JP4955692B2 - グルコースイソメラーゼ変異体、そのdna及びその使用 - Google Patents

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Description

[発明の分野]
本発明は、分子生物学およびバイオテクノロジーに関する発明であり、具体的には、活性が改善された又は活性および熱安定性の両方が改善された組換え型グルコースイソメラーゼ、組換え技術を用いたその調製方法、並びにその使用に関する。
[発明の背景]
グルコースイソメラーゼ(E.C.5.3.1.5またはキシロースイソメラーゼ)は、ペントースリン酸経路において鍵となる酵素であり、最も重要な産業的な酵素の一つであり(Kaneko et al., Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 2000, 64:940-947)、食品産業においては高果糖コーンシロップの製造に使用される。
D-グルコースから果糖への異性化の平衡は、第一に反応の温度によって影響される。高温であればあるほど、最終的な反応混合物中の果糖が多くなる。現在、商業的なグルコースイソメラーゼは、主にActinoplanes missouriensis, Bacillus coagulans またはStreptomycesの種からのものであり、高温(例えば、65゜Cを超える温度)で安定ではない。結果的に、現在の商業的な異性化は、60゜C付近での操作に限定され、生産物は通常44%以下の果糖を含有する。従って、高果糖を含有している高果糖コーンシロップは、高価なクロマトグラフィーの濃縮を用いて生産され、生産コストが増大する。
世界中の科学者は、好熱性細菌からの耐熱性で高度に活性なグルコースイソメラーゼの同定、並びにタンパク質工学を介したグルコースイソメラーゼの生産に従事してきた。J.G. Zeikusおよび彼の協力者は、好熱性細菌〔例えば、Thermoanaerobacterium saccharolyticum(以下ではT. saccharolyticumと称する)およびThermotoga neapolitana〕の耐熱性のグルコースイソメラーゼを分離し、研究を行った(Lee et al., Journal of General Microbiology, 139:1227-1234, 1993; Vieille et al., Methods in Enzymology, 330:215-24, 2001; Lee et al., Journal of General Microbiology, 139:1241-1243, 1993; Scriprapundh et al., Protein Engineering, 13:259-265, 2000; Scriprapundh et al., Protein Engineering, 16:683-690, 2003; Zeikus et al., 米国特許第5,656,497号)。これらの又は他の生物資源からの耐熱性グルコースイソメラーゼの熱安定性は望まれるものにたいし大きいにもかかわらず、その活性は低く、産業的な適用に応用されない。従って、高活性または高活性および熱安定性を有しているグルコースイソメラーゼが望ましい。
[発明の概要]
Thermoanaerobacterium saccharolyticumのグルコースイソメラーゼの遺伝子およびタンパク質工学を用いることによって、本発明は一連の高濃度の果糖を含有している高果糖コーンシロップの生産に適切な触媒活性が改善されたグルコースイソメラーゼを提供する。
本発明の課題は、高度に活性なグルコースイソメラーゼ変異体を提供することである。本発明の別の課題は、55%以上の果糖を含有している高果糖コーンシロップを直接的に生産するグルコースイソメラーゼ変異体の使用である。本発明のさらに別の課題は、55%未満の果糖を含有している高果糖コーンシロップを生産するグルコースイソメラーゼ変異体の使用である。
前述の課題を達成するために、本発明の発明者は、鋭意実験を重ねてきた。本発明の発明者は、部位特異的突然変異誘発で変異をT. saccharolyticumグルコースイソメラーゼ遺伝子へ導入し、MacConkey寒天上でスクリーニング後に高度に活性または高度に活性且つ耐熱性のグルコースイソメラーゼ変異体の系列を得た。より具体的には、グルコースイソメラーゼ変異体を生産するために使用されたモレキュラーバイオテクノロジーには次のものが含まれる: 野生型のグルコースイソメラーゼ遺伝子を保持しているプラスミドの作出;変異部位および変異後のアミノ酸の設計;適切なプライマーの設計;野生型のグルコースイソメラーゼ遺伝子を鋳型として用いるDNA断片のPCR増幅;DNA断片の組立;変異を含んでいる完全長グルコースイソメラーゼ遺伝子のPCR増幅;変異体遺伝子の適切なベクターへのクローニング;遺伝子を含んでいるベクターでの適切な宿主細胞の形質転換;所望のグルコースイソメラーゼ変異体を保持しているクローンに関する形質転換体のスクリーニング;陽性のクローンからのプラスミドDNAの単離;および変異を検証するためのDNAシークエンシングの実施。最終的に、変異型イソメラーゼの活性が、D-グルコースを基質として用いて評価された。野生型のものより高い触媒活性を有する本発明による変異型イソメラーゼが選択された。
本発明の新規のグルコースイソメラーゼの調製に関して、適切なベクターには、原核生物の発現ベクター pGEMT-Easy, pRSETおよびpET21;真核生物の発現ベクター pYD1およびpYES2/GS;クローニングベクターpUC18/19およびpBluescript-SKが含まれるが、これらに限定されない。
本発明のグルコースイソメラーゼ変異体の調製に関して、変異させたグルコースイソメラーゼ遺伝子は、当該技術分野において既知の任意の他の技術を用いて、原核生物もしくは真核生物の細胞内で発現させることができる又は原核生物もしくは真核生物の細胞外で発現させることができる。
本発明の新規グルコースイソメラーゼの調製に関して、宿主細胞は原核生物もしくは真核生物の細胞であってもよい。原核細胞には、E. coli, Bacillus subtilis, Bacillus brevis, Bacillus megaterium (例えば、B. megaterium BP931), T. saccharolyticum and Streptomyces (例えば、S. diastaticus M1033)が含まれるが、これらに限定されない。真核生物細胞には、Saccharomyces cerevisiae および Pichia pastoris (例えば、P. pastoris GS115/9891)が含まれるが、これらに限定されない。
本発明によるグルコースイソメラーゼ変異体は、配列表の配列 2を参照配列として用いて、ポジション139のフェニルアラニン (Phe)、ポジション182のアラニン (Ala)、ポジション187のセリン (Ser)、およびポジション299のグルタミン (Gln)を含むアミノ酸変異を具備し、同様に、最低一つの変異をポジション87, ポジション217, ポジション260, またはポジション276に具備し、D-グルコースを基質として用いて、野生型よりも高い触媒活性を有する。好ましくは、ポジション87のアミノ酸はメチオニン (Met) またはロイシン (Leu)であり;ポジション217のアミノ酸はアルギニン (Arg), またはトリプトファン (Trp) またはグリシン (Gly)であり;ポジション260のアミノ酸はグルタミン酸 (Glu) またはアラニン (Ala)であり;および/またはポジション276のアミノ酸はグリシン (Gly) またはスレオニン (Thr)である。配列表における配列番号4は、本発明によるグルコースイソメラーゼ変異体のアミノ酸配列を示す(ここで、Xaaは変異型アミノ酸を表す)。本発明によるグルコースイソメラーゼ変異体には、表 2に示されるMGI4-F87L, MGI4-F87M, MGI4-V217R, MGI4-V217W, MGI4-D260E, MGI4-F276G, MGI4-24, MGI4-25, MGI4-34 およびMGI4-35のアミノ酸配列が含まれる。
これらのグルコースイソメラーゼ変異体は、高い触媒活性を有する。例えば、一連の本発明により得られたグルコースイソメラーゼ変異体において、七変異の変異体MGI4-34は、野生型のものよりも769%高い比活性を有し、80゜Cで26 時間の加熱処理後に最初の活性の50% 以上をなおも有している。別の七変異の変異体MGI4-35は、野生型のものよりも727%高い比活性を有し、80゜Cで27 時間の加熱処理後に最初の活性の50% 以上をなおも有している。
本発明で得られた高い触媒活性または高い触媒活性および熱安定性を有しているグルコースイソメラーゼ変異体は、55wt.%以上の濃度の果糖を含有している高果糖コーンシロップの直接的な産生のために又は55wt.%未満の果糖を含有している高果糖コーンシロップの産生のために使用できる。記載されたグルコースイソメラーゼ変異体は、90wt.%以上の果糖含有量を有している結晶化果糖の産生のために使用できる。
前記グルコースイソメラーゼ変異体は、非精製の粗製の酵素形態に、又は部分的に精製された酵素形態に、又は完全に精製された酵素調製物として使用できる。必要に応じて、グルコースイソメラーゼ変異体は、公知の固定化法を用いて固定化酵素または固定化された細胞として調製できる。
定 義
本明細書中に使用される「野生型」の用語は、Thermoanaerobacterium saccharolyticum ATCC 49915からのグルコースイソメラーゼを意味し、そのDNA 配列は配列 1として配列表に記載され、そのアミノ酸配列は配列 2として配列表に記載される。本発明の野生型グルコースイソメラーゼのDNA 配列は、公開された同じ種のグルコースイソメラーゼの二つのヌクレオチドと異なっている(Lee et al., Journal of General Microbiology, 139:1227-1234, 1993; GenBank L09699);すなわち、ポジション241-242での本発明の野生型グルコースイソメラーゼのヌクレオチドはGCであり、ポジション 81でのアラニン (Ala)をコードするが;GenBank L09699の対応するヌクレオチドはCGであり、ポジション 81でアルギニン (Arg)をコードする。
本明細書中に使用される「参照配列」の用語は、それがDNA 配列である場合には配列表の配列 1;又はそれがアミノ酸配列である場合には配列表の配列 2を意味する。参照配列およびグルコースイソメラーゼ変異体の配列のアラインメントは、手動で又はコンピュータで行うことができる(例えば、コンピュータソフトウェアCLUSTALW, AMAS, DIALIGN,などを用いて)。
本明細書中に使用される「ポジション」または「ポジションx」(ここでxは数字である)の用語は、本発明のグルコースイソメラーゼ変異体と野生型グルコースイソメラーゼとの間のアラインメントが最大の相同性に達するときの対応する参照配列の変異体配列のヌクレオチドまたはアミノ酸のポジションを意味する。
本明細書中に使用される「グルコースイソメラーゼ変異体」の用語は、配列表の配列 2を参照配列として用いて、ポジション139のフェニルアラニン (Phe)、ポジション182のアラニン (Ala)、ポジション187のセリン (Ser)、およびポジション299のグルタミン (Gln)の変異を具備し、少なくとも一つの変異をポジション87, ポジション217, ポジション260, またはポジション276に含み、D-グルコースを基質として用いる果糖生産の反応に野生型グルコースイソメラーゼのものよりも高い触媒活性を有する酵素を意味する。従って、本発明において、言及されるグルコースイソメラーゼ変異体には、配列表の配列 4と同じである、又は配列 4の保存された置換である、又は一つ又は幾つかのアミノ酸の付加, または削除を有する配列 4である、又はアミノ末端の又はカルボキシ末端の削除を有する配列 4である、または配列 4の部分的な又は完全な反復を含むアミノ酸配列を有する変異体が含まれる。
IUPAC命名法およびアミノ酸の略語に関するシンボルが、本発明に使用された(European Journal of Biochemistry, 138:9-37, 1984)。
[好適な態様の記載]
以下に記載される例は、本発明の説明のためのみであり、本発明を限定すると認定されることを意図していない。以下の例において、条件が特定されていない場合、従来の実施または製造者の指示/プロトコールにしたがう。
例1
野生型グルコースイソメラーゼの増幅およびpGEMT-TSの作出
プライマー T1 および T2 (表 1)を、GenBank L09699の配列に基づいて設計し、T. saccharolyticum ATCC 49915 (ATCC, USA)からの野生型グルコースイソメラーゼ遺伝子を増幅するために使用した。
増幅条件は次のとおりであった: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1, 400 nM プライマー T2, 1.5 U Taq DNAポリメラーゼ (プロメガ, USA), 白金耳量のT. saccharolyticumのコロニー。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。
反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に40 サイクルの95℃, 50 sec, 50℃, 30 sec, 72℃, 1 min; および 最終的に 72℃, 10 minであった。増幅されたPCR産物(約 1.5 kbの長さ)を、ベクターpGEMT-EasyにライゲーションしてpGEMT-TSを作出した。pGEMT-TSを、シークエンスして野生型グルコースイソメラーゼのDNA配列を配列表の配列 1と、対応するアミノ酸配列を配列表の配列 2と決定した。野生型グルコースイソメラーゼのDNA 配列は、公開された同じ種(GenBank L09699)のグルコースイソメラーゼのDNA 配列と異なっており、ポジション241-242での本発明の野生型グルコースイソメラーゼのヌクレオチドはGCであり、アミノ酸ポジション 81でのアラニン (Ala)をコードするが;GenBank L09699の対応するヌクレオチドはCGであり、アミノ酸ポジション 81でアルギニン (Arg)をコードする。
例2
野生型グルコースイソメラーゼのTrp139の部位特異的突然変異誘発
部位特異的突然変異誘発を、文献(Ho et al., Gene 77:51-59, 1989 および White et al., PCR protocol: current methods and applications. Totowa, N.J.: Humana Press 1993)に記載のとおり行った。
pGEMT-TS (例 1)を鋳型として、野生型グルコースイソメラーゼのポジション 139のTrp (W)を、プライマー 139FF および 139FR (表 1) および 普遍的なプライマー T1 および T2(例 1)を用いるPCR 増幅によってPhe (F)に変異させて、グルコースイソメラーゼ 変異体 MGI-W139Fを作出した。
断片 T1FRを、プライマーペアT1 および 139FRを用いて増幅した。断片FFT2を、プライマーペア139FFおよびT2を用いて増幅した。増幅条件は次のとおりであった: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー 139FR (断片 T1FRに対して) または400 nM プライマー T2 および 400 nM プライマー 139FF (断片 FFT2に対して), 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ (プロメガ, USA), 20 ng pGEMT-TS。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。PCR産物(断片T1FRおよび断片FFT2)を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。完全長のグルコースイソメラーゼ遺伝子を次の条件で組立てた: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ngの断片T1FR および 20 ngの断片FFT2。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。完全長の変異体MGI-W139Fを、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。MGI-W139FをpGEMT-Easyにライゲーション後に作出したプラスミドpGEMT-MGI-W139Fでコンピテント E. coli HB101を形質転換し、形質転換体を1% D-キシロース および 50 mg/L アンピシリンを含有している1% MacConkey プレートでグルコースイソメラーゼ活性で選抜した。プラスミドpGEMT-MGI-W139F DNAを、陽性クローンから単離し、シークエンスした。
例3
グルコースイソメラーゼのArg182の部位特異的突然変異誘発
部位特異的突然変異誘発を、文献(Ho et al., Gene 77:51-59, 1989 および White et al., PCR protocol: current methods and applications. Totowa, N.J.: Humana Press 1993)に記載のとおり行った。
pGEMT-TS (例 1)を鋳型として用いて、野生型グルコースイソメラーゼのポジション 182のArg (R)を、部位特異的プライマー 182AF および182AR (表 1) およびユニバーサルプライマーT1 および T2(例 1)でのPCR 増幅によってAla (A)に変異させて、グルコースイソメラーゼ 変異体 MGI-R182Aを作出した。
断片 T1ARを、プライマーペアT1 および 182ARを用いて増幅した。断片AFT2を、プライマーペア182AFおよびT2を用いて増幅した。増幅条件は次のとおりであった: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー 182ARまたは400 nM プライマー T2 および 400 nM プライマー 182AF, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-TS。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。PCR産物(断片T1ARおよび断片AFT2)を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kitを用いて回収した。完全長のグルコースイソメラーゼ遺伝子を次の条件で組立てた: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ngの断片T1AR および 20 ngの断片AFT2。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。完全長の変異体MGI-R182Aを、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。MGI-R182AをベクターpGEMT-Easyにライゲーション後に作出したプラスミドpGEMT-MGI-R182Aでコンピテント E. coli HB101を形質転換し、形質転換体を1% D-キシロース および 50 mg/L アンピシリンを含有している1% MacConkeyプレートでグルコースイソメラーゼ活性で選抜した。プラスミドpGEMT-MGI-R182A DNAを、陽性クローンから単離し、シークエンスした。
例4
グルコースイソメラーゼのPhe187の部位特異的突然変異誘発
部位特異的突然変異誘発を、文献(Ho et al., Gene 77:51-59, 1989 および White et al., PCR protocol: current methods and applications. Totowa, N.J.: Humana Press 1993)に記載のとおり行った。
pGEMT-TS (例 1)を鋳型として用いて、野生型グルコースイソメラーゼのポジション 187のPhe (F)を、部位特異的プライマー 187SF および187SR (表 1) およびユニバーサルプライマーT1 および T2(例 1)でのPCR 増幅によってSer (S)に変異させて、グルコースイソメラーゼ 変異体 MGI-F187Sを作出した。
断片 T1SR を、プライマーペアT1 および 187SR を用いて増幅した。断片 SFT2 を、プライマーペア 187SF およびT2を用いて増幅した。増幅条件は次のとおりであった: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー 187SR または400 nM プライマー T2 および 400 nM プライマー 187SF, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-TS。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。PCR産物(断片T1SRおよび断片SFT2)を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kitを用いて回収した。完全長のグルコースイソメラーゼ遺伝子を次の条件で組立てた: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ngの断片T1SR および 20 ngの断片SFT2。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。完全長の変異体MGI-F187Sを、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。MGI-F187SをベクターpGEMT-Easyにライゲーション後に作出したプラスミドpGEMT-MGI-F187Sでコンピテント E. coli HB101を形質転換し、形質転換体を1% D-キシロース および 50 mg/L アンピシリンを含有している1% MacConkeyプレートでグルコースイソメラーゼ活性で選抜した。プラスミドpGEMT-MGI-F187S DNAを、陽性クローンから単離し、シークエンスした。
例5
グルコースイソメラーゼのThr299の部位特異的突然変異誘発
部位特異的突然変異誘発を、文献(Ho et al., Gene 77:51-59, 1989 および White et al., PCR protocol: current methods and applications. Totowa, N.J.: Humana Press 1993)に記載のとおり行った。
pGEMT-TS (例 1)を鋳型として用いて、野生型グルコースイソメラーゼのポジション 299のThr (T)を、部位特異的プライマー 299QF および299QR (表 1) およびユニバーサルプライマーT1 および T2(表 1)でのPCR 増幅によってGln (Q)に変異させて、グルコースイソメラーゼ 変異体 MGI-T299Qを作出した。
断片 T1QR を、プライマーペアT1 および 299QR を用いて増幅した。断片 QFT2 を、プライマーペア 299QF およびT2を用いて増幅した。増幅条件は次のとおりであった: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー 299QR または400 nM プライマー T2 および 400 nM プライマー 299QF, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-TS。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。PCR産物(断片T1QRおよび断片QFT2)を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kitを用いて回収した。完全長のグルコースイソメラーゼ遺伝子を次の条件で組立てた: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ngの断片T1QR および 20 ngの断片QFT2。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。完全長の変異体MGI-T299Qを、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。MGI-T299QをベクターpGEMT-Easyにライゲーション後に作出したプラスミドpGEMT-MGI-T299Qでコンピテント E. coli HB101を形質転換し、形質転換体を1% D-キシロース および 50 mg/L アンピシリンを含有している1% MacConkeyプレートでグルコースイソメラーゼ活性で選抜した。プラスミドpGEMT-MGI-T299Q DNAを、陽性クローンから単離し、シークエンスした。
例6
四つの変異を含んでいるグルコースイソメラーゼ変異体MGI-4の作出
部位特異的突然変異誘発を、文献(Ho et al., Gene 77:51-59, 1989 および White et al., PCR protocol: current methods and applications. Totowa, N.J.: Humana Press 1993)に記載のとおり行った。
断片 T1FR および QFT2を、それぞれ例 2 および 5にしたがって増幅し、回収した。断片 FFARをプライマーペア 139FF (表 1) および 182AR (表 2)を用いて次の条件で増幅した: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー 139FF および 400 nM プライマー 182AR, 1.5 U Pfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-TS。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。PCR産物(断片FFAR)を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。断片 AFSRをプライマー 182AF および187SR (表 1)を用いて次の条件で増幅した: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー 182AF および 400 nM プライマー 187SR, 1.5 U Pfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-TS。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。断片AFSRを、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。断片 SFQRをプライマー 187SF および299QR (表 1)を用いて次の条件で増幅した: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー 187SF および 400 nM プライマー 299QR, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-TS。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。断片SFQRを、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。完全長のグルコースイソメラーゼ遺伝子を次に次の条件で組立てた: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ngの断片T1FRおよび20 ngの断片FFAR, 20 ngの断片AFSR, 20 ngの断片SFQRおよび20 ngの断片QFT2。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。完全長の変異体MGI-4を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。MGI-MGI-4をベクターpGEMT-Easyにライゲーション後に作出したプラスミドpGEMT-MGI-MGI-4でコンピテント E. coli HB101を形質転換し、形質転換体を1% D-キシロース および 50 mg/L アンピシリンを含有している1% MacConkeyプレートでグルコースイソメラーゼ活性で選抜した。プラスミドpGEMT-MGI-MGI-4 DNAを、陽性クローンから単離し、シークエンスした。MGI-4の配列は、W139F, R182A, F187S およびT299Qを含んでいる四つの変異を含む。
例7
五つの変異を含んでいるグルコースイソメラーゼ変異体 MGI4-F87L および MGI4-F87Mの産生
部位特異的突然変異誘発を、文献(Ho et al., Gene 77:51-59, 1989 および White et al., PCR protocol: current methods and applications. Totowa, N.J.: Humana Press 1993)に記載のとおり行った。
pGEMT-MGI-4 (例 6)を鋳型として用いて、MGI-4のポジション 87のPhe (F)を、部位特異的プライマー 87LF および87LR (表 1) およびユニバーサルプライマーT1 および T2(表 1)でのPCR 増幅によってLeu (L)に変異させて、変異体 MGI4-F87Lを作出した。
断片T1LR およびLFT2は、それぞれプライマーペアT1 および87LR, および87LF およびT2によって、次の条件で増幅された: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% Triton X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および400 nM プライマー 87LR または400 nM プライマー 87LF および400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ(Promega, USA), 20 ng pGEMT-MGI-4。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。PCR産物(断片T1LRおよびLFT2)を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。完全長のグルコースイソメラーゼ遺伝子を次の条件で組立てた: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ngの断片T1LR および 20 ngの断片LFT2。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。完全長の変異体MGI4-F87Lを、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。MGI4-F87LをベクターpGEMT-Easyにライゲーション後に作出したプラスミドpGEMT-MGI4-F87Lでコンピテント E. coli HB101を形質転換し、形質転換体を1% D-キシロース および 50 mg/L アンピシリンを含有している1% MacConkeyプレートでグルコースイソメラーゼ活性で選抜した。プラスミドpGEMT-MGI4-F87L DNAを、陽性クローンから単離し、シークエンスした。MGI4-F87L配列は、F87L, W139F, R182A, F187S およびT299Qの五つの変異を含む。MGI4-F87Lのアミノ酸配列は、配列表の配列 5として示されている。
MGI4-F87Mを、類似の処理を用いて構築した。使用したプライマーを表1に示す。変異体MGI4-F87Mは、F87M, W139F, R182A, F187S およびT299Qの五つの変異を含む。MGI4-F87Mのアミノ酸配列は、配列表の配列 6として示されている。
例8
五つの変異を含んでいるグルコースイソメラーゼ変異体MGI4-V217R およびMGI4-V217Wの産生
部位特異的突然変異誘発を、文献(Ho et al., Gene 77:51-59, 1989 および White et al., PCR protocol: current methods and applications. Totowa, N.J.: Humana Press 1993)に記載のとおり行った。
pGEMT-MGI-4 (例 6)を鋳型として用いて、MGI-4のポジション 217のVal (V)を、部位特異的プライマー 217RF および217RR (表 1) およびユニバーサルプライマーT1 および T2(表 1)でのPCR 増幅によってArg (R)に変異させて、変異体 MGI4-V217Rを作出した。
断片T1RR およびRFT2は、それぞれプライマーペアT1 および217RR, および217RF およびT2によって、次の条件で増幅された: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% Triton X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および400 nM プライマー 217RR または400 nM プライマー 217RF および400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-MGI-4。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。PCR産物(断片T1RR およびRFT2)を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kitを用いて回収した。完全長のグルコースイソメラーゼ遺伝子を次の条件で組立てた: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ngの断片T1RR および 20 ngの断片RFT2。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。完全長の変異体MGI4-V217Rを、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。MGI4-V217RをベクターpGEMT-Easyにライゲーション後に作出したプラスミドpGEMT-MGI4-V217Rでコンピテント E. coli HB101を形質転換し、形質転換体を1% D-キシロース および 50 mg/L アンピシリンを含有している1% MacConkeyプレートでグルコースイソメラーゼ活性で選抜した。プラスミドpGEMT-MGI4-V217R DNAを、陽性クローンから単離し、シークエンスした。前記変異体の配列は、W139F, R182A, F187S, V217R およびT299Qの五つの変異を含む。MGI4-V217Rのアミノ酸配列は、配列表の配列 7として示されている。
MGI4-V217Wを、類似の処理を用いて構築した。使用したプライマーを表1に示す。変異体MGI4-V217Wは、W139F, R182A, F187S, V217W およびT299Qの五つの変異を含む。MGI4-V217Rのアミノ酸配列は、配列表の配列 8として示されている。
例9
五つの変異を含んでいるグルコースイソメラーゼ変異体MGI4-D260Eの産生
部位特異的突然変異誘発を、文献(Ho et al., Gene 77:51-59, 1989 および White et al., PCR protocol: current methods and applications. Totowa, N.J.: Humana Press 1993)に記載のとおり行った。
pGEMT-MGI-4 (例 6)を鋳型として用いて、MGI-4のポジション 260のAsp (D)を、部位特異的プライマー 260EF および260ER (表 1) およびユニバーサルプライマーT1 および T2(表 1)でのPCR 増幅によってGlu (E)に変異させて、変異体 MGI4-D260Eを作出した。
断片T1ER およびEFT2は、それぞれプライマーペアT1 および260ER, および260EF およびT2によって、次の条件で増幅された: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% Triton X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および400 nM プライマー 260ER または400 nM プライマー 260EF および400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-MGI-4。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。PCR産物(断片T1ER およびEFT2)を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kitを用いて回収した。完全長のグルコースイソメラーゼ遺伝子を次の条件で組立てた: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ngの断片T1ER および 20 ngの断片EFT2。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。完全長の変異体MGI4-D260Eを、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。MGI4-D260EをベクターpGEMT-Easyにライゲーション後に作出したプラスミドpGEMT-MGI4-D260Eでコンピテント E. coli HB101を形質転換し、形質転換体を1% D-キシロース および 50 mg/L アンピシリンを含有している1% MacConkeyプレートでグルコースイソメラーゼ活性で選抜した。プラスミドpGEMT-MGI4-D260E DNAを、陽性クローンから単離し、シークエンスした。前記変異体の配列は、W139F, R182A, F187S, D260E およびT299Qの五つの変異を含む。MGI4-D260Eのアミノ酸配列は、配列表の配列 9として示されている。
例10
五つの変異を含んでいるグルコースイソメラーゼ変異体MGI4-F276Gの産生
部位特異的突然変異誘発を、文献(Ho et al., Gene 77:51-59, 1989 および White et al., PCR protocol: current methods and applications. Totowa, N.J.: Humana Press 1993)に記載のとおり行った。
pGEMT-MGI-4 (例 6)を鋳型として用いて、MGI-4のポジション 276のPhe (F)を、部位特異的プライマー 276GFおよび276GR (表 1) およびユニバーサルプライマーT1 および T2(表 1)でのPCR 増幅によってGly (G)に変異させて、変異体 MGI4-F276Gを作出した。
断片T1GR およびGFT2は、それぞれプライマーペアT1 および276GR, および276GF およびT2によって、次の条件で増幅された: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% Triton X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および400 nM プライマー 276GR または400 nM プライマー 276GF および400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-MGI-4。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。PCR産物(断片T1GR およびGFT2)を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kitを用いて回収した。完全長のグルコースイソメラーゼ遺伝子を次の条件で組立てた: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ngの断片T1GR および 20 ngの断片GFT2。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。完全長の変異体MGI4-F276Gを、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。MGI4-F276GをベクターpGEMT-Easyにライゲーション後に作出したプラスミドpGEMT-MGI4-F276Gでコンピテント E. coli HB101を形質転換し、形質転換体を1% D-キシロース および 50 mg/L アンピシリンを含有している1% MacConkeyプレートでグルコースイソメラーゼ活性で選抜した。プラスミドpGEMT-MGI4-F276G DNAを、陽性クローンから単離し、シークエンスした。前記変異体の配列は、W139F, R182A, F187S, F276G およびT299Qの五つの変異を含む。MGI4-F276Gのアミノ酸配列は、配列表の配列 10として示されている。
例11
六つの変異を含んでいるグルコースイソメラーゼ変異体MGI4-24およびMGI4-25の産生
部位特異的突然変異誘発を、文献(Ho et al., Gene 77:51-59, 1989 および White et al., PCR protocol: current methods and applications. Totowa, N.J.: Humana Press 1993)に記載のとおり行った。
断片T1LRを、増幅し、例 7のとおり回収した。断片 LFAR を、プライマーペア 87LF および 260AR (表 1)で増幅し、回収した。増幅条件は次のとおりであった: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー 87LF および400 nM プライマー 260AR, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-MGI-4。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。PCR産物(断片LFAR)を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。断片 AFT2をプライマーペア 260AF およびT2 (表 1)で次の条件で増幅した: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー 260AF および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-MGI-4。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。断片AFT2を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。完全長のグルコースイソメラーゼ遺伝子を次の条件で増幅した: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ngの断片T1LR, 20 ngの断片LFAR, および20 ngの断片AFT2。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。完全長の変異した遺伝子MGI4-24を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。MGI-MGI4-24をベクターpGEMT-Easyにライゲーション後に作出したプラスミドpGEMT-MGI4-MGI-24でコンピテント E. coli HB101を形質転換し、形質転換体を1% D-キシロース および 50 mg/L アンピシリンを含有している1% MacConkeyプレートでグルコースイソメラーゼ活性で選抜した。プラスミドpGEMT-MGI4-24 DNAを、陽性クローンから単離し、シークエンスした。MGI4-24のアミノ酸配列は、配列表の配列 11として示されている。変異体の配列は、F87L, W139F, R182A, F187S, D260A およびT299Qの六つの変異を含む。
MGI4-25を、類似の処理を用いて構築した。使用されたプライマーペアT1 および87LR, 87LF および276TR, 276TF およびT2は、表 1に示される。前記変異体は、F87L, W139F, R182A, F187S, F276T およびT299Qの六つの変異を含む。前記変異体のアミノ酸配列は、配列表の配列 12として示されている。
例12
七つの変異を含んでいるグルコースイソメラーゼ変異体MGI4-34およびMGI4-35の産生
部位特異的突然変異誘発を、文献(Ho et al., Gene 77:51-59, 1989 および White et al., PCR protocol: current methods and applications. Totowa, N.J.: Humana Press 1993)に記載のとおり行った。
断片T1LRを、増幅し、例 7のとおり回収した。断片 LFGR を、プライマーペア 87LF および 217GR (表 1)で増幅し、回収した。増幅条件は次のとおりであった: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー 87LF および400 nM プライマー 217GR, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-MGI-4。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。PCR産物(断片LFGR)を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。断片GFTRの増幅は、次の条件で行った: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー 217GF および400 nM プライマー 276TR, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-MGI-4。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。断片GFTRを、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。断片 TFT2をプライマーペア 276TF およびT2 (表 1)で次の条件で増幅した: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー 276TF および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ng pGEMT-MGI-4。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。断片TFT2を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。完全長のグルコースイソメラーゼ遺伝子を次の条件で増幅した: 20 mM Tris-HCl (pH 8.8), 10 mM KCl, 10 mM (NH4)2SO4, 2 mM MgSO4, 0.1% トリトン X-100, 50 μM dATP, 50 μM dTTP, 50 μM dCTP, 50 μM dGTP, 400 nM プライマー T1 および 400 nM プライマー T2, 1.5 UのPfu DNAポリメラーゼ, 20 ngの断片T1LR, 20 ngの断片LFGR, 20 ngの断片GFTRおよび 20 ngの断片TFT2。そして、総容積を、無菌の蒸留水で50 μlに調製した。反応に対するPCR増幅プログラムは、95℃, 3 min; 次に35 サイクルの95℃, 50 sec, 52℃, 30 sec, 72℃, 3 min; および最終的に 72℃, 5 minであった。完全長の変異した遺伝子MGI4-34を、1%アガロースゲルで分離し、QIAquick Gel Extraction Kit (QIAGEN, German)を用いて回収した。MGI-MGI4-34をベクターpGEMT-Easyにライゲーション後に作出したプラスミドpGEMT-MGI4-MGI-34でコンピテント E. coli HB101を形質転換し、形質転換体を1% D-キシロース および 50 mg/L アンピシリンを含有している1% MacConkeyプレートでグルコースイソメラーゼ活性で選抜した。プラスミドpGEMT-MGI4-34 DNAを、陽性クローンから単離し、シークエンスした。前記変異体の配列は、F87L, W139F, R182A, F187S, V217G, F276T およびT299Qの七つの変異を含む。MGI4-34のアミノ酸配列は、配列表の配列 13として示されている。
MGI4-35を、類似の処理を用いて構築した。使用されたプライマーペアT1 および87LR, 87LF および217GR, 217GF および260AR, 260AF およびT2は、表 1に示される。前記変異体は、F87L, W139F, R182A, F187S, V217G, D260A およびT299Qの七つの変異を含む。前記変異体のアミノ酸配列は、配列表の配列 14として示されている。
Figure 0004955692
Figure 0004955692
例13
野生型グルコースイソメラーゼの単離 および 精製
野生型グルコースイソメラーゼの単離 および 精製は、文献(Lee et al., Journal of General Microbiology, 139:1227-1234, 1993)にしたがって行った。
プラスミド pGEMT-TSで形質転換したE. coli HB101細胞を、1% D-キシロース および 50 mg/L アンピシリンを含有しているMacConkey プレートで37゜Cで36 時間インキュベーションした。前記プレートからの単一コロニーを、播種し、50 mg/L アンピシリンを添加した5 ml LBで16 時間培養した。細菌細胞を、ペレットとし、1 mlの20 mM リン酸ナトリウム緩衝剤 (pH 6.5)に再懸濁し、CoCl2 およびMgCl2を、それぞれ250 μM および 5 mMの最終濃度まで添加し、超音波を用いて破砕し、遠心分離を17,800 g で15 min、10゜Cで行って上清を粗タンパク質として採取した。その粗タンパク質を、80゜Cで10 min熱し、遠心分離を17,800 gで15 min、10゜Cで行って沈殿物を除去した。結果として部分的に精製されたグルコースイソメラーゼを、引き続くアッセイおよび高果糖コーンシロップの調製に使用した。
例14
グルコースイソメラーゼ変異体の単離 および 精製
グルコースイソメラーゼ 変異体 MGI4-35の単離 および 精製を、例 13に記載のとおり行った(但し、使用したプラスミドはpGEMT-MGI4-35であった)。また、他のグルコースイソメラーゼ変異体を、例 13に記載のとおり単離し、精製した。
例15
野生型グルコースイソメラーゼのD-グルコースを基質とした活性アッセイ
1.0 M D-グルコース, 20 mM リン酸ナトリウム 緩衝剤, 250 μM CoCl2 および 5 mM MgCl2 を含有している基質溶液Aの保存溶液(pH 6.5)を、調製した。90μlの基質溶液Aの保存溶液を、例 1 および13に記載のとおり調製された10 μlのグルコースイソメラーゼと混合し、インキュベーションを80゜Cで10 min行い、すぐに氷上で停止した。形成されたD-果糖を、システイン-カルバゾール法(Dische et al., Journal of Biological Chemistry, 192:583-587, 1951; および Nakamura, Agricultural and Biological Chemistry, 32:701-706, 1968)で測定した。タンパク質濃度を、クーマシー(登録商標)プラス タンパク質 アッセイ 試薬 キット (ピアス, USA) および SDS-PAGEを用いて決定した。一単位の酵素活性は、アッセイ条件下で分ごとにD-グルコースから1 μモルの果糖を産生するために使用される酵素量と規定される。以下の表 2は、野生型のグルコースイソメラーゼの相対的な比活性を示す。
例16
グルコースイソメラーゼ変異体の活性アッセイ
グルコースイソメラーゼ変異体の活性を、例 15に記載のとおり測定した。以下の表 2は、野生型グルコースイソメラーゼ および変異体の相対的な特異的活性の比較を示す。
Figure 0004955692
例17
野生型グルコースイソメラーゼの熱安定性
例 13に記載のとおり得られた百μlの部分的に精製された野生型グルコースイソメラーゼを、四つの微量遠心チュウブの各々に添加し、200 μlのミネラル油でオーバーレイした。前記チュウブを、80゜Cのウォーターバスに配置した。その四つの微量遠心チュウブを一つ、0 h, 2 h, 6 h および 27 hの時間間隔でウォーターバスから除き、遠心分離を17,800 gで20 min、10゜Cで行った。上清の残留タンパク質 および グルコースイソメラーゼ活性を、例 15に記載のとおり決定した。図 1は、野生型グルコースイソメラーゼの80゜Cでの熱安定性を示す。
例18
グルコースイソメラーゼ変異体の熱安定性
グルコースイソメラーゼ 変異体 MGI4-34 またはMGI4-35 (例12および14を参照されたい)の熱安定性を、例 17に記載のとおり測定し、図 1に示した。図 1に示したとおり、野生型グルコースイソメラーゼの80゜Cでの活性の半減期は、4.1 時間であり、MGI4-34では26 時間であり、MGI4-35では27 時間をこえていた。
例19
グルコースイソメラーゼ変異体 MGI4-35の固定化
固定化の手順は、Ge等(Ge et al., Applied Biochemistry and Biotechnology, 69:57-69, 1998)にしたがって行われた。要約すると、100 gの固定化担体(エチルアミンポリスチレン塩酸粒子, Chengdu Institute of Chemical Engineeringによって提供される)を、例12 および 14に記載のとおり調製した8 gの部分的に精製されたグルコースイソメラーゼ変異体 MGI4-35と1 L の10 mM リン酸緩衝剤 (pH 8.0)中で混合し、室温 (22゜C) で18 時間撹拌(60-120 rpm/min)した。結果として生じる固定化酵素を、107 gの固定化酵素をえるために、濾過で採取し、水で三回洗浄した。0.01 gの固定化酵素を用いて例 16に記載のとおりに測定された固定化酵素の活性は、820 単位/gであった。
例20
グルコースイソメラーゼ変異体 MGI4-35を保持している大腸菌細胞の固定化
pGEMT-MGI4-35を保持している大腸菌HB101細胞を、50 mg/L アンピシリンを含有しているLB ブロスでOD600 を7まで成長させた。10gの細胞(遠心分離によって採取された)を、0.5 mmの直径の針をとおして500 mlの2% CaCl2溶液へとだした20 gの3% アルギン酸ナトリウムとよく混合した。その混合物を、室温で1 時間反応させ、各々を三回蒸留水中で半時間浸漬することで洗浄した。結果として生じる固定化された細胞約30 gを、例 16に記載のとおり0.01 gの固定化された細胞を用いてグルコースイソメラーゼ活性に関して測定した。その活性は、370 units/gであった。
本発明は、上記の例の詳細な記述によって限定されない。当業者は様々な修飾を本発明の範囲を逸脱することなく達成し得る。
図 1は、野生型グルコースイソメラーゼ および 七つの変異を含んでいるグルコースイソメラーゼ 変異体 MGI4-34 および MGI4-35の80゜Cにおける熱安定性を示す。詳細は、例 12に記載される。

Claims (5)

  1. 配列表の配列番号5〜配列番号14のアミノ酸配列の何れか一つを有し、且つ、D-グルコースを基質として用いたときに、配列表の配列番号2のアミノ酸配列を有する野生型グルコースイソメラーゼよりも高い触媒活性を有することを特徴とするグルコースイソメラーゼ変異体。
  2. 請求項1に記載のグルコースイソメラーゼ変異体の使用であって、前記グルコースイソメラーゼ変異体がD-グルコースから果糖への転換に使用されることを特徴とする使用。
  3. 請求項2に記載の使用であって、前記グルコースイソメラーゼ変異体が高果糖コーンシロップの産生に使用されることを特徴とする使用。
  4. 請求項3に記載の使用であって、前記高果糖コーンシロップが55%[wt ]以上の果糖を含むことを特徴とする使用。
  5. 請求項1に記載のグルコースイソメラーゼ変異体をコードするDNA配列を含むDNA。
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