏洩が起きやすいため付加鉄板11、12、13、14を設置して継鉄断面積を確保し、磁束集中の度合いを緩和している。付加鉄板は必ずしも図1のような単純な形状である必要はなく、厚みが変化しているものや、より三次元的な複雑形状をしたものも磁気回路の飽和の分布により用いられる。
【0007】
本発明においては、継鉄を熱処理して製造時や加工時に生じた残留ひずみによる継鉄の磁気特性劣化、とりわけ保磁力と透磁率を改善することが重要である。この場合の熱処理は継鉄の歪みを取り除き高い軟磁気特性を得るために有効であり、熱処理により継鉄の軟磁気特性が大きく改善されることは図3(a)に示す継鉄(SS400) の熱処理前および図3(b)に示す熱処理後のヒステリシス曲線に示すところからも明らかである。熱処理により、軟磁性特性が向上し、磁束集中しても透磁率の大幅な低下が起きないので、磁束漏洩が低減できる。
【0008】
熱処理は継鉄全体に施すことが望ましいが、処理体積・重量が多くなるので、磁束の集中する近傍の継鉄部分のみを熱処理してもよい。図3(b)は図1の平板1、2の四つの端部、付加鉄板11、12、13、14と柱3、4を熱処理した場合の同組成サンプルのヒステリシス曲線を示したものである。ただし平板1、2の端部のみ部分的に熱処理することは簡単ではないため、付加鉄板11、12、13、14と柱3、4のみでもよい。この場合付加鉄板の厚みと平板の厚み比率を、漏洩磁場の仕様に合わせ最適化する必要がある。例えば、付加鉄板の厚みを平板の総厚みの30〜70%とすればよい。
熱処理を施す必要があるか否かは継鉄中の磁束密度で判断すればよく、概ね継鉄中の磁束密度が 10,000 G以上の部分に熱処理を行なうことが望ましい。継鉄中の磁束密度分布を測定することは簡単ではないが、有限要素法(FEM) のような数値的電磁界解析法により継鉄中の磁束密度を見積もればよい。数値計算の結果は実測値とよく対応することが知られている。付加鉄板11、12、13、14の形状もFEM 等で最適化することができる。
【0009】
継鉄の熱処理は、 600℃以上 900℃以下の温度範囲で5分以上保持し、その後炉中で冷却する。熱処理が 600℃未満の温度では磁気特性の改善度合いが低下し、 900℃を超えると継鉄の酸化や変形が増加して好ましくない。
望ましくは、鉄のキュリー温度を挟んだ 700℃から 800℃の温度範囲で、継鉄が当該温度に達してから1時間程度保持した後、平均的に 0.5℃/分以上でかつ10℃/分以下の速度で冷却することが望ましい。 0.5℃/分未満では熱処理に時間がかかりすぎ、10℃/分を超えると磁気特性の改善度合いが低下する。より望ましくは1℃/分から5℃/分の冷却速度である。また保持時間は5分未満では継鉄部材の温度が一定にならず、1時間を超えると熱処理時間が長くなる問題がある。
【0010】
継鉄は純鉄もしくは低炭素鋼(SS400 、S10Cなど)でよく、熱処理で加工歪みなどが取り除かれることにより軟磁気特性に改善が見られる。熱処理後の継鉄の炭素含有量は 0.8%以下 0.01 %以上が好ましい。 0.8%を超えると飽和磁化が低下し、保磁力が増加し、透磁率も悪くなる。炭素量は少ないほど望ましいが、 0.01 %未満にすることはコストがかかりすぎる。
【0011】
【実施例】
次に、本発明の実施例を挙げる。
(実施例)
図1に示す磁石対向型永久磁石磁気回路において、空隙距離50cmで中心磁場2000G、空隙中心を均一磁場空間15中の中心としてφ40cmの中で 40ppmの磁場均一度を実現した。
なお、継鉄1、2、3、4、11、12、13、14はSS400 を用い、継鉄中の磁束密度は FEMによれば 10,000G以上であった。該継鉄のうち付加鉄板11、12、13、14(厚み8cm)は、 750℃で1時間保持した後、平均5℃/分の速度で冷却したもの(炭素量 0.4%)を用いて該磁気回路を組み上げた。該付加鉄板の厚みは上下平板1、2の総厚みの40%に相当する。永久磁石5、6は NdFeB系磁石(信越化学工業社製、製品名 N42)、整磁板7、8のベースと第1シムにSS400 を、勾配コイル9、10に接する部分にはソフト磁性材料(3%Si珪素鋼板の 0.3mm厚みの積層板)を用いた。
空隙中心から上方向に2mのところで漏洩磁場を測定したところ、4.5 Gであった。
【0012】
(比較例)
実施例と同寸法の付加鉄板を、熱処理せず加工したままで用いた以外は、実施例と同一の磁気回路を用いて同様に測定を行なった。同じ位置での漏洩磁場は 6.1Gであった。以上から、継鉄の熱処理が漏洩磁場の減少に有効であることがわかる。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、永久磁石磁気回路において継鉄体積を増加させることなく漏洩磁場を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁石対向型永久磁石磁気回路の縦断面概略図である。
【図2】磁石対向型永久磁石磁気回路の斜視概略図である。
【図3】(a)は SS400の熱処理前のヒステリシス曲線の一例を示すグラフである。
(b)は(a)の熱処理後の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1、2‥‥‥‥‥‥ 継鉄平板
3、4‥‥‥‥‥‥ 継鉄柱
7、8 ‥‥‥‥‥ 整磁板
5、6 ‥‥‥‥‥ 希土類永久磁石
9、10 ‥‥‥‥‥ 勾配コイル
11、12、13、14‥‥ 継鉄付加鉄板
15‥‥‥‥‥‥‥‥ 均一磁場空間
16‥‥‥‥‥‥‥‥ 環状突起

Claims (3)

  1. 空隙を介して一対の永久磁石が対向し、各永久磁石の空隙側表面に整磁作用を有する磁性ヨークとコイルを配置し、該磁石を継鉄で結合してなる永久磁石磁気回路において、該継鉄が 600℃以上 900℃以下で5分以上保持された後 0.5℃/分以上10℃/分以下の冷却速度で冷却したものであることを特徴とする永久磁石磁気回路。
  2. 主に継鉄中の磁束密度が 10,000 G以上の部分が該条件で熱処理される請求項1記載の永久磁石磁気回路。
  3. 該継鉄中の炭素含有量が 0.8%以下 0.01 %以上である請求項1記載の永久磁石磁気回路。
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