JP4958155B2 - シフトアクチュエータ、車両、および車両の組立方法 - Google Patents

シフトアクチュエータ、車両、および車両の組立方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4958155B2
JP4958155B2 JP2006331460A JP2006331460A JP4958155B2 JP 4958155 B2 JP4958155 B2 JP 4958155B2 JP 2006331460 A JP2006331460 A JP 2006331460A JP 2006331460 A JP2006331460 A JP 2006331460A JP 4958155 B2 JP4958155 B2 JP 4958155B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift
drive shaft
housing
hole
lever
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006331460A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007309511A (ja
Inventor
誠 小杉
利正 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP2006331460A priority Critical patent/JP4958155B2/ja
Publication of JP2007309511A publication Critical patent/JP2007309511A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4958155B2 publication Critical patent/JP4958155B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gear-Shifting Mechanisms (AREA)

Description

本発明は、シフトアクチュエータ、車両、および車両の組立方法に関するものである。
車両の一例として自動二輪車が知られている。通常、自動二輪車は変速装置を備え、エンジンのクランク軸の回転が変速装置により変速されて駆動輪に伝達される。この変速装置は、メイン軸とドライブ軸と複数段の変速ギアとを有するシフト機構と、変速ギアの切換時に回転伝達を断続させるクラッチ機構とを備えている。また、クラッチ機構の作動や変速装置の変速ギアの切換を自動的に行うためのオートメイティッドマニュアルトランスミッション機構(AMT機構)を備えた自動二輪車も知られている(例えば、特許文献1参照)。
上述したようなAMT機構を備えた自動二輪車は、シフト機構を駆動するシフトアクチュエータと、このシフトアクチュエータとシフト機構とを連結し、シフトアクチュエータの駆動力をシフト機構に伝達するためのシフト動力伝達機構とを備えている。このシフトアクチュエータは、駆動源としてのモータを備えるとともに、このモータの回転角度を検出するシフトポテンショメータを備えており、このシフトポテンショメータの検出結果に基づいて、シフト機構の変速位置を取得するように構成されている。
特開2006−017221号公報
ところで、シフト機構は、基準位置(中立位置)から正転方向および逆転方向の両方向に回転可能に構成されている。そして、基準位置から回転することで、変速ギアを変更可能に構成されている。そのため、上述したAMT機構では、工場での生産時や整備時等に、上記基準位置を合わせるためにシフトアクチュエータのキャリブレーションが行われる。具体的には、シフトポテンショメータを、その電圧値が基準値となる位置に設置するとともに、シフト動力伝達機構を上記基準位置に配置させる。
しかしながら、従来のシフトアクチュエータのキャリブレーションでは、ポテンショメータの電圧値を確認しながら、シフト動力伝達機構の位置をオペレータの手動により調整していたため、作業が煩雑であった。そのため、車両の組立性や整備性が低かった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、シフトアクチュエータのキャリブレーションを行う際の利便性を向上させて、車両の組立性や整備性を向上させることを目的とする。
本発明に係る車両の組立方法は、複数段の変速ギアを含むシフト機構と、駆動軸と、前記駆動軸を回転可能に支持するハウジングと、前記ハウジングに支持され、前記駆動軸の回転位置を検出する位置センサとを有し、前記シフト機構を駆動するシフトアクチュエータと、前記シフト機構と前記シフトアクチュエータとを連結し、長さ調整が可能なシフト動力伝達機構と、を備えた車両の組立方法であって、前記駆動軸を前記ハウジングに対して回転不能に仮固定する工程(第1工程)と、前記駆動軸が前記ハウジングに対して回転不能な状態で、前記位置センサを前記ハウジングに取り付け、前記位置センサのキャリブレーションを行う工程(第2工程)と、前記駆動軸が前記ハウジングに対して回転不能な状態で、前記シフト動力伝達機構の長さを調整する工程(第3工程)とを含むものである。
なお、第2工程と第3工程との順序は何ら限定されない。第2工程の後に第3工程を行ってもよく、逆に、第3工程の後に第2工程を行ってもよい。
また、本発明に係る車両は、複数段の変速ギアを含むシフト機構と、駆動軸と、前記駆動軸を回転可能に支持するハウジングと、前記ハウジングに支持され、前記駆動軸の回転位置を検出する位置センサとを有し、前記シフト機構を駆動するシフトアクチュエータと、前記シフト機構と前記シフトアクチュエータとを連結し、長さ調整が可能なシフト動力伝達機構と、を備え、前記ハウジングには、前記駆動軸を前記ハウジングに対して回転不能に仮固定する固定部材を支持する第1支持部が形成されているものである。
さらに、本発明に係るシフトアクチュエータは、駆動軸と、前記駆動軸を回転可能に支持するハウジングと、前記ハウジングに支持され、前記駆動軸の回転位置を検出する位置センサとを備え、複数の変速ギアを含むシフト機構を駆動するシフトアクチュエータであって、前記ハウジングには、前記駆動軸を前記ハウジングに対して回転不能に仮固定する固定部材を支持する第1支持部が形成されているものである。
上記車両の組立方法、車両およびシフトアクチュエータによれば、駆動軸を仮固定した状態で位置センサをハウジングに取り付けることができるため、位置センサの位置調整を容易に行うことができる。また、シフト動力伝達機構とは別に、シフトアクチュエータ単体で、位置センサの位置調整を行うことができる。そのため、組立性を向上させることができる。さらに、駆動軸を仮固定した状態でシフト動力伝達機構の長さを調整することができるので、センサの出力値を見ながら調整する従来技術と比較して、調整作業を簡素化することができる。加えて、シフト動力伝達機構の長さの調整を、位置センサの取付位置の調整と独立して行うことができるため、組立性や整備性を向上させることができる。
本発明によれば、シフトアクチュエータのキャリブレーションを行う際の利便性を向上させることができ、車両の組立性や整備性を向上させることができる。
本願発明者は、AMT機構を詳細に分析し、シフト機構の基準位置を調整する作業が煩雑であることの要因が、以下の2点であることを見出した。一つは、調整すべき部位が、位置センサとシフト動力伝達機構との2箇所に存在することである。もう一つは、この2つの調整可能な部位が、いずれも駆動軸に直接または間接的に接続されていることである。そして、これら2点の要因から、シフトアクチュエータのキャリブレーションを容易にする方法について鋭意研究を行った結果、駆動軸をハウジングに対して回転不能に仮固定すれば、この仮固定された駆動軸の位置を基準として、上述した2つの部位の調整を、容易且つ別個独立に行うことができることを見出した。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る自動二輪車1を示す側面図である。図1に示すように、実施形態に係る自動二輪車1は、ヘッドパイプ3と車体フレーム2とを備えている。車体フレーム2は、ヘッドパイプ3から後方に延びるメインフレーム4と、このメインフレーム4の後部から下方に延びるリヤアームブラケット5とを少なくとも含んでいる。メインフレーム4は、ヘッドパイプ3から左右後方に延びる2本のフレーム部4a(図1では、1本のみを示している)を有し、このフレーム部4aの後部は、下方に延びてリヤアームブラケット5と接続されている。
ヘッドパイプ3にはフロントフォーク10が枢支されている。フロントフォーク10の上端には、操向ハンドル11が設けられ、下端には前輪12が設けられている。メインフレーム4の上部には燃料タンク13が配置され、燃料タンク13の後方にはシート14が配置されている。シート14は、シートレール6の上に載置されている。
メインフレーム4とリヤアームブラケット5とには、エンジン20が懸架されている。このエンジン20は、メインフレーム4のエンジン取付部4cとフレーム部4aとに支持されるとともに、リヤアームブラケット5のエンジン取付部(図示せず)に支持されている。なお、エンジン20はガソリンエンジン等の内燃機関に限定されず、モータエンジン等であってもよい。また、上記エンジンは、ガソリンエンジンとモータエンジンとを組み合わせたものであってもよい。
リヤアームブラケット5には、リヤアーム21の前端部がピボット軸22を介して上下揺動可能に支持されている。リヤアーム21の後端部には後輪23が支持されている。リヤアーム21は、リンク機構24とリヤクッションユニット25とを介して車体フレーム2に支持されている。リンク機構24は、車体側リンク24aとリヤアーム側リンク24bとを有する。車体側リンク24aの一端部は、リヤアームブラケット5のリンク取付部5fに回動可能に連結されている。リヤアーム側リンク24bの一端部は、リヤアーム21のリンク取付部21aに回動可能に連結されている。そして、この車体側リンク24aの中央部と、リヤアーム側リンク24bの他端部とが、回動可能に連結されている。リヤクッションユニット25の下部は車体側リンク24aの他端部に支持され、上部はクッション取付部5gに支持されている。リヤクッションユニット25は、リヤアームブラケット5の後方に配置されている。
また、車体フレーム2にはカウリング27が配設されている。このカウリング27は、操向ハンドル11の前方を覆う上部カウリング27aと、メインフレーム4の前方および左右側方およびエンジン20の左右下方を覆う下部カウリング27bとから構成されている。なお、上部カウリング27aは、車体フレーム2に図示しないステーを介して支持されており、この上部カウリング27aによって、車体前部の前面と左右方向の両側面とが形成されている。また、上部カウリング27aには、車体前側の上部に位置する透明材からなるスクリーン28や、ヘッドランプ29等が取り付けられている。バックステー7には、シート14の左右側方および後輪23の上方を覆うためのサイドカバー30が配設されている。
本発明においてエンジンの種類は何ら限定されないが、本実施形態では、エンジン20は水冷式4サイクル並列4気筒型のものである。エンジン20は、気筒軸(図示せず)が車体前方に向かって水平線から少し傾斜した状態に配置され、クランク軸31を収容するクランクケース32が車幅方向の両側で車体フレーム2に懸架支持されている。
また、エンジン20には、変速装置40が設けられている。この変速装置40は、クランク軸31と平行に配設されたメイン軸41と、メイン軸41と平行に配設されたドライブ軸42と、複数段の変速ギア49とを含むシフト機構43を有し、クランクケース32に一体に組み付けられている。クラッチ機構44は、変速ギア49の切換時に回転伝達を断続させる。
ドライブ軸42には駆動スプロケット48aが設けられ、この駆動スプロケット48aと後輪23に設けられたドリブンスプロケット48bとにチェーン47が巻き掛けられている。これによりエンジン動力がチェーン47を介して後輪23に伝達される。
次に、自動二輪車1が備える自動変速制御装置50について説明する。図2〜図6は、自動変速制御装置50の各構成部材の取付状態を示す図である。図2に示すように、自動変速制御装置50は、クラッチ機構44の断続や変速装置40の変速ギアの切換を自動的に行うものであり、クラッチ機構44を駆動するクラッチアクチュエータ60と、変速装置40の変速ギアの切換を行うシフトアクチュエータ70と、クラッチアクチュエータ60およびシフトアクチュエータ70の駆動制御を行うエンジン制御装置95(図2では図示せず。図8参照)とを含んで構成されている。
図3に示すように、クラッチアクチュエータ60は、種々の構成要素が取付プレート61に取り付けられて一体化されたクラッチ操作ユニット63に形成されている。取付プレート61には、係合孔部62(図4および図5参照)が固定されている。図4に示すように、このクラッチ操作ユニット63は、係合孔部62をエンジン20の後部に固定した突起部20aに係合させ、取付プレート61の取付部61aをリヤアームブラケット5のメンバー部5dにボルト等の締付具64で締付固定することによって取り付けられる。このように、クラッチ操作ユニット63の配置位置は、側面視においてエンジン20の後方でリヤアームブラケット5に囲まれた位置である(図1参照)。
図2および図6に示すように、シフトアクチュエータ70は、シフト位置検出装置S2(図6参照)と共に一体化され、それらはシフト操作ユニット72として構成されている。図2に示すように、バックステー7には取付ブラケット73が固定されている。シフト操作ユニット72は、シフトアクチュエータ70を取付ブラケット73にボルト等の締付具74で締付固定されることによって取り付けられる。このように、シフト操作ユニット72の配置位置は、側面視においてメインフレーム4を挟んで変速装置40と反対側の位置であり、シフトアクチュエータ70はメインフレーム4の後方に位置している。
シフト機構43とシフトアクチュエータ70とは、シフト動力伝達機構によって連結されており、本実施形態では、シフト動力伝達機構はシフトロッド75で構成されている。このシフトロッド75は、側面視において車体フレーム2を横切っている。
次に、クラッチ機構44の詳細な構成を説明する。図7は、エンジン20の内部構成を示す断面図である。
本実施形態に係るクラッチ機構44は、例えば、多板摩擦クラッチであり、クラッチハウジング443と、このクラッチハウジング443に一体的に設けられた複数のフリクションプレート445と、クラッチボス447と、クラッチボス447に一体的に設けられた複数のクラッチプレート449とを備えている。エンジン20のクランク軸31には、ギア310が一体的に支持されており、メイン軸41には、メイン軸41に対して回転自在であってギア310と噛み合うギア441が支持されている。クラッチハウジング443は、ギア441に一体的に設けられ、クラッチハウジング443には、ギア441を介してクランク軸31からトルクが伝達される。クラッチボス447には、複数のフリクションプレート445と複数のクラッチプレート449との間に生じる摩擦力によって、クラッチハウジング443からトルクが伝達される。
ギア441は、メイン軸41の一端部側(図7の右側)でメイン軸41に回動自在に支持されている。クラッチハウジング443は、ギア441のボス部に一体的に設けられることによって、メイン軸41の軸方向への移動を規制されつつ、メイン軸41に対して回転自在である。また、クラッチボス447は、メイン軸41の一端部側(ギア441よりも更に端部側)で、メイン軸41に一体的に設けられている。
クラッチボス447は、筒状のクラッチハウジング443の内側に設けられている。ギア441とクラッチハウジング443とクラッチボス447とメイン軸41との回転中心は一致し、同心上に存在する。
ギア441のボス部には、円筒状の係合突出部441Aが設けられている。筒状のクラッチハウジング443の一端部側(図7の左側)には、係合突出部441Aに係合する係合孔443Aが形成された係合部443Bが設けられている。この係合突出部441Aが係合孔443Aに嵌り込むことによって、クラッチハウジング443がギア441に固定されている。
各フリクションプレート445は、リング状の薄板であり、各フリクションプレート445の板面がメイン軸41の軸方向に対してほぼ直角になるように、各フリクションプレート445の外周縁がクラッチハウジング443の筒状部の内周側に支持されている。この支持により、各フリクションプレート445は、クラッチハウジング443に対して、メイン軸41の軸方向へ相対的に僅かに移動自在になっており、また、クラッチハウジング443に対して、メイン軸41の回転方向へは相対的に回転できないように規制されている。
なお、各フリクションプレート445の上記各板面の間には、所定の間隔(クラッチプレート449の厚さより僅かに大きい距離)があけられている。
クラッチボス447は筒状であり、クラッチボス447の一端部側(図7の左側)には、外径がクラッチプレート449の外径とほぼ等しい円形のフランジ部447Aが設けられている。クラッチボス447の筒状になっている部分の外周には、複数のクラッチプレート449が支持されている。この支持により、各クラッチプレート449は、クラッチボス447に対して、メイン軸41の軸方向へ相対的に僅かに移動自在になっており、また、クラッチボス447に対して、メイン軸41の回転方向へは相対的に回転できないように規制されている。
また、クラッチボス447は、フランジ部447Aがクラッチハウジング443の係合部443Bに位置するように、メイン軸41の一端部側(図7の右側)に固定されている。
各クラッチプレート449は、リング状の薄板であり、各クラッチプレート449の板面がメイン軸41の軸方向に対してほぼ直角になるように、各クラッチプレート449の内周縁がクラッチボス447の筒状部の外周側に支持されている。
また、各クラッチプレート449の上記各板面の間には、所定の間隔(フリクションプレート445の厚さよりも僅かに大きい距離)があけられている。
各クラッチプレート449の外径は、クラッチハウジング443の筒状部の内径よりもやや小さく、各フリクションプレート445の内径は、クラッチボス447の筒状部の外径よりもやや大きくなっている。そして、フリクションプレート445と、クラッチプレート449とは、メイン軸41の軸方向に交互に配置され、フリクションプレート445とクラッチプレート449との間には、それぞれメイン軸41の軸方向に僅かな隙間が形成されている。
交互に配置されたフリクションプレート445とクラッチプレート449とにおけるメイン軸41の軸方向の外側であって、クラッチハウジング443の係合部443Bの側(図7の左側)には、クラッチボス447のフランジ部447Aで構成された押圧部447Bが存在する。この押圧部447Bは、プレッシャプレート451と共に、フリクションプレート445とクラッチプレート449とをメイン軸41の軸方向に挟み込み、各フリクションプレート445と各クラッチプレート449との間に摩擦力を発生させるものである。
筒状のクラッチボス447の内側には、このクラッチボス447と一体的に設けられ、メイン軸41の軸方向に延伸する円筒状の複数のガイド部447Cが配置されている。プレッシャプレート451は、ガイド部447Cのそれぞれと係合している複数のガイド部451Aを備える。プレッシャプレート451は、ガイド部447Cとガイド部451Aとによって、クラッチボス447に対してメイン軸41の軸方向に相対的に移動自在に設けられ、しかも、クラッチボス447と同時に回転するようになっている。なお、プレッシャプレート451は、クラッチアクチュエータ60によって駆動されるようになっている。クラッチアクチュエータ60については後に図面を用いて詳述する。
また、プレッシャプレート451は、平面状の押圧部451Bを有している。この押圧部451Bは、各フリクションプレート445および各クラッチプレート449の板面とほぼ平行である。
クラッチ機構44には、筒状の複数のガイド部447Cのそれぞれを囲むように、複数のばね450が設けられている。各ばね450は、プレッシャプレート451を図7の左側に向かって付勢している。すなわち、各ばね450は、プレッシャプレート451の押圧部451Bがクラッチボス447の押圧部447Bに近づく方向に、プレッシャプレート451を付勢している。
プレッシャプレート451は、このプレッシャプレート451の中心部において、例えば、深溝玉軸受457等の軸受を介してプッシュロッド455の一端部側(図7の右側)と係合しており、プッシュロッド455に対して回転自在になっている。プッシュロッド455の他端部側(図7の左側)は、筒状のメイン軸41の一端部の内側に係合している。筒状のメイン軸41の内側には、プッシュロッド455の他端部(左端部)に隣接した球状のボール459が設けられ、さらに、このボール459の左側には、ボール459に隣接したプッシュロッド461が設けられている。
プッシュロッド461の一端部(左端部)461Aは、筒状のメイン軸41の他端部から突出している。この一端部461Aには、ピストン463が一体的に設けられている。このピストン463は、シリンダ本体465によってガイドされて、メイン軸41の軸方向に摺動自在になっている。
ピストン463とシリンダ本体465とで囲まれている空間467に圧縮流体としての作動油が供給されると、ピストン463は、図7の右方向に押されて移動する。これにより、ピストン463は、プッシュロッド461、ボール459、プッシュロッド455および深溝玉軸受457を介して、プレッシャプレート451を図7の右方向に押す。このように、プレッシャプレート451が図7の右方向に押されると、プレッシャプレート451の押圧部451Bがフリクションプレート445から離反し、クラッチは切断状態になる。
クラッチ機構44が接続される際には、プレッシャプレート451は、ばね450によってクラッチボス447のフランジ部447Aの方向(図7の左向き方向)に付勢され、この方向に移動する。この状態では、クラッチボス447の押圧部447Bとプレッシャプレート451の押圧部451Bとによって、各フリクションプレート445と各クラッチプレート449との間に摩擦力が発生する。これにより、クラッチハウジング443からクラッチボス447へ駆動力伝達が可能となる。
一方、クラッチ機構44の切断状態では、プッシュロッド455によって、プレッシャプレート451が図7の右側に移動する。そして、プレッシャプレート451の押圧部451Bが、押圧部451Bの最も近いところに位置するフリクションプレート445(図7の最も右側のフリクションプレート445)と離反する。
この状態では、各フリクションプレート445と各クラッチプレート449とは挟まれておらず、各フリクションプレート445と各クラッチプレート449との間には、僅かな隙間が形成されている。そのため、各フリクションプレート445と各クラッチプレート449との間には、駆動力を伝達できる摩擦力は発生しない。
このように、クラッチアクチュエータ60の駆動力とばね450の付勢力との大小によって、プレッシャプレート451はメイン軸41の軸方向の一方または他方の方向に移動し、この移動に応じてクラッチが接続または切断状態になる。
次に、シフト機構43の詳細な構成を、図7に基づいて説明する。
このエンジン20では、クランク軸31の端部にエンジン回転数センサS30が装着されている。クランク軸31は、多板式のクラッチ機構44を介してメイン軸41に連結されている。メイン軸41には、多段の変速ギア49が装着されるとともに、メイン軸回転数センサS31が設けられている。メイン軸41上の各変速ギア49は、これら変速ギア49に対応してドライブ軸42上に装着された変速ギア420と噛み合っている(図では分離して描いてある)。これらの変速ギア49と変速ギア420とは、選択された一対の変速ギア以外は、いずれか一方または両方がメイン軸41またはドライブ軸42に対して遊転状態(空回りの状態)で装着される。したがって、メイン軸41からドライブ軸42への回転伝達は、選択された一対の変速ギアのみを介して行われる。
変速ギア49と変速ギア420とを選択して変速比を変えるギアチェンジ動作は、シフト入力軸であるシフトカム421によって行われる。シフトカム421は、複数のカム溝421aを有し、各カム溝421aにシフトフォーク422が装着される。各シフトフォーク422は、それぞれメイン軸41およびドライブ軸42の所定の変速ギア49および変速ギア420に係合している。シフトカム421の回転により、シフトフォーク422がカム溝421aに案内されて各軸方向に移動し、シフトカム421の回転角度に応じた位置の一対の変速ギア49および変速ギア420のみが、メイン軸41およびドライブ軸42に対しそれぞれスプラインによる固定状態となる。これらにより、変速ギア位置が定まり、当該変速ギア49および変速ギア420を介して、メイン軸41とドライブ軸42との間で所定の変速比で回転伝達が行われる。
このシフト機構43は、シフトアクチュエータ70の駆動によりシフトロッド75を往復移動させ、シフトリンク機構425を介してシフトカム421を所定角度だけ回転させる。これにより、カム溝421aにしたがってシフトフォーク422が所定量だけ軸方向に移動し、一対の変速ギア49と変速ギア420とを順番にメイン軸41およびドライブ軸42に固定状態として、各減速比で回転駆動力が伝達される。
次に、シフトアクチュエータ70の更に詳細な構成について説明する。なお、このシフトアクチュエータ70は、油圧式であってもよく、電気式であってもよい。
図8は、シフトアクチュエータ70とシフトロッド75とシフト機構43の概略図である。図8に示すように、実施形態に係るシフトアクチュエータ70では、エンジン制御装置95からの信号によってシフトモータ70aが回転し、シフトモータ70aの回転によってモータ軸70bのギア70cが回転する。このギア70cの回転により、減速ギア70dが連動して回転し、駆動軸70gを回転させる。
図9は、シフトアクチュエータ70とシフトロッド75とシフト機構43とを示す側面図である。図9に示すように、バックステー7に固定された取付ブラケット73(図2参照)には、シフトアクチュエータ70のハウジング70hが締付具74により固定されている。
駆動軸70g(図8も参照)には操作レバー70jが設けられ、その操作レバー70jには、シフトロッド75のシフトアクチュエータ70側(図9中、右側)の接続部がボルト(図示せず)によって接続されている。シフトロッド75のシフトアクチュエータ70側の接続部は、操作レバー70jに対して回動可能になっている。また、操作レバー70jは、ボルト70kによって駆動軸70gに締付固定されており、これにより、操作レバー70jは、駆動軸70gの軸方向に移動不可能となっている。
駆動軸70gには、シフト位置検出装置S2(図8参照)が配置されている。このシフト位置検出装置S2は、駆動軸70gの端部(図9における紙面奥側端部)に配置されており、取付ボルト(図示せず)によりハウジング70hに締付固定されている。シフト位置検出装置S2は、駆動軸70gの回転から位置情報を検出し、その位置情報をエンジン制御装置95に送出する。エンジン制御装置95は、この位置情報に基づいてシフトモータ70aを制御する。上述したシフト位置検出装置S2は、本発明にいう位置センサに該当する。
また、シフトロッド75のシフト機構43側の接続部は、ボルト(図示せず)によってシフト機構43のシフト操作レバー43aに接続されている。シフトロッド75のシフト機構43側の接続部は、シフト操作レバー43aに対して回動可能になっている。また、シフト操作レバー43aは、ボルト43dによってシフト操作軸43bに締付固定されており、これにより、シフト操作レバー43aは、シフト操作軸43bの軸方向に移動不可能となっている。
シフトロッド75が移動すると、それに伴ってシフト操作レバー43aが移動する。このときのシフト操作レバー43aの運動は、シフト操作レバー43aにスプライン嵌合されたシフト操作軸43bを軸とする揺動運動である。そのため、このシフト操作レバー43aの移動に伴って、シフト操作軸43bが回転する。
シフトロッド75は、操作レバー70jに対して上記ボルトにより接続された第1のロッド構成部75aと、シフト操作レバー43aに対して上記ボルトにより接続された第2のロッド構成部75bとを備えている。第2のロッド構成部75bにおけるシフトアクチュエータ70側の部分にはねじ部が形成されているとともに、第1のロッド構成部75aにおけるシフト機構43側の部分にはねじ孔が形成されており、第2のロッド構成部75bは、第1のロッド構成部75aに螺合されている。シフトロッド75は、第1のロッド構成部75aに対して第2のロッド構成部75bを回転させるか、または、第2のロッド構成部75bに対して第1のロッド構成部75aを回転させることによって、その長さを変化させることができる。なお、シフトロッド75の長さを変化させるための構造は、図9に示したものに限定されず、種々の構造を採用することが可能である。
また、第1のロッド構成部75aにおける操作レバー70jとの接続部分の近傍には、締付ナット75dが設けられている。この締付ナット75dを締め付けることによって、第1のロッド構成部75aを回転させないようにすることができ、第1のロッド構成部75aの位置(回転位置)を固定することができる。また、第2のロッド構成部75bにおけるシフト操作レバー43aとの接続部分の近傍には、締付ナット75eが設けられている。この締付ナット75dを締め付けることによって、第2のロッド構成部75bを回転させないようにすることができ、第2のロッド構成部75bの位置(回転位置)を固定することができる。
図10は、図9のA−A線断面図を示している。図10に示すように、操作レバー70jは、ボルト70kにより駆動軸70gに締付固定されている(図9も参照)。これによって、操作レバー70jは、駆動軸70gの軸方向(図10中の左右方向)に移動不可能となっている。操作レバー70jは、駆動軸70gの回転に伴って、駆動軸70gの軸心を中心として揺動する。駆動軸70gは、ベアリング81,82を介して、ハウジング70hに回転可能に支持されている。
操作レバー70jの上部には、貫通孔70mが形成されており(図9も参照)、ハウジング70hには有底孔70nが形成されている。貫通孔70mおよび有底孔70nは、共に同じ直径を有する円筒状の孔である。これら貫通孔70mおよび有底孔70nは、本発明にいうピン孔を構成している。
図10は、貫通孔70mおよび有底孔70nにレバー位置決めピン80が挿通されている状態を表している。なお、図9では、レバー位置決めピン80が挿通されていない状態を示している。図10に示すように、レバー位置決めピン80は、貫通孔70mを貫通するとともに有底孔70nに嵌合している。これにより、操作レバー70jの回転方向の位置を、適正な位置に保持しておくことができる。逆に言うと、貫通孔70mおよび有底孔70nは、レバー位置決めピン80を挿通することができる状態になったときに、操作レバー70jが適正な位置に配置されるように形成されている。
次に、図9を参照しながら、自動二輪車1の組立工程におけるシフトアクチュエータ70の取り付け手順について説明する。まず、ボルト70kを用いて、操作レバー70jを駆動軸70gに取り付ける。この際、駆動軸70gの軸端面に形成されたポンチマーク70oと、操作レバー70jに形成されたポンチマーク70pとが合うように、駆動軸70gに対する操作レバー70jの位置を決定する。ポンチマーク70oとポンチマーク70pとが合った状態では、貫通孔70mと有底孔70n(図10参照)との軸心は略一致しており、レバー位置決めピン80を挿通することができる状態になっている。
操作レバー70jを取り付けると、次に、貫通孔70mと有底孔70nとにレバー位置決めピン80を挿通させることにより、操作レバー70jを基準位置に仮固定する。そして、この状態で、シフト位置検出装置S2(図6参照)のキャリブレーションを行う。すなわち、シフト位置検出装置S2の電圧値が所定値となるように、シフト位置検出装置S2の設置位置を決定する。なお、レバー位置決めピン80により操作レバー70jの位置が固定されているときには、駆動軸70gは、ハウジング70hに対して回転不能となっている。
シフト位置検出装置S2の設置位置を決定し、シフト位置検出装置S2をその位置に固定させると、次に、ボルト43dを用いて、シフト操作レバー43aをシフト操作軸43bに取り付ける。この際、シフト操作軸43bの軸端面に形成されたポンチマーク43eと、シフト操作レバー43aに形成されたポンチマーク43fとが合うように、シフト操作軸43bに対するシフト操作レバー43aの位置を決定する。
シフト操作レバー43aを取り付けると、次に、操作レバー70jが取り付けられた状態のシフトアクチュエータ70を、締結具74を用いて取付ブラケット73(図2参照)に取り付ける。
シフトアクチュエータ70を取付ブラケット73に取り付けると、次に、シフトロッド75を操作レバー70jに取り付ける。具体的には、シフトロッド75の第1のロッド構成部75aと操作レバー70jとを、図示しないボルトにより締結する。
なお、図示は省略するが、シフトロッド75の第1のロッド構成部75aには、上記ボルトを挿通させる孔が形成されている。一方、操作レバー70jの一端部(ボルト70kが締結されている側と反対側の端部であって、図9の上端部)には、ねじ孔が設けられたナット部が形成されている。そして、第1のロッド構成部75aの上記孔と操作レバー70jの上記ねじ孔とには、図示しないボルトが図9の紙面表側から裏側に向かって嵌め込まれている。これにより、シフトロッド75は、操作レバー70jに対して回動自在に連結されている。
上述のようにシフトロッド75を操作レバー70jに取り付けた後、次に、貫通孔70mと有底孔70nとにレバー位置決めピン80を挿通させることにより、操作レバー70jを基準位置に仮固定する。そして、この状態で、シフトロッド75の長さを微調整する。
図示は省略するが、シフト操作レバー43aにも、操作レバー70jと同様のナット部が設けられている。また、シフトロッド75の第2のロッド構成部75bにも、第1のロッド構成部75aと同様の孔が形成されている。そして、第2のロッド構成部75bおよびシフト操作レバー43aも、図示しないボルトによって締結される。
上述のシフトロッド75の長さ調整は、第2のロッド構成部75bの孔の位置とシフト操作レバー43aのねじ孔の位置とが一致するように行われる。具体的には、シフトロッド75の第2のロッド構成部75bの孔に取付ボルトを挿入したときに、当該取付ボルトがスムーズにシフト操作レバー43aのナット部に挿入できるように、シフトロッド75の長さを調整する。そして、上記取付ボルトによって、第2のロッド構成部75bをシフト操作レバー43aに対して回動自在に連結する。その後、レバー位置決めピン80を貫通孔70mおよび有底孔70nから引き抜き、締付ナット75d、75eを締付けてシフトロッド75の長さを固定する。
なお、図9は、シフトロッド75の第1のロッド構成部75aおよび第2のロッド構成部75bがカバーによって覆われた状態を示している。そのため、第1のロッド構成部75aおよび第2のロッド構成部75bの上記各孔は、図示されていない。
このように、自動二輪車1によれば、操作レバー70jおよびハウジング70hに、それぞれ貫通孔70mおよび有底孔70nが形成されており、レバー位置決めピン80が貫通孔70mを貫通して有底孔70nに嵌合することによって、操作レバー70jの位置が適正な位置に固定される。そのため、シフトアクチュエータ70のキャリブレーションの際に、オペレータの手動により操作レバー70jの位置を固定させておく必要がなくなる。その結果、キャリブレーションを行う際の利便性および確実性が向上する。
以上説明したように、実施形態に係る自動二輪車1の組立方法によれば、駆動軸70gを仮固定した状態で、シフト位置検出装置S2をハウジング70hに固定することができるため、シフト位置検出装置S2の位置調整を容易に行うことができる。また、シフトアクチュエータ70単体でシフト位置検出装置S2の位置調整を行うことができるため、組立性を向上させることができる。さらに、駆動軸70gを仮固定した状態でシフトロッド75の長さを調整することができるので、シフト位置検出装置S2の出力値を見ながら調整する従来技術と比較して、調整作業を簡素化することができる。さらに、シフトロッド75の長さの調整作業を、シフト位置検出装置S2の固定位置の調整作業と独立して行うことができるため、組立性や整備性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、操作レバー70jに貫通孔70mが形成されている場合について説明したが、本発明において、駆動軸70gの位置を仮固定することができるものであれば、どの部材に貫通孔が形成されていてもよい。例えば、シフト操作レバー43aに貫通孔が形成されていてもよい。また、例えば、操作レバー70jとシフト操作レバー43aの両方に貫通孔が形成されていてもよい。また、有底孔についても、形成位置については、本実施形態の態様に限定されない。例えば、取付プレート61等に有底孔が形成されていてもよい。
また、本実施形態では、駆動軸70gは、ベアリング81,82を介してハウジング70hに直接的に支持されていた。しかし、駆動軸70gは、ハウジング70hに直接支持されていなくてもよく、間接的に支持されていてもよい。また、本実施形態では、シフト位置検出装置S2もハウジング70hに直接支持されていたが、シフト位置検出装置S2はハウジング70hに間接的に支持されていてもよい。シフト動力伝達機構は、本実施形態のように伸縮させることによって長さを調整するものであってもよいが、長さ調整が可能である限り、どのような構成のものであってもよい。例えば、組み合わせの角度を変えることによって長さを調整する機構であってもよい。
本実施形態によれば、レバー位置決めピン80が挿入される貫通孔70mは、ハウジング70hの外部に位置する操作レバー70jに形成されている。また、レバー位置決めピン80が挿入される有底孔70nは、ハウジング70hの外表面に形成されている。このように、本実施形態によれば、貫通孔70mおよび有底孔70nがハウジング70hの外側に形成されているので、レバー位置決めピン80による駆動軸70gの仮固定を容易に行うことができる。
本実施形態においては、固定部材としてのレバー位置決めピン80を支持する第1支持部が、有底孔70nである場合について説明したが、本発明において、この第1支持部は、有底孔70nに限定されるものではない。例えば、第1支持部がハウジング70hに形成された凸部であり、当該凸部が固定部材と嵌合等することによって、駆動軸70gがハウジング70hに回転不能に仮固定されるように構成されていてもよい。また、上記凸部にねじ部が形成されており、固定部材に凸部が螺合されるようにしてもよい。さらに、第1支持部として、有底孔70n等の凹部を採用した場合、この凹部の形状は何ら限定されない。凹部は、内周面が滑らかな孔に限らず、ねじ孔等であってもよい。
また、実施形態においては、レバー位置決めピン80を支持する第2支持部が、貫通孔70mである場合について説明したが、この第2支持部は、貫通孔70mに限定されるものではない。また、貫通孔70mの具体的形状は、内周面が滑らかな孔に限らず、例えば、内周面にねじ溝が形成されたねじ孔等であってもよい。貫通孔70mの形状は何ら限定されず、種々の形状を採用することができる。
図11は、上記実施形態に係る操作レバー70jを詳細に表す図面である。図11に示すように、貫通孔70mは、半径rの略円形状に形成されていた。しかし、貫通孔70mの形状は略円形状のものに限られない。貫通孔70mは、例えば、図12に示すような長円形状に形成されていてもよい。なお、以下、図11に示す貫通孔70mの中心を中心C1、駆動軸70g(図9参照)が挿入される孔70sの中心を中心C2とし、中心C1と中心C2とを結ぶ線Mに平行かつ中心C2側から中心C1側に向かう方向をX方向と称して説明する。
上述の長円形状の貫通孔70mは、具体的には、図12に示すように、X方向に向かって順に並ぶ孔A1と、孔Bと、孔A2とにより構成されている。孔A1、A2は、半径rの円を2等分してなる半月形状の孔であり、孔Bは、X方向長さがl、X方向に直交する方向の長さが2rである長方形状の孔である。なお、lは直径2rの1/10以下程度に形成されている。
ところで、駆動軸70gは、孔70sに挿入され、ボルト70kによって締め付けられることにより、操作レバー70jに固定される。このとき、操作レバー70jは変形し、操作レバー70jの下端部に形成されたリブ70tの幅が縮まることとなる。このような操作レバー70jの変形に伴い、貫通孔70mの孔70sに対する位置が、図13に示すような方向に若干ずれることがある(以下、ずれ量をずれDと称する)。
このような場合、ずれDの孔70sの周方向成分D1は、操作レバー70jをハウジング70hに対して回転させることにより解消できる。しかし、ずれDの径方向成分D2は、解消することができない。そのため、操作レバー70jの変形により、貫通孔70mと有底孔70nとの軸心が一致しなくなり、レバー位置決めピン80を挿通できなくなることがある。
しかし、上述のように長円形状に形成された貫通孔70mは、孔70sの径方向に長く形成されている。そのため、上述のように、貫通孔70mの孔70sに対する位置がずれても、貫通孔70mと有底孔70nとにレバー位置決めピン80を挿通することが可能となる。したがって、長円形状に形成された貫通孔70mによれば、レバー位置決めピン80による仮固定ができないという問題を解消することができる。
また、上記実施形態では、操作レバー70jは、ボルト70kにより駆動軸70gの周方向に締めつける構造としていた(図9参照)。しかし、操作レバー70jの固定は、これに限られない。例えば、図14に示すように、駆動軸70gの操作レバー70j側の先端部を、操作レバー70jから突き出るように形成し、当該操作レバー70jから突き出た部分をねじ状に形成する。そして、ナット70uを用いて、操作レバー70jを駆動軸70gの軸方向に締めつける構造としてもよい。このような構造であれば、貫通孔70mがボルト70kにより駆動軸70g方向に引っ張られることを防止することができる。そのため、貫通孔70mと有底孔70nとの軸心がずれることを防止することができる。したがって、レバー位置決めピン80を容易に挿通でき、組み立て作業を容易に行うことができる。
さらに、操作レバー70jの変形による貫通孔70mと有底孔70nとの軸心のずれを防止するという観点からは、図15(a)に示すように、操作レバー70jを、締付部材71aと、締付部材71aと別体に形成された位置決め部材71bとから構成してもよい。なお、締付部材71aには駆動軸70g(図9参照)が挿入される孔70sが形成されている。また、位置決め部材71bには貫通孔70mが形成されている。締付部材71aと位置決め部材71bとは別個に形成され、溶接により固定されている。このような操作レバー70jによれば、ボルト70kによる締め付けの際に、締付部材71aが変形したとしても、位置決め部材71bの変形を防止することができる。そのため、操作レバー70jの変形による貫通孔70mと有底孔70nとの軸心のずれを防止することができる。なお、締付部材71aおよび位置決め部材71bを鉄により形成すると、位置決め部材71bの変形をより防止することができる。
また、図15(b)に示すように、操作レバー70jは、本体76aと、本体76aとは別体に形成され、駆動軸70gと一体的に形成された位置決め部材76bとから構成されていてもよい。このとき、本体76aには駆動軸70gが挿入される孔70sが形成されている。本体76aは、上記実施形態と同様にボルト70k(図9参照)を締め付けることにより駆動軸70gに固定される。また、本体76aは、第1のロッド構成部75a(図9参照)に揺動自在に接続される。一方、位置決め部材76bは、駆動軸70gと一体的に形成されており、駆動軸70gから所定方向に延びている。また、位置決め部材76bには、位置決め用の貫通孔70mが形成されている。
上述のように構成された操作レバー70jであれば、ボルト70kによる締め付けの際に、本体76aが変形したとしても、位置決め部材76bが変形することはない。そのため、操作レバー70jの変形による貫通孔70mと有底孔70nとの軸心のずれを防止することができ、組み立てを容易に行うことが可能となる。
また、図16に示すように、貫通孔70mと駆動軸70gを挿入する孔70sとの間に切り欠き部77を設けた操作レバー70jを用いてもよい。このような操作レバー70jであれば、ボルト70kによる締め付けの際、操作レバー70jの下部が変形したとしても、切り欠き部77により変形が吸収される。そのため、貫通孔70mが形成された上部は、ボルト70kによる締め付けの影響を受けない。したがって、操作レバー70jの変形により、貫通孔70mの孔70sに対する位置が、若干ずれることを防止することができる。そのため、このような場合においても、操作レバー70jの変形による貫通孔70mと有底孔70nとの軸心のずれを防止することができ、組み立てを容易に行うことが可能となる。
以上説明したように、本発明は、シフトアクチュエータ、シフトアクチュエータを備えた車両、および、シフトアクチュエータを備えた車両の組立方法について有用である。
実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 自動変速制御装置の各構成部材の取付状態を示す図である。 自動変速制御装置の各構成部材の取付状態を示す図である。 自動変速制御装置の各構成部材の取付状態を示す図である。 自動変速制御装置の各構成部材の取付状態を示す図である。 自動変速制御装置の各構成部材の取付状態を示す図である。 エンジンの内部構成を示す断面図である。 シフトアクチュエータとシフトロッドとシフト機構の概略図である。 シフトアクチュエータとシフトロッドとシフト機構とを示す側面図である。 図9のA−A線断面図である。 変形例に係る操作レバーの側面図である。 変形例に係る貫通孔の形状を示す図である。 操作レバーの変形による貫通孔のずれを示す図面である。 変形例に係る操作レバー付近を示す断面図である。 (a)、(b)は共に、変形例に係る操作レバーを示す図である。 変形例に係る操作レバーを示す図である。
符号の説明
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
20 エンジン
40 変速装置
43 シフト機構
43a シフト操作レバー
43b シフト操作軸
43d ボルト
43e、43f ポンチマーク
44 クラッチ機構
60 クラッチアクチュエータ
70 シフトアクチュエータ
70a シフトモータ
70h ハウジング
70j 操作レバー(レバー)
70k ボルト
70m 貫通孔(第2支持部、挿通部)
70n 有底孔(第1支持部、凹部)
70o、70p ポンチマーク
75 シフトロッド

Claims (9)

  1. 複数段の変速ギアを含むシフト機構と、
    駆動軸と、前記駆動軸を回転可能に支持するハウジングと、前記ハウジングに支持され、前記駆動軸の回転位置を検出する位置センサとを有し、前記シフト機構を駆動するシフトアクチュエータと、
    前記シフト機構と前記シフトアクチュエータとを連結し、長さ調整が可能なシフト動力伝達機構と、を備えた車両の組立方法であって、
    前記駆動軸を前記ハウジングに対して回転不能に仮固定する工程と、
    前記駆動軸が前記ハウジングに対して回転不能な状態で、前記位置センサを前記ハウジングに取り付け、前記位置センサのキャリブレーションを行う工程と、
    前記駆動軸が前記ハウジングに対して回転不能な状態で、前記シフト動力伝達機構の長さを調整する工程と、を含む車両の組立方法。
  2. 複数段の変速ギアを含むシフト機構と、
    駆動軸と、前記駆動軸を回転可能に支持するハウジングと、前記ハウジングに支持され、前記駆動軸の回転位置を検出する位置センサとを有し、前記シフト機構を駆動するシフトアクチュエータと、
    前記シフト機構と前記シフトアクチュエータとを連結し、長さ調整が可能なシフト動力伝達機構と、を備え、
    前記ハウジングには、前記駆動軸を前記ハウジングに対して回転不能に仮固定する固定部材を支持する第1支持部が形成されている車両。
  3. 前記駆動軸の回転に連動して揺動するレバーを備え、
    前記レバーには、前記駆動軸を前記ハウジングに対して回転不能に仮固定する固定部材を支持する第2支持部が形成されている、請求項2に記載の車両。
  4. 前記駆動軸の一部は、前記ハウジングから突出し、
    前記レバーは、当該レバーの少なくとも一部が前記ハウジングの外部に位置するように、前記駆動軸の前記ハウジングから突出した部分に取り付けられ、
    前記第1支持部は、前記ハウジングの外表面に形成され、
    前記第2支持部は、前記レバーにおける前記ハウジングの外部に位置する部分に形成されている、請求項3に記載の車両。
  5. 前記固定部材は棒状の部材であり、
    前記第1支持部は、前記固定部材が挿入される凹部であり、
    前記第2支持部は、前記固定部材が挿通される挿通部である、請求項4に記載の車両。
  6. 前記凹部は有底孔であり、
    前記挿通部は貫通孔である、請求項5に記載の車両。
  7. 鞍乗型車両である請求項2に記載の車両。
  8. 駆動軸と、前記駆動軸を回転可能に支持するハウジングと、前記ハウジングに支持され、前記駆動軸の回転位置を検出する位置センサとを備え、複数の変速ギアを含むシフト機構を駆動するシフトアクチュエータであって、
    前記ハウジングには、前記駆動軸を前記ハウジングに対して回転不能に仮固定する固定部材を支持する第1支持部が形成されているシフトアクチュエータ。
  9. 前記駆動軸の回転に連動して揺動するレバーを備え、
    前記レバーには、前記駆動軸を前記ハウジングに対して回転不能に仮固定する固定部材を支持する第2支持部が形成されている、請求項8に記載のシフトアクチュエータ。
JP2006331460A 2006-04-18 2006-12-08 シフトアクチュエータ、車両、および車両の組立方法 Active JP4958155B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006331460A JP4958155B2 (ja) 2006-04-18 2006-12-08 シフトアクチュエータ、車両、および車両の組立方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006114707 2006-04-18
JP2006114707 2006-04-18
JP2006331460A JP4958155B2 (ja) 2006-04-18 2006-12-08 シフトアクチュエータ、車両、および車両の組立方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007309511A JP2007309511A (ja) 2007-11-29
JP4958155B2 true JP4958155B2 (ja) 2012-06-20

Family

ID=38842546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006331460A Active JP4958155B2 (ja) 2006-04-18 2006-12-08 シフトアクチュエータ、車両、および車両の組立方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4958155B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5129180B2 (ja) * 2009-02-27 2013-01-23 本田技研工業株式会社 自動二輪車搭載内燃機関の変速用アクチュエータ取付構造
JP2022121927A (ja) 2021-02-09 2022-08-22 カワサキモータース株式会社 車両

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5926330A (ja) * 1982-08-03 1984-02-10 Nissan Motor Co Ltd インヒビタ−スイツチの調整機構
JPH0874978A (ja) * 1994-09-07 1996-03-19 Jatco Corp 同軸型インヒビタスイッチおよび位置合わせ治具
JP4606075B2 (ja) * 2004-07-01 2011-01-05 ヤマハ発動機株式会社 鞍乗り型車両用動力伝達系制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007309511A (ja) 2007-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4936693B2 (ja) 鞍乗型車両
JP4789688B2 (ja) クラッチ用アクチュエータ、エンジンユニットおよび鞍乗型車両
TWI293603B (en) Shift actuator, vehicle, and method of integrating vehicle
JP5164337B2 (ja) 自動変速制御装置および鞍乗型車両
US7882756B2 (en) Shift actuator, vehicle having the same, and method for mounting shift actuator
JP5053159B2 (ja) 鞍乗型車両
US8408086B2 (en) Automated shift control device and straddle-type vehicle equipped with the same
WO2017013977A1 (ja) シフトドラム駆動ユニットおよび鞍乗り型車両
JP4972334B2 (ja) クラッチ用アクチュエータ、エンジンユニットおよび鞍乗型車両
JP4863755B2 (ja) クラッチ用アクチュエータ、エンジンユニットおよび鞍乗型車両
JP4936805B2 (ja) 鞍乗型車両
WO2018110537A1 (ja) シフトチェンジ装置
JP4958155B2 (ja) シフトアクチュエータ、車両、および車両の組立方法
EP1826087A1 (en) Automatic gear shift device and method for a vehicle
EP1826436B1 (en) Clutch actuator
EP1826463B1 (en) Shift actuator, vehicle, and method of assembly of a vehicle
JP3159205U (ja) クラッチ駆動装置およびそれを備えた車両
JP6800263B2 (ja) 鞍乗り型車両の変速装置
EP1826435B1 (en) Clutch actuator

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120314

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120314

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150330

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4958155

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250