JP4959484B2 - 中継接続ユニット - Google Patents
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Description
前記NMメッセージは、データメッセージとフォーマットが同一である可能性がある。このようなシステムの場合、中継接続ユニットはデータメッセージ、NMメッセージの区別なくこれらのメッセージを受信している。図7は従来の中継接続ユニット1の構成図であり、中継接続ユニット1はバス2A,2Bと接続している。CANコントローラ3がバス2からメッセージを受信すると、バッファ4に受信した全てのメッセージを格納する。バッファ4と接続された管理部5は、各メッセージに固有の識別子(ID)から、バッファ4に格納されたメッセージの種類を判定している。さらに、管理部5は、バッファ4のメッセージがNMメッセージである場合にはバッファ4からネットワークマネジメント処理部6にNMメッセージを送信し、データメッセージである場合にはバッファから中継処理部7にデータメッセージを送信し、各処理部はバッファ4から受信した各メッセージを用いて所定の処理を行っている。
一方で、ネットワークマネジメントシステムは、車載用通信システムに接続されたECUや中継接続ユニット間でNMメッセージを送受信することでエラー判定や動作状態の検知を行っており、NMメッセージを受信した中継接続ユニットは、所定時間内に応答用のNMメッセージをバスに送信する必要がある。
しかし、中継接続ユニットが、上記のようにバッファに処理待ちの多量のデータメッセージが格納された状態でNMメッセージを受信すると、管理部及びネットワークマネジメント処理部でのNMメッセージの処理に遅延が生じ、中継接続ユニットが所定時間内に応答用のNMメッセージをバスに送信することができないという問題がある。
前記電子制御ユニットからのメッセージを受信する受信部と、
前記電子制御ユニットにメッセージを送信する送信部と、
前記受信部で受信したメッセージを前記送信部から送信する中継処理部と、
ネットワークマネジメントメッセージ(NMメッセージ)を前記電子制御ユニットと送受信して各電子制御ユニットのネットワークマネジメント機能を実行するネットワークマネジメント処理部と、
前記ネットワークマネジメント処理部と接続されると共にバッファを介して前記中継処理部と接続され、前記バスから前記電子制御ユニットからのメッセージを受信して、該メッセージがデータメッセージか前記NMメッセージかを判別し、前記NMメッセージは前記バッファを介さずに前記ネットワークマネジメント処理部に送信し、前記データメッセージはバッファに送信する判別部と、
を備えていることを特徴とする中継接続ユニットを提供している。
中継接続ユニットが中継すべき多量のデータメッセージをバッファに格納している状態でNMメッセージを受信した場合に、従来技術ではNMメッセージもバッファに格納されていたためにデータメッセージの処理の後でNMメッセージが処理されるケースが想定され、NMメッセージの処理に遅延が発生する可能性がある。しかし、本発明では判別部において即座にメッセージの種類を判定して各処理部に送信するため、NMメッセージの処理の遅延が発生することがなく、ネットワーク協調制御などのネットワークマネジメント機能を確実に実行することができる。
少なくとも前記NMメッセージのIDを記憶する識別子記憶部と、前記判別部と、前記受信部と、前記送信部と、を有するコントローラを備え、
前記判別部は、受信するメッセージのIDと前記識別子記憶部に記憶されたIDとを比較して前記メッセージがデータメッセージか前記NMメッセージかを判別している。
前記識別子記憶部はダイアグメッセージのIDを記憶しており、
前記判別部は、前記ダイアグメッセージであることを判別すると、前記ダイアグメッセージを前記バッファを介さずに前記ダイアグ処理部に送信してもよい。
受信部において、NMメッセージだけでなくダイアグメッセージもIDから判別し、ダイアグメッセージを直接ダイアグ処理部に送信することで、ダイアグメッセージの処理の遅延が発生することを防ぐことができる。
前記判別部は、前記受信するメッセージのIDが前記識別子記憶部に記載されていない場合には、該メッセージを前記データメッセージであると判断して前記中継判別部に送信し、
前記中継判別部は、前記データメッセージのIDから前記データメッセージの中継または廃棄を判別し、中継の場合には前記データメッセージを前記バッファに送信し、廃棄の場合には前記データメッセージを廃棄することが好ましい。
前記判別部は、受信するメッセージが前記中継が必要なデータメッセージであると判別した場合は該データメッセージを前記バッファに送信し、廃棄するデータメッセージであると判別した場合には、該データメッセージを廃棄してもよい。
図1乃至図4に本発明の第1実施形態を示す。
本発明の車載用の中継接続ユニット10は、電子制御ユニット(ECU)30を夫々接続しているバス31間に介在させてネットワークを形成し、異なるバス31に属する前記ECU3030間で送受信するデータメッセージを中継するものである。
本実施形態では、中継接続ユニット10を2本のバス31A、31Bの間に介在させてネットワークを形成すると共に、2本のバス31A、31Bに夫々2つのECU30A,30Bを接続している。通信プロトコルはCAN(Controller Area Network)である。
CANコントローラ20によって送受信されるメッセージは、データメッセージ、ダイアグメッセージ、NMメッセージの3つである。データメッセージは、異なるバス31に接続されたECU30間で送受信されるものであり、中継接続ユニット10が中継し、ECU30に接続された車載機器の制御等に用いるメッセージである。ダイアグメッセージはダイアグ処理部11で使用されるメッセージであり、NMメッセージはネットワークマネジメント処理部14で使用されるメッセージである。
送受信バッファ21はバス31と接続しており、バス31から受信したメッセージを一時的に記憶している。データメッセージ、ダイアグメッセージ、NMメッセージのメッセージフレームは同じ構成をしており、送受信バッファ21はこれらのメッセージを区別せず送受信している。
なお、テーブルにデータメッセージのIDを記載していてもよい。この場合、後述するID判別部22はテーブルを用いて、受信したメッセージのIDがデータメッセージであることを判別する。
ネットワークマネジメント処理部14は、バス31に接続された他のECU30とNMメッセージを送受信することで、ネットワーク協調制御やエラー判定を行い、車載用通信システムの通信の安全性と信頼性を確保している。
中継処理部12はバッファ13と接続しており、バッファ13に記憶されたデータメッセージの中継処理を行っている。中継処理部12には、データメッセージのID毎に中継先を示したルーティングテーブル(図示せず)を備えている。中継処理部12はバッファ13に格納されたデータメッセージのうち先に格納されたものから順に読み出し、データメッセージのIDからルーティングテーブルを参照して中継先を判断し、バッファ13に送信する。
ステップS1では、CANコントローラ20Aがメッセージを受信し、送受信バッファ21にメッセージが記憶される。
ステップS2では、ID判別部22は送受信バッファ21からメッセージを読み出すと共に識別子記憶部23からテーブルを読み出し、テーブルを参照してメッセージのIDからメッセージの種類を判別している。メッセージがNMメッセージである場合はステップS3に、ダイアグメッセージである場合はステップS5に進む。またテーブルにメッセージIDが記載されていない場合は、データメッセージであると判断してステップS7に進む。
ステップS4では、ネットワークマネジメント処理部14では、該NMメッセージを用いてECU30の状態遷移などの処理を行っている。
ステップS5では、ID判別部22はダイアグメッセージをダイアグ処理部11に送信している。
ステップS6では、ダイアグ処理部11は、ダイアグメッセージを用いて故障診断等の処理を行っている。
ステップS8では、中継判別部15は、データメッセージのIDから中継テーブルを参照して、データメッセージについて他のECU30に中継が必要であるか否かを判断している。中継が必要である場合にはステップS9に進む。中継が必要でない場合には、ステップS11に進む。
ステップS9では、データメッセージをバッファ13に記憶している。
ステップS10では、中継処理部12はバッファ13からデータメッセージを読み出し、ルーティングテーブルを参照して、該データメッセージの中継先を判断している。
ステップS11では、中継判別部15は、該データメッセージをバス31に中継不要と判断したので、データメッセージを廃棄している。
第2実施形態では中継判別部15を設けておらず、CANコントローラ20はバッファ13と接続している。CANコントローラ20のID判別部22においてデータメッセージの中継を行うか否かを判断している。
CANコントローラ20の識別子記憶部23には、例えば図6に示すテーブルを備えている。該テーブルは、中継接続ユニット10が受信するメッセージのID毎に、メッセージがダイアグメッセージ、NMメッセージ及びデータメッセージのいずれであるかを記載している。また、データメッセージであるが中継処理部12が中継を行わないメッセージである場合には、廃棄することが記載されている。
なお、他の構成および作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
11 ダイアグ処理部
12 中継処理部
13 バッファ
14 ネットワークマネジメント処理部
15 中継判別部
20(20A,20B) CANコントローラ
21 送受信バッファ
22 ID判別部
23 識別子記憶部
30 電子制御ユニット(ECU)
31(31A、31B) バス
Claims (5)
- 電子制御ユニットが夫々接続している複数のバスの間に介在させ、異なるバスに属する前記電子制御ユニットとメッセージを中継する車載用の中継接続ユニットであって、
前記電子制御ユニットからのメッセージを受信する受信部と、
前記電子制御ユニットにメッセージを送信する送信部と、
前記受信部で受信したメッセージを前記送信部から送信する中継処理部と、
ネットワークマネジメントメッセージ(NMメッセージ)を前記電子制御ユニットと送受信して各電子制御ユニットのネットワークマネジメント機能を実行するネットワークマネジメント処理部と、
前記ネットワークマネジメント処理部と接続されると共にバッファを介して前記中継処理部と接続され、前記バスから前記電子制御ユニットからのメッセージを受信して、該メッセージがデータメッセージか前記NMメッセージかを判別し、前記NMメッセージは前記バッファを介さずに前記ネットワークマネジメント処理部に送信し、前記データメッセージはバッファに送信する判別部と、
を備えていることを特徴とする中継接続ユニット。 - 少なくとも前記NMメッセージのIDを記憶する識別子記憶部と、前記判別部と、前記受信部と、前記送信部と、を有するコントローラを備え、
前記判別部は、受信するメッセージのIDと前記識別子記憶部に記憶されたIDとを比較して前記メッセージがデータメッセージか前記NMメッセージかを判別する請求項1に記載の中継接続ユニット。 - 故障検知用のダイアグメッセージを受信するダイアグ処理部を備え、
前記識別子記憶部はダイアグメッセージのIDを記憶しており、
前記判別部は、前記ダイアグメッセージであることを判別すると、前記ダイアグメッセージを前記バッファを介さずに前記ダイアグ処理部に送信する請求項1または請求項2に記載の中継接続ユニット。 - 前記判別部と前記バッファの間に中継判別部を介在させ、
前記判別部は、前記受信するメッセージのIDが前記識別子記憶部に記載されていない場合には、該メッセージを前記データメッセージであると判断して前記中継判別部に送信し、
前記中継判別部は、前記データメッセージのIDから前記データメッセージの中継または廃棄を判別し、中継の場合には前記データメッセージを前記バッファに送信し、廃棄の場合には前記データメッセージを廃棄する請求項2または請求項3に記載の中継接続ユニット。 - 前記識別子記憶部に、中継が必要なデータメッセージのID及び廃棄するデータメッセージのIDを記憶しており、
前記判別部は、受信するメッセージが前記中継が必要なデータメッセージであると判別した場合は該データメッセージを前記バッファに送信し、廃棄するデータメッセージであると判別した場合には、該データメッセージを廃棄している請求項2または請求項3に記載の中継接続ユニット。
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