JP4956153B2 - パネル部材の締結方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の板部材を重ね、縁部を巻締めにより締結するパネル部材の締結方法に関する。
例えば、自動車のボンネット、トランク及びドア等を構成するパネル部材の縁部には、アウタパネルとインナパネルとを重ね、アウタパネルの縁部に起立成形したフランジでインナパネルを挟み込むように折り曲げるヘミング構造が用いられている。
特許文献1には、インナパネルの直立した縁部に対し、アウタパネルの縁部のフランジを折り曲げることにより挟み込んで締結した自動車用ドアのパネル部材が記載されている。ところが、このような構成は、アウタパネルによりインナパネルを挟み込んで締結しているだけであるため、締結強度不足や、外部に露出したアウタパネルの先端面での錆の発生等の問題が生じる懸念がある。
一方、特許文献2には、アウタパネルの縁部のフランジに予め折り返し部を形成しておき、該折り返し部がインナパネルに面接触するまで前記フランジを折り曲げて両パネルを締結することにより、アウタパネル先端面の外部への露出をなくし、錆の発生等を抑えるヘミング構造が記載されている。
特開2003−170741号公報 特開平10−128468号公報
ところで、上記従来の技術では、図15に示すように、アウタパネル100のフランジ100aを折り曲げてインナパネル102を挟む際、アウタパネル100の折り曲げ部には、図15中の矢印A0方向(R0部分から広がる方向)の力が作用する。このため、前記折り曲げ部がやや丸くなり、曲率半径R0が大きくなるため、いわゆるダレを生じ、外観が損なわれるという問題がある。
さらに、自動車用のパネル部材のように、縁部に多くの曲率を有する三次元形状で構成されるパネル部材では、曲率を有する部分、例えば、図16に示すようなコーナ部では、折り曲げ時に図17A中の矢印に示す方向の圧縮若しくは引張の力が作用するが、これを打ち消す反力が折り曲げ部に発生する(図17B参照)。その結果、図17A及び図17B中の矢印Rp、Rdに示すように、外観を損なうような歪みや精度不良を生じてしまう。そこで、このようなコーナ部では、アウタパネル100のフランジ100aを短くすることでしわの発生を抑える方法があるが、外観が見劣りしていた。
さらに、上記従来の技術の場合、アウタパネル100を折り曲げてインナパネル102を挟んでいるだけのため、アウタパネル100とインナパネル102との間を接着剤により接合してその締結強度の向上を図っている。ところが、このような接着剤は経年劣化を生じるため、結局、さらなる締結強度の低下を引き起こす。
本発明は、係る従来の課題を考慮してなされたものであり、縁部に多くの曲率を有する三次元形状で構成される場合や、各板部材の剛性等が異なる場合であっても、優れた外観の縁部を有すると共に、高い締結強度を得ることができるパネル部材の締結方法を提供することを目的とする。
本発明に係るパネル部材の締結方法は、少なくとも第1の板部材と第2の板部材を重ね、縁部を巻締めにより締結するパネル部材の締結方法であって、カール曲げ型により、前記第1の板部材の縁部をカール状に成形する工程と、前記カール曲げ型を前進させ、前記カール状に成形した第1の板部材の縁部を、前記第2の板部材の縁部に押し当てることにより、該第1の板部材の縁部に曲げ成形を施す工程とを有することを特徴とする。
このような方法によれば、例えば、前記第2の板部材の剛性が高く、容易に曲げ成形を行うことが困難な場合であっても、前記第1の板部材の縁部をカール状に成形した後、該カール状に成形した縁部を、第2の板部材の縁部に押し当てて曲げ成形することにより、これら第1の板部材と第2の板部材の縁部を容易に巻締め締結することができる。なお、前記曲げ成形を確実に且つ容易に行うため、前記第1の板部材の縁部での外表面を前記第2の板部材の縁部での外表面に押し当てつつ、前記第1の板部材の前記カール状に成形された縁部が、前記第2の板部材の先端に形成された端部で反転して該端部を乗り越えるように成形すると、一層外観の高い巻締め締結された縁部を成形できるため好ましい。
さらに、前記第2の板部材の方が前記第1の板部材よりも剛性が大きいと、カール状に成形された第1の板部材の縁部を第2の板部材の縁部に押し当てて曲げ成形する際に、第1の板部材の縁部を第2の板部材の縁部にて容易に曲げ成形することができる。従って、このような曲げ成形に係る工程を一層確実に行うことができる。
本発明によれば、少なくとも第1の板部材と第2の板部材を重ね、縁部を巻締めにより締結する際、例えば、一方の板部材の剛性が高く、容易に曲げ成形を行うことが困難な場合であっても、他方の板部材の縁部をカール状に成形した後、該カール状に成形した縁部を、前記一方の板部材の縁部に押し当てて曲げ成形することにより、これら各板部材の縁部を容易に巻締め締結することができる。
以下、本発明に係るパネル部材の締結方法について、この締結方法を実施する成形装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るパネル部材10の縁部を締結する成形装置12の一部切欠斜視図を示している。
図1に示すように、成形装置12は、ワークであるアウタパネル(第1の板部材)14及びインナパネル(第2の板部材)16を重ね、これらアウタパネル14及びインナパネル16の縁部17に対して、カールパンチ(カール曲げ型)18を用いてカール成形を行い、さらに、シームパンチ(潰し型)20を用いてシーム成形を行うことで巻締めして締結し、パネル部材10を成形する装置である。なお、アウタパネル14及びインナパネル16は、例えば、所定の形状に打抜き加工されている板金素材(金属製)により形成される。
前記成形装置12は、上下動(図1中の矢印Y方向)自在に設けられる上型22と、該上型22の下方に対向して設けられる下型24とから構成される。
上型22には、該上型22の下面より下方に向けて突設され、三角柱を横臥した形状の押動部26を有するドライバカム28と、前記縁部17の上方に設けられ下方に向けて突設されるシームパンチ20とが備えられる。
下型24には、ベース30と、該ベース30上に設けられ、ワークであるアウタパネル14及びインナパネル16を載置する載置面32aを有する載置台32と、スライド機構34により前後方向(図1中の矢印X方向)に進退自在に構成されるスライドカム36と、ベース30の端部に突設され、ドライバカム28をガイドするバックアップライナ38とが備えられる。前記スライドカム36の載置台32側端部にはカールパンチ18が取り付けられる。なお、載置台32はベース30と一体に構成されるものとしてもよい。
さらに、載置台32の載置面32a上に載置されるアウタパネル14及びインナパネル16を押さえて固定する押さえパッド40が、上型22の下面に設けられる支持部材33と、スプリング35を介して取り付けられる。この場合、押さえパッド40と支持部材33との間には、スプリング35を挟む一対のガイド部材37、37が並設される。ガイド部材37は、図示しない軸受等により軸方向に進退可能であって、下端部が押さえパッド40に固定され、上端部は支持部材33の孔部33aに挿入されて支持される。
従って、上型22が降下すると、ガイド部材37の案内作用下に、先ず、押さえパッド40が載置面32a上のアウタパネル14及びインナパネル16に押圧される。そして、さらに上型22が降下すると、押さえパッド40の位置は固定されたまま、スプリング35が圧縮される。このとき、ガイド部材37が支持部材33の孔部33a内に挿通されながらスプリング35の圧縮動作を案内するため、スプリング35は歪み等を生じることなく圧縮され、押さえパッド40の位置ずれ等を抑制できる。
前記スライド機構34は、図示しないスプリング等の弾性部材によりスライドカム36を一方向(ドライバカム28方向)に付勢しながら進退自在に構成される。
従って、ドライバカム28が上型22と共に降下すると、スライドカム36は、前記一方向への付勢に逆らい、押動部26の下方斜面26aに沿ってローラ42を介して載置台32方向に移動(前進)する。このスライドカム36の前進により、カールパンチ18が載置面32a上を摺動しながら縁部17に対してカール成形を行う。また、その後、スライドカム36は、スライド機構34による前記一方向への付勢により、押動部26の上方斜面26bに沿ってドライバカム28方向に移動(退避)する。そして、この退避と同時にシームパンチ20が降下し、縁部17に対するシーム成形が行われることになる。
次に、以上のように構成される成形装置12により、ワークであるアウタパネル14及びインナパネル16の縁部17を巻締めして締結し、パネル部材10を成形する締結方法について、図2のフローチャートに基づいて説明する。図2は、本実施形態に係るパネル部材10の締結方法の手順を示すフローチャートである。
先ず、図2におけるステップS1において、図3Aに示すように、アウタパネル14及びインナパネル16を、アウタパネル14の先端面(端部)14aがインナパネル16の先端面(端部)16aから距離Lずれた状態で重ね、載置台32の載置面32a上に載置する(図4及び図5参照)。
この場合、アウタパネル14及びインナパネル16の先端面14a及び先端面16aを有する各縁部は予め若干曲げられ、フランジ(曲げ部)14b及びフランジ(曲げ部)16bが形成されている(予備曲げされている)。
なお、パネル部材10では、アウタパネル14の板厚t1よりもインナパネル16の板厚t2の方が十分に厚く設定される。すなわち、各パネルの板厚は、t1(例えば、0.8mm)<t2(例えば、1.2mm)、と設定されている。さらに、各パネルは同一材料又は同一の強度を有する材料により形成されているものとし、すなわち、インナパネル16の剛性はアウタパネル14の剛性よりも十分に大きく設定されている。
次に、ステップS2において、上型22の下降を開始する。この上型22の下降に伴い、ドライバカム28がバックアップライナ38に沿って次第に下降する。これにより、押さえパッド40と、ドライバカム28に設けられる押動部26とが次第に下降し、同時に、シームパンチ20も縁部17に対して次第に下降する。
ステップS3において、前記上型22の下降に伴い、先ず、押さえパッド40により、アウタパネル14及びインナパネル16が重ねられた状態のまま押さえられ、載置面32a上で固定される(図4及び図5参照)。なお、成形装置12では、上記のように、押さえパッド40が支持部材33、スプリング35及びガイド部材37を介して上型22に取り付けられているため、押さえパッド40により、アウタパネル14及びインナパネル16を載置面32a上で固定した状態のまま上型22の降下を継続し、カール成形及びシーム成形を連続して行うことができる。
ステップS4において、スライドカム36のローラ42が下降するドライバカム28の押動部26の下方斜面26aに沿って当接することにより、該スライドカム36が載置台32方向に前進する(図6参照)。これにより、カールパンチ18が載置面32a上を摺動しながら前進し、ワークの縁部17に対するカール成形が行われる(図7参照)。すなわち、カールパンチ18の略円弧状の溝部であるカール部44にアウタパネル14の縁部における外表面14cが接触しながら、該アウタパネル14の縁部はカール部44の形状に沿ってカール状に成形される(図3B及び図7参照)。
ところで、本実施形態に係るパネル部材10の締結方法では、図5に示すように、アウタパネル14のフランジ14bが曲率半径R1を有して曲げ加工(予備曲げ)され、カールパンチ18のカール部44は前記曲率半径R1よりも多少大きな曲率半径R2として構成され、例えば、R1(2.3mm)<R2(2.5mm)、と設定されている。さらに、前記フランジ14bは、略1/4円からなる形状で曲げ加工(予備曲げ)されている。
従って、フランジ14bの高さh1は、前記曲率半径R1と略同様となり、例えば、2.2mm≦h1≦2.8mm、に設定される。前記アウタパネル14とインナパネル16とを重ねた際のずれ部分の距離Lは、アウタパネル14の縁部をカール状に成形するためのカール部44の曲率半径R2に関連し、例えば、L=5.1R2〜5.7R2に設定される。さらに、前記インナパネル16のフランジ16bの高さh2は、アウタパネル14のフランジ14bの高さh1よりも多少小さく、例えば、1.8mm≦h2≦2.4mm、と設定される。
このため、前記ステップS4では、フランジ14bが略1/4円からなる形状で曲げ加工されていることにより、カール成形初期において、カール部44と、先端面14aやフランジ14bを含むアウタパネル14の縁部との接触面積が十分に広く確保され、いわゆる型馴染み性が向上する。これにより、カール部44の形状が高精度にアウタパネル14のカール形状へと反映される。
しかも、前記フランジ14bの曲率半径R1が、カール部44の曲率半径R2よりも多少小さく設定されていることにより、図3B及び図7に示すように、アウタパネル14の縁部がカール部44の形状に沿って正確にカール状に成形される。次いで、アウタパネル14の縁部での外表面14cと、インナパネル16の縁部であるフランジ16bの外表面16cとが当接する。つまり、カール状に成形されたアウタパネル14の縁部がインナパネル16の縁部の外側に位置することになる。
続いて、ステップS5において、カールパンチ18を載置面32a上でさらに前進させ、インナパネル16の縁部であるフランジ16bに当接したアウタパネル14の縁部をさらに押圧する。すなわち、アウタパネル14の縁部をインナパネル16の縁部に押し当てる(図3B参照)。
そうすると、前記のようにアウタパネル14よりもインナパネル16の方が十分に剛性が大きいことから、アウタパネル14の縁部での外表面14cがインナパネル16の先端側の外表面16c上を摺動しつつ、さらにカール状に成形される。その後、これら外表面14cと外表面16cとの間の摩擦力等により、アウタパネル14の外表面14cがインナパネル16の先端面16aの外側エッジ部を介して該先端面16a上に乗り上げ、結局、アウタパネル14の縁部は前記先端面16aにより反転させられ、先端面16aを乗り越えながら曲げ成形される(図3C及び図8参照)。
これにより、図3Cに示すように、パネル部材10の縁部17が巻締め締結され、該縁部17では、アウタパネル14の先端面14aが、アウタパネル14自身により内包され且つアウタパネル14とインナパネル16とにより挟まれた状態となる。さらに、縁部17では、インナパネル16の縁部に曲げ部であるフランジ16bが形成されている状態となる。従って、このような縁部17では、アウタパネル14とインナパネル16とが少なくとも4重に積層される。
また、この場合、図3Cから諒解されるように、アウタパネル14の先端面14aとインナパネル16の先端面16aとは、略同方向を指向して曲げ成形されている。
次に、ステップS6において、上型22のさらなる下降に伴い、スライドカム36がスライド機構34の図示しない弾性部材による前記一方向(ドライバカム28方向)への付勢力により、ドライバカム28の押動部26の上方斜面26bに沿って、ワークの縁部17から退避(後退)する。
ステップS7において、前記スライドカム36のワークの縁部17からの退避と同時に、上型22の下降に伴うシームパンチ20の下降により、シームパンチ20の切欠部であるシーム部48により、上記のようにカール成形された縁部17を扁平に変形させる(潰す)シーム成形を行う(図9及び図10参照)。これにより、図3Dに示すように、カール成形で巻締めされて締結された縁部17が、より強固に締結されると共に、縁部17の形状が整えられ外観が一層向上する。
その後、ステップS8において、上型22の下降を停止する。そして、ステップS9において、上型22を上昇させることにより、押さえパッド40によるワークの固定を解除して、載置台32から縁部17が巻締め締結されたワークであるパネル部材10を取り外す。
以上のように、本実施形態に係るパネル部材10の締結方法によれば、カールパンチ18を載置面32a上を摺動させて縁部17のカール成形を行うため、アウタパネル14及びインナパネル16が常に載置面32a上に固定されている。このため、該カール成形でのワークの座屈を防止することができる。
また、上記のように、アウタパネル14の縁部における曲げ部であるフランジ14bの曲率半径R1が、カールパンチ18のカール部44の曲率半径R2よりも多少小さく設定されている。従って、アウタパネル14の縁部をカール部44の形状に沿うようにしてカール状に成形することができ、該カール状に成形されたアウタパネル14の縁部をインナパネル16の縁部の外側に導くことが可能となる。
しかも、アウタパネル14のフランジ14bが略1/4円からなる形状で曲げ加工されているため、カールパンチ18によるカール成形開始時でのアウタパネル14の座屈を防止することができ、さらに、カール部44とアウタパネル14の縁部での外表面14cとの間の型馴染み性が向上する。このため、一層正確にアウタパネル14の縁部のカール成形を行うことができる。
さらに、この場合、アウタパネル14よりもインナパネル16の方が十分に剛性が大きく設定されている。従って、カールパンチ18をさらに前進させることで、アウタパネル14の縁部をインナパネル16の縁部に押し当てながら、該アウタパネル14の縁部をインナパネル16の先端面16a、つまり、曲げ部であるフランジ16bにより反転させ、曲げ成形することができる(図3A〜図3C参照)。
なお、前記のようにアウタパネル14の縁部をインナパネル16の縁部に押し当て曲げ成形する場合には、アウタパネル14の縁部の外表面14cが、インナパネル16の先端面16aのエッジ部等により損傷を受ける場合がある(図3B中の点線S参照)。しかしながら、本実施形態に係る締結方法では、その後の工程にて、図3C及び図3Dに示すように、前記損傷(点線S)が縁部17の内側へと巻き込まれることになる。このため、前記損傷が外観を損なうことがなく、外観品質の高い縁部17を得ることができる。
また、前記カール成形の後工程であるシーム成形において、アウタパネル14やインナパネル16に座屈を生じることなく、外観に優れた縁部17を形成することができる。この場合、該シーム成形では、縁部17が扁平に変形される過程で、縁部17付近においてアウタパネル14に塑性流動が生じる。このため図10に示すように、前記塑性流動により、縁部17におけるアウタパネル14の曲率半径R3を十分に小さくすることができ、ダレの発生が防止されるため、縁部17の外観が大幅に向上する。
さらに、この場合、インナパネル16の縁部に先端曲げ部分であるフランジ16bが形成されている。従って、前記シームパンチ20のシーム部48の押圧作用下に、前記フランジ16bの材料(肉)が、図10中の矢印R4の方向、すなわち、コーナ部方向に流動することになる。このため、一層ダレの少ないシャープな縁部17を成形することが可能となる。なお、このようなシーム成形は、必ずしも施す必要はなく、パネル部材10の用途等によっては、カール成形までで締結完了としてもよい。
ところで、本実施形態では、アウタパネル14の縁部でのフランジ14bの曲率半径R1が、カールパンチ18のカール部44の曲率半径R2よりも多少小さく、R1(2.3mm)<R2(2.5mm)、と設定されているが、このような曲率半径R1、R2の関係は、例えば、0.8R2≦R1<R2、と設定してもよい。そうすると、アウタパネル14を上記のようにカール状に正確に成形し、さらに、フランジ16bにより反転させ、曲げ成形を施すことができる。
なお、前記曲率半径R1、R2の関係において、例えば、R1>R2、と設定した場合には、図11Aに示すように、アウタパネル14の縁部がインナパネル16の縁部に当接せずに、フランジ14bを飛び越えてしまう場合がある。このような場合には、図11B及び図11Cに示すように、カール成形及びシーム成形において、アウタパネル14の各所に座屈Gが発生し、良好な形状からなる縁部17を成形することが困難となる可能性が高い。
以上、上記実施形態では、アウタパネル14の板厚t1よりもインナパネル16の板厚t2の方が十分に厚く設定されるものとし、例えば、t1=0.8mm、t2=1.2mmと設定されるものとした。そして、上記パネル部材10の締結方法において、インナパネル16の縁部にフランジ16bを形成しておき、アウタパネル14の縁部を前記フランジ16bに押し当てることによりカール成形を施すものとした(図3A及び図3B参照)。
ところで、このようなパネル部材10に代えて、インナパネル16の剛性を一層十分に確保するため、インナパネル16の板厚t2をさらに厚く、例えば、2.2mm〜2.4mmに設定したパネル部材10aとした場合であっても、本発明の締結方法を適用することができる。この場合、例えば、インナパネル16がアルミニウム製である場合に、その剛性を一層十分なものとするため、インナパネル16の板厚をアウタパネル14に比べて相当に厚くする必要があることがある。
このようなパネル部材10aでは、図12Aに示すように、インナパネル16の縁部にフランジ16bを予め形成しておくことなく、カール成形及びシーム成形を実施することができる。
すなわち、パネル部材10aの場合には、図12B及び図12Cに示すように、カール成形において、アウタパネル14の縁部が前記カールパンチ18の成形作用下に、アウタパネル14の縁部での外表面14cと、インナパネル16の先端面16aとが当接する。続いて、アウタパネル14の外表面14cはインナパネル16の先端面16aで摺動しながら、さらにカール状に成形される。その後、これら外表面14cと先端面16aとの間の摩擦力等により、アウタパネル14の外表面14cがインナパネル16の先端面16aの上端エッジ部を介して、インナパネル16上に乗り上げる。これにより、アウタパネル14の縁部は、前記インナパネル16上で反転させられて曲げ成形される。
従って、図12Cに示すように、パネル部材10aの縁部17aが巻締め締結される。なお、続いて、図12Dに示すようなシーム成形をパネル部材10aの縁部17aに施してもよいことは言うまでもない。
なお、このようにインナパネル16にフランジ16bを形成しない締結方法は、例えば、アウタパネル14の板厚t1とインナパネル16の板厚t2との関係において、t2がt1の2〜4倍程度である場合に、特に好適に用いることができるが、前記板厚t2が十分に厚いパネルであれば適用することができる。
以上のように締結されるパネル部材10、10aは、上記のように巻締め締結されることで、例えば、図13に示すようなコーナ部(曲率を有する部分)であっても、加工する際には図14中の矢印に示す方向の力が作用する。このため、上記従来の構成(図16〜図17B参照)では外観を損なうような歪みを生じていた部分において、一層曲率の小さなコーナ部等であっても予備曲げ時のフランジ長さを短くせずに、しわの発生を防止することができる。
さらに、パネル部材10の縁部17、17aでは、アウタパネル14の先端面14a及びインナパネル16の先端面16aが外部に露出することなく巻締めされているため、各先端面への防錆作業等を省略することができ、コスト低減や製造工程数の低減が可能となる。
さらにまた、上記従来のヘミング構造に比べて、縁部17、17aでは、上記のように各パネルが少なくとも4重に積層され締結されているため、その締結強度が高く、より強固なパネル部材10を得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。
例えば、上記実施形態では、パネル部材10、10aとして、アウタパネル14及びインナパネル16の2枚の板部材を用いるものとしたが、これに限らず、前記板部材を3枚以上としても本発明に係るパネル部材として構成可能である。
また、前記アウタパネル14及びインナパネル16は、板厚の違いにより剛性が異なるものとしたが、これに限らず、例えば、板厚が略同一で、材料強度が異なるパネルであっても本発明は適用可能である。
本発明の一実施形態に係るパネル部材の縁部を締結する成形装置の一部省略斜視図を示している。 本実施形態に係るパネル部材の締結方法の手順を示すフローチャートである。 図3Aは、本実施形態に係るパネル部材の縁部を締結する前に、ワークを重ねた状態を示す縦断面図であり、図3Bは、図3Aに示すアウタパネルの縁部をカール成形している状態を示す縦断面図であり、図3Cは、図3Bに示すアウタパネルの縁部をさらにカール成形している状態を示す縦断面図であり、図3Dは、図3Cに示すカール成形後の縁部をシーム成形した状態を示す縦断面図である。 図1に示す成形装置の載置台にワークをセットし、押さえパッドで固定した状態を示す一部省略側面図である。 図4に示すワークの周辺部を拡大した一部省略縦断面図である。 図1に示す成形装置により、ワークに対してカール成形を行っている状態を示す一部省略側面図である。 図6に示すワークの周辺部を拡大した一部省略縦断面図である。 図7に示す状態からさらにカール成形を行った状態を示す一部省略縦断面図である。 図1に示す成形装置により、ワークに対してシーム成形を行っている状態を示す一部省略側面図である。 図9に示すワークの周辺部を拡大した一部省略縦断面図である。 図11Aは、本実施形態に係るパネル部材の比較例により、アウタパネルの縁部をカール成形している状態を示す縦断面図であり、図11Bは、図11Aに示すアウタパネルの縁部をさらにカール成形している状態を示す縦断面図であり、図11Cは、図11Bに示すカール成形後の縁部をシーム成形した状態を示す縦断面図である。 図12Aは、本実施形態の変形例に係るパネル部材の縁部を締結する前に、ワークを重ねた状態を示す縦断面図であり、図12Bは、図12Aに示すアウタパネルの縁部をカール成形している状態を示す縦断面図であり、図12Cは、図12Bに示すアウタパネルの縁部をさらにカール成形している状態を示す縦断面図であり、図12Dは、図12Cに示すカール成形後の縁部をシーム成形した状態を示す縦断面図である。 本実施形態に係るパネル部材のコーナ部を含む一部省略平面図である。 図13に示すコーナ部における縁部を拡大した一部省略斜視図である。 従来方法におけるパネル部材の縁部の縦断面図である。 図14に示す従来方法におけるパネル部材のコーナ部を含む一部省略平面図である。 図17Aは、図16に示すコーナ部において凸状の歪みが生じた状態を示す一部省略斜視図であり、図17Bは、図16に示すコーナ部において凹状の歪みが生じた状態を示す一部省略斜視図である。
符号の説明
10、10a…パネル部材 12…成形装置
14、100…アウタパネル 14a、16a…先端面
14b、16b…フランジ 14c、16c…外表面
16、102…インナパネル 17、17a…縁部
18…カールパンチ 20…シームパンチ
22…上型 24…下型
32…載置台 32a…載置面
40…押さえパッド 44…カール部
48…シーム部

Claims (2)

  1. 少なくとも第1の板部材と第2の板部材を重ね、縁部を巻締めにより締結するパネル部材の締結方法であって、
    前記第2の板部材の縁部には曲げ部が形成されており、
    カール曲げ型により、前記第1の板部材の縁部をカール状に成形する第1の工程と、
    前記カール曲げ型を前進させ、前記カール状に成形した第1の板部材の縁部を、前記第2の板部材の前記曲げ部に押し当てることにより、前記第2の板部材の先端面により反転させると共に該先端面を乗り越えさせながら曲げ成形し、前記第1の板部材の先端面と前記第2の板部材の先端面とを略同方向に指向させる第2の工程と、を有し、
    前記第1の工程と前記第2の工程では、前記第2の板部材を曲げ成形することなく前記第1の板部材を曲げ成形する
    ことを特徴とするパネル部材の締結方法。
  2. 請求項1記載のパネル部材の締結方法において、
    前記第2の板部材の方が前記第1の板部材よりも剛性が大きいことを特徴とするパネル部材の締結方法。
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