JP4955167B2 - 水中油型固形化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、寒天及び/又はゼラチン、ポリエチレングリコール、油剤及び水を含有する水中油型固形化粧料に関するものであり、更に詳細には、コンパクト容器等に収納可能で携帯性に優れ、みずみずしさと伸び広がりに優れ、肌への密着感が良好で、しかも化粧持続性に優れた水中油型固形化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファンデーション等の固形化粧料は、パウダータイプ、油性タイプ等の非水系や、水を含有した油中水型、水中油型等の様々な剤型の化粧料が市場に出回っている。これらの中でも、水系を寒天等で固化した水中油型化粧料は、みずみずしく、清涼感が高い化粧料でありながら、携帯性にも優れるため、近年特に注目されている剤型である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、水系を寒天等で固化した水中油型固形化粧料は、みずみずしく、清涼感が高いという優れた品質を有するが、水溶性高分子である寒天が経時的に肌から分泌される汗等に馴染んでしまうため、肌との密着感や化粧持続性の点で更に改良の余地があった。このため、水中油型固形化粧料において、肌との密着感を向上させるための技術として、ポリブテン等の付着性油剤を配合する方法、化粧持続性を向上させるための技術として、ワックス等の固形油を多量に配合する方法等が試されていた。しかしながら、これら付着性油剤を配合する方法や、固形油を多量配合する方法では、ある程度、肌への密着感や化粧持続性の向上は認められるが、塗布時の伸び広がりが悪くなり、みずみずしさ、清涼感が損なわれるという欠点を有していた。このため、水中油型固形化粧料の長所である、みずみずしく、清涼感が高い等の優れた品質を保持したままで、肌との密着感と、化粧持続性に優れる水中油型固形化粧料の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる事情に鑑み、本発明者らは、鋭意研究を行った結果、寒天及び/又はゼラチン、油剤及び水を含有する水中油型固形化粧料にポリエチレングリコールを含有させることにより、みずみずしく、清涼感が高い等の優れた品質を保持したままで、肌との密着感と化粧持続性に優れる水中油型固形化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、次の成分(a)〜(d);
(a)寒天及び/又はゼラチン
(b)ポリエチレングリコール
(c)油剤
(d)水
を含有することを特徴とする水中油型固形化粧料を提供するものである。また、成分(b)のポリエチレングリコールの含有量が0.01〜10質量%であることを特徴とする前記水中油型固形化粧料を提供するものである。更に、成分(e)として水溶性粘着剤を含有する前記何れかの水中油型固形化粧料を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(a)の寒天及び/又はゼラチンは、本発明の水中油型固形化粧料において水系を固化し、固形状を保持するための成分である。成分(a)の寒天は、通常公知の寒天であり、その産地、起源等は問わず何れのものも使用可能である。また、成分(a)の寒天はゼリー強度を調整するために、酸処理して分子を切断させた、いわゆる低強度寒天(特開平5−317008号公報に開示)でも良い。更に、成分(a)のゼラチンは、通常公知のゼラチンであり、その産地、起源等は問わず何れのものも使用可能である。
【0007】
本発明の水中油型固形化粧料における成分(a)の含有量は、0.1〜10質量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましく、0.3〜7%が特に好ましい。成分(a)の含有量がこの範囲であれば、固形状を保持することができ、みずみずしさや清涼感、伸び広がりがより優れた水中油型固形化粧料を得ることができる。
【0008】
本発明に用いられる成分(b)のポリエチレングリコールは、本発明の水中油型固形化粧料において、化粧膜を肌へ密着させることにより、優れた化粧持続性を与えるものである。成分(b)のポリエチレングリコールは、通常化粧料に用いられるものであれば何れのものも用いることができるが、平均分子量25000以下のものが好ましい。平均分子量が25000を超えるポリエチレングリコールは、結晶性が高くなり、一度溶解した後に、結晶化する場合が有り、含有量やその他の成分を特定する必要がある。更に、成分(b)のポリエチレングリコールは、平均分子量300〜10000のものが特に好ましい。この範囲のポリエチレングリコールであると、肌との密着感や化粧持続性の点で優れた効果が発揮される。本発明で用いられる成分(b)のポリエチレングリコールは、例えば、International Nomenclature CosmeticIngredientに収載されているPEG−4,PEG−6,PEG−8,PEG−12,PEG−20,PEG−32,PEG−40,PEG−75,PEG−150,PEG−240,PEG−350等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0009】
本発明の水中油型固形化粧料における成分(b)の含有量は、0.01〜10%が好ましく、0.1〜5%が特に好ましい。成分(b)の含有量がこの範囲であれば、より肌との密着感に優れ、化粧持続性がより優れた水中油型固形化粧料を得ることができる。
【0010】
本発明に用いられる成分(c)の油剤は、通常化粧料に用いられる油剤であれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等のエステル類、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステアリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)等のアミノ酸系油剤、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0011】
本発明の水中油型固形化粧料における成分(c)の含有量は、1〜30%が好ましい。成分(c)の含有量がこの範囲であれば、より良好に固形状を保持することができ、みずみずしさや、伸び広がりがより優れた水中油型固形化粧料を得ることができる。
【0012】
本発明に用いられる成分(d)の水は、本発明の水中油型固形化粧料中に40〜95%含有するのが好ましい。成分(d)の含有量がこの範囲であれば、より良好に固形状を保持することができ、みずみずしさや、伸び広がりがより優れた水中油型固形化粧料を得ることができる。
【0013】
本発明の水中油型固形化粧料に上記成分に加えて、成分(e)として水溶性粘着剤を含有させることにより、より肌への密着感と化粧持続性を高めることができ、同時に小道具や指等への取れを更に良好にすることができる。このような成分(e)は、水中において、それ自体は固化しない水溶性高分子であり、例えば、メチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体類、アルギン酸ソーダ,カラギーナン,クインスシードガム,キサンタンガム,ローカストビーンガム,ペクチン等の天然高分子類、ポリビニルアルコール,カルボシキビニルポリマー,アルキル付加カルボシキビニルポリマー,ポリアクリル酸ソーダ,ポリメタクリル酸ソーダ,ポリアクリル酸グリセリンエステル,ポリビニルピロリドン等の合成高分子類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0014】
本発明の水中油型固形化粧料における成分(e)の含有量は、0.05〜2%が好ましく、0.1〜1%が特に好ましい。成分(e)の含有量がこの範囲であれば、より肌との密着感に優れ、化粧持続性がより優れた水中油型固形化粧料を得ることができる。
【0015】
本発明の水中油型固形化粧料には、上記成分の他、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、界面活性剤、粉体、ベンゾフェノン系,PABA系,桂皮酸系,サリチル酸系,4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン,オキシベンゾン等の紫外線吸収剤、グリセリン,タンパク質,ムコ多糖,コラーゲン,エラスチン等の保湿剤、α−トコフェロール,アスコルビン酸等の酸化防止剤、ビタミン類,消炎剤,生薬等の美容成分、パラオキシ安息香酸エステル,フェノキシエタノール等の防腐剤、トリメチルシロキシケイ酸,アクリル変性シリコーン等の被膜形成剤、香料等を適宜配合することができる。
【0016】
本発明に用いられる界面活性剤は、乳化剤、分散剤、湿潤剤等の目的で用いられるものである。このような界面活性剤としては、通常化粧料に一般に用いられている界面活性剤であれば何れでも良く、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。本発明の水中油型固形化粧料に界面活性剤を含有する場合の含有量は、0.01〜10%が好ましい。
【0017】
本発明に用いられる粉体は、感触調整やメーキャップ効果の付与等を目的とするものであり、通常化粧料に使用されるものであれば、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化アルミニウム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、スメクタイト、ベントナイト、カオリン、合成雲母、合成セリサイト、セリサイト、タルク、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ポリスチレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー等の有機粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有無水ケイ酸、酸化亜鉛含有無水ケイ酸等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。また、これら粉体は一種または二種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。本発明の水中油型固形化粧料に粉体を含有する場合の含有量は、0.1〜50%が好ましい。
【0018】
本発明の水中油型固形化粧料としては、例えば、ファンデーション、アイシャドウ、頬紅、口紅、下地クリーム、日焼け止め料等のメーキャップ化粧料、乳液、美容液等のスキンケア化粧料等が挙げられるが、特にメーキャップ化粧料において本発明の効果が顕著に発揮される。
【0019】
本発明の水中油型固形化粧料の製造方法は、特に限定されないが、例えば、成分(a)及び成分(b)を成分(d)に溶解又は分散させ、これに成分(c)を添加して均一分散させた後、加熱溶融し、脱泡後、皿容器に流し込み、室温まで冷却固化して得る方法が挙げられる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0021】
実施例1〜7及び比較例1〜3:水中油型固形ファンデーション
表1に示す組成のファンデーションを下記方法により調製し、「みずみずしさ」、「伸び広がり」、「肌への密着感」、「化粧持続性」の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
(製法)
A.成分7〜11を加熱溶解する。
B.成分13〜22を加温混合する。
C.Bに成分1〜6を加えて混合分散する。
D.CにAを加えて乳化し、成分12を加えて均一混合する。
E.Dを容器に充填し、室温まで冷却して水中油型固形ファンデーションを得た。
【0024】
(評価方法)
実施例1〜7及び比較例1〜3のファンデーションを化粧歴10年以上の女性20名に使用してもらい、「みずみずしさ」、「伸び広がり」、「肌への密着感」、「化粧持続性」の各項目について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価し、更に、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。尚、「化粧持続性」については、塗布直後と塗布6時間後の比較で評価した。
【0025】
表1の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜7のファンデーションは、「みずみずしさ」、「伸び広がり」、「肌への密着感」、「化粧持続性」の全ての項目に優れた水中油型固形化粧料であった。一方、成分(b)を含有しない比較例1では、肌への密着感と化粧持続性の点、化粧持続性を高めるために付着性油剤や固形油を多く配合した比較例2及び3では、みずみずしさと、伸び広がりの点で実施例より劣っていた。
【0026】
実施例8:アイシャドウ
【0027】
(製法)
A.成分10〜12を加熱溶解する。
B.成分14〜20を加温混合する。
C.Bに成分1〜9を加えて混合分散する。
D.CにAを加えて乳化し、成分13を加えて均一混合する。
E.Dを容器に充填し、室温まで冷却して水中油型固形アイシャドウを得た。
実施例8のアイシヤドウは、「みずみずしさ」、「伸び広がり」、「肌への密着感」、「化粧持続性」の全ての項目に優れた水中油型固形化粧料であった。
【0028】
実施例9:頬紅
【0029】
(製法)
A.成分9〜12を加熱溶解する。
B.成分14〜19を加温混合する。
C.Bに成分1〜8を加えて混合分散する。
D.CにAを加えて乳化し、成分13を加えて均一混合する。
E.Dを容器に充填し、室温まで冷却して水中油型固形頬紅を得た。
実施例9の頬紅は、「みずみずしさ」、「伸び広がり」、「肌への密着感」、「化粧持続性」の全ての項目に優れた水中油型固形化粧料であった。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の水中油型固形化粧料は、コンパクト容器等に収納可能で携帯性に優れ、みずみずしさと伸び広がりに優れ、肌への密着感が良好で、しかも化粧持続性に優れた水中油型固形化粧料であった。
Claims (3)
- 次の成分(a)〜(e);
(a)寒天
(b)平均分子量が190〜25000のポリエチレングリコール
(c)油剤
(d)水
(e)水溶性粘着剤
を含有することを特徴とする水中油型固形化粧料。 - 成分(b)の平均分子量が190〜25000のポリエチレングリコールの含有量が0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項1記載の水中油型固形化粧料。
- 成分(e)の水溶性粘着剤がメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、クインスシードガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、ポリビニルアルコール、カルボシキビニルポリマー、アルキル付加カルボシキビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステルおよびポリビニルピロリドンからなる群より選ばれた1種又は2種以上の水溶性高分子である請求項1又は2記載の水中油型固形化粧料。
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