JP4953974B2 - ロータリ圧縮機 - Google Patents
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Description
さらに、特許文献2に記載のものでは、ローラの外周形状およびシリンダの内周形状に加えて、ベーンの先端部もテーパ形状に加工する必要があり、高い加工精度が要求され、加工性が悪化するという課題もある。
また、低段側および高段側シリンダの内周面形状や低段側および高段側ローリングピストンの外周面形状をテーパ形状に加工する必要が無く、摺動損失の低減を簡易な構造で実現できる。
図1はこの発明の実施の形態1に係る二段ロータリ圧縮機の構成を示す縦断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る二段ロータリ圧縮機における圧縮機構部の構成を説明する縦断面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る二段ロータリ圧縮機における低段側圧縮機構部の構成を説明する横断面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る二段ロータリ圧縮機における高段側圧縮機構部の構成を説明する横断面図である。
電力がモータ2に供給され、モータ2が駆動されると、低段側軸受34および高段側軸受35に軸支された駆動軸4が回転駆動される。そして、低段側ローリングピストン36および高段側ローリングピストン37が低段側シリンダ32および高段側シリンダ33内で偏芯回転する。この時、低段側ローリングピストン36および高段側ローリングピストン37の上下面は、潤滑油によりシールされている。
低圧冷媒は、アキュームレータ11および吸入管8を介して低段側吸入室42a内に導入され、低段側圧縮機構部にて圧縮され、中間圧まで昇圧される。中間圧まで昇圧された冷媒は、低段側圧縮室42bから連通管10を介して高段側吸入室43aに導入され、高段側圧縮機構部にて圧縮され、高圧まで昇圧される。高圧まで昇圧された冷媒は、高段側圧縮室43bから密閉シェル1内に吐出され、吐出管9から吐出される。
まず、低段側軸受荷重調整部44および高段側軸受荷重調整部45が省略されている比較例の動作について図5および図6を参照しつつ説明する。図5は比較例としての二段ロータリ圧縮機における圧縮機構部の動作を説明する縦断面図、図6は比較例としての二段ロータリ圧縮機における圧縮機構部の動作を説明する高段側圧縮機構部周りの横断面図である。
低段側軸受荷重調整部44の低段側軸受34の上端面での開口径が挿通孔31aの内径に略一致している。従って、同様に、低段側ローリングピストン36にかかる上下の荷重が中立化できる。
例えば、図8の(a)に示されるように、高段側軸受35の下端面に座ぐりを施して、高段側軸受荷重調整部45aを円柱状の凹形状に形成しても良い。また、図8の(b)に示されるように、テーパ角度を大きくして、平坦な底面をなくし、高段側軸受荷重調整部45bをテーパ面のみの凹形状に形成しても良い。なお、低段側軸受荷重調整部も、円柱状の凹形状、或いはテーパ面のみの凹形状に形成しても良い。
図9はこの発明の実施の形態2に係る二段ロータリ圧縮機における圧縮機構部の構成を説明する縦断面図、図10はこの発明の実施の形態2に係る二段ロータリ圧縮機における高段側圧縮機構部の動作を説明する横断面図である。
図9において、低段側ローリングピストン36は、低段側軸受34と相対する側の内周縁部を面取りして、テーパ状の低段側ローリングピストン荷重調整部46が形成されている。同様に、高段側ローリングピストン37は、高段側軸受35と相対する側の内周縁部を面取りして、テーパ状の高段側ローリングピストン荷重調整部47が形成されている。なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
これにより、高段側圧縮機構部から低段側圧縮機構部への冷媒の漏れ量を低減でき、性能を向上させることができる。
ここで、高段側ローリングピストン荷重調整部47の幅cを大きくしてゆくと、高段側軸受35側から高段側ローリングピストン37にかかる高圧の面積が大きくなる。そして、高段側ローリングピストン37を中間プレート31に押し付ける荷重が増加し、隙間t1が小さくなり、その分隙間t2が大きくなる。
また、図12の(b)に示されるように、高段側ローリングピストン荷重調整部47の幅cを大きくすると、圧縮機効率は上昇し、幅cが最適値となった時点で、圧縮機効率が最大値となる。圧縮機効率が最大値となる時点は、隙間t1が最適値となったときである。幅cが最適値より更に大きくなると、隙間t1が最適値より小さくなる。隙間t1が小さくなると、押し付け荷重による摺動損失が増大し、圧縮機効率が低下する。
図14はこの発明の実施の形態3に係る単段ロータリ圧縮機における圧縮機構部の構成を説明する縦断面図である。
圧縮機構部24は、シリンダ25と、シリンダ25の下端開口を閉塞する第2軸受としての副軸受27と、シリンダ25の上端開口を閉塞する第1軸受としての主軸受26と、シリンダ25と副軸受27と主軸受26とで構成される空間に配設されたローリングピストン28と、を備えている。そして、図示していないが、ローリングピストン28の外周面に当接し、空間を吸入室と圧縮室とに仕切るベーンと、ベーンをローリングピストン28の外周面に押圧するように付勢するばねと、を備えている。
そして、モータが駆動されると、主軸受26および副軸受27に軸支された駆動軸20が回転駆動される。そして、ローリングピストン28がシリンダ25内で偏芯回転する。この時、ローリングピストン28の上下面は、潤滑油によりシールされている。低圧冷媒は、吸入管(図示せず)を介して吸入室内に導入され、圧縮機構部24にて圧縮され、昇圧される。圧縮機構部24にて昇圧された冷媒は、圧縮室から密閉シェル1内に吐出される。
この実施の形態3では、軸受荷重調整部29がその上端面での開口径を主軸受26の軸受内径寸法に略一致するように、副軸受27の上端面内周側に形成されている。そこで、図14に示されるように、ローリングピストン28の上下面にかかる荷重が中立化されるので、ローリングピストン28が副軸受27側に押し付けられることに起因する摺動損失の増大が抑えられ、性能を向上させることができる。
また、軸受荷重調整部29は切頭円錐状の凹形状に限定されるものではなく、円柱状の凹形状、テーパ面のみの凹形状でもよい。
また、上記実施の形態1と同様に、軸受荷重調整部29の開口径は、主軸受26の軸受内径寸法に対して±0.1mm以下に調整することが好ましく、軸受荷重調整部29の深さも、10〜20μmに調整することが好ましい。
Claims (3)
- 密閉シェルと、該密閉シェル内に収納された低段側圧縮機構部および高段側圧縮機構部と、該密閉シェル内に収納され、該低段側圧縮機構部および該高段側圧縮機構部を駆動するモータと、を備え、低圧冷媒を上記低段側圧縮機構部で中間圧まで圧縮し、その後上記高段側圧縮機構部で高圧まで圧縮するロータリ圧縮機であって、
上記低段圧縮機構部と上記高段側圧縮機構部とは、
中間プレートを挟んで対向して配置された低段側シリンダおよび高段側シリンダと、
上記低段側シリンダを挟んで上記中間プレートと対向して配置された低段側軸受と、
上記高段側シリンダを挟んで上記中間プレートと対向して配置された高段側軸受と、
上記モータに連結され、かつ軸方向に離間して形成された低段側偏芯部および高段側偏芯部をそれぞれ上記低段側シリンダ内および上記高段側シリンダ内に収容されて上記低段側軸受と上記高段側軸受とに軸支された駆動軸と、
上記低段側偏芯部および上記高段側偏芯部のそれぞれに外嵌状態に嵌着されて上記低段側シリンダ内および上記高段側シリンダ内に偏芯回転可能に配設された低段側ローリングピストンおよび高段側ローリングピストンと、
上記低段側ローリングピストンおよび上記高段側ローリングピストンのそれぞれの外周面に当接して圧縮空間を構成する低段側ベーンおよび高段側ベーンと、を備えており、
上記中間プレートに形成された上記駆動軸の挿通孔は、上記低段側偏芯部および上記高段側偏芯部の少なくとも一方が挿通可能な径に形成されており、
低段側軸受荷重調整部および高段側軸受荷重調整部が、上記低段側軸受および上記高段側軸受の上記中間プレートと対向する端面内周に上記駆動軸の外周面を開放するようにそれぞれ環状に凹設されて、上記低段側軸受荷重調整部および上記高段側軸受荷重調整部の上記低段側軸受および上記高段側軸受の上記中間プレートと対向する端面での開口径が上記挿通孔の径に略一致しており、
上記低段側ローリングピストンおよび上記高段側ローリングピストンが上記低段側シリンダ内および上記高段側シリンダ内の上記中間プレート側に偏位した該中間プレートと接触しない位置に位置し、または、上記低段側ローリングピストンおよび上記高段側ローリングピストンの一方が上記低段側シリンダ内または上記高段側シリンダ内の上記中間プレート側に偏位した該中間プレートと接触しない位置に位置し、かつ上記低段側ローリングピストンおよび上記高段側ローリングピストンの他方が上記低段側シリンダ内または上記高段側シリンダ内の中間位置に位置していることを特徴とするロータリ圧縮機。 - ローリングピストン荷重調整部が上記高段側ローリングピストンおよび上記低段側ローリングピストンの少なくとも一方のローリングピストンの上記中間プレートと逆側の内周縁部を除去して環状に凹設されていることを特徴とする請求項1記載のロータリ圧縮機。
- 上記ローリングピストン荷重調整部が、シール機能を有していることを特徴とする請求項2記載のロータリ圧縮機。
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